JPH1184692A - 積層型電子写真用感光体およびその製造方法 - Google Patents
積層型電子写真用感光体およびその製造方法Info
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- JPH1184692A JPH1184692A JP24244797A JP24244797A JPH1184692A JP H1184692 A JPH1184692 A JP H1184692A JP 24244797 A JP24244797 A JP 24244797A JP 24244797 A JP24244797 A JP 24244797A JP H1184692 A JPH1184692 A JP H1184692A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、半導体レーザー光に対して高感度
を示すとともに、電荷輸送層用塗液の塗工時に、蒸着膜
からのオキソチタニウムフタロシアニンの溶出を防止
し、品質の安定した量産性に優れた感光体を提供する。 【解決手段】 オキソチタニウムフタロシアニンの蒸着
膜(4)を、エチレングリコールアルキルエーテルアセ
テート−水等の水添溶剤を用いて調液した中間層用塗液
中に所定の時間浸漬しのち引き上げて中間層(5)を形
成する。次いでこの中間層上に、4−N,N−ジフェニ
ルアミノ−α−フェニルスチルベン、バインダー樹脂お
よびトルエンからなる塗液を浸漬塗工して電荷輸送層
(6)を形成し、積層型電子写真用感光体を完成させ
る。
を示すとともに、電荷輸送層用塗液の塗工時に、蒸着膜
からのオキソチタニウムフタロシアニンの溶出を防止
し、品質の安定した量産性に優れた感光体を提供する。 【解決手段】 オキソチタニウムフタロシアニンの蒸着
膜(4)を、エチレングリコールアルキルエーテルアセ
テート−水等の水添溶剤を用いて調液した中間層用塗液
中に所定の時間浸漬しのち引き上げて中間層(5)を形
成する。次いでこの中間層上に、4−N,N−ジフェニ
ルアミノ−α−フェニルスチルベン、バインダー樹脂お
よびトルエンからなる塗液を浸漬塗工して電荷輸送層
(6)を形成し、積層型電子写真用感光体を完成させ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタや
ファクシミリなどの電子写真装置に用いられる積層型電
子写真用感光体とその製造方法に関するものであり、特
に高感度で優れた電子写真特性を有しかつ量産性に適し
た積層型電子写真用感光体とその製造方法に関するもの
である。
ファクシミリなどの電子写真装置に用いられる積層型電
子写真用感光体とその製造方法に関するものであり、特
に高感度で優れた電子写真特性を有しかつ量産性に適し
た積層型電子写真用感光体とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真装置はその高速性、低騒
音性、高画質であること、普通紙への記録が可能である
ことなどの利点が注目され、複写機はもちろん、プリン
タやファクシミリなどにおいても急速に普及しつつあ
る。また、最近の傾向として、特にプリンタやファクシ
ミリの分野では、オフィスユースからパーソナルユース
へとその使用の形態が移行してきており、より小型化、
低コスト化、メンテナンスフリー化等が求められている
一方で、画像処理技術の向上にともなって、より高解像
度で、画像品質を向上する画像形成技術が求められてい
る。
音性、高画質であること、普通紙への記録が可能である
ことなどの利点が注目され、複写機はもちろん、プリン
タやファクシミリなどにおいても急速に普及しつつあ
る。また、最近の傾向として、特にプリンタやファクシ
ミリの分野では、オフィスユースからパーソナルユース
へとその使用の形態が移行してきており、より小型化、
低コスト化、メンテナンスフリー化等が求められている
一方で、画像処理技術の向上にともなって、より高解像
度で、画像品質を向上する画像形成技術が求められてい
る。
【0003】その電子写真装置に用いられる感光体とし
ては、近年、成膜が容易であり、安価で無公害であるな
どの長所のため有機光導電物質を含有する有機感光体が
開発され、実用化されている。特に半導体レーザーを露
光光源に用いたレーザービームプリンタやファクシミリ
に適した長波長領域に高い感度を有する有機感光体の発
展がめざましい。
ては、近年、成膜が容易であり、安価で無公害であるな
どの長所のため有機光導電物質を含有する有機感光体が
開発され、実用化されている。特に半導体レーザーを露
光光源に用いたレーザービームプリンタやファクシミリ
に適した長波長領域に高い感度を有する有機感光体の発
展がめざましい。
【0004】その実用化されている有機感光体のほとん
どが、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物
質を含有する電荷輸送層とを導電性支持体上に設けた積
層型有機感光体である。より詳しくは、感光層は、薄膜
の電荷発生層を形成し、その上に比較的厚膜の電荷輸送
層を形成して構成されており、この場合、電荷発生層は
キャリアを発生する機能を有し、電荷輸送層はキャリア
を輸送する機能と感光体の帯電電位を保持する機能とさ
らに感光体の機械的強度を保つ機能とを有している。
どが、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物
質を含有する電荷輸送層とを導電性支持体上に設けた積
層型有機感光体である。より詳しくは、感光層は、薄膜
の電荷発生層を形成し、その上に比較的厚膜の電荷輸送
層を形成して構成されており、この場合、電荷発生層は
キャリアを発生する機能を有し、電荷輸送層はキャリア
を輸送する機能と感光体の帯電電位を保持する機能とさ
らに感光体の機械的強度を保つ機能とを有している。
【0005】近年、電荷発生層に用いられる電荷発生物
質として、半導体レーザーの発振波長領域である長波長
域に高感度であるフタロシアニンが注目され、特にそれ
らの顔料の中でもオキソチタニウムフタロシアニンを用
いた積層型電子写真感光体が実用化されている。
質として、半導体レーザーの発振波長領域である長波長
域に高感度であるフタロシアニンが注目され、特にそれ
らの顔料の中でもオキソチタニウムフタロシアニンを用
いた積層型電子写真感光体が実用化されている。
【0006】オキソチタニウムフタロシアニンを電荷発
生剤として用いて電荷発生層を形成する方法としては、
大きく分けて2つの方法がある。1つは、ある種の結晶
型のオキソチタニウムフタロシアニンを、バインダー樹
脂とともに溶剤中に分散させた塗料を用い、通常0.1
〜0.5μm厚の薄層として電荷発生層を形成する方法
である。
生剤として用いて電荷発生層を形成する方法としては、
大きく分けて2つの方法がある。1つは、ある種の結晶
型のオキソチタニウムフタロシアニンを、バインダー樹
脂とともに溶剤中に分散させた塗料を用い、通常0.1
〜0.5μm厚の薄層として電荷発生層を形成する方法
である。
【0007】他の1つは、導電性支持体上にオキソチタ
ニウムフタロシアニンを蒸着し、そののち、オキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜に溶剤蒸気の処理を施して
電荷発生層とする方法である。例えば特開昭59−16
6959号公報では、オキソチタニウムフタロシアニン
を蒸着して得られる蒸着直後の膜は720nmに吸収ピ
ークを有しているが、例えばテトラヒドロフランの蒸気
処理によって830nmにまで吸収ピークを移行でき、
半導体レーザー光に対して有利であること、処理後の電
荷発生層のX線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2
θ)の7.5°、12.6°、13.0°、25.4
°、26.2°、28.6°に強い回折ピークを有して
いることが報告されている。
ニウムフタロシアニンを蒸着し、そののち、オキソチタ
ニウムフタロシアニン蒸着膜に溶剤蒸気の処理を施して
電荷発生層とする方法である。例えば特開昭59−16
6959号公報では、オキソチタニウムフタロシアニン
を蒸着して得られる蒸着直後の膜は720nmに吸収ピ
ークを有しているが、例えばテトラヒドロフランの蒸気
処理によって830nmにまで吸収ピークを移行でき、
半導体レーザー光に対して有利であること、処理後の電
荷発生層のX線回折スペクトルでは、ブラッグ角(2
θ)の7.5°、12.6°、13.0°、25.4
°、26.2°、28.6°に強い回折ピークを有して
いることが報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、オキソ
チタニウムフタロシアニンを用いた電荷発生層の成膜方
法としては、一般にオキソチタニウムフタロシアニンを
分散させた塗料を用いて薄膜を塗工形成する方法と、オ
キソチタニウムフタロシアニンの蒸着膜を形成する方法
があるが、均一濃度の薄膜を容易に形成でき、しかも、
膜質の安定性にも優れている点から、後者のオキソチタ
ニウムフタロシアニンの蒸着膜を形成する方法がより有
利であるとされている。しかしながら、前記特開昭59
−166959号公報に提案された、オキソチタニウム
