JPH1169487A - 全面駆動型スピーカ - Google Patents

全面駆動型スピーカ

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JPH1169487A
JPH1169487A JP22488697A JP22488697A JPH1169487A JP H1169487 A JPH1169487 A JP H1169487A JP 22488697 A JP22488697 A JP 22488697A JP 22488697 A JP22488697 A JP 22488697A JP H1169487 A JPH1169487 A JP H1169487A
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Yuji Izumi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型化が容易な全面駆動型スピーカを実現す
る。 【解決手段】 導電性の板部材2と、それに絶縁被着さ
れた導電性の磁性膜4,4’とで振動板8を構成し、板
部材に電流を流して磁性膜中を通る磁束24を発生さ
せ、この磁束と鎖交する電流を磁性膜に流して板部材を
音響振動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気音響変換装置
に関し、特に、磁性材料を用いた振動板にその板面に沿
って磁束を通し、磁束と鎖交する方向に電流を流して振
動板を振動させる全面駆動型スピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】磁性材料からなる振動板にその板面に沿
って磁束を通し、磁束と鎖交する方向に音声電流を流し
て振動板を音響振動させる電気音響変換装置は、例えば
特公昭47−14936号公報に記載されているように
公知である。
【0003】この装置は、図9に示すように、マグネッ
ト11,11’の磁極14,15間を金属磁性材料から
なる振動板13により橋絡して、振動板13中に矢印1
8で示すように磁束が通るようにし、かつ、リード線1
6,17を通じて振動板13に点線の矢印で示すように
磁束と鎖交する方向に音声電流を流すようにしたもので
ある。
【0004】この装置では、振動板13中での磁束と電
流の相互作用により、振動板13が磁束および電流の方
向と直交する方向で振動し、電流に対応した音響を発生
する。すなわち、電気音響変換装置となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の電気音響変換装
置は、磁束を発生させるために磁石を用いている。磁石
は、電気音響変換に必要な磁束密度を得るためには、あ
る程度の大きさを必要とし、このため、磁石を用いる限
り電気音響変換装置の薄型化には限界がある。
【0006】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、薄型化が容易な全面駆動型
スピーカを実現することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)課題を解決するための請求項1の発明は、導電性
の板部材と、前記板部材にその板面に平行な電流を通じ
る通電手段と、前記板部材の少なくとも1つの面に電気
的に絶縁して被着され、前記電流によって生じる磁束を
通す磁気通路およびこの磁気通路の磁束と鎖交する電流
を通す電気通路を構成する導電性の磁性膜と、前記磁性
膜が被着された前記板部材を振動可能に支持する支持手
段と、を具備することを特徴とする。
【0008】請求項1の発明では、板部材に流れる電流
による磁束が磁性膜中に集中する。そして、磁性膜中の
磁束との相互作用により、外部から電気通路に与えられ
た電流に応じた板部材の振動が生じる。
【0009】(2)課題を解決するための請求項2の発
明は、請求項1の発明において、前記磁性膜が、前記磁
束と鎖交する方向において互いに平行になるように分離
されかつ互いに同じ方向に電流を流すように直列に接続
された複数の条体である、ことを特徴とする。
【0010】請求項2の発明では、直列接続された複数
の条体に流れる電流によって能率良く振動が発生する。 (3)課題を解決するための請求項3の発明は、請求項
