JP2000066431A - 積層型電子写真用感光体およびその製造方法 - Google Patents

積層型電子写真用感光体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2000066431A
JP2000066431A JP10235297A JP23529798A JP2000066431A JP 2000066431 A JP2000066431 A JP 2000066431A JP 10235297 A JP10235297 A JP 10235297A JP 23529798 A JP23529798 A JP 23529798A JP 2000066431 A JP2000066431 A JP 2000066431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
electrophotographic photoreceptor
oxotitanium phthalocyanine
charge generation
undercoat layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10235297A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsumugi Onobori
つむぎ 尾登
Yoshinobu Murakami
嘉信 村上
Ryuichi Niigae
龍一 新ヶ江
Masayuki Ono
雅行 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10235297A priority Critical patent/JP2000066431A/ja
Publication of JP2000066431A publication Critical patent/JP2000066431A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、下引き層と顔料蒸着膜と電荷輸送
層とを積層した積層型電子写真用感光体であって、接着
性および膜強度に優れ、半導体レーザー光に対して高い
感度を示すとともに、感度や帯電性等の感光体特性の繰
り返し安定性に優れた高耐久性の積層型電子写真用感光
体を提供する。 【解決手段】 導電性支持体上2にアルコール可溶性の
ブチラール樹脂または共重合ナイロンからなる下引き層
3を設け、そのうえにオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜をモノクロロベンゼンと水からなる水添溶剤の混
合蒸気中にて暴露処理した電荷発生層4を設け、この上
に電荷輸送層5を形成し、積層型電子写真用感光体を完
成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置におい
て使用される積層型電子写真用感光体およびその製造方
法にかかり、詳しくは下引き層を設けた上にオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜を電荷発生層として用いた
積層型電子写真用感光体とその製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置は、高速記録性、低騒音性
に優れており、かつ、高画質での記録が可能であるとと
もに、普通紙への記録が可能であることなどの利点が注
目され、複写機はもちろん、プリンタやファクシミリな
どにおいても急速に普及しつつある。また、最近の傾向
として、特にプリンタやファクシミリの分野では、オフ
ィスユースからパーソナルユースへとその使用の形態が
移行してきており、より一層の小型化、低コスト化、さ
らにはメンテナンスフリー化等が求められている一方
で、画像処理技術の向上にともなって、より高解像度
で、画像品質を向上する画像形成技術が求められてい
る。
【0003】電子写真装置に用いられる感光体として
は、近年、成膜が容易であり、安価で無公害であるなど
の長所のため有機光導電物質を含有する有機感光体が開
発され、実用化されている。特に半導体レーザーを露光
光源に用いたレーザービームプリンタやファクシミリに
適した長波長領域に高い光感度(以下、感度という)を
有する有機感光体の発展がめざましい。
【0004】実用化されている有機感光体のほとんど
が、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質
を含有する電荷輸送層とを導電性支持体上に設けた積層
型電子写真用感光体である。この積層型電子写真用感光
体をより詳しく説明すると、通常、導電性支持体上に、
薄膜の電荷発生層を形成し、この電荷発生層の上に比較
的厚膜の電荷輸送層を形成し、これら2つの層によって
感光層が構成されている。この場合における電荷発生層
はキャリアを発生する機能を有し、電荷輸送層はキャリ
アを輸送する機能と感光体の帯電電位を保持する機能と
さらに感光体の機械的強度を保つ機能とを有している。
【0005】特に近年において、電荷発生層に用いられ
る電荷発生物質として、半導体レーザーの発振波長領域
である長波長域で高い感度を有するフタロシアニンが注
目され、特にそれらの顔料の中でもオキソチタニウムフ
タロシアニンを用いた積層型電子写真感光体が実用化さ
れている。
【0006】オキソチタニウムフタロシアニンを電荷発
生剤として用いて電荷発生層を形成する方法としては、
大きく分けて2つの方法がある。1つは、ある種の結晶
型のオキソチタニウムフタロシアニンを、バインダー樹
脂とともに溶剤中に分散させた塗料を用いて通常0.1
〜0.5μmの薄い厚みの塗膜を塗工形成し、これを電
荷発生層とする方法である。
【0007】他の1つは、導電性支持体上にオキソチタ
ニウムフタロシアニンを蒸着した後、得られたオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜に溶剤蒸気を暴露して電
荷発生層を形成する方法である。また特開昭59−16
6959号公報には、オキソチタニウムフタロシアニン
蒸着直後の膜はその光の吸収スペクトルにおける最大吸
収ピーク波長が720nmを示す結晶形の膜であるが、
この蒸着膜を例えばテトラヒドロフランの蒸気等の可溶
性溶剤の蒸気に接触させることにより、その光の吸収ス
