JPH1170457A - 固定砥粒ワイヤソー及びその被加工物切断方法 - Google Patents

固定砥粒ワイヤソー及びその被加工物切断方法

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JPH1170457A
JPH1170457A JP23400697A JP23400697A JPH1170457A JP H1170457 A JPH1170457 A JP H1170457A JP 23400697 A JP23400697 A JP 23400697A JP 23400697 A JP23400697 A JP 23400697A JP H1170457 A JPH1170457 A JP H1170457A
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JP
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wire
wire row
cutting
row
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JP23400697A
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English (en)
Inventor
Yasuo Mizuno
康男 水野
Kazuhiro Tago
一弘 田子
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Seimitsu Co Ltd
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Publication date
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  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ウェーハに割れや欠けを発生させずに、被加工
物を精度よく切断することができる固定砥粒ワイヤソー
及びその被加工物切断方法の提供。 【解決手段】ワイヤ列20の下部に一対のサポートロー
ラ44A、44Bを押圧当接させる。インゴット30の
切断中に、この一対のサポートローラ44A、44Bの
変位量を検出し、その変位が常にゼロになるようにイン
ゴット30の送り量を制御する。これにより、常に適正
な状態でインゴット30を切断することができ、ウェー
ハの切断精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固定砥粒ワイヤソー
及びその被加工物切断方法に係り、特にシリコン、ガラ
ス、セラミック等の硬脆性材料を切断する固定砥粒ワイ
ヤソー及びその被加工物切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固定砥粒ワイヤソーは、走行する固定砥
粒付ワイヤでワイヤ列を形成し、そのワイヤ列に被加工
物を押し当てることにより、被加工物を多数のウェーハ
に切断する装置である。この固定砥粒ワイヤソーにおい
て被加工物を精度よく切断するためには、ワイヤ列を終
始一定の張力に保ちながら被加工物を切断する必要があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、円柱状の被加
工物を切断するような場合には、切り始めと中央部分と
では切断抵抗が異なるため、ワイヤ列を常に一定の張力
に保つことは困難である。このため、中央部分は切断精
度が低下してしまうという問題がある。また、この固定
砥粒ワイヤソーにおいて、被加工物を揺動させながら切
断する切断方法があるが、この場合にも同様に、揺動に
より切断抵抗が連続的に変化するため、切断精度が低下
してしまうという問題がある。さらに、この揺動切断の
場合は、切断中のウェーハに割れや欠けが発生しやすい
という問題もある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、ウェーハに割れや欠けを発生させずに、被加
工物を精度よく切断することができる固定砥粒ワイヤソ
ー及びその被加工物切断方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
前記目的を達成するために、表面に砥粒が固着された固
定砥粒付ワイヤでワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ
列を走行させ、その走行するワイヤ列に向けて被加工物
を送り、押し当てることにより、該被加工物を多数のウ
ェーハに切断する固定砥粒ワイヤソーにおいて、前記被
加工物を挟んで左右対称位置に配置されるとともに、前
記ワイヤ列に対して進退移動自在に支持された一対のサ
ポートローラと、前記一対のサポートローラを前記ワイ
ヤ列に向けて付勢する付勢手段と、前記被加工物切断中
の前記一対のサポートローラの変位量を検出する変位量
検出手段と、前記変位量検出手段の検出値に基づいて、
前記サポートローラの変位がゼロになるように前記被加
工物の送り量を制御する制御手段と、を備えたことを特
徴とする。
【0006】本発明によれば、ワイヤ列を押圧している
サポートローラの変位が常にゼロになるように、被加工
物の送り量を制御する。これにより、常に適正な送りで
被加工物を切断することができ、切断精度が向上する。
また、請求項2に係る発明は、前記目的を達成するため
に、表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイヤでワイヤ
列を形成するとともに該ワイヤ列を走行させ、その走行
するワイヤ列に向けて被加工物を揺動させながら送り、
押し当てることにより、該被加工物を多数のウェーハに
切断する固定砥粒ワイヤソーの被加工物切断方法におい
て、前記被加工物の切り始めから前記被加工物の中心部
近傍を切断するまで、前記被加工物の送り量に応じて前
記被加工物の揺動角度を順次増加させてゆき、前記被加
工物の中心部近傍を切断後前記被加工物の切り終わりま
で、前記被加工物の送り量に応じて前記被加工物の揺動
角度を順次減少させてゆくことを特徴とする。
【0007】本発明によれば、被加工物の揺動角度を被
加工物の送り量に応じて可変させる。すなわち、被加工
物の切り始めから徐々に揺動角度を増加させてゆき、中
心部近傍で最大とする。そして、中心部近傍を切断した
後は、徐々に揺動角度を減少させてゆく。これにより、
被加工物とワイヤとの接触長を終始一定範囲に保つこと
ができ、切断制度が向上する。
【0008】また、請求項3に係る発明は、前記目的を
達成するために、表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワ
イヤでワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ列を走行さ
せ、その走行するワイヤ列に向けて被加工物を一定の揺
動角度で揺動させながら送り、押し当てることにより、
該被加工物を多数のウェーハに切断する固定砥粒ワイヤ
ソーの被加工物切断方法において、前記被加工物の揺動
角度の増大に伴って前記被加工物を前記ワイヤ列から退
避させて切断量を減少させ、前記被加工物の揺動角度の
減少に伴って前記被加工物を前記ワイヤ列に向けて送り
切断量を増加させることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、被加工物は、その揺動角
度の増大に伴ってワイヤ列から退避し、減少に伴ってワ
