JP2020146785A - ワイヤソー装置及びワークの切断加工方法 - Google Patents

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勝 福万
健司 藤村
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Abstract

【課題】ワークが揺動するワイヤソー装置において、加工面へのダメージ低減と高速加工を両立する。【解決手段】複数のワイヤガイド10A,10Bに螺旋状に巻き付けられた切断用ワイヤ11を走行させながら、この切断用ワイヤ11にワークWを押し当ててワークWに対して切断加工を行うワイヤソー装置1を対象とする。ワイヤソー装置1は、ワークWを揺動可能に支持する揺動機構5と、揺動機構5を上下に移動可能に支持する昇降機構4と、ワイヤガイド10A,10Bを回転させて切断用ワイヤ11を行き来させるワイヤ駆動機構9と、揺動機構5、昇降機構4及びワイヤ駆動機構9を制御する制御装置とを設ける。また、揺動機構5に、ワークWの揺動中心CをワークWの重心よりも下方に設定するように断面円弧状の内周面の半径が設定された曲線ガイド7を設ける。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばシリコンインゴット等の被加工物(以下、ワークと称する)を切断するワイヤソー装置及びワークの切断加工方法に関する。
従来より、一般的に、ワークから薄板状のウェーハを切り出す手段としてワイヤソー装置が用いられている。ワイヤソー装置においては、複数のワイヤガイドに螺旋状に巻き付けられた切断用ワイヤを走行させながら、切断用ワイヤにワークを押し当てることによって、複数箇所でワークを同時に切断している。
また、例えば、特許文献1に開示されているワイヤソー装置においては、ワイヤガイド(ワークローラ)によって切断用ワイヤを走行させると同時にワイヤガイドと共に切断用ワイヤを揺動させながら、ワークに対して切断加工を行っている。このようにすると、切断用ワイヤを揺動させない場合と比較して、ワークと切断用ワイヤとの接触距離が短くなるため、研削力を増大させて切断速度を増大させることができると共に、切り粉の排出性を向上させて加工精度を向上させることができる。同様の効果は、ワークを揺動させながらワークの切断加工を行うタイプのワイヤソー装置(例えば特許文献2、3参照)においても得ることができる。
特開平01−171753号公報 特開平08−85053号公報 特開2013−233606号公報(実施形態2)
しかしながら、市場から更なるピースコスト低減(低カーフロス化、加工時間短縮)が求められている。単結晶シリコンは、固定砥粒で問題なく加工できるが、より材料コストの低い多結晶シリコンは、結晶が不均一であるため高速加工すると割れや欠けが起き安く、加工面へのダメージ低減と高速加工を両立できる技術の確立が必要である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ワイヤソ装置において、加工面へのダメージ低減と高速加工を両立することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、ワークの揺動中心をワークの重心よりも下方に設定するようにした。
具体的には、第1の発明では、複数のワイヤガイドに螺旋状に巻き付けられた切断用ワイヤを走行させながら、該切断用ワイヤにワークを押し当てて該ワークに対して切断加工を行うワイヤソー装置を対象とする。
上記ワイヤソー装置は、
上記ワークを揺動可能に支持する揺動機構と、
上記揺動機構を上下に移動可能に支持する昇降機構と、
上記ワイヤガイドを回転させて上記切断用ワイヤを行き来させるワイヤ駆動機構と、
上記揺動機構、上記昇降機構及び上記ワイヤ駆動機構を制御する制御装置とを備え、
上記揺動機構は、上記ワークの揺動中心を該ワークの重心よりも下方に設定するように断面円弧状の内周面の半径が設定された曲線ガイドを備えている。