フタロシアニン蒸着膜を可溶性溶剤の蒸気に暴露してそ
の光の吸収波長を長波長側に移行させ、かかる蒸気処理
後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を電荷発生
層として用いた積層型感光体では、処理蒸気の種類によ
っては感光体の感度や帯電電位等の帯電性が低下してし
まう。このため、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜の光の吸収波長を長波長側に移行させるための処理に
ついて種々検討がなされているが、未だオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜を電荷発生層として用いた積層
型感光体において、半導体レーザー光に対して高感度を
示し、帯電性の低下しない感光体を得ることができるに
至っていないのが実状である。
チタニウムフタロシアニンを用いた電荷発生層の成膜方
法としては、一般にオキソチタニウムフタロシアニンを
分散させた塗料を用いて薄膜を塗工形成する方法と、オ
キソチタニウムフタロシアニンの蒸着膜を形成する方法
があるが、均一濃度の薄膜を容易に形成でき、しかも、
膜質の安定性にも優れている点から、後者のオキソチタ
ニウムフタロシアニンの蒸着膜を形成する方法がより有
利であるとされている。しかしながら、前記特開昭59
−166959号公報に提案された、オキソチタニウム
フタロシアニン蒸着膜を可溶性溶剤の蒸気に暴露してそ
の光の吸収波長を長波長側に移行させ、かかる蒸気処理
後のオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜を電荷発生
層として用いた積層型感光体では、処理蒸気の種類によ
っては感光体の感度や帯電電位等の帯電性が低下してし
まう。このため、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着
膜の光の吸収波長を長波長側に移行させるための処理に
ついて種々検討がなされているが、未だオキソチタニウ
ムフタロシアニン蒸着膜を電荷発生層として用いた積層
型感光体において、半導体レーザー光に対して高感度を
示し、帯電性の低下しない感光体を得ることができるに
至っていないのが実状である。
【0009】また、オキソチタニウムフタロシアニン顔
料は他のフタロシアニン顔料に比べて、溶剤に溶けやす
い性質を有しているため、積層型感光体作成のために電
荷輸送層用塗液中にオキソチタニウムフタロシアニン蒸
着膜を浸漬した際、オキソチタニウムフタロシアニン顔
料が塗液中に溶出する傾向にある。この際、イオン化ポ
テンシャルの比較的大きな電荷輸送剤を使用している
と、電荷輸送層中に溶け込んだ電荷発生剤のオキソチタ
ニウムフタロシアニンがキャリアのトラップとなる。こ
のため感光体作成のための蒸着膜の浸漬回数を重ねるに
つれて、得られた感光体の特性、とりわけ感度の低下と
残留電位の増大が見られ、量産に問題を発生してしま
う。
料は他のフタロシアニン顔料に比べて、溶剤に溶けやす
い性質を有しているため、積層型感光体作成のために電
荷輸送層用塗液中にオキソチタニウムフタロシアニン蒸
着膜を浸漬した際、オキソチタニウムフタロシアニン顔
料が塗液中に溶出する傾向にある。この際、イオン化ポ
テンシャルの比較的大きな電荷輸送剤を使用している
と、電荷輸送層中に溶け込んだ電荷発生剤のオキソチタ
ニウムフタロシアニンがキャリアのトラップとなる。こ
のため感光体作成のための蒸着膜の浸漬回数を重ねるに
つれて、得られた感光体の特性、とりわけ感度の低下と
残留電位の増大が見られ、量産に問題を発生してしま
う。
【0010】本発明は前記のような課題に鑑みてなされ
たものであり、半導体レーザー光に対して高感度を示す
とともに、量産に適した積層型電子写真用感光体および
その製造方法を提供することを目的とする。
たものであり、半導体レーザー光に対して高感度を示す
とともに、量産に適した積層型電子写真用感光体および
その製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の第1の積層型電子写真用感光体は、導電性
支持体上に少なくとも電荷発生層と中間層と電荷輸送層
とを積層してなる積層型電子写真用感光体において、前
記電荷発生層がオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜
であり、前記電荷輸送層中の電荷輸送剤が4−N,N−
ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベンであり、か
つ前記中間層が、バインダー樹脂として50℃にて固形
のエポキシ樹脂を用いていることを特徴とする。このよ
うな本発明の第1の積層型電子写真用感光体では、電荷
輸送層中の電荷輸送剤として4−N,N−ジフェニルア
ミノ−α−フェニルスチルベンを用いているため耐オゾ
ン性に優れるとともに、中間層であるエポキシ樹脂膜に
よって電荷輸送層用塗液の塗工時に、蒸着膜からのオキ
ソチタニウムフタロシアニンの溶出を防止できるため、
感光体の製造を繰り返しても電荷輸送層中にキャリアト
ラップの原因となるオキソチタニウムフタロシアニンを
含まないため品質の安定した量産性に優れた感光体とな
る。
に、本発明の第1の積層型電子写真用感光体は、導電性
支持体上に少なくとも電荷発生層と中間層と電荷輸送層
とを積層してなる積層型電子写真用感光体において、前
記電荷発生層がオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜
であり、前記電荷輸送層中の電荷輸送剤が4−N,N−
ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベンであり、か
つ前記中間層が、バインダー樹脂として50℃にて固形
のエポキシ樹脂を用いていることを特徴とする。このよ
うな本発明の第1の積層型電子写真用感光体では、電荷
輸送層中の電荷輸送剤として4−N,N−ジフェニルア
ミノ−α−フェニルスチルベンを用いているため耐オゾ
ン性に優れるとともに、中間層であるエポキシ樹脂膜に
よって電荷輸送層用塗液の塗工時に、蒸着膜からのオキ
ソチタニウムフタロシアニンの溶出を防止できるため、
感光体の製造を繰り返しても電荷輸送層中にキャリアト
ラップの原因となるオキソチタニウムフタロシアニンを
含まないため品質の安定した量産性に優れた感光体とな
る。
【0012】本発明の第2の積層型電子写真用感光体
は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と中間層と
電荷輸送層とを積層してなる積層型電子写真用感光体に
おいて、前記電荷発生層がオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜であり、前記電荷輸送層中の電荷輸送剤が4
−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン
であり、かつ前記中間層が、バインダー樹脂としてアル
コール可溶性のポリビニルブチラール樹脂を用いている
ことを特徴とする。このような本発明の第2の積層型電
子写真用感光体では、電荷輸送層中の電荷輸送剤として
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ンを用いているため耐オゾン性に優れるとともに、中間
層であるポリビニルブチラール樹脂膜によって電荷輸送
層用塗液の塗工時に、蒸着膜からのオキソチタニウムフ
タロシアニンの溶出を防止できるため、感光体の製造を
繰り返しても電荷輸送層中にキャリアトラップの原因と
なるオキソチタニウムフタロシアニンを含まないため品
質の安定した量産性に優れた感光体となる。
は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と中間層と
電荷輸送層とを積層してなる積層型電子写真用感光体に
おいて、前記電荷発生層がオキソチタニウムフタロシア
ニン蒸着膜であり、前記電荷輸送層中の電荷輸送剤が4
−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン
であり、かつ前記中間層が、バインダー樹脂としてアル
コール可溶性のポリビニルブチラール樹脂を用いている
ことを特徴とする。このような本発明の第2の積層型電
子写真用感光体では、電荷輸送層中の電荷輸送剤として
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ンを用いているため耐オゾン性に優れるとともに、中間
層であるポリビニルブチラール樹脂膜によって電荷輸送
層用塗液の塗工時に、蒸着膜からのオキソチタニウムフ
タロシアニンの溶出を防止できるため、感光体の製造を
繰り返しても電荷輸送層中にキャリアトラップの原因と
なるオキソチタニウムフタロシアニンを含まないため品
質の安定した量産性に優れた感光体となる。
【0013】前記本発明の第1および第2の積層型電子
写真用感光体においては、中間層がバインダー樹脂以外
に少なくとも電荷輸送剤を含んでいるのが好ましく、こ
のような構成により、高感度を示す優れた感光体とな
る。
写真用感光体においては、中間層がバインダー樹脂以外