イヤ列に向けて送られる。これにより、被加工物の両端
部に必要以上の押し当て力がかけられるのが防止され、
割れや欠けの発生が抑制される。また、請求項4に係る
発明は、前記目的を達成するために、表面に砥粒が固着
された固定砥粒付ワイヤでワイヤ列を形成するとともに
該ワイヤ列を走行させ、その走行するワイヤ列に向けて
被加工物を揺動させながら送り、押し当てることによ
り、該被加工物を多数のウェーハに切断する固定砥粒ワ
イヤソーにおいて、前記被加工物を挟んで左右対称位置
に配置されるとともに、前記ワイヤ列に対して進退移動
自在に支持された一対のサポートローラと、前記一対の
サポートローラを前記ワイヤ列に向けて進退移動させる
移動手段と、前記被加工物の揺動角度を検出する揺動角
度検出手段と、前記揺動角度検出手段の検出値に基づい
て、前記移動手段の駆動を制御する制御手段と、を備
え、前記制御手段は、前記被加工物の揺動角度の増大と
ともに前記サポートローラを前記ワイヤ列から退避させ
て前記被加工物の切断量を減少させ、前記被加工物の揺
動角度の減少とともに前記サポートローラを前記ワイヤ
列に向けて送り前記被加工物の切断量を増加させるよう
に前記移動手段を制御することを特徴とする。
【0010】本発明によれば、ワイヤ列に押圧当接され
るサポートローラが、被加工物の揺動角度の増大ととも
にワイヤ列から退避し、揺動角度の減少とともにワイヤ
列に押し当てられる。これにより、被加工物の両端部に
必要以上の押し付け力がかけられるのが防止され、割れ
や欠けの発生が抑制される。また、請求項5に係る発明
は、前記目的を達成するために、表面に砥粒が固着され
た固定砥粒付ワイヤでワイヤ列を形成するとともに該ワ
イヤ列を走行させ、その走行するワイヤ列に向けて被加
工物を揺動させながら送り、押し当てることにより、該
被加工物を多数のウェーハに切断する固定砥粒ワイヤソ
ーにおいて、前記被加工物を挟んで左右対称位置に配置
されるとともに、前記ワイヤ列に押圧当接された一対の
サポートローラと、前記一対のサポートローラを前記ワ
イヤ列に押圧する押圧手段と、前記被加工物の揺動角度
を検出する揺動角度検出手段と、前記揺動角度検出手段
の検出値に基づいて、前記押圧手段の駆動を制御する制
御手段と、を備え、前記制御手段は、前記被加工物の揺
動角度の増大とともに前記サポートローラの押圧力を減
少させて前記被加工物の切断量を減少させ、前記被加工
物の揺動角度の減少とともに前記サポートローラの押圧
力を増大させて前記被加工物の切断量を増加させるよう
に前記移動手段を制御することを特徴とする。
【0011】本発明によれば、ワイヤ列に押圧当接され
るサポートローラの押圧力が、被加工物の揺動角度の増
大とともに減少し、揺動角度の減少とともに増大する。
これにより、被加工物の両端部に必要以上の押し付け力
がかけられるのが防止され、割れや欠けの発生が抑制さ
れる。また、請求項6に係る発明は、前記目的を達成す
るために、表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイヤで
ワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ列を往復走行さ
せ、その往復走行するワイヤ列に向けて被加工物を送
り、押し当てることにより、該被加工物を多数のウェー
ハに切断する固定砥粒ワイヤソーにおいて、前記被加工
物を挟んで左右対称位置に配置されるとともに、前記ワ
イヤ列に対して進退移動自在に支持された一対のサポー
トローラと、前記一対のサポートローラを前記ワイヤ列
に向けて進退移動させる移動手段と、前記ワイヤ列の速
度を検出する速度検出手段と、前記速度検出手段の検出
値に基づいて、前記移動手段の駆動を制御する制御手段
と、を備え、前記制御手段は、前記ワイヤ列の速度の下
降とともに前記サポートローラを前記ワイヤ列から退避
させて前記被加工物の切断量を減少させ、前記ワイヤ列
の速度の上昇とともに前記サポートローラを前記ワイヤ
列に向けて送り前記被加工物の切断量を増加させるよう
に前記移動手段を制御することを特徴とする。
【0012】本発明によれば、ワイヤ列に押圧当接され
るサポートローラが、ワイヤ列の減速とともにワイヤ列
から退避し、加速とともにワイヤ列に押し当てられる。
これにより、被加工物の両端部に必要以上の押し当て力
がかけられるのが防止され、割れや欠けの発生が抑制さ
れる。また、請求項7に係る発明は、前記目的を達成す
るために、表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイヤで
ワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ列を往復走行さ
せ、その往復走行するワイヤ列に向けて被加工物を送
り、押し当てることにより、該被加工物を多数のウェー
ハに切断する固定砥粒ワイヤソーにおいて、前記被加工
物を挟んで左右対称位置に配置されるとともに、前記ワ
イヤ列に押圧当接された一対のサポートローラと、前記
一対のサポートローラを前記ワイヤ列に押圧する押圧手
段と、前記ワイヤ列の速度を検出する速度検出手段と、
前記速度検出手段の検出値に基づいて、前記移動手段の
駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、
前記ワイヤ列の速度の下降とともに前記サポートローラ
の押圧力を減少させて前記被加工物の切断量を減少さ
せ、前記ワイヤ列の速度の上昇とともに前記サポートロ
ーラの押圧力を増大させて前記被加工物の切断量を増加
させるように前記移動手段を制御することを特徴とす
る。
【0013】本発明によれば、ワイヤ列に押圧当接され
るサポートローラの押圧力が、ワイヤ列の減速とともに
減少し、加速とともに増大する。これにより、被加工物
の両端部に必要以上の押し当て力がかけられるのが防止
され、割れや欠けの発生が抑制される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
る固定砥粒ワイヤソー及びその被加工物切断方法の実施
の形態について詳説する。図1に示すように、固定砥粒
付ワイヤ12は、一対のワイヤリール14A、14Bに
巻回されており、この一対のワイヤリール14A、14
B間を複数のガイドローラ16、16、…にガイドされ
ながら走行する。そして、この一対のワイヤリール14
A、14B間に配置された三本のグルーブローラ18、
18、18に巻き掛けられることにより、水平なワイヤ
列20が形成される。
【0015】前記ワイヤ列20の両側に形成されるワイ
ヤ走行路には、それぞれトラバース装置22A、22
B、ダンサローラ24A、24Bが配設されている。ト
ラバース装置22A、22Bは、ワイヤリール14A、
14Bから固定砥粒付ワイヤ12を一定ピッチでガイド
し、また、ダンサローラ24A、24Bは走行する固定
砥粒付ワイヤ12に一定の張力を付与する。
【0016】前記一対のワイヤリール14A、14B
は、共にターンテーブル26A、26B上に固定されて
おり、このターンテーブル26A、26Bに連結された
リール駆動用モータ28A、28Bを駆動することによ
り回転する。そして、この一対のワイヤリール14A、
14Bが回転することにより、前記固定砥粒付ワイヤ1
2が一対のワイヤリール14A、14B間を走行する。
【0017】前記ワイヤ列20の上方には、インゴット
30が装着されるワークフィードテーブル32が設置さ
れている。このワークフィードテーブル32は、ワーク
送り装置34に駆動されて、ワイヤ列20に対して垂直
に昇降移動する。前記ワーク送り装置34は、ワイヤ列
20に対して垂直に設置されたベース36を有してい
る。ベース36の前面には、一対のガイドレール38、