1または請求項2の発明において、前記支持手段が前記
板部材を支持する第2の板部材を有することを特徴とす
る。
【0011】請求項3の発明では、第2の板部材が、磁
性膜が被着された板部材と一体の振動板となり、その振
動特性が電気音響変換の周波数特性を支配する。 (4)課題を解決するための請求項4の発明は、渦巻状
あるいは蛇行状の連続的な偏平のパターンをなす導電部
材と、前記導電部材にそのパターンに沿って電流を通じ
る通電手段と、前記導電部材のパターンに沿い少なくと
も1つの偏平面に電気的に絶縁して被着され、前記電流
によって生じる磁束を通す磁気通路およびこの磁気通路
の磁束と鎖交する電流を通す電気通路を構成する導電性
の磁性膜と、前記磁性膜が被着された前記導電部材を振
動可能に支持する支持手段と、を具備することを特徴と
する。
【0012】請求項4の発明では、連続的な偏平のパタ
ーンをなす導電部材に流れる電流による磁束が磁性膜中
に集中する。そして、磁性膜中の磁束との相互作用によ
り、外部から電気通路に与えられた電流に応じた導電部
材の振動が生じる。
【0013】(5)課題を解決するための請求項5の発
明は、請求項4の発明において、前記支持手段が、前記
磁性膜が被着された前記導電部材を支持する支持板部材
を備える、ことを特徴とする。
【0014】請求項5の発明では、支持板部材が、磁性
膜が被着された導電部材と一体の振動板となり、その振
動特性が電気音響変換の周波数特性を支配する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態
に限定されるものではない。
【0016】(発明の実施の形態の第1の例)図1に全
面駆動型スピーカの模式的構成を示す。本スピーカは、
本発明の実施の形態の第1の例である。
【0017】(構成)本スピーカの構成を説明する。図
1に示すように、本スピーカは導電性の板部材2を有す
る。板部材2は、本発明における板部材の実施の形態の
一例である。板部材2は、例えば銅やアルミニウム等の
導電材料を用いて構成される。
【0018】板部材2の両面には、導電性の磁性膜4,
4’がそれぞれ被着されている。磁性膜4,4’は、本
発明における磁性膜の実施の形態の一例である。磁性膜
4,4’は、いずれか一方のみを設けるようにしても良
い。以下では両面に磁性膜を設けた例について説明す
る。
【0019】磁性膜4,4’は、例えばパーマロイ等の
高透磁率の金属磁性材料を、例えばメッキやスパッタリ
ングすること等によって構成される。金属磁性材料は、
パーマロイに限らず他の高透磁率合金であって良い。金
属磁性材料は一般的に導電性を有する。
【0020】板部材2と磁性膜4,4’の間には絶縁層
6,6’が介在する。絶縁層6,6’は、例えばポリエ
ステル等の高分子絶縁材料の膜によって構成される。そ
の他、板部材2の表面に形成する酸化膜層や接着剤層等
によって構成しても良い。
【0021】両面に磁性膜4,4’が被着された板部材
2は、振動板8を構成する。振動板8は、図におけるx
方向の両端部が支持部材10,10’で支持されてい
る。支持部材10,10’は、本発明における支持手段
の実施の形態の一例である。
【0022】板部材2には、図におけるy方向、すなわ
ち、例えば矢印22の方向に沿って、電流が通じられる
ようになっている。電流は、図示しない電流供給源から
例えば直流の定電流として与えられる。電流供給源は、
本発明における通電手段の実施の形態の一例である。電
流供給源として可変出力のものを用いれば、電流値を変
更することができる。
【0023】板部材2を流れる電流によって磁界が生
じ、この磁界によって板部材2の周りに磁束が生じる。
この磁束は、板部材2の両面に高透磁率の磁性膜4,
4’が被着されていることにより、それらに集中して通
過する。すなわち、磁性膜4,4’は磁気通路を構成す
ることになる。
【0024】磁束は、例えば破線の矢印24で示すよう
に、磁性膜4,4’中を図のx方向に通過して板部材2
の周りを周回する。このような周回磁束が、板部材2の
y方向の全長にわたって形成される。
【0025】例えば、板部材2の厚さを5μm、幅を5
00μmとし、磁性膜4,4’および絶縁層6,6’の
厚さをいずれも2.5μmとしたとき、板部材2に1A
の電流を通じることにより、磁性膜4,4’中に0.8