に少なくとも電荷輸送剤を含んでいるのが好ましく、こ
のような構成により、高感度を示す優れた感光体とな
る。
【0014】また前記本発明の第1および第2の積層型
電子写真用感光体においては、中間層に含まれている電
荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニ
ルスチルベンであるのが好ましく、このような構成によ
り、より高感度を示す優れた感光体となる。
電子写真用感光体においては、中間層に含まれている電
荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニ
ルスチルベンであるのが好ましく、このような構成によ
り、より高感度を示す優れた感光体となる。
【0015】また前記本発明の第1および第2の積層型
電子写真用感光体においては、電荷輸送層が、中間層上
に、電荷輸送剤である4−N,N−ジフェニルアミノ−
α−フェニルスチルベンおよびバインダー樹脂をトルエ
ンに溶解してなる塗液を塗工して形成されたものである
のが好ましく、このような構成により、優れた耐オゾン
性を示すとともに、中間層の溶解がなく、このため感光
体の製造を繰り返しても電荷輸送層中にキャリアトラッ
プの原因となるオキソチタニウムフタロシアニンを含ま
ないため品質の安定した量産性に優れた感光体となる。
電子写真用感光体においては、電荷輸送層が、中間層上
に、電荷輸送剤である4−N,N−ジフェニルアミノ−
α−フェニルスチルベンおよびバインダー樹脂をトルエ
ンに溶解してなる塗液を塗工して形成されたものである
のが好ましく、このような構成により、優れた耐オゾン
性を示すとともに、中間層の溶解がなく、このため感光
体の製造を繰り返しても電荷輸送層中にキャリアトラッ
プの原因となるオキソチタニウムフタロシアニンを含ま
ないため品質の安定した量産性に優れた感光体となる。
【0016】本発明の第1の積層型電子写真用感光体の
製造方法は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる積層型
電子写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層
と中間層の形成工程が、導電性支持体上にオキソチタニ
ウムフタロシアニンを蒸着する工程と、前記工程により
得られたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の上
に、少なくともバインダー樹脂として50℃にて固形の
エポキシ樹脂、電荷輸送剤および溶剤からなる中間層形
成用塗液を塗工して、オキソチタニウムフタロシアニン
の結晶変換と中間層の形成とを同時に行う工程を含み、
かつ電荷輸送層の形成工程が、中間層上に、少なくとも
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ンおよびバインダー樹脂をトルエンに溶解してなる塗液
を浸漬塗工する工程を含むものであって、このような構
成により、耐オゾン性に優れ、品質の安定した積層型電
子写真用感光体を合理的かつ安定に製造することができ
る。
製造方法は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる積層型
電子写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層
と中間層の形成工程が、導電性支持体上にオキソチタニ
ウムフタロシアニンを蒸着する工程と、前記工程により
得られたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の上
に、少なくともバインダー樹脂として50℃にて固形の
エポキシ樹脂、電荷輸送剤および溶剤からなる中間層形
成用塗液を塗工して、オキソチタニウムフタロシアニン
の結晶変換と中間層の形成とを同時に行う工程を含み、
かつ電荷輸送層の形成工程が、中間層上に、少なくとも
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ンおよびバインダー樹脂をトルエンに溶解してなる塗液
を浸漬塗工する工程を含むものであって、このような構
成により、耐オゾン性に優れ、品質の安定した積層型電
子写真用感光体を合理的かつ安定に製造することができ
る。
【0017】本発明の第2の積層型電子写真用感光体の
製造方法は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる積層型
電子写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層
と中間層の形成工程が、導電性支持体上にオキソチタニ
ウムフタロシアニンを蒸着する工程と、前記工程により
得られたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の上
に、少なくともバインダー樹脂としてアルコール可溶性
のポリビニルブチラール樹脂、電荷輸送剤および溶剤か
らなる中間層形成用塗液を塗工して、オキソチタニウム
フタロシアニンの結晶変換と中間層の形成とを同時に行
う工程を含み、かつ電荷輸送層の形成工程が、中間層上
に、少なくとも4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フ
ェニルスチルベンおよびバインダー樹脂をトルエンに溶
解してなる塗液を浸漬塗工する工程を含むものであっ
て、このような構成により、耐オゾン性に優れ、品質の
安定した積層型電子写真用感光体を合理的かつ安定に製
造することができる。
製造方法は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる積層型
電子写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層
と中間層の形成工程が、導電性支持体上にオキソチタニ
ウムフタロシアニンを蒸着する工程と、前記工程により
得られたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の上
に、少なくともバインダー樹脂としてアルコール可溶性
のポリビニルブチラール樹脂、電荷輸送剤および溶剤か
らなる中間層形成用塗液を塗工して、オキソチタニウム
フタロシアニンの結晶変換と中間層の形成とを同時に行
う工程を含み、かつ電荷輸送層の形成工程が、中間層上
に、少なくとも4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フ
ェニルスチルベンおよびバインダー樹脂をトルエンに溶
解してなる塗液を浸漬塗工する工程を含むものであっ
て、このような構成により、耐オゾン性に優れ、品質の
安定した積層型電子写真用感光体を合理的かつ安定に製
造することができる。
【0018】前記本発明の第1および第2の積層型電子
写真用感光体の製造方法においては、中間層に含まれる
電荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェ
ニルスチルベンであるのが好ましく、このような構成に
より、より高感度の感光体を合理的かつ安定に製造する
ことができる。
写真用感光体の製造方法においては、中間層に含まれる
電荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェ
ニルスチルベンであるのが好ましく、このような構成に
より、より高感度の感光体を合理的かつ安定に製造する
ことができる。
【0019】また前記本発明の第1および第2の積層型
電子写真用感光体の製造方法においては、中間層形成用
塗液の溶剤がエチレングリコールモノアルキルエーテル
アセテート−水、プロピレングリコールモノアルキルエ
ーテルアセテート−水、エチレングリコールジアセテー
ト−水およびγ−ブチロラクトン−水から選ばれた水添
溶剤であるのが好ましく、このような構成により、より
高感度の感光体を合理的かつ安定に製造することができ
る。
電子写真用感光体の製造方法においては、中間層形成用
塗液の溶剤がエチレングリコールモノアルキルエーテル
アセテート−水、プロピレングリコールモノアルキルエ
ーテルアセテート−水、エチレングリコールジアセテー
ト−水およびγ−ブチロラクトン−水から選ばれた水添
溶剤であるのが好ましく、このような構成により、より
高感度の感光体を合理的かつ安定に製造することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態による
積層型電子写真用感光体の構成を模式的に示した断面図
であり、図において、1は積層型電子写真用感光体で、
これは導電性支持体2上に電荷発生層4と中間層5と電
荷輸送層6とをこの順に積層した有機感光層3が設けら
れて構成されている。
積層型電子写真用感光体の構成を模式的に示した断面図
であり、図において、1は積層型電子写真用感光体で、
これは導電性支持体2上に電荷発生層4と中間層5と電
荷輸送層6とをこの順に積層した有機感光層3が設けら
れて構成されている。
【0021】導電性支持体2は、それ自体公知の導電性
材料からなる基体であって、例えばアルミニウムなどの
金属材料、導電性プラスチック(例えばフェノール樹脂
等の絶縁性樹脂にカーボン等の導電性粒子を分散させた
