JP6173149B2 - ワイヤソー及びワイヤによるワークの切断方法 - Google Patents

ワイヤソー及びワイヤによるワークの切断方法 Download PDF

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Description

本発明は、走行させたワイヤをワークに押し当ててそのワークを切断するワイヤソー及びワイヤによるワークの切断方法に関するものである。
従来から、ダイヤモンド等の砥粒を電着や樹脂によって芯線に固定した固定砥粒ワイヤを走行させ、そのワイヤをワークに接触させてそのワークを切断するワイヤソーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このワイヤソーでは、ワイヤ供給部からワイヤを繰出し、そのワイヤをワイヤ回収部において巻き取るようにしており、その間を移動するワイヤをワークに接触させて切断するように構成される。
ここで、ワイヤ供給部とワイヤ回収部の間を移動する一本のワイヤは、複数の多溝ローラ間に掛け回されて、並列状で同一方向に走行するよう引き回される。このように引き回されて形成された複数のワイヤからなる切断部にワークを押し当てることにより、そのワークを多数の薄片に同時に切断加工し得るとしている。
一方、このようなワイヤソーにおいて、効率の良い切断を得るには、切断部を構成するワイヤの張力を適度の範囲に維持しなければならないが、ワイヤが過度に緊張すると断線を生じることになる。そこで、上記特許文献1におけるワイヤソーは、ワイヤ供給部における供給側リールとワイヤ回収部における回収側リールに圧接させるローラを別に備えており、供給側及び巻取側の両圧接ローラを駆動させて供給側リールと回収側リールを間接的に駆動させ、供給側リールと回収側リール間で同期が取り切れずに発生する張力変化を、圧接ローラをスリップさせて吸収し、ワイヤの張力を安定させるようにしている。
特開平11−291154号公報
しかし、複数の多溝ローラを用いて一本のワイヤを並列状で同一方向に走行するよう引き回して切断部を形成し、その切断部におけるワイヤにワークを押し当てると、ワーク供給部から繰出されてワークに接触したワイヤは、その抵抗によりその後の張力が変動し、一本のワイヤを並列状に引き回して形成され、同時にワークを切断する複数の切断部の全ての張力を均一にすることはできないという不具合があった。
本発明の目的は、一本のワイヤを引き回して形成されたワークを切断する複数の切断部の張力を均一にし得るワイヤソー及びワイヤによるワークの切断方法を提供することにある。
本発明は、ワイヤを繰出すワイヤ供給部と、繰出されたワイヤを回収するワイヤ回収部と、ワイヤ供給部とワイヤ回収部の間の移動途中のワイヤを引き回すことにより形成されたワークを切断する複数の切断部とを備えたワイヤソーの改良である。
その特徴ある構成は、ワイヤ供給部とワイヤ回収部の間のワイヤが掛け回され又は巻回されて回転することによりワイヤを一定の速度で移動させる送りキャプスタンと、ワイヤ供給部に設けられ送りキャプスタンより前側のワイヤが掛け回され又は巻回されて回転することにより前側ワイヤの張力を調整する前側張力調整用キャプスタンと、ワイヤ回収部に設けられ送りキャプスタンより後側のワイヤが掛け回され又は巻回されて回転することにより後側ワイヤの張力を調整する後側張力調整用キャプスタンとを備え、前側張力調整用キャプスタンと送りキャプスタンとの間を移動する前側ワイヤ及び送りキャプスタンと後側張力調整用キャプスタンの間を移動する後側ワイヤによりワークを切断する切断部が形成されたところにある。
この場合、前側ワイヤのワークを切断する前後における張力を検出する第1及び第2ロードセルと、後側ワイヤのワークを切断する前後における張力を検出する第3及び第4ロードセルと、第1及び第2ロードセルの検出出力により前側張力調整用キャプスタンの回転を制御し、第3及び第4ロードセルの検出出力により後側張力調整用キャプスタンの回転を制御するコントローラとを更に備えることが好ましい。
また、このワイヤソーには、内部にワークを収容するハウジングが設けられ、送りキャプスタンがハウジングの外部に露出して設けられることが好ましく、ハウジングの内部に、ワークを搭載して昇降させる昇降機と、昇降機上方に設けられてワイヤを引き回す複数のプーリと、複数のプーリの一部又は全部を移動させるアクチュエータと、が設けられることが更に好ましい。
また、別の本発明は、ワイヤ供給部から繰出され、ワイヤ回収部に巻き取られるワイヤによりワークを切断するワークの切断方法の改良である。
