JP3167705U - ワイヤ式切断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】巻き取られるワイヤの表面状態に応じて巻取りボビンのワイヤ巻取幅を自動調整できるようにするワイヤ式切断装置を提供する。【解決手段】ワイヤ繰出し機構から繰出された切断用のワイヤを、メインロール部の複数の溝ロールを経てワイヤ巻取り機構に巻取らせることにより、被切断材を切断するワイヤ式切断装置を構成する。さらに、該ワイヤ巻取り機構は、前記ワイヤを巻取る回転自在な巻取りボビンと、この巻取りボビンを前記ワイヤの巻取方向と直交する方向に移動させる移動機構と、巻取りボビンによって巻き取られるワイヤの張力を検出する張力検出器71と、この張力検出器71によって検出されたワイヤの張力に基づいて移動機構により巻取りボビンを移動させてワイヤの巻取幅を可変制御する制御部73とを具備する。【選択図】図3
Description
本考案の実施形態は、半導体材料、磁性材料、セラミックス、プリント配線基板等のいわゆる脆性材料をウエハ状、その他の形状に切断するのに適したワイヤ式切断装置に関する。
ワイヤ式切断装置はワイヤソーとも呼ばれ、メインロール部の複数の平行に配置された溝ロールに張設された切断用のワイヤを走行させ、この走行する切断用のワイヤに被切断材を押し付けることにより被切断材を切断するものである。
切断用のワイヤはワイヤ繰出し機構から繰出されてメインロール部に供給され、さらにメインロール部からワイヤ巻取り機構に送られ、その巻取りボビンに巻取られる。
ところで、巻取りボビンの幅寸法は、その使用期間や状態によって変化し、個別に差がでてしまう。このため、単に、巻取りボビンによりワイヤを巻き取ると、巻き取られたワイヤの表面状態(巻状態)が、鼓型や太鼓型になって張力が不安定になり、最悪断線を引き起こす虞がある。
そこで、従来は、機械運転中に作業者自身が目視でワイヤの巻取幅を確認し、手動で巻取幅を微調整していた。
しかしながら、従来においては、作業者自身がワイヤの巻取幅を手動で調整していたため、手間取るという問題があった。
本考案は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、巻取られるワイヤの表面状態に応じて巻取りボビンのワイヤ巻取幅を自動調整できるようにしたワイヤ式切断装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の考案は、ワイヤ繰出し機構から繰出された切断用のワイヤを、メインロール部の複数の溝ロールを経てワイヤ巻取り機構に巻取らせることにより、被切断材を切断するワイヤ式切断装置において、前記ワイヤ巻取り機構は、前記ワイヤを巻取る回転自在な巻取りボビンと、この巻取りボビンを前記ワイヤの巻取方向と直交する方向に移動させる移動機構と、前記巻取りボビンによって巻き取られる前記ワイヤの張力を検出する張力検出器と、この張力検出器によって検出された前記ワイヤの張力に基づいて前記移動機構により前記巻取りボビンを移動させて前記ワイヤの巻取幅を可変制御する制御部とを具備する。
本考案によれば、巻取られるワイヤの表面状態に応じて巻取りボビンのワイヤ巻取幅を自動調整でき、手間取ることがない。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本考案の一実施の形態であるワイヤ式切断装置を示す構成図である。
ワイヤ式切断装置はメインロール部20を備え、このメインロール部20は2つの溝ロール21、22を備えている。溝ロール21、22の周面には、その軸方向に一定間隔で周方向に沿う溝が形成されている。溝ロール21、22は互いに平行に回転自在に保持されている。一方の溝ロールを駆動ロールとしてもよいし、両方を従動ロールとしてもよい。
メインロール部20の上方にはワーク送り装置25が設けられている。ワーク送り装置25のロッドの先端にはワーク(被切断材)Wが保持されている。ワークWはワ−ク送り装置25によって矢印で示すようにメインロール部20に対し進退する方向に移動されるようになっている。
また、ワイヤ式切断装置は、切断用ワイヤ10の繰出し、巻取りのために2台の繰出し巻取り機構30、40が設けられている。これらの繰出し巻取り機構30、40は同じ構造のもので、一方が繰出し側となったときには他方は巻取り側となり、一方が巻取り側となったときには他方が繰出し側となる。図1に示す状態では機構30が繰出し側、機構40が巻取り側となっている。