もの)、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化銅、酸化クロム、
または酸化スズ等の導電性の金属化合物で被覆されたガ
ラス等からなる基体が用いられる。基体の形態は、ドラ
ム状(パイプ状)、板状、ベルト状等の種々の形態であ
り、特に限定されない。
材料からなる基体であって、例えばアルミニウムなどの
金属材料、導電性プラスチック(例えばフェノール樹脂
等の絶縁性樹脂にカーボン等の導電性粒子を分散させた
もの)、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化銅、酸化クロム、
または酸化スズ等の導電性の金属化合物で被覆されたガ
ラス等からなる基体が用いられる。基体の形態は、ドラ
ム状(パイプ状)、板状、ベルト状等の種々の形態であ
り、特に限定されない。
【0022】電荷発生層4は、真空中でオキソチタニウ
ムフタロシアニンを導電性支持体2上に蒸着して形成さ
れる。オキソチタニウムフタロシアニンとしては、純度
が高いものほど良く、例えばオキソチタニウムフタロシ
アニンをキノリン中にて還流加熱する方法やオキソチタ
ニウムフタロシアニンを昇華精製する方法が挙げられ
る。
ムフタロシアニンを導電性支持体2上に蒸着して形成さ
れる。オキソチタニウムフタロシアニンとしては、純度
が高いものほど良く、例えばオキソチタニウムフタロシ
アニンをキノリン中にて還流加熱する方法やオキソチタ
ニウムフタロシアニンを昇華精製する方法が挙げられ
る。
【0023】オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の
膜厚は特性上0.03〜0.5μm程度、好ましくは
0.1〜0.2μm程度にする。これは膜厚が薄すぎる
と電荷(キャリア)発生量が少ないために充分な感度を
得ることが困難になる傾向を示し、厚すぎると暗減衰が
増加して帯電電位が低下し、帯電性や感度の繰り返し安
定性が低下する傾向を示すためである。すなわち、膜厚
を0.03〜0.5μm程度にすれば、充分なキャリア
発生量が得られ、かつ、暗減衰を充分に低減させること
ができる。
膜厚は特性上0.03〜0.5μm程度、好ましくは
0.1〜0.2μm程度にする。これは膜厚が薄すぎる
と電荷(キャリア)発生量が少ないために充分な感度を
得ることが困難になる傾向を示し、厚すぎると暗減衰が
増加して帯電電位が低下し、帯電性や感度の繰り返し安
定性が低下する傾向を示すためである。すなわち、膜厚
を0.03〜0.5μm程度にすれば、充分なキャリア
発生量が得られ、かつ、暗減衰を充分に低減させること
ができる。
【0024】中間層5は、前記オキソチタニウムフタロ
シアニンの蒸着によって得られる電荷発生層4上に、バ
インダー樹脂、電荷輸送剤および溶剤からなる中間層用
塗液を浸漬塗工して形成され、この処理によってオキソ
チタニウムフタロシアニンの結晶変換も同時に行われ
る。
シアニンの蒸着によって得られる電荷発生層4上に、バ
インダー樹脂、電荷輸送剤および溶剤からなる中間層用
塗液を浸漬塗工して形成され、この処理によってオキソ
チタニウムフタロシアニンの結晶変換も同時に行われ
る。
【0025】中間層用塗液を形成するバインダー樹脂と
しては、50℃にて固形のエポキシ樹脂あるいはアルコ
ール可溶性のポリビニルブチラール樹脂を用いるのが好
ましい。
しては、50℃にて固形のエポキシ樹脂あるいはアルコ
ール可溶性のポリビニルブチラール樹脂を用いるのが好
ましい。
【0026】また中間層用塗液を形成する電荷輸送剤と
しては、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニル
スチルベンを用いるのが好ましく、これによって得られ
た感光体は高感度を示す優れたものとなる。
しては、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニル
スチルベンを用いるのが好ましく、これによって得られ
た感光体は高感度を示す優れたものとなる。
【0027】中間層用塗液を形成する溶剤としては、エ
チレングリコールモノアルキルエーテルアセテート−
水、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテ
ート−水、エチレングリコールジアセテート−水および
γ−ブチロラクトン−水から選ばれる水添溶剤が挙げら
れる。前記アルキル基としては、炭素数が1〜4のアル
キル基のものを用いることができるが、特に処理後の中
間層の乾燥の点から、アルキル基としては沸点があまり
高くないメチル基またはエチル基を用いるのが好まし
い。かかる有機溶剤と水との混合比は、容量比(有機溶
剤:水)で100:1〜100:30、好ましくは10
0:2〜100:20である。有機溶剤と水との容量比
をこの100:2〜100:20の範囲内に設定するこ
とによって、この中間層用塗液で結晶変換されたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜を電荷発生層として用
いた感光体は特に感度に優れたものとなる。
チレングリコールモノアルキルエーテルアセテート−
水、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテ
ート−水、エチレングリコールジアセテート−水および
γ−ブチロラクトン−水から選ばれる水添溶剤が挙げら
れる。前記アルキル基としては、炭素数が1〜4のアル
キル基のものを用いることができるが、特に処理後の中
間層の乾燥の点から、アルキル基としては沸点があまり
高くないメチル基またはエチル基を用いるのが好まし
い。かかる有機溶剤と水との混合比は、容量比(有機溶
剤:水)で100:1〜100:30、好ましくは10
0:2〜100:20である。有機溶剤と水との容量比
をこの100:2〜100:20の範囲内に設定するこ
とによって、この中間層用塗液で結晶変換されたオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜を電荷発生層として用
いた感光体は特に感度に優れたものとなる。
【0028】前記結晶変換のために、この有機溶剤と水
とを含む中間層用塗液への浸漬時間は30秒〜3時間好
ましくは10分〜60分であり、浸漬後必要な速度でも
って引き上げて所定の膜厚を有する中間層を形成する。
とを含む中間層用塗液への浸漬時間は30秒〜3時間好
ましくは10分〜60分であり、浸漬後必要な速度でも
って引き上げて所定の膜厚を有する中間層を形成する。
【0029】中間層5の膜厚は0.1〜0.5μm程
度、好ましくは0.2〜0.3μmの範囲内に形成す
る。これは膜厚が薄すぎると電荷輸送層用塗液中に電荷
発生層を浸漬した際、オキソチタニウムフタロシアニン
顔料が塗液中に溶出するのを防止できなくなる傾向を示
し、厚すぎると露光後の残留電位が増大し、感度が低下
する傾向を示すためである。すなわち、中間層5の膜厚
を0.2〜0.3μmの範囲内にすることによって、高
感度を示すとともに、この上に電荷輸送層を形成するた
めに電荷輸送層用塗液中に浸漬しても、電荷発生層4に
用いているオキソチタニウムフタロシアニン顔料が溶出
して量産に支障をきたすということも防止することがで
きる。
度、好ましくは0.2〜0.3μmの範囲内に形成す
る。これは膜厚が薄すぎると電荷輸送層用塗液中に電荷
発生層を浸漬した際、オキソチタニウムフタロシアニン
顔料が塗液中に溶出するのを防止できなくなる傾向を示
し、厚すぎると露光後の残留電位が増大し、感度が低下
する傾向を示すためである。すなわち、中間層5の膜厚
を0.2〜0.3μmの範囲内にすることによって、高
感度を示すとともに、この上に電荷輸送層を形成するた
めに電荷輸送層用塗液中に浸漬しても、電荷発生層4に
用いているオキソチタニウムフタロシアニン顔料が溶出
して量産に支障をきたすということも防止することがで
きる。
【0030】電荷輸送層6は電荷輸送剤として4−N,
N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベンおよび
バインダー樹脂をこれらを溶解する適当な溶剤に溶解さ
せて電荷輸送層用塗液とし、これを中間層5上に従来公
知の塗工方法によって塗工して塗膜を形成し、塗膜を乾
燥することにより形成される。
N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベンおよび
バインダー樹脂をこれらを溶解する適当な溶剤に溶解さ
せて電荷輸送層用塗液とし、これを中間層5上に従来公
知の塗工方法によって塗工して塗膜を形成し、塗膜を乾
燥することにより形成される。
【0031】バインダー樹脂としては、例えば、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチル
メタクリレートなどの各種樹脂が挙げられる。
ステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリメチル
メタクリレートなどの各種樹脂が挙げられる。
【0032】溶剤としては、中間層を溶解せず、電荷輸
送層用塗液を構成するバインダー樹脂、電荷輸送剤を溶
解するものであれば何でも良いが、特に好ましい溶剤は
