JP6586484B2 - リール装置、ワイヤーソー、及び半導体インゴットの切断方法 - Google Patents

リール装置、ワイヤーソー、及び半導体インゴットの切断方法 Download PDF

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Description

本発明は、ワイヤーの巻き出し・巻き取りに用いられるリール装置、該リール装置を用いたワイヤーソー、及び半導体インゴットの切断方法に関する。
半導体インゴット切断作業では、加工ペーストが覆われた金属ワイヤーを使って半導体インゴットを所定サイズの複数枚のウエハに切断することが従来から行なわれている。加工ペーストは、複数の砥粒を水性又は油性の加工液に混ぜて使われるものである。環境を保護する意識の向上、またウエハ製造能率の向上のために、例えばダイヤモンド等の硬度が高い砥粒がワイヤーの表面に固定された固定砥粒方式で切断する方法が用いられつつある。
固定砥粒切断方法を用いる際、ワイヤーソーのローラー装置における並列された2本のメインローロー、及び、メインローラーの両側に配置された第1のリールローラー、第2のリールローラーにワイヤーが巻回され、2本のメインローラーに周回されたワイヤーにより2本のメインローラーの間にワイヤーウェブが形成されて架設される。ワイヤーウェブは加工エリアを形成し、各ローラーを回転しながら半導体インゴットをワイヤーウェブに向かって下降させ、一方向走行又は往復走行させるワイヤーウェブによって半導体インゴットを多数枚同時に切断することが可能である。第1のリールローラーから繰り出されて切断を行ったワイヤーが第2のリールローラーに巻回されて回収される。
ワイヤーを用いて切断する際、ワイヤーを第1のリールローラーから第2のリールローラーへの一方向に走行させ、未使用のワイヤー(以下、新線と言う)を中断することなく供給することによってインゴットを切断すると手間を掛けなくて済むが、ワイヤーの消耗が大きく、製造コストが上がる問題点がある。また、第2のリールローラーから第1のリールローラーへの走行量が第1のリールローラーから第2のリールローラーへの走行量よりも少ないように第1のリールローラー及び第2のリールローラーの間にワイヤーを往復走行させながら、使われたワイヤー(以下、旧線と言う)を少しずつ第2のリールローラーへ巻回するようにインゴットを切断する方法も使われている。この旧線を少しずつ回収する方法では、ワイヤーの消耗量を抑制することができるが、ワイヤーが第1のリールローラーと第2のリールローラーとに重ねて巻回されるため、重なったワイヤー同士が接触して砥粒の研磨力及びウエハの切断能率が低減され、ウエハの品質が落ち、また、ワイヤー本体も損傷・切断する問題点もある。
その一方、旧線が回収されて巻回されたリールローラー及び新線が巻回されたリールローラーを取替えたり装着したりする手間を省くためのローラー装置が使われている(例えば特許文献1参照)。このローラー装置では、隣接した第1のメインエリアと第1のサブエリアを有する第1のリールローラーと、隣接した第2のメインエリアと第2のサブエリアを有する第2のリールローラーとを有し、旧線と新線とを区別して第1のメインエリアと第1のサブエリアと第2のメインエリアと第2のサブエリアとに巻回させることによって、重なったワイヤー同士が接触して砥粒の研磨力が落とされ、固定砥粒が消耗する問題点を解消することができる。
台湾特許出願公開第201501844号公報
従来のワイヤーソーは、それにより半導体インゴットを切断して得られるウエハの品質において、なおも改善すべきところがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ウエハ製品の品質の向上を図るリール装置、ワイヤーソー、及び半導体インゴットの切断方法を提供することを目的とする。
上記目的を解決するために、1の観点によれば、本発明は、
自身の中央軸をもって延伸された半導体インゴットを該中央軸と直角の方向である第1の水平方向に対して上下に複数のウエハにワイヤーで切断するワイヤーソーに用いられるリール装置であって、
前記第1の水平方向に延伸される少なくとも1本のスライドレールを設けているトランスファーユニットと、
前記第1の水平方向と平行な自身の軸線を中心として回転可能に前記スライドレールに搭載されるように設けられた第1の巻きユニットと、
前記第1の巻きユニットと同軸的に対向すると共に前記軸線を中心として回転可能に前記スライドレールに搭載されるように設けられた第2の巻きユニットと、
前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとが前記第1の水平方向に離隔された非結合状態と、前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとが近接された結合状態とに前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとがなるように、前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットの少なくとも1つが他の1つに向かって前記スライドレールに前記第1の水平方向沿いに移動されるように所定の間隔をおいて配置されていることを特徴とするリール装置を提供する。
更に他の観点によれば、本発明は、
1本のワイヤーが装着され、半導体インゴットをウエハ状に切断するのに適用されるワイヤーソーであって、
上下に延伸される高さ方向に沿って延伸されてなった装置フレームと、
前記装置フレーム内に前記高さ方向に対して水平状に所定の間隔をおいて並ぶように回転可能に設けられた2つのメインローラーを有するローラー装置と、
前記半導体インゴットを装着するように用いられ、前記ローラー装置の上側にあるように前記装置フレームに設けられ、前記半導体インゴットを装着するためのローダーを有し、前記ローダーは前記半導体インゴットを装着した状態で下側の前記ローラー装置に向けて移動されて2つの前記メインローラーの間に位置決められるように設けられた送り装置と、
本発明に係るリール装置とを備え、
前記リール装置は、前記装置フレームの両側に配置され、
前記第1の水平方向は前記高さ方向に対して直角であり、
2つの前記メインローラーは、前記高さ方向及び前記第1の水平方向と直角の第2の水平方向に沿って並ぶように設けられ、
前記ワイヤーは、前記リール装置の1つ、前記ローラー装置、前記リール装置の他の1つにその順番に巻きまわされて装着され、
2つの前記メインローラーに前記ワイヤーが前記第2の水平方向に走行するように周回されて前記第1の水平方向沿いの間隔をおいて並列される複数の線分からなるワイヤーウェブを形成するよう架設され、
前記ワイヤーウェブは、2つの前記メインローラー間に架設された複数本の平行な前記線分を加工セクションとして有し、前記第2の水平方向に沿って一方向走行又は往復走行させて前記半導体インゴットを切断する、ことを特徴とするワイヤーソーをも提供する。
更に他の観点によれば、本発明は、
半導体インゴットの切断のために使われるワイヤーと、前記ワイヤーが巻回され、前記ワイヤーを前記半導体インゴットの自身の軸心に沿う第1の水平方向に対して横向きに走行させるように回転可能に設けられたローラー装置と、前記半導体インゴットを装着し、装着された前記半導体インゴットを前記ローラー装置に対して上下移動させるように設けられた送り装置と、前記ローラー装置を取り挟むようにその両側に配置された2つの本発明に係るリール装置とを用意し、前記ローラー装置は、前記第1の水平方向と直角の第2の水平方向Yに所定の間隔をおいて並ぶように転動可能に設けられた2つのメインローラーを有し、2つの前記リール装置の一方を第1のリール装置と、他方を第2のリール装置と、前記ワイヤーが前記第2のリール装置から前記第1のリール装置へ走行する向きを前方向と、その反対の向きを後方向とそれぞれする用意作業を行うステップAと、
前記第1のリール装置における前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニット及び前記第2のリール装置における前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとがそれぞれ前記非結合状態にされ、前記半導体インゴットの切断に使われる新線である前記ワイヤーが新線ワイヤーとして前記第2のリール装置の前記第2の巻きユニットに掛け回され、前記メインローラーに周回されてワイヤーウェブを形成するよう架設され、前記新線ワイヤーの先端が前記第1のリール装置の前記第2の巻きユニットに固定され、そして、前記第1のリール装置が前記結合状態にされ、前記第2のリール装置から前記半導体インゴットの切断に要する分だけの前記新線ワイヤーが巻き戻されて前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回され、前記半導体インゴットを装着した前記送り装置が前記ワイヤーウェブの前記第1の水平方向と前記第2の水平方向とに垂直の高さ方向の上に移動される、新線装着作業を行うステップBと、
前記送り装置が前記ワイヤーウェブに向かって下降し、前記ローラー装置が回転され、前記ワイヤーウェブが前記前方向に動かされ、前記半導体インゴットを切断し、そして、前記ローラー装置の回転によって、使われた前記ワイヤーを旧線として回収する分の長さを旧線回収分長さとして前記ワイヤーを走行させ、前記旧線回収分長さに応じた前記ワイヤーの一部を前記第2のリール装置の前記第2の巻きユニットから巻き戻し、前記第1のリール装置の前記第2の巻きユニットに巻回する、前記前方向の切断を行った旧線の旧線回収作業を行うステップCと、
前記第1のリール装置が前記結合状態にされ、ワイヤーを回収する予定分の長さである回収予定分長さだけ前記ワイヤーを前記前方向を走行させ、前記回収予定分長さに応じた長さを有する前記ワイヤーの一部を前記第2のリール装置の前記第2の巻きユニットから巻き戻し、前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回する前記前方向の切断を行ったワイヤーの回収作業を行うステップDと、
