JP2011167810A5 - - Google Patents

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ワイヤソー
本発明は、複数本の溝ローラ間に形成されたワイヤ列にシリコンやサファイア等のワークを押し付けて切断するワイヤソーに関する。
従来より、複数の溝ローラ間にワイヤを巻き回して形成されるワイヤ列にシリコンカーバイドやダイヤモンド等からなる砥粒が混じったスラリを供給し、シリコン、シリコンカーバイド、サファイア、各種のセラミック材料等のワークを多数枚の薄板に切断する遊離砥粒方式のワイヤソーが知られている。
また、前記ワイヤの表面にダイヤモンド等の砥粒がレジンや電着により固定された固定砥粒ワイヤを用い、スラリに代えて水や水溶性のグリコール類等を使用した加工液をワイヤ列に供給しながら、前記ワークを多数枚の薄板に切断する固定砥粒方式のワイヤソーも知られている。
上記のような両方式のワイヤソーにおいては、通常1本のワイヤを1対の溝ローラ間に巻回してワイヤ列を形成し、このワイヤを一方向走行又は往復走行させながらワイヤ列の部分でワークを切断するようになっている。
また、最近では太陽電池の需要増に伴い、シリコンインゴットを複数本切断して効率良く多数枚の薄板を切り出すワイヤソーも知られている(例えば特許文献1)。
上記特許文献1のワイヤソーでは、上下に並ぶ2組のワーク切断部のそれぞれに1対の溝ローラを設け、前記各1対の溝ローラ間に1本のワイヤを順次巻き掛けて2組のワイヤ列を形成しておき、1つの垂直テーブルに保持された上下2つのワークを前記ワーク切断部のワイヤ列にそれぞれ外側から内側に向けて同時に送り込んでワークを切断するようになっている。
また、ワークを効率良く切断するようにワーク切断部のワイヤ列を揺動円弧運動させることにより、ワーク切断部に効率良く加工液を供給すると共にワイヤとワークの接触を点接触に近づけることで切断性を高めたワイヤソーが知られている(例えば特許文献2)。
この特許文献2のワイヤソーは、ワイヤ列を揺動円弧させるためにクロスローラベアリングで回動自在に支持された揺動円板上に溝ローラを配し、この揺動円板を溝ローラと一体に揺動円弧運動させることでワイヤ列を揺動円弧運動させるようになっている。
図10(a)は、上記の特許文献2のワイヤソーにおいて、ワーク86を左右に2列配し、ワイヤ列を揺動円弧運動させながら切断する場合の従来例の説明図である。
左右に一対の溝ローラ81、81が図示しない揺動円板上に設けられ、図示しない供給リールから1本のワイヤ82が図示しない適宜のガイドプーリ、張力機構を経て前記溝ローラ81、81の溝に多数巻き掛けられてワーク切断部80となるワイヤ列を形成している。ワイヤ列を経由したワイヤ82は、図示しないガイドプーリや張力機構を経て巻取リールに巻き取られるようになっている。
また、前記溝ローラ81、81は揺動円板と一体に揺動軸芯87を中心として揺動円弧運動するようになっており、前記ワイヤ列は、溝ローラ81、81と共に揺動円弧運動するようになっている。
前記ワイヤ列の上方には、図示しない昇降手段により昇降動するワーク保持テーブル83が設けられ、ワーク保持テーブル83の下面には貼付ベース84が左右に並列に固定されている。両貼付ベース84、84には、カーボン等のダミー部材85を介して太陽電池用シリコンが接着剤で貼り付けられている。
上記ワイヤ列のワイヤ82としてダイヤモンド等の砥粒が電着等で固定された固定砥粒ワイヤ又はダイヤモンドやシリコンカーバイド等の砥粒を含むスラリ液をワイヤ82に供給しながら、前記ワイヤ列のワイヤ82を一方向走行又は往復走行させて、このワイヤ列にワークを押し付けると共にこの切断時に上記ワイヤ列を揺動円弧運動させるようになっている。
特開2009−274167号公報 特公平6−35107号公報