トルエンであり、これを用いることによって中間層の溶
出もなく、このため感光体の製造を繰り返しても電荷輸
送層中にオキソチタニウムフタロシアニンを含まない品
質の安定した量産性に優れた感光体が得られる。
送層用塗液を構成するバインダー樹脂、電荷輸送剤を溶
解するものであれば何でも良いが、特に好ましい溶剤は
トルエンであり、これを用いることによって中間層の溶
出もなく、このため感光体の製造を繰り返しても電荷輸
送層中にオキソチタニウムフタロシアニンを含まない品
質の安定した量産性に優れた感光体が得られる。
【0033】塗液の組成は特に限定されないが、一般的
に電荷輸送剤とバインダー樹脂はこれらの重量比(電荷
輸送剤:バインダー樹脂)が60:40〜40:60の
範囲となるよう使用され、これら電荷輸送剤とバインダ
ー樹脂のトータルの固形分濃度が10〜40重量%とな
るように溶剤中に溶解される。
に電荷輸送剤とバインダー樹脂はこれらの重量比(電荷
輸送剤:バインダー樹脂)が60:40〜40:60の
範囲となるよう使用され、これら電荷輸送剤とバインダ
ー樹脂のトータルの固形分濃度が10〜40重量%とな
るように溶剤中に溶解される。
【0034】塗液の塗工方法は特に限定されないが、被
塗工体を塗液中に浸漬して引き上げることにより塗膜を
形成する、いわゆる浸漬塗工法を用いるのが好ましく、
かかる浸漬塗工法を用いると、比較的大きな厚みでかつ
均一な厚みの塗膜を容易にかつ短時間で形成することが
できる。
塗工体を塗液中に浸漬して引き上げることにより塗膜を
形成する、いわゆる浸漬塗工法を用いるのが好ましく、
かかる浸漬塗工法を用いると、比較的大きな厚みでかつ
均一な厚みの塗膜を容易にかつ短時間で形成することが
できる。
【0035】電荷輸送層6の膜厚は一般に数μm〜数十
μm、好ましくは15〜30μmにされる。膜厚をかか
る範囲にすることにより、感光体の初期帯電電位を充分
に高く設定することができる。
μm、好ましくは15〜30μmにされる。膜厚をかか
る範囲にすることにより、感光体の初期帯電電位を充分
に高く設定することができる。
【0036】
(実施例1)オキソチタニウムフタロシアニン顔料の合成 三口フラスコ中、1−クロロナフタレン(770ml)
に1,3−ジイミノイソインドリン(113g)を懸濁
させ、撹拌下にチタン酸テトラ−n−ブチル(75g)
を加え、窒素雰囲気中にて195〜205℃にて4時間
加熱する。のち130℃にまで放冷後濾別し、濾別物は
100℃に加熱した1−クロロナフタレン(100m
l)にて洗浄したのちエタノール(1000ml)にて
充分洗浄した。これをジメチルホルムアミド(500m
l)を用いて80℃で1時間の熱懸濁洗浄を3回行い、
次いでエタノール(500ml)にて60℃で1時間の
熱懸濁洗浄を2回行い、のち50℃にて真空乾燥した。
次いで得られた顔料をキノリン(2000ml)中にて
撹拌下に4時間還流加熱し、一夜放置後氷水浴にて1時
間冷却し濾別した。エタノールにて充分洗浄したのち5
0℃にて10時間、100℃にて10時間真空乾燥し
た。収量は75gであった。
に1,3−ジイミノイソインドリン(113g)を懸濁
させ、撹拌下にチタン酸テトラ−n−ブチル(75g)
を加え、窒素雰囲気中にて195〜205℃にて4時間
加熱する。のち130℃にまで放冷後濾別し、濾別物は
100℃に加熱した1−クロロナフタレン(100m
l)にて洗浄したのちエタノール(1000ml)にて
充分洗浄した。これをジメチルホルムアミド(500m
l)を用いて80℃で1時間の熱懸濁洗浄を3回行い、
次いでエタノール(500ml)にて60℃で1時間の
熱懸濁洗浄を2回行い、のち50℃にて真空乾燥した。
次いで得られた顔料をキノリン(2000ml)中にて
撹拌下に4時間還流加熱し、一夜放置後氷水浴にて1時
間冷却し濾別した。エタノールにて充分洗浄したのち5
0℃にて10時間、100℃にて10時間真空乾燥し
た。収量は75gであった。
【0037】積層型感光体の製造 前記のようにして得られたオキソチタニウムフタロシア
ニンを10-5〜10-6torrの真空下で、アルミニウ
ム板上に0.1μmの厚さで蒸着した。この蒸着膜を、
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ン3重量部、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)、商品名エピコート#1010)3重量部、エチ
レングリコールエチルエーテルアセテート44重量部お
よび水1.1重量部からなる中間層形成用塗液中に浸漬
し、30分後に引き上げて0.2μmの中間層を形成し
た。この浸漬、中間層形成処理により極大吸収波長域が
長波長側に移行した。図2に吸収スペクトルの変化を示
した。図2(a)はオキソチタニウムフタロシアニン
(TiOPc)の蒸着直後の吸収スペクトルを示し、7
20nm前後に吸収ピークを有している。図2(b)は
上記の中間層形成後のオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜の吸収スペクトルを示し、吸収ピークが778n
m前後となり、長波長側に移行していることがわかる。
ニンを10-5〜10-6torrの真空下で、アルミニウ
ム板上に0.1μmの厚さで蒸着した。この蒸着膜を、
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ン3重量部、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)、商品名エピコート#1010)3重量部、エチ
レングリコールエチルエーテルアセテート44重量部お
よび水1.1重量部からなる中間層形成用塗液中に浸漬
し、30分後に引き上げて0.2μmの中間層を形成し
た。この浸漬、中間層形成処理により極大吸収波長域が
長波長側に移行した。図2に吸収スペクトルの変化を示
した。図2(a)はオキソチタニウムフタロシアニン
(TiOPc)の蒸着直後の吸収スペクトルを示し、7
20nm前後に吸収ピークを有している。図2(b)は
上記の中間層形成後のオキソチタニウムフタロシアニン
蒸着膜の吸収スペクトルを示し、吸収ピークが778n
m前後となり、長波長側に移行していることがわかる。
【0038】次に、このようにして得られた中間層の上
に、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチ
ルベン20重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化
学工業株式会社製、商品名ユーピロンZ−300)20
重量部、トルエン100重量部からなる塗液を浸漬塗工
にて、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷輸送層
を設け、感光体を完成させた。
に、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチ
ルベン20重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化
学工業株式会社製、商品名ユーピロンZ−300)20
重量部、トルエン100重量部からなる塗液を浸漬塗工
にて、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷輸送層
を設け、感光体を完成させた。
【0039】次に、この感光体の静電特性を静電複写紙
試験装置(株式会社川口電気製作所製モデルEPA−8
100)を用いて評価した。
試験装置(株式会社川口電気製作所製モデルEPA−8
100)を用いて評価した。
【0040】評価は、コロナ電流が−30μAになるよ
うに設定した印加電圧のコロナ放電により感光体を暗所
で負帯電した時の初期帯電電位をVmax(V)、暗減
衰1秒後の表面電位をV0(V)、暗減衰1秒間の電荷
保持率をD.D(%)として測定し、続いて800nm
にピークをもつ2.1μJ/cm2・sのエネルギーの
単色光を4秒間照射して、この時表面電位が1/2
V0、1/5V0になる露光量をそれぞれE1/2、E1/5
(μJ/cm2)として測定し、露光4秒後の表面電位
を残留電位VR(V)として測定することにより行っ
た。この結果を(表1)に示す。
うに設定した印加電圧のコロナ放電により感光体を暗所
で負帯電した時の初期帯電電位をVmax(V)、暗減
衰1秒後の表面電位をV0(V)、暗減衰1秒間の電荷
保持率をD.D(%)として測定し、続いて800nm
にピークをもつ2.1μJ/cm2・sのエネルギーの
単色光を4秒間照射して、この時表面電位が1/2
V0、1/5V0になる露光量をそれぞれE1/2、E1/5
(μJ/cm2)として測定し、露光4秒後の表面電位
を残留電位VR(V)として測定することにより行っ
た。この結果を(表1)に示す。
【0041】また、上記で作成したサンプルの10mm
×35mmの小片を、可視スペクトル測定用のセル中に
入れた電荷輸送層用塗液中に2分間浸漬し、次いでサン
プル除去後の塗液の吸収スペクトルを測定し、オキソチ
タニウムフタロシアニンが溶出した際に現れる顔料固有
の690nm近辺の吸光度を求めた。この結果も(表
1)に示す。
×35mmの小片を、可視スペクトル測定用のセル中に