その特徴ある点は、ワイヤ供給部とワイヤ回収部の間のワイヤを送りキャプスタンに巻回して送りキャプスタンを回転させることによりワイヤを一定の速度で移動させ、送りキャプスタンより前側のワイヤの張力を前側張力調整用キャプスタンにより調整し、送りキャプスタンより後側のワイヤの張力を後側張力調整用キャプスタンにより調整し、前側張力調整用キャプスタンと送りキャプスタンとの間を張力が調整されて移動する前側ワイヤ及び送りキャプスタンと後側張力調整用キャプスタンの間を張力が調整されて移動する後側ワイヤによりワークを切断するところにある。
1本のワイヤを折り返して2本とし、その2本のワイヤでワークを切断すると、先にワークを切断する前側ワイヤの切断加工持に生じる抵抗が、その後にワークを切断する後側ワイヤに加わり、切断加工を行う前ワイヤと後ワイヤの張力が異なる事態を生じさせる。本発明のワイヤソー及びワイヤによるワークの切断方法にあっても、1本のワイヤを送りキャプスタンにより移動させる。
けれども、本発明では、前側張力調整用キャプスタンの回転を制御して前側ワイヤの張力を調整し、後側張力調整用キャプスタンの回転を制御して後側ワイヤの張力を調整するので、その前側ワイヤと後側ワイヤの張力を別々に調整することが可能になる。このため、同時にワークを切断する前側ワイヤと後側ワイヤの張力を適度の範囲において均一にすることにより、より安定したワークの切削加工を可能にすることができることになる。
特に、前側ワイヤのワークを切断する前後における張力を検出する第1及び第2ロードセル、及び後側ワイヤのワークを切断する前後における張力を検出する第3及び第4ロードセルの検出出力により、前側及び後側張力調整用キャプスタンの回転を制御し、第1と第3ロードセルの値が等しくなるとともに、第2と第4ロードセルの値も等しくなるように前側ワイヤ及び後ろ側ワイヤの張力を調整すれば、より確実に均一化させた切断加工を得ることが可能になる。
また、送りキャプスタンをハウジングの外部に露出して設ければ、ワイヤの配索作業やその保守点検が容易となり、ワイヤを引き回す複数のプーリを移動させるアクチュエータを設えれば、大きさや形が異なるワークを所望の位置や形で切断することが可能になる。
本発明実施形態のワイヤソー及びワイヤによるワークの切断方法示す構成図である。 そのワイヤソーの正面図である。 そのワイヤソーの上面図である。 そのワイヤソーの斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 そのハウジング内部のプーリとアクチュエータを示す斜視図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に本発明のワイヤソー10の構成を示す。本発明のワイヤソー10は、ワイヤ11を繰出すワイヤ供給部と、繰出されたワイヤ11を回収するワイヤ回収部と、それらの間の切断部とを有する。切断部は、ワイヤ供給部とワイヤ回収部の間の移動途中のワイヤ11に形成されてワーク12を切断するように構成される。
図2〜図4に、その構成を有する具体的なワイヤソー10を示す。このワイヤソー10は、ワイヤ供給部を構成するワイヤ繰出装置20と、ワイヤ回収部を構成するワイヤ回収装置120と、ワイヤ繰出装置20から繰出されてワイヤ回収装置120に回収される移動途中のワイヤ11が内部に引き回される加工機本体40とを備える。各図において、互いに直交するX、Y及びZの3軸を設定し、X軸が略水平前後方向、Y軸が略水平横方向、Z軸が鉛直方向に延びるものとし、このワイヤソー10の構成について説明する。
なお、ワイヤ繰出装置20と加工機本体40とワイヤ回収装置120はY軸方向にこの順序に並んで設けられ、ワイヤ繰出装置20とワイヤ回収装置120は対称構造をなしてその構造が等しく作られる。この対称構造をなすワイヤ繰出装置20とワイヤ回収装置120は、それぞれ正転方向と逆転方向がある。
即ち、ワイヤ繰出装置20がワイヤを繰出し、ワイヤ回収装置120がワイヤを回収する場合を正転方向とすると、逆転方向の場合はワイヤ回収装置120が繰出装置として機能し、ワイヤ繰出装置20が回収装置として機能する。この場合、ワイヤ11の繰出しと回収の作動が逆になるだけのものであるので、本実施の形態においては、正転方向におけるワイヤ繰出装置20に関する説明を中心に行い、ワイヤ回収装置120にあっては、ワイヤ繰出装置20に付された符号に100を加えた符号を付し、同様にリール22〜回転モーター34に付された符号に100を加えた符号を付すものとして、その詳細な説明は省略するものとする。また、正転方向における説明として、後述する繰出側張力調整用キャプスタン31、回収側張力調整用キャプスタン131のように、必要に応じて、「繰出側」、「回収側」等の表現を用い、図1に示す矢印の方向を正転方向として以下に説明する。
図2〜図4に示すように、ワイヤ繰出装置20は、複数の取付脚21aとを有する台板21を備える。この台板21は伸長された複数の取付脚21aを介して水平に設置可能に構成される。この台板21には軸方向をX軸方向に向けるリール22が設けられる(図2)。このリール22は、ワイヤ11をその巻胴部に巻回して貯線するものであり、リール22の回転軸がX軸方向を向いて支持台23に回転可能に設けられる。そして、この支持台23は、リール22を回転可能に支持した状態で、そのリール22の軸方向(X軸方向)に移動可能に台板21に取付けられる。