T(テスラ)程度の磁束密度の磁束を生じさせることが
できる。すなわち、磁石を用いた通常のスピーカにおけ
るのと同程度の磁束密度を得ることができる。
【0026】図2に、磁性膜4における磁束密度分布の
シミュレーション結果を示す。同図に示すように、磁性
膜4のx方向の0.00015〜0.00035mの範
囲で0.821〜0.826Tの磁束密度が得られる。
【0027】磁束密度は、振動板8の各層を薄くするほ
ど高くなる傾向を有する。また、板部材2に流す電流値
を調節することにより、磁性膜4,4’中の磁束密度を
調節することができる。
【0028】磁性膜4,4’には、y方向すなわち矢印
26,26’の方向に沿って、電流が入力されるように
なっている。これらの電流は、図示しない電流入力回路
から入力される。
【0029】磁性膜4,4’は、入力電流のための電気
通路をも構成する。この電気通路を流れる電流は磁性膜
4,4’の中で磁束と鎖交する。すなわち、磁気通路と
鎖交する電気通路が構成される。
【0030】(動作)本スピーカの動作を説明する。図
示しない電流入力回路から、磁性膜4,4’に、矢印2
6,26’の方向に沿ってそれぞれ電流を入力する。な
お、磁性膜4と4’では電流の方向を逆にする。そのよ
うな電流を流すには、磁性膜4と4’を、図における後
端部で直列に接続するのが便利である。これによって、
磁性膜4と4’は、一方が往路、他方が復路となり、同
一値の電流が互いに逆方向に流れるようになる。
【0031】これらの電流はそれぞれ磁性膜4,4’中
の磁束と鎖交するものとなる。このため、磁束と電流の
相互作用により、磁性膜4,4’には、磁束および電流
の方向と直交する方向、すなわち、矢印28で示すよう
に、膜面に垂直な方向に力が作用する。
【0032】この力は磁性膜4,4’の全面にわたって
ほぼ均等に作用する。磁性膜4と4’に供給される電流
の極性が互いに逆であることにより、磁性膜4と4’に
は同じ向きに力が作用する。
【0033】供給された電流が例えば音声電流である場
合は作用する力が変動し、それによって振動板8が振動
する。この振動が周囲の空気に粗密波を発生する。すな
わち、電気信号が音響信号に変換される。
【0034】本スピーカは、磁石を使用しないので容易
に薄型化ないし小型化することができる。薄型化ないし
小型化は、振動板8の各層の厚さを薄くして磁性膜4,
4’中の磁束密度を高める点において、ますます好都合
である。また、磁束発生用の電流供給源および信号入力
用の電流入力回路は、半導体集積回路技術を利用して薄
型化ないし小型化することが容易である。したがって、
本スピーカは薄型化するのに好適な全面駆動型スピーカ
となる。
【0035】薄型化した本スピーカを複数個用いて、ア
レイ(array) 型の全面駆動型スピーカを構成することが
できる。アレイは1次元アレイ、2次元アレイまたは3
次元アレイのいずれでも構成することができる。アレイ
を構成した場合は、フェーズドアレイ(phased array)の
手法を利用することにより、音響の指向性を自在に調節
することができ、利便性が向上する。
【0036】また、電気音響変換に関わる磁束の発生
を、板部材2に流す電流によっているので、この電流を
調節することにより磁束密度を調節することができ、こ
れによって、電気音響変換の感度を自在に調節すること
ができる。
【0037】また、板部材2に流す電流をも入力信号と
することもできる。その場合、この入力信号と磁性膜
4,4’に入力する電流との掛算に相当する音響出力を
得ることができる。
【0038】また、磁性膜4と4’に与える電流をそれ
ぞれ独自の入力信号とすることができる。その場合は、
それらの代数和に相当する音響出力を得ることができ
る。さらに、以上の2つの方式を組み合わせることによ
って、3入力の全面駆動型スピーカを得ることができ
る。
【0039】以上は、磁性膜4,4’を、板部材2の表
面を連続的に覆うように設けた例であるが、磁性膜4,
4’は、例えば図3に示すように、磁束と鎖交する方向
の複数の平行な条体41となるように形成し、これら複
数の条体41をリード線42により直列に接続するよう
にしても良い。条体41は、本発明における条体の実施
の形態の一例である。このようにすることにより、同一
の電流が複数回繰り返して磁束と鎖交するようになるの