前記第2のリール装置が前記結合状態にされ、前記ローラー装置が回転され、前記ワイヤーウェブが動かされ、前記半導体インゴットが切断され、前記回収予定分長さに応じて前記ワイヤーを前記前方向に走行させ、前記回収予定分長さに応じた長さを有する前記ワイヤーの一部を前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットから巻き戻して前記第2のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回し、そして、前記ワイヤーの全てが前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットから巻き戻されると、前記第1のリール装置が前記非結合状態にされ、後方向の切断作業を行うステップEと、
前記ローラー装置が回転され、前記ワイヤーウェブが動かされ、前記半導体インゴットを切断し、前記ローラー装置の回転によって前記ワイヤーを前記旧線回収分長さだけ走行させ、前記旧線回収分長さに応じた前記ワイヤーの一部を前記第2のリール装置の前記第1の巻きユニットから巻き戻して前記第1のリール装置の前記第2の巻きユニットに巻回し、そして、前記第1のリール装置が前記非結合状態から前記結合状態にされると、前記ワイヤーが更に前記前方向に走行して前記第2のリール装置の前記第1の巻きユニットから巻き戻され、前記第2のリール装置が前記結合状態から前記非結合状態にされる、新線補充切断作業を行うステップFと、
前記送り装置に装着された前記半導体インゴットが下降しながら前記ワイヤーウェブによる複数のウエハ状への切断が完了するように前記ステップE〜前記ステップFを繰り返し行う切断完了作業を行うステップGと、
を有することを特徴とする半導体インゴットの切断方法を提供する。
また、本発明は、
半導体インゴットの切断のために使われるワイヤーと、前記ワイヤーが巻回され、前記ワイヤーを前記半導体インゴットの自身の軸心に沿う第1の水平方向に対して横向きに走行させるように回転可能に設けられたローラー装置と、前記半導体インゴットを装着し、装着された前記半導体インゴットを前記ローラー装置に対して上下移動させるように設けられた送り装置と、前記ローラー装置を取り挟むようにその両側に配置された2つの本発明に係るリール装置とを用意し、前記ローラー装置は、前記第1の水平方向と直角の第2の水平方向Yに所定の間隔をおいて並ぶように転動可能に設けられた2つのメインローラーを有し、2つの前記リール装置の一方を第1のリール装置と、他方を第2のリール装置と、前記ワイヤーが前記第2のリール装置から前記第1のリール装置へ走行する向きを前方向と、その反対の向きを後方向とそれぞれする用意作業を行うステップAと、
前記第1のリール装置における前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニット及び前記第2のリール装置における前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとがそれぞれ前記非結合状態にされ、前記半導体インゴットの切断に使われる新線である前記ワイヤーが新線ワイヤーとして前記第2のリール装置の前記第2の巻きユニットに掛け回され、前記メインローラーに周回されてワイヤーウェブを形成するよう架設され、前記新線ワイヤーの先端が前記第1のリール装置の前記第2の巻きユニットに固定され、そして、前記第1のリール装置が前記結合状態にされ、前記第2のリール装置から前記半導体インゴットの切断に要する分だけの前記新線ワイヤーが巻き戻されて前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回され、前記半導体インゴットを装着した前記送り装置が前記ワイヤーウェブの前記第1の水平方向と前記第2の水平方向とに垂直の高さ方向の上に移動される、新線装着作業を行うステップBと、
前記第2のリール装置が結合状態にされ、前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットから前記半導体インゴットを切断する分だけの前記新線ワイヤーが巻き戻されて前記第2のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回される新線巻回作業を行うステップCと、
前記半導体インゴットを装着した前記送り装置が前記ワイヤーウェブに向かって下降しながら、前記ローラー装置が回転され、前記ワイヤーウェブを前記前方向又は/及び前記後方向に走行させ、前記半導体インゴットを複数のウエハに切断し、そして、前記新線ワイヤーが前記第2のリール装置から繰り出されて前記半導体インゴットの切断を経た前記ワイヤーが旧線ワイヤーとして少しずつ前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回されるように前記後方向に走行される前記ワイヤーの量よりも前記前方向に走行される前記ワイヤーの量を多くする、切断作業を行うステップDと、
を有することを特徴とする半導体インゴットの切断方法をも提供する。
本発明によれば、ウエハ製品品質の向上を図ることができる。
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になるであろう。
本発明に係るワイヤーソーの1例を概略的に示す斜視図である。 図1の正面図である。 ワイヤーソーにおけるローラー装置を概略的に示す斜視図である。 ワイヤーソーにワイヤーが巻回された状態を概略的に示す図である。 補助ローラーを更に設けた他の形態を示す図である。 図1の一部を拡大して示す斜視図である。 ワイヤーソーにおけるリール装置を概略的に示す斜視図である。 リール装置の他の角度から見た斜視図である。 第1の巻きユニットの斜視図である。 第1の巻きユニットの一部を拡大して示す斜視図である。 リール装置において非結合状態を示す側面図である。 リール装置において結合状態を示す側面図である。 第1の巻きユニットと第2の巻きユニットの構成の1例を示す縦断面図である。 第1の巻きユニットと第2の巻きユニットの構成の他例を示す縦断面図である。 リール装置と張力調整装置とを示す斜視図である。 第1の巻きユニットの他例を示す斜視図である。 張力調整装置を示す側面図である。 張力調整装置における案内ロールの高さ方向の移動を説明する図である。 張力調整装置の構成を示す斜視図である。 図19の正面図である。 張力調整装置において用いられる動力装置の他例を示す図である。 図21の正面図である。 本発明に係る半導体インゴットの切断方法の第1の実施例を示すフローチャートである。 用意作業に用いられるワイヤーソーを示す斜視図である。 半導体インゴットの切断方法における新線装着作業において、第1のリール装置と第2のリール装置とが非結合状態にあることを概略的に示す図である。 半導体インゴットの切断方法における新線装着作業において、第1のリール装置が結合状態、第2のリール装置が非結合状態にそれぞれあることを概略的に示す図である。 半導体インゴットの切断方法における新線巻回作業において、第1のリール装置と第2のリール装置とが結合状態にあることを概略的に示す図である。 第1の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における切断作業を概略的に示す図である。 第1の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における出し作業を概略的に示す図である。 第1の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における旧線回収作業において、第1のリール装置が非結合状態、第2のリール装置が結合状態にそれぞれあることを概略的に示す図である。 第1の実施例に係る半導体インゴットの切断方法におけるワイヤー補充作業において、第2のリール装置に新線ワイヤーが巻回されていない状態を説明し、第1のリール装置が結合状態、第2のリール装置が非結合状態にそれぞれあることを概略的に示す図である。 第1の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における他のワイヤー補充作業において、第2のリール装置に新線ワイヤーが巻回されている状態を説明し、第1のリール装置と第2のリール装置とが結合状態にあることを概略的に示す図である。 第1の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における新線の後戻り巻回作業において、第1のリール装置と第2のリール装置とが結合状態にあることを概略的に示す図である。 本発明に係る半導体インゴットの切断方法の第2の実施例を示すフローチャートである。 第2の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における前方向の切断を行ったワイヤーの旧線回収作業において、第1のリール装置と第2のリール装置とが非結合状態にあることを概略的に示す図である。 第2の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における前方向の切断を行ったワイヤーの回収作業において、第1のリール装置が結合状態、第2のリール装置が非結合状態にあることを概略的に示す図である。 第2の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における後方向の切断作業において、第1のリール装置と第2のリール装置とが結合状態にあることを概略的に示す図である。 第2の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における後方向の切断作業において、第1のリール装置が非結合状態、第2のリール装置が結合状態にそれぞれあることを概略的に示す図である。 第2の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における新線補充切断作業において、第1のリール装置が非結合状態、第2のリール装置が結合状態にそれぞれあることを概略的に示す図である。 第2の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における新線補充切断作業において、第1のリール装置と第2のリール装置とが結合状態にあることを概略的に示す図である。 第2の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における新線補充切断作業において、第1のリール装置が結合状態、第2のリール装置が非結合状態にそれぞれあることを概略的に示す図である。 第2の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における出し作業において、第1のリール装置が結合状態、第2のリール装置が非結合状態にそれぞれあることを概略的に示す図である。 第2の実施例に係る半導体インゴットの切断方法における出し作業において、第1のリール装置と第2のリール装置とが非結合状態にあることを概略的に示す図である。