ペクトルにおける最大吸収ピーク波長が830nmを示
す結晶形(β型)からなる膜に改変させることができ、
このテトラヒドロフラン蒸気による暴露処理後のオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜を電荷発生層として用
いることにより、半導体レーザー光に対して有利な感光
体を形成できることが開示されている。なお、本公報に
はテトラヒドロフラン蒸気による暴露処理後のオキソチ
タニウムフタロシアニン蒸着膜は、X線回折スペクトル
において、ブラッグ角(2θ)の7.5°、12.6
°、13.0°、25.4°、26.2°、28.6°
に強い回折ピークを有していることが報告されている。
【0008】前記のように、オキソチタニウムフタロシ
アニンを用いた電荷発生層の成膜方法としては、一般に
オキソチタニウムフタロシアニンを分散させた塗料を用
いて薄膜を塗工形成する方法と、オキソチタニウムフタ
ロシアニンの蒸着膜を形成する方法とがあるが、均一濃
度の薄膜を容易に形成でき、しかも、膜質の安定性にも
優れている点から、後者のオキソチタニウムフタロシア
ニンの蒸着膜を形成する方法がより有利であるとされて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、導電性
支持体上に樹脂分散塗料を用いて塗膜を塗工形成する方
法で電荷発生層を形成した場合、電荷発生層に用いてい
る樹脂と導電性支持体との接着がよいため、その上に電
荷輸送層を形成した後でもその接着性は非常に強固なも
のであるが、導電性支持体上にオキソチタニウムフタロ
シアニンを蒸着した後、溶剤蒸気に暴露して電荷発生層
を形成する場合では、顔料が導電性支持体上に単に蒸着
により付着しているだけであるため、その上に電荷輸送
層を形成した場合、形成時に発生する歪みのために、支
持体との接着性が悪く膜強度が非常に弱いという問題を
有していた。
【0010】本発明は前記のような課題に鑑みてなされ
たものであり、接着性が高く膜強度に優れ、半導体レー
ザー光に対して高感度を示すとともに、感度や帯電性に
優れ、これら感光体特性の繰り返し安定性に優れた積層
型電子写真用感光体およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の請求項1にかかる積層型電子写真用感光体
は、導電性支持体上に少なくとも下引き層と電荷発生層
と電荷輸送層とをこの順に積層したものであって、この
下引き層はアルコール可溶性のブチラール樹脂からなる
ものであり、電荷発生層はオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜を結晶変換処理したものであることを特徴と
する。そしてこの請求項1にかかる積層型電子写真用感
光体では、少なくともアルコール可溶性のブチラール樹
脂を用いた下引き層を設けることで、成膜後熱硬化させ
ると、耐溶剤性が向上し、その上にオキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜を結晶変換後、電荷輸送層を塗布し
ても、その際に下引き層が溶け出すことがなく、しかも
電荷発生層、電荷輸送層との接着性を高め、そのため膜
強度にも優れ、かつ感度および帯電性に優れているとと
もに、感度および帯電性等の繰り返し安定性も高く、長
期安定性にも優れた高耐久性感光層が得られる。
【0012】本発明の請求項2にかかる積層型電子写真
用感光体では、導電性支持体上に少なくとも下引き層と
電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層したものであ
って、この下引き層はアルコール可溶性の共重合ナイロ
ンからなるものであり、電荷発生層はオキソチタニウム
フタロシアニン蒸着膜を結晶変換処理したものであるこ
とを特徴とする。そして、この積層型電子写真用感光体
においても、接着性が高く、優れた膜強度と感度および
帯電性に優れているとともに、感度および帯電性などの
繰り返し安定性にも優れており、長期安定性にも優れた
高耐久性感光層が得られる。
【0013】本発明の請求項3にかかる積層型電子写真
用感光体では、電荷発生層のオキソチタニウムフタロシ
アニン蒸着膜の結晶変換処理が、芳香族系有機溶剤と水
あるいは塩素化脂肪族炭化水素と水からなる混合蒸気に
暴露してなる処理であることを特徴としている。そし
て、このような処理を行うことによって、感度および帯
電性に優れるとともに、これらの繰り返し安定性にも優
れたものが得られる。
【0014】本発明の請求項4にかかる積層型電子写真
用感光体の製造方法は、導電性支持体上に少なくとも下
引き層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層する
ことによって、積層型電子写真用感光体を製造する方法
であり、その形成工程が導電性支持体上にアルコール可
溶性のブチラール樹脂からなる下引き層を設ける工程
と、電荷発生層として前記下引き層の上にオキソチタニ
ウムフタロシアニンを蒸着する工程と、得られたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜を結晶変換する工程
と、その上に電荷輸送層を塗布形成する工程とを含んで
いることを特徴とする。そして、このような方法を採用
することによって、耐溶剤性に優れ、接着性が高く、優
れた膜強度と感度および帯電性に優れているとともに、
感度および帯電性などの繰り返し安定性にも優れており
長期安定性にも優れた高耐久性感光層が得られる。
【0015】本発明の請求項5にかかる積層型電子写真
用感光体の製造方法は、導電性支持体上に少なくとも下
引き層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層する
ことによって、積層型電子写真用感光体を製造する方法
であり、その形成工程が導電性支持体上にアルコール可
溶性の共重合ナイロンからなる下引き層を設ける工程
と、電荷発生層として前記下引き層の上にオキソチタニ
ウムフタロシアニンを蒸着する工程と、得られたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜を結晶変換する工程
と、その上に電荷輸送層を塗布形成する工程とを含んで
いることを特徴とする。そして、このような方法を採用
することによって接着性が高く優れた膜強度と、感度お
