JP3572866B2 - インクジェット記録装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドに設けられた発熱素子を発熱させてインク中に気泡を発生させ、その気泡の成長時の圧力によってインクを吐出させて記録を行なうインクジェット記録装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置の一つとして、インクを加熱して気泡を発生させ、その気泡の成長する際の圧力によってインクを噴射し、記録を行なうサーマル型のインクジェット記録装置がある。このサーマル型のインクジェット記録装置では、発熱素子を発熱させてインクを加熱するために、インク中の染料などの成分が変性して発熱素子の上部に付着したり堆積してしまう。このインク成分付着堆積物(以下コゲーションと呼ぶ)によって発熱素子からインクへの熱の伝達が阻害され、インクの加熱効率が悪化し、インクの吐出力が低下して正常な記録ができなくなるという問題がある。
【0003】
この問題に対して、発熱素子の加熱によって発生したインク中の気泡が消滅するときに急激にインクが流入して発熱素子に衝突する、いわゆるキャビテーションによってコゲーションを除去する方法が考えられている。キャビテーションは通常の記録時においても発生するが、インクの吐出性能を安定化させるためほぼ一定の位置で気泡を消滅させるように制御するため、発熱素子上の特定の位置しかコゲーションを除去できない。そのため、通常の記録時の駆動条件とは異なるコゲーション除去用の回復駆動条件によって発熱素子を駆動し、なるべく発熱素子上の多くの部分でコゲーションを除去できるようにしている。発熱素子の駆動は、通常、パルス状の電気信号によって行なうが、以下の説明では、通常の記録時に発熱素子を駆動する際のパルス状の電気信号を印字パルス、回復駆動条件によって発熱素子を駆動する際のパルス状の電気信号を回復パルスと呼ぶことにする。
【0004】
コゲーションを回復パルスにより除去する方法として、例えば特開昭63−141754号公報や特開平6−135002号公報などに記載されているように、印字パルスよりエネルギーの大きい回復パルスを加える方法がある。しかし、大きなエネルギーが発熱素子に与えられるため、発熱素子の経時的な劣化を速めるという問題がある。また、特開平6−122198号公報や特開平8−90790号公報などに記載されているように、印字パルスよりエネルギーの小さい回復パルスを加える方法がある。しかしこの方法では、使用環境や、発熱素子の経時的な劣化、記録ヘッドの製造時のバラツキなどによって消泡位置が変化し、回復パルスによってコゲーションを充分除去できない場合が生じ、安定した画質を得られないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、発熱素子の経時的な劣化を速めることなく、使用環境や、発熱素子の劣化状態、記録ヘッドの製造時のバラツキなどに影響されず、効果的にコゲーションを除去でき、コゲーションによる濃度低下などを軽減して、安定した画質が得られるインクジェット記録装置およびその制御方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、記録ヘッドの温度を検出し、検出された記録ヘッドの温度に従って、インクを吐出させるパルスの駆動条件として、通常の記録時とは異なる回復駆動条件によって、かつ、コゲーションを浮かすことができる程度の熱エネルギーを発生させるパルス幅でインクを吐出させる力の弱い条件から、コゲーションを剥がして排出させる程度の熱エネルギーを発生させるパルス幅でインクを吐出させる力の強い条件の順で駆動して、弱い条件でコゲーションを浮かしてから、強い条件で剥がして排出させる。これによって、回復動作を行なう際の記録ヘッドの温度に応じた最適な回復駆動条件に従って発熱素子を駆動することができ、良好にコゲーションを除去することができる。そのため、使用環境に影響されずに常に良好な回復動作を行なってコゲーションを除去することができ、濃度低下などのない安定した画質を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のインクジェット記録装置の実施の一形態を示す要部ブロック図である。図中、1は記録ヘッド、2は発熱素子、3は温度検出部、4は制御部である。記録ヘッド1には多数の発熱素子2が配列されている。発熱素子2は、制御部4によって駆動され、駆動された発熱素子2は発熱してインクを加熱し、インク中に気泡を発生、成長させる。この気泡の成長時の圧力によってインクは吐出される。記録時には、吐出されたインクは被記録媒体に到達して付着し、記録が行なわれる。駆動終了とともに成長した気泡は収縮し、やがて消滅する。気泡の収縮とともにインクが流入し、発熱素子2上は再びインクで満たされる。このとき、急速に流入するインクの慣性力によって発熱素子2の表面は物理的な衝撃力(キャビテーション力)を受ける。このキャビテーション力によって、発熱素子2上に堆積したコゲーションを剥離し、除去することができる。
