JP3106415B2 - ワイヤソー - Google Patents

ワイヤソー

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JP3106415B2
JP3106415B2 JP13897496A JP13897496A JP3106415B2 JP 3106415 B2 JP3106415 B2 JP 3106415B2 JP 13897496 A JP13897496 A JP 13897496A JP 13897496 A JP13897496 A JP 13897496A JP 3106415 B2 JP3106415 B2 JP 3106415B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D57/00Sawing machines or sawing devices not covered by one of the preceding groups B23D45/00 - B23D55/00
    • B23D57/003Sawing machines or sawing devices working with saw wires, characterised only by constructional features of particular parts
    • B23D57/0069Sawing machines or sawing devices working with saw wires, characterised only by constructional features of particular parts of devices for tensioning saw wires

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワイヤソーに係り、
特にシリコン、ガラス、セラミックス等の脆性材料を切
断するワイヤソーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のワイヤソーでは、走行す
るワイヤの張力はワイヤ走行路に配設されたダンサロー
ラで付与しており、ワイヤリール間を走行するワイヤの
張力は、どの場所においても常に一定であった。一方、
被加工物は走行するワイヤで形成されるワイヤ列に押し
つけて切断するため、ワイヤは高張力で張設する必要が
ある。
【0003】このため、ワイヤの繰り出し及び巻き取り
を行うワイヤリールには、極めて大きな負荷がかかり、
この負荷に耐えうる構造とするため、ワイヤリールは大
型、大重量のものを使用しなければならなかった。とこ
ろで、ワイヤソーに用いられるワイヤは、使用を重ねる
うちに磨耗してくるため、所定時間使用したら新しいも
のと交換する必要がある。このワイヤの交換は、ワイヤ
が巻き掛けられたワイヤリールごと行うが、前述したよ
うに、ワイヤリールは大型、大重量であるため、交換作
業に手間がかかるという欠点があった。
【0004】また、ワイヤの駆動は、ワイヤリールを回
転駆動させることにより行うが、ワイヤリールの重量が
大重量であるため、この駆動部も大型、大容量のものを
使用しなければならないという欠点があった。このよう
な不具合を解消するために、特開平8−71910に
は、次のようなワイヤソーが開示されている。すなわ
ち、各ワイヤリールとダンサローラとの間に張力低減機
構を設け、この張力低減機構でワイヤリールから繰り出
すワイヤの張力、及びワイヤリールに巻き取るワイヤの
張力を低減させて、ワイヤリールにかかる負荷の低減を
図る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記特開平
8−71910に開示されたワイヤソーでは、ワイヤ列
に与える張力をダンサローラで付与するように構成して
いるため、ワイヤを往復走行させて切断した場合、その
ワイヤ速度変更時に前記ダンサローラが上下動し、ワイ
ヤ列にかかる張力が変動して、切断精度が低下するとい
う欠点がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、ワイヤ列に付与する張力を一定に保つことが
できるとともに、ワイヤリールで巻き取るワイヤの張力
