JP6667930B2 - 電気音響変換器 - Google Patents

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Description

本発明は電気信号を音に変換するスピーカーやヘッドホン、イヤホン等、あるいは受信した音を電気信号に変換するマイクロホンや音波センサ等に適用される電気音響変換器に関する。
従来、ガムーゾン型スピーカーと呼ばれる電気音響変換器では、ボイスコイルに相当する導電体で平面コイルパターンが形成されて、駆動力を発生する部分が振動板と一体となったもの(以下「ボイスコイル振動板」という)を対の磁界発生器の中間部に設置し、導電体に駆動電流を供給することによってボイスコイル振動板をその平面に対して垂直方向に振動させるようにしたものが用いられている。
このガムーゾン型スピーカーのボイスコイル振動板は、導電体をボイスコイル振動板のほぼ全域に配置させた構造のために、全面が同位相で駆動され広帯域で良好な過渡特性を得ることができるという特長を有している。
例えば(特許文献1)には、隣接する帯状磁石(又は平板状磁石板における帯状領域)の磁極を交互に異ならせて配置し、これら多数の帯状磁石からなる磁石板の全体を平板状に形成した電気音響変換器が開示されている。帯状磁石の磁極の方向(磁化方向)はこの平板面に対して垂直となるように配置し、平面状のボイスコイル振動板がこの平板状の磁石板の前面に対向して配置されている。
ここで、全体が平板状に構成された磁石板によって形成された磁界において、磁石板の前面に対して平行となる成分を平行磁界成分、垂直となる成分を垂直磁界成分と定義する。
(特許文献1)の電気音響変換器では、磁極の方向を交互に異ならせて配置しているのでボイスコイル振動板上では、磁界の方向が反転する部分や磁界強度の低い部分が多く存在する。従って、音の発生に有効に利用できる磁界の成分、即ちボイスコイル振動板の導電体に対して電磁力を生じさせる磁界において、音の発生に寄与する磁界成分(以下「有効磁界成分」という)の磁界の強さ(以下「有効磁界強度」という)も変化が大きかった。
さらに、(特許文献1)の電気音響変換器では、平面状のボイスコイル振動板が平板状の磁石板に対して平行に配置されているので、有効磁界成分は磁界の平行磁界成分のみである。従って、帯状磁石の磁極の方向を平面状のボイスコイル振動板に対して全て垂直な方向とした場合、磁極に近い部分では平行磁界成分が小さくなって有効磁界強度が低くなり、音の発生に有効に利用できない領域となってしまう。
また、(特許文献1)の電気音響変換器では、反転する磁界の方向に合わせて導電体の巻回方向を反転させたり、部分的に存在する有効磁界強度の高い領域に合わせて導電体を配置させたりする必要があった。そのため、振動板の全面を導電体とすることができず、導電体間の隙間を塞ぐ合成樹脂シート等の支持部材が不可欠で、支持部材固有の振動が音質に悪影響を及ぼしていた。さらに、ボイスコイル振動板各部の駆動力に大きなばらつきが生じるという課題があり、質の高い音の再生にとって大きな問題となる分割振動を引き起こす原因となっていた。
次に、(特許文献2)には、中心側と外周側にそれぞれ円柱状とリング状の2種類の磁石部品を同心円状に分離して配置した電気音響変換器が開示されている。平面状のボイスコイル振動板として絶縁性フィルムに導電体が渦巻状に形成されたものが使用され、前記2種類の磁石部品の間に磁石部品と平行に配設されている。また、2種類の磁石部品はそれぞれが2枚の磁石から構成され、計4枚の磁石はボイスコイル振動板に対して磁化方向が垂直となっている。2種類の磁石部品を構成している各2枚の磁石は互いの磁極が向かい合うように組合され、2種類の磁石部品は中心側と外周部で極性が反転するように設置されている。
この電気音響変換器では、導電体を渦巻状に全て同一方向に巻回しているため、ボイスコイル振動板の全面を導電体とすることが可能である。これにより、ボイスコイル振動板の全面で駆動力を発生させることが可能となり、(特許文献1)のような問題に対して有効である。
しかしながら、この電気音響変換器でも、磁石の磁化方向はボイスコイル振動板に対して垂直方向のみである。そのため、2種類の磁石部品を構成している各2枚の磁石、即ち、4枚の磁石によって形成される磁界の分布は磁極に近い部分で平行磁界成分が小さく、有効磁界強度が低くなってボイスコイル振動板の振動に利用できない領域となる。従って、ボイスコイル振動板は磁極から離れた位置に設置され、高い有効磁界強度を得ることが難しい。