ところで、上記特許文献1のワイヤソーは、1本のワイヤを2つのワーク切断部に供給しており、また、1つの垂直テーブルに2つのワークを保持して、この2つのワークをそれぞれのワーク切断部に送り込んで、上記垂直テーブルの下降により、2つのワークを同時に多数枚のウエハに切断するようになっている。
しかし、1本のワイヤで2つのワークを別々に2つのワーク切断部で切断する場合、新線ワイヤが始めに供給される第1ワーク切断部と、1度使用された旧線ワイヤが供給される第2ワーク切断部とでは、ワイヤの磨耗による線径の違いや特に固定砥粒ワイヤを使用する場合では、固定された砥粒の脱落や目詰まりにより切断部毎に切断能力が異なることになる。そのため、そこに同時にワークを送り込むと、切断能力の差により第2ワーク切断部でワイヤの負荷が高まって断線する場合があるので、第2ワーク切断部側に従属した切断条件で切断する必要があり、全体としての切断効率が低下する問題があった。
また、上記特許文献1の装置では、ワークの送り込みが複数のワーク切断部で同時に行われるため、複数のワーク切断部毎に切断条件を変えることができない問題があり、特に複数のワーク毎に最適なテスト条件を見出す場合、テストが効率良く行なえない問題があった。ワイヤソーの切断においては、切断毎に砥粒の磨耗状態が変化したり、ワーク切断部の温度雰囲気が異なったりする等、各回の切断毎に切断条件が変化し易い問題があり、従来のワイヤソーでは、同一環境下でのテスト切断を行なうことが困難であった。
また、上記特許文献2のワイヤソーは、上記のようにクロスローラベアリングで揺動円板が回動自在に支持され、この揺動円板に溝ローラが支持されているため、大型のワークを切断するには、溝ローラが大型化し、これを保持する揺動円板やクロスローラベアリングもそれに伴って大きくなり、コストが増大する問題があった。また、装置剛性を高めるために溝ローラの両端を支持するには2つの揺動円板と2つのクロスローラベアリングが必要となり、大型のワイヤソーに適用するにはコストが増大したり、装置が大型化する問題があった。
また、図10(a)及び(b)のようにワーク86を横方向に2列平行に並べてワイヤ列を揺動円弧運動させながら切断する場合、揺動軸芯87がワイヤ列中央付近(図示しない揺動円板の中心)に位置するので、ワークの長手方向となる縦軸方向中心から離れた位置を中心にワイヤ列が揺動円弧運動することになる。従って、図10(b)のように左右のそれぞれのワーク86の既切断部88と未切断部89の境界部分は、ワークの幅方向となる中心線を対称とした形状とならないので、切断後のウエハが反ったり、ウエハ面内の精度ばらつきが大きくなったりする問題があった。
また、最適条件を見出すために複数のワーク毎に揺動条件を変えてテスト切断したい場合等、ワイヤ列を揺動円弧運動させる方法では、複数のワークが一体となって揺動円弧運動するためワーク毎に揺動条件を変更したテストが効率良く行なえない問題があった。さらに、ワイヤソーの切断においては、前述同様に各回の切断毎に切断条件が変化し易い問題があり、従来のワイヤソーでは同一環境下でのテスト切断を行なうことが困難であった。
また、上記同様に複数のワークの切断時に一方のワークは揺動円弧運動無しに、他方のワークのみを揺動円弧運動させて切断したい場合に、従来のワイヤソーではワイヤ列が揺動円弧運動するので、ワーク毎に揺動条件を変更できない問題があった。
そこで、本発明は上記のような問題に鑑み、複数のワークを精度良く切断すると共に各種テスト切断を効率良くできるようにしたワイヤソーを提供し、更に複数のワークを同時に切断する場合であっても精度の良い切断が可能で、小型化が容易な揺動円弧運動が可能なワイヤソーを提供することを目的とする。