を低減することができるワイヤソーを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、一対のワイヤリール間を走行するワイヤを複
数の溝付ローラに巻きかけてワイヤ列を形成し、該ワイ
ヤ列に砥粒を含む加工液を供給しながら被加工物を押し
当ることにより、該被加工物を多数のウェーハに切断す
るワイヤソーにおいて、前記一方のワイヤリールと前記
ワイヤ列との間に1個設けられ、走行するワイヤ列に所
定の張力を与える第1のダンサローラと、前記他方のワ
イヤリールと前記ワイヤ列との間に1個設けられ、走行
するワイヤ列に所定の張力を与える第2のダンサローラ
と、前記第1のダンサローラ、前記第2のダンサローラ
と前記ワイヤ列との間に各々設けられ、前記ワイヤ列
張力と前記ワイヤリール側の張力とが互いに影響を及ぼ
さないようにすると共に、前記ワイヤ列に付与する張力
を調節する伝達トルク可変式張力調整手段と、前記ワイ
ヤ列の張力を検出する張力検出器と、前記張力検出器の
検出結果に基づいて前記張力調整手段を制御する制御手
段と、を有することを特徴とする。
【0008】本発明によれば、ワイヤ列には、張力調整
手段で調節された張力が付与され、一方、前記張力調整
手段と各ワイヤリールとの間を走行するワイヤには、第
1、第2のダンサローラによる張力が付与される。した
がって、ワイヤリールで巻き取るワイヤの張力は、前記
第1、第2のダンサローラで付与されるので、この設定
値を低くすることにより、ワイヤリールにかかる負荷を
低減させることができる。この結果、ワイヤリールの小
型軽量化を図ることができる。一方、ワイヤの速度変更
時に前記ダンサローラが上下動したとしても、ワイヤ列
にかかる張力は張力調整手段で調整されるので、影響が
なく、切断精度が低下するということもない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
係るワイヤソーの実施の形態について詳説する。図1
は、本発明に係るワイヤソーの実施の形態の構成図であ
る。同図に示すように、ワイヤ10は、モータ11A、
11Bで回転駆動される一対のワイヤリール12A、1
2B間を走行し、そのワイヤ走行路に配設された3本の
溝付ローラ14、14、14に巻きかけられて水平なワ
イヤ列16を形成する。被加工物であるインゴット18
は、このワイヤ列16に砥粒を含む加工液を供給しなが
ら押し当てることにより、その砥粒のラッピング作用で
多数のウェーハに切断される。
【0010】ところで、同図に示すように、一方のワイ
ヤリール12Aとワイヤ列16との間、及び、他方のワ
イヤリール12Bとワイヤ列16との間には、それぞれ
ダンサローラ20A、20Bが配設されており、走行す
るワイヤ10は、この一対のダンサローラ20A、20
Bで所定の張力が付与される。一方、前記一対のダンサ
ローラ20A、20Bとの間には、前記ワイヤ列16の
張力をコントロールする張力調整手段22が設けられて
おり、該張力調整手段22は、次のように構成される。
【0011】図1に示すように、前記張力調整手段22
は、走行するワイヤ10を互いに引張する一対の引張ユ
ニット24A、24B、該引張ユニット24A、24B
を駆動制御する制御装置26、及び、前記ワイヤ列16
にかかる張力を検出するテンションゲージ28A、28
Bを主要構成として構成される。図2は、前記一方の引
張ユニット24A(以下、第1の引張ユニット24Aと
いう)の構成を示す正面図であり、図3は、その側面断
面図である。なお、両引張ユニット24A、24Bは、
同一構成を有しているため、他方側の引張ユニット24
B(以下、第2の引張ユニット24Bという)について
は、その説明を省略する。
【0012】前記第1の引張ユニット24Aは、前記一
方のダンサローラ20Aとワイヤ列16との間に配設さ
れ、ワイヤ10が巻きかけられる一対のローラ30A、
32Aを有している。この一対のローラ30A、32A
のうち図中上側に位置するローラ30A(以下、上ロー
ラ30Aという)は、ワイヤソーの本体フレーム34に
設けられた回動自在な軸受ユニット36に装着されてお
り、その外周面には、ワイヤ10が巻きかけられる複数
の溝が所定ピッチで形成されている。
【0013】前記軸受ユニット36は、前記ワイヤソー
の本体フレーム34に固定されたシャフト38と、その