よび帯電性に優れているとともに、感度および帯電性な
どの繰り返し安定性にも優れており長期安定性にも優れ
た高耐久性感光層が得られる。
【0016】本発明の請求項6にかかる積層型電子写真
用感光体の製造方法は、電荷発生層のオキソチタニウム
フタロシアニン蒸着膜の結晶変換処理工程が、芳香族系
有機溶剤と水あるいは塩素化脂肪族炭化水素と水からな
る混合蒸気に暴露してなる処理工程であることを特徴と
している。そして、このような処理工程によって、感度
および帯電性に優れるとともに、これらの繰り返し安定
性にも優れたものが得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0018】図1は本発明の形態にかかる積層型電子写
真用感光体の構成を模式的に示した断面図であり、図1
において、符号1は積層型電子写真用感光体を示してい
る。そして、ここでの積層型電子写真用感光体1は導電
性支持体2上に下引き層3が形成され、この上に薄膜の
電荷発生層4が形成され、かつこの電荷発生層上には比
較的厚膜の電荷輸送層5が形成されたものであり、これ
らの下引き層3、電荷発生層4および電荷輸送層5によ
って有機感光層6が構成されている。
【0019】導電性支持体2は、それ自体公知の導電性
材料からなる基体であって、例えばアルミニウムなどの
金属材料、導電性プラスチック(例えばフェノール樹脂
等の絶縁性樹脂にカーボン等の導電性粒子を分散させた
もの)、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化銅、酸化クロム、
または酸化スズ等の導電性の金属化合物で被覆されたガ
ラス等からなる基体が用いられる。基体の形態は、ドラ
ム状(パイプ状)、板状、ベルト状等の種々の形態であ
り、特に限定されない。
【0020】下引き層3は、アルコール可溶性のブチラ
ール樹脂または共重合ナイロンを適当な溶剤に溶解させ
た塗液を用いることによって形成されており、従来から
公知の塗工手法を採用することによって導電性支持体上
に浸漬塗工したうえ、塗膜を乾燥させることによって形
成されたものとなっている。溶剤としては、例えばエタ
ノール、メタノール等のアルコール系有機溶剤を挙げる
ことができ、好ましくはメタノールでこれを使用した場
合、透明で薄膜の均一な膜を形成することができる。な
お、濃度は特に限定されないが、トータルの固形分濃度
が5ないし10重量%となるように溶剤中に溶解され
る。また膜厚は接着性を損なわない限り、薄ければ薄い
ほど良く、0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下
の膜厚を有するものとなっている。これは厚すぎると下
引き層が絶縁層となってキャリアのトラップの原因とな
り、感度不良や残留電位の上昇を引き起こすためであ
る。
【0021】また、電荷発生層4は、オキソチタニウム
フタロシアニンを真空中で導電性支持体2上に蒸着して
なるオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜である。こ
のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜に用いるオキ
ソチタニウムフタロシアニンとしては、アシッドペース
ト処理が施されたオキソチタニウムフタロシアニン、あ
るいは、アシッドペースト処理が施された上で昇華精製
されたオキソチタニウムフタロシアニンを用いることが
好ましい。このように不純物をできるだけ除去すること
によって、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の電
気特性が大きく改善されることになって、電荷保持特性
および感度が一層向上することとなる。
【0022】さらに、以上のようにして形成された電荷
発生層4であるオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜
は、通常の溶剤処理によって結晶変換される。これらの
溶剤処理の中で好ましくは、芳香族系有機溶剤と水とを
含有してなる混合蒸気、もしくは塩素化脂肪族炭化水素
と水とを含有してなる混合蒸気などが挙げられる。
【0023】オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
暴露処理に使用される芳香族系有機溶剤としては炭素数
が6〜8のものが一般的であり、具体例としてはベンゼ
ンやトルエン、キシレン、クロロベンゼンあるいはこれ
らの2種以上からなる混合物を使用することがオキソチ
タニウムフタロシアニンの結晶変換を安定化させる都合
上からも好ましいことになる。なお、このような混合蒸
気は、芳香族系有機溶剤と水との混合比(芳香族系有機
溶剤:水)が5:1ないし50:1、好ましくは10:
1ないし20:1の範囲内にある混合溶剤を用いた上で
生成されており、この混合蒸気を得るためには、15℃
ないし25℃の温度範囲内にある混合溶剤を適当な容器
によって必要量だけ貯溜しておいたうえ、混合溶剤に含
有された各溶剤の温度に見合った蒸気圧相当分の混合蒸
気を発生させることが行われる。一方、塩素化脂肪族炭
化水素としては炭素数が2以下の塩素化脂肪族炭化水素
が使用されることになる、具体的にはジクロロメタン、
クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、
トリクロロエタン等があげられ、これらの内のI種また
は2種以上が混合した上で使用される。そして、特にオ
キソチタニウムフタロシアニンの結晶変換が安定化する
ことから、クロロホルムまたはジクロロエタン、あるい
はこれらの混合物を使用することが好ましい。なお、か
かる混合蒸気は、塩素化脂肪族炭化水素と水との混合比
(塩素化脂肪族炭化水素:水)が5:1ないし50:
1、好ましくは、10:1ないし20:1の範囲内にあ
る混合溶剤を用いたうえで生成されており、15℃ない
し25℃の温度範囲内にある混合溶剤を適当な容器に適
当量だけ貯溜しておくと、混合溶剤を構成する溶剤それ
ぞれの温度に見合った蒸気圧相当分の混合蒸気が発生す
ることになる。
【0024】さらに、オキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜からなる電荷発生層4の膜厚は特性上0.03な
いし0.5μmの範囲内、好ましくは0.1ないし0.