38が配設されており、このガイドレール38、38上
を前記ワークフィードテーブル32がスライド自在に支
持されている。
【0018】また、前記ベース36の前面には、ガイド
レール38、38に沿ってボールネジ40が配設されて
いる。このボールネジ40には、前記ワークフィードテ
ーブル32に形成された図示しないナット部が螺合され
ており、このボールネジ40を送りモータ42で回転さ
せることにより、ワークフィードテーブル32がガイド
レール38、38に沿って上下動する。
【0019】インゴット30は、このワークフィードテ
ーブル32の下部にスライスベース43を介して着脱自
在に装着される。一方、前記ワイヤ列20の下方には、
インゴット30を挟んで左右対称位置に一対のサポート
ローラ44A、44Bが配置されている。このサポート
ローラ44A、44Bは、次の機構によってワイヤ列2
0に押圧当接されており、ワイヤ列20に所定の張力を
付与している。
【0020】図2は、サポートローラ44Aの支持部の
構成を示す平面図であり、図3は、そのA−A断面図で
ある。なお、一方側のサポートローラ44Aと他方側の
サポートローラ44Bは共に同一構成であるため、ここ
では一方側のサポートローラ44Aの構成についてのみ
説明する。同図に示すように、サポートローラ44A
は、その両端部を一対の揺動アーム46A、46Aに回
動自在に支持されている。この揺動アーム46Aの基端
部には、回転軸48Aが固着されており、該回転軸48
Aはワイヤソーの本体フレーム10Aに固定された軸受
ユニット50Aに回動自在に支持されている。
【0021】前記回転軸48Aには、前記揺動アーム4
6Aに直交するように駆動アーム52Aが固着されてい
る。揺動アーム46Aは、この駆動アーム52Aを揺動
させることにより連動して揺動し、この結果、前記サポ
ートローラ44Aがワイヤ列20に対して円弧状に進退
移動する。前記駆動アーム52Aの先端には、第1ピン
54Aが固着されている。第1ピン54Aには、スプリ
ング56Aの一方端が固定されており、該スプリング5
6Aの他方端は、ワイヤソーの本体フレーム10Aに固
定された第2ピン58Aに固定されている。駆動アーム
48Aは、このスプリング56Aによって図3中時計回
りの方向に付勢されており、この結果、ワイヤ列20に
サポートローラ44Aが押圧当接される。そして、この
サポートローラ44Aがワイヤ列20に押圧当接される
ことにより、ワイヤ列20に所定の張力が付与される。
【0022】なお、図2に示すように、サポートローラ
44Aの外周面には、ワイヤ列20と同一ピッチで多数
のガイド溝44a、44a、…が形成されている。ワイ
ヤ列20は、このガイド溝44aにガイドされながら走
行する。ところで、ワイヤソーでは、インゴット30を
走行するワイヤ列20に押し付けることによって切断す
るが、このインゴット30がワイヤ列20に押し付けら
れることにより、ワイヤ列20は、その送り抵抗を受け
て下方に撓む。このとき、インゴット30の送りが適正
に行われていれば、その撓み量は切断開始から終了まで
常に一定の値に保持される。
【0023】しかし、送りが適正に行われていない場合
は、ワイヤ列20は適正な状態から下方又は上方に変位
する。そして、このように切断中にワイヤ列20が上下
方向に変位すると、切断精度に悪影響を及ぼす。このた
め、切断中のワイヤ列20は、極力上下方向の変動を抑
える必要がある。ここで、前記サポートローラ44A
は、ワイヤ列20に押圧当接されているので、ワイヤ列
20が上下方向に変位すると、それに連動して上下動す
る。したがって、このサポートローラ44Aの変位量を
検出することにより、同時にワイヤ列20の変位量も検
出することができる。このサポートローラ44Aの変位
量の検出は、一方側の軸受ユニット50Aに内蔵された
図示しないエンコーダで回転軸48Aの回転量を検出す
ることにより行う。
【0024】エンコーダで検出された回転軸48Aの回
転量情報は、制御装置60に出力され、制御装置60
は、その回転軸48Aの回転量情報からサポートローラ
44Aの変位量を算出する。そして、その算出結果か
ら、切断中のサポートローラ44Aの変位がゼロになる
ように、ワークフィードテーブル32の送りモータ42
の駆動を制御する。
【0025】次に、前記のごとく構成された本発明に係
る固定砥粒ワイヤソーの第1の実施の形態の作用につい
て説明する。まず始めに、固定砥粒ワイヤソー10によ
るインゴット30の一般的な切断方法について説明す
る。まず、インゴット30をワークフィードテーブル3
2に取り付ける。次に、ワイヤリール14A、14Bに
連結されたリール駆動用モータ28A、28Bを駆動し
て、一方のワイヤリール14Aから他方のワイヤリール
14Bに向けて固定砥粒付ワイヤ12を走行させる。
【0026】次に、送りモータ42を駆動して、ワーク
フィードテーブル32をワイヤ列20に向けて下降させ
る。これにより、インゴット30が走行するワイヤ列2
0に押し当てられる。ワイヤ列20に押し当てられたイ
ンゴット30は、そのワイヤ列20を構成する固定砥粒
付ワイヤ12によって接触部を研削され、これにより、
ウェーハに切断される。
【0027】ここで、インゴット30は、その送りを制
御装置60によって制御されており、該制御装置60は
予め設定されたプログラムに従ってインゴット30をワ
イヤ列20に向けて送る。一般的に、インゴット30の
送りは、インゴット30の切断長L(インゴット30の
切断部の長さ:図4参照)に応じて可変するように設定
する。この切断長Lは、円柱状のインゴットの場合は、
中央部分を切断するときに最大となる。そして、この切
断長Lが長くなる程、切断抵抗が大きくなるので、通常
は、切り始めと切り終わりの部分で速く送り、インゴッ
ト30の中央部分で遅く送るように設定する。
【0028】しかし、このように切断長等を考慮してイ
ンゴット30の送りを設定しても、そのときの切断条件
等により、ワイヤ列20に撓みが発生する場合もある。
そこで、本実施の形態の固定砥粒ワイヤソー10では、
次のように、インゴット30の送りを制御する。すなわ
ち、切断中のワイヤ列20の変位を検出し、変位が生じ
た場合は、インゴット30の送り量を調整して、常にそ
の変位がゼロになるように制御する。具体的には、以下
のとおりである。
【0029】図5(a)に示すように、インゴット30
を切断するワイヤ列20には、サポートローラ44A、
44Bが下方から押圧当接され、ワイヤ列20を押し上
げる方向に付勢されている。インゴット30は、基本的
に制御装置60に予め設定されたプログラムに従って送
られてくる。そして、この送られてきたインゴット30
がワイヤ列20に押し付けられると、ワイヤ列20は、
そのインゴット30の送り抵抗を受けて下方に撓む(変
位する)。
【0030】ワイヤ列20が下方に変位することによ
り、そのワイヤ列20に押圧されてサポートローラ44
A、44Bも同時に下方に変位する。ここで、このサポ
ートローラ44A、44Bには基準位置が設定されてお
り、この基準位置にサポートローラ44A、44Bが位
置していれば、インゴット30は適正な送り量で送られ
ていると判断される。なお、ここでは、図3に示すよう
に、揺動アーム46A、46Bがワイヤ列20と平行に
なる位置、すなわち、揺動アーム46A、46Bの傾き
がゼロになる位置に基準位置が設定されている。
【0031】図5(b)には、適正な送り量でインゴッ
ト30が送られているときのワイヤ列20の状態が示さ
れている。このときサポートローラ44A、44Bは基
準位置に位置している。このように、適正な送り量でイ
ンゴット30が送られていれば、サポートローラ44
