JPH1170648A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH1170648A
JPH1170648A JP9234256A JP23425697A JPH1170648A JP H1170648 A JPH1170648 A JP H1170648A JP 9234256 A JP9234256 A JP 9234256A JP 23425697 A JP23425697 A JP 23425697A JP H1170648 A JPH1170648 A JP H1170648A
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jet head
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Hisayoshi Sakurai
久喜 櫻井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶解しているホットメルトインクを凝固させる
際、凝固によるインクの体積減少分を補償する部材を設
けることで空気の析出を抑止し、再溶解後に気泡による
不吐出が発生しないインクジェットヘッド及びそのヘッ
ドを用いたインクジェット装置を提供する。 【解決手段】インク溜り17の一部をバイメタル18で構
成し、インク凝固時におけるホットメルトインクの凝縮
による減少体積を補償するように変形させることによっ
て隙間の発生を防止し、再溶解時に前記隙間より発生す
る気泡による不吐出を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室温で固体であ
り、加熱により溶融するホットメルトタイプのインクを
用いるインクジェットヘッドに関し、更に詳細には、ホ
ットメルトインクの溶融及び凝固の相変化に伴う体積変
化に起因する気泡の発生を抑制したインクジェットヘッ
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式として
は、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させ
る、いわゆる電界制御方式や、ピエゾ素子の振動圧力を
利用してインクを吐出させる、いわゆるドロップオンデ
マンド方式(圧力パルス方式)や、高熱によって気泡を
形成、成長させることによって生じる圧力を利用してイ
ンクを吐出させる、いわゆるサーマルインクジェット方
式等の各種方式が提案されており、これらは極めて高精
細の画面を得ることができる。
【0003】高速印字、低騒音、普通紙使用等の要求を
満足する、これらのインクジェット記録方式には主溶媒
として水を用いる水性インクと、主溶媒として有機溶媒
を用いる油性インクが一般に用いられている。水性イン
クを用いた印刷画像は、全般に、耐水性に劣っているの
に対して、油性インクは、優れた耐水性を有する印刷画
像を提供することが可能である。
【0004】しかしながら、これらの水性及び油性イン
クは、室温では液体のため、記録紙に印刷するとニジミ
が発生しやすく、かつ、十分な印刷濃度が得られず、さ
らに、液体であるがゆえに乾燥等に起因するインクから
の析出物の発生(特にノズル近傍等で)が起こりやす
く、インクジェット記録方式の信頼性を大きく低下させ
る原因となる欠点を有していた。
【0005】これら従来の溶液型のインク(以下、リキ
ッドインクと称する)の欠点を改良することを目的とし
て、常温では固体であり、加熱融解して印字を行なうよ
うなインクを使用した、いわゆるホットメルトインクが
提案されている。この記録法によれば、常温では固相状
態にある固体インクを加熱溶融して印字するので、吐出
したインクは被印字物に着弾直後に放熱して凝固する。
従って、従来の水性インクに比べて滲んだり、乾燥に時
間を要するといった問題が無い。
【0006】具体的には、米国特許第3653932号
明細書においては、セバシン酸ジアルキルエステルを含
有するインク、米国特許第4390369号明細書及び
特開昭58-108271号公報においては、天然ワッ
クスを含有するインク、特開昭59-22973号公報
においては、ステアリン酸を含有するインク、特開昭6
1-83268号公報においては、炭素原子数20〜2