そこで請求項1の発明は、複数本の溝ローラ間にワイヤを多列状に巻き掛けて形成されたワイヤ列にワークを押し付けて、前記ワイヤを一方向走行又は往復走行させることにより、前記ワークを多数枚に切断するワイヤソーにおいて、前記複数の溝ローラ間に形成されたワイヤ列を有する少なくとも1つのワーク切断部と、前記ワーク切断部に並列に設けられた複数のワーク保持テーブルとを有し、前記ワーク保持テーブルは、前記ワイヤ列に対する昇降動が自在なベース板と、前記ベース板に並設されると共に該ベース板に回動自在に軸支されたワーク保持枠とを備えて構成され、前記ワーク保持枠をそれぞれ往復回転させることによりワーク自体を個別に独立して揺動円弧運動可能にした構成を採用したワイヤソーである。
また、請求項2の発明は、複数本の溝ローラ間にワイヤを多列状に巻き掛けて形成されたワイヤ列にワークを押し付けて、前記ワイヤを一方向走行又は往復走行させることにより、前記ワークを多数枚に切断するワイヤソーにおいて、前記1対の溝ローラが複数組設けられ、これら複数組の各1対の溝ローラ間に1本宛のワイヤが多列状に巻き掛けられることによってワイヤ列が各1対の溝ローラ間のそれぞれに形成された少なくとも2組からなるワーク切断部と、前記複数組の各1対の溝ローラ間のそれぞれにワイヤを供給するワイヤ供給機構と、前記ワイヤを巻取るワイヤ巻取機構とをワーク切断部と同数設け、更に前記ワーク切断部と同数設けられたワーク保持テーブルとを備え、前記ワーク保持テーブルは、前記ワイヤ列に対する昇降動が自在なベース板と、前記ベース板に並設されると共に該ベース板に回動自在に軸支されたワーク保持枠とを備えて構成され、前記ワーク保持枠をそれぞれ往復回転させることによりワーク自体を個別に独立して揺動円弧運動可能にした構成を採用したワイヤソーである。
本発明によれば、ワーク切断部毎に新線ワイヤが供給されるので、各ワーク切断部の切断能力が異なることが無く、安定に切断を行うことができ、磨耗した旧線ワイヤが供給されることによる各ワークの切断精度のばらつきを防止でき、ワイヤに掛かる負荷も軽減できるのでワイヤの断線も防止できる。
また、各ワーク切断部毎の切断時間が異なっても、遅い切断条件に従属させること無く効率の良い切断を行うことができる。
さらに、複数のワークについて異なる切断条件で切断テストを行いたい場合に、ワーク切断部毎に切断条件を変更でき、また、同一環境下での切断が行えるので、効率の良いテストを行うことができる。
また、ワークを個別に揺動円弧運動させるようにしたので、大型のワークであっても大型で高価なクロスローラベアリングを設ける必要がなく、コストが低減できる。また、装置剛性が必要な大型ワイヤソーにおいて、溝ローラの両端を支持する方式としてもワイヤソーを必要以上に大型化させることもなく揺動円弧運動させることができる。
また、ワークの幅方向の中心線上を基点にワークを個別に揺動円弧運動させるようにしたので、複数のワークを横並びに設けても、それぞれのワークの幅方向の中心線に対して左右対称にワークを切断することができ、ウエハの反りやウエハ面内の厚みばらつきの少ない精度の良い切断が行える。さらにワークに近い位置に揺動軸芯を設けるようにしたので、揺動円弧運動させるワークの回転半径を小さくでき、装置を小型化できると共に複数列のワークを切断する場合でも、装置が必要以上に大きくならない。
また、ワークを個別に揺動円弧運動させるようにしたので、複数のワークにそれぞれ異なる揺動条件を設定でき、また、複数のワーク切断部を設けても、そのワーク切断部毎に異なる揺動条件も設定できるので、揺動条件を変えた複数のテスト条件を1回の切断で行うことができ、効率の良いテストを行うことができる。