以下、本発明に係る方法及び装置についていくつかの実施例を挙げて図面を参照して説明する。なお、同一構成及び機能を有する構成要素については、同一番号を付してその説明を省略する。
(第1の実施例)
図1〜図4は、本発明に係るワイヤーソー100の一例の構成を示している。ワイヤーソー100は、装着された1本のワイヤー91によって、例えば第1の水平方向Xに沿う自身の中央軸をもって延伸された半導体インゴット92を該中央軸と直角の方向である第の水平方向Yに沿って上下に複数切断してウエハに切断する(ウエハとして切り出す)のに適用され、装置フレーム1内にローラー装置2と、ローラー装置2の上側に配置された送り装置3と、ローラー装置2を取り挟むように設けられた2つのリール装置4と、リール装置4のいずれか1つに対応して設けられた張力調整装置5とを備えている。半導体インゴット92を切断する際、ワイヤー91をリール装置4の一方、ローラー装置2、張力調整装置5、リール装置4の他方にその順番に巻きまわして装着する。なお、ワイヤーソー100の説明のために直交座標系を使用し、上下に延伸される高さ方向をZ、高さ方向Zと直角に延伸される第1の水平方向、第2の水平方向をそれぞれX、Yとする。
図1、図2、図6に示されたように、装置フレーム1は、高さ方向Zに沿って延伸されてなったベース部11と、ベース部11から高さ方向Zの上向きに延伸され、ローラー装置2が装着される収容スペースを形成する作業部12と、作業部12を取り挟むように作業部12の第2の水平方向Yの両側にそれぞれ設けられた滑車装着部13とを有する。
ローラー装置2は、装置フレーム1の作業部12内に第2の水平方向Yに所定の間隔をおいて並ぶように回転可能に設けられた2つのメインローラー21、21を有する。メインローラー21、21は、それぞれ第1の水平方向Xに平行して延伸される回転軸を有し、図3に示すように、それぞれの外周面には多数の環状溝が第1の水平方向X沿いに一定ピッチで形成され、それぞれの環状溝に切断用のワイヤー91が第2の水平方向Yに走行するように周回されて第1の水平方向X沿いの間隔をおいて並列される複数の線分からなるワイヤーウェブ911を形成するよう架設される。
ワイヤーウェブ911は、2つのメインローラー21、21間に架設された複数本の平行な線分を加工セクションとして有し、第2の水平方向Yに沿って一方向走行又は往復走行して半導体インゴット92を多数枚のウエハに同時に切断するようになっている。
送り装置3は、図1、図2及び図4に示すように、半導体インゴット92を装着するように用いられ、ローラー装置2の上側にあるように装置フレーム1に設けられ、図示のように、半導体インゴット92を装着するためのローダー31を有し、ローダー31は、半導体インゴット92を装着した状態でその下側のローラー装置2に向けて移動されると2つのメインローラー21、21の間に位置決められるように設けられている。送り装置3はまた、ワイヤーウェブ911の加工セッション及びメインローラー21、21の下方に設けられた受け槽32とを有する。受け槽32は、インゴット92の切断時に発生する切り屑やワイヤー91から落ちた砥粒を受けるために用いられる。
リール装置4は、ワイヤー91の繰り出し・巻き取りに用いられ、通常1対有し、ローラー装置2を取り挟むように装置フレーム1の両側に配置されている。ワイヤー91は、図4に示すように、リール装置4の中の一方から繰り出され、ローラー装置2を周回してリール装置4の中の他方に巻き取られる。
図5に示すように、他の形態としてローラー装置2は更に2つの補助ローラー22、22を有する。2つの補助ローラー22、22は送り装置3の下側でメインローラー21、21の間に配置されている。なお、補助ローラー22の最下側はメインローラー21の最上側よりも高くないように配置されている。各補助ローラー22の直径はメインローラー21の半径よりも小である。ワイヤー91は、リール装置4における一方、ローラー装置2における1つのメインローラー21、2つの補助ローラー22、22、ローラー装置2における他の1つのメインローラー21、リール装置4における他方の順番でリール装置4における一方、ローラー装置2、リール装置4における他方に巻回され、補助ローラー22とメインローラー21とにより補助ローラー22、22の間にワイヤーウェブ911が構成されている。ワイヤーウェブ911は、2つの補助ローラー22、22間に架設された複数本の平行な前記線分を加工セクションとして有し、第2の水平方向Yに沿って一方向走行又は往復走行させて半導体インゴット92を多数枚同時に切断するようになっている。
補助ローラー22がメインローラー21の間に設けられ、メインローラー21とによりワイヤーウェブ911が構成されていることによって、半導体インゴット92を切断する際のワイヤーウェブ911の張りを増すことができ、より安定して半導体インゴット92を切断することができる。また、補助ローラー22の配置によって、半導体インゴット92の切断安定性を増すことができるので、より細いワイヤー91(その線径が例えば40〜60μmである)を使うことができ、従ってワイヤーウェブ911におけるワイヤー91の間隔をより狭くすることでき、ウェハの量産化に繋がる。また、補助ローラー22は、中空であるとよい。
図6〜図8に示すように、各リール装置4は、トランスファーユニット41と、第1の巻きユニット42と、第2の巻きユニット43と、駆動ユニット44とを備えている。
トランスファーユニット41は、互いに第2の水平方向Yの所定の間隔をおいて並列されるようにそれぞれ第1の水平方向X沿いに延伸される2本の棒体であるスライドレール411、411と、スライドレール411、411に摺動可能に設けられた第1のスライダ412と第2のスライダ413とを有する。第1のスライダ412と第2のスライダ413はそれぞれスライドレール411、411に対応して1対のスライド凹部が設けられているが、場合によってはスライドレール411が1本だけ設けられた場合、スライド凹部が1つだけ設けられてもよい。
第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とは、転動可能に第1のスライダ412と第2のスライダ413とに対応してスライドレール411に搭載されるように設けられている。
第1の巻きユニット42は、第1の水平方向Xと平行な自身の軸線L1を中心として回転可能に第1のスライダ412に設けられ、図6、図8、図9に示すように、第1の水平方向Xに延伸される円筒形状に形成され、第1のスライダ412に回転可能に設けられた第1の回転部材421と、後述する第1の回転部材421の開口422に隣接して第1の回転部材421に着脱可能に設けられたワイヤー案内部材6とを有する。
第1の回転部材421は、その一端が開放した開口422を有する中空の筒状体である。ワイヤー案内部材6は、第1の回転部材421の開口422側に配置され、自身の軸線L1を取り囲んで設けられた周壁61と、周壁61に所定の角間隔をおいて突き出されて設けられた複数のワイヤーガイド62とを有する。
ワイヤー案内部材6の周壁61は、図9と図10に示すように、外側の第1の側部611と、内側の第2の側部612とを有する。第1の回転部材421が第1の側部611に接触して連結され、複数のワイヤーガイド62が第2の側部612に設けられている。第2の側部612は、複数のワイヤーガイド62の隣接した同士の間を繋いだ複数の連結面613と、複数の連結面613から連続してワイヤーガイド62に延伸されて連結された延伸面614とを有する。
各ワイヤーガイド62は、周壁61の第2の側部612よりも軸線L1に近づいた内側の内側面621と、内側面621の軸線L1を囲む周方向の相反する両端に設けられた2つの案内面622と、内側面621と反対側にあり2つの案内面622の間を接続して延伸されるように形成される挟持面623とを有する。各案内面622は、その挟持面623に近い内側端とその挟持面623から遠い外側端とを有し、該内側端は該外側端よりも幅広くなり、幅広の内側端を幅広側端部624とし、幅狭の外側端を幅広側端部624よりも狭い幅狭側端部625とする。幅広側端部624と幅狭側端部625とにより案内面622が台形状に形成され、また、幅広側端部624から幅狭側端部625に向かって上向きに傾斜するように形成されている。また、周壁61の延伸面614と該延伸面614の隣接した案内面622との間は窪んでワイヤー91を導く凹部626として形成されている。2つの案内面622は挟持面623を挟んで対面するように向斜している。
この例では、挟持面623を挟んで対面するように向斜する2つの案内面622を有するが、他例としては、内側面621の軸線L1を囲む周方向の相反する両端における1端に案内面622が1つ設けられてもよい。
各リール装置4の第2の巻きユニット43は、第1の水平方向Xに沿って延伸されるように第1の巻きユニット42と同軸のように軸線L1をもって回転可能にトランスファー41に載置されている。図7、図8、図11に示すように、第2の巻きユニット43は、第1の回転部材421の内径よりも小さい円筒形状に形成され第1の回転部材421内に開口422から入れて第1の回転部材421と重ね合わせるように設けられた第2の回転部材431を有する。第2の回転部材431は、第1の水平方向Xに延伸されるように形成され、第2のスライダ413に回転可能に設けられている。
図11〜図13に示すように、第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43の少なくとも一方が、対応するスライドレール411、411に対して第1の水平方向X沿いに移動される。具体的には、第1のスライダ412と第2のスライダ413に第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43が載置されているので、第1のスライダ412と第2のスライダ413とが互いに離れたり近づいたり移動されることにより、第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが第1の水平方向Xに離隔した非結合状態(図11)、または、第1の巻きユニット42に第2の巻きユニット43が取り囲まれるように第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが嵌合された結合状態(図12)になる。