シャフト38にベアリング40、40を介して回動自在
に支持された回転ドラム42とから構成され、前記上ロ
ーラ30Aは、この回転ドラム42の外周面に装着され
る。そして、前記回転ドラム42に装着された上ローラ
30Aは、前記回転ドラム42の先端部にボルト止めさ
れた挟持キャップ44と前記回転ドラム42の基端部に
形成されたフランジとで挟持されて固定される。
【0014】一方、図中下側に位置するローラ32A
(以下、下ローラ32Aという)は、円筒状に形成され
たホイール46の外周に一体固着されており、該ホイー
ル46は滑りクラッチ48を介してモータ50に連結さ
れている。この滑りクラッチ48には、公知のパウダー
クラッチが使用されており、該パウダークラッチは印加
した励磁電流に応じて伝達トルクを可変する(この他、
公知のパウダーブレーキや電磁クラッチ等、伝達トルク
を可変できるクラッチであればよい)。
【0015】なお、図3に示すように、前記ホイール4
6は前記滑りクラッチ48の出力側ロータ48Aにボル
ト52、52を介して連結されており、前記モータ50
はカップリング54を介して前記滑りクラッチ48の入
力側シャフト48Bに連結されている。また、前記滑り
クラッチ48は、図示しないブラケットを介して前記ワ
イヤソーの本体フレーム34に固定されており、前記上
ローラ30Aと前記下ローラ32Aとの間隔を一定に保
っている。
【0016】前記のごとく構成された第1の引張ユニッ
ト24Aは、その上下一対のローラ30A、32Aに走
行するワイヤ10が複数回巻きかけられる。なお、前記
下ローラ32Aには、前記上ローラ30Aのように外周
部に溝が形成されていないが、これは次の理由による。
すなわち、下ローラ32Aにも同様に多数の溝を形成す
ると、上ローラ30Aと下ローラ32Aとを位置合わせ
して設置する必要があり、その困難さを回避するためで
ある。たとえ下ローラ32Aの外周部に溝を形成してい
ないとしても、上下のローラ30A、32Aに巻きかけ
られるワイヤ10は、上ローラ30Aに形成された溝で
ガイドされるため、位置ズレは生じない。したがって、
巻きかけられたワイヤ10同士が絡まって断線すること
はない。
【0017】前記第1の引張ユニット24Aと同様の構
成を有する第2の引張ユニット24Bは、図1に示すよ
うに、他方のダンサローラ20Bとワイヤ列16との間
に配設される。そして、前記第1の引張ユニット24A
と対を成して、次のように作用する。前記両引張ユニッ
ト24A、24Bの下ローラ32A、32Bに連結され
たモータ(図示せず)は、それぞれワイヤ10の走行速
度よりも速い速度で、かつ、前記ワイヤ10の走行方向
と同方向に回転している。前述したように、前記各モー
タから前記各下ローラ32A、32Bに伝達される回転
力は各々の間に介装された滑りクラッチ(図示せず)で
調節することができる。この滑りクラッチを調節して、
前記第2の引張ユニット24Bの下ローラ32Bを前記
ワイヤ10の走行速度よりも速い速度で回転させるとと
もに、前記第1の引張ユニット24Aの下ローラ32A
をワイヤ10の走行方向よりも遅い速度で回転させる。
【0018】前記第2の引張ユニット24Bの下ローラ
32Bをワイヤ10の走行速度よりも速い速度で回転さ
せることにより、走行するワイヤ10は、通常の走行速
度よりも速い速度で送られる。一方、前記第1の引張ユ
ニット24Aの下ローラ32Aをワイヤ10の走行方向
よりも遅い速度で回転させることにより、走行するワイ
ヤ10には、その下ローラ32Aによってブレーキがか
けられる。この結果、両引張ユニット24A、24B間
を走行するワイヤ10は、両引張ユニット24A、24
Bに引張されて、張力が付与される。
【0019】前記第1、第2の引張ユニット24A、2
4Bの各々の下ローラ32A、32Bに与える回転力
は、各下ローラ32A、32Bに連結された滑りクラッ
チに印加する励磁電流を変えることにより可変すること
ができるので、この印加する励磁電流を調節することに
より、前記両引張ユニット24A、24B間の張力を調
節する。
【0020】前記制御装置26は、前記テンションゲー
ジ28A、28Bで検出される両引張ローラ32A、3
2B間の張力に基づき、前記両引張ローラ32A、32
Bに連結された滑りクラッチに印加する励磁電流を制御