本発明のワイヤソーの全体構成を表した概略正面図である。 本発明のワイヤソーのワークボックス部の右側面図である。 図2のA−A方向の矢視図である。 本発明のワイヤソーのワーク保持テーブル部の平面図である。 図4のB−B方向の一部切欠き矢視図である。 図4のC−C方向の一部切欠き矢視図である。 本発明のワイヤソーのワーク保持テーブルの説明図である。 本発明のワイヤソーの揺動円弧運動の説明図である。 (a)及び(b)は揺動円弧運動の第2の実施形態を表す説明図である。 (a)及び(b)は従来のワイヤソーにおける揺動円弧運動を表す説明図である。
本発明のワイヤソーの一実施形態について図1乃至図6に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明のワイヤソーの全体構成を表す概略正面図である。図示中央には、ワークWを切断加工するワークボックス21が設けられ、このワークボックス21内に上下2組となるよう第1ワーク切断部11aと第2ワーク切断部11bが設けられている。この第1ワーク切断部11aには、複数の溝を有する1対の第1溝ローラ10aが設けられ、前記複数の溝に1本のワイヤ4が巻き掛けられてワイヤ列が形成されている。また、第2ワーク切断部11bには、同じく1対の第2溝ローラ10bが設けられ、第1ワーク切断部11aと同様にワイヤ列が形成されている。
前記第1溝ローラ10a及び第2溝ローラ10bは、それぞれ後述するモータ12a、12bを駆動源として回動自在になっており、1対の第1溝ローラ10a及び1対の第2溝ローラ10bにそれぞれ多列状に巻き掛けられたワイヤ4を一方向走行又は往復走行させるようになっている。
前記ワークボックス21の左側には、上段側に位置する前記1対の第1溝ローラ10aにワイヤ4を供給するワイヤ供給機構としての第1供給リール2aと、第1溝ローラ10aからワイヤ4を巻取って回収するワイヤ巻取機構としての第1巻取リール19aが設けられており、ワークボックス21の右側には、下段側に位置する前記1対の第2溝ローラ10bにワイヤ4を供給するワイヤ供給機構としての第2供給リール2bと、第2溝ローラ10bからワイヤ4を巻取って回収するワイヤ巻取機構としての第2巻取リール19bが設けられている。
また、前記第1ワーク切断部11a及び第2ワーク切断部11bのそれぞれ上部には、昇降モータ50a、50bにより昇降自在の第1ワーク保持テーブル30a及び第2ワーク保持テーブル30bが設けられ、それぞれのワーク保持テーブル30a、30bに保持されたワークWを前記ワイヤ列に押し付けるようになっている。
前記第1供給リール2a及び第2供給リール2bには、それぞれワイヤ4が巻き掛けられており、また、それぞれの供給リール2a、2bには、これらの供給リール2a、2bを回動させる供給リールモータ3及び巻取リールモータ20が接続されている。
前記第1供給リール2aから供給されたワイヤ4は、複数のガイドプーリ5を経由し、テンションプーリ8を経た後、張力を測定するロードセル9が接続されたガイドプーリを経て、1対の第1溝ローラ10a間に複数回巻き掛けられてワイヤ列を形成し、この後、複数のガイドプーリ17を経由してロードセル13の接続されたガイドプーリ、テンションローラ16、複数のガイドプーリ17、ワイヤ4をトラバースするトラバーサプーリ18を経て第1巻取リール19aに巻き取られるようになっている。上記と同様に第2供給リール2b側も構成されており、説明を省略する。
前記テンションローラ8(16)は、テンションアーム7(15)の一端に軸支され、他端側は例えばエンコーダ機能を内蔵するモータ6(14)が接続されており、このテンションアーム7(15)をモータ6(14)で揺動させることで所定の張力を付与するようになっている。
前記トラバーサプーリ18は、ワイヤ4を巻き取る際に、巻取リール19のリール軸に沿った前後方向に図示しない適宜の駆動源と制御機構によってワイヤ4をトラバースし、ワイヤ4巻取リール19a、19bに不規則に重ね巻きしないようになっている。
次にワークボックス21の詳細について図2乃至図6に基づいて以下に説明する。
