JPH1171134A - ガラスセラミック - Google Patents

ガラスセラミック

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JPH1171134A
JPH1171134A JP10087379A JP8737998A JPH1171134A JP H1171134 A JPH1171134 A JP H1171134A JP 10087379 A JP10087379 A JP 10087379A JP 8737998 A JP8737998 A JP 8737998A JP H1171134 A JPH1171134 A JP H1171134A
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0036Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and a divalent metal oxide as main constituents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
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    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ひずみ点が高く、多結晶質シリコンに適合し
得るような熱膨張係数を有する透明なガラスセラミック
材料を提供する。 【解決手段】 酸化物に基づく重量パーセントで表し、
SiO2 が45〜65、Al2 3 が14〜28、ZnOが4〜
13、MgOが0〜8、TiO2 が0〜10、ZrO2 が0
〜6、BaOが0〜8、Cs2 Oが0〜15、ZnO+M
gOの合計量が約8以上、TiO2 +ZrO2 の合計量
が約4より大きい組成から成る透明なガラスセラミッ
ク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明なスピネル系
ガラスセラミック材料に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】本発明の材料の最も重要な用
途は、高温ポリシリコン薄膜の支持体である。多結晶質
シリコンから成る薄膜に基づく製品としては、太陽電池
やフラットパネルディスプレー、特に活性マトリックス
液晶ディスプレーが挙げられる。しかしながら、本発明
の材料は、その他の形態のフラットパネルディスプレ
ー、太陽電池、フォトマスク、光磁性ディスクのような
各種の電気装置、電子装置および光電子装置における支
持体材料としても有用である。
【0003】液晶ディスプレー(LCD)は一般に、液
晶材料から成る薄層を封入する2枚の平らなガラスシー
トから構成される。該ガラス上のあるアレイ状の透明な
薄膜電極が液晶材料の透過性を調整することにより像が
形成される。各ピクセルにダイオードや薄膜トランジス
ター(TFT)のような活性デバイスを装入することに
より、高いコントラストと応答速度を得ることができ、
高分解ディスプレーが作られる。一般に活性マトリック
スLCD(AMLCD)と称されるそのようなフラット
パネルディスプレーは、ノート型コンピュータや携帯テ
レビのような高性能ディスプレーのための主要な技術と
なっている。
【0004】現在、多くのAMLCDは、アモルファス
(非晶質)シリコン(a−Si)法を利用し、最高加工
温度が450 ℃である。しかしながら、多結晶質シリコン
(poly−Si:ポリ−Si)を利用するとa−Siより
も幾つかの点で有利になるであろうということは長い間
認められている。多結晶質シリコンは駆動電流と電子移
動度がきわめて高く、これによってTFTのサイズを小
型にできると同時に、ピクセルの応答スピードを増大さ
せる。さらに、ポリSi法を用いると、ガラス支持体上
に直接的にディスプレー駆動回路を形成させることもで
きる。このような組込みによりコストが大幅に減少する
とともに信頼性が増大し、さらに、パッケージの小型化
および電力消費量の低減が可能となる。これに対して、
アモルファスシリコン(a−Si)は、それぞれ独立し
た複数の駆動チップが必要であり、これらを、テープキ
ャリア結合法のような集積回路パッケージ法を用いてデ
ィスプレーの周囲に取り付けなければならない。
【0005】ポリ−Siは、従来より、化学蒸着(CV
D)法を用いてガラスシート上にアモルファスシリコン
を沈着させ、次に、被覆された該ガラスを充分な時間に
わたり高温に露してa−Siをポリ−Siに結晶化する
ことにより製造されている。ポリ−Siを製作するには
多くの方法があるが、2つのカテゴリーに分けることが
できる。約600 ℃以下の加工温度を用いる低温ポリ−S
i法と、一般的には900 ℃というような高温を用いる高
温ポリ−Si法である。
【0006】低温法の多くはレーザー結晶化法のような
手法を用い、支持体を400 ℃に保持しエキシマーレーザ
ーを用いてSi層を溶融させ結晶化させる。レーザー結
晶化の主要な欠点は、サンプル全体にわたって良好な均
質性を得ることが難しいということである。大抵のTF
Tはオンボードロジックに対して充分すぎる移動度を有
しているが、一度に溶融され結晶化されるのは少領域だ
けであるためにスティッチの問題が生じる。低温ポリ−
SiのTFTは、アモルファスSiを加熱結晶化(最高
温度600 ℃)することによっても製造することができる
が、このような低温下で高性能のトランジスターを作る
ためには、少なくとも25時間、膜を処理しなければなら
ないのが一般的である。更に、結晶化工程の後、一般に
数工程の高温処理(ゲート酸化物の成長またはアニーリ
ングやドープ剤の活性化など)が必要である。
【0007】最上の性能のポリ−Si TFTは、少な
くとも900 ℃の温度下で製造される。このような方法に
よって電子移動度が極めて高く(高速スイッチング
用)、広い領域にわたってTFT均質性の優れたポリ−
Si膜を作ることができる。この製造法は、一般に、高
温プロセスを用いて薄膜に連続的な沈着およびパターニ
ングを施すことから成り、これによって支持体は900 ℃
を含む温度にまで加熱されることになる。この要求を満
たし得る材料はきわめて少ない。一つの手段は、支持体
として溶融シリカないしはガラス質シリカを用いること
であった。溶融シリカは、 990°〜1000°の充分に高い
ひずみ点を有してはいるが、その熱膨張係数(C.T.