【0008】
記録ヘッド1は、発熱素子2の発熱によって加温される。それとともに内部のインクも加温される。インクは温度によって粘度が変化するため、所定のインク滴量を吐出させるために必要となるエネルギー量が変化する。温度検出部3は、インクの温度に代えて、記録ヘッド1の温度を検出して制御部4へ出力し、インクの状態を制御部4へ伝える。
【0009】
制御部4は、インクジェット記録装置各部の制御を行なう。記録時には外部から送られてきた記録データに従って、記録ヘッド1や被記録媒体の制御を行なうとともに、発熱素子2を選択的に駆動して記録を行なう。この場合に、上述のように温度によってインクの粘度等が変化することを考慮し、ほぼ一定のインク滴量の吐出を行ない安定した記録を行なうため、温度検出部3で検出した記録ヘッド1の温度を考慮して記録時の駆動条件を設定することができる。また、回復動作時には温度検出部3で検出した記録ヘッド1の温度に従って回復駆動条件を設定し、その回復駆動条件に従って発熱素子2を駆動する。回復動作は、被記録媒体に記録しない例えばメンテナンスステーションなどで行なわれる。回復駆動条件としては、記録時の駆動条件とは異なった条件が設定され、例えば記録時よりも吐出されるインク滴量が少なくなるような条件が設定される。これによって回復動作による発熱素子2の劣化を防ぐ。また、このように記録時の駆動条件とは異なる回復駆動条件で発熱素子2を駆動することによって、インク中に発生する気泡の消滅点の位置を、通常の記録時とは異なる位置に変えることができる。そのため、通常の記録時に発熱素子2上に堆積したコゲーションを除去することができる。このとき、本発明では記録ヘッド1の温度に従って回復駆動条件を設定するので、記録ヘッド1の温度によらず、良好にコゲーションの除去を行なうことができる。
【0010】
図2は、発熱素子の駆動方法の一例の説明図である。制御部4が発熱素子2を駆動する際に、発熱素子2に与える電気信号として、1つの矩形状のパルスを用いるシングルパルス駆動と、複数の矩形状のパルスを用いるマルチパルス駆動の2つの方法が知られている。図2には、2つのパルスを用いるマルチパルス駆動の例を示している。この例では、まずインクを吐出しない程度のエネルギーをパルスP1(これをプレパルスP1と呼ぶ)で与え、インクを加温する。休止期間P2の後、インクを噴射するためのエネルギーをパルスP3(これをメインパルスP3と呼ぶ)で与えてインクを吐出させる。この駆動方法では、プレパルスP1を用いてインクを予備的に加温することによって、安定したインクの吐出を行なうことができる。
【0011】
図3は、通常の記録時の駆動条件の一例の説明図である。図2に示すようなマルチパルス駆動を行なう場合、記録ヘッド1の温度に応じてプレパルスP1の幅を変化させることによって加温のためのエネルギー量を変化させ、プレパルスP1による加温後の局所的なインクの温度をほぼ一定にすることができる。図3では、このように記録ヘッド1の温度に応じて設定する駆動条件の一例を示している。ここでは、駆動周波数を一定にするため、P1+P2+P3を一定とし、プレパルスP1の変更に応じて休止時間P2を変更している。このようにプレパルスP1を変化させて局所的なインクの温度をほぼ一定にすることによって、温度が変化しても同じメインパルスP3の幅で所定の量のインク滴を吐出させることができ、さらに安定した画質を得ることができる。
【0012】
図2に示すようなマルチパルス駆動を行なう場合、メインパルスP3の幅を変化させることによって、吐出されるインク滴量を変化させることができる。すなわち、メインパルスP3の幅を変更することによって、インク滴を吐出する際にインクに与えられるエネルギー量が変わり、インク中に発生する気泡の成長時の体積が変化することから、気泡の成長によって押し出されるインク滴量も変化する。例えばメインパルスP3の幅を短くすると、気泡が小さくなり、吐出されるインク滴量も少なくなる。
【0013】