図2は、ワークボックス21の一部を切欠いた右側面図であり、ワークボックス21を形成する機枠22が設けられており、この機枠22は、前方に立設された前方壁24と、後方に立設された後方壁70と、前記前方壁24と後方壁70との間の上方に設けられた上方壁71と、前記前方壁24と後方壁70との間の下方に設けられた下方壁73と、前記上方壁71と下方壁73の中間に設けられた中間壁72と、前記後方壁70の後方に併設された支持壁61とから構成されている。
前記ワークボックス21は、その中央部で前記中間壁72によって上下2段に仕切られ、中間壁72の上段側の前方壁24と後方壁70の間に中間壁72に沿って1対の第1溝ローラ10aが設けられ、その両端は、それぞれ前方壁24と後方壁70に軸支されている。また、中間壁72の下段側にも前方壁24と後方壁70の間に下方壁7に沿って1対の第2溝ローラ10bが設けられ、その両端が前方壁24と後方壁70に軸支されている。
前記第1溝ローラ10a及び第2溝ローラ10bの後端部にはスピンドル56a及び56bが設けられており、前記スピンドル56a、56bは、後方壁70に軸支されると共に後方壁70を貫通した後端部にそれぞれ従動プーリ54が固定されている。
前記1対の従動プーリ54、54の上方には駆動プーリ53が図3のように前記1対の従動プーリ54、54と三角形状をなすように配置されており、これら駆動プーリ53、従動プーリ54、54が第1溝ローラ10a、10a、第2溝ローラ10b、10bに対してそれぞれ設けられている。また、前記それぞれの駆動プーリ53、53には、支持壁61を介してモータ12a、12bが接続され、このモータ12a、12bを駆動することで溝ローラ10a、10bは、回動自在になっており、溝ローラ10a、10b、供給リール2a、2b及び巻取リール19a、19bを同期させて回転させることで溝ローラ10a、10bにそれぞれ巻き掛けられたワイヤ4が走行するようになっている。
前記ワーク保持テーブル30aは、図4及び図5のように前端部分が凹状に切欠かれたベース板31と、前記ベース板31の下方に設けられるワーク保持枠35と、前記ワーク保持枠35を挟むように前記ベース板31から鉛直方向に下垂して設けられ、前記ワーク保持枠35の両端を回動可能に軸支する2枚の側板33、40とから構成されている。
図2及び図3のように前記ベース板31は、機枠22の上方壁71と間隔を開けて平行に設けられ、その後端部分は、後方壁70に設けられた開口部23を挿通し、その後端に昇降枠26が後方壁70に沿って設けられている。また、後方壁70の開口部23の両脇には鉛直方向に2本のレール25a、25aが設けられ、前記昇降枠26の前面に設けられた上下左右4つのスライドガイド27がそれぞれのレール25aと摺動可能に嵌合することで前記昇降枠26は前記ベース板31と一体にレール25aに沿った昇降動が自在になっている。なお、適宜剛性を保つために、ベース板31と上方壁71間やベース板31と中間壁72との間にガイド部材等を設けることができる。
また、前記昇降枠26の背面に沿ってボールネジ28aが立設され、このボールネジ28aの上端側は上方壁71に軸支されると共に上方壁71を貫通した軸端に従動プーリ59が固定されている。また、前記従動プーリ59の近傍には、上方壁71の機枠22の上方に立設された支持枠51が設けられ、この支持枠51上に昇降モータ50aが設けられており、前記昇降モータ50aのモータ軸に設けられた駆動プーリ58と前記従動プーリ59間にタイミングベルト等のベルト60が張設されている。上記により、昇降モータ50aを駆動することで昇降枠26とベース板31は一体に昇降動するようになっている。なお、前記機枠22の開口部23は、ベース板31が挿通された周囲に適宜のシール部材(例えば、シャッター状でベース板31の昇降に伴ってシールされるようなもの)を用いてシールされ、スラリ等の加工液が装置内部に進入しないようになっている。