A、44Bは、常にこの基準位置に位置している。した
がって、制御装置60は、予め設定されているプログラ
ム通りにインゴット30を送る。
【0032】しかし、ワイヤ列20が受ける切断抵抗
は、固定砥粒付ワイヤ12に生じている目詰まりの程度
等によって変化するものであるから、必ずしも予め設定
した送り量が適正であるとは限らない。図5(c)に
は、インゴット30が適正に送られず、送りが過多にな
った状態が示されている。このとき、ワイヤ列20は下
方に変位し、これに伴ってサポートローラ44A、44
Bも下方に変位する。このサポートローラ44A、44
Bの変位はエンコーダによって検出されるので、制御装
置60は、その検出結果から送り量が適正になるよう
に、予め設定された送りのプログラムを修正する。すな
わち、サポートローラ44A、44Bが基準位置に復帰
するように(変位がゼロになるように)、インゴット3
0の送り速度を下げる。
【0033】この結果、サポートローラ44A、44B
は基準位置に復帰し、適正な送り量でインゴット30が
送られる。なお、上記の修正によっても、ワイヤ列20
の変位が修正されない場合は、他の要因(固定砥粒付ワ
イヤ12の目詰まり等)が考えられるので、切断を中止
する。逆に、図5(d)に示すように、インゴット30
の送りが過少になった場合は、上記と逆の操作を行う。
すなわち、サポートローラ44A、44Bが基準位置に
復帰するように(変位がゼロになるように)、インゴッ
ト30の送り速度を上げる。
【0034】この結果上記同様、サポートローラ44
A、44Bは基準位置に復帰し、適正な送り量でインゴ
ット30が送られる。このように、本実施の形態の固定
砥粒ワイヤソー10では、インゴット切断中のワイヤ列
20の変位量を検出し、その変位量がゼロになるように
インゴット30の送りを制御する。これにより、切り始
めから切り終わりまで常に適正な送り量でインゴット3
0を送ることができ、切断精度の向上を図ることができ
る。
【0035】次に、本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの
第2の実施の形態について説明する。図6に示すよう
に、この第2の実施の形態の固定砥粒ワイヤソー70
は、インゴットを揺動させながらワイヤ列に押し当て
て、インゴットを切断するタイプの固定砥粒ワイヤソー
である。以下に、その構成について説明する。なお、イ
ンゴットを揺動させる機構(揺動送り装置72)以外
は、上述した第1の実施の形態の固定砥粒ワイヤソーと
同一なので、この揺動送り装置72の構成についてのみ
説明し、他の部材については上述した第1の実施の形態
の固定砥粒ワイヤソーと同一符号を付して、その説明は
省略する。
【0036】図6に示すように、揺動送り装置72は、
ワイヤ列20の上方に設置され、そのワイヤ列20に対
して垂直に設置されたベース74を有している。ベース
74の前面には、一対のガイドレール76、76が配設
されており、このガイドレール76、76上を昇降ブロ
ック78がスライド自在に支持されている。また、前記
ベース74の前面には、ガイドレール76、76に沿っ
てボールネジ80が配設されている。このボールネジ8
0には、前記昇降ブロック78に形成された図示しない
ナット部が螺合されており、このボールネジ80を送り
モータ82で回転させることにより、昇降ブロック78
がガイドレール76、76に沿って上下動する。
【0037】前記昇降ブロック78には、図示しないシ
ャフトが回動自在に支持されており、このシャフトにア
ーム84が一体固定されている。アーム84はシャフト
を回動させることにより揺動し、該シャフトは昇降ブロ
ック78に固定された揺動駆動モータ86を駆動するこ
とにより回動する。前記アーム84の先端にはマウンテ
ィングプレート88が固定されており、このマウンティ
ングプレート88の下部にインゴット30が装着され
る。
【0038】前記のごとく構成された揺動送り装置72
は、揺動駆動モータ86を駆動してアーム84を揺動さ
せることにより、インゴット30が振り子状に揺動す
る。そして、送りモータ82を駆動することにより、昇
降ブロック78が下降してインゴット30がワイヤ列2
0に押し当てられる。ここで、前記送りモータ82の回
転軸には、図示しないエンコーダが設けられており、そ
の回転量が検出できるようにされている。このエンコー
ダの検出値は制御装置90に出力され、制御装置90
は、その検出値からインゴット30の送り量(昇降ブロ
ック78の下降量)を算出する。そして、そのインゴッ
ト30の送り量に基づいて揺動駆動モータ86の駆動を
制御する。すなわち、制御装置90は、インゴット30
の送り量に基づいてインゴット30の揺動角度を制御す
る。
【0039】以下、この制御装置90によるインゴット
30の送りの制御方法について説明する。揺動切断の利
点は、インゴットが円弧状に切断されてゆくため、イン
ゴットの中心部を切断する場合であっても、インゴット
とワイヤ列との接触長を最小限に抑えることができる点
である。このため、切断抵抗の影響を受けずにインゴッ
トを切断することができ、精度のよいインゴットを切断
することができる。
【0040】ところで、一般的な揺動切断の場合は、揺
動角度を一定にして切断する。しかし、この場合、イン
ゴットの中心部を切断しているときは問題ないが、イン
ゴットの切り始めにおいて、インゴットとワイヤ列とが
接触しない場合が生じる。このため、切り始め部分の切
断精度が低下し、割れや欠けを発生するといった問題が
生ずる。
【0041】この欠点を解消するために、次のようにイ
ンゴットを揺動させて切断する。すなわち、インゴット
の揺動角度をインゴットの切断長に応じて可変させなが
ら切断する。具体的には、以下の通りである。まず、イ
ンゴット30は、揺動なしの状態でワイヤ列20に向け
て一定の送り量で送られてくる。そして、図7(a)に
示すように、揺動なしの状態でワイヤ列20に押し当て
られる(θa =0)。
【0042】この揺動なしの状態は、インゴット30が
所定量切断されまで継続され、インゴット30が所定量
切断されると揺動が開始される。この時、インゴット3
0に与える揺動は、図7(b)〜(c)に示すように、
送り量に応じて順次揺動角度を増大してゆく(θb <θ
C )。そして、図7(d)に示すように、インゴット3
0の中心部を切断するときに、揺動角度が最大となるよ
うに設定する(θC <θd )。
【0043】一方、インゴット30の中心部の切断後
は、図7(e)に示すように、揺動角度を徐々に減少し
てゆき(θd >θe )、切断終了時には、図7(f)に
示すように、揺動角度がゼロとなるように設定する(θ
f =0)。このように、インゴット30の切り始めから
中心部を切断するまで揺動角度を順次増加させてゆき、
中心部切断後は切り終わりまで順次揺動角度を減少させ
てゆくことにより、切り始め時にインゴット30がワイ
ヤ列20に接触しない状態が生じるのを防止することが
できる。この結果、割れや欠けのないウェーハを切断す
ることができる。
【0044】また、常に一定範囲の接触長でインゴット
30とワイヤ列20が接触するため、切断抵抗の変動が
少なく、ウェーハを精度よく切断することが可能にな
る。次に、本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第3の実
施の形態について説明する。第3の実施の形態の固定砥
粒ワイヤソーは、上述した第2の実施の形態の固定砥粒
ワイヤソーと同じインゴットを揺動させながら切断する
タイプの固定砥粒ワイヤソーである。
【0045】揺動切断を行う固定砥粒ワイヤソーで問題