入れた電荷輸送層用塗液中に2分間浸漬し、次いでサン
プル除去後の塗液の吸収スペクトルを測定し、オキソチ
タニウムフタロシアニンが溶出した際に現れる顔料固有
の690nm近辺の吸光度を求めた。この結果も(表
1)に示す。
【0042】(実施例2〜5)実施例1の中間層膜厚
0.2μmの代わりに、膜厚0.4、0.6、0.8、
1.0μm厚の各中間層を用いた以外は、すべて実施例
1と同様にして感光体を作成し、実施例1と同様にして
静電特性評価および690nm近辺の吸光度測定による
溶出性評価を行った。これらの結果を(表1)に示す。
0.2μmの代わりに、膜厚0.4、0.6、0.8、
1.0μm厚の各中間層を用いた以外は、すべて実施例
1と同様にして感光体を作成し、実施例1と同様にして
静電特性評価および690nm近辺の吸光度測定による
溶出性評価を行った。これらの結果を(表1)に示す。
【0043】(実施例6)中間層形成用塗液の溶剤とし
て実施例1のエチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート−水からなる水添溶剤を用いる代わりに、プロピレ
ングリコールメチルエーテルアセテート44重量部、水
1.1重量部からなる水添溶剤を用いた以外は、実施例
1と同様にして感光体を作成し、実施例1と同様にして
静電特性評価を行った。この結果を(表1)に示す。
て実施例1のエチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート−水からなる水添溶剤を用いる代わりに、プロピレ
ングリコールメチルエーテルアセテート44重量部、水
1.1重量部からなる水添溶剤を用いた以外は、実施例
1と同様にして感光体を作成し、実施例1と同様にして
静電特性評価を行った。この結果を(表1)に示す。
【0044】なお、この中間層への浸漬、中間層の形成
処理により、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は
780nmに最大吸収ピーク波長を示した。
処理により、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は
780nmに最大吸収ピーク波長を示した。
【0045】(実施例7)中間層形成用塗液の溶剤とし
て実施例1のエチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート−水からなる水添溶剤を用いる代わりに、エチレン
グリコールジアセテート40重量部、水1重量部からな
る水添溶剤を用いた以外は、実施例1と同様にして感光
体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価を行っ
た。この結果を(表1)に示す。
て実施例1のエチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート−水からなる水添溶剤を用いる代わりに、エチレン
グリコールジアセテート40重量部、水1重量部からな
る水添溶剤を用いた以外は、実施例1と同様にして感光
体を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価を行っ
た。この結果を(表1)に示す。
【0046】なお、この中間層への浸漬、中間層の形成
処理により、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は
780nmに最大吸収ピーク波長を示した。
処理により、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は
780nmに最大吸収ピーク波長を示した。
【0047】(実施例8)中間層形成用塗液の溶剤とし
て実施例1のエチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート−水からなる水添溶剤を用いる代わりに、γ−ブチ
ロラクトン40重量部、水5重量部からなる水添溶剤を
用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を作成し、
実施例1と同様にして静電特性評価を行った。この結果
を(表1)に示す。
て実施例1のエチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート−水からなる水添溶剤を用いる代わりに、γ−ブチ
ロラクトン40重量部、水5重量部からなる水添溶剤を
用いた以外は、実施例1と同様にして感光体を作成し、
実施例1と同様にして静電特性評価を行った。この結果
を(表1)に示す。
【0048】なお、この中間層への浸漬、中間層の形成
処理により、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は
828nmに最大吸収ピーク波長を示した。
処理により、オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜は
828nmに最大吸収ピーク波長を示した。
【0049】(実施例9〜11)実施例1で用いた中間
層形成用塗液の代わりに、4−N,N−ジフェニルアミ
ノ−α−フェニルスチルベン3重量部、ポリビニルブチ
ラール樹脂(積水化学(株)、商品名BL−1)3重量
部、エチレングリコールメチルエーテルアセテート40
重量部および水1重量部からなる中間層形成用塗液を用
い、中間層膜厚として0.1μm、0.2μm、0.3
μm厚の各中間層を用いた以外は、すべて実施例1と同
様にして静電特性評価および690nm近辺の吸光度測
定による溶出性評価を行った。これらの結果を(表1)
に示す。
層形成用塗液の代わりに、4−N,N−ジフェニルアミ
ノ−α−フェニルスチルベン3重量部、ポリビニルブチ
ラール樹脂(積水化学(株)、商品名BL−1)3重量
部、エチレングリコールメチルエーテルアセテート40
重量部および水1重量部からなる中間層形成用塗液を用
い、中間層膜厚として0.1μm、0.2μm、0.3
μm厚の各中間層を用いた以外は、すべて実施例1と同
様にして静電特性評価および690nm近辺の吸光度測
定による溶出性評価を行った。これらの結果を(表1)
に示す。
【0050】(比較例1)実施例1で示した中間層を設
けなかった以外は、すべて実施例1と同様にして感光体
を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価および6
90nm近辺の吸光度測定による溶出性評価を行った。
この結果を(表1)に示す。
けなかった以外は、すべて実施例1と同様にして感光体
を作成し、実施例1と同様にして静電特性評価および6
90nm近辺の吸光度測定による溶出性評価を行った。
この結果を(表1)に示す。
【0051】(比較例2)中間層形成用塗液の溶剤とし
て実施例1のエチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート−水からなる水添溶剤を用いる代わりに、水を含ま
ないエチレングリコールエチルエーテルアセテート44
重量部単独からなる溶剤を用いた以外は、実施例1と同
様にして感光体の作成およびその静電特性評価を行っ
た。この結果を(表1)に示す。
て実施例1のエチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート−水からなる水添溶剤を用いる代わりに、水を含ま
ないエチレングリコールエチルエーテルアセテート44
重量部単独からなる溶剤を用いた以外は、実施例1と同
様にして感光体の作成およびその静電特性評価を行っ
た。この結果を(表1)に示す。
【0052】(比較例3)実施例1の中間層形成用塗液
の代わりに、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェ
ニルスチルベン3重量部、セルロースアセテートブチレ
ート3重量部、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート40重量部および水1重量部からなる中間層形成
用塗液を用い、0.2μm厚の中間層を用いた以外は、
すべて実施例1と同様にして感光体を作成し、その静電
特性評価を行った。この結果を(表1)に示す。
の代わりに、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェ
ニルスチルベン3重量部、セルロースアセテートブチレ
ート3重量部、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート40重量部および水1重量部からなる中間層形成
用塗液を用い、0.2μm厚の中間層を用いた以外は、
すべて実施例1と同様にして感光体を作成し、その静電
特性評価を行った。この結果を(表1)に示す。
【0053】
【表1】
【0054】以上の結果により、本発明の積層型電子写
真用感光体では、従来の積層型電子写真用感光体よりも
半導体レーザーのような長波長光に対して良好な感度を
示し、しかも中間層を設けているため、電荷輸送層形成
のために電荷輸送層用塗液中に浸漬しても、オキソチタ
ニウムフタロシアニン顔料の溶出を防止でき、このため
量産に適した品質の優れた積層型電子写真用感光体が得
られることがわかった。