4の酸またはアルコールを含み、さらには、これらと融
点が相対的に高いケトンを含有するインク、特開昭62
-48774号公報においては、高い水酸基価を有する
熱硬化性樹脂と、150℃より融点を有する固体有機溶
媒と、少量の染料物質とをふくむインク、特開昭62-
112627号公報においては、色材と、室温で固体で
あり、室温より高温に加熱すると液化する第1の溶媒
と、前記第1の溶媒を溶解する室温で液体でかつ揮発性
の高い第2の溶媒とからなるインク、特開昭62-29
5973号公報においては、極性基を有する合成ワック
スと前記ワックスに可溶な染料を含有するインク、等が
提案されている。
【0007】ホットメルトインクは、上記した様に常温
では固体形態をとるため、環境からの影響を受けにく
く、インク濃度の変化やインク成分の変質等を生じな
い。即ち、リキッドインクにみられるような、インクの
乾燥によるノズルの目詰まり等の不具合が起こらない。
よって、リキッドインクを使用するインクジェット記録
方式に比較して、インクのメンテナンス制御にかかる手
間を大幅に縮小させてきた。例えば、従来、リキッドイ
ンクを用いて印字記録を行なうインクジェットプリンタ
においては、プリンタ使用を中断しプリンタ電源をオフ
した際、ノズル部位をキャッピングする終業処理を行な
っていたが、一方のホットメルトインクを用いて印字記
録を行なうインクジェットプリンタにおいては、ほとん
どの場合がプリンタを停止した直後の状態で加熱された
プリンタヘッドを単に自然放冷しているに過ぎなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記固
体インクは固相時と液相時との相変化に伴って体積変化
を引き起こす。この体積変化は、インクジェットヘッド
のインク吐出能力に悪影響を及ぼす気泡の発生を促して
いた。
【0009】例えば、特開昭58−108271に示さ
れている天然ワックスにおいて、この固体インクは一般
に凝固時に体積が10%前後収縮することから、この体
積減少分を補償する手段を講じないと未凝固インクの圧
力は低下し、溶解していた空気が析出することとなる。
その結果、完全凝固時にはインク流路のいたるところに
縮小したインクの体積分だけ空隙が生ずることとなる。
【0010】そして、特にこの現象は大容量のインクジ
ェットヘッドや複数の吐出口を有した所謂マルチノズル
タイプのインクジェットヘッドにおいて顕著に発生して
いた。
【0011】この空隙はインク再溶融後のインク流路内
に散在し、幾らかは液相インクに溶解するが、溶解する
ことなくインク流路中に気泡として残留するものも多く
存在する。インク流路中に気泡が存在すると、印字動作
時に圧力発生手段から付与された圧力は前記気泡によっ
て吸収されてしまい、不吐出となってしまう。
【0012】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、その目的とするところは固体イ
ンク凝固時にヘッド内に生ずる隙間を減少させて、再溶
融後のインク流路内に残留する気泡を低減させること
で、安定した印字品質を持続的に保証するインクジェッ
トプリンタを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この問題を解決するため
に、本発明の請求項1にかかるインクジェットヘッド
は、インクを噴射するノズルと、前記ノズルに連通し前
記インクが満たされたインク圧力室と、前記インク圧力
室中のインクに噴射圧力を発生せしめる圧力発生部材
と、前記インク圧力室に連通し該インク圧力室にインク
を供給するインク溜りを有し、常温で固相状態にある固
体インクを加熱溶解して液体インクとし、当該液体イン
クを用いて印字を行うホットメルト型のヘッドであっ
て、前記インク溜りの少なくとも一部をバイメタルによ
り構成し、該バイメタルが、ヘッド内のインクの温度低
下に伴い、前記インク溜りの容積を減少させるように変
形することを特徴とする。
【0014】前記請求項1のインクジェトヘッドによれ
ば、凝固によって減少する固体インクの体積分を、イン
ク溜りの一部を構成するバイメタルが補償するように作
用するため、凝固途中の液相インクの圧力低下が起こら
ず、完全凝固後のインク吐出部、インク流路及びインク
収納部に空隙が発生しなくなる。従って、固化したイン