E.)は、シリコンよりもかなり小さく、そのC.T.
E.は、シリコンが37×10-7/℃であるのに対して5×
10-7/℃である。さらに、溶融シリカは製造コストが極
めて高く、大型ディスプレーに用いるとコスト的に引き
合わなくなる。
【0008】したがって、ひずみ点が高く、且つ、多結
晶質シリコン、特に高温ポリ−Siに適合するような熱
膨張係数を有する透明なガラスセラミック材料の開発が
所望されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、主要結晶相と
してスピネルを含有する透明なガラスセラミックに関
し、該ガラスセラミックは、酸化物を基準とする重量パ
ーセントで計算して次の組成を有する:SiO2 45〜6
5、Al2 3 14〜28、ZnO 4〜13、MgO 0〜8 、
TiO2 0〜10、ZrO2 0〜6、Cs2 O 0〜15、
BaO 0〜5、ZnO+MgOの合計が約8以上、お
よびTiO2 +ZrO2 の合計が約8より大きい。
【0010】透明とは、本発明のガラスセラミックが1.
1mm の厚さのシートとして可視スペクトル領域(400nm
から700nm )にわたって85パーセントよりも大きい透過
性を有することを意味する。さらに、用途によっては、
そのようなシートが近紫外においてもある程度の透過
率、例えば、350 〜400nm の領域にわたって50パーセン
トより大きい透過率を有することが好ましい。
【0011】本発明に従う透明なスピネル系ガラスセラ
ミックは、従来技術のガラスセラミック材料に比べて多
くの利点を有する。例えば、本発明のガラスセラミック
は、25〜300 ℃の温度範囲にわたって、約32から42×10
-7/℃の間の熱膨張係数、好ましくは約35から40×10-7
/℃の間の熱膨張係数を示し、シリコンに対して相対的
な熱的適合性を有する。また、本発明のガラスセラミッ
クは、850 ℃より高い、好ましくは875 ℃より高い、よ
り好ましくは900 ℃より高い、そして最も好ましくは92
5 ℃より高いひずみ点を有する。
【0012】したがって、本発明のガラスセラミック
は、きわめて高い熱安定性を有し、そして、変形、屈曲
または透明性喪失を起こすことなく24時間にわたって90
0 ℃というような温度に抗することができる。このよう
な本発明の材料における主要な(そして一般に唯一の)
結晶相はスピネル固溶体(Zn、Mg)Al2 3 から
構成されるが、該スピネルに、透明度や諸特性に悪影響
を与えないような少量の他の結晶相、例えば、ジルコニ
ア、Mg−ペタライト、β−石英固溶体、またはMgT
2 5 が併存することもある。主要な結晶相とは、該
結晶相が、存在する全結晶相の少なくとも約75体積パー
セント、より好ましくは少なくとも85パーセント、そし
て最も好ましくは少なくとも約95パーセントを占めるこ
とを意味する。さらに、本発明のガラスセラミックは、
少なくとも約20重量パーセントの結晶相がガラス質マト
リクス内に分散されていることが好ましい。
【0013】本発明のガラスセラミックは、優れた化学
的耐久性を示し、そして、TFT処理に現在用いられて
いる全てのクリーニング法に適合する。さらに、本発明
のガラスセラミックの密度は2.85グラム/ccより低く、
また、硬度は600 より大きい(Knoop, 100g 負荷)。
【0014】前駆体ガラスが従来からの溶融および成形
技術(特に圧延によるもの)に適合しているため、該材
料は大きいシートを製造するのに好適となる。ここで記
述するガラスは、1550℃〜1600℃の温度で溶融し得るも
のである。ガラスに比べて剛性および強度が大きい(ヤ
ング率<13×106 psi、破壊係数<10×1013psi)ことか
ら、ガラス材料に比べるとより薄いシートとして用いる
ことができる。
【0015】薄膜ポリシリコン太陽電池用の支持体の他
に、本発明の耐熱性ガラスセラミックは、高温薄膜を用
いる支持体(例えば、活性マトリクス液晶ディスプレー
(AMLCD))から光学装置(例えば光導波路)に至
る広範な用途に有用である。特にAMLCDの支持体と
して有用であるが、これは、周辺駆動回路を支持体に直