図12、図13に示すように、第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43が結合状態になった時、第1の回転部材421の第2の回転部材431側の内周面423と第2の回転部材431の第1の回転部材421側の外周面とは所定の離隔距離Dだけ隔てるようになっている(図13参照)。第1の巻きユニット42の第1の回転部材421と第2の巻きユニット43の第2の回転部材431とが同期的に回転されながら互いに近づいて第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが結合状態になった時、図13に示すように、ワイヤーガイド62によってワイヤー91を第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43との間(第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが重なった箇所)に掛け下ろすように案内することができる。これによって、リール装置4にワイヤー91が巻回される時断線することを防止することができる。
第1の回転部材421と第2の回転部材431は、この例では少なくともそれぞれの重ね合わせた部分が中空状になっているが、これに制限されず、実円柱体であってもよい。図14のように、第1の回転部材421と第2の回転部材431が近づいた時、ワイヤー91が第2の回転部材431から掛け渡されて第1の回転部材421に巻回されるが、ワイヤー91を第1の回転部材421よりも径小の第2の回転部材431の外周面432に複数巻きだけ優先的に巻き付けている。ワイヤー91が第2の回転部材431に多く巻き回されていることによって、第2の回転部材431の第1の回転部材421寄りの外周面432から第1の回転部材421に掛け渡されることができる。これによって、ワイヤー91が第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43との間(この場合は第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが近づいた箇所)に掛け降ろされた時に断線が発生することを防止することができる。
なお、ワイヤー91が第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43との間に掛け降ろされればよいので、ここでいう結合状態は第1の巻きユニット42に第2の巻きユニット43が入って重ね合わされた状態と、第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが互いに近接して近づいた状態を含む。
なお、図15に示すように、第2の巻きユニット43を第1の水平方向X沿いに摺動しないようにした上、後記の滑車機構51における第2の巻きユニット43寄りのアイドラロール511を第1の水平方向X沿いに往復移動させる構成としてもよい。この構成においても、第1の巻きユニット42はスライドレール411、411に対して第1の水平方向Xにて第2の巻きユニット43に向かって移動されることができ、従って、ワイヤー91を第1の巻きユニット42及び第2の巻きユニット43の間に掛け渡させて巻回することができる。
図16に示すように、各リール装置4の第1の巻きユニット42では、第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43との間に掛け下ろすワイヤー91の断線を防止するために、複数のワイヤーガイド62が設けられているが、ワイヤー91を第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43との間に掛け下ろすように案内することが可能であれば、ワイヤーガイド62が一つだけ設けられてもよい。なお、ワイヤーガイド62は、第1の回転部材421の端縁から突き出て第1の水平方向Xに延伸されてるように設けられるねじを用いてもよく、上記の例に制限されない。
図7と図8に示すように、各リール装置4における駆動ユニット44は、第1の巻きユニット42を回転駆動するための第1のモータ441と、第2の巻きユニット43を回転駆動するための第2のモータ442と、第2のスライダ413に対して第1のスライダ412が近づくように移動駆動するための第3のモータ443と、第1のスライダ412に対して第2のスライダ413が近づくように移動駆動するための第4のモータ444とを備えている。
張力調整装置5は、ローラー装置2の両側において滑車装着部13にそれぞれ設けられている。具体的には、図1、図2、図4に示すように、張力調整装置5は、ローラー装置2及び対応するリール装置4の間に回動可能に設けられた滑車機構51を有する。滑車機構51は、ワイヤー91の走行方向の配置(即ちワイヤー91の第1の巻きユニット42又は第2の巻きユニット43における巻き取り位置)を調整する複数のアイドラロール511を設けている。
図2、図4、図17に示されているように、滑車機構51の複数のアイドラロール511は、多くは自身の軸心をもって回転することによってワイヤー91の走行方向を変更するために用いられるが、高さ方向と平行な直線L2に沿って往復してワイヤー91をロード/アンロードするように調整制御可能に設けられた案内ロール512をも含む。
張力調整装置5は、この例では、対応する滑車装着部13に設けられた例えばモータを用いる第1の駆動機構52と、第1の駆動機構52によって回転制御されるように第1の駆動機構52の出力シャフト521と連結されたねじシャフト53と、案内ロール512が回転可能に配置されるようにねじシャフト53が接合螺結された取付枠54とを更に設けている。ねじシャフト53は、図17に示すように、ねじシャフト53の自身の中央軸の延伸方向(図17、⇔)が案内ロール512によるワイヤー91の繰り出し方向(以下、ワイヤー繰り出し方向という)(図17)と平行に設けられている。
なお、第1の駆動機構52、ねじシャフト53、取付枠54は図17に示すように滑車装着部13に固定されているが、第1の駆動機構52、ねじシャフト53、取付枠54の滑車装着部13への設置は上記に制限されず、適宜に変更することができる。
図4と図17に示すように、案内ロール512のワイヤー繰り出し方向は第2の水平方向Yに平行するが、これに制限されず、ワイヤー91の外力作用方向が案内ロール512のワイヤー繰り出し方向と平行するのであれば、案内ロール512が高さ方向Zに平行する直線L2に沿って往復走行するように調整制御されることができる(図18)。また、ローラー装置2及び対応するリール装置4におけるアイドラロール511の数がワイヤー91の走行方向に応じて一つだけでもよい。
第1のモータ441、第2のモータ442及び第1の駆動機構52はサーボモータ(Servomotor)を用いることが好ましい。第1の駆動機構52は、例えば案内ロール512の位置情報を示す位置信号を生成するように案内ロール512に設けられたセンサー(図示せず)から出力された該案内ロール512の位置信号を受信し、該位置信号に関連する補償信号を生成して、第1のモータ441と第2のモータ442のいずれか1つに出力する。このようにワイヤー91の張力を所定の予め定められた値に保持することができる。
例えば、図17に示すように、第1の駆動機構52から定格トルク値を出力して、対応する第1の駆動機構52からの案内ロール512に掛かった駆動力をFMとした時、FMが実質上ワイヤー91の張力T1の2倍になった場合、案内ロール512が所定の予め定められた所に位置決められる。案内ロール51が第2の水平方向Yにおいて位置決められた所から移動されてずれると、案内ロール51に設けられたセンサーによって検出された該案内ロール512の位置信号を第1の駆動機構52が受信して、該ずれた位置の位置信号に関連する補償信号を生成する。第1の駆動機構52からの補償信号を第1のモータ441と第2のモータ442のいずれか1つが受信すると、第1の駆動機構52の定格トルク値又はリール装置4における第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43のワイヤー91の張力を変更する。このように、ワイヤー91がゆるくなって弛んだり、きつくなって張りすぎたりすることを防止することができ、最適な張りと所定の方向性を維持できる。従って、所定の切断力を有するようワイヤー91を一定の張りに保つことができる。
より具体的には、ワイヤーソーによって半導体インゴットを複数枚のウエハに均一の厚さに切断するのに、ワイヤーの線速、張力、切断速度などの制御パラメータを把握しなければならない。従来の張力調整装置(例えば、台湾特許第I488725号明細書)では、振り子のように揺動運動することによってテンションローラーの位置を変えてワイヤーの張力を調節することができるが、揺動角度が変わると、ワイヤーの張力も変わるため、角度パラメータ変換の演算式をワイヤーソーの制御プログラムに書き入れる必要がある。そのため、制御プログラムが煩雑になる。その一方、本発明では、ワイヤー91が対応する案内ロール512を巻回して走行するように、また、ワイヤー91の引き方向が案内ロール512のワイヤー繰り出し方向と平行するようにしているので、角度による分力、つまり角度パラメータを考慮しなくてもよい。そのため、案内ロール512を巻回したワイヤーの張りを調整するための演算式が簡単になり、余分な干渉因子を考慮しなくてもよく、ワイヤーソーを含むシステム全体を簡単化することができる。このように、ワイヤー91の張りを適宜調整することができ、装置フレーム1における作業部12においての切断力を保持することができる。従って、半導体インゴットからウエハに切断するスライスプロセスを安定して行うことができる。また、本発明における張力調整装置によれば、ワイヤー91に対して角度変化を考慮する必要がなくなるので、従来の振り子タイプの張力調整装置における、揺動アームの長さに応じて駆動装置が克服すべき慣性モーメントが大きくなり消費エネルギーも大きくなる問題点を改善することができる。