クを再溶解してもインク吐出部、インク流路及びインク
収納部内のインク中に気泡を含まず、確実な印字が可能
な状態へと復帰できる。なお、再溶融時においても、溶
融によって増加する前記インクの体積分をバイメタルが
復帰して保証するように作用するので、ノズル等より溶
融インクが漏出するようなことも防止している。
【0015】また、請求項2にかかるインクジェットヘ
ッドは、インクを噴射するイズルと、前記ノズルに連通
し前記インクが満たされたインク圧力室と、前記インク
圧力室中のインクに噴射圧力を発生せしめる圧力発生部
材と、前記インク圧力室に連通し該インク圧力室にイン
クを供給するインク溜りを有し、常温で固体相状態にあ
る固体インクを加熱溶解して液体とし、当該液体インク
を用いて印字を行うホットメルト型のヘッドであって、
前記インク溜りの少なくとも一部を形状記憶合金により
構成し、常には該形状記憶合金をインク溜りの容積が減
少する方向に付勢する付勢手段を備え、前記形状記憶合
金はヘッド内のインクの温度上昇に伴い、前記付勢手段
の付勢力に打ち勝って前記インク溜りの容積を増大させ
るように変形することを特徴とする。
【0016】前記請求項2のインクジェットヘッドによ
れば、請求項1と同様の効果が得られ、凝固によって減
少する体積分を、インク溜りの一部を構成するバイメタ
ルが付勢手段による付勢力を受けて補償するように作用
するため、凝固途中の液相インクの圧力低下が起こら
ず、完全凝固後のインク吐出部、インク流路及びインク
収納部に空隙が発生しなくなる。従って、固化したイン
クを再溶解してもインク吐出部、インク流路及びインク
収納部内のインク中に気泡を含まず、確実な印字が可能
な状態へと復帰できる。なお、再溶融時においても、溶
融によって増加する前記インクの体積分を形状記憶合金
が復帰して保証するように作用するので、ノズル等より
溶融インクが漏出するようなことも防止している。
【0017】また、請求項3にかかるインクジェットヘ
ッドにおいては、前記インク溜りの容積が前記固体イン
クが凝固する温度の前後で略10%変化することを特徴
とする。
【0018】前記請求項3のインクジェットヘッドによ
れば、一般的な固体インクにおける凝固時の縮小率に相
応しい容積変化をするので、固体インクの種類を問わず
気泡の発生を低減させることが期待できる。
【0019】また、請求項4にかかるインクジェットヘ
ッドにおいては、前記インク溜りの容積変化量が、前記
固体インクの相変化時の体積変化量と同等もしくは大き
くなるように構成されていることを特徴とする。
【0020】前記請求項4のインクジェットヘッドによ
れば、インク溜りが固形インクの凝固時の縮小率と同等
もしくは大きく容積を変化させるので、より確実に、凝
固後のインク吐出部、インク流路及びインク収納部に空
隙を発生させなくできる。
【0021】また、請求項5にかかるインクジェットヘ
ッドにおいては、前記インクジェットヘッドは、記録媒
体の被記録領域の全幅に亘ってインク吐出口が設けられ
ている、フルライン型であることを特徴とする。
【0022】前記請求項5のインクジェットヘッドによ
れば、上記請求項1乃至4の効果に加えて極めて印字速
度の速いヘッドを得ることが可能となる。また、このよ
うな、大型ヘッドであり、ヘッド内のインク容量が大き
いものにおいては特に固体インクの容積変化の影響が大
きく出るため、本発明の効果が大いに期待できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェットヘ
ッドを具体化した実施の形態について図面を参照して説
明する。本実施の形態にあげるインクジェットヘッド
は、記録対象である用紙の被記録領域の全幅に亘ってイ
ンク吐出ノズルが形成されている、所謂フルライン形の
インクジェットヘッドである。このようなインクジェッ
トヘッドは、他のヘッドと比較して記録速度が速いとい
う動作特徴と有し、また、ヘッド容量が大きいという構
造的特徴を有する。以下、詳細に記述する。
【0024】図1は本発明の一実施例を示す断面図であ
る。図1においてインクジェットヘッド1は、板状のキ
ャビティプレート3、シート状圧電素子からなる積層圧
電素子5、板状のノズルプレート7から構成されてい
る。圧電材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、
亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモンスズ
酸鉛、チタン酸鉛等を主成分とする材料が挙げられる。
そして、インクジェットヘッド1内には、常温で固体で
あり、印字記録時には加熱溶融して液体にして用いられ
るホットメルトインクが充填されている。
【0025】前記キャビティプレート3にはインク圧力
室9が溝状に、上面に開放された状態で形成され、該イ
ンク圧力室9の上面は開放面として形成されている。こ
の上側の開放面へは前記積層圧電素子5が壁部の一つと
して接合されて、前記インク圧力室9を閉塞している。
また、前記キャビティプレート3には、隣接するインク
圧力室9を連続させるように貫通孔が形成され、バイメ
タル18がこの貫通孔を覆って共通のインク室となるイ
ンク溜り17を形成している。該バイメタル18は、イ
ンクの融点近傍で前記インク溜り17の容積を減少可能
に作用するように設計されている。更に、ヘッド内のイ
ンクを溶融・保温するためのヒータ20が取着されてお
り、印字時には、このヒータ20によりインクは液相状
態にされている。
【0026】ノズルプレート7にはノズル13が設けら
れており、前記圧力室9に連通するように前記キャビテ
ィプレート3及び前記積層圧電素子5に接合される。そ
して、前記インクジェットヘッド1をプリンタに組み込
んだ場合には、図示しないインク供給装置からインクが
供給される。
【0027】次に、図2を参照してインク凝固時の変化
について説明する。
【0028】印字可能状態に於いては、インクジェット
ヘッド1内のノズル13、インク圧力室9、インク溜り
17には溶解した液体相インク21が充填されている。
そして、印字動作が終了されプリンタの電源がOFFさ
れるとヒータ20による加熱も中止され、前記液相イン
ク21の冷却が始まる。図2(b)に示すように先ず、
前記ヒータ20から最も離れ大気に面している前記ノズ
ル13部が最も早く凝固し始め、凝固した固体相インク
23によって密封された状態となる。更に冷却が進む
と、液体相インク21と固体相インク23の境界面がイ
ンク圧力室9、インク溜り17へと向かって徐々に移動
してゆき、凝固した領域が広がってゆくことになる。
【0029】液体相インク21は凝固する際に体積減少
するが、図2(c)に示すようにインク溜り17の一部
を構成するバイメタル18が液体相インク21の温度低
下に伴って、減少した体積分を補償する形で該インク溜
り17の容積を減少せしめるように変形するため、未凝
固の液体相インク21の圧力は低下することがなく、前
記液体相インク21に溶解している空気が析出すること
はない。従って、図2(d)に示すように、完全凝固後
の固体相インク23に空隙を生ずることはないため、再
溶解後の液体相インク21内で気泡は発生せず、気泡が
原因の不吐出を起こすことがなくなる。
【0030】前記バイメタル18は液体相インク21が
凝固し始める温度近傍までに、収縮により減少した体積
を補償するだけ変形可能に設計しておけば良い。ちなみ
に、本実施の形態におけるバイメタル18により減少せ
しめられるインク溜り17の容積は、ヒータ20により
加熱されていたときの容積の10%となるように設定し
てある。一般的に、インクジェット記録に用いられるホ
ットメルトインクの凝固時における収縮率はどれも約1
0%程度であるので、この設定によりほぼあらゆる種類
のホットメルトインクに対して対応でき、隙間や気泡の
発生を防止できる。尚、好ましくは、使用されるホット
メルトインクの凝固時における収縮率と同じもしくはそ
れ以上の容積変化を引き起こすように個々に設定するの
が、確実に隙間や気泡の発生が防止できてよい。
【0031】ここでバイメタル18について詳述する
と、一般にバイメタルは熱膨張係数の異なる材料を合わ
せ板にし、温度の変化によって変形(湾曲)を得るが、低
膨張材として36Ni−Fe合金(インバー合金)、高膨
張材として72Mn−Cu−Ni、20Ni−6Mn−
Fe合金等が多く用いられる。そして、これらの合わせ
板に温度変化を与え、ある温度に達した時点で一方の板
材は伸長(収縮)しようとし、もう一方の板材はそのま
まを維持しようと拘束するため、上に凸(下に凸)とな
るような変形を起こすのである。