また、中心側と外周側の2種類の磁石部品の間にボイスコイル振動板を設置する構造のため、ボイスコイル振動板の面積を広くすると、磁石部品間の間隔が広くなって有効磁界強度が低下する。そのため、充分な導電体部の面積を確保しながら高い有効磁界強度を得ることができない。
以上のように磁化方向をボイスコイル振動板に対して垂直方向のみとした(特許文献1)や(特許文献2)の磁石板では、磁石板によって形成される磁界の有効磁界成分を大きくできないため磁石の利用効率が悪く、また、有効磁界強度の高い領域が狭くなるため、ボイスコイル振動板の全面を導電体としながら充分な面積を確保できないという課題があった。
さらに、有効磁界強度もあまり高くすることができない構造であるため、音エネルギーへの変換能率(以後「能率」という)も高くすることができなかった。
尚、駆動力を発生する部分が振動板と一体となった、ボイスコイル振動板に相当する振動板を採用した構造としてリボン型や(特許文献5)のようなリーフ型がある。これらの構造も、有効磁界強度の高い領域を広くできないためボイスコイル振動板の面積を大きくすることができず、低音域用だけでなく中音域用のスピーカーの構造としても採用が困難であった。
これら従来の課題を解決するために、本出願人が鋭意研究し特許された(特許文献3)には、磁石板を多くの部分領域に分け、各部分領域を有効磁界成分が大きくなるような磁
化方向とした電気音響変換器が開示されている。ボイスコイル振動板は、導電体を渦巻状に巻き回して平面状としたもので、前記磁石板の前方に平行に配設させている。
この電気音響変換器では有効磁界強度の高い領域を広くできるため、ボイスコイル振動板が大きくなる低音域用スピーカーの構造としても採用できるようになった。また、(特許文献1)や(特許文献2)の場合に比べ有効磁界強度を高くできるため、能率を高くできると共に磁石の利用効率も高めることができるようになった。
さらに、(特許文献3)と同様に有効磁界強度の高い領域を広くでき、能率を高くできるにもかかわらず磁石として特別な形状や加工が不要で、磁化方向を細かく設定する工程を省いて生産性を向上させた(特許文献4)の電気音響変換器も開示されている。
特公昭35−10420号公報 実開昭60−93397号公報 特許第3612319号 特許第4810576号 特開2003−70093号公報
(特許文献3)や(特許文献4)の電気音響変換器では、部分磁石を組合せることにより有効磁界強度の高い領域を非常に広範囲に確保でき、また、有効磁界強度を調整して均一化することもできるようになった。
これにより、広い面積のボイスコイル振動板でも全面を導電体とすることが可能となり、極めて過渡特性に優れた音の再生が低音域まで可能となった。また、有効磁界強度を高めて能率も高めることができた。
そして、これらの特長により低音域から高音域までの全帯域で、振動面の全面を同位相で駆動させることのできるボイスコイル振動板を採用することが可能となった。スピーカーやヘッドホン等においては低歪率の理想的な全面駆動型平面スピーカーを実現でき、電気信号から高品質を維持した音への変換ができるというものであった。マイクロホン等においては音から高品質を維持した電気信号に変換できるという優れた作用を有していた。
(1)しかしながら、(特許文献1〜4)の電気音響変換器で採用されている構造の場合、コーン型等の一般的なスピーカーの磁気回路に比べ広い空間に磁場を形成する必要があり、磁石板による空間の磁界は磁極から3次元で展開しているため、垂直磁界成分の存在が避けられない。また、空間の磁界は平行磁界成分と垂直磁界成分に分けられるが、平面状のボイスコイル振動板では平行磁界成分しか利用することができない。
従って、ボイスコイル振動板の導電体の領域では平行磁界成分の殆どが有効磁界成分として寄与し、導電体の駆動(ボイスコイル振動板の振動)に利用されていたが、前記導電体領域の垂直磁界成分は、未だ導電体を駆動するために利用されていなかった。
さらに、磁界強度が高くても垂直磁界成分の割合が大きい領域は、平行磁界成分の割合が小さく有効磁界強度が低くなるため、ボイスコイル振動板を設置できない。このように、磁界強度が高いにもかかわらず垂直磁界成分の割合が大きいために未だボイスコイル振動板の振動に利用されていない領域も多く残されていた。特に、(特許文献3)や(特許文献4)で採用している円盤状の磁石板では、中心部の磁界強度が非常に高くなっているにもかかわらず、垂直磁界成分の割合が大きいために磁界を有効に利用することができていなかった。