吐出されるインクは、気泡からインクの吐出口までの間のインクである。気泡が小さい場合、気泡からインクの吐出口までの間に残留するインク量が多くなり、気泡が大きい場合には逆に残留するインク量が少なくなる。気泡が収縮する際の気泡の吐出口側と供給路側の力のバランスを考えると、気泡の供給路側の力は気泡の大小によって変化しないが、吐出口側は残留するインク量が多いほどインクは動きにくい。そのため気泡の消滅点は、気泡が小さいほどインクの吐出口に近い位置となる。このように、気泡の大小によってその消滅点を変更できるので、通常の記録時とは異なる体積の気泡を発生させることによって、気泡の消滅点を通常の記録時とは異なる位置とし、発熱素子2上の異なる位置にキャビテーション力を作用させることができる。これを利用して、通常の記録時にはキャビテーション力が作用せずにコゲーションが堆積した領域に気泡の消滅点を移動させ、キャビテーション力を作用させることによってコゲーションを除去することができる。
【0014】
一例として図3に示した駆動条件で発熱素子2を駆動したとき、気泡の消滅点は発熱素子2上のインクの供給路側に寄った位置であったとする。この場合には、回復駆動条件として、気泡の消滅点をインクの吐出口側に移動させればよいので、気泡を小さくすべく、メインパルスP3の幅を短くすればよい。ただし、あまりパルス幅を短くすると気泡が発生しなくなるので、回復駆動条件におけるメインパルスP3は、気泡が発生する限度幅より長くする必要がある。
【0015】
上述のように、記録ヘッド1の温度に応じて吐出されるインク滴量が変化する。すなわち、記録ヘッド1の温度によって発生する気泡の体積が変化する。この気泡の体積の変化により、上述のように気泡の消滅点は移動する。この気泡の消滅点の移動はコゲーションの除去にとっては都合が良く、発熱素子2上の種々の位置でコゲーションを除去することができる。しかし、それにも限度があり、記録ヘッド1の温度が低過ぎると、発熱素子2をはずれた位置で気泡が消滅してコゲーションが除去できなかったり、あるいは気泡が発生しない等の不具合が生じることがある。逆に記録ヘッド1の温度が高すぎると、通常の記録時とほとんど変わらない気泡の消滅点位置でコゲーションの除去動作を行なってしまい、結局回復動作が無意味になってしまうという場合も生じる。このような不具合を解決するため、本発明ではコゲーションの除去動作を行なう際にも記録ヘッド1の温度を考慮して、コゲーションの除去に最適な条件で発熱素子2を駆動する。
【0016】
図4は、コゲーションを除去する際の回復駆動条件の一例の説明図である。メインパルスP3の幅を、図3に示した通常の記録時のメインパルスP3の幅よりも短かく設定している。このとき、インクの温度が高温の場合にも良好にコゲーションの除去が行なえるように設定しておくとよい。このような設定を行なうと、低温時に気泡が発生しないなどの不都合が生じる場合がある。しかしここでは、さらに記録ヘッド1の温度に従ってプレパルスP1の幅を変更し、メインパルスP3によるインクの吐出前にインクを加温することによって、低温時の動作不良を解消している。
【0017】
このようにして、記録ヘッド1の温度に応じて回復駆動条件を設定することによって、低温でコゲーションの除去が行なわれなかったり、高温で通常の記録時と変わらない動作を行なってしまい、コゲーションの除去動作が無意味になるなどの不具合を解消し、良好にコゲーションを除去し、記録時に安定した画質が得られるようにすることができる。
【0018】
図4に示すような回復駆動条件は、テーブル形式で回復パルステーブルとして保持させておき、温度検出部3によって検出された記録ヘッド1の温度に従って回復駆動条件を取り出すようにすればよい。あるいは、温度とプレパルスP1の幅との関係を関係式として設定しておき、演算により求めるようにしてもよい。
【0019】
このような回復駆動条件の設定方法について説明する。ここでは一例として、回復駆動時に吐出されるインク滴の流速Vdを考える。図5は、回復駆動時に吐出されるインク滴の流速Vdと、記録されるドット径の変動量との関係を示すグラフである。通常の記録時のインク滴の流速が12〜15m/sec程度の場合に、回復駆動時に吐出されるインク滴の流速を変えて、初期状態からの記録されるドット径の変動量を調べると、図5に示すように、回復駆動時のインク滴の流速Vd=5m/sec付近のときに最もドット径の変動が小さくなっている。このことは、流速Vd=5m/sec付近で最も効果的にコゲーションを除去できることを示す。すなわち、この記録ヘッドの場合には、回復駆動時のインク滴の流速Vdが5m/secとなるように、記録ヘッドの温度に応じた回復駆動条件を設定すればよい。
【0020】