【0032】次に、本発明の第2の実施形態を図3を参
照して説明する。図1と同一部材については説明を省略
するが、本実施形態ではインク溜り17の一部を形状記
憶合金25で構成し、前記形状記憶合金25に付勢する
ための圧縮ばね27を設けた。前記形状記憶合金25と
しては、Ti−Ni、Ni−Al、Cu−Zn合金等が
一般的である。その性質は、ある所定温度での形状を合
金が記憶しておりその形状を変化させた場合でも、前記
所定温度に戻すことで記憶している元の形状に戻るとい
うものである。
【0033】本実施形態では、使用インク温度(例えば
120℃)近傍で前記形状記憶合金25が真直となるよ
うにしており、図3(a)に示すように液体相インク21
が凝固し始める温度近傍では、前記形状記憶合金25は
前記圧縮ばね27の付勢力により、上に凸となって前記
インク溜り17の容積を減少させるように作用し、図3
(b)に示すように前記使用インク温度近傍では、前記圧
縮ばね27の付勢力に打ち勝ち記憶している形状に戻
る。以上の動作により未凝固の液体相インク21の圧力
低下を防ぎ、前記液体相インク21に溶解している空気
が析出することはない。
【0034】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種
々の変更を加えることができる。例えば、上述した実施
形態では圧力発生部材に積層圧電素子5を用いたが、単
層の圧電素子でも良いし、加熱素子の加熱によってイン
ク室内に気泡を発生させ、インクを吐出させる構成とし
ても良い。また、バイメタル18は液体相インク21の
凝固に従って上に凸となるように変形させたが、使用イ
ンク温度近傍において前記バイメタル18が下に凸とな
るようにし、前記液体相インク21が凝固し始める温度
近傍までに真直になるようにしても良い。更に、形状記
憶合金25は液体相インク21が凝固し始める温度近傍
で上に凸となるようにしたが、使用インク温度近傍で下
に凸となるようにし、前記液体相インク21が凝固し始
める温度近傍で真直になるようにしても良い。更に、前
記形状記憶合金25を付勢するために圧縮ばね27を用
いたが、板ばねを用いても良いし、その他の弾性体を用
いても良い。
【0035】また、本実施の形態では、圧電素子の変形
を利用したインク吐出を行うインクジェットヘッドを例
にあげたが、本発明は上記実施の形態に限定されること
なく、あらゆるインクジェットヘッドに適応できる。例
えば、電気−熱変換素子を用いたいわゆるサーマルイン
クジェット方式のヘッドであってもよい。
【0036】尚、上記実施の形態においてはフルライン
型のインクジェットヘッドの例を挙げたが、これに限定
されず、例えば、キャリッジに載置されて走査しながら
記録を行うタイプのインクジェットヘッドであってもよ
い。ただ、本発明は比較的ヘッド内の容量が大きいヘッ
ドものに対して特に有効に機能するため、大型ヘッドや
フルライン型のインクジェットヘッドにおいて好適であ
る。
【0037】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の請求項1に記載のインクジェットヘッドは、イ
ンク溜りの少なくとも一部を構成するバイメタルが、イ
ンク凝固時の体積減少分を補償するように作用するため
凝固途中の液相インクの圧力低下を防ぎ、完全凝固後の
固体相インクに空隙が発生するのを抑制する。従って、
固化したインクを再溶解してもインク中に気泡を含まず
不吐出を起こすことがなくなる。
【0038】また、請求項2記載のインクジェットヘッ
ドは、インク溜りの少なくとも一部を構成する形状記憶
合金が、付勢手段よりの付勢を受けてインク凝固時の体
積減少分を補償するように作用するため、請求項1と同
様に、凝固途中の液相インクの圧力低下を防ぎ、完全凝
固後の固体相インクに空隙が発生するのを抑制する。従
って、固化したインクを再溶解してもインク中に気泡を
含まず不吐出を起こすことがなくなる。
【0039】また、請求項3のインクジェットヘッド
は、一般的な固体インクにおける凝固時の縮小率に相応
しい容積変化をするので、固体インクの種類を問わず気
泡の発生を低減させることが期待できる。
【0040】また、請求項4のインクジェットヘッド
は、インク溜りが固形インクの凝固時の縮小率よりも大
きく容積を変化させるので、より確実に、凝固後のイン