(2)一般的に振動板が振動して発生する音の周波数が高くなると、振動板からの距離が同じでも振動方向に対する角度が大きくなるにつれ音圧が低下してゆくという特性、即ち、指向特性の悪化が生じる。
(特許文献1〜4)のようなこれまでのボイスコイル振動板を用いた電気音響変換器の場合、ボイスコイル振動板の振動方向は電気音響変換器の中心軸方向のみであった。指向特性では振動方向でもある中心軸に対する角度が大きくなるにつれ音圧が低下するため、振動方向自体を中心軸以外に分散させれば中心軸以外の方向で音圧低下の防止効果が見込める。
垂直磁界成分で駆動される導電体の振動は磁石板の面に対して平行方向となるため、ボイスコイル振動板が平行磁界成分だけでなく垂直磁界成分も利用できるようになればボイスコイル振動板を多くの方向に対して振動させることができ、指向特性を大きく改善できる可能性があった。
(3)同軸型スピーカーはマルチウエイ・スピーカーの理想とされるが、(特許文献4)の実施の形態3として記述されているように高音域用スピーカーを低音域用スピーカーの中心部に同軸に配置するような場合、高音域用スピーカーのために専用の磁気回路を組込む必要があった。そのため高音域用スピーカーの磁気回路用に新たな磁石が必要となり、それらの磁石を組込むための部品と組込む複雑な工程も増えていた。特に、高音域用スピーカーの部品は小さく、専用の磁気回路を新たに中心部に設けると構造も複雑になり組込みがかなり難しくなっていた。
(特許文献3)や(特許文献4)で採用している円盤状の磁石板では、使用されていない中心部の磁界強度がボイスコイル振動板における有効磁界強度よりもかなり高くなっていた。しかし、中心部の磁界は垂直磁界成分の割合が大きく有効磁界強度が低いので、導電体を駆動させるために利用することができていなかった。従って、垂直磁界成分を導電体の駆動に利用できるようになれば、高音域用スピーカーのための磁石を新たに設けずに高音域用ボイスコイル振動板を設置できるようになる。このように、垂直磁界成分を利用することが高音域用スピーカーを簡単に同軸で組込めるようにするための有効な手段と考えられた。
(4)(特許文献4)の実施の形態3として記述されているように高音域用スピーカーを低音域用スピーカーの中心部に同軸に配置するような場合、高音域用スピーカーの磁石板が低音域用スピーカーの領域まで入り込むと、低音域用ボイスコイル振動板の内径側サイズに影響が及んでいた。口径が大きな低音域用スピーカーであれば、中心部の駆動のために利用していない領域も大きいため、高音域用スピーカーを同軸で設置しても支障はなかったが、口径が小さくなると中心部の駆動のために利用していない領域が小さくなり、その影響が大きくなっていた。小口径の同軸2ウェイ・スピーカー・ユニットは、様々な利用形態に適応できる高性能スピーカー・システムを比較的安価に構成することができるため、強く要望されていた。しかし、上記のような理由で口径の小さなスピーカーでは高音域用スピーカーを同軸で配置する構造を採用することが難しかった。
そこで、垂直磁界成分を導電体の駆動に利用できるようになれば、高音域用スピーカーのための磁石を新たに設けずに高音域用ボイスコイル振動板のみで設置できるようになるため、小口径でも高音域用スピーカーを同軸で配置する構造を採用できるようになる。
以上のような観点から、汎用性,磁石の利用効率の向上だけでなく指向特性という性能面や同軸型スピーカーへの応用においても、これまで以上に優れたスピーカーを設計するために垂直磁界成分を導電体の駆動に利用した電気音響変換器の開発が強く要望されていた。
本発明は上記要望に応えるもので、ボイスコイル振動板を採用した電気音響変換器において磁石板で形成される磁界の平行磁界成分だけでなく垂直磁界成分を利用することにより、新たな振動形態を実現して、電気音響変換器のさらなる高性能化、多様化を目指すものである。
垂直磁界成分を導電体の駆動に利用することにより磁石の利用効率に優れ極めて良好な指向特性を有したスピーカーを実現し、また、マルチウエイ・スピーカーの理想とされる同軸型スピーカーに、この高音域用スピーカーを専用の磁気回路を設けずに設置し、それによって、全体サイズの小型化を実現して、様々な利用形態に適応させようとするもので
ある。