上記の構成によると、ワイヤ駆動機構によって行き来する切断用ワイヤに対して昇降機構によってワークを近付けてワークを切断する。この加工時にワークを揺動機構によって切断用ワイヤに対して揺動させながら押し付けて加工するので、切り粉排出性が向上する。そして、切断用ワイヤの加工部に接触する長さが短くなって力が集中するので、加工効率、加工精度(粗さ、厚み、うねり等)が向上する。また、ワークの揺動中心をワークの重心よりも下方に位置付けたので、ワークの揺動範囲がワイヤガイドと干渉することなく最大限の揺動角度を確保でき、かつワイヤガイド軸間の距離を最小限にできるため、切断用ワイヤの保持力を高く保つことができる。この揺動中心の高さは、ワークの揺動半径を規制する曲線ガイドの形状により自由に設定できるという利点もある。曲線ガイドを用いると、軸受やリンク機構を用いた揺動機構に比べて非常にコンパクトでシンプルな揺動機構が得られる。
第2の発明では、第1の発明において、
上記揺動機構は、上記ワークが上記揺動中心を中心に揺動する軌跡が、上記複数のワイヤガイドの間に並ぶ上記切断用ワイヤの走行方向に平行になるように調整する平行調整機構を有する。
上記の構成によると、揺動機構によって切断用ワイヤに対してワークの揺動の軌道が平行になるように調整することで、揺動によるワークの厚さ方向へのズレを最小限に抑えることができる。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記制御装置は、上記揺動中心が上記切断用ワイヤよりも上方にあるときと、該揺動中心が上記切断用ワイヤよりも下方にあるときとで、上記昇降機構による移動量の補正値の計算式を切り換えている。
上記の構成によると、揺動による切断ワイヤとの接触位置を適切に調整することで、切断用ワイヤの撓み変化を最小限にすることにより、均一な切込力を保つことができ、効率及び精度が安定する。
第4の発明では、
ワークを揺動可能に支持する揺動機構と、
上記揺動機構を上下に移動可能に支持する昇降機構と、
上記ワイヤガイドを回転させて上記切断用ワイヤを行き来させるワイヤ駆動機構と、
上記ワークの揺動中心を該ワークの重心よりも下方に設定するように断面円弧状の内周面の半径が設定された曲線ガイドとを備えたワイヤソー装置を準備し、
上記ワイヤ駆動機構を駆動させた状態で、上記揺動機構により上記ワークを揺動させながら、上記昇降機構により該揺動機構を上下移動させて上記ワークを上記切断用ワイヤに接触させて該ワークを切断するときに、
上記揺動中心が上記切断用ワイヤよりも上方にあるときと、該揺動中心が上記切断用ワイヤよりも下方にあるときとで、上記昇降機構による移動量の補正値の計算式を切り換える構成とする。
上記の構成によると、揺動による切断ワイヤとの接触位置を調整しワークとワイヤが理論上点接触となるようにして切断用ワイヤの撓み変化を最小限にすることにより、均一な切込力を保つことができ、さらに効率が向上し、精度が安定する。
第5の発明では、第4の発明において、
上記揺動中心が上記切断用ワイヤよりも上方にあるときは、ワークを下降させる微調整を行い、
上記揺動中心が上記切断用ワイヤよりも下方にあるときは、ワークを上昇させる微調整を行う構成とする。
上記の構成によると、揺動中心が切断用ワイヤよりも上方にあるときは、揺動によりワークとワイヤの接触点が切断用ワイヤから離れる方向に作用するので、ワークを下降させ、揺動中心が切断用ワイヤよりも下方にあるときは、揺動によりワークとワイヤの接触点がさらに切り込む方向に作用するので、ワークを上昇させる微調整を行うことで、確実に切断用ワイヤの撓み変化を最小限にすることができる。
第6の発明では、第4又は第5の発明において、
上記ワークの切り始め及び切り終りで断面円弧の半径を固定又は変化させるように制御する構成とする。
上記の構成によると、円形でないワーク、例えば四角のワークの場合、揺動により接触点が切り始め、切り終りで円形の場合とは逆に作用することがある。この場合、円弧Rを固定又は変化させることで、点接触を保つことができる。