なお、上述の図4に示した回復駆動条件は、後述するような記録ヘッド1の製造時のバラツキを考慮し、インク滴の流速Vdが5m/sec以下となるように駆動条件を設定している。このとき、プレパルスP1の幅を、プレパルスP1で発泡しない範囲でできるだけ長くするように設定している。また、この時のメインパルスP3の幅は、図3に示した記録時のメインパルスP3の幅の40〜60%となっている。
【0021】
上述の例では、1つのプレパルスを伴ったマルチパルス駆動において、パルス幅を制御して回復駆動条件を設定したが、少なくとも回復動作時において、2以上のプレパルスを伴ったマルチパルス駆動を行なってもよいし、あるいはシングルパルス駆動を行なってもよい。シングルパルス駆動時にも、記録ヘッド1の温度に応じて回復動作時の駆動パルスの幅を制御すればよい。また、上述の例ではパルス幅を制御したが、これに限らず、電圧や電流を制御してもよい。
【0022】
また、回復駆動条件として複数の条件を設定することもできる。上述のように、駆動条件を変えることによって気泡の消滅する位置を変化させることができる。これを利用し、複数の条件で発熱素子2を駆動すれば、発熱素子2上の複数の位置でコゲーションを除去することができ、さらに良好に除去することができる。このような複数の条件で駆動する場合、インクを吐出させる力の弱い条件から強い条件の順で駆動するとよい。弱い条件はコゲーションを浮かせる効果があり、強い条件はコゲーションを剥がしてインクと共に排出する効果がある。そのため、インクを吐出させるパルスの駆動条件として、コゲーションを浮かすことができる程度の熱エネルギーを発生させるパルス幅でインクを吐出させる力の弱い条件で駆動してコゲーションを浮かしてから、コゲーションを剥がして排出させる程度の熱エネルギーを発生させるパルス幅でインクを吐出させる強い条件で駆動してコゲーションを剥がして排出させるとよい。また、強い条件ではインク流路内に滞留している気泡を排出する効果もあるので、従来よりメンテナンス時に行なわれていたインク吐出による気泡排出の機能もある程度果たすことができる。
【0023】
さらに、回復駆動条件として複数の条件を設定することによって、記録ヘッド1の製造時のバラツキによらずにコゲーションを除去することができる。記録ヘッド1の製造時のバラツキを説明するため、まず、記録ヘッド1の構造の一例について説明する。図6は、本発明のインクジェット記録装置の実施の一形態における記録ヘッドの一例を示す概略断面図である。図中、11は流路基板、12はドライバー側電極、13は発熱抵抗体、14は共通電極、15は支持基板、16は保護膜、17は吐出孔、18は流路、19はインク室、20は樹脂層である。支持基板15上に発熱抵抗体層を成膜し、必要に応じて不純物をドープして発熱抵抗体13の領域を形成する。この発熱抵抗体13が発熱素子2である。その上に層間絶縁膜を成膜後、ドライバー側電極12と共通電極14を形成し、例えばコンタクトホール等により発熱抵抗体13との電気的接続を図る。発熱抵抗体13上には、インク等の液体との接触による化学的なダメージや、キャビテーション等の物理的ダメージから発熱抵抗体を保護するための保護膜16を形成する。そして、少なくとも発熱抵抗体13上の発熱領域を除き、樹脂層20を施す。ここでは樹脂層を2層設けているが1層でもよい。発熱抵抗体13上の樹脂層20を設けなかった部分がインク室19となる。
【0024】
また、別の工程によって、発熱抵抗体13に対応する流路18や、図示しない共通液室などが流路基板11に形成され、上述のようにして形成された支持基板15と接合または接着されて記録ヘッド1が作製される。流路18の先端がインクの吐出孔17となる。なお、ドライバー側電極12および共通電極14は、制御部4と電気的に接続される。また支持基板15上には温度検出部3も形成され、制御部4と電気的に接続される。制御部4の一部または全部が支持基板15上に形成されることもある。
【0025】
制御部4からドライバー側電極12および共通電極14を介して発熱抵抗体13に駆動信号を印加すると、発熱抵抗体13が発熱し、インクが加温されてインク中に気泡が発生する。発生した気泡はインク室19内で成長し、そのときの圧力によってインク室19および流路18内のインクが吐出孔17から吐出される。この時の熱で保護膜16上にコゲーションが堆積することになる。また、駆動信号の終了とともにインクは急速に冷却され、気泡は縮小して消滅する。この時の負圧によってインクが流路18からインク室19内に急速に流入し、保護膜16に対してキャビテーションを生じる。この時の力によって気泡の消滅点付近のコゲーションは除去される。なお、保護膜16は、このキャビテーションから発熱抵抗体13を保護している。
【0026】