切断用ワイヤ10は、繰出し側の機構30から繰出され、ガイドシーブ(ガイドロール)31、35を経てダンサ機構32のダンサロール34に掛けられ、さらにガイドシーブ(ガイドロール)36、37、38、39を経てメインロール部20に到達する。メインロール部20では、切断用ワイヤ10は溝ロール21の溝に順次掛けられている。
メインロール部20から出た切断用ワイヤー10はガイドシーブ(ガイドロール)49、48、47、46を経て、ダンサ機構42のダンサ−ロール44に掛けられ、さらにガイドシーブ(ガイドロール)45、41を経て、巻取り側の機構40によって巻取られる。
ワーク送り装置25に保持されたワークWは、ワーク送り装置25によってメインロール部20の方向に送られ、走行する切断用ワイヤ10に押し付けられることにより、ワークWが切断される。
ダンサ機構32、42は、一端で枢着されたダンサアーム33、43と、このダンサアーム33、43の他端に回転自在に取付けられたダンサロール34、44とをそれぞれ含み、繰出し側の機構30から繰出される切断用ワイヤ10の張力、巻取り側の機構40に巻取られる切断用ワイヤ10の張力をそれぞれ調整するものである。なお、上述したガイドシーブは適当な支持部材にそれぞれ回転自在に支持されている。
また、上記ダンサ機構42の近傍には、切断用ワイヤ10の張力、即ち、ダンサアーム43のダンサ角度を検出するダンサ角度検出器71が設けられている。
さらに、上記ガイドシーブ(ガイドロール)41の近傍には、巻取り機構40に送られる切断用ワイヤ10が後述する巻取りボビン51に対し垂直な状態、或いは斜めの状態であるのかを検出するワイヤ状態検出器72が設けられている。
図2は切断用ワイヤ10の繰出し巻取り機構30、40の構成を示すものである。
以下の説明では、切断用ワイヤ10を巻取るように働く機構の動作の観点から機構40の構成を説明する。
切断用ワイヤの繰出し巻取り機構(以下、単に巻取り機構という)40は移動台50を備えている。この移動台50は、ガイドシーブ45、41に案内されて巻取り機構40に給送される切断用ワイヤ10の走行方向に直交する方向に移動自在である。すなわち機台または床には、切断用ワイヤ10の走行方向に直交する方向に沿って2本のレール61が敷設され、移動台50の下面に固定された複数の摺動部材62がこれらのレール61に摺動自在に嵌められている。
移動台50上には、軸支持体54とモータ支持体55とが固定されている。軸支持体54は軸受を備え、この軸受に巻取りボビン51の軸52が回転自在にかつ水平に支持されている。巻取りボビン51はその中心で軸52に固定されている。巻取りボビン51の軸52の軸方向は、移動台50の移動方向(レール61の長手方向)と一致する。すなわち、巻取りボビン51の軸52の軸方向は切断用ワイヤ10の走行方向と直交する。
他方、モータ支持体55にはボビン駆動モータ56が固定され、その回転軸が巻取りボビン51の軸52にカップリング58により連結されている。
機台または床には凹所70が形成され、この凹所70内に移動機構としての往復移送機構60が設けられている。往復移送機構60は、ねじ軸63とこのねじ軸63を回転駆動するサーボモータ65とを含む。ねじ軸63はその両端部で、凹所70内に固定された軸受64によって回転自在に支持されている。ねじ軸63の軸方向はレール61の長手方向と一致している。サーボモータ65は凹所70内に固定され、その回転軸がねじ軸63の端部にカップリング66により連結されている。
ねじ軸63にはナット68が装着され、このナット68は移動台50の下面に取付けられた取付部材67に固定されている。したがって、サーボモータ65を正方向または逆方向に回転駆動することにより、ねじ軸63が正、逆回転し、これに伴って移動台50がレール61に沿って往復移送される。
移動台50の往復動する範囲は巻取り用ボビン51の両端のフランジ間の間隔(ボビンの幅)にほぼ等しい。すなわち、給送される切断用ワイヤ10のボビンへの給送位置(ガイドシーブ41の位置)は動かないが(固定であるが)、巻取り用ボビン51が、その両端のフランジの内側面が切断用ワイヤ10の給送位置にくるように往復移送駆動される。ボビン51による巻取速度が巻取り機構40に給送される切断用ワイヤ10の線速に合うように、駆動モータ56によってボビン51が巻取り方向に回転駆動される。そして、この巻取速度にあわせて、所定のピッチ(ワイヤの径の数倍程度)で切断用ワイヤ10がボビン51にフランジ間を往復しながら巻回されるように(ピッチ巻き)、サーボモータ65を含む往復移送機構60によって移動台50が往復移送される。
図3は、上記した巻取りボビン51を往復移動させる往復移送機構60の制御系を示すブロック図である。
上記したダンサ角度検出器71及びワイヤ状態検出器72は、送信回路を介して制御部73に接続され、制御部73には制御回路を介して上記サーボモータ65、及び異常表示部としての操作タッチパネル74が接続されている。