となるのが、ウェーハのエッジ部(外周部)に生じる割
れや欠けであり、これを如何にして防止するかが課題と
なっている。第3の実施の形態の固定砥粒ワイヤソー
は、次のようにして、このウェーハのエッジ部に生じる
割れや欠けを防止する。
【0046】図8は、第3の実施の形態の固定砥粒ワイ
ヤソー100の全体構成図である。なお、前記第2の実
施の形態と同一部材には、同一符号が付されている。上
述した第2の実施の形態の固定砥粒ワイヤソー70と異
なる点は、揺動駆動モータ86の回転軸に、図示しない
エンコーダが設けられている点である。このエンコーダ
は、インゴット30の揺動角度を検出し、その検出値を
制御装置102に出力する。制御装置102は、このエ
ンコーダの検出値に基づいて送りモータ82の駆動を制
御する。
【0047】以下、この制御装置102によるインゴッ
ト30の送りの制御方法について説明する。ウェーハの
エッジ部で割れや欠けが生じるのは、ウェーハのエッジ
部を切断する際に、エッジ部以外の部分と同じ押圧力で
インゴット30がワイヤ列20に押圧されているためで
あると考えられる。したがって、これを防止するために
は、ウェーハのエッジ部を切断する際にインゴット30
をワイヤ列20から退避させ、切断量を減らすようにす
ればよい。具体的には、以下のように制御する。
【0048】インゴット30は、揺動駆動モータ86に
よって一定の揺動角度で揺動されながら、一定の送り量
でワイヤ列20に向けて送られてくる。そして、図9
(a)に示すように、インゴット30がワイヤ列20に
接触し、切断が開始されると、次のように、送りモータ
82が駆動制御される。すなわち、制御装置102は、
図9(b)〜(c)に示すように、インゴット30の揺
動角度の増加に伴って徐々にインゴット30をワイヤ列
20から退避させる。そして、揺動端に達し、揺動方向
が切り換わると、インゴット30の揺動角度の減少に伴
って徐々にインゴット30をワイヤ列20に向けて送り
だす。
【0049】このようにインゴット30の送りを制御す
ることによりエッジ部での切断量が減少し、この結果、
エッジ部での割れや欠けの発生を抑制することがきる。
なお、図9(b)及び(c)において、二点破線で示す
インゴット30' は、通常の制御状態(一定揺動角度、
一定送り量)で切断したときのインゴット30' の位置
を示しており、同インゴット30' と比較して分かるよ
うに、本実施の形態のように制御することにより、イン
ゴット30は揺動角度θ1 のときにd1、揺動角度θ2
のときにd2 上方にシフトする。
【0050】次に、本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの
第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態
の固定砥粒ワイヤソーは、上述した第3の実施の形態の
固定砥粒ワイヤソーと同様に、ウェーハのエッジ部に生
じる割れや欠けを防止することを目的とする。
【0051】上述した第3の実施の形態では、インゴッ
ト30の揺動端でインゴット30をワイヤ列20から退
避させることにより、ウェーハのエッジ部での切断量を
減少させていた。以下に説明する第4の実施の形態で
は、インゴット30の揺動端でワイヤ列20側をインゴ
ット30から退避させることにより、ウェーハのエッジ
部での切断量を減少させる。
【0052】図10は、第4の実施の形態の固定砥粒ワ
イヤソー110の全体構成図である。なお、前記第3の
実施の形態と同一部材には、同一符号が付されている。
同図に示すように、ワイヤ列20の下方には、インゴッ
ト30を挟んで左右対称位置に一対のサポートローラ1
12A、112Bが配置されており、この一対のサポー
トローラ112A、112Bを上下動させることによ
り、ワイヤ列20をインゴット30に対して進退移動さ
せる。
【0053】図11は、サポートローラ112Aの構成
を示す側面図である。なお、基本的な構造は上述した第
1の実施の形態のサポートローラ44Aと略同じであ
る。また、一方側のサポートローラ112Aと他方側の
サポートローラ112Bは共に同一構成であるため、こ
こでは一方側のサポートローラ112Aの構成について
のみ説明する。
【0054】サポートローラ112Aは、その両端部を
一対の揺動アーム114A、114Aに回動自在に支持
されている。この揺動アーム114Aの基端部には回転
軸116Aが固着されており、該回転軸116Aはワイ
ヤソーの本体フレーム10Aに固定された軸受ユニット
118Aに回動自在に支持されている。前記回転軸11
6Aには、前記揺動アーム114Aに直交するように駆
動アーム120Aが固着されており、該駆動アーム12
0Aを揺動させることにより揺動アーム114Aが連動
して揺動する。そして、この結果、前記サポートローラ
112Aがワイヤ列20に対して円弧状に進退移動す
る。
【0055】前記駆動アーム120Aの先端には、油圧
シリンダ122Aのロッドがピン124Aによって回動
自在に連結されている。この油圧シリンダ122Aは、
ワイヤソーの本体フレーム10Aにピン126Aによっ
て回動自在に支持されており、この油圧シリンダ122
Aを駆動することにより、前記駆動アーム120Aが揺
動する。そして、この結果、サポートローラ112Aが
ワイヤ列20に対して進退移動する。
【0056】なお、このサポートローラ112Aの外周
面には、ワイヤ列20と同一ピッチで多数のガイド溝が
形成されており、ワイヤ列20は、このガイド溝にガイ
ドされながら走行する。そして、ワイヤ列20は、この
サポートローラ112Aが上方に移動することにより、
該サポートローラ112Aに押圧されて上方に移動し、
該サポートローラ112Aが下方に移動することによ
り、その押圧力が解除されて下方に移動する。
【0057】ここで、このサポートローラ112Aの上
下動の制御、すなわち、油圧シリンダ124Aの駆動制
御は、制御装置128によって行われ、該制御装置12
8はインゴット30の揺動角度に基づいて油圧シリンダ
124Aの駆動を制御する。以下、この制御装置128
によるサポートローラ112Aの上下動の制御方法につ
いて説明する。
【0058】なお、インゴット30の揺動角度の検出
は、上述した第3の実施の形態の固定砥粒ワイヤソーと
同様に、揺動駆動モータ86の回転軸に設けた図示しな
いエンコーダによって検出する。インゴット30は、揺
動駆動モータ86によって一定の揺動角度で揺動されな
がら、一定の送り量でワイヤ列20に向けて送られてく
る。そして、図12(a)に示すように、インゴット3
0がワイヤ列20に接触し、切断が開始されると、次の
ように、油圧シリンダ122A、122Bが駆動制御さ
れる。
【0059】すなわち、制御装置128は、図12
(b)〜(c)に示すように、インゴット30の揺動角
度の増加に伴って徐々にサポートローラ112A、11
2Bを下降させ、ワイヤ列20を徐々にインゴット30
から退避させる。そして、揺動端に達し、揺動方向が切
り換わると、インゴット30の揺動角度の減少に伴って
徐々にサポートローラ112A、112Bを上昇させ、
ワイヤ列20を徐々にインゴット30に向けて送りだ
す。
【0060】このようにインゴット30の揺動端でワイ
ヤ列20をインゴット30から退避させることにより、
エッジ部での切断量が減少し、この結果、エッジ部での
割れや欠けの発生を抑制することができる。なお、図1
2(b)及び(c)において、二点破線で示すワイヤ列
20' は、通常の制御状態(一定揺動角度、一定送り
量)で切断したときのワイヤ列20'の位置を示してお
り、同ワイヤ列20' と比較して分かるように、本実施
の形態のように制御することにより、ワイヤ列20は揺