2μm程度の範囲内とされている。なおこのようにオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の膜厚を規制するの
は、膜厚が薄すぎると電荷(キャリア)の発生量が少な
いために充分な感度を得ることが困難となる傾向を示
し、また電荷発生層4の膜厚が厚すぎると暗減衰が増加
して帯電電位が低下し、帯電性や感度の繰り返し安定性
が低下する傾向を示すためである。すなわち、電荷発生
層4の膜厚を0.03ないし0.5μmの範囲内として
おいた際には、充分なキャリア発生量が得られるととも
に、かつ、暗減衰を充分に低減させることが可能とな
る。
【0025】ところで、芳香族系有機溶剤と水とを含有
した混合蒸気、もしくは塩素化脂肪族炭化水素と水とを
含有した混合蒸気によるオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜の暴露時間は30秒から3時間までの範囲内と
されるのが一般的であり、好ましくは5分ないし60分
程度とされている。そして、このように暴露時間を規制
しているのは、暴露時間が30秒より少ないと、導電性
支持体2の基体が長さ300mm以上の長尺ドラム上で
ある場合などにおいては導電性支持体2の全域に渡って
形成されたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の結
晶変換を充分かつ同時的に実行することが困難となり、
また、暴露時間が3時間を越えていると、光吸収スペク
トルの最大ピーク波長780±10nmを示す結晶系以
外への結晶変換が行われてしまう恐れがあるためであ
る。
【0026】つぎに、本実施の形態にかかる積層型電子
写真用感光体1が備えており、有機感光層6を構成する
電荷輸送層5について説明する。まず、この電荷輸送層
5は輸送層形成用塗液を用いることによって形成されて
おり、従来から公知の塗工手法を採用することによって
電荷発生層4である結晶変換されたオキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜上に輸送層形成用塗液を浸漬塗工し
たうえ、塗膜を乾燥させることによって形成されたもの
となっている。そして、輸送層形成用塗液は電荷輸送剤
および樹脂バインダーを適当な溶剤でもって溶解したも
のであり、この際における電荷輸送剤としては、オオキ
サゾールやオキサジアゾール、ピラゾリンなどの複素環
化合物、またヒドラゾン化合物やブタジエン化合物、ス
チルベン化合物あるいはこれらの化合物の各種誘導体物
質を上げることができる。
【0027】さらに、電荷輸送剤の具体例としては、例
えば、2−メチル−4−ジベンジルアミノベンズアルデ
ヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、4−ジエチルア
ミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾ
ン、1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、4−N,N
−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4−
{N−(p−メトキシフェニル)−N−フェニルアミ
ノ}−α−フェニルスチルベン等が挙げられ、これらの
1種または2種以上が使用される。特に、2−メチル−
4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフ
ェニルヒドラゾンと1,1−ビス(p−ジエチルアミノ
フェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン
の混合物を使用した場合や、4−N,N−ジフェニルア
ミノ−α−フェニルスチルベンを使用した場合に、特に
感度が良く、かつ、オゾンによる劣化の少ない有機感光
層6を形成することができる。
【0028】なお、2−メチル−4−ジベンジルアミノ
ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンと
1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4
−ジフェニル−1,3−ブタジエンの混合物を使用する
場合における配合比は、(2−メチル−4−ジベンジル
アミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾ
ン:1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン)の重量比
が、一般に99:1ないし30:70の範囲内とするこ
とが好ましい。これは2−メチル−4−ジベンジルアミ
ノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンが
多過ぎると感度が低下する傾向を示し、1,1−ビス
(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル
−1,3−ブタジエンが多過ぎると耐オゾン性が低下す
る傾向を示すことになるため、両者の配合比を前記範囲
内とすることにより、良好な感度と良好な耐オゾン性を
得ることができるためである。
【0029】さらに、輸送層形成用塗液を形成する際の
樹脂バインダーとしては、例えば、ポリエステル、ポリ
カーボネート、ポリスルホン、ポリメチルメタクリレー
トなどの各種樹脂が挙げられる。溶剤としては、例えば
メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン
等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム等の塩素
化炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素
類等の各種有機溶剤を挙げることができる。これらの有
機溶剤の内で特に好ましい溶剤は、クロロホルムまたは
トルエンであり、これらを使用した場合、電荷発生層4