ここで、このリール22に巻回されるワイヤ11は、この実施の形態では、いわゆるワイヤソー10として使用される固定砥粒ワイヤ11から成るものである。この固定砥粒ワイヤ11は、芯線であるワイヤの周囲にダイヤモンド等の砥粒を電着や樹脂によって固定したものである。なお、ワイヤは、この固定砥粒ワイヤ11に限らず、ワーク12を切断可能である限り、他のものであっても良い。
図示しないが、支持台23には、リール22を回転させる繰出しモータが設けられる。この実施の形態における繰出しモータは、供給用リール22の回転速度を変更可能なサーボモータであり、この繰出しモータには図示しないコントローラの制御出力が接続される。そして、コントローラからの指令に基づいて繰出しモータが供給用リール22を所定の速度で回転させることにより、リール22からワイヤ11を繰出すように構成される。
この台板21の上面には、箱体24が組みつけられ(図3)、リール22の上方における箱体24の前面には、X軸に直交してYZ平面に平行な鉛直板25が取付けられる。この鉛直板25には、図2に示すように、リール22から繰出されたワイヤ11のX軸方向(リール22の軸方向)における位置を検出する位置検出手段26が設けられる。
この位置検出手段26は、揺動板26cに枢支されてリール22から上方に繰出されたワイヤ11が掛け回される一対の掛け回しローラ26a,26bと、揺動板26cの基準位置に対する回転角度を検出する図示しない角度検出センサとを備える。
そして、一対の掛け回しローラ26a,26bは揺動板26cのY軸方向の他端に鉛直方向に上下に並んで設けられる。また、揺動板26cは、鉛直板25に平行であって一対の掛け回しローラ26a,26bがリール22の上方に位置した状態で、そのY軸方向の一端が鉛直軸(Z軸)に平行な回転軸を中心に、鉛直板25に揺動可能に枢支される。
リール22から上方に向かうワイヤ11は、位置検出手段26における一対の掛け回しローラ26a,26bにS字状に掛け回される。このため、リール22からのワイヤの繰出し位置が、X軸方向にずれると揺動板26cが揺動することになる。これにより、図示しない角度センサがその揺動を検出すると、リール22を支持する支持台23をX軸方向に移動させて、リール22からのワイヤ11の繰出し位置を常に一定にするように構成される。
鉛直板25には、位置検出手段26の一対の掛け回しローラ26a,26bに掛け回されて通過したワイヤ11に一定の張力を付与する張力装置27が設けられる。この張力装置27は、一対の掛け回しローラ26a,26bを通過したワイヤ11がS字状に掛け回される一対のガイドローラ27a,27bと、その一対のガイドローラ27a,27bが両端に枢支されて、その一対のガイドローラ27a,27bの中間を中心として回転可能に鉛直板25に枢支されたダンサーアーム27cと、そのダンサーアーム27cを所定のトルクで回転させようとする図示しないトルク用モータとを備える。
そして、トルク用モータとしては、トルク制御により一定のトルクを生じさせるサーボモータが用いられ、このトルク用モータにより付与されるダンサーアーム27cの回転しようとする付勢力によって、その両端に設けられた一対のガイドローラ27a,27bに掛け回されたワイヤ11に所定の張力を与えるように構成される。
ここで、符号28で示す鉛直板25に設けられたローラは、揺動板26cに組み込まれているローラ26aに無理な負荷がかからない位置へワイヤ11を繰出すためのローラである。また、符号29は、その鉛直板25に設けられて位置検出手段26と張力装置27の間のワイヤ11が掛け回され、その間のワイヤ11の張力を検出する繰出ワイヤ用ロードセル29である。
一対のガイドローラ27a,27bに掛け回されたワイヤ11は、その後、鉛直板25に設けられた繰出側張力調整用キャプスタン31を介して繰出されることになる。
このワイヤ繰出装置20からY軸方向に離間して設けられたワイヤ回収装置120では、そのワイヤ11は最初に回収側張力調整用キャプスタン131に掛け回され、その後、ワイヤ回収装置120における張力装置127,回収ワイヤ用ロードセル129及び位置検出手段126を通過した後、その回収側リール122に巻回されるように構成される。
このように構成されたワイヤ繰出装置20とワイヤ回収装置120の間に設けられた加工機本体40は、ワイヤ繰出装置20から繰出されてワイヤ回収装置120に回収される移動途中のワイヤ11を内部に引き入れるものである。