接設置することができるからである。該ガラスはひずみ
点が高いので、従来のLCD(ひずみ点の低いもの)支
持体を用いる場合よりも高温においてトランジスターを
作製することができ、これによって、移動度のきわめて
高い膜を形成することができる。駆動回路は、高温加工
によって調製できるような極めて高品質のポリシリコン
TFTを必要とする。本発明のガラスセラミックは900
℃という温度にも抗することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】ガラスセラミックは、無秩序に配
向された結晶が残存ガラスのマトリクス中に分散されて
構成され、そして、前駆体(プリカーサ)となるガラス
体を制御しながら核形成し結晶化することによって製造
することができる。すなわち従来からのガラス形成技術
を利用して、所望の組成のガラス形成バッチを溶融し、
得られたメルトを冷却すると同時に所定の形状のガラス
に成形する。本発明に従うスピネル結晶を含有するガラ
スセラミックの前駆体となるガラスを得るためのガラス
形成バッチは、簡単に溶融させることができ、得られる
メルトは、多種の形状の製品に成形することができる。
前駆体ガラス、およびそれから形成されるガラスセラミ
ックは、重量パーセントで以下の組成から本質的に構成
される。
【0017】 SiO2 45〜65 Al2 3 14〜28 ZnO 4〜13 MgO 0〜8 TiO2 0〜10 ZrO2 0〜6 BaO 0〜8 Cs2 O 0〜15 (ZnO+MgO)≧8% (TiO2 +ZrO2 )≧4% 必要または所望に応じて、ガラス組成物に、As2 3
またはSb2 3 のような清澄剤を添加してもよい。さ
らに、所望に応じて、5%以下の他の酸化物やフッ化
物、例えば、Rb2 O、WO3 、CaO、SrO、Nb
2 5 、AlF3、B2 3 、Y2 3 もしくはP2
5 および/または10%以下のBi2 3 、Ta2 5
Ga2 3 、PbOもしくはLa2 3 を添加すること
もできる。本発明のガラスセラミックは移動性のアルカ
リイオンが無いことが望ましいので、K2 O、Na
2 O、Li2 Oのレベルは3%未満とすることが好まし
く、最も好ましくはゼロにすべきである。
【0018】SiO2 の量が45%より少ないと、残存ガ
ラスに対するスピネルの比率が増加し、熱膨張係数を増
大させる。このことは、ガラスセラミックの透明性も高
める。他方、SiO2 の量が65%を超えると、CTEが
低すぎてシリコンに対する最適な適合性が得られない。
【0019】Al2 3 はスピネル(Zn、Mg)Al
2 3 の必要構成成分である(1モルの(ZnO、Mg
O)が1モルのAl2 3 に結合する)。したがって、
Al2 3 が14%より少ないと、スピネルの形成が少な
すぎて、熱膨張係数が低すぎるであろう。Al2 3
量が28%を超えると、ガラスは不安定になる傾向があ
り、また、液相線温度が高くなり、ガラスの溶融を困難
にする。
【0020】MgOおよびZnO成分の両方は、Al2
3 とともに重要なスピネル結晶を形成するための成分
である。したがって、ガラスセラミック組成には、それ
らの一方または双方が存在していなければならない。Z
nOは、きわめて微細粒のスピネル結晶の結晶化を強く
促進し、望ましくない相の結晶化を可及的に少なくす
る。最適な性状を得るには少なくとも4%のZnOが所
望される。一方、溶融温度が高くなりすぎてガラスの溶
融が困難にならないように、ZnOは、好ましくは13%
以下とすべきである。全てがMgスピネル(MgAl2
4 )であるガラスセラミックを製造してもよいが、M
gOは、透明度を劣化させる傾向のある非スピネル相
(例えば、Mg−ペタライト、β−石英ss、およびM
gTi2 5)の成長を強く促進する。したがって、M
gOは最大8パーセントとすることが望ましい。
【0021】(ZnO+MgO)の合計量は少なくとも
8重量パーセントとすることが好ましく、これによりス
ピネル相が充分に結晶化され、所望の性質が得られるよ
うにする。他方、透明度を維持し且つ所望のひずみ点温
度と熱膨張が得られるようにするため、ZnO+MgO