である溶剤処理後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸
着膜の結晶形を変化させることなく、透明性の高い電荷
輸送層5を形成することができる結果、優れた感度を有
する有機感光層6が得られる。なお、輸送層形成用塗液
の組成が限定されることはなく、電荷輸送剤と樹脂バイ
ンダーとの重量比(電荷輸送剤:バインダー樹脂)は8
0:20ないし20:80の範囲内とされているのが一
般的であるが、電荷輸送剤および樹脂バインダーのトー
タルの固形分濃度が10〜40重量%となるように溶剤
中に溶解される。
【0030】輸送層形成用塗液の塗工方法は特に限定さ
れないが、被塗工体を塗料(塗液)中に浸漬して引き上
げることにより塗膜を形成する方法、いわゆる、浸漬塗
工法を採用するのが一般的で、かかる浸漬塗工法を採用
した場合には、比較的厚膜でしかも均一な厚みの塗膜を
容易に且つ短時間で形成することが可能となる。また、
形成済の電荷輸送層5の膜厚は一般に5μmないし40
μm、好ましくは15ないし30μmの膜厚を有するも
のとなっている。膜厚をかかる範囲内とすることにより
有機感光層6の初期帯電電位を充分に高く設定すること
ができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の形態における具体的な実施例
および比較例を説明する。
【0032】(実施例1)オキソチタニウムフタロシアニン顔料の合成 四口フラスコに、1−クロロナフタレン(770ml)
を入れ、撹拌しながら1,3−ジイミノイソインドリン
(113g)を加える。滴下ロートにチタン酸テトラ−
n−ブチル(75g)入れ、撹拌下に20分程で滴下す
る。窒素雰囲気中にて195〜205℃にて4時間加熱
した後、130℃になるまで放冷した。この後、反応生
成物を濾別し、これを100℃に加熱した1−クロロナ
フタレン(100ml)にて洗浄したのちエタノール
(1000ml)にて充分洗浄した。これを更にジメチ
ルホルムアミド(500ml)を用いて80℃で1時間
の熱懸濁洗浄を3回行い、次いでエタノール(500m
l)にて60℃で1時間の熱懸濁洗浄を2回行った後、
50℃にて真空乾燥した。このようにして得られたオキ
ソチタニウムフタロシアニンの収量は81gであった。
【0033】次いで三口フラスコに濃硫酸(97% d
=1.84)300gを入れ、氷水浴中にて冷却しなが
らガラス棒にて撹拌する。ここに上記にて得られたオキ
ソチタニウムフタロシアニン15gを45分間を要して
加え、さらに1.5時間撹拌を続ける。のち吸引濾過し
て得られた濾液を、氷を入れた蒸留水5L中にガラス棒
にて撹拌しながら、少しづつ注加し、顔料を析出させ
る。得られた析出物は吸引濾別後、濾液が中性になるま
で蒸留水で充分水洗した後、室温にて真空乾燥した。収
量は11gであった。
【0034】積層型感光体の製造 厚み0.5μmのアルミニウム板上に、下引き層として
アルコール可溶性のブチラール樹脂(会社名 積水化学
株式会社、商品名 エスレックBL−1)3.6gをエ
タノール60gにて溶解させた塗液を、膜厚が0.1μ
mとなるように浸漬塗布した後、110℃×1hrで加
熱乾燥させる。
【0035】次に、前記のようにして得られたオキソチ
タニウムフタロシアニンを10-5〜10ー6torrの真
空下で、下引き層の上に0.1μmの厚さで蒸着した。
この蒸着膜をモノクロロベンゼンと水(容量比で9:
1)からなる水添溶剤の混合蒸気中に5分間暴露処理し
た。この処理により、図2に示すように、オキソチタニ
ウムフタロシアニン蒸着膜の光の吸収スペクトルの最大
吸収波長が域が長波長側に移行した。図2(a)はオキ
ソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の形成直後の光の吸
収スペクトルを示し、720nm前後に最大吸収ピーク
を有している。図2(b)はモノクロロベンゼンと水か
らなる水添溶剤処理後のオキソチタニウムフタロシアニ
ン蒸着膜の光の吸収スペクトルを示し、吸収ピークが7
80nm前後となり、長波長側に移行していることがわ
かる。
【0036】次に、このようにして得られたオキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜からなる電荷発生層の上
に、2−メチル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒ
ド−N,N−ジフェニルヒドラゾン18重量部と1,1
−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフ
ェニル−1,3−ブタジエン2重量部、ポリカーボネー
ト樹脂(会社名 三菱瓦斯化学工業株式会社、商品名
ユーピロンZ−300)20重量部、クロロホルム10
0重量部からなる塗液を浸漬塗工にて、乾燥後の膜厚が
20μmとなるように電荷輸送層を設け、感光体を完成
させた。
【0037】次に、この感光体の静電特性を静電複写紙
試験装置(株式会社川口電気製作所製モデルEPA−8
100)を用いて評価した。
【0038】評価は、コロナ電流が−30μAになるよ
うに設定した印加電圧のコロナ放電により感光体を暗所
で負帯電した時の初期帯電電位をVmax(V)、暗減
衰1秒後の表面電位をV0(V)、暗減衰1秒間の電荷
保持率をD.D(%)として測定し、続いて800nm
にピークをもつ2.1μJ/cm2・sのエネルギーの
単色光を4秒間照射し、この時表面電位が1/2V0
1/5V0になる露光量をそれぞれE1/2、E1/5(μJ
/cm2)として測定し、露光4秒後の表面電位を残留
電位VR(V)として測定することにより行った。この
結果を表1に示す。
【0039】また、この評価試験において、1000回
繰り返した際における静電特性(感度および帯電特性)
の繰り返し安定性をも評価した。この結果を表1に示
す。但し、繰り返し評価の残留電位は露光2秒後の残留
電位である。
【0040】
【表1】
【0041】また、膜の接着性(膜強度)を見るために