このため、この加工機本体40は、その移動するワイヤ11によって切断される被切断対象物であるワーク12を収容するハウジング41を備える。このハウジング41は複数の取付脚41aを有する箱体であって、正面の上部には、ワーク12を挿脱する扉41b,41cが設けられる。
図2に示すように、このハウジング41の内部には、その底部に被切断対象となるワーク12を上部に搭載して昇降させる昇降機42が設けられる。この昇降機42は、ワーク12を実際に搭載する搭載台42aと、この搭載台42aが上端に設けられた支持脚42dと、この支持脚42dを搭載台42aとともに昇降させる昇降本体42bとを備え、搭載台42aと昇降本体42bの間の支持脚42dは、蛇腹状のホース42cにより包囲されて、切削時にワーク12に降りかけられる切削オイルの浸入を防止するように構成される。
また、後述するけれども、ハウジング41の内部であって、昇降機42上方には移動途中のワイヤ11を引き回す複数のプーリ43(図6)と、これら複数のプーリ43の一部又は全部を移動させるアクチュエータ44(図6)とが設けられる。
図1に示すように、本発明のワイヤソー10の特徴ある構成は、ワイヤ供給部とワイヤ回収部の間のワイヤ11が掛け回され又は巻回されるキャプスタン46が設けられ、ワイヤ供給部に繰出側張力調整用キャプスタン31が設けられ、ワイヤ回収部に回収側張力調整用キャプスタン131が設けられたところにある。そして、本発明のワイヤソー10は、繰出側張力調整用キャプスタン31と送りキャプスタン46との間を移動する前側ワイヤ11a、及び送りキャプスタン46と回収側張力調整用キャプスタン131の間を移動する後側ワイヤ11bによりワーク12を切断するように構成される。
送りキャプスタン46は、ワイヤ供給部とワイヤ回収部の間の移動途中のワイヤ11が掛け回され又は巻回されて回転することによりそのワイヤ11を移動させるものであり、図2〜図5に示すように、この送りキャプスタン46は加工機本体40を構成するハウジング41の外部に露出して設けられる。具体的に、送りキャプスタン46は、ハウジング41のワイヤ回収装置120側の側壁に設けられる。
この送りキャプスタン46は、ワイヤ11が掛け回され又は巻回されるものであり、図4及び図5に示すように、その側壁には、そのワイヤ11を送りキャプスタン46に掛け回すための一対の掛け回しローラ47,48が送りキャプスタン46の近傍に設けられる。
この送りキャプスタン46は、ワイヤ11を常時一定の速度で移動させるものであり、その側壁には、この送りキャプスタン46を回転させる駆動モータ49が設けられる。この実施の形態における駆動モータ49は、送りキャプスタン46の回転速度を変更可能なサーボモータであり、この駆動モータ49には図示しないコントローラの制御出力が接続される。そして、コントローラは駆動モータ49を介して送りキャプスタン46を常に一定の速度で回転させ、そこに掛け回され又は巻回されたワイヤ11を常時同一の速度で移動させるように構成される。
図1に戻って、この実施の形態におけるワイヤソー10は、前側ワイヤ11aのワーク12を切断する前後における張力を検出する第1及び第2ロードセル51,52と、後側ワイヤ11bのワーク12を切断する前後における張力を検出する第3及び第4ロードセル53,54とを備える。
図2に示すように、第1ロードセル51は、ハウジング41のワイヤ繰出装置20側の側壁に設けられ、図4及び図5に示すように、第2〜第4ロードセル52〜54は、そのハウジング41のワイヤ回収装置120側の側壁に設けられる。
具体的に、第1ロードセル51は、ワイヤ繰出装置20から繰出されたワイヤ11であってハウジング41の内部に引き込まれる直前のワイヤ11が掛け回されるようにハウジング41の側壁に設けられる。
図5に示すように、第2ロードセル52は、ハウジング41の内部から引き出されて送りキャプスタン46に向かうワイヤ11が掛け回されるようにハウジング41の側壁に設けられ、第3ロードセル53は、その送りキャプスタン46から再びハウジング41の内部に向かうワイヤ11が掛け回されるようにハウジング41の側壁に設けられる。第4ロードセル54は、ハウジング41の内部から引き出されてワイヤ回収装置120に向かうワイヤ11が掛け回されるようにハウジング41の側壁に設けられる。
図2〜図4に示すように、ワイヤ繰出装置20の鉛直板25に設けられた繰出側張力調整用キャプスタン31は、送りキャプスタン46より前側のワイヤ11が掛け回され又は巻回されて回転することにより、繰出側張力調整用キャプスタン31と送りキャプスタン46の間の前側ワイヤ11aの張力を調整するものである。このため、その鉛直板25には、そのワイヤ11を繰出側張力調整用キャプスタン31に掛け回すための一対の掛け回しローラ32,33が繰出側張力調整用キャプスタン31の近傍に設けられる。