前記ワーク保持テーブル30bは、昇降機構のモータ50bがモータ50aとは上下逆に設けられている点以外は、第1ワーク保持テーブル30aと同様の構造をしているので、詳細は省略する。
図5及び図6のように前記ワーク保持枠35は、ワークWがダミー部材36を介して接着される上壁35aと、上壁35aの両端から鉛直下方に向けて設けられる2つの側壁35b、35bとからなり、両側壁35b、35bの下端側でワークWの長手方向となる縦軸のほぼ中心に相当する位置(ワークWの幅方向の中心線上)に両側壁35b、35bから外側に向けて回動軸41が軸止されている。両回動軸41、41の外側には前記両側壁35b、35bに沿って前方側に側板33が、後方側に側板40が併設されており、この側板33の上端は後述するように前後方向への移動が自在にベース板31に支持され、側板40の上端はベース板31に固定されている。
また、この両側板33、40の下端側に前記回動軸41とそれぞれ対向するようにチャック44が設けられ、このチャック44で回動軸41をチャックして保持するようになっている。このチャック44と回動軸41には、図示しない適宜の回り止め(例えばキーとキー溝)が設けられ、回動軸41を確実にチャック44で保持するようになっている。
前方側のチャック44の他端側には軸42が軸止され、この軸42が側板33に軸受43を介して軸支されると共に後方側のチャック44の他端側には軸45が軸止され、この軸45が側板40に軸受43を介して軸されることで、前記ワーク保持枠35が側板33、40の間でワークWの縦軸方向のほぼ中心に位置する回動軸41(揺動軸芯38)回りに回動自在になっている。
前記軸45は側板40を後方側に貫通し、この軸端に従動プーリ48が固定されており、ベース板31上に設けられた揺動モータ46のモータ軸に設けられた駆動プーリ47と前記従動プーリ48間にベルト49が張設されている。従って、ワーク保持枠35は、前記揺動モータ46の正逆転駆動により、図6のように揺動軸芯38を中心として揺動円弧運動するようになっている。
また、図4乃至図6のように前記ベース板31の上面で前方側凹部の両脇にはレール32、32が設けられており、T字状に形成された前記側板33の上端側左右の突出部の下面には、左右のスライドガイド34、34が設けられ、前記レール32、32とそれぞれ嵌合して摺動可能になっている。また、側板33の鉛直方向に伸びた下垂部は、前記ベース板31の凹部に嵌入されている。
また、前記ベース板31の上面で凹部の後縁部には開閉シリンダ39が設けられ、この開閉シリンダ39のシリンダ軸が、側板33の背面と接続されることで、開閉シリンダ39のシリンダ軸の伸縮によって側板33がレール32に沿って開閉するようになっている。なお、上記のベース板31の上方や、回動軸41などは加工液が進入しないように適宜、カバーやシールを設けておけば良い。
以上が、本発明のワイヤソーの構成であり、次に図7に基づいてワーク保持部材35のワーク保持テーブル30への装着方法を説明する。
図7(a)のようにまず、側板33を開閉シリンダ39のシリンダ軸の伸長により開放した状態にしておき、前記側板33と固定側の側板43との間にダミー部材36を介してワークWが保持されたワーク保持枠35を搬入し、このワーク保持枠35の軸41とチャック44が対向するように位置させる。
図7(b)のようにワーク保持枠35の後端側の軸41を固定側の側板43のチャック44に嵌入させる。
図7(c)のように、開閉シリンダ39のシリンダ軸を収縮させることで可動側の側板33を後退させてワーク保持テーブル30にワーク保持枠35を保持する。なお、前述のようにチャック44で軸41をチャックして保持することで、適宜の回り止めにより、チャック44と軸41は結合される。