このような構造の記録ヘッド1においては、樹脂層20の膜厚の精度が悪く、数μm程度のバラツキが生じる。このバラツキによってインク室19の深さや容積が変化し、インクの吐出特性も記録ヘッドごとにばらつくことになる。そのため、通常の記録時とは気泡の消滅点を異ならせる回復動作においては、このような記録ヘッド1の製造時のバラツキによって気泡の消滅点が移動し、温度に応じた1組の回復駆動条件だけではコゲーションを充分除去できない場合が生じる。
【0027】
図7は、記録ヘッドの製造時のバラツキと、記録されるドット径の変動量との関係を示すグラフである。図7において2本の曲線が示されているが、それぞれ異なる回復駆動条件によって回復動作を行なった場合を示している。ここでは、ドット径の初期状態からの変動量が10μm以内を許容するものとしている。図7の各曲線からわかるように、ドット径の変動量が10μm以内とすると、記録ヘッド1の製造時のバラツキは約±2μm以内しか許容できない。しかし、製造時のバラツキの許容範囲が異なる2つの条件(2本の曲線)を併用することによって、製造時のバラツキが約±3μm程度まで許容できるようになる。このように、記録ヘッド1に製造時のバラツキが存在し、回復動作による効果が異なる場合でも、複数の異なる回復駆動条件を併用することによって製造時のバラツキの許容範囲を拡大することができる。また、製造時のバラツキがほとんどない場合には、両方の回復駆動条件を利用することによってさらに良好にコゲーションを除去することができる。
【0028】
この時設定する複数の回復駆動条件は、インクを吐出する強さ、すなわち上述のインク滴の流速を変えればよい。すなわち、製造時のバラツキがマイナスの場合には、インク室19の高さが低くなり、吐出孔17から発熱抵抗体13までの距離が短くなるため、少ないエネルギー量でインクを吐出できる。逆に製造時のバラツキがプラスの場合には、インク室19の高さが高くなって吐出孔17から発熱抵抗体13までの距離が長くなるため、インクを吐出させるためのエネルギー量が増大する。例えば図2に示したようなマルチパルス駆動を行なう場合、プレパルスP1が同じであれば、製造時のバラツキがマイナスの場合にはメインパルスP3の幅を短くし、プラスの場合にはメインパルスP3の幅を長くすればよい。
【0029】
上述のように、図4に示した回復駆動条件は寸法のずれがない場合における最良の回復駆動条件よりもインク滴の流速Vdを遅くし、メインパルスP3の幅を短めに設定している。これによって図7に示す条件Aの場合の回復駆動条件とし、製造時のマイナス側のバラツキに対応できるように回復駆動条件を設定している。図8は、コゲーションを除去する際の回復駆動条件の別の例の説明図である。この図8に示した回復駆動条件は図7に示す条件Bの場合を示している。図8では、インク滴の流速Vdを最良の5m/secよりも速くし、通常の記録時の流速よりも遅い5〜10m/sec程度とする回復駆動条件を設定している。この時のメインパルスP3の幅は、通常の記録時のメインパルスの幅の50〜70%としている。なお、プレパルスP1は、気泡が発生せず、なるべく長い幅となるように設定している。
【0030】
このように、例えば図4および図8に示すような複数の回復駆動条件を設定し、回復動作を行なうことによって、記録ヘッド1の製造時にバラツキが生じても、いずれかの回復駆動条件によって充分にコゲーションを除去することができる。このとき、記録ヘッド1の製造時のバラツキに応じていずれかの回復駆動条件を選択してもよいし、いくつか、あるいはすべての回復駆動条件による回復動作を常に行なってもよい。
【0031】
また、例えば発熱素子2に製造時のバラツキが生じた場合や、発熱素子2が劣化してきた場合にも、インクの吐出特性が変化する。上述のように複数の回復駆動条件を併用すれば、このような変化にも対応することができ、良好な回復動作を行なうことができる。
【0032】
上述のような回復駆動条件による回復動作は、例えば1ないし数ページの記録終了後やインクタンク交換時、電源投入時等で行なうことができる。あるいは所定回数の発熱素子2の駆動ごとに行なうこともできるが、ページ内で回復動作を行なうと回復動作の前後で画質が変わってしまうことがあるので、なるべくページの切れ目で行なうとよい。
【0033】
図9ないし図11は、本発明のインクジェット記録装置の実施の一形態における回復動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、ページの切れ目で回復動作を行なう場合を示しており、図7に示したような条件Aおよび条件Bの2つの回復駆動条件を併用する場合を示している。上述のように、複数の回復駆動条件を併用する場合には、インクを吐出させる力の弱い条件から強い条件の順で駆動するとよい。図7に示した例では条件Aの方が条件Bよりも弱い条件であるので先に用いる。