ゴバン目試験を行った。これは上記の感光体試料を鋭利
な刃物で基板に達するように、1mm間隔に10×10
のゴバン目の切り目を入れ、この時に100個の升目の
内で、膜が基板から剥がれずに残った升目の個数を調べ
た。この結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】(実施例2)実施例1の2−メチル−4−
ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン18重量部と1,1−ビス(p−ジエチル
アミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタ
ジエン2重量部、の代わりに、4−N,N−ジフェニル
アミノ−α−フェニルスチルベン20重量部を電荷輸送
剤として用い、またクロロホルムを用いる代わりにトル
エンを溶剤として用いた以外は、実施例1と同様にして
感光体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価お
よびゴバン目試験を行った。この結果を前記表1、表2
に示す。
【0044】(実施例3)実施例1において、下引き層
に用いたアルコール可溶性のブチラール樹脂とエタノー
ルからなる塗液の代わりに、アルコール可溶性の共重合
ナイロン(会社名東レ株式会社、商品名 CM−800
0)3.6gとメタノール60gからなる塗液を用い、
乾燥後0.08μm厚となるように下引き層を作成した
以外は、実施例1と同様にして感光体を作成し、実施例
1と同様にして静電特性評価およびゴバン目試験を行っ
た。この結果を前記表1、表2に示す。
【0045】(実施例4)実施例3において、2−メチ
ル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−
ジフェニルヒドラゾン18重量部と1,1−ビス(p−
ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,
3−ブタジエン2重量部、の代わりに、4−N,N−ジ
フェニルアミノ−α−フェニルスチルベン20重量部を
電荷輸送剤として用い、またクロロホルムを用いる代わ
りにトルエンを溶剤として用いた以外は、実施例3と同
様にして感光体を作成し、実施例3と同様にして静電特
性評価およびゴバン目試験を行った。この結果を前記表
1、表2に示す。
【0046】(実施例5)実施例3において、2−メチ
ル−4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド−N,N−
ジフェニルヒドラゾン18重量部と1,1−ビス(p−
ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,
3−ブタジエン2重量部、の代わりに、4−(N−P−
メトキシフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベン2
0重量部を電荷輸送剤として用い、またクロロホルムを
用いる代わりにトルエンを溶剤として用いた以外は、実
施例3と同様にして感光体を作成し、実施例3と同様に
して静電特性評価およびゴバン目試験を行った。この結
果を前記表1、表2に示す。
【0047】(比較例1)比較例1では下引き層を設け
ないこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作成
し、実施例1と同様にして静電特性評価およびゴバン目
試験を行った。この結果を前記表1、表2に示す。
【0048】(比較例2)比較例2では下引き層を設け
ないこと以外は、実施例2と同様にして感光体を作成し
実施例2と同様にして静電特性評価およびゴバン目試験
を行った。この結果を前記表1、表2に示す。
【0049】以上の前記(表1)の結果から、本実施例
の積層型電子写真用感光体では、半導体レーザーのよう
な長波長光に対して良好な感度を示すことがわかった。
【0050】また、前記(表2)の結果から、本実施例
の積層型電子写真用感光体では、下引き層を設けること
によって、優れた接着性および膜強度を示すことがわか
った。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の積層型電子写真用感光体においては、導電性支持体上
にアルコール可溶性のブチラール樹脂を用いた下引き層
を設け、その上に前記電荷発生層としてオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜を結晶変換して得られる層と電
荷輸送層とを組み合わせて用いているため、耐溶剤性に
優れ、しかも接着性および膜強度が強く、半導体レーザ
ー光に対して高い感度を有し、かつキャリアのトラップ
や再結合が少ないものとなる。そのため、感度および帯
電性に優れ、かつこれらの繰り返し安定性にも優れてい
るとともに、長期安定性にも優れた感光層を具備してな
る積層型電子写真用感光体が構成されることとなり、長
期間にわたって高画質な画像形成が可能な高耐久性感光
体を提供することができるという効果が得られる。
【0052】また、本発明の請求項2にかかる積層型電
子写真用感光体においては、導電性支持体上にアルコー
ル可溶性の共重合ナイロンを用いた下引き層を設け、そ
の上に前記電荷発生層としてオキソチタニウムフタロシ
アニン蒸着膜を結晶変換して得られる層と電荷輸送層と
を組み合わせて用いているため、接着性および膜強度が
強く、半導体レーザー光に対して高い感度を有し、かつ
キャリアのトラップや再結合が少ないものとなる。その
ため、請求項1の場合と同じく、感度および帯電性に優
れ、かつこれらの繰り返し安定性にも優れているととも
に、長期安安定性にも優れた感光層を具備してなる積層
型電子写真用感光体が構成されることとなり、長期間に
わたって高画質な画像形成が可能な高耐久性感光体を提
供することができるという効果が得られる。
【0053】本発明の請求項3にかかる積層型電子写真
用感光体においては、電荷発生層のオキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜の結晶変換処理が、芳香族系有機溶