動角度θ1 のときにd1 、揺動角度θ2 のときにd2
方にシフトする。
【0061】次に、本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの
第5の実施の形態について説明する。上述した第4の実
施の形態の固定砥粒ワイヤソーでは、サポートローラの
上下動、すなわち、サポートローラの高さ位置を制御す
ることにより、直接ワイヤ列の上下動を制御していた。
以下に説明する第5の実施の形態では、サポートローラ
に付与する押圧力を制御することにより、ワイヤ列の上
下動を制御する。具体的な構成は、以下のとおりであ
る。
【0062】サポートローラは、上述した第4の実施の
形態のサポートローラと略同じ構成であり、ワイヤ列の
下部にインゴットを挟んで左右対称位置に配置されてい
る。そして、このサポートローラに付与する押圧力を以
下の機構で制御することにより、ワイヤ列の上下動を制
御する。図13は、サポートローラ130の構成を示す
側面図である。なお、上述したようにサポートローラ1
30は、インゴットを挟んで左右対称位置に配置されて
いるが、共に同一構成であるため、ここでは一方側のサ
ポートローラ130の構成についてのみ説明する。
【0063】サポートローラ130は、その両端部を一
対の揺動アーム132、132に回動自在に支持されて
いる。この揺動アーム132の基端部には回転軸134
が固着されており、該回転軸134は図示しないワイヤ
ソーの本体フレームに固定された軸受ユニット136に
回動自在に支持されている。前記サポートローラ130
は、この揺動アーム132を揺動させることにより、ワ
イヤ列20に対して円弧状に進退移動する。
【0064】前記回転軸134には、同軸上に従動ギア
138が固着されている。この従動ギア138は、タイ
ミングベルト140を介して駆動ギア142と連結され
ている。駆動ギア142は、図示しないワイヤソーの本
体フレームに固定されたトルクモータ144の回転軸に
固着されている。前記揺動アーム132は、このトルク
モータ144を駆動することにより揺動し、この結果、
サポートローラ130がワイヤ列20に対して上下動す
る。
【0065】なお、このサポートローラ130の外周面
には、ワイヤ列20と同一ピッチで多数のガイド溝が形
成されており、ワイヤ列20は、このガイド溝にガイド
されながら走行する。そして、ワイヤ列20は、このサ
ポートローラ130に付与する押圧力(トルクモータ1
44の回転力)に応じて上下動する。すなわち、サポー
トローラ130に付与する押圧力を増大させれば上方に
変位し、減少させれば下方に変位する。
【0066】ここで、このサポートローラ130に付与
する押圧力の制御、すなわち、トルクモータ144の駆
動制御は、制御装置146によって行われる。そして、
制御装置146はインゴット30の揺動角度に基づいて
トルクモータ144の駆動を制御する。以下、この制御
装置146によるトルクモータの制御方法について説明
する。
【0067】インゴットは、一定の揺動角度で揺動され
ながら、一定の送り量でワイヤ列に向けて送られてく
る。そして、インゴットがワイヤ列に接触し、切断が開
始されると、次のように、トルクモータ144が駆動制
御される。すなわち、制御装置146は、インゴットの
揺動角度の増加に伴って徐々にサポートローラ130に
付与する押圧力を減少させ、徐々にワイヤ列20をイン
ゴットから退避させる。そして、揺動端に達し、揺動方
向が切り換わると、インゴットの揺動角度の減少に伴っ
て徐々にサポートローラ130に付与する押圧力を増大
させ、徐々にワイヤ列をインゴットに向けて送りだす。
【0068】このようにサポートローラ130に付与す
る押圧力をコントロールすることによっても、ワイヤ列
の上下動を制御することができる。次に、本発明に係る
固定砥粒ワイヤソーの第6の実施の形態について説明す
る。固定砥粒ワイヤソーにおいて、固定砥粒付ワイヤの
走行方法には、一方向送りと双方向送りの二通りの走行
方法がある。一方向送りは、固定砥粒付ワイヤを一方向
にのみ走行させてインゴットを切断する方法であり、ま
た、双方向送り切断は、固定砥粒付ワイヤを往復走行さ
せてインゴットを切断する方法である。
【0069】ここで、双方向送りの場合は、固定砥粒付
ワイヤの送り量と戻し量に差をつけることにより、結果
として、一方のワイヤリールに巻き取るようにする。具
体的には、例えば図13に示す固定砥粒ワイヤソー15
0において、図中左側のワイヤリール14Aから図中右
側のワイヤリール14Bに向けて送る固定砥粒付ワイヤ
12の送り量を10mとし、図中右側のワイヤリール1
4Bから図中左側のワイヤリール14Aに向けて送る固
定砥粒付ワイヤ12の送り量を7mとする。そして、こ
れを1サイクルとして、固定砥粒付ワイヤ12を往復走
行させる。この結果、固定砥粒付ワイヤ12は、1サイ
クル当たり3m分図中右側のワイヤリール14Bに巻き
取られることとなる。
【0070】ところで、固定砥粒付ワイヤ12をこのよ
うに双方向送りさせた場合、固定砥粒付ワイヤ12は、
加減速を繰り返しながら走行することとなる。しかし、
ウェーハを精度よく切断するためには、ワイヤ列20が
高速走行しているときにインゴット30を押し付けて切
断しなければならない。そこで、第6の実施の形態の固
定砥粒ワイヤソー150では、次のように、インゴット
30を切断する。
【0071】図14は、第6の実施の形態の固定砥粒ワ
イヤソー150の全体構成図である。なお、基本構成は
上述した第1の実施の形態の固定砥粒ワイヤソーと同じ
なので、第1の実施の形態と同一、類似部材には、同一
符号を付して、その説明は省略する。同図に示すよう
に、ワイヤ列20の下方には、インゴット30を挟んで
左右対称位置に一対のサポートローラ152A、152
Bが配置されている。この一対のサポートローラ152
A、152Bは、上述した第4の実施の形態のサポート
ローラ112A、112Bと同様に上下動できるように
構成されており、この一対のサポートローラ152A、
152Bを上昇させることにより、ワイヤ列20を上方
に変位させることができる。
【0072】なお、このサポートローラ152A、15
2Bを上下動させる機構は、上述した第4の実施の形態
と同じなので、ここでは、その構成の説明は省略する。
前記サポートローラ152A、152Bの上下動の制御
は、制御装置154によって行われる。制御装置154
は、図示しない速度検出器から出力される固定砥粒付ワ
イヤ12の走行速度に応じてサポートローラ152A、
152Bの駆動を制御する。
【0073】前記のごとく構成された本発明に係る固定
砥粒ワイヤソーの第6の実施の形態の作用は次の通りで
ある。上述した第1の実施の形態の固定砥粒ワイヤソー
10と同様に、インゴット30は、あらかじめ設定され
たプログラムに従ってワイヤ列20に向けて送られてく
る。
【0074】一方、このインゴット30を切断する固定
砥粒付ワイヤ12は、一対のワイヤリール14A、14
B間を往復走行している。従って、その方向転換時に速
度変化が生じる。サポートローラ152A、152B
は、この固定砥粒付ワイヤ12の方向転換時に生じる速
度変化に応じて、その駆動を制御する。具体的には以下
の通りである。
【0075】図15は、往復走行切断を行う場合の固定
砥粒付ワイヤ12の走行パターンの一例である。同図に
示すように、往復走行切断を行う場合は、まず、区間A
において、固定砥粒付ワイヤ12を3秒間で定常走行速
度(+700m/min)まで加速させる。そして、同
図区間Bで示す1分の間この定常走行速度を保持する。
1分経過後、区間Cにおいて、固定砥粒付ワイヤを減速