【0034】
例えば図9に示したように、ページの切れ目において他のメンテナンス動作とともに、S31における条件Aを用いた回復動作を行ない、その後、S32における条件Bを用いた回復動作を行なえばよい。具体例としては、S31において、条件Aに従って発熱素子2を150回駆動し、次にS32において、条件Bに従って発熱素子2を150回駆動することができる。
【0035】
図10に示した例では、2つの回復駆動条件による回復動作後、S33において通常の記録時と同様にインクを吐出させ(以下、ダミージェットと呼ぶ)、回復動作によって剥離したコゲーションを排出させる動作を追加している。インクを吐出させる力の強い条件Bによる回復動作によって剥離したコゲーションを排出することができるが、記録ヘッド1の製造時のバラツキによって条件Bでも充分なインクの吐出力が得られない場合でも、ダミージェットによってコゲーションを排出することができる。
【0036】
図11に示した例では、2つの回復駆動条件を、ページの切れ目における回復動作ごとに切り換えて用いる例を示している。例えばあるページの切れ目における回復動作において、S41で条件Aを用いた回復動作を行ない、S42でダミージェットによるコゲーションの排出を行なう。そして次のページの記録動作へと進む。そして次に回復動作を行なうページの切れ目に達すると、S43で条件Bを用いた回復動作を行ない、S44でダミージェットによるコゲーションの排出を行なう。具体例としては、S41において、条件Aに従って発熱素子2を300回駆動し、S43において、条件Bに従って発熱素子2を300回駆動することができる。この場合、条件Aと条件Bによる回復動作を連続して行なった場合のコゲーションの剥離効果は薄れるが、記録ヘッド1に製造時のバラツキが存在する場合、いずれかの回復動作時に充分にコゲーションを除去することができる。
【0037】
図12は、本発明のインクジェット記録装置の実施の一形態における回復動作の別の例を示すフローチャートである。この例では、インクタンク交換時の回復動作の例を示している。インクタンクを交換し、S51においてインクを充填した後、他のメンテナンス動作とともに、S52における条件Aを用いた回復動作を行ない、その後、S53における条件Bを用いた回復動作を行なう。さらにS54においてダミージェットによるコゲーションの排出を行なう。具体例としては、S52において、条件Aに従って発熱素子2を2500回駆動し、次にS53において、条件Bに従って発熱素子2を2500回駆動することができる。インクタンク交換時には、インクが空になった状態でインクの吐出動作が行なわれることが予想され、発熱素子2上に堆積するコゲーションの量が増大していると考えられる。そのため、インクタンクを交換した際には、各回復駆動条件での回復動作をページの切れ目の時よりも多く行ない、増大したコゲーションを除去するように動作させるとよい。
【0038】
ページの切れ目やインクタンク交換時のほかにも、通常のメンテナンスを行なうタイミングにおいて、温度に応じた回復駆動条件による回復動作を行なうことができる。上述の動作の例では2種類の回復駆動条件を併用する例を示したが、3種類以上の回復駆動条件を併用する場合も同様にして回復動作を行なうことができる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、発熱素子の経時的な劣化を速めることなく、使用環境や、記録ヘッドの製造時のバラツキなどに影響されず、効果的にコゲーションを除去することができ、コゲーションによる濃度低下などを軽減して安定した画質の画像を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の実施の一形態を示す要部ブロック図である。
【図2】発熱素子の駆動方法の一例の説明図である。
【図3】通常の記録時の駆動条件の一例の説明図である。
【図4】コゲーションを除去する際の回復駆動条件の一例の説明図である。
【図5】回復駆動時に吐出されるインク滴の流速Vdと、記録されるドット径の変動量との関係を示すグラフである。
【図6】本発明のインクジェット記録装置の実施の一形態における記録ヘッドの一例を示す概略断面図である。
【図7】記録ヘッドの製造時のバラツキと、記録されるドット径の変動量との関係を示すグラフである。
【図8】コゲーションを除去する際の回復駆動条件の別の例の説明図である。