本発明は、上記要望に対する改善に加え、音質,汎用性,量産性,省資源性にも優れた電気信号から音への変換を効率良く行えるスピーカー,ヘッドホン,イヤホン等、或いは、音から電気信号への変換を効率良く行えるマイクロホン,音波センサ等の電気音響変換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の電気音響変換器は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の電気音響変換器は、磁石板と、導電体が巻回されて形成され前記磁石板の前方に配置されるコイル振動体と、を有し、(a)前記磁石板で形成される磁界と、前記コイル振動体の前記導電体に流れる音響信号電流とによって発生する電磁力で、前記コイル振動体を振動させて音を発生させ、或いは(b)前記磁石板で形成される磁界と、音による前記コイル振動体の振動とによって、前記コイル振動体の前記導電体に音響信号電流を発生させる電気音響変換器であって、前記コイル振動体が、前記磁石板の前面に対して傾斜した振動面、又は前記磁石板の前面に対して垂直な振動面を有し、振動面の断面楕円のループ状に形成され、該振動面の振動が、少なくとも前記磁石板の前面に対して平行な成分を有して、前記楕円の扁平率が変化する構成を備えている。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)コイル振動体が、磁石板の前面に対して傾斜した振動面、又は磁石板の前面に対して垂直な振動面を有し、振動面がループ状に形成されて、コイル振動体の振動面が、振動面と垂直に近い方向に拡縮するように振動することにより、コイル振動体の振動が、磁石板の前面に対して平行な成分を有するようになる。これにより、磁石板で形成される磁界は、磁石板の前面と平行な平行磁界成分だけでなく、磁石板の前面と垂直な垂直磁界成分を電気信号から音への変換或いは、音から電気信号への変換に有効に利用することができるようになる。このようにして、磁石の利用効率を向上させることができ、また、多くの可能性を有する新たな振動形態により、様々な構造が採用できるようになる。
(2)磁石板で形成される磁界の平行磁界成分と垂直磁界成分を合成したものを有効磁界成分として利用することができるので、コイル振動体の振動を磁石板の面に対して垂直方向だけでなく平行方向成分をも有する振動にできる。コイル振動体の振動を磁石板の面に対して平行方向成分をも有する振動にできれば、多くの方向に対してコイル振動体を振動させることができるようになる。そのため、振動板の振動方向が中心軸方向のみであったコーン型スピーカーや従来のボイスコイル振動板を用いた電気音響変換器に比べ、電気音響変換器の中心軸方向から外れた方向の音圧低下を小さくして指向特性を大きく改善することができる。
(3)(特許文献3)や(特許文献4)で採用されている磁石板の中心部は垂直磁界成分が大きいため、本発明のコイル振動体を同軸で中心部に配置して高音域用スピーカーとして利用することによって、非常に高い有効磁界強度が得られる。また、この方法は高音域用スピーカー専用の磁気回路を設けることなくコイル振動体を動作させることができるため、省スペースとなって同軸型とするスピーカーのサイズをこれまでよりも小さくできるようになる。このように、本発明のコイル振動体を同軸型スピーカーの高音域用スピーカーに採用することによって、その構造を簡素化することができ、部品や工数の削減、及び指向特性等の性能改善において非常に大きな効果が得られる。
(4)磁石板で形成される磁界の平行磁界成分と垂直磁界成分を合成したものを有効磁界成分として利用することができるので、これまで利用していた領域の有効磁界強度が高くなるだけでなく、これまで利用できていなかった領域でも有効磁界強度が高くなって新たに利用できる領域が発生する。また、磁界分布に合わせてコイル振動体の形状を調整することにより、コイル振動体の振動面の傾斜を有効磁界強度が高くなるように調整することができるため、磁界分布に対する制限が少なくなる。これらのことにより磁石板の設計において自由度が増すため、設計範囲を広げて磁石板の構造を簡素化することができ、設計自在性、量産性に優れるようになった。
ここで、コイル振動体は、アルミニウム、銅,銅クラッドアルミ線,銀,金等からなる導電体を薄板状で所定の形状となるように巻回したもの、又は、巻回した後に折り曲げて所定の形状としたものである。導電体間の接合では、シリコーン樹脂やエポキシ、シアノアクリレート系等の合成樹脂系接着剤等を用いて接着できるが、絶縁の必要がない部分には半田付けやワイヤ・ボンディング等の手段を用いることができる。
線状の導電体を巻回して使用する場合、複数本を並列に巻いて所定のインピーダンスとなるように調整する。導電体として絶縁されたものを用いても良いが、絶縁されてないものを使用する場合は、並列とした導電体のグループ間を絶縁して巻回する。