させ、3秒間で固定砥粒付ワイヤ12の走行速度を0m
/minにさせる。
【0076】固定砥粒付ワイヤ12の走行速度が0m/
minになったところで、今度は区間Dにおいて、リー
ル駆動モータ28A、28Bの回転方向を逆転させ、固
定砥粒付ワイヤ12を3秒間で定常走行速度(−700
m/min)まで加速させる。そして、同図区間Eで示
す40秒の間この定常走行速度を保持する。40秒経過
後、区間Fにおいて、ワイヤ12を減速、固定砥粒付ワ
イヤ12の走行速度を3秒間で0m/minさせる。
【0077】上記行程A〜Fを繰り返し行うことによ
り、ワイヤ12は一対のワイヤリール14A、14B間
を往復走行するが、往方向(上記行程A〜C)のワイヤ
送り量の方が、復方向(上記行程D〜F)のワイヤ送り
量よりも多い(往方向の方が復方向よりも定常走行時間
が20秒長い)ため、結果として、ワイヤ12は一方の
ワイヤリール14Bに巻き取られることになる。
【0078】次に、サポートローラ152A、152B
の駆動制御について説明する。図16に示すように、固
定砥粒付ワイヤ12が加速すると、それに伴ってサポー
トローラ152A、152Bも上昇する(同図区間A及
びD)。そして、固定砥粒付ワイヤ12が定速走行して
いるときは、一定変位Dの位置に保持され(同図区間B
及びE)、固定砥粒付ワイヤ12が減速すると、それに
伴って下降する(同図区間C及びF)。
【0079】このようにサポートローラ152A、15
2Bの駆動を制御すると、ワイヤ列20は、図17
(a)に示すように、その加速とともに徐々にインゴッ
ト30に接触してゆき、定速走行時は完全にインゴット
30に接触する。そして、図17(b)に示すように、
その減速とともに徐々にインゴット30から離れてゆ
き、走行速度がゼロのときは、完全にインゴット30か
ら離れた状態になる。
【0080】このようにサポートローラ152A、15
2Bの駆動を制御する結果、ワイヤ列20は、その走行
速度が所定の速度域に達した場合にのみインゴット30
を切断することができるので、精度よく切断することが
できる。なお、本実施の形態では、インゴット30を通
常送り、すなわち、インゴット30を揺動させずに送っ
て切断する例で説明したが、インゴット30を揺動させ
て切断する固定砥粒ワイヤソーにも同様に適用すること
ができる。
【0081】また、本実施の形態では、サポートローラ
の高さ位置、すなわち、サポートローラの上下動を制御
することにより、直接ワイヤ列の上下動を制御するよう
にしていたが、上述した第5の実施の形態のようにサポ
ートローラに付与する押圧力を制御することにより、ワ
イヤ列の上下動を制御しても同様の効果を得ることがで
きる。
【0082】なお、上述した一連の実施の形態(第1〜
第6)では、一対のワイヤリール14A、14B間を走
行する固定砥粒付ワイヤ12を3本のグルーブローラ1
8、18、18に巻きかけることによりワイヤ列20を
形成して、インゴット30を切断する方式の固定砥粒ワ
イヤソーに本発明を適用した例について説明している
が、本発明は、図18及び図19に示すような固定砥粒
ワイヤソー160にも同様に適用することができる図1
8に示す固定砥粒ワイヤソー160は、矩形状に形成さ
れたフレーム162に固定砥粒付ワイヤ164を一定間
隔で張設してワイヤ列166を形成したものである。ワ
イヤ列166は、このフレーム162を図示しない駆動
手段でワイヤの張設方向に沿って往復動させることによ
り走行する。
【0083】図19に示す固定砥粒ワイヤソー170
は、一対のグルーブローラ172、172に無端状に形
成された固定砥粒付ワイヤ174を巻きかけてワイヤ列
176を形成したものである。ワイヤ列176は、この
グルーブローラ172を図示しないモータで回転させる
ことにより、一方向又は往復走行する。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ウェーハに割れや欠けを発生させずに、被加工物を精度
よく切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第1の実施
の形態の全体構成図
【図2】第1の実施の形態のサポートローラの支持部の
構成を示す平面図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第1の実施
の形態の作用の説明図
【図5】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第1の実施
の形態の作用の説明図
【図6】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第2の実施
の形態の全体構成図
【図7】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第2の実施
の形態の作用の説明図
【図8】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第3の実施
の形態の全体構成図
【図9】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第3の実施
の形態の作用の説明図
【図10】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第4の実
施の形態の全体構成図
【図11】第4の実施の形態のサポートローラの構成を
示す側面断面図
【図12】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第4の実
施の形態の作用の説明図
【図13】第5の実施の形態のサポートローラの構成を
示す側面断面図
【図14】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第6の実
施の形態の全体構成図
【図15】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第6の実
施の形態の作用の説明図
【図16】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第6の実
施の形態の作用の説明図
【図17】本発明に係る固定砥粒ワイヤソーの第6の実
施の形態の作用の説明図
【図18】他の実施の形態の固定砥粒ワイヤソーの構成
を示す斜視図
【図19】他の実施の形態の固定砥粒ワイヤソーの構成
を示す斜視図
【符号の説明】
10、70、100、110、150…固定砥粒ワイヤ
ソー 12…固定砥粒付ワイヤ 14A、B…ワイヤリール 18…グルーブローラ 20…ワイヤ列 30…インゴット 34、…ワーク送り装置 42、82…ワーク送りモータ 44A、B、112A、B、130、152A、B、…
サポートローラ 60、90、102、128、146…制御装置 72…揺動送り装置 86…揺動駆動モータ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイ
    ヤでワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ列を走行さ
    せ、その走行するワイヤ列に向けて被加工物を送り、押
    し当てることにより、該被加工物を多数のウェーハに切
    断する固定砥粒ワイヤソーにおいて、 前記被加工物を挟んで左右対称位置に配置されるととも
    に、前記ワイヤ列に対して進退移動自在に支持された一
    対のサポートローラと、 前記一対のサポートローラを前記ワイヤ列に向けて付勢
    する付勢手段と、 前記被加工物切断中の前記一対のサポートローラの変位