上記した切断用ワイヤ10の巻取時において、巻取られた切断用ワイヤ10の表面が平坦であれば、ダンサアーム43は一定の高さを保持する。
しかしながら、巻取られた切断用ワイヤ10の表面に凹凸が発生すると、巻取りボビン51の周速が変化し、ダンサアーム43は上下動する。このようにダンサアーム43が上下動すると、その角度がダンサ角度検出器71によって検出され、その検出角度に基づいて制御部73によりサーボモータ65の駆動が制御される。即ち、切断用ワイヤ10の表面が平坦な巻取状態になるように、巻取りボビン51を切断用ワイヤ10の巻取方向に対し直交する方向に移動させて巻取幅を自動的に調整する。
従って、従来のように作業者が切断用ワイヤ10の巻取状態を目視で確認して調整する必要がなく、手間取ることがない。
なお、上記した実施形態は、例として提示したものであり、考案の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、考案の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、考案の範囲や要旨に含まれるとともに、実用新案登録請求の範囲に記載された考案とその均等の範囲に含まれる。
10…切断用ワイヤ(被切断材)、20…メインロール部、30…ワイヤ繰出し機構
、40…ワイヤ巻取り機構、51…巻取りボビン、60…往復移送機構(移動機構)、71…ダンサ角度検出器(張力検出器)、72…ワイヤ状態検知器、73…制御部、74…異常表示部。
、40…ワイヤ巻取り機構、51…巻取りボビン、60…往復移送機構(移動機構)、71…ダンサ角度検出器(張力検出器)、72…ワイヤ状態検知器、73…制御部、74…異常表示部。
Claims (2)
- ワイヤ繰出し機構から繰出された切断用のワイヤを、メインロール部の複数の溝ロールを経てワイヤ巻取り機構に巻取らせることにより、被切断材を切断するワイヤ式切断装置において、
前記ワイヤ巻取り機構は、
前記ワイヤを巻取る回転自在な巻取りボビンと、
この巻取りボビンを前記ワイヤの巻取方向と直交する方向に移動させる移動機構と、
前記巻取りボビンによって巻き取られる前記ワイヤの張力を検出する張力検出器と、
この張力検出器によって検出された前記ワイヤの張力に基づいて前記移動機構により前記巻取りボビンを移動させて前記ワイヤの巻取幅を可変制御する制御部と
を具備することを特徴とするワイヤ式切断装置。 - 前記巻取りボビンによって巻き取られる前記ワイヤの状態を検知するワイヤ状態検知器と、
この状態検知器が前記ワイヤが斜め状態であることを検知するのに基づいて異常を表示する異常表示部と
を具備することを特徴とする請求項1記載のワイヤ式切断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011000930U JP3167705U (ja) | 2011-02-22 | 2011-02-22 | ワイヤ式切断装置 |
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Family Applications (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103317607A (zh) * | 2012-03-19 | 2013-09-25 | 松下电器产业株式会社 | 锭料的切割装置 |
CN103331830A (zh) * | 2013-07-09 | 2013-10-02 | 苏州协鑫光伏科技有限公司 | 用于硅片多线切割机的绕线轮滑轨装置 |
JP2013220482A (ja) * | 2012-04-13 | 2013-10-28 | Tokyo Seiko Co Ltd | ワイヤ式切断装置 |
JP2013223915A (ja) * | 2012-03-19 | 2013-10-31 | Panasonic Corp | インゴットの切断装置 |
CN111605089A (zh) * | 2020-06-28 | 2020-09-01 | 南通华兴石油仪器有限公司 | 一种用于制备非常规岩样的循环切割装置 |
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2011
- 2011-02-22 JP JP2011000930U patent/JP3167705U/ja not_active Expired - Lifetime
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