そして、本発明における張力調整装置5の変更例について図面を参照して説明する。
図4、図19、図20に示すように、張力調整装置5はその1例として更に、滑車装着部13に取り付けられた第1の駆動機構52と、第1の駆動機構52によって回転制御されるように第1の駆動機構52の出力シャフト521と連結された第1のテンションローラー522と、案内ロール512が回転可能に取り付けられ、且つ滑車装着部13に対応して直線L2と平行して往復移動されるように設けられた取付枠54と、その一端が取付枠54と連結され、その他端が第1のテンションローラー522と連結された第1の繋ぎ部材55とを備えている。第1の繋ぎ部材55は案内ロール512の繰り出し方向と平行して延伸されるようになっている。なお、第1の繋ぎ部材55は、帯状のケーブル又はベルトを用いる。また、この例では、ワイヤー91の張力T1は、第1の駆動機構52から出力されたトルク値に第1のテンションローラー522の半径を乗算した値を半分にすることによって実質上得られる。
図4、図21、図22に示すように、張力調整装置5はその他例として、対応する滑車装着部13において互いに所定の間隔をおいて設けられた第1の駆動機構52と第2の駆動機構56と、第1の駆動機構52によって回転制御されるように第1の駆動機構52の出力シャフト521と連結された第1のテンションローラー522と、第2の駆動機構56によって回転制御されるように第2の駆動機構56の出力シャフト561と連結された第2のテンションローラー562と、案内ロール512が回転可能に取り付けられ、且つ第1のテンションローラー522及び第2のテンションローラー562の間に直線L2と平行して往復移動されるように設けられた取付枠54と、その一端が取付枠54と連結され、その他端が第1のテンションローラー522と連結された第1の繋ぎ部材55と、その一端が取付枠54と連結され、その他端が第2のテンションローラー562と連結された第2の繋ぎ部材57と、を備えている。このように張力調整装置5の動力装置は単一のモーターを用いてもよく、ダブルモーターを用いてもよい。
そして、第1の繋ぎ部材55と第2の繋ぎ部材57とは案内ロール512の繰り出し方向と平行して延伸されるようになっている。なお、第1の繋ぎ部材55と第2の繋ぎ部材とは、帯状のケーブル又はベルトを用いる。第1の駆動機構52の出力トルク値が第2の駆動機構56の出力トルク値と異なるように設定されている。
そして、ワイヤー91の張力T1は、第1の駆動機構52から出力されたトルク値と第1のテンションローラー522の半径とを乗算した値から、第2の駆動機構56から出力されたトルク値と第2のテンションローラー562の半径とを乗算した値を減算し、更にその値を半分にすることによって実質上得られる。なお、ワイヤー91の張力値は、ワイヤー91が各構成に走行している間にその張力値が常に変化するため、実際の数値でなく、予め定めされた数値が用いられる。なお、実務上は、稼動に当たってワイヤー91の張力値を検出するロードセル(Load Cell)を設けている。
また、この実施例では、張力調整装置5は、2つの駆動機構52、56(モータ)で駆動するようになっているので、案内ロール512に掛かった対応する2つの駆動機構52、56からの駆動力の差によってワイヤー91の実際の張力値を得ることができる。これによって別にロードセルを設けなくてもよい。
そして、第1のモータ441、第2のモータ442、第1の駆動機構52及び第2の駆動機構56は、サーボモータが用いられている。第1の駆動機構52と第2の駆動機構56とは、案内ロール512に設けられたセンサーによって検出された該案内ロール512の位置信号を受信し、補償信号を生成して第1のモータ441と第2のモータ442の少なくとも一方に出力する。第1の駆動機構52と第2の駆動機構56からの補償信号によって、第1の駆動機構52、第2の駆動機構56、第1のモータ441、第2のモータ442にフィードバックされて、第1の駆動機構52、第2の駆動機構56の定格トルク値又はリール装置4における第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43のワイヤー91の張力を変更する。このように、ワイヤー91がゆるくなって弛んだり、きつくなって張りすぎたりすることを防止することができ、最適な張りと所定の方向性を維持できる。従って、作業部12内で所定の切断力を有するようワイヤー91を一定の張りに保つことができる。
以上のように構成されたリール装置4を備えたワイヤーソー100によれば、スライス不良の低減を図り、信頼性を高めることができ、厚さが均一で被切断面(即ち、表面)の平坦性が高いウエハを製造することができる。
(インゴットの切断方法の第1の実施例)
次に、上記のように構成されたワイヤーソー100を用いた半導体インゴットの切断方法を説明する。図23は、本発明に係る半導体インゴットの切断方法の第1の実施例のフローチャートを示す図、図24〜33は、ワイヤーソー100の構成をもって半導体インゴットの切断方法を説明する図である。
ステップ1Aでは、用意作業を行う。図24に示すように、半導体インゴット(以下、インゴットという)92の切断のための使用前の新線であるワイヤー91と、ワイヤーソー100とを用意する。ワイヤーソー100では、ローラー装置2にワイヤー9が巻回され、ワイヤー91を往復走行させ、送り装置3にインゴット92(図25)を装着し、ローラー装置2に対してインゴット92を上下移動させ、2つのリール装置4がローラー装置2を取り挟むようにその両側に配置されている。送り装置3はインゴット92を装着するローダー31を有し、切断作業を行う前に装置フレーム1内に設けられている。2つのリール装置4におけるトランスファーユニット41において第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが第1の水平方向Xにおいて隔てるように離隔して非結合状態になっており、2つのリール装置4の一方を第1のリール装置71と、他方を第2のリール装置72とそれぞれする。
ステップ1Bでは、新線装着作業を行う。図25、図26に示すように、新線装着作業を行う場合、第1のリール装置71と第2のリール装置72とはそれぞれの第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが非結合状態にある(図25において一点鎖線の下部に示されている。図25において一点鎖線の上部に示されているのは図4と類似している。その他、類似しているのは図26〜33、図35〜43である)。そして、第2のリール装置72の第2の巻きユニット43に新線であるワイヤー91(以下、新線ワイヤー91ともいう)が掛け回され、メインローラー21にワイヤーウェブ911(図3)を形成するように周回されて架設される。そして、新線ワイヤー91の先端が第1のリール装置71の第2の巻きユニット43に固定される。そして、第1のリール装置71における第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが動いて結合状態になる(図26)。続いて、第2のリール装置72からインゴット92の切断に要する分だけの新線ワイヤー91が巻き戻されて第1のリール装置71の第1の巻きユニット42に巻回される。ここで、ワイヤー91が第2のリール装置72から第1のリール装置71へ走行する向きを前方向(図25、墨付き矢印)、その反対の向きを後方向とそれぞれする。
ステップ1Cでは、新線巻回作業を行う。図27に示すように、第2のリール装置72における第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが動いて結合状態になる。そして、第1のリール装置71の第1の巻きユニット42からインゴット92を切断する分だけのワイヤー91が巻き戻されて第2のリール装置72の第1の巻きユニット42に巻回される。
ステップ1Dでは、インゴット92の切断作業を行う。図28に示すように、送り装置3がワイヤーウェブ911に向かって下降される。モータによる順回転又は/及び逆回転による回転駆動力でローラー装置2が時計回り又は/及び逆時計回りに回転されることによって、ワイヤーウェブ911が一方向走行又は往復走行してインゴット92をウエハ状に切断する(図示せず)。なお、切断作業では、後方向に走行されるワイヤー91の量よりも前方向に走行されるワイヤー91の量を多くすることによって、新線ワイヤー91が第2のリール装置72から繰り出されてインゴット92の切断を経た使用後のワイヤー91(以下旧線ワイヤーという)が少しずつ第1のリール装置71の第1の巻きユニット42に巻回される。
ステップ1Eでは、出し作業を行う。図29に示すように、インゴット92をウエハ状に切断した後、第1のリール装置71の第1の巻きユニット42から第2のリール装置72の第1の巻きユニット42に旧線ワイヤー91を巻き戻しながら複数のウエハをワイヤーウェブ911から離して取り出す。
ステップ1Fでは、旧線回収作業を行う。図30に示すように、ステップ1Eで使われた旧線ワイヤー91が第1のリール装置71の第1の巻きユニット42から巻き戻され、第2のリール装置72の第1の巻きユニット42に巻回された時、第1のリール装置71が(即ち「第1のリール装置71における第1の巻きユニット42と第2の巻きユニット43とが」、以下同)非結合状態にされる。そして、第2のリール装置72の第1の巻きユニット42に巻回された旧線ワイヤー91が前方向に走行されて第1のリール装置71の第2の巻きユニット43に巻回される。
ステップ1Gでは、ワイヤー補充作業を行う。ワイヤー補充作業を行うには、まずステップ1Fの旧線回収作業によって第2のリール装置71に巻回されたワイヤー91に切断作業を行わない部分があるかどうか、或いはワイヤー91が巻回されないかどうかを検出する。
検出結果により2つのケースが示される。ケース1では、第2のリール装置72の第1の巻きユニット42にワイヤー91が巻回されず、つまり、第2のリール装置72の第1の巻きユニット42に切断作業を行わないワイヤー91がない場合、第1のリール装置71が非結合状態(図30)から結合状態にされ、第2のリール装置72が非結合状態にされる。そして、第2のリール装置72の第2の巻きユニット43からステップ1Dの切断作業を行うことが可能な分だけのワイヤー91を第1のリール装置71の第1の巻きユニット24に巻き戻すように補充する。