で、電流当たりの能率が良い音響振動を発生させること
ができる。
【0040】磁性膜を板部材2の片面にのみ設けるとき
は、例えば図4に示すように条体41をリード線4で同
じ極性で直列に接続する。このようにしても、同一の電
流を複数回繰り返して磁束と鎖交させ、電流当たりの能
率が良い音響振動を発生させることができる。
【0041】(発明の実施の形態の第2の例)図5に、
本発明の実施の形態の第2の例の模式的構成を示す。図
5において、図1と同様の部分に同一の符号を付し説明
を省略する。同図に示すように、振動板8は、支持板2
0の上に密着して取り付けられている。なお、振動板8
は、図3または図4に示したようなものであっても良
い。
【0042】これにより、支持板20は振動板8と一体
となって振動板8’を構成する。振動板8’において
は、支持板20の厚みが板厚の大部分を占めるようにな
っている。
【0043】支持板20は、本発明における第2の板部
材の実施の形態の一例である。電流供給線32,32’
が振動板8の板部材2に接続されている。電流入力線3
4,34’が振動板8の磁性膜4,4’にそれぞれ接続
されている。磁性膜4と4’は、図における後端部にお
いて互いに電気的に接続されている。
【0044】支持板20の、図におけるx方向の両端部
が支持部材10,10’で支持されている。支持板20
の両端付近は波型に成形され、振動板8’のエッジ部を
構成している。
【0045】支持板20は、例えばポリエステル等の高
分子材料の板ないしフィルムで構成される。支持板20
は、ポリエステルに限らず他の樹脂材料、例えばポリエ
チレン、ポリイミド等で構成しても良い。
【0046】振動板8’の振動特性は、厚みの大部分を
占める支持板20の機械的特性によって支配される。そ
こで、支持板20の材質とその厚みを選ぶことにより、
振動板8’の振動特性を変えることができる。これによ
って設計の自由度が増し、音質設計等がやり易くなる。
【0047】(発明の実施の形態の第3の例)図6に本
発明の実施の形態の第3の例を示す。同図の(a)は平
面図、(b)はA−A断面図である。なお、図6の
(b)においては一部の図示を省略している。
【0048】(構成)本スピーカの構成を説明する。図
6に示すように、本スピーカは振動板8''を有する。振
動板8''は円板状になっている。円板状の振動板は指向
性と異方性を持たない点で好ましい。なお、円板に限ら
ず、楕円形や四辺形等適宜の形状の板を振動板8''とし
て用いることができる。
【0049】振動板8''は、その周部が支持部材10に
よって支持されている。支持部材10は円筒状をなして
いる。円筒の端面に振動板8''の周部の裏面が例えば接
着等によって固着されている。振動板8''には、支持部
材10の内周に沿って波型部82が形成されている。波
型部82は、振動板8''のいわゆるエッジを構成する。
【0050】振動板8''上には、回路パターン60が設
けられている。回路パターン60は偏平な渦巻状のパタ
ーンをなし、振動板8''の板面に固着されている。渦巻
の中心は振動板8''の中心と一致している。渦巻の巻数
は例えば数10ターン程度である。なお、ターン数は必
要に応じて適宜の値として良い。
【0051】回路パターン60は多層構造を有する。回
路パターン60の多層構造は、図1に示した振動板8の
多層構造と同様になっている。多層構造の回路パターン
60が振動板8''と一体になっている。この一体構造の
断面の拡大図を図7に示す。図7において、板部材2
は、本発明における導電部材の実施の形態の一例であ
る。回路パターン60は、振動板8''に一体的にモール
ドするようにしても良い。これは、一体化をさらに完全
なものにする点で好ましい。
【0052】一体構造においては、その厚みの大部分が
振動板8''の厚みで占められる。振動板8''は、本発明
における支持板部材の実施の形態の一例である。振動板
8''と支持部材10は本発明における支持手段の実施の
形態の一例である。振動板8''は、図3に示した支持板
20と同様に、例えばポリエステル等の高分子材料の板
ないしフィルムで構成される。
【0053】回路パターン60と振動板8''との一体構
造の振動特性は、厚みの大部分を占める振動板8''の機
械的特性によって支配される。そこで、振動板8''の材
質とその厚みを選ぶことにより、振動特性を変えること