して、両引張ローラ32A、32B間の張力制御する。
前記のごとく構成された本発明に係るワイヤソーの実施
の形態の作用は次の通りである。
【0021】図1に示すように、ワイヤ10は、一対の
ワイヤリール12A、12B間を図中右方向に向かって
走行する。インゴット18は、前記ワイヤ10で形成さ
れたワイヤ列16に砥粒を含む加工液を供給しながら押
し当てることにより、その砥粒のラッピング作用で多数
のウェーハに切断される。ところで、切断中のワイヤ列
16に付与する張力は、張力調整手段22で調整し、該
張力調整手段22は次のように作用する。
【0022】前記切断中のワイヤ列16にかかる張力
は、テンションゲージ28A、28Bで検出され、その
検出値は制御装置26に出力される。制御装置26は、
その検出値に基づき両引張ユニット24A、24Bの滑
りクラッチに印加する励磁電流の電流値を制御する。例
えば、前記ワイヤ列16にかかる張力が設定値よりも低
い場合は、前記励磁電流を制御して、前記ワイヤ列16
の上流側に位置している第2の引張ユニット24Bの下
ローラ32Bの回転力を上げ、ワイヤ10の送り量を上
げるか、又は、前記ワイヤ列16の下流側に位置してい
る第1の引張ユニット24Aの下ローラ32Aの回転力
を下げ、下ローラ32Aに付与する負荷量を上げる。こ
の結果、前記両引張ユニット24A、24B間のワイヤ
引張力が上昇し、ワイヤ列16にかかる張力が高くな
る。
【0023】一方、前記ワイヤ列16にかかる張力が設
定値よりも高い場合は、逆に前記ワイヤ列16の上流側
に位置している第2の引張ユニット24Bの下ローラ3
2Bの回転力を下げ、ワイヤ10の送り量を下げるか、
又は、前記ワイヤ列16の下流側に位置している第1の
引張ユニット24Aの下ローラ32Aの回転力を上げ、
下ローラ32Aに付与する負荷量を下げる。この結果、
前記両引張ユニット24A、24B間のワイヤ引張力が
低下し、ワイヤ列16にかかる張力が低くなる。
【0024】前記制御装置26は、前記テンションゲー
ジ28A、28Bで検出されるワイヤ列16の張力をフ
ィードバックし、滑りクラッチに印加する励磁電流を制
御する。上記実施の形態は、ワイヤ10を一方向のみに
走行させて切断する場合の例であるが、ワイヤ10を往
復走行させる場合は、次のようになる。
【0025】ワイヤ10が図1中右方向に走行する場合
は上記実施の形態によるが、走行方向が切り換わり、図
1中左方向に走行する場合、前記第1の引張ユニット2
4Aの下ローラ32Aに連結されたモータ、及び、前記
第2の引張ユニット24Bの下ローラ32Bに連結され
たモータの回転方向を切り換え、ワイヤ10の走行方向
と同方向に回転させる。
【0026】そして、前記滑りクラッチを調節して、前
記第1の引張ユニット24Aの下ローラ32Aを前記ワ
イヤ10の走行速度よりも速い速度で回転させる一方、
前記第2の引張ユニット24Bの下ローラ32Bをワイ
ヤ10の走行速度よりも遅い速度で回転させて、下ロー
ラ32Bに負荷を与える。これにより、両引張ユニット
24A、24B間を走行するワイヤ10は、両引張ユニ
ット24A、24Bに引張されて、張力が付与される。
調整方法は、上記右方向にワイヤ10を走行させた場合
と同じである。
【0027】このように、本実施の形態のワイヤソーに
よれば、ワイヤ列16に付与する張力を張力調整手段2
2を用いて調整するため、例えば、ワイヤ速度変更時に
ダンサローラ20A、20Bが上下動したとしても、ワ
イヤ列16にかかる張力には影響を及ぼすことはない。
したがって、前記ワイヤ列16には常に一定の張力が付
与され、この結果、高精度な切断が可能になる。
【0028】また、前記ワイヤ列16の張力を張力調整
手段22で調整することにより、前記ワイヤリール12
A、12Bで巻き取る又は繰り出すワイヤ10の張力を
低減させることができる。すなわち、前記ワイヤ列16
の張力を張力調整手段22で調整すると共に、ワイヤ列
の張力と前記ワイヤリール側の張力とが互いに影響を及
ぼさないようにすることにより、前記第1の引張ユニッ
ト24Aと一方のワイヤリール12Aとの間を走行する
ワイヤ10、及び、前記第2の引張ユニット24Bと他
方のワイヤリール12Bとの間を走行するワイヤ10の
張力は、各々の間に配設されたダンサローラ20A、2
0Bで付与されることになる。このダンサローラ20