ケース2では、ステップ1Fの旧線回収作業を行った後、第1のリール装置71が結合状態(図32)にされ、第2のリール装置72の第1の巻きユニット42から切断作業に使われていないワイヤー91が巻き戻される。第2のリール装置72の第1の巻きユニット42に切断作業に使われていないワイヤー91がなくなるまで第2のリール装置72の第1の巻きユニット42から切断作業に使われていないワイヤー91が巻き戻された時、第2のリール装置72が非結合状態にされ(図31)、第2のリール装置72の第2の巻きユニット43からステップ1Dの切断作業を行うことが可能な分だけのワイヤー91を第1のリール装置71の第1の巻きユニット42に巻き戻すように補充する。
ステップ1Hでは、新線の後戻り巻回作業を行う。新線の後戻り巻回作業では、図33に示すように、ステップ1Gの後で、第2のリール装置72が非結合状態(図31)から結合状態(図33)に変更され、第1のリール装置71の第1の巻きユニット42からステップ1Dの切断作業を行うことが可能な分だけのワイヤー91を第2のリール装置72の第1の巻きユニット42に巻き戻す。
そして、ステップ1Hの後で、予め設定された条件に基づいてステップ1Dの切断作業を開始して他の半導体インゴット92を切断する。
以上により、インゴット92の切断をしたワイヤー91(旧線)とインゴット92の切断をするワイヤー91(新線)を区別して第1のリール装置71の2つの巻きユニット42、43又は第2のリール装置72の2つの巻きユニット42、43に巻回することができるので、新線と旧線が互いに重なって擦れることによって固定砥粒が消耗していくことを解消することができ、インゴット92の切断コストを大幅に低減することができる。
(インゴットの切断方法の第2の実施例)
次に、本発明に係るワイヤーソー100を用いた半導体インゴットの切断方法の他例について説明する。図34は、本発明に係る半導体インゴットの切断方法の第2の実施例を示すフローチャートである。
ステップ2Aでは、用意作業を行う。なお、ステップ2Aの用意作業はステップ1Aと同様に行うため、その詳細な説明を省略する。
ステップ2Bでは、新線巻回作業を行う。図25に示すように、第1のリール装置71と第2のリール装置72とはそれぞれ非結合状態にある。第2のリール装置72の第2の巻きユニット43に新線ワイヤー91が掛け回され、メインローラー21にワイヤーウェブ911(図3)を形成するように周回されて架設される。そして、新線ワイヤー91の先端を第1のリール装置71の第2の巻きユニット43に固定される。なお、ワイヤー91が第2のリール装置72から第1のリール装置71へ走行する向きを前方向(図25、墨付き矢印)、その反対の向きを後方向とそれぞれする。
ステップ2Cでは、前方向の切断を行ったワイヤー91の旧線回収作業を行う。図35に示すように、送り装置3がワイヤーウェブ911に向かって下降するように進み、ローラー装置2が反時計回りに回され、ワイヤーウェブ911を動かしてインゴット92を切断する。そこで、ローラー装置2の回転によってワイヤー91を旧線回収分長さだけ走行させる。旧線回収分長さに応じたワイヤー91の一部を第2のリール装置72の第2の巻きユニット43から巻き戻して第1のリール装置71の第2の巻きユニット43に巻回する。
ステップ2Dでは、前方向の切断を行ったワイヤー91の回収作業を行う。図36に示すように、第1のリール装置71が非結合状態(図35)から結合状態(図36)にされ、第2のリール装置72からワイヤーが回収される予定分の長さ(以下、回収予定分長さという)に応じるワイヤーが繰り出されて第1のリール装置71に巻回されるように、ワイヤー91を該回収予定分長さに応じた長さだけ前方向に走行させ、該回収予定分長さに応じた長さだけワイヤー91の一部を第2のリール装置72の第2の巻きユニット43から巻き戻して第1のリール装置71の第2の巻きユニット43に巻回する。
ステップ2Eでは、後方向の切断作業を行う。図37に示すように、第2のリール装置72が結合状態にされ、ワイヤーウェブ911が動かされ、回収予定分長さに応じた長さだけワイヤー91の一部を第1のリール装置71の第1の巻きユニット42から巻き戻して第2のリール装置72の第1の巻きユニット42に巻回する。そして、図38に示すように、第1のリール装置71の第1の巻きユニット42から全部のワイヤー91が巻き戻されると、第1のリール装置71が非結合状態にされる。この時、第2のリール装置72の第1の巻きユニット42に巻回されたワイヤー91は、インゴット92を切断した旧線である。
ステップ2Fでは、新線補充切断作業を行う、図39〜41に示すように、ローラー装置2が反時計回りに回され、ワイヤーウェブ911を動かしてインゴット92を切断する(図39)。そこで、ローラー装置2の回転によってワイヤー91を旧線回収分長さだけ走行させる。旧線回収分長さに応じたワイヤー91の一部を第2のリール装置72の第1の巻きユニット42から巻き戻して第1のリール装置71の第2の巻きユニット43に巻回する。そして、第1のリール装置71が結合状態にされる(図40)と、ワイヤー91が更に前方向に走行して第2のリール装置72の第1の巻きユニット42から巻き戻される。そして、第2のリール装置72が非結合状態にされる(図41)。そして、第2のリール装置72の第2の巻きユニット43からまだ切断を行っていないワイヤー91を巻き戻し、新線補充距離だけ走行させる。このようにすると、回収予定分長さに応じたワイヤー91の長さが変化しないように保持することができる。
ステップ2Gでは、切断完了作業を行う。送り装置3に装着されたインゴット92が下降しながらワイヤーウェブ911によって複数のウエハ状に切断されるようにステップ2E〜ステップ2Fを重複して行う(図示せず)。
ステップ2Hでは、出し作業を行う。図42に示すように、インゴット92から切断された複数のウエハ(図示せず)を装着した送り装置3が上昇しローラー装置2から離れながら、ローラー装置2が時計回りに回転され、ワイヤーウェブ911が動かされ、ワイヤー91を回収予定分長さに応じた長さだけ走行させる。回収予定分長さに応じたワイヤー91の一部を第1のリール装置71の第1の巻きユニット42から巻き戻して第2のリール装置72の第2の巻きユニット43に巻回する。そして、第1のリール装置71の第1の巻きユニット42からワイヤー91の全部が巻き戻された後、第1のリール装置71が非結合状態にされる(図43)。そして、複数のウエハが完全にワイヤーウェブ911から離れるまで、第1のリール装置71の第2の巻きユニット43に巻回された切断に使われた旧線ワイヤー91が巻き戻されて、第2のリール装置72の第2の巻きユニット43に巻回される。
以上のように、第2の実施例に係る半導体インゴットの切断方法を用いると、インゴット92の切断を行った旧線が連続して第1のリール装置71の第2の巻きユニット43に巻回されるため、ワイヤー91が断線しても、特にはインゴット92を切断したワイヤー91が断線した時、第1のリール装置71の第2の巻きユニット43の旧線を降ろし、まだインゴット92の切断をしていないワイヤー91の先頭を新たに第1のリール装置71の第2の巻きユニット43に固定すれば、インゴット92の切断作業を続けて行うことができる。このように、他のインゴット92を交換せず、新線の巻回をしなくても、まだ切断が終わっていないインゴット92の切断作業を続けて行うことができる。従って、不良品の発生を抑制することができ、スループットを上げることができる。
また、第2の実施例に係るインゴットの切断方法は、ワイヤー91の第1のリール装置71と第2のリール装置72の間の往復走行回数を減らすことができ、インゴット92の切断に掛かる手間を低減することができる。従って製造スループットを上げることができる。
以上により、本発明に係るワイヤーソーによれば、ワイヤーの消耗量を低く抑制することができ、ウエハの表面品質を高めることができ、インゴット92の切断に掛かる手間を低減することができるので、製造コストの軽減及びスループットの向上を図ることができる。
以上、本発明の実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者には理解されるところである。
本発明は、ワイヤーの巻き出し・巻き取りに用いられるリール装置、該リール装置を用いたワイヤーソー、及び半導体インゴットの切断方法に有用である。
100 ワイヤーソー
1 装置フレーム
11 ベース部
12 作業部
13 滑車装着部
2 ローラー装置
21 メインローラー
22 補助ローラー
3 送り装置
31 ローダー
32 受け槽
4 リール装置
41 トランスファーユニット
411 スライドレール
412 第1のスライダ
413 第2のスライダ
42 第1の巻きユニット
421 第1の回転部材
422 開口
423 内周面
43 第2の巻きユニット
431 第2の回転部材
432 外周面
44 駆動ユニット
441 第1のモータ
442 第2のモータ
443 第3のモータ
444 第4のモータ
5 張力調整装置
51 滑車機構
511 アイドラロール
512 案内ロール
52 第1の駆動機構
521 出力シャフト
522 第1のテンションローラー
53 ねじシャフト
54 取付枠
55 第1の繋ぎ部材
56 第2の駆動機構
561 出力シャフト
562 第2のテンションローラー
57 第2の繋ぎ部材
6 ワイヤー案内部材
61 周壁
611 第1の側部
612 第2の側部
613 連結面
614 延伸面
62 ワイヤーガイド
621 内側面
622 案内面
623 挟持面
624 幅広側端部
625 幅狭側端部
626 凹部
71 第1のリール装置
72 第2のリール装置
91 ワイヤー
911 ワイヤーウェブ
92 インゴット
D 離隔距離
FM 駆動力
L1 軸線
L2 直線
T1 張力
X 第1の水平方向
Y 第2の水平方向
Z 高さ方向
1A〜1H、2A〜2H ステップ

Claims (17)

  1. 第1の水平方向に延伸するように配置された半導体インゴットを該第1の水平方向と直角の方向である第の水平方向に沿って上下にワイヤーで切断することにより複数のウエハ切断するワイヤーソーに用いられるリール装置であって、
    前記第1の水平方向に延伸するように配置された少なくとも1本のスライドレールを有するトランスファーユニットと、
    前記第1の水平方向と平行な自身の軸線を中心として回転可能に前記スライドレールに搭載されるように設けられた第1の巻きユニットと、