そして、その鉛直板25には、この繰出側張力調整用キャプスタン31を回転させる前側回転モータ34が設けられる。この実施の形態における前側回転モータ34は、繰出側張力調整用キャプスタン31の回転速度を変更可能なサーボモータであり、この前側回転モータ34にも、図示しないコントローラの制御出力が接続される。
一方、ワイヤ回収装置121の鉛直板125に設けられた回収側張力調整用キャプスタン131は、送りキャプスタン46より後側のワイヤ11が掛け回され又は巻回されて回転することにより、送りキャプスタン46と回収側張力調整用キャプスタン131の間の後側ワイヤ11bの張力を調整するものである。このため、その鉛直板125には、そのワイヤ11を回収側張力調整用キャプスタン131に掛け回すための一対の掛け回しローラ132,133が回収側張力調整用キャプスタン131の近傍に設けられる。
そして、その鉛直板125には、この回収側張力調整用キャプスタン131を回転させる後側回転モータ134が設けられる。
この実施の形態における後側回転モータ134にあっても、回収側張力調整用キャプスタン131の回転速度を変更可能なサーボモータであり、この後側回転モータ134にも、図示しないコントローラの制御出力が接続される。
図1に示すように、ハウジング41(図2)に設けられた第1及び第2ロードセル51,52は、前側ワイヤ11aのワーク12を切断する前後における張力を検出するものであり、第3及び第4ロードセル53,54は、後側ワイヤ11bのワーク12を切断する前後における張力を検出するものである。そして、第1〜第4ロードセル51〜54の検出出力は、図示しないコントローラに接続される。
そして、このコントローラは、第1及び第2ロードセル51,52の検出出力により前側回転モータ34を介して繰出側張力調整用キャプスタン31の回転を制御し、繰出側張力調整用キャプスタン31と送りキャプスタン46との間を移動する前側ワイヤ11aの張力を調整するように構成される。
また、そのコントローラは、第3及び第4ロードセル53,54の検出出力により後側回転モータ134を介して回収側張力調整用キャプスタン131の回転を制御し、送りキャプスタン46と回収側張力調整用キャプスタン131との間を移動する後側ワイヤ11bの張力を調整するように構成される。
即ち、1本のワイヤ11を送りキャプスタン46により一定の速度で移動させ、その送りキャプスタン46の前後におけるワイヤ11でワーク12を切断すると、先にワーク12を切断する前側ワイヤ11aの切断加工持に生じる抵抗が、その後にワーク12を切断する後側ワイヤ11bに加わり、切断加工を行う前側ワイヤ11aと後側ワイヤ11bの張力が異なる事態を生じさせる。
けれども、本発明では、繰出側張力調整用キャプスタン31の回転を制御して前側ワイヤ11aの張力を調整し、回収側張力調整用キャプスタン131の回転を制御して後側ワイヤ11bの張力を調整するので、その前側ワイヤ11aと後側ワイヤ11bの張力を別々に調整することが可能になる。これにより、同時にワーク12を切断する前側ワイヤ11aと後側ワイヤ11bの張力を均一にすることにより、より安定したワーク12の切削加工を可能にすることができるものになる。
特に、第1及び第2ロードセル51,52は、前側ワイヤ11aのワーク12を切断する前後における張力を検出するものであり、第3及び第4ロードセル53,54は、後側ワイヤ11bのワーク12を切断する前後における張力を検出するものであるので、第1と第3ロードセル51,53の値が等しくなるとともに、第2と第4ロードセル52,54の値も等しくなるように前側ワイヤ11a及び後側ワイヤ11bの張力を調整することにより、より確実に均一化させた切断加工を得ることが可能になる。ここで、ワイヤ11の移動速度は送りキャプスタン46により一定とされるので、張力調整に伴ってワイヤ11の移動速度が変化することはない。
送りキャプスタン46の回転によりワイヤ11が移動すると、繰出側張力調整用キャプスタン31の回転により、ワイヤ繰出装置20におけるリール22からワイヤ11が繰出される。ワイヤ11の移動量に対して繰出リール22からの繰出し量が増加すると、張力装置27における一対のガイドローラ27a,27bに掛け回されるワイヤ11の全長が増加することにより、図2ではダンサーアーム27cが実線矢印で示す左方向に回転することになる。
逆に、繰出リール22からのワイヤ11の繰出し量が減少すると、一対のガイドローラ27a,27bに掛け回されるワイヤ11の全長も減少するので、図2ではダンサーアーム27cが破線矢印で示す右方向に回転することになる。
このダンサーアーム27cの中立位置からの回転は図示しないエンコーダにより検出され、この検出出力に基づいてコントローラは繰出リール22を回転させる図示しないモータを制御し、リール22の回転速度を変更調整してワイヤ11の繰出し量を送りキャプスタン46の移動量と同一になるように調整し、ダンサーアーム27cが中立位置に維持されるように構成される。