A、20Bで付与するワイヤ10の張力は、前記ワイヤ
列16に付与する張力と同じである必要はなく、極低い
張力に設定することができる。この結果、従来のワイヤ
ソーに比べて、極めて低い張力でワイヤ10を巻き取る
ことができ、ワイヤリール12A、12Bにかかる負担
を低減させることができる。
【0029】また、ダンサローラ20A、20Bは、そ
の変動量を計測してワイヤ10の走行速度の制御データ
等に使用されるが、このダンサローラ20A、20Bの
軽量化を図ることにより、ダンサローラ20A、20B
の応答性が向上し、制御性能が向上する。また、ワイヤ
10を極めて低い張力で巻き取ることができる結果、ワ
イヤリール12A、12Bの小型軽量化、及び、その駆
動部の小容量化を図ることができる。
【0030】図4には、本実施の形態のワイヤソーに適
用される小型軽量化を図ったワイヤリールの構成が示さ
れており、以下その構成について説明する。図4に示す
ように、中空状に形成されたワイヤリール60は、ター
ンテーブル62上に連結固定されたスピンドル64に筒
体66を介して装着される。前記ワイヤリール60が装
着されるスピンドル64は円柱状に形成されており、そ
の基端部に前記ターンテーブル62と同径のフランジ6
8が一体形成されている。このスピンドル64が連結固
定されるターンテーブル62は、円盤状に形成されてお
り、前記ワイヤリール60を駆動するモータ61の回転
軸に連結されている。
【0031】前記ターンテーブル62の上面中央には、
円錐台形の凸部62Aが形成されており、一方、前記フ
ランジ68の端面中央には、そのターンテーブル62に
形成された凸部62Aと嵌合する円錐台形の凹部68A
が形成されている。連結時は、この凸部62Aと凹部6
8Aを嵌合させて行い、これにより、前記ターンテーブ
ル62とスピンドル64は同軸上に連結される。
【0032】連結されたスピンドル64とターンテーブ
ル62は、スピンドル64のフランジ68とターンテー
ブル62とをボルト70で固定する。固定はフランジ6
8とターンテーブル62の端面3か所で行い(2か所の
み図示)、ターンテーブル62側に形成された取付穴6
2Bにボルト70を挿入したのち、フランジ68側に形
成されたボルト穴68Bに前記ボルト70を螺合させて
固定する。
【0033】前記スピンドル64に装着される筒体66
は、図5に示すように、その両端及び中央部に拡径され
た両端拡径部66A、66A及び中央拡径部66Bを有
している。この筒体66の周面には、両端から前記中央
拡径部66Bに向けて複数のスリット72、72、…が
等間隔で形成されており、これにより、前記両端拡径部
66A、66Aは、その外径を拡縮することができる。
【0034】また、図4に示すように、前記筒体66の
両端内周部には、端面に向かって拡径するテーパ面66
a、66aが形成されている。一方、この筒体66が装
着されるスピンドル64の基端部には、そのフランジ6
8に向かって拡径するテーパ面64aが形成されてい
る。この結果、前記筒体66を前記スピンドル64に装
着した状態で下方に押圧すると、筒体66は、その下端
内周部に形成されたテーパ面66aがスピンドル64の
基端部に形成されたテーパ面64aに押圧され、下側に
形成された両端拡径部66Aの外径が拡径する。
【0035】また、図4に示すように、前記スピンドル
64の先端部には、円柱状に形成された突起74がスピ
ンドル64の先端部に一体形成されている。この突起7
4には、リング状に形成された拡径リング76が装着さ
れており、該拡径リング76は前記スピンドル64の端
面にボルト78、78、…で固定されている。固定は4
か所で行われており(2か所のみ図示)、拡径リング7
6側に形成された取付穴76Aにボルト78を挿入した
のち、スピンドル64側に形成されたボルト穴64Aに
前記ボルト78を螺合させて固定される。
【0036】また、前記拡径リング76の下端外周部に
は、下方に向かって縮径するテーパ面76aが形成され
ている。この結果、前記拡径リング76を前記突起74
に装着し、ボルト78、78、…で固定すると、そのテ
ーパ面76aが前記筒体66に形成されたテーパ面66
a(上側)を押圧し、前記筒体66の両端拡径部66A
(上側)を拡径させる。
【0037】前記拡径リング76が装着、固定されるこ