の合計量は18重量パーセント以下とするのが好ましい。
【0022】(TiO2 +ZrO2 )の合計量は、核形
成と透明度を最適にするために、少なくとも4%にする
ことが好ましい。チタニアは、ガラス中での極めて効果
的な核形成剤として、およびスピネル結晶の集積成分と
しての両方の機能を有する。チタニア単独、ジルコニア
単独、またはこれらの2種類の酸化物の混合物のいずれ
もスピネル相を核形成するが、実用上の観点からはジル
コニアのみによる核形成は一般に望ましくない。その理
由は、ZrO2 は、ガラスの液相線温度を有意に上昇さ
せ、また、粘度曲線をきわめて急激にし永続的なストー
ニングの危険性をもたらすからである。ジルコニアはガ
ラスセラミックの密度も増大させるが、これは多くの用
途で望ましくない。さらに、ジルコニアは、充分量のマ
グネシアを含有するガラス中で、チタニアよりもスピネ
ルの核形成効率が低い。核形成が充分でないと、当該組
成範囲のマグネシア含有ガラスは、スピネルの代わり
に、またはスピネルの他に、β−石英固溶体やMgペタ
ライトを形成し易くなり、その結果、ガラスセラミック
に望ましくない結晶成長、さらにはくもりや不透明性を
引き起こすとともに、最も厳しい場合には破壊をもたら
す。組成物中にマグネシアが多くなる程、スピネル相を
効率的に核形成するために必要とするチタニアの量は大
きくなる。Mgの無いスピネル組成においては、5%の
TiO2 で充分であるが、約2重量%以上のMgOを有
する組成においては最低7.5 %のTiO2 が一般に必要
である(但し、ZrO2 が存在しないとして)。
【0023】ガラスセラミックのひずみ点温度は、一般
に、その前駆体となるガラスのひずみ点温度よりも有意
に高いが、これは、結晶相がガラス中のフラキシング剤
の多くを取込み、前駆体ガラスよりも融剤の少ない(し
たがって、より硬い)残存ガラス(これは、実際にはガ
ラスセラミック中でひずみ点を測定した「ガラス」であ
る)を残すからである。本発明に従うガラスセラミック
は、シリカ含有量が高く、さらに、理論的にシリカと構
造上酷似するような組成の残存ガラスを有するように設
計され、これによって、ひずみ点は850 ℃より高く、好
ましくは875 ℃より高く、より好ましくは900 ℃より高
く、最も好ましくは925 ℃より高くなるようになってい
る。
【0024】ひずみ点を可及的に高くするためには、ガ
ラスセラミック中の残存ガラス(すなわち、結晶ではな
い部分)の組成が、純粋なシリカの組成に可及的に近い
か、または非架橋酸素が可及的に少ないようにすべきで
ある。このために、好ましいガラスセラミックは、(R
2 O+RO)/Al2 3 のモル比が約0.5 〜1.5 、好
ましくは約0.75〜1.25、最も好ましくは約0.85〜1.15
(但しR2 O=アルカリ金属酸化物およびRO=アルカ
リ土類金属酸化物+ZnOである)となるように設計し
たものである。この比は、系の全体的な過アルミ性(pe
raluminousness)または過アルカリ性(peralkalinity)
を知るのに有用であり、したがって、ひずみ点のような
特性を予測するのに役に立つ。一般的には、組成が過ア
ルミ性になる程、ひずみ点が高くなるが、ガラスの安定
性と液相線/粘度の関係を悪くすることが多い。
【0025】好ましくは、前駆体ガラス、そして最終的
なガラスセラミックは、酸化物を基準とする重量パーセ
ントで表して、大略、次の組成から本質的に成る。
【0026】 SiO2 50〜64 Al2 3 16〜22 ZnO 6〜13 MgO 1〜5 TiO2 0〜10 ZrO2 0〜6 BaO 0〜4 Cs2 O 0〜5 (ZnO+MgO)≧9% (TiO2 +ZrO2 )≧5% 最も好ましくは、前駆体ガラス、そして最終的なガラス
セラミックは、酸化物を基準とする重量パーセントで表
して大略、次の組成から本質的に成る。
【0027】 SiO2 55〜62 Al2 3 18〜22 ZnO 8〜11 MgO 2〜5 TiO2 0〜10 ZrO2 0〜6 BaO 0〜3 Cs2 O 0〜4 (ZnO+MgO)≧9% (TiO2 +ZrO2 )≧5% STEM顕微鏡写真の示すところによれば、本発明に従