一方、ワイヤ回収装置120では、回収側張力調整用キャプスタン131が回転することによりワイヤ11を回収して、その回収側リール122に巻回させることになる。その回収側リール122の回収量が減少すると、張力装置127における一対のガイドローラ127a,127bに掛け回されるワイヤ11の全長が増加し、ダンサーアーム27cが実線矢印で示すに右方向に回転する。
逆に、回収リール122への回収量が増加すると、一対のガイドローラ127a,127bに掛け回されるワイヤ11の全長も減少して、ダンサーアーム27cが破線矢印で示す左方向に回転する。
このダンサーアーム27cの中立位置からの回転は図示しないエンコーダにより検出され、この検出出力に基づいてコントローラは回収リール122を回転させるモータを制御し、回収リール122の回転速度を変更調整してワイヤ11の回収量を送りキャプスタン46によるワイヤ11の移動量と同一になるように調整し、ダンサーアーム127cが中立位置に維持されるように構成される。
また、ワイヤ供給部とワイヤ回収部の間のワイヤ11を引き込む加工機本体40では、ハウジング41の内部に引き回されたワイヤ11の移動速度は送りキャプスタン46の回転により常時一定であり、ハウジング41の内部において、前側ワイヤ11aと後側ワイヤ11bは複数のプーリ43により掛け回される。図6にこのプーリ43と、その全部又は一部を移動させるアクチュエータ44を示す。具体的には、ハウジング41内部のワーク12の上方には天板41d(図2)が設けられ、その天板41dにアクチュエータ44が設けられる。
図6では、前側ワイヤ11aがX軸方向の扉41b,41c(図2)に近い手前側に引き回され、後側ワイヤ11bが、その奥側に引き回される場合を示し、ワイヤ11を引き回すプーリ43が上下に枢支された4本のステー56〜59が設けられる。具体的には、X軸方向の扉41b,41c側にY軸方向に並んで2本の第1及び第2ステー56,57が設けられ、その2本の第1及び第2ステー56,57に枢支されたプーリ43が前側ワイヤ11aを引き回すものである。
また、扉41b,41cから離れる側にY軸方向に並んで2本の第3及び第4ステー58,59が設けられ、その2本の第3及び第4ステー58,59に枢支されたプーリ43が後側ワイヤ11bを引き回すものである。
アクチュエータ44は、これら4本のステー56〜59を介して複数のプーリ43を移動可能に構成され、この実施の形態では第1ステー56は天板41dに移動不能に固定される。
一方、第2ステー57はアクチュエータ44によりY軸方向及びZ軸方向の双方に移動可能に構成され、第1及び第2ステー56,57に枢支されたプーリ43に掛け回されてワーク12を切断することになる前側ワイヤ11aは、その第1及び第2ステー56,57間のY軸方向の距離により全長が可変可能に構成され、第2ステー57がZ軸方向に昇降することにより水平方向から傾斜可能に構成される。
また、アクチュエータ44は、第3ステー58をX軸方向に移動可能に構成され、第4ステー59を3軸方向のいずれの方向にも移動可能に構成される。
このため、第3及び第4ステー58,59に枢支されたプーリ43に掛け回されてワーク12を切断することになる後側ワイヤ11bは、その第3及び第4ステー58,59間のY軸方向の距離により全長が可変可能に構成され、第3及び第4ステー58,59のいずれか一方がZ軸方向に昇降することにより水平方向から傾斜可能に構成される。
また、この第3及び第4ステー58,59をX軸方向に移動させて第1及び第2ステー56,57との間のX軸方向における距離を変更すると、前側ワイヤ11aと後側ワイヤ11bの距離を変更可能に構成される。
次に、本発明のワイヤによるワークの切断方法について説明する。
本発明のワイヤによるワークの切断方法は、図1に示すように、ワイヤ供給部から繰出され、ワイヤ回収部に巻き取られるワイヤ11によりワーク12を切断する方法であって、ワイヤ供給部とワイヤ回収部の間のワイヤ11を送りキャプスタン46に巻回して送りキャプスタン46を回転させることによりワイヤ11を移動させ、送りキャプスタン46より前側のワイヤ11の張力を繰出側張力調整用キャプスタン31により調整し、送りキャプスタン46より後側のワイヤ11の張力を回収側張力調整用キャプスタン131により調整し、繰出側張力調整用キャプスタン31と送りキャプスタン46との間を張力が調整されて移動する前側ワイヤ11a及び送りキャプスタン46と回収側張力調整用キャプスタン131の間を張力が調整されて移動する後側ワイヤ11bによりワーク12を切断することを特徴とする。
図2〜図4に示すワイヤソー10を用いた場合には、先ず、ハウジング41の前面に設けられた扉41b,41cを開放して切断対象物であるワーク12を昇降機42の搭載台42aに搭載する(図2)。それとともに、ワイヤ繰出装置20から繰出されたワイヤ11をハウジング41の内部に引き回して、送りキャプスタン46に掛け回す又は巻回する。