【図9】本発明のインクジェット記録装置の実施の一形態における、ページの切れ目において回復動作を行なう場合の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明のインクジェット記録装置の実施の一形態における、ページの切れ目において回復動作を行なう場合の別の例を示すフローチャートである。
【図11】本発明のインクジェット記録装置の実施の一形態における、ページの切れ目において回復動作を行なう場合のさらに別の例を示すフローチャートである。
【図12】本発明のインクジェット記録装置の実施の一形態における、インクタンク交換時に回復動作を行なう場合の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…記録ヘッド、2…発熱素子、3…温度検出部、4…制御部、11…流路基板、12…ドライバー側電極、13…発熱抵抗体、14…共通電極、15…支持基板、16…保護膜、17…吐出孔、18…流路、19…インク室、20…樹脂層。
Claims (6)
- 記録ヘッドに発熱素子が設けられ、該発熱素子の加熱によりインクを吐出させるインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、前記発熱素子の駆動制御を行なう制御手段を有し、該制御手段は、インクを吐出させるパルスの駆動条件として、前記温度検出手段によって検出された前記記録ヘッドの温度に従って通常の記録時以外の時に通常の記録時とは異なる複数の回復駆動条件によって、かつ、コゲーションを浮かすことができる程度の熱エネルギーを発生させるパルス幅でインクを吐出させる力の弱い条件から、コゲーションを剥がして排出させる程度の熱エネルギーを発生させるパルス幅でインクを吐出させる力の強い条件の順で駆動して、弱い条件でコゲーションを浮かしてから、強い条件で剥がして排出させることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記制御手段は、前記回復駆動条件によって前記発熱素子を駆動する際に、インクを吐出しないで加熱するプレパルスとインクを吐出させるメインパルスによって前記発熱素子を駆動することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御手段は、通常の記録時および前記回復駆動条件によって前記発熱素子を駆動する際に、インクを吐出しないで加熱するプレパルスとインクを吐出させるメインパルスによって前記発熱素子を駆動し、前記回復駆動条件として、第1の条件のメインパルス幅は通常の記録時のメインパルス幅の40〜60%であり、第2の条件のメインパルス幅は通常の記録時のメインパルス幅の50〜70%であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 記録ヘッドに発熱素子が設けられ、該発熱素子の加熱によりインクを吐出させるインクジェット記録装置における制御方法において、前記記録ヘッドの温度を検出し、通常の記録時以外の時に、インクを吐出させるパルスの駆動条件として、前記記録ヘッドの温度に従って通常の記録時とは異なる複数の回復駆動条件によって、かつ、コゲーションを浮かすことができる程度の熱エネルギーを発生させるパルス幅でインクを吐出させる力の弱い条件から、コゲーションを剥がして排出させる程度の熱エネルギーを発生させるパルス幅でインクを吐出させる力の強い条件の順で駆動して、弱い条件でコゲーションを浮かしてから、強い条件で剥がして排出させることを特徴とするインクジェット記録装置における制御方法。
- 前記回復駆動条件による前記発熱素子の駆動は、インクを吐出しないで加熱するプレパルスと、インクを吐出させるメインパルスによって行なうことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置における制御方法。
- 通常の記録時および前記回復駆動条件による前記発熱素子の駆動は、インクを吐出しないで加熱するプレパルスとインクを吐出させるメインパルスを前記発熱素子に与えることによって行ない、前記回復駆動条件として、第1の条件のメインパルス幅を通常の記録時のメインパルス幅の40〜60%とし、第2の条件のメインパルス幅を通常の記録時のメインパルス幅の50〜70%として前記発熱素子を駆動する条件であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置における制御方法。
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