以上説明したように、本発明によれば、揺動機構にワークの揺動中心をワークの重心よりも下方に設定するように断面円弧状の内周面の半径が設定された曲線ガイドを設けたことにより、加工面へのダメージ低減と高速加工を両立することができる。
本発明の実施形態に係るワイヤソー装置を示す正面図である。 図1のII−II線断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 揺動によりワーク中央部が上下する場合の補正量を説明する図である。 揺動により円弧Rとするために上下する場合の補正量を説明する図である。 実施例に係る切断用ワイヤとワークの位置を示す正面図であり、(a)は、揺動中心が切断用ワイヤよりも上方にあるときを示し、(b)は、揺動中心が切断用ワイヤよりも下方にあるときを示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の実施形態に係るワーク揺動型のワイヤソー装置1を示し、このワイヤソー装置1は、例えば半導体装置や太陽電池等の製造に用いられるシリコンインゴット等の被加工物(以下、ワークWという)を複数箇所で同時に薄板状ウェーハに切断するために使用される。
ワイヤソー装置1は、平行に並べられた一対のワイヤガイド10A,10Bに螺旋状に巻き付けられた切断用ワイヤ11を走行させながら、この切断用ワイヤ11にワークWを押し当ててワークWに対して切断加工を行うように構成されている。
具体的には、ワイヤソー装置1は、金属フレーム等で構成された装置本体2を有し、この装置本体2の上側に昇降機構4を支持する上部本体3が設けられている。昇降機構4は、例えば、昇降モータ4aとボールネジ4bとを有する公知の装置を利用すればよい。この昇降機構4には、ワークWを揺動可能に支持する揺動機構5が昇降可能に支持されている。
揺動機構5は、動力伝達部を備えており、例えば1つの駆動プーリ5aと一対の従動ローラ5bとこれらに掛けられた高剛性ベルト5cとを備えている。この高剛性ベルト5cは、例えば伸びの小さいカーボン心線等を含み、その両端が揺動可能なワーク保持部材6の両端にそれぞれ連結されている。この高剛性ベルト5cは、平ベルトでも歯付ベルトでもよい。このように構成することで、駆動プーリ5aをサーボモータ等よりなる駆動モータ5dにより正転又は逆転させることで、ワーク保持部材6が揺動するようになっている。この揺動機構5に対する動力伝達方法としては特に限定されず、ボールネジやラックピンオンを用いてもよい。
ワーク保持部材6には、円柱状、角柱状のワークWが着脱可能に取り付けられるようになっている。詳しくい説明は省略するが、ワーク保持部材6は、上下に伸縮する複数のシリンダを有し、ワークWの長手方向の傾斜角度を調整可能な傾動機構13(図2にのみ示す)を有していてもよい。
ワーク保持部材6の下方には、一対の円筒状のワイヤガイド10A,10Bを回転させてこれらワイヤガイド10A,10Bに螺旋状に巻き掛けられた切断用ワイヤ11を行き来させるワイヤ駆動機構9が設けられている。各ワイヤガイド10A及び10Bの回転軸は、対応する駆動モータ10Cの出力軸に連結されており、この駆動モータ10Cの回転駆動により、各ワイヤガイド10A及び10Bはその水平軸心周りに回転するようになっている。各ワイヤガイド10A及び10Bには、ワークWを切断するための1本のワイヤ(以下、切断用ワイヤ11という)が各ワイヤガイド10A及び10Bの水平軸心方向に所定のピッチで螺旋状に巻き付けられている。本実施形態では、一対のワイヤガイド10A,10Bを設けているが、3つのワイヤガイドに切断用ワイヤ11を巻き掛けてもよい。図示は省略しているが、切断用ワイヤ11の一端側は、ワイヤガイド10Aの外側に位置しており、複数の円盤状プーリに案内されながらワイヤ供給装置まで延びている。また、切断用ワイヤ11の他端側は、ワイヤガイド10Bの外側に位置しており、複数の円盤状プーリに案内されながらワイヤ巻取装置まで延びている。なお、切断用ワイヤ11の張力を制御するために、各ワイヤガイド10A及び10Bの外側に配置されている円盤状プーリの1つにテンションアームが取り付けられていてもよい。