その後ハウジング41の外部に引き出されたワイヤ11をワイヤ回収装置120により回収させる。このとき、送りキャプスタン46をハウジング41の外部に露出して設けているので、ワイヤ11を引き回す等の配索作業は比較的容易になり、その後の切断加工作業途中における保守点検も容易となる。
そして、図6に示すように、ハウジング41の内部に設けられてワイヤ11を引き回す複数のプーリ43をアクチュエータ44により移動させ、実際にワーク12を切断することになる前側ワイヤ11a及び後側ワイヤ11bを所望の長さや位置に調整する。
図2に戻って、その状態で送りキャプスタン46を一定の速度で回転させ、そこに掛け回され又は巻回されたワイヤ11を常時同一の速度で移動させる。すると、ワイヤ繰出装置20に設けられた繰出側張力調整用キャプスタン31も回転し、そのワイヤ繰出装置20におけるリール22からワイヤ11が順次繰出される。その一方で、ワイヤ回収装置120では、回収側張力調整用キャプスタン131が回転し、ワイヤ11を回収側リール122に巻回させて回収することになる。
送りキャプスタン46を回転させると、ハウジング41内部に引き回された前側ワイヤ11a及び後側ワイヤ11bはそれぞれが長手方向に移動するので、この状態で昇降機42は搭載台42aとともにワーク12を上昇させる。そして、長手方向に移動する前側ワイヤ11a及び後側ワイヤ11bの双方にワーク12を接触させる。その後もワーク12を上昇させることにより、ワイヤ11によりそのワーク12を切断する。
一方、ワーク12を切断する際に、そのワーク12を切断する前側ワイヤ11aの張力を繰出側張力調整用キャプスタン31により調整し、その前側ワイヤ11aとともにワーク12を切断する後側ワイヤ11bの張力を回収側張力調整用キャプスタン131により調整する。
そして、繰出側張力調整用キャプスタン31と送りキャプスタン46との間を張力が調整されて移動する前側ワイヤ11a及び送りキャプスタン46と回収側張力調整用キャプスタン131の間を張力が調整されて移動する後側ワイヤ11bによりワーク12を切断する。
ここで、ワーク12を実際に切断することになる前側ワイヤ11aと後側ワイヤ11bは1本のワイヤ11から成るので、先にワーク12を切断する前側ワイヤ11aの切断加工持に生じる抵抗が、その後にワーク12を切断する後側ワイヤ11bに加わり、切断加工を行う前側ワイヤ11aと後側ワイヤ11bの張力が異なる事態を生じさせる。
けれども、本発明のワイヤによるワークの切断方法では、送りキャプスタン46の回転を基準とし、繰出側張力調整用キャプスタン31の回転を制御して、送りキャプスタン46より前に存在する前側ワイヤ11aの張力を調整し、回収側張力調整用キャプスタン131の回転を制御して、送りキャプスタン46より後に存在する後側ワイヤ11bの張力を調整する。これにより、その前側ワイヤ11aと後側ワイヤ11bの張力を別々に調整することが可能になり、同時にワーク12を切断する前側ワイヤ11aと後側ワイヤ11bの張力を均一にすることにより、より安定したワーク12の切削加工を可能にすることができるのである。
また、図2〜図5に示す本発明のワイヤソー10は、ハウジング41の内部においてワイヤ11を複数のプーリ43により引き回しており、一本のワイヤ11を複数の多溝ローラ間に並列状で同一方向に走行するよう引き回す従来のものと異なる。
そして、本発明のワイヤソー10は、その複数のプーリ43の一部又は全部を移動させるアクチュエータ44を更に備えたので、前側ワイヤ11a及び後側ワイヤ11bの長さや位置、及びその角度を自由に調整できるものとなる。このため、被切断対象物であるワーク12の大きさが異なる場合であっても、その大きさや形が異なるワーク12を所望の位置や形で切断することが可能になる。
本実施の形態においては、ワイヤ繰出装置20から繰出されるワイヤ11が送りキャプスタン46を経由してワイヤ回収装置120に回収される正転方向における動作を説明した。
この場合、ワイヤ繰出装置20から繰出されるワイヤ11の全てがワイヤ回収装置120に回収された後は、ワイヤ回収装置120が「繰出側」とし、送りキャプスタン46を経由してワイヤ繰出装置20が「回収側」となる逆転方向に動作することで、正転方向と逆転方向の動作を繰り返して行うことが可能となる。これにより、ワイヤ11が摩耗するまで使用することができ、張力を均一にした状態で安定して切削加工をおこなうことができ、さらに作業性及び生産性を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態では、張力装置27,127におけるダンサーアーム27c,127cの回転によりリール22,122の回転速度を変更調整してワイヤ11の繰出し量や回収量を送りキャプスタン46の移動量と同一になるように調整する場合を説明した。