う透明ガラスセラミックの結晶スピネルの大きさは、直
径75〜 200オングストローム(7.5〜20nm) の範囲にあ
る。超微細結晶であることも一因であるが、本発明の材
料は、ガラス状態で2ミクロン×2ミクロンの表面積に
わたり、10オングストローム以下の表面粗さ(Ra)に
まで研磨されることができ、そして、ガラスセラミック
にセラム化された後もこの表面粗さを保持する。
【0028】本発明の材料は、従来からのガラス溶融お
よび成形法(特に圧延によるもの)に適合しており、し
たがって、薄層ポリシリコン太陽電池またはフラットパ
ネルディスプレー用の支持体に必要とされる広大シート
を経済的なコストで製造することができる。さらに、ガ
ラスまたは溶融シリカに比べて剛性および強度が大きい
ので、より薄いシート(例えば、活性マトリクス結晶デ
ィスプレーおよびその他のフラットパネルディスプレー
用)の利用が可能となる。
【0029】上述の透明なガラスセラミックは、核を形
成させ、次いで、結晶を成長させるのに用いる従来から
の2段階熱処理によって得ることができる。該ガラスセ
ラミックは1段階熱処理によって得ることもできる。1
段階(または2段階)熱処理において、結晶を成長させ
る温度の上限は、好ましくは875 〜1050℃の範囲にすべ
きである。
【0030】
【実施例】以下に実施例に沿って本発明をさらに説明す
るが、それらは例示のためのものであり、本発明を制限
するためのものではない。
【0031】表1は、酸化物を基準にした重量部で表し
た多数のガラス組成物を掲記して、本発明に関連する構
成因子を示している。個々の構成成分の合計量が100 に
なるか、または100 に近ければ、実用上、掲記の数値は
重量パーセントを表すものとしてよい。実際のバッチ成
分は、酸化物またはその他の化合物のような任意の材料
から構成され、他のバッチ成分とともに溶融されたとき
に好適な割合の所望の酸化物に転化されるようになって
いることもある。
【0032】表1に掲記しているガラスセラミックは、
標準的な実験室的方法によって調製されたものである。
ガラスバッチにボールミリングを行い、白金るつぼ内で
1600〜1625℃のおいて6〜16時間溶融し、鋼性プレート
で6インチ×6インチ×0.5インチ(15.2cm×15.2cm×
1.3cm)のパティに鋳造した。得られたガラスパティに72
5 〜750 ℃のおいて1時間アニーリングを施し、その
後、一晩冷却した。次いで該ガラスパティから小片(ク
ーポン)を切り出し、表1に示す1種またはそれ以上の
熱処理法(H.T.)を用いてセラム化した。本発明の
ガラスは、775 〜800 ℃において1〜2時間で核形成処
理され、次に、850 〜1050℃の温度において2〜4時間
で結晶化されることができる。標準的な粉末X線回析法
を用いて、ガラスセラミック内に存在する結晶相を調べ
た。掲記しているすべての実施例において、存在する唯
一の結晶相は、スピネル固溶体(s.s.) である。表1に
は、(R2 O+RO)/Al2 3 のモル比(但し、R
2 =アルカリ金属酸化物およびRO=アルカリ土類金属
酸化物+ZnO)も掲記しており、この値はΣRO/A
2 3 として記載している。
【0033】表1には、ガラスの技術分野で従来より知
られた手法に従ってガラスセラミックについて測定され
た幾つかの化学的および物理的特性の測定値も掲記して
いる。ひずみ点(℃で表す)は、ビーム曲げ粘度法によ
り測定した。25〜300 ℃の温度範囲にわたる線熱膨張係
数((×10-7/℃)で表す)は膨張計測定法を用いて測
定した。幾つかの実施例については密度(グラム/cc)
も掲記している。
【0034】さらに、表1には、液相線温度や液相線粘
度など液相線に関連するデータを掲記するとともに、前
駆体ガラスが300 ポアズ、103 ポアズ、104 ポアズ、お
よび105 ポアズの粘度を示すときの温度も掲記してい
る。この粘度に関する情報を含ませたのは、本発明の好
ましい態様においては、相対的に作業粘度範囲が広くな
るようなガラス材料が得られるようにガラスセラミック