以上が、ワーク保持テーブル30へのワーク保持部材35の装着方法であり、次にワークWの切断時の揺動円弧運動について図8に基づいて説明する。
図8は、ワイヤ列のワイヤ4を一方向走行又は往復走行させながら、ワークWを昇降モータ50の駆動で下降させてワイヤ列に送り込んで押し付けると共に揺動モータ46を正逆回転させることでワークWを揺動軸芯38を中心に揺動円弧運動させて切断している途中の状態を表す。
上記の揺動軸芯38は、ワークWの幅方向の中心線上(ワークWの長手方向となる縦軸方向のほぼ中心)に位置するので、ワークWの既切断部65は図示のように前記中心線に対して左右対称になり、切断後のウエハが反ったり、面精度が悪くなったりすることが無い。また、ワイヤ4とワークWの接触は、線接触から点接触に近付くので切断能力が向上する。
次に本発明のワイヤソーの第2の実施形態について図9(a)及び(b)に基づいて以下に説明する。
図9(a)のように本実施形態では、ワーク保持テーブル30にワークWを横方向に2列並べて切断するようになっている。
本実施形態においても、基本的な構成は、第1の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。なお、本実施形態において、開閉シリンダ39は1個のシリンダで共有しても良いし、必要に応じて2個設けても良く、揺動モータ46も1個のモータをプーリやギアを介して同期させて動かすようにしても良いし、左右異なった条件で切断したい場合では、2個の揺動モータ46を設けて、別々に駆動するようにしても良い。また、ワーク保持テーブル30も1つで共有するようにしても良いし、別々に昇降駆動するようにしても良い。
図9(b)は、左右のワークWを同一の揺動円弧運動で切断していく状態を表し、2本並列でワークWが装着されていても、ワークWがそれぞれワークWの幅方向中心線上に設けられた揺動軸芯38を中心に揺動円弧運動するので、それぞれのワークWが前記中心線に対して左右対称に切断され、精度の良い切断が行える。なお、揺動軸芯38は、ワークWの切断方向中心に位置するように設けることが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、左右対称でないワークを切断する場合などは、適宜形状に合わせて位置を変更すれば良い。しかし、ワークWの切断面から離れ過ぎると、揺動円弧運動の回転半径が大きくなって、装置自体が大型化することから、ワークWの切断面内に収まるようにすることが好ましい。
また、複数のワーク切断部11毎に上記ワーク保持テーブル30を設ければ、複数のワークWを同じ条件で揺動円弧運動させたり、また、複数のワークW毎に異なる条件で揺動円弧運動させたりすることができ、効率の良いテストが行える。さらには、複数のワーク切断部11毎にワーク保持テーブル30の送り込み量を変えたり、ワイヤ供給量やワイヤ線速を変えた複合的なテストも1回の切断テストで行うことができるので同一環境下での複合テストが効率良く行える。
なお、上記各実施形態においては揺動円弧運動を左右均等に行うようにしたが、左右の揺動角度を異なるようにしたり、ワークWを傾斜した状態で切断するようにしたり、切断途中に揺動角度を変化させたりすることも可能である。また、ワイヤ4の走行方向とワークWの傾斜方向を一致させるように同期を取った制御を行ったりすることも可能である。
また、ワークWを2列以上に併設することも可能であり、溝ローラ10も2本で1対ではなく、3本以上の溝ローラを1対としてワイヤ列を形成するようにしても良い。また、ワーク切断部も2組でなく、3組以上設け、それぞれのワーク切断部毎に個別にワイヤ供給機構を設けることもできる。
以上が、本発明の実施形態であるが、本発明はこれらに限定されず、発明の範囲内で適宜の変更が行なえる。
W ワーク
1 ワイヤソー
2a (第1)供給リール
2b (第2)供給リール