剤と水あるいは塩素化脂肪族炭化水素と水からなる混合
蒸気に暴露処理されているため、感度および帯電性に優
れるとともに、これらの繰り返し安定性にも優れている
という効果が得られる。
【0054】本発明の請求項4にかかる積層型電子写真
用感光体の製造方法は、導電性支持体上に少なくとも下
引き層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層して
なる積層型電子写真用感光体を製造する方法であって、
その形成工程が前記導電性支持体上にアルコール可溶性
のブチラール樹脂からなる下引き層を設ける工程と、電
荷発生層として前記下引き層を設けた上にオキソチタニ
ウムフタロシアニンを蒸着する工程と、得られたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜を結晶変換する工程
と、その上に電荷輸送層を塗布形成する工程とを含んで
いるため、このような方法を採用することによって、耐
溶剤性に優れ、しかも接着性および膜強度が強く、感度
および帯電性に優れ、かつこれらの繰り返し安定性に優
れているとともに、長期安定性に優れた高耐久性感光層
を合理的かつ安定して製造することが可能になるという
効果が得られる。
【0055】本発明の請求項5にかかる積層型電子写真
用感光体の製造方法は、導電性支持体上に少なくとも下
引き層と電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層して
なる積層型電子写真用感光体を製造する方法であって、
その形成工程が前記導電性支持体上にアルコール可溶性
の共重合ナイロンからなる下引き層を設ける工程と、電
荷発生層として前記下引き層を設けた上にオキソチタニ
ウムフタロシアニンを蒸着する工程と、得られたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜を結晶変換する工程
と、その上に電荷輸送層を塗布形成する工程とを含んで
いるため、このような方法を採用することによって、接
着性および膜強度が強く、感度および帯電性に優れ、か
つこれらの繰り返し安定性に優れているとともに、長期
安定性に優れた高耐久性感光層を合理的かつ安定して製
造することが可能になるという効果が得られる。
【0056】本発明の請求項6にかかる積層型電子写真
用感光体の製造方法は、電荷発生層のオキソチタニウム
フタロシアニン蒸着膜の結晶変換処理工程が、芳香族系
有機溶剤と水あるいは塩素化脂肪族炭化水素と水からな
る混合蒸気に暴露する工程を含んでいるため、このよう
な方法を採用することによって、感度および帯電性に優
れるとともに、これらの繰り返し安定性にも優れている
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による積層型電子写真用感光
体の構成を模式的に示した断面図
【図2】本発明の実施例1におけるモノクロロベンゼン
と水からなる水添溶剤の蒸気圧中に放置処理を行ったオ
キソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の光の吸収スペク
トルの変化を示した図で、 (a)処理前の光の吸収スペクトルを示した図 (b)処理後の光の吸収スペクトルを示した図
【符号の説明】
1 積層型電子写真用感光体 2 導電性支持体 3 下引き層 4 電荷発生層 5 電荷輸送層 6 有機感光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新ヶ江 龍一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小野 雅行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA21 AA37 AA43 BA01 BA12 BA39 BB16 BB28 EA22 EA43

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも下引き層と
    電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層
    型電子写真用感光体であって、 下引き層はアルコール可溶性のブチラール樹脂からなる
    ものであり、電荷発生層はオキソチタニウムフタロシア
    ニン蒸着膜を結晶変換処理したものであることを特徴と
    する積層型電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に少なくとも下引き層と
    電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層
    型電子写真用感光体であって、 下引き層はアルコール可溶性の共重合ナイロンからなる
    ものであり、電荷発生層は、オキソチタニウムフタロシ
    アニン蒸着膜を結晶変換処理したものであることを特徴
    とする積層型電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1から2に記載した積層型電子写
    真用感光体であって、結晶変換処理が、芳香族系有機溶
    剤と水あるいは塩素化脂肪族炭化水素と水からなる混合
    蒸気に暴露してなる処理であることを特徴とする積層型
    電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に少なくとも下引き層と
    電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層
    型電子写真用感光体を製造する方法であって、 その形成工程が導電性支持体上にアルコール可溶性のブ
    チラール樹脂からなる下引き層を設ける工程と、電荷発
    生層として前記下引き層の上にオキソチタニウムフタロ
    シアニンを蒸着する工程と、得られたオキソチタニウム