の組成を選択しているからである。ここで用いている作
業粘度範囲とは、ガラスセラミックが103 〜105ポアズ
の粘度を示す温度範囲を指称する。好ましくは、この範
囲は少なくとも200 ℃である。例えば、実施例16におい
ては、作業粘度範囲は236 ℃(1416〜1180℃)である。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】高度にケイ酸質の残存ガラスから成るマト
リックス中に安定な酸化物の結晶が存在するミクロ構造
により、本発明の材料は優れた化学的耐久性を有する。
表2に、内部の基準ガラス(コーニング(Corning) 社Co
de 7940 の溶融シリカ)と比較して標準的な酸、塩基お
よび緩衝液中での重量ロスを示した代表的データを記し
ている。
【0039】
【表4】
【0040】本発明の最も好ましいガラスセラミック組
成物は実施例4および16であり、特に、現在のところ実
施例16が最も好ましい。
【0041】好ましい態様の1つとして、本発明のガラ
スセラミックは、下記のセラム化および冷却スケジュー
ルで製造される。すなわち、先ず、核形成用熱処理(例
えば800 ℃、2時間)に供して、相分離と核の成長を促
進させる。次に、より高温の熱処理(例えば、1000℃、
4時間)に供して、主結晶相の成長を促進させる。該支
持体は、次いで、約800 ℃にゆっくりと冷却され、ケイ
酸質残存ガラスの最適な高密度化が起こるようにする。
その後、該ガラスは、迅速で都合のよい速度で800 ℃か
ら室温にまで冷却してもよい。そのようなセラム化と冷
却法は、同時に提出した米国特許出願に記述されてお
り、その明細書を参考に引用しておく。
【0042】核形成:800 ℃/2時間 成長:1000℃/4時間 冷却:1000℃から950 ℃(於 0.5℃/分)、950 ℃から
900 ℃(於 0.1℃/分)、900 ℃から875 ℃(於 0.2℃
/分)、875 ℃から700 ℃(於2℃/分)、700 ℃から
室温(於10℃/分)、 本発明は実施例に沿って詳述したが、本発明はそれらの
説明に限定されるものではなく、特許請求の範囲によっ
て定義される本発明の思想および範囲から逸脱しない各
種の変更が当業者によって可能である。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主要結晶相としてスピネルを含有し、0
    〜300 ℃の温度範囲にわたり32〜42×10-7/℃の線熱膨
    張係数(CTE)を示す透明なガラスセラミックであっ
    て、酸化物に基づく重量パーセントで計算して、SiO
    2 が45〜65、Al2 3 が14〜28、ZnOが4〜13、M
    gOが0〜8、TiO2 が0〜10、ZrO2 が0〜6、
    Cs2 Oが0〜15、BaOが0〜6、ZnO+MgOの
    合計量が約8以上であり、TiO2 +ZrO2 の合計量
    が約4以上である組成から成ることを特徴とするガラス
    セラミック。
  2. 【請求項2】 約850 ℃より高いひずみ点を有すること
    を特徴とする請求項1のガラスセラミック。
  3. 【請求項3】 35〜40×10-7/℃のCTEを有すること
    を特徴とする請求項1のガラスセラミック。
  4. 【請求項4】 約875 ℃より高いひずみ点を有すること
    を特徴とする請求項3のガラスセラミック。
  5. 【請求項5】 約900 ℃より高いひずみ点を有すること
    を特徴とする請求項3のガラスセラミック。
  6. 【請求項6】 約925 ℃より高いひずみ点を有すること
    を特徴とする請求項3のガラスセラミック。
  7. 【請求項7】 ZnO+MgOの合計量が約20重量パー
    セントより少ないことを特徴とする請求項1のガラスセ
    ラミック。
  8. 【請求項8】 ZnO+MgOの合計量が約18重量パー
    セントより少ないことを特徴とする請求項1のガラスセ
    ラミック。
  9. 【請求項9】 遷移金属酸化物、Y2 3 、P2 5
    Rb2 O、WO3 、CaO、SrO、Nb2 5 、Al