各ワイヤガイド10A及び10Bの中心(回転軸)を結ぶ線上の中点(つまり軸間中心)の上方に、各ワイヤガイド10A及び10Bに巻き付けられた切断用ワイヤ11と対向するように上記ワーク保持部材6が配設されている。
ワイヤソー装置1は、揺動機構5、昇降機構4、ワイヤ駆動機構9、駆動モータ10C、ワイヤ供給装置、ワイヤ巻取装置等のその他の駆動部等を制御する制御装置12を備えている。この制御装置12は、例えば、中央演算処理装置(CPU)及び制御プログラムが格納されたメモリ等を備えており、切断用ワイヤ11の送り出し及び巻き取りを交互に繰り返しながら切断用ワイヤ11の新線部分が順次繰り出されるように、ワイヤガイド10A,10Bの駆動モータ10C並びにワイヤ供給装置及びワイヤ巻取装置を制御したり、昇降機構4、揺動機構5等を制御したりするように構成されている。
そして、本実施形態では、揺動機構5は、ワークWの揺動中心CをワークWの重心よりも下方に設定するように断面円弧状の内周面の半径が設定された曲線ガイド7を備えている。すなわち、この曲線ガイド7は、正面から見て半径R0の円弧の中心が下方に向かうように内面が湾曲し、その中心がワークWの揺動中心Cとなる。この揺動中心Cよりなる曲線ガイド7の軸心は、図1の紙面方向(ワークWの長手方向、切断後のウェーハの厚み方向)に延びている。ワーク保持部材6は、この曲線ガイド7に円弧往復可能に取り付けられている。これにより、ワークWは、位置Cを中心とする半径R、角度θの揺動をする。また、半径Rが一定の断面円弧状内周面がワークWの長手方向に延びる曲線ガイド7により、ワークWが全ての揺動角度においてその軸方向に揺動するのが避けられる。また、曲線ガイド7の形状を調整することで、任意の円弧Rで切断用ワイヤ11とワークWを点接触させて切断することができるようになっている。
また、揺動機構5は、ワークWが揺動中心Cを中心に揺動する軌跡が、ワイヤガイド10A,10Bの間に並ぶ切断用ワイヤ11の走行方向に平行になるように調整する平行調整機構8を有する。この平行調整機構8は、要するに揺動機構5全体を昇降機構4に対してその上下方向に延びる回転軸Zを中心に回転させるためのもので、螺旋状に巻かれた切断用ワイヤ11の図3に示す平面視で若干認められる傾き(図面上ではほとんど分からない程度)に合わせて揺動機構5全体を回転させるように構成されている。通常は、この平行調整機構8(図2にのみ示す)は切断用ワイヤ11の傾きが変わらない限り何度も調整する必要はない。
また、ワークWを切断送りするために、ワーク保持部材6は曲線ガイド7と共に昇降可能に構成されている。すなわち、ワーク保持部材6が下降してワークWが切断用ワイヤ11に押し付けられると、ワークWの複数箇所で同時にウェーハ切り出しが行われる。
次いで、具体的なワークの切断加工方法について説明する。
まず、必要があれば、平行調整機構8によって、切断用ワイヤ11に対して揺動の軌道が平行になるように調整する。これにより、揺動によるワークWの厚さ方向へのズレを最小限に抑えることができる。
次いで、ワイヤ駆動機構9を駆動して、切断用ワイヤ11を所定の速度でワイヤガイド10A,10B間を行き来させる。
次いで、揺動機構5によってワークWを揺動させながら昇降機構4によってワークWを近付けてワークWを切断する。このように加工時にワークWを切断用ワイヤ11に対して揺動させながら押し付けて加工するため、切り粉排出性が向上する。また、切断用ワイヤ11の加工部に接触する部分の長さが短くなって力が集中するので、加工効率、加工精度(粗さ、厚み、うねり等)が向上する。また、ワークWを切断用ワイヤ11に点接触に近い状態で接触させることで多結晶シリコンを高精度かつ高速に切断することができる。
さらに、ワークWの揺動中心CをワークWの重心よりも下方に位置付けたので、ワークWの揺動範囲がワイヤガイド10A,10Bと干渉することなく最大限の揺動角度を確保し、かつワイヤガイド10A,10B軸間の距離を最小限にできるため、切断用ワイヤ11の保持力を高く保つことができる。この揺動中心Cの高さは、曲線ガイド7の形状により自由に設定できるという利点もある。曲線ガイド7を用いると、軸受やリンク機構を用いた揺動機構5に比べて非常にコンパクトでシンプルな揺動機構5が得られる。