ができる。これによって設計の自由度が増し、音質設計
等がやり易くなる。
【0054】回路パターン60の両端、すなわち、渦巻
の中心部と末端部に導線80,80’がそれぞれ接続さ
れている。導線80,80’は、板部材2に接続され、
磁性膜4,4’とは絶縁されるようになっている。
【0055】磁性膜4,4’には、回路パターン60の
一端、例えば渦巻の末端部において導線100,10
0’がそれぞれ接続されている。また、回路パターン6
0の他端、例えば渦巻の中心部側では、磁性膜4と4’
は図示しないリード線で直列に接続されている。
【0056】板部材2には、導線80,80’を通じて
図示しない電流供給源から電流が通じられるようになっ
ている。電流は例えば直流の定電流として与えられる。
電流供給源は、本発明における通電手段の実施の形態の
一例である。電流供給源として可変出力のものを用いれ
ば、電流値を変更することができる。
【0057】板部材2を流れる電流によって磁界が生
じ、この磁界によって、図1で説明したように、板部材
2の周りに磁束が生じる。この磁束は回路パターン60
の全長にわたって生じる。磁性膜4,4’には、導線1
00,100’を通じて電流が流される。電流は図示し
ない電流入力回路から与えられる。電流入力回路は、例
えば音声電流源等である。
【0058】(動作)本スピーカの動作を説明する。導
線100,100’を通じて、図示しない電流入力回路
から、磁性膜4,4’に電流を入力する。なお、磁性膜
4と4’では電流の向きが逆になる。
【0059】これらの電流はそれぞれ磁性膜4,4’中
の磁束と鎖交するものとなる。このため、磁束と電流の
相互作用により、磁性膜4,4’には、磁束および電流
の方向と直交する方向、すなわち、膜面に垂直な方向に
力が作用する。
【0060】この力は磁性膜4,4’の全面にわたり、
また、回路パターン60の全長にわたって均等に作用す
る。磁性膜4と4’に流れる電流の方向が互いに逆であ
ることにより、磁性膜4と4’には同じ向きに力が作用
する。この力が振動板8''に作用する。
【0061】供給された電流が例えば音声電流である場
合は作用する力が変動し、それによって振動板8''が振
動する。この振動が周囲の空気に粗密波を発生する。す
なわち、電気信号が音響信号に変換される。
【0062】回路パターン60が複数ターンの渦巻にな
っていることにより、入力電流はターン数倍されて力の
発生に寄与する。したがって、入力電流当たりの音圧が
大きくなり、入力電流が能率良く音圧に変換される。
【0063】渦巻状の回路パターンを振動板8''の裏面
にも設け、両回路パターンを直列に接続すれば、さらに
入力電流に対する能率の良い全面駆動型スピーカとする
ことができる。さらに、必要に応じて、振動板8''の内
部に回路パターンを多層に形成し、それらすべてを直列
接続すればさらに能率を向上させることができる。
【0064】回路パターンは渦巻状に限らず、例えば図
8に示すように、蛇行状の回路パターン60’としても
良い。この場合、入力電流は蛇行数倍されて力の発生に
寄与する。したがって、入力電流当たりの音圧が大きく
なり、入力電流が能率良く音圧に変換される。その他、
回路パターンは、必要に応じて種々の形状の連続パター
ンとすることができる。
【0065】本スピーカは、磁石を用いないので、容易
に薄型化ないし小型化することができる。薄型化ないし
小型化は、回路パターン60の各層の厚さが薄くなり、
磁性膜4,4’’中の磁束密度が高まる点において好都
合である。薄型化ないし小型化に際しては、振動板8''
を省略し、回路パターン60または60’のみで振動部
を構成するようにしても良い。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
発明では、板部材に流れる電流による磁束をそれに被着
した磁性膜中に集中させ、磁束との相互作用により、外
部から磁性膜に与えられた電流に応じた板部材の振動を
生じさせるようにしたので、薄型化が容易な全面駆動型
スピーカを実現することができる。
【0067】また、請求項2の発明では、磁性膜が、磁
束と鎖交する方向において互いに平行になるように分離
されかつ互いに同じ方向に電流を流すように直列に接続
された複数の条体であることにより、複数の条体に直列