    3 、B2 3 、硫酸塩、およびハライドから成る群よ
    り選ばれる少なくとも1種の随意成分を合計で5重量パ
    ーセントを超えない量で追有することを特徴とする請求
    項1に従うガラスセラミック。
  10. 【請求項10】 Bi2 3 、Ta2 5 、Ga
    2 3 、PbOおよびLa2 3 から成る群より選ばれ
    る少なくとも1種の随意成分を10重量パーセントを超え
    ない量で追有することを特徴とする請求項1に従うガラ
    スセラミック。
  11. 【請求項11】 Li2 O、Na2 OおよびK2 Oの1
    種以上を3重量パーセントより少ない量で含むことを特
    徴とする請求項1に従うガラスセラミック。
  12. 【請求項12】 請求項1に従う支持体を有することを
    特徴とする光起電力装置。
  13. 【請求項13】 請求項1に従うガラスセラミック組成
    物を支持体とすることを特徴とするフラットパネルディ
    スプレー装置。
  14. 【請求項14】 請求項1に従う組成物を支持体とする
    ことを特徴とする液晶ディスプレー装置。
  15. 【請求項15】 重量パーセントで表し、SiO2 が50
    〜64、Al2 3 が16〜22、ZnOが6〜13、MgOが
    1〜5、TiO2 が0〜10、ZrO2 が0〜6、BaO
    が0〜4、Cs2 Oが0〜5、ZnO+MgOの合計量
    が約9以上であり、TiO2 +ZrO2 の合計量が約5
    以上である組成から成ることを特徴とする請求項1に従
    うガラスセラミック。
  16. 【請求項16】 約850 ℃よりも高いひずみ点を有する
    ことを特徴とする請求項15のガラスセラミック。
  17. 【請求項17】 35〜40×10-7/℃のCTEを有するこ
    とを特徴とする請求項15のガラスセラミック。
  18. 【請求項18】 約875 ℃より高いひずみ点を有するこ
    とを特徴とする請求項17のガラスセラミック。
  19. 【請求項19】 約900 ℃より高いひずみ点を有するこ
    とを特徴とする請求項17のガラスセラミック。
  20. 【請求項20】 約925 ℃より高いひずみ点を有するこ
    とを特徴とする請求項17のガラスセラミック。
  21. 【請求項21】 ZnO+MgOの合計量が約20重量パ
    ーセントより少ないことを特徴とする請求項15のガラ
    スセラミック。
  22. 【請求項22】 ZnO+MgOの合計量が約18重量パ
    ーセントより少ないことを特徴とする請求項15のガラ
    スセラミック。
  23. 【請求項23】 遷移金属酸化物、Y2 3 、P
    2 5 、Rb2 O、WO3、CaO、SrO、Nb2
    5 、AlF3 、硫酸塩、およびハライドから成る群より
    選ばれる少なくとも1種の随意成分を合計で5重量パー
    セントを超えない量で追有することを特徴とする請求項
    15に従うガラスセラミック。
  24. 【請求項24】 Bi2 3 、Ta2 5 、Ga
    2 3 、PbOおよびLa2 3 から成る群より選ばれ
    る少なくとも1種の随意成分を10重量パーセントを超え
    ない量で追有することを特徴とする請求項15に従うガ
    ラスセラミック。
  25. 【請求項25】 Li2 O、Na2 OおよびK2 Oの1
    種以上を3重量パーセントより少ない量で含むことを特
    徴とする請求項15に従うガラスセラミック。
  26. 【請求項26】 請求項15に従う支持体を有すること
    を特徴とする光起電力装置。
  27. 【請求項27】 請求項15に従うガラスセラミック組
    成物を支持体とすることを特徴とするフラットパネルデ
    ィスプレー装置。
  28. 【請求項28】 請求項15に従う組成物を支持体とす
    ることを特徴とする液晶ディスプレー装置。
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