そして、上記揺動時のワークWの切断用ワイヤ11に対する位置に対応させて制御装置12は、ワークWの上下位置を補正する。
まず、図4に示す揺動によりワークWの中央部が上下する補正量の制御について説明する。
図6(a)に示すように、ワークWの下側範囲(揺動中心Cよりも切断用ワイヤ11が下のとき)では、揺動により、ワークWが切断用ワイヤ11から離れる方向に移動するので、以下の式で表すように、
Cosθ=D1’/D1
D1’=D1×Cosθ
C1=D1−D1’=D1−D1×Cosθ=D1(1−Cosθ)
プラス補正(テーブル下降)を行う。なお、
C:テーブル位置制御量 (プラス値でテーブル上昇方向へ補正)
D1,D2:揺動中心と切断用ワイヤ11の距離 (テーブル位置)
θ :現在揺動角度
R:円弧Rの設定値
である。
図6(b)に示すように、ワークWの上側範囲(揺動中心より切断用ワイヤ11が上のとき)では、揺動により、ワークWがワイヤガイド10A,10Bに近付く方向に移動するので、以下の式に示すように、
Cosθ=D2’/D2
D2’=D2×Cosθ
C2=D2−D2’=D2−D2×Cosθ=D2(1−Cosθ)
マイナス補正(テーブル上昇)が必要となる。
一方、図5に示すように、ワークWを揺動させることで、外周が半径Rの円弧形状とするために昇降機構4によって上下する補正量の制御について説明する。このとき、
Cosθ=R’/R=(R−C3)/R
C3=R(1−Cosθ)
の式が成り立つ。このことから、任意の半径Rの円弧で切断用ワイヤ11とワークWを点接触するためのテーブル位置制御量は下式となり、ワークWの位置と揺動角度θに応じて、ワークWの上下方向の位置制御を行う。
図6(a)に示すワークWの下側範囲(揺動中心より下)のとき
C=C3−C1
=R−R×Cosθ−D1(1−Cosθ)
の式に従って、揺動中心Cと切断用ワイヤ11の距離に応じた補正を加える。
図6(b)に示すワークWの上側範囲(揺動中心より上)のとき
C=C3+C2
=R−R×Cosθ+D2(1−Cosθ)
の式に従って、揺動中心Cと切断用ワイヤ11の距離に応じた補正を加える。
以上説明したように、本実施形態では、揺動による切断ワイヤの撓み変化を最小限にすることで、均一な切込力を保つことができ、効率を向上させることができ、また、製品の仕上がり精度を安定させることができる。
したがって、本実施形態に係るワイヤソー装置1によると、加工面へのダメージ低減と高速加工を両立することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記各実施形態においては、ワークWを軸間中心において切断用ワイヤ11と点接触又は線接触させながら、ワークWの加工を行った。ここで、ワークWの加工位置(つまり切断位置)の変化又は切断用ワイヤ11若しくはワークWの揺動状態の変化等に応じて、ワークWと切断用ワイヤ11との接触長を変化させてもよい。
また、本発明が適用可能なワイヤソー装置1は、上記実施形態で説明したワイヤソー装置1に限られるものではなく、複数のワイヤガイドに螺旋状に巻き付けられた切断用ワイヤ11を走行させると同時にワイヤガイドと共にワークを揺動させながら、切断用ワイヤ11にワークを押し当てて切断加工を行うタイプのワイヤソー装置1に本発明は広く適用可能である。例えば、図1、図3又は図4に示すワイヤソー装置1には2つのワイヤガイド10A,10Bが用いられていたが、3つ以上のワイヤガイドを備えたワイヤソー装置1にも本発明は適用可能である。また、例えば放電式のワイヤソー装置等にも本発明は適用可能である。
また、本発明が適用可能なワークWの形状(加工前の形状)も特に限定されるものではなく、例えば円柱状や直方体状等の様々な形状を持つワークWに本発明は広く適用可能である。円形でないワークW、例えば四角のワークWの場合、揺動により接触点が切り始め、切り終りで円形の場合とは逆に作用することがある。この場合、円弧Rを固定又は変化させることで、点接触を保つことができる。