に流れる電流によって能率良く振動が発生する。
【0068】また、請求項3の発明では、第2の板部材
を、磁性膜が被着された板部材と一体化し、その振動特
性が電気音響変換の周波数特性を支配するようにしたの
で、第2の板部材を選ぶことによって周波数特性を調整
できる薄型化が容易な全面駆動型スピーカを実現するこ
とができる。
【0069】また、請求項4の発明では、渦巻状あるい
は蛇行状の連続的な偏平のパターンをなす導電部材に流
れる電流による磁束を導電部材の磁性膜に集中させ、磁
性膜中の磁束との相互作用により、外部から磁性膜に与
えられる電流に応じた振動を生じさせるようにしたの
で、薄型化が容易な全面駆動型スピーカを実現すること
ができる。
【0070】また、請求項5の発明では、支持板部材と
導電部材とが一体の振動板を構成するようにしたので、
支持板部材の厚みや材質等によって周波数特性を調整す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の模式的構成を示す
図である。
【図2】磁性膜内の磁束密度分布のシミュレーション結
果を示すグラフである。
【図3】本発明の実施の形態の一例における振動板の他
の構成例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例における振動板の他
の構成例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の模式的構成を示す
図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の模式的構成を示す
図である。
【図7】図6の一部の拡大図である。
【図8】本発明の実施の形態の一例における回路パター
ンの他の例を示す図である。
【図9】従来例の模式的構成を示す図である。
【符号の説明】
2 板部材 4,4’ 磁性膜 6,6’ 絶縁層 8,8’,8'' 振動板 10,10’ 支持部材 20 支持板 32,32’ 電流供給線 34,34’ 電流入力線 41 条体 42 リード線 82 波型部 60,60’ 回路パターン 80,80’,100,100’ 導線 11,11’ マグネット 13 振動板 14,15 磁極 16,17 リード線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の板部材と、 前記板部材にその板面に平行な電流を通じる通電手段
    と、 前記板部材の少なくとも1つの面に電気的に絶縁して被
    着され、前記電流によって生じる磁束を通す磁気通路お
    よびこの磁気通路の磁束と鎖交する電流を通す電気通路
    を構成する導電性の磁性膜と、 前記磁性膜が被着された前記板部材を振動可能に支持す
    る支持手段と、を具備することを特徴とする全面駆動型
    スピーカ。
  2. 【請求項2】前記磁性膜が、前記磁束と鎖交する方向に
    おいて互いに平行になるように分離されかつ互いに同じ
    方向に電流を流すように直列に接続された複数の条体で
    ある、ことを特徴とする請求項1に記載の全面駆動型ス
    ピーカ。
  3. 【請求項3】 前記支持手段が前記板部材を支持する第
    2の板部材を有する、ことを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の全面駆動型スピーカ。
  4. 【請求項4】 渦巻状あるいは蛇行状の連続的な偏平の
    パターンをなす導電部材と、 前記導電部材にそのパターンに沿って電流を通じる通電
    手段と、 前記導電部材のパターンに沿い少なくとも1つの偏平面
    に電気的に絶縁して被着され、前記電流によって生じる
    磁束を通す磁気通路およびこの磁気通路の磁束と鎖交す
    る電流を通す電気通路を構成する導電性の磁性膜と、 前記磁性膜が被着された前記導電部材を振動可能に支持
    する支持手段と、を具備することを特徴とする全面駆動
    型スピーカ。
  5. 【請求項5】 前記支持手段が、前記磁性膜が被着され
    た前記導電部材を支持する支持板部材を備える、ことを
    特徴とする請求項4に記載の全面駆動型スピーカ。
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