とにより、筒体66自体も下方に押圧されるので、この
結果、筒体66の下側に形成された両端拡径部66Aの
径も拡径する。このように、前記拡径リング76が装
着、固定されることにより、筒体66は、その両端拡径
部66A、66Aの外径を拡径する。
【0038】前記ワイヤリール60は、前記スピンドル
64に上記筒体66を介して装着され、装着されたワイ
ヤリール60は、スピンドル64のフランジ68上に形
成された段部68C上に載置される。この結果、ワイヤ
リール60のフランジ60Aとスピンドル64のフラン
ジ68との間には、所定の間隔の隙間が生じる。この隙
間は、前記ワイヤリール60のフランジ60Aに生じる
変形を吸収するために形成されている。すなわち、ワイ
ヤリール60には数百メートルものワイヤが巻きかけら
れるため、そのワイヤの自重でワイヤリール60のフラ
ンジ60Aが弓形に変形してしまう。
【0039】ここで、ワイヤリール60のフランジ60
Aとスピンドル64のフランジ68とが密着していると
すれば、スピンドル64のフランジ68やターンテーブ
ル62までもが弓形に変形してしまい、この結果、スピ
ンドル64のフランジ68とターンテーブル62とを固
定するボルト70が変形し、ターンテーブル62からス
ピンドル68が取り外せなくなるという自体が発生す
る。また、新たなスピンドル68を取り付ける際に、タ
ーンテーブル62が変形していると、取付穴62Bとボ
ルト穴68Bとの位置が合わず固定できないという自体
も発生する。
【0040】一方、前記隙間を形成することにより、ワ
イヤリール60のフランジ60Aの変形は、この隙間で
吸収され、スピンドル64のフランジ68やターンテー
ブル62への影響は生じない。前記のごとく構成された
ワイヤリール60の作用は次の通りである。まず、ター
ンテーブル62にスピンドル64を連結し、次いで、連
結したスピンドル64に筒体66を装着する。
【0041】筒体66が装着されたスピンドル64にワ
イヤリール60を装着し、スピンドル64に拡径リング
76を取り付ける。そして、その拡径リング76をボル
ト78、78、…で固定する。前記拡径リング76をボ
ルト78、78、…で固定することにより、前記筒体6
6の上端内周に形成されたテーパ面66aは、前記拡径
リング76の下端外周に形成されたテーパ面76aに押
圧される。この結果、筒体66の上側に形成された両端
拡径部66Aが拡径する。
【0042】一方、前記拡径リング76でボルト78、
78、…を固定することにより、筒体66自体も下方に
押圧されるので、この結果、筒体66の下端内周に形成
されたテーパ面66aも、スピンドル64の基端部に形
成されたテーパ面64aに押圧される。この結果、筒体
66の下側に形成された両端拡径部66Aも拡径する。
【0043】前記のごとく拡径した両端拡径部66A、
66Aは、それぞれワイヤリール60の上端及び下端内
周部を押圧し、この結果、ワイヤリール60がスピンド
ル64に一体固定される。取り外しは、スピンドル64
の先端から拡径リング76を取り外せばよく、この結
果、筒体66の両端拡径部66A、66Aが縮径してワ
イヤリール60の押圧は解除される。
【0044】なお、取り付けは、あらかじめワイヤリー
ル60を装着したスピンドル64をターンテーブル62
に取り付けるようにしてもよい。このように、上記ワイ
ヤリール60によれば、極めて簡単に取り付け、取り外
しができる。また、従来、中実状に形成されていたワイ
ヤリール60を中空状に形成することにより、ワイヤリ
ール単体の重量を極めて軽くすることができる。この結
果、ワイヤリール60の運搬や着脱作業を極めて容易に
行うことができる。
【0045】さらに、ワイヤリール60の軽量、コンパ
クト化により、安価なワイヤリール60を提供すること
ができ、この結果、使い捨てのワイヤリールを提供する
ことができる。すなわち、従来のワイヤリールは、大
型、大重量であるため、製造コストがかかり、高価格と
なっていた。このため、ワイヤリールは、ワイヤが磨耗
したら、新たなワイヤに巻き替えて繰り返し使用してい
た。しかしながら、このワイヤの巻き替え作業は、ワイ
ヤメーカが行っており、ユーザは磨耗したワイヤをワイ
ヤリールごとワイヤメーカに返却しなければならず、そ
の輸送コストが極めて高額となっていた。