    前記第1の巻きユニットと同軸的に対向すると共に前記軸線を中心として回転可能に前記スライドレールに搭載されるように設けられた第2の巻きユニットと、
    前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとが前記第1の水平方向に離隔された非結合状態と、前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとが近接された結合状態とに前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとがなるように、前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットの少なくとも1つが他の1つに向かって前記スライドレールに前記第1の水平方向沿いに移動されるように所定の間隔をおいて配置されていることを特徴とするリール装置。
  2. 前記トランスファーユニットは更に、前記スライドレールに摺動可能に設けられた第1のスライダと第2のスライダとを有し、
    前記第1の巻きユニットは、前記第1のスライダに回転可能に設けられ、
    前記第2の巻きユニットは、前記第2のスライダに回転可能に設けられ、
    前記結合状態では、前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとが近づくように、前記第1のスライダと前記第2のスライダとが移動され近接していて、
    前記非結合状態では、前記第1のスライダと前記第2のスライダとが離隔して離れていることを特徴とする請求項1に記載のリール装置。
  3. 前記トランスファーユニットは更に、前記スライドレールに摺動可能に設けられた第1のスライダと第2のスライダとを有し、
    前記第1の巻きユニットは、前記第1の水平方向に延伸されるように形成され、前記第1のスライダに回転可能に設けられた第1の回転部材を有し、
    前記第2の巻きユニットは、前記第1の水平方向に延伸されるように形成され、前記第2のスライダに回転可能に設けられた第2の回転部材を有し、
    前記結合状態では、前記第1のスライダと前記第2のスライダとが互いに近づくと共に、前記第1の巻きユニットに前記第2の巻きユニットが取り囲まれるように前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとが嵌合され、
    前記非結合状態では、前記第1のスライダと前記第2のスライダとが離隔して離れていることを特徴とする請求項1に記載のリール装置。
  4. 前記第1の巻きユニットは、前記第1の水平方向に延伸され、回転可能に設けられた第1の回転部材と、前記第1の回転部材の端縁から前記第1の水平方向沿いに延伸されるように設けられた少なくとも1つのワイヤーガイドとを有し、
    前記第2の巻きユニットは、前記第1の水平方向に延伸され、回転可能に設けられた第2の回転部材を有し、
    前記結合状態では、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが互いに近づき、
    前記非結合状態では、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが離隔して離れていることを特徴とする請求項1に記載のリール装置。
  5. 前記第1の回転部材は、前記第2の回転部材が出入り可能にその一端が開放した開口を有する中空の筒状体であり、
    前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とは、前記第1の回転部材の前記第2の回転部材側の内周面と前記第2の回転部材の前記第1の回転部材側の外周面とが、前記第2の回転部材が前記開口より前記第1の回転部材に入って前記結合状態になった時に、所定の離隔距離だけ隔てるように設けられ、
    前記第1の巻きユニットは更に、前記第1の回転部材の端縁から延伸されるように設けられた少なくとも1つのワイヤーガイドを有することを特徴とする請求項3に記載のリール装置。
  6. 前記第1の回転部材は、前記第2の回転部材が出入りするようにその一端が開放した開口を有する中空の筒状体であり、
    前記第1の巻きユニットは更に、前記開口に隣接して前記第1の回転部材に設けられたワイヤー案内部材を有し、
    前記ワイヤー案内部材は、前記軸線を取り囲んで設けられた周壁と、前記周壁に所定の角間隔をおいて突き出されて設けられた複数のワイヤーガイドとを有し、
    前記周壁は、前記第1の回転部材が接触して連結された第1の側部と、前記ワイヤーガイドが設けられた、前記第1の側部の反対側の第2の側部とを有し、
    前記ワイヤーガイドは、前記周壁の前記第2の側部よりも前記軸線に近づいた内側面と、前記内側面の前記軸線を囲む周方向の相反する両端における1端に設けられた案内面と、を有することを特徴とする請求項3に記載のリール装置。
  7. 前記第1の回転部材は、前記第2の回転部材が出入りするようにその一端が開放した開口を有する中空の筒状体であり、
    前記第1の巻きユニットは更に、前記開口に隣接して前記第1の回転部材に設けられたワイヤー案内部材を有し、
    前記ワイヤー案内部材は、前記軸線を取り囲んで設けられた周壁と、前記周壁に所定の角間隔をおいて突き出されて設けられた複数のワイヤーガイドとを有し、
    前記周壁は、前記第1の回転部材が接触して連結された第1の側部と、前記ワイヤーガイドが設けられた、前記第1の側部の反対側の第2の側部とを有し、
    前記ワイヤーガイドは、前記周壁の前記第2の側部よりも前記軸線に近づいた内側面と、前記内側面の前記軸線を囲む周方向の相反する両端に互いに対向するように設けられた2つの案内面を有することを特徴とする請求項3に記載のリール装置。
  8. 前記ワイヤーガイドは更に、前記内側面の反対側にあり2つの前記案内面の間を接続して延伸されるように形成される挟持面を有し、
    前記案内面は、その前記挟持面に近い内側端とその前記挟持面から離れた外側端とを有し、前記内側端は前記外側端よりも幅広である幅広側端部とされ、前記外側端は前記幅広側端部よりも狭い幅狭側端部とされ、前記案内面は、前記幅広側端部と前記幅狭側端部とにより台形状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載のリール装置。
  9. 前記ワイヤー案内部材の前記周壁の前記第2の側部は、前記ワイヤーガイドの隣接した同士の間を繋いだ複数の連結面と、前記連結面から連続して前記ワイヤーガイドに延伸されて連結された延伸面とを有し、
    前記延伸面と該延伸面の隣接した前記案内面との間は窪んで前記ワイヤーを導く凹部として形成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のリール装置。
  10. ワイヤーが装着され、半導体インゴットをウエハ状に切断するのに適用されるワイヤーソーであって、
    上下に延伸される高さ方向に沿って延伸されてなった装置フレームと、
    前記装置フレーム内に前記高さ方向に対して水平状に所定の間隔をおいて並ぶように回転可能に設けられた2つのメインローラーを有するローラー装置と、
    前記半導体インゴットを装着するように用いられ、前記ローラー装置の上側にあるように前記装置フレームに設けられ、前記半導体インゴットを装着するためのローダーを有し、前記ローダーは前記半導体インゴットを装着した状態で下側の前記ローラー装置に向けて移動されて2つの前記メインローラーの間に位置決められるように設けられた送り装置と、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載された2つのリール装置とを備え、
    各前記リール装置は、前記装置フレームの両側に配置され、
    前記第1の水平方向は前記高さ方向に対して直角であり、
    2つの前記メインローラーは、前記高さ方向及び前記第1の水平方向と直角である前記第2の水平方向に沿って並ぶように設けられ、
    前記ワイヤーは、前記リール装置の1つ、前記ローラー装置、前記リール装置の他の1つにその順番に巻きまわされて装着され、
    2つの前記メインローラーに前記ワイヤーが前記第2の水平方向に走行するように周回されて前記第1の水平方向沿いの間隔をおいて並列される複数の線分からなるワイヤーウェブを形成するよう架設され、
    前記ワイヤーウェブは、2つの前記メインローラー間に架設された複数本の平行な前記線分を加工セクションとして有することを特徴とするワイヤーソー。
  11. 前記装置フレームは、前記高さ方向に沿って延伸されたベース部と、前記ベース部から前記高さ方向の上向きに延伸され、前記ローラー装置が装着される収容スペースが形成された作業部と、前記作業部を取り挟むように前記作業部の前記第2の水平方向の両側にそれぞれ設けられた2つの滑車装着部とを有し、
    前記ワイヤーソーは更に、前記ローラー装置の両側において前記滑車装着部にそれぞれ設けられた張力調整装置を備え、前記張力調整装置は、前記ワイヤーの前記リール装置における巻き取り位置を変更するために前記ローラー装置及び対応する前記リール装置の間に回動可能に設けられた滑車機構を有し、
    前記滑車機構は、前記高さ方向と平行な直線に沿って往復して前記ワイヤーをロード/アンロードするように調整制御可能に設けられた案内ロールを有し、
    前記ワイヤーが前記案内ロールに巻き取られ、且つ前記ワイヤーの外力作用方向が前記案内ロールのワイヤー繰り出し方向と平行するように配置されることを特徴とする請求項10に記載のワイヤーソー。
  12. 前記張力調整装置は、対応する前記滑車装着部に設けられた第1の駆動機構と、前記第1の駆動機構によって回転制御されるように前記第1の駆動機構の出力シャフトと連結されたねじシャフトと、前記案内ロールが回転可能に配置されるように前記ねじシャフトが接合螺結された取付枠とを更に設けていることを特徴とする請求項11に記載のワイヤーソー。
  13. 前記張力調整装置は更に、対応する前記滑車装着部において設けられた第1の駆動機構と、前記第1の駆動機構によって回転制御されるように前記第1の駆動機構の出力シャフトと連結された第1のテンションローラーと、前記案内ロールが回転可能に取り付けられ、且つ前記滑車装着部に対応して前記直線と平行して往復移動されるように設けられた取付枠と、その一端が前記取付枠と連結され、その他端が前記第1のテンションローラーと連結された第1の繋ぎ部材とを備えていることを特徴とする請求項11に記載のワイヤーソー。