また、本発明が適用可能なワークWの材質は、シリコン等に特に限定されるものではないが、ワークWが例えばサファイアや炭化ケイ素(SiC)等の難削材からなる場合には、切断用ワイヤ11として固定砥粒ワイヤを用いることが好ましい。切断用ワイヤ11として固定砥粒ワイヤを用いる場合、砥粒を含むスラリーに代えて、冷却用の水等を供給しながら切断加工を行ってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 ワイヤソー装置
2 装置本体
3 上部本体
4 昇降機構
4a 昇降モータ
4b ボールネジ
5 揺動機構
5a 駆動プーリ
5b 従動ローラ
5c 高剛性ベルト
5d 駆動モータ
6 ワーク保持部材
7 曲線ガイド
8 平行調整機構
9 ワイヤ駆動機構
10A ワイヤガイド
10B ワイヤガイド
10C 駆動モータ
11 切断用ワイヤ
12 制御装置
13 傾動機構

Claims (6)

  1. 複数のワイヤガイドに螺旋状に巻き付けられた切断用ワイヤを走行させながら、該切断用ワイヤにワークを押し当てて該ワークに対して切断加工を行うワイヤソー装置であって、
    上記ワークを揺動可能に支持する揺動機構と、
    上記揺動機構を上下に移動可能に支持する昇降機構と、
    上記ワイヤガイドを回転させて上記切断用ワイヤを行き来させるワイヤ駆動機構と、
    上記揺動機構、上記昇降機構及び上記ワイヤ駆動機構を制御する制御装置とを備え、
    上記揺動機構は、上記ワークの揺動中心を該ワークの重心よりも下方に設定するように断面円弧状の内周面の半径が設定された曲線ガイドを備えている
    ことを特徴とするワイヤソー装置。
  2. 請求項1に記載のワイヤソー装置において、
    上記揺動機構は、上記ワークが上記揺動中心を中心に揺動する軌跡が、上記複数のワイヤガイドの間に並ぶ上記切断用ワイヤの走行方向に平行になるように調整する平行調整機構を有する
    ことを特徴とするワイヤソー装置。
  3. 請求項1又は2に記載のワイヤソー装置において、
    上記制御装置は、上記揺動中心が上記切断用ワイヤよりも上方にあるときと、該揺動中心が上記切断用ワイヤよりも下方にあるときとで、上記昇降機構による移動量の補正値の計算式を切り換えるように構成されている
    ことを特徴とするワイヤソー装置。
  4. ワークを揺動可能に支持する揺動機構と、
    上記揺動機構を上下に移動可能に支持する昇降機構と、
    ワイヤガイドを回転させて切断用ワイヤを行き来させるワイヤ駆動機構と、
    上記ワークの揺動中心を該ワークの重心よりも下方に設定するように断面円弧状の内周面の半径が設定された曲線ガイドとを備えたワイヤソー装置を準備し、
    上記ワイヤ駆動機構を駆動させた状態で、上記揺動機構により上記ワークを揺動させながら、上記昇降機構により該揺動機構を上下移動させて上記ワークを上記切断用ワイヤに接触させて該ワークを切断するときに、
    上記揺動中心が上記切断用ワイヤよりも上方にあるときと、該揺動中心が上記切断用ワイヤよりも下方にあるときとで、上記昇降機構による移動量の補正値の計算式を切り換える
    ことを特徴とするワークの切断加工方法。
  5. 請求項4に記載のワークの切断加工方法において、
    上記揺動中心が上記切断用ワイヤよりも上方にあるときは、ワークを下降させるように微調整し、
    上記揺動中心が上記切断用ワイヤよりも下方にあるときは、ワークを上昇させるように微調整する
    ことを特徴とするワークの切断加工方法。
  6. 請求項4又は5に記載のワークの切断加工方法において、
    上記ワークの切り始め及び切り終りで断面円弧の半径を固定又は変化させるように制御する
    ことを特徴とするワークの切断加工方法。
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