これに異なる事例として、位置検出手段26,126と張力装置27,127の間のワイヤ11が掛け回されて、その間のワイヤ11の張力を検出する繰出ワイヤ用ロードセル29及び回収ワイヤ用ロードセル129の検出出力により、コントローラは繰出又は回収リール22,122を回転させる図示しないモータを制御し、それらのリール22,122の回転速度を変更調整してワイヤ11の繰出し量又は回収量を送りキャプスタン46の移動量と同一になるように調整しても良い。
10 ワイヤソー
11 ワイヤ
11a 前側ワイヤ
11b 後側ワイヤ
12 ワーク
20 ワイヤ繰出装置(ワイヤ供給部)
31 繰出側張力調整用キャプスタン
40 加工機本体
41 ハウジング
42 昇降機
43 プーリ
44 アクチュエータ
46 送りキャプスタン
51 第1ロードセル
52 第2ロードセル
53 第3ロードセル
54 第4ロードセル
120 ワイヤ回収装置(ワイヤ回収部)
131 回収側張力調整用キャプスタン

Claims (5)

  1. ワイヤ(11)を繰出すワイヤ供給部(20)と、繰出された前記ワイヤ(11)を回収するワイヤ回収部(120)と、前記ワイヤ供給部(20)と前記ワイヤ回収部(120)の間の移動途中の前記ワイヤ(11)を引き回すことにより形成されたワーク(12)を切断する複数の切断部(11a,11b)とを備えたワイヤソーにおいて、
    前記ワイヤ供給部(20)と前記ワイヤ回収部(120)の間の前記ワイヤ(11)が掛け回され又は巻回されて回転することにより前記ワイヤ(11)を一定の速度で移動させる送りキャプスタン(46)と、
    前記ワイヤ供給部(20)に設けられ前記送りキャプスタン(46)より前側のワイヤ(11a)が掛け回され又は巻回されて回転することにより前記前側ワイヤ(11a)の張力を調整する繰出側張力調整用キャプスタン(31)と、
    前記ワイヤ回収部(120)に設けられ前記送りキャプスタン(46)より後側のワイヤ(11b)が掛け回され又は巻回されて回転することにより前記後側ワイヤ(11b)の張力を調整する回収側張力調整用キャプスタン(131)と
    を備え、
    繰出側張力調整用キャプスタン(31)と送りキャプスタン(46)との間を移動する前記前側ワイヤ(11a)及び前記送りキャプスタン(46)と回収側張力調整用キャプスタン(131)の間を移動する前記後側ワイヤ(11b)により前記ワーク(12)を切断する切断部が形成された
    ことを特徴とするワイヤソー。
  2. 前側ワイヤ(11a)のワーク(12)を切断する前後における張力を検出する第1及び第2ロードセル(51,52)と、
    後側ワイヤ(11b)の前記ワーク(12)を切断する前後における張力を検出する第3及び第4ロードセル(53,54)と、
    前記第1及び第2ロードセル(51,52)の検出出力により繰出側張力調整用キャプスタン(31)の回転を制御し、前記第3及び第4ロードセル(53,54)の検出出力により回収側張力調整用キャプスタン(131)の回転を制御するコントローラと
    を更に備えた請求項1記載のワイヤソー。
  3. 内部にワーク(12)を収容するハウジング(41)が設けられ、送りキャプスタン(46)が前記ハウジング(41)の外部に露出して設けられた請求項1又は2記載のワイヤソー。
  4. ハウジング(41)の内部に、ワーク(12)を搭載して昇降させる昇降機(42)と、前記昇降機(42)上方に設けられてワイヤ(11)を引き回す複数のプーリ(43)と、前記複数のプーリ(43)の一部又は全部を移動させるアクチュエータ(44)と、が設けられた請求項3記載のワイヤソー。
  5. ワイヤ供給部(20)から繰出され、ワイヤ回収部(120)に巻き取られるワイヤ(11)によりワーク(12)を切断するワークの切断方法において、
    前記ワイヤ供給部(20)と前記ワイヤ回収部(120)の間の前記ワイヤ(11)を送りキャプスタン(46)に巻回して前記送りキャプスタン(46)を回転させることにより前記ワイヤ(11)を一定の速度で移動させ、
    前記送りキャプスタン(46)より前側のワイヤ(11a)の張力を繰出側張力調整用キャプスタン(31)により調整し、
    前記送りキャプスタン(46)より後側のワイヤ(11b)の張力を回収側張力調整用キャプスタン(131)により調整し、
    前記繰出側張力調整用キャプスタン(31)と前記送りキャプスタン(46)との間を張力が調整されて移動する前側ワイヤ(11a)及び前記送りキャプスタン(46)と前記回収側張力調整用キャプスタン(131)の間を張力が調整されて移動する後側ワイヤ(11b)により前記ワーク(12)を切断する
    ことを特徴とするワイヤによるワークの切断方法。
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