ク吐出部、インク流路及びインク収納部に空隙を発生さ
せなくできる。
【0041】また、請求項5のインクジェットヘッド
は、請求項1乃至4記載のインクジェットヘッドにおい
て、記録媒体の被記録領域の全幅に亘ってノズルを設け
たので、気泡が原因の不吐出を起こすことがなく、安定
した印字品質を持続的に保証できると共に、極めて速い
印字が可能なインクジェットヘッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のインクジェットヘッドの構成を
示す断面図である。
【図2】実施の形態1におけるインク凝固の様子を示し
た断面図である。
【図3】実施の形態2におけるインク凝固の様子を示し
た断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 3 キャビティプレート 5 積層圧電素子 7 ノズルプレート 9 インク圧力室 13 ノズル 17 インク溜り 18 バイメタル 20 ヒータ 21 液体相インク 23 固体相インク 25 形状記憶合金 27 圧縮ばね

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを噴射するノズルと、前記ノズル
    に連通し前記インクが満たされたインク圧力室と、前記
    インク圧力室中のインクに噴射圧力を発生せしめる圧力
    発生部材と、前記インク圧力室に連通し該インク圧力室
    にインクを供給するインク溜りと、ヘッド内のインクを
    加熱する加熱手段とを有し、常温で固相状態にある固体
    インクを加熱溶解して液体インクとし、当該液体インク
    を用いて印字を行うホットメルト型のインクジェットヘ
    ッドにおいて、 前記インク溜りの少なくとも一部をバイメタルにより構
    成し、該バイメタルが、ヘッド内のインクの温度低下に
    伴い、前記インク溜りの容積を減少させるように変形す
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 インクを噴射するノズルと、前記ノズル
    に連通し前記インクが満たされたインク圧力室と、前記
    インク圧力室中のインクに噴射圧力を発生せしめる圧力
    発生部材と、前記インク圧力室に連通し該インク圧力室
    にインクを供給するインク溜りと、ヘッド内のインクを
    加熱する加熱手段とを有し、常温で固相状態にある固体
    インクを加熱溶解して液体とし、当該液体インクを用い
    て印字を行うホットメルト型のインクジェットヘッドに
    おいて、 前記インク溜りの少なくとも一部を形状記憶合金により
    構成し、常には該形状記憶合金をインク溜りの容積が減
    少する方向に付勢する付勢手段を備え、前記形状記憶合
    金はヘッド内のインクの温度上昇に伴い、前記付勢手段
    の付勢力に打ち勝って前記インク溜りの容積を増大させ
    るように変形することを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記インク溜りの容積が前記固体インク
    が凝固する温度の前後で略10%変化することを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のインクジェットヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 前記インク溜りの容積変化量は、前記固
    体インクの相変化時の体積変化量と同等もしくは大きく
    なるように構成されていることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれか1つに記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記インクジェットヘッドは、記録媒体
    の被記録領域の全幅に亘ってインク吐出口が設けられて
    いる、フルライン型であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のいずれか1つに記載のインクジェットヘッ
    ド。
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