    フタロシアニン蒸着膜を結晶変換する工程と、その上に
    電荷輸送層を塗布形成する工程とを含んでいることを特
    徴とする積層型電子写真用感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 導電性支持体上に少なくとも下引き層と
    電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層してなる積層
    型電子写真用感光体を製造する方法であって、 その形成工程が導電性支持体上にアルコール可溶性の共
    重合ナイロンからなる下引き層を設ける工程と、電荷発
    生層として前記下引き層の上にオキソチタニウムフタロ
    シアニンを蒸着する工程と、得られたオキソチタニウム
    フタロシアニン蒸着膜を結晶変換する工程と、その上に
    電荷輸送層を塗布形成する工程とを含んでいることを特
    徴とする積層型電子写真用感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4から5に記載した積層型電子写
    真用感光体の製造方法であって、蒸着膜を結晶変換する
    工程が、芳香族系有機溶剤と水あるいは塩素化脂肪族炭
    化水素と水からなる混合蒸気に暴露する工程であること
    を特徴とする積層型電子写真用感光体の製造方法。
JP10235297A 1998-08-21 1998-08-21 積層型電子写真用感光体およびその製造方法 Pending JP2000066431A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10235297A JP2000066431A (ja) 1998-08-21 1998-08-21 積層型電子写真用感光体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10235297A JP2000066431A (ja) 1998-08-21 1998-08-21 積層型電子写真用感光体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000066431A true JP2000066431A (ja) 2000-03-03

Family

ID=16984037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10235297A Pending JP2000066431A (ja) 1998-08-21 1998-08-21 積層型電子写真用感光体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000066431A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005250137A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体及び前記感光体を用いるプロセスカートリッジと画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005250137A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体及び前記感光体を用いるプロセスカートリッジと画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002031900A (ja) 電子写真感光体とその製造方法および電子写真方法、電子写真装置ならびに電子写真装置用プロセスカートリッジ
JP2008009139A (ja) 積層型電子写真感光体及び画像形成装置
JPS59182457A (ja) 電子写真感光体
US5952140A (en) Bipolar charge transport materials useful in electrophotography
JP2004045996A (ja) 電子写真方法及び電子写真画像形成装置
JPH09157540A (ja) フタロシアニン組成物、その製造法、これを用いた電子写真感光体及び電荷発生層用塗液
JP2000066431A (ja) 積層型電子写真用感光体およびその製造方法
JP2004045997A (ja) 電子写真方法及び電子写真画像形成装置
JP3897665B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカ―トリッジおよび電子写真装置
JP2844266B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPH0627695A (ja) 電子写真用感光体
JPH03278061A (ja) 電子写真用感光体
JPH117141A (ja) 積層型電子写真用感光体及びその製造方法
JP2000063696A (ja) オキソチタニウムフタロシアニン結晶の製造方法およびそれを用いて得られる積層型電子写真用感光体
JP4113451B2 (ja) 電子写真用感光体及びその製造方法、並びにそれを用いた画像形成装置とプロセスカートリッジ
JPH10312074A (ja) 積層型電子写真用感光体およびその製造方法
JP2000231205A (ja) 積層型電子写真用感光体およびオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の製造方法
JPH117143A (ja) 積層型電子写真用感光体及びその製造方法
JPH04114166A (ja) 電子写真感光体
JPH1073939A (ja) 積層型電子写真用感光体およびその製造方法
JPH1184692A (ja) 積層型電子写真用感光体およびその製造方法
JPH05265231A (ja) 電子写真感光体
JP2001159827A (ja) 積層型電子写真用感光体
JPH09297418A (ja) 積層型電子写真用感光体およびその製造方法
JP2000206713A (ja) 電子写真用感光体