3 供給リールモータ
4 ワイヤ
5 ガイドプーリ
6 モータ
7 テンションアーム
8 テンションプーリ
9 ロードセル
10 溝ローラ
10a 第1溝ローラ
10b 第2溝ローラ
11 ワーク切断部
11a 第1ワーク切断部
11b 第2ワーク切断部
12a モータ
12b モータ
13 ロードセル
14 モータ
15 テンションアーム
16 テンションローラ
17 ガイドプーリ
18 トラバーサ
19a (第1)巻取リール
19b (第2)巻取リール
20 巻取リールモータ
21 ワークボックス
22 機枠
23 開口部
24 前方壁
25a レール
25b レール
26 昇降板
27 スライドガイド
28a ボールネジ
28b ボールネジ
29 ナット部材
30a (第1)ワーク保持テーブル
30b (第2)ワーク保持テーブル
31 ベース板
32 レール
33 側板
34 スライドガイド
35 ワーク保持枠
35a 上壁
35b 側壁
36 ダミー部材
37 回動軸
38 揺動軸芯
39 開閉シリンダ
40 側板
41 回動軸
42 軸
43 軸受
44 チャック
45 軸
46 揺動モータ
47 駆動プーリ
48 従動プーリ
49 ベルト
50a 昇降モータ
50b 昇降モータ
51 支持枠
53 駆動プーリ
54 従動プーリ
55 ベルト
56a スピンドル
56b スピンドル
57 支持枠
58 駆動プーリ
59 従動プーリ
60 ベルト
61 支持壁
65 既切断部
66 未切断部
70 後方壁
71 上方壁
72 中間壁
73 下方壁
80 ワーク切断部
81 溝ローラ
82 ワイヤ
83 ワーク保持テーブル
84 貼付ベース
85 ダミー部材
86 ワーク
87 揺動軸芯
88 既切断部
89 未切断部

Claims (2)

  1. 複数本の溝ローラ間にワイヤを多列状に巻き掛けて形成されたワイヤ列にワークを押し付けて、前記ワイヤを一方向走行又は往復走行させることにより、前記ワークを多数枚に切断するワイヤソーにおいて、
    前記複数の溝ローラ間に形成されたワイヤ列を有する少なくとも1つのワーク切断部と
    記ワーク切断部に並列に設けられた複数のワーク保持テーブルとを有し、
    前記ワーク保持テーブルは、
    前記ワイヤ列に対する昇降動が自在なベース板と、
    前記ベース板に並設されると共に該ベース板に回動自在に軸支されたワーク保持枠とを備えて構成され、
    前記ワーク保持枠をそれぞれ往復回転させることによりワーク自体を個別に独立して揺動円弧運動可能にしたことを特徴とするワイヤソー。
  2. 複数本の溝ローラ間にワイヤを多列状に巻き掛けて形成されたワイヤ列にワークを押し付けて、前記ワイヤを一方向走行又は往復走行させることにより、前記ワークを多数枚に切断するワイヤソーにおいて、
    前記1対の溝ローラが複数組設けられ、これら複数組の各1対の溝ローラ間に1本宛のワイヤが多列状に巻き掛けられることによってワイヤ列が各1対の溝ローラ間のそれぞれに形成された少なくとも2組からなるワーク切断部と、
    前記複数組の各1対の溝ローラ間のそれぞれにワイヤを供給するワイヤ供給機構と、前記ワイヤを巻取るワイヤ巻取機構とをワーク切断部と同数設け、
    更に前記ワーク切断部と同数設けられたワーク保持テーブルとを備え、
    前記ワーク保持テーブルは、
    前記ワイヤ列に対する昇降動が自在なベース板と、
    前記ベース板に並設されると共に該ベース板に回動自在に軸支されたワーク保持枠とを備えて構成され、
    前記ワーク保持枠をそれぞれ往復回転させることによりワーク自体を個別に独立して揺動円弧運動可能にしたことを特徴とするワイヤソー。
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