真用感光体では、従来の積層型電子写真用感光体よりも
半導体レーザーのような長波長光に対して良好な感度を
示し、しかも中間層を設けているため、電荷輸送層形成
のために電荷輸送層用塗液中に浸漬しても、オキソチタ
ニウムフタロシアニン顔料の溶出を防止でき、このため
量産に適した品質の優れた積層型電子写真用感光体が得
られることがわかった。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の積
層型電子写真用感光体によれば、導電性支持体上に少な
くとも電荷発生層と中間層と電荷輸送層とを積層してな
る積層型電子写真用感光体において、前記電荷発生層が
オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜であり、前記電
荷輸送層中の電荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルアミ
ノ−α−フェニルスチルベンであり、かつ前記中間層
が、バインダー樹脂として50℃にて固形のエポキシ樹
脂を用いているため、耐オゾン性に優れるとともに、中
間層であるエポキシ樹脂膜によって電荷輸送層用塗液の
塗工時に、蒸着膜からのオキソチタニウムフタロシアニ
ンの溶出を防止できるため、感光体の製造を繰り返して
も電荷輸送層中にキャリアトラップの原因となるオキソ
チタニウムフタロシアニンを含まないため品質の安定し
た量産性に優れた感光体を提供することができる。
層型電子写真用感光体によれば、導電性支持体上に少な
くとも電荷発生層と中間層と電荷輸送層とを積層してな
る積層型電子写真用感光体において、前記電荷発生層が
オキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜であり、前記電
荷輸送層中の電荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルアミ
ノ−α−フェニルスチルベンであり、かつ前記中間層
が、バインダー樹脂として50℃にて固形のエポキシ樹
脂を用いているため、耐オゾン性に優れるとともに、中
間層であるエポキシ樹脂膜によって電荷輸送層用塗液の
塗工時に、蒸着膜からのオキソチタニウムフタロシアニ
ンの溶出を防止できるため、感光体の製造を繰り返して
も電荷輸送層中にキャリアトラップの原因となるオキソ
チタニウムフタロシアニンを含まないため品質の安定し
た量産性に優れた感光体を提供することができる。
【0056】また本発明の第2の積層型電子写真用感光
体によれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
中間層と電荷輸送層とを積層してなる積層型電子写真用
感光体において、前記電荷発生層がオキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜であり、前記電荷輸送層中の電荷輸
送剤が4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルス
チルベンであり、かつ前記中間層が、バインダー樹脂と
してアルコール可溶性のポリビニルブチラール樹脂を用
いているため、耐オゾン性に優れるとともに、中間層で
あるポリビニルブチラール樹脂膜によって電荷輸送層用
塗液の塗工時に、蒸着膜からのオキソチタニウムフタロ
シアニンの溶出を防止できるため、感光体の製造を繰り
返しても電荷輸送層中にキャリアトラップの原因となる
オキソチタニウムフタロシアニンを含まないため品質の
安定した量産性に優れた感光体を提供することができ
る。
体によれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
中間層と電荷輸送層とを積層してなる積層型電子写真用
感光体において、前記電荷発生層がオキソチタニウムフ
タロシアニン蒸着膜であり、前記電荷輸送層中の電荷輸
送剤が4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルス
チルベンであり、かつ前記中間層が、バインダー樹脂と
してアルコール可溶性のポリビニルブチラール樹脂を用
いているため、耐オゾン性に優れるとともに、中間層で
あるポリビニルブチラール樹脂膜によって電荷輸送層用
塗液の塗工時に、蒸着膜からのオキソチタニウムフタロ
シアニンの溶出を防止できるため、感光体の製造を繰り
返しても電荷輸送層中にキャリアトラップの原因となる
オキソチタニウムフタロシアニンを含まないため品質の
安定した量産性に優れた感光体を提供することができ
る。
【0057】本発明の第1の積層型電子写真用感光体の
製造方法によれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層と中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる
積層型電子写真用感光体を製造する方法であって、電荷
発生層と中間層の形成工程が、導電性支持体上にオキソ
チタニウムフタロシアニンを蒸着する工程と、前記工程
により得られたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜
の上に、少なくともバインダー樹脂として50℃にて固
形のエポキシ樹脂、電荷輸送剤および溶剤からなる中間
層形成用塗液を塗工して、オキソチタニウムフタロシア
ニンの結晶変換と中間層の形成とを同時に行う工程を含
み、かつ電荷輸送層の形成工程が、中間層上に、少なく
とも4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチ
ルベンおよびバインダー樹脂をトルエンに溶解してなる
塗液を浸漬塗工する工程を含むものとしたことにより、
前記した本発明の第1の積層型電子写真用感光体を合理
的かつ安定に製造することができる。
製造方法によれば、導電性支持体上に少なくとも電荷発
生層と中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる
積層型電子写真用感光体を製造する方法であって、電荷
発生層と中間層の形成工程が、導電性支持体上にオキソ
チタニウムフタロシアニンを蒸着する工程と、前記工程
により得られたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜
の上に、少なくともバインダー樹脂として50℃にて固
形のエポキシ樹脂、電荷輸送剤および溶剤からなる中間
層形成用塗液を塗工して、オキソチタニウムフタロシア
ニンの結晶変換と中間層の形成とを同時に行う工程を含
み、かつ電荷輸送層の形成工程が、中間層上に、少なく
とも4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチ
ルベンおよびバインダー樹脂をトルエンに溶解してなる
塗液を浸漬塗工する工程を含むものとしたことにより、
前記した本発明の第1の積層型電子写真用感光体を合理
的かつ安定に製造することができる。
【0058】本発明の第2の積層型電子写真用感光体の
製造方法は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる積層型
電子写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層
と中間層の形成工程が、導電性支持体上にオキソチタニ
ウムフタロシアニンを蒸着する工程と、前記工程により
得られたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の上
に、少なくともバインダー樹脂としてアルコール可溶性
のポリビニルブチラール樹脂、電荷輸送剤および溶剤か
らなる中間層形成用塗液を塗工して、オキソチタニウム
フタロシアニンの結晶変換と中間層の形成とを同時に行
う工程を含み、かつ電荷輸送層の形成工程が、中間層上
に、少なくとも4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フ
ェニルスチルベンおよびバインダー樹脂をトルエンに溶
解してなる塗液を浸漬塗工する工程を含むものとしたこ
とにより、前記した本発明の第2の積層型電子写真用感
光体を合理的かつ安定に製造することができる。
製造方法は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と
中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる積層型
電子写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生層
と中間層の形成工程が、導電性支持体上にオキソチタニ
ウムフタロシアニンを蒸着する工程と、前記工程により
得られたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の上
に、少なくともバインダー樹脂としてアルコール可溶性
のポリビニルブチラール樹脂、電荷輸送剤および溶剤か
らなる中間層形成用塗液を塗工して、オキソチタニウム
フタロシアニンの結晶変換と中間層の形成とを同時に行
う工程を含み、かつ電荷輸送層の形成工程が、中間層上