    量を検出する変位量検出手段と、 前記変位量検出手段の検出値に基づいて、前記サポート
    ローラの変位がゼロになるように前記被加工物の送り量
    を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする固定
    砥粒ワイヤソー。
  2. 【請求項2】 表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイ
    ヤでワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ列を走行さ
    せ、その走行するワイヤ列に向けて被加工物を揺動させ
    ながら送り、押し当てることにより、該被加工物を多数
    のウェーハに切断する固定砥粒ワイヤソーの被加工物切
    断方法において、 前記被加工物の切り始めから前記被加工物の中心部近傍
    を切断するまで、前記被加工物の送り量に応じて前記被
    加工物の揺動角度を順次増加させてゆき、前記被加工物
    の中心部近傍を切断後前記被加工物の切り終わりまで、
    前記被加工物の送り量に応じて前記被加工物の揺動角度
    を順次減少させてゆくことを特徴とする固定砥粒ワイヤ
    ソーの被加工物切断方法。
  3. 【請求項3】 表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイ
    ヤでワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ列を走行さ
    せ、その走行するワイヤ列に向けて被加工物を一定の揺
    動角度で揺動させながら送り、押し当てることにより、
    該被加工物を多数のウェーハに切断する固定砥粒ワイヤ
    ソーの被加工物切断方法において、 前記被加工物の揺動角度の増大に伴って前記被加工物を
    前記ワイヤ列から退避させて切断量を減少させ、前記被
    加工物の揺動角度の減少に伴って前記被加工物を前記ワ
    イヤ列に向けて送り切断量を増加させることを特徴とす
    る固定砥粒ワイヤソーの被加工物切断方法。
  4. 【請求項4】 表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイ
    ヤでワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ列を走行さ
    せ、その走行するワイヤ列に向けて被加工物を揺動させ
    ながら送り、押し当てることにより、該被加工物を多数
    のウェーハに切断する固定砥粒ワイヤソーにおいて、 前記被加工物を挟んで左右対称位置に配置されるととも
    に、前記ワイヤ列に対して進退移動自在に支持された一
    対のサポートローラと、 前記一対のサポートローラを前記ワイヤ列に向けて進退
    移動させる移動手段と、 前記被加工物の揺動角度を検出する揺動角度検出手段
    と、 前記揺動角度検出手段の検出値に基づいて、前記移動手
    段の駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段
    は、前記被加工物の揺動角度の増大とともに前記サポー
    トローラを前記ワイヤ列から退避させて前記被加工物の
    切断量を減少させ、前記被加工物の揺動角度の減少とと
    もに前記サポートローラを前記ワイヤ列に向けて送り前
    記被加工物の切断量を増加させるように前記移動手段を
    制御することを特徴とする固定砥粒ワイヤソー。
  5. 【請求項5】 表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイ
    ヤでワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ列を走行さ
    せ、その走行するワイヤ列に向けて被加工物を揺動させ
    ながら送り、押し当てることにより、該被加工物を多数
    のウェーハに切断する固定砥粒ワイヤソーにおいて、 前記被加工物を挟んで左右対称位置に配置されるととも
    に、前記ワイヤ列に押圧当接された一対のサポートロー
    ラと、 前記一対のサポートローラを前記ワイヤ列に押圧する押
    圧手段と、 前記被加工物の揺動角度を検出する揺動角度検出手段
    と、 前記揺動角度検出手段の検出値に基づいて、前記押圧手
    段の駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段
    は、前記被加工物の揺動角度の増大とともに前記サポー
    トローラの押圧力を減少させて前記被加工物の切断量を
    減少させ、前記被加工物の揺動角度の減少とともに前記
    サポートローラの押圧力を増大させて前記被加工物の切
    断量を増加させるように前記移動手段を制御することを
    特徴とする固定砥粒ワイヤソー。
  6. 【請求項6】 表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイ
    ヤでワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ列を往復走行
    させ、その往復走行するワイヤ列に向けて被加工物を送
    り、押し当てることにより、該被加工物を多数のウェー
    ハに切断する固定砥粒ワイヤソーにおいて、 前記被加工物を挟んで左右対称位置に配置されるととも
    に、前記ワイヤ列に対して進退移動自在に支持された一
    対のサポートローラと、 前記一対のサポートローラを前記ワイヤ列に向けて進退
    移動させる移動手段と、 前記ワイヤ列の速度を検出する速度検出手段と、 前記速度検出手段の検出値に基づいて、前記移動手段の
    駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、
    前記ワイヤ列の速度の下降とともに前記サポートローラ
    を前記ワイヤ列から退避させて前記被加工物の切断量を
    減少させ、前記ワイヤ列の速度の上昇とともに前記サポ
    ートローラを前記ワイヤ列に向けて送り前記被加工物の
    切断量を増加させるように前記移動手段を制御すること
    を特徴とする固定砥粒ワイヤソー。
  7. 【請求項7】 表面に砥粒が固着された固定砥粒付ワイ
    ヤでワイヤ列を形成するとともに該ワイヤ列を往復走行
    させ、その往復走行するワイヤ列に向けて被加工物を送
    り、押し当てることにより、該被加工物を多数のウェー
    ハに切断する固定砥粒ワイヤソーにおいて、 前記被加工物を挟んで左右対称位置に配置されるととも
    に、前記ワイヤ列に押圧当接された一対のサポートロー
    ラと、 前記一対のサポートローラを前記ワイヤ列に押圧する押
    圧手段と、 前記ワイヤ列の速度を検出する速度検出手段と、 前記速度検出手段の検出値に基づいて、前記移動手段の
    駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、
    前記ワイヤ列の速度の下降とともに前記サポートローラ
    の押圧力を減少させて前記被加工物の切断量を減少さ
    せ、前記ワイヤ列の速度の上昇とともに前記サポートロ
    ーラの押圧力を増大させて前記被加工物の切断量を増加
    させるように前記移動手段を制御することを特徴とする
    固定砥粒ワイヤソー。
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