  14. 前記張力調整装置は更に、対応する前記滑車装着部において互いに所定の間隔をおいて設けられた第1の駆動機構と第2の駆動機構と、前記第1の駆動機構によって回転制御されるように前記第1の駆動機構の出力シャフトと連結された第1のテンションローラーと、前記第2の駆動機構によって回転制御されるように前記第2の駆動機構の出力シャフトと連結された第2のテンションローラーと、前記案内ロールが回転可能に取り付けられ、且つ前記第1のテンションローラー及び前記第2のテンションローラーの間に前記直線と平行して往復移動されるように設けられた取付枠と、その一端が前記取付枠と連結され、その他端が前記第1のテンションローラーと連結された第1の繋ぎ部材と、その一端が前記取付枠と連結され、その他端が前記第2のテンションローラーと連結された第2の繋ぎ部材と、を備えていることを特徴とする請求項11に記載のワイヤーソー。
  15. 前記ローラー装置は更に2つの補助ローラーを有し、
    2つの前記補助ローラーは前記送り装置の下側で前記メインローラーの間に配置され、
    前記補助ローラーの最下側は前記メインローラーの最上側よりも高くないように配置され、各前記補助ローラーの直径は前記メインローラーの半径よりも小であり、
    前記ワイヤーは、前記リール装置における一方、前記ローラー装置における1つのメインローラー、2つの前記補助ローラー、前記ローラー装置における他の1つのメインローラー、前記リール装置における他方の順番で前記リール装置における一方、前記ローラー装置、前記リール装置における他方に巻回され、前記補助ローラーと前記メインローラーとにより前記補助ローラーの間に前記ワイヤーウェブが構成され、
    前記ワイヤーウェブは、2つの前記補助ローラー間に架設された複数本の平行な前記線分を加工セクションとして有し、前記第2の水平方向に沿って一方向走行又は往復走行させて前記半導体インゴットを切断する、ことを特徴とする請求項10に記載のワイヤーソー。
  16. 半導体インゴットの切断のために使われるワイヤーと、前記ワイヤーが巻回され、前記ワイヤーを前記半導体インゴットの自身の軸心に沿う第1の水平方向に対して横向きに走行させるように回転可能に設けられたローラー装置と、前記半導体インゴットを装着し、装着された前記半導体インゴットを前記ローラー装置に対して上下移動させるように設けられた送り装置と、前記ローラー装置を取り挟むようにその両側に配置された2つの請求項1〜9のいずれか1項に記載のリール装置とを用意し、前記ローラー装置は、前記第1の水平方向と直角の第2の水平方向所定の間隔をおいて並ぶように転動可能に設けられた2つのメインローラーを有する、用意作業を行うステップAと、
    前記2つの前記リール装置の一方である第1のリール装置における前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニット及び前記2つの前記リール装置の他方である第2のリール装置における前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとがそれぞれ前記非結合状態にされ、前記半導体インゴットの切断に使われる新線である前記ワイヤーが新線ワイヤーとして前記第2のリール装置の前記第2の巻きユニットに掛け回され、前記メインローラーに周回されてワイヤーウェブを形成するよう架設され、前記新線ワイヤーの先端が前記第1のリール装置の前記第2の巻きユニットに固定され、そして、前記第1のリール装置が前記結合状態にされ、前記第2のリール装置から前記半導体インゴットの切断に要する分だけの前記新線ワイヤーが巻き戻されて前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回され、前記半導体インゴットを装着した前記送り装置が前記ワイヤーウェブの前記第1の水平方向と前記第2の水平方向とに垂直の高さ方向の上に移動される、新線装着作業を行うステップBと、
    前記送り装置が前記ワイヤーウェブに向かって下降し、前記ローラー装置が回転され、前記ワイヤーが前記第2のリール装置から前記第1のリール装置へ走行する向きである前方向に前記ワイヤーウェブ動かされ、前記半導体インゴットを切断し、そして、前記ローラー装置の回転によって、使われた前記ワイヤーを旧線として回収する分の長さを旧線回収分長さとして前記ワイヤーを走行させ、前記旧線回収分長さに応じた前記ワイヤーの一部を前記第2のリール装置の前記第2の巻きユニットから巻き戻し、前記第1のリール装置の前記第2の巻きユニットに巻回する、前記前方向の切断を行った旧線の旧線回収作業を行うステップCと、
    前記第1のリール装置が前記結合状態にされ、ワイヤーを回収する予定分の長さである回収予定分長さだけ前記ワイヤーを前記前方向を走行させ、前記回収予定分長さに応じた長さを有する前記ワイヤーの一部を前記第2のリール装置の前記第2の巻きユニットから巻き戻し、前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回する、前記前方向の切断を行ったワイヤーの回収作業を行うステップDと、
    前記第2のリール装置が前記結合状態にされ、前記ローラー装置が回転され、前記ワイヤーウェブが動かされ、前記半導体インゴットが切断され、前記回収予定分長さに応じて前記ワイヤーを前記前方向に走行させ、前記回収予定分長さに応じた長さを有する前記ワイヤーの一部を前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットから巻き戻して前記第2のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回し、そして、前記ワイヤーの全てが前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットから巻き戻されると、前記第1のリール装置が前記非結合状態にされる、前記前方向の反対の向きである後方向の切断作業を行うステップEと、
    前記ローラー装置が回転され、前記ワイヤーウェブが動かされ、前記半導体インゴットを切断し、前記ローラー装置の回転によって前記ワイヤーを前記旧線回収分長さだけ走行させ、前記旧線回収分長さに応じた前記ワイヤーの一部を前記第2のリール装置の前記第1の巻きユニットから巻き戻して前記第1のリール装置の前記第2の巻きユニットに巻回し、そして、前記第1のリール装置が前記非結合状態から前記結合状態にされると、前記ワイヤーが更に前記前方向に走行して前記第2のリール装置の前記第1の巻きユニットから巻き戻され、前記第2のリール装置が前記結合状態から前記非結合状態にされる、新線補充切断作業を行うステップFと、
    前記送り装置に装着された前記半導体インゴットが下降しながら前記ワイヤーウェブによる複数のウエハ状への切断が完了するように前記ステップE〜前記ステップFを繰り返し行う、切断完了作業を行うステップGと、
    を有することを特徴とする半導体インゴットの切断方法。
  17. 半導体インゴットの切断のために使われるワイヤーと、前記ワイヤーが巻回され、前記ワイヤーを前記半導体インゴットの自身の軸心に沿う第1の水平方向に対して横向きに走行させるように回転可能に設けられたローラー装置と、前記半導体インゴットを装着し、装着された前記半導体インゴットを前記ローラー装置に対して上下移動させるように設けられた送り装置と、前記ローラー装置を取り挟むようにその両側に配置された2つの請求項1〜9のいずれか1項に記載のリール装置とを用意し、前記ローラー装置は、前記第1の水平方向と直角の第2の水平方向所定の間隔をおいて並ぶように転動可能に設けられた2つのメインローラーを有する用意作業を行うステップAと、
    前記2つの前記リール装置の一方である第1のリール装置における前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニット及び前記2つの前記リール装置の他方である第2のリール装置における前記第1の巻きユニットと前記第2の巻きユニットとがそれぞれ前記非結合状態にされ、前記半導体インゴットの切断に使われる新線である前記ワイヤーが新線ワイヤーとして前記第2のリール装置の前記第2の巻きユニットに掛け回され、前記メインローラーに周回されてワイヤーウェブを形成するよう架設され、前記新線ワイヤーの先端が前記第1のリール装置の前記第2の巻きユニットに固定され、そして、前記第1のリール装置が前記結合状態にされ、前記第2のリール装置から前記半導体インゴットの切断に要する分だけの前記新線ワイヤーが巻き戻されて前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回され、前記半導体インゴットを装着した前記送り装置が前記ワイヤーウェブの前記第1の水平方向と前記第2の水平方向とに垂直の高さ方向の上に移動される、新線装着作業を行うステップBと、
    前記第2のリール装置が前記結合状態にされ、前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットから前記半導体インゴットを切断する分だけの前記新線ワイヤーが巻き戻されて前記第2のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回される、新線巻回作業を行うステップCと、
    前記半導体インゴットを装着した前記送り装置が前記ワイヤーウェブに向かって下降しながら、前記ローラー装置が回転され、前記ワイヤーウェブを、前記ワイヤーが前記第2のリール装置から前記第1のリール装置へ走行する向きである前方向又は/及びその反対の向きである後方向に走行させ、前記半導体インゴットを複数のウエハに切断し、そして、前記新線ワイヤーが前記第2のリール装置から繰り出されて前記半導体インゴットの切断を経た前記ワイヤーが旧線ワイヤーとして少しずつ前記第1のリール装置の前記第1の巻きユニットに巻回されるように前記後方向に走行される前記ワイヤーの量よりも前記前方向に走行される前記ワイヤーの量を多くする、切断作業を行うステップDと、
    を有することを特徴とする半導体インゴットの切断方法。
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