に、少なくとも4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フ
ェニルスチルベンおよびバインダー樹脂をトルエンに溶
解してなる塗液を浸漬塗工する工程を含むものとしたこ
とにより、前記した本発明の第2の積層型電子写真用感
光体を合理的かつ安定に製造することができる。
【図1】本発明の一実施形態による積層型電子写真用感
光体の構成を模式的に示した断面図
光体の構成を模式的に示した断面図
【図2】本発明の実施例1におけるエチレングリコール
エチルエーテルアセテート−水からなる水添溶剤を用い
た中間層用塗液にて浸漬処理および中間層膜を設けたオ
キソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の吸収スペクトル
の変化を示した図で、 (a)は処理前の吸収スペクトルを示した図 (b)は処理後の吸収スペクトルを示した図
エチルエーテルアセテート−水からなる水添溶剤を用い
た中間層用塗液にて浸漬処理および中間層膜を設けたオ
キソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の吸収スペクトル
の変化を示した図で、 (a)は処理前の吸収スペクトルを示した図 (b)は処理後の吸収スペクトルを示した図
1 積層型電子写真用感光体 2 導電性支持体 3 有機感光層 4 電荷発生層 5 中間層 6 電荷輸送層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 5/06 312 G03G 5/06 312 313 313 371 371 5/082 5/082
Claims (9)
- 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
と中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる積層
型電子写真用感光体において、前記電荷発生層がオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜であり、前記電荷輸送
層中の電荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルアミノ−α
−フェニルスチルベンであり、かつ前記中間層が、バイ
ンダー樹脂として50℃にて固形のエポキシ樹脂を用い
ていることを特徴とする積層型電子写真用感光体。 - 【請求項2】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
と中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる積層
型電子写真用感光体において、前記電荷発生層がオキソ
チタニウムフタロシアニン蒸着膜であり、前記電荷輸送
層中の電荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルアミノ−α
−フェニルスチルベンであり、かつ前記中間層が、バイ
ンダー樹脂としてアルコール可溶性のポリビニルブチラ
ール樹脂を用いていることを特徴とする積層型電子写真
用感光体。 - 【請求項3】 中間層が、バインダー樹脂以外に少なく
とも電荷輸送剤を含んでいる請求項1または2記載の積
層型電子写真用感光体。 - 【請求項4】 電荷輸送剤が4−N,N−ジフェニルア
ミノ−α−フェニルスチルベンである請求項3記載の積
層型電子写真用感光体。 - 【請求項5】 電荷輸送層が、中間層上に、少なくとも
電荷輸送剤である4−N,N−ジフェニルアミノ−α−
フェニルスチルベンおよびバインダー樹脂をトルエンに
溶解してなる塗液を塗工して形成されたものである請求
項1もしくは3のいずれかに記載の積層型電子写真用感
光体。 - 【請求項6】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
と中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる積層
型電子写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生
層と中間層の形成工程が、導電性支持体上にオキソチタ
ニウムフタロシアニンを蒸着する工程と、前記工程によ
り得られたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の上
に、少なくともバインダー樹脂として50℃にて固形の
エポキシ樹脂、電荷輸送剤および溶剤からなる中間層形
成用塗液を塗工して、オキソチタニウムフタロシアニン
の結晶変換と中間層の形成とを同時に行う工程を含み、
かつ電荷輸送層の形成工程が、中間層上に、少なくとも
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ンおよびバインダー樹脂をトルエンに溶解してなる塗液
を浸漬塗工する工程を含むものであることを特徴とする
積層型電子写真用感光体の製造方法。 - 【請求項7】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
と中間層と電荷輸送層とをこの順序に積層してなる積層
型電子写真用感光体を製造する方法であって、電荷発生
層と中間層の形成工程が、導電性支持体上にオキソチタ
ニウムフタロシアニンを蒸着する工程と、前記工程によ
り得られたオキソチタニウムフタロシアニン蒸着膜の上
に、少なくともバインダー樹脂としてアルコール可溶性
のポリビニルブチラール樹脂、電荷輸送剤および溶剤か
らなる中間層形成用塗液を塗工して、オキソチタニウム
フタロシアニンの結晶変換と中間層の形成とを同時に行
う工程を含み、かつ電荷輸送層の形成工程が、中間層上
に、少なくとも4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フ
ェニルスチルベンおよびバインダー樹脂をトルエンに溶
解してなる塗液を浸漬塗工する工程を含むものであるこ
とを特徴とする積層型電子写真用感光体の製造方法。 - 【請求項8】 中間層に用いる電荷輸送剤が4−N,N
−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベンである請
求項6または7記載の積層型電子写真用感光体の製造方
法。 - 【請求項9】 中間層形成用塗液に用いる溶剤がエチレ
ングリコールモノアルキルエーテルアセテート−水、プ
ロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート−
水、エチレングリコールジアセテート−水およびγ−ブ
チロラクトン−水から選ばれた水添溶剤である請求項6
または7記載の積層型電子写真用感光体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24244797A JPH1184692A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 積層型電子写真用感光体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24244797A JPH1184692A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 積層型電子写真用感光体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1184692A true JPH1184692A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17089238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24244797A Pending JPH1184692A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 積層型電子写真用感光体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1184692A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008152290A (ja) * | 2008-03-04 | 2008-07-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電子写真用感光体及びその製造方法、並びにそれを用いた画像形成装置とプロセスカートリッジ |
-
1997
- 1997-09-08 JP JP24244797A patent/JPH1184692A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008152290A (ja) * | 2008-03-04 | 2008-07-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電子写真用感光体及びその製造方法、並びにそれを用いた画像形成装置とプロセスカートリッジ |
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