【0046】一方、前記のごとく、ワイヤリールの使い
捨て化を図ることにより、ワイヤリールはワイヤメーカ
から供給されるだけとなり、輸送コストの低減を図るこ
とができる。また、ワイヤリールの使い捨て化により、
ワイヤリールの保管等も容易に行うことができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワイヤ列に付与する張力を張力調整手段で調節すると共
に、ワイヤ列の張力と前記ワイヤリール側の張力とが互
いに影響を及ぼさないようにすることにより、ワイヤリ
ールにかかる負荷を低減させることができる。また、従
来は、ダンサローラの変動により、ワイヤ列にかかる張
力が変動し、切断精度が低下するという欠点があった
が、本発明では、ワイヤ列の張力は、張力調整手段で調
整されると共に、ワイヤ列の張力と前記ワイヤリール側
の張力とが互いに影響を及ぼさないようにされるので、
ダンサローラが変動してもワイヤ列の張力には影響がな
く、切断精度が低下するということもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤソーの実施の形態の構成図
【図2】引張ユニットの構成を示す正面図
【図3】引張ユニットの構成を示す側面断面図
【図4】本発明に係るワイヤソーに適用されるワイヤリ
ールの構成を示す側面部分断面図
【図5】筒体の構成を示す斜視図
【符号の説明】
10…ワイヤ 12A、12B…ワイヤリール 14…溝付ローラ 16…ワイヤ列 18…インゴット 20A、20B…ダンサローラ 22…張力調整手段 24A、24B…引張ユニット 26…制御装置 28A、28B…テンションゲージ 30A、30B…上ローラ 32A、32B…下ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28D 5/04 B24B 27/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のワイヤリール間を走行するワイヤ
    を複数の溝付ローラに巻きかけてワイヤ列を形成し、該
    ワイヤ列に砥粒を含む加工液を供給しながら被加工物を
    押し当ることにより、該被加工物を多数のウェーハに切
    断するワイヤソーにおいて、 前記一方のワイヤリールと前記ワイヤ列との間に1個
    けられ、走行するワイヤ列に所定の張力を与える第1の
    ダンサローラと、 前記他方のワイヤリールと前記ワイヤ列との間に1個
    けられ、走行するワイヤ列に所定の張力を与える第2の
    ダンサローラと、 前記第1のダンサローラ、前記第2のダンサローラと前
    記ワイヤ列との間に各々設けられ、前記ワイヤ列の張力
    と前記ワイヤリール側の張力とが互いに影響を及ぼさな
    いようにすると共に、前記ワイヤ列に付与する張力を調
    節する伝達トルク可変式張力調整手段と、 前記ワイヤ列の張力を検出する張力検出器と、 前記張力検出器の検出結果に基づいて前記張力調整手段
    を制御する制御手段と、 を有することを特徴とするワイヤソー。
  2. 【請求項2】 前記張力調整手段は、 前記第1のダンサローラと前記ワイヤ列との間に設けら
    れ、走行するワイヤが巻きかけられる第1のローラと、 前記第1のローラに連結され、該第1のローラを回転駆
    動する第1の駆動モータと、 前記第1のローラと前記第1の駆動モータとの間に介装
    され、前記第1の駆動モータから前記第1のローラに伝
    達される回転力を調節する第1の滑りクラッチと、 前記第2のダンサローラと前記ワイヤ列との間に設けら
    れ、走行するワイヤが巻きかけられる第2のローラと、 前記第2のローラに連結され、該第2のローラを回転駆
    動する第2の駆動モータと、 前記第2のローラと前記第2の駆動モータとの間に介装
    され、前記第2の駆動モータから前記第2のローラに伝
    達される回転力を調節する第2の滑りクラッチと、から
    なり、前記制御手段で前記第1の滑りクラッチ及び前記
    第2の滑りクラッチを制御して、前記ワイヤ列に付与す
    る張力を調節することを特徴とする請求項1記載のワイ
    ヤソー。
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