また、非磁性体であるポリイミド、ポリエチレン、ポリカーボネート等の合成樹脂やセラミック、合成繊維、木質繊維あるいはこれらの複合材等からなる薄肉基板材の面に、アルミニウム、銅、銀、金等の導電体をエッチング手段、蒸着手段、メッキ手段等でパターンが所定の形状となるように形成したもの、又は、導電体部を形成した後に折り曲げて所定の形状としたもの等も使用できる。
さらに、導電体のパターンを形成する方法として、銅やアルミ等の薄い導電性の板を金型によるプレス加工やレーザー加工等の手段を用いてカットする方法等がある。
尚、前述の手段や加工方法は、従来の様々な特許文献においても記述されているように、それぞれを単独で用いるよりは複数を組合せて用いることにより、より目的に合ったものにできる場合が多い。
コイル振動体の形状は、磁石板の前面に対して傾斜した振動面、又は垂直な振動面を有し、振動面がループ状に形成されている。
コイル振動体の振動が、磁石板の前面に対して平行な振動成分を有している点が従来と大きく異なる特徴となっている。つまり、従来のボイスコイル振動板のような平面状ではなく、傾斜面又は垂直面が閉じたループを形成しており、立体的な形状であるため、磁石板の前面に対して平行な方向にも振動可能となっている。
特に、振動面の周方向に凹部(谷折り部)若しくは凸部(山折り部)を配置し、その頂部を湾曲させることにより、振動面が凹部(谷折り部)若しくは凸部(山折り部)によって互いに弾性的に支持し合う構造となり、ループの内方向と外方向(半径方向)に振動し易くなるので、少なくとも2箇所の凹部(谷折り部)若しくは凸部(山折り部)を有することが好ましい。これにより、コイル振動体の横断面は様々な形状に形成することができるが、円形の場合は磁界が軸対称に作用し、半径方向に拡縮しないので、好ましくない。
尚、円形であっても振動面に小さな凹凸を設けながらループ状に形成すれば、凹凸部の弾性変形によって半径方向に拡縮できるようになるため、音は発生し易くなる。
この状態で垂直磁界成分と音響信号電流によって発生する電磁力は、コイル振動体の振動面がループの内方向又は外方向に振動するように働くため、音の発生に寄与でき、垂直磁界成分が有効磁界成分に寄与できる。
コイル振動体の形状は、磁石板の前方に向かって拡径させても縮径させてもよく、また、振動面を磁石板の前面に対して垂直としても有効に機能する。拡径、又は縮径させた形状のコイル振動体を設置する場合、磁石板の前面に面した側は音が外部に放出され難くなるため裏面とし、その反対側の面を表面として用いた方が良い。従って、コイル振動体を磁石板の前方に向かって拡径させた場合は、コイル振動体の表面からループの内側に向かって音が放射され、また、縮径させた場合はコイル振動体の表面からループの外側に向かって音が放射される。
コイル振動体の導電体には、磁石板の前面に対して垂直な方向に平行磁界成分に比例した電磁力が発生し、磁石板の前面に対して平行な方向に垂直磁界成分に比例した電磁力が発生する。この電磁力によってコイル振動体は振動するが、その振動方向は周囲の振動や支持部の影響を受けるため、発生した電磁力の方向と必ずしも一致するわけではない。
尚、コイル振動体に発生した振動は、振動面に対して垂直な振動成分が電気信号から音
への変換に有効に利用できる。従って、磁石板の前面に対して垂直な振動面としたコイル振動体では、磁石板の前面に対して平行な振動成分のみが、電気信号から音への変換に有効に利用できる。
コイル振動体は、振動面を形成している導電体に対して有効磁界強度が高くなるように設置することにより、電気信号から音への変換或いは、音から電気信号への変換の効率が高くなり、また、磁石の利用効率を高めることができる。
そのためには、導電体で形成された振動面を有効磁界強度が高くなるような位置と角度となるように設置することが好ましい。即ち、コイル振動体を磁界強度の高い位置に設置し、磁界の方向に対して導電体で形成された振動面を平行とし、さらに導電体に流れる音響信号電流を磁界の方向に対して垂直に横切る方向とすることが理想的である。その場合には電磁力の方向がコイル振動体の振動面に対して垂直方向となる。
また、コイル振動体の振動面の総面積は大きくしたほうが能率を高くできる。
請求項2に記載の電気音響変換器磁石板と、導電体が巻回されて形成され前記磁石板の前方に配置されるコイル振動体と、を有し、(a)前記磁石板で形成される磁界と、前記コイル振動体の前記導電体に流れる音響信号電流とによって発生する電磁力で、前記コイル振動体を振動させて音を発生させ、或いは(b)前記磁石板で形成される磁界と、音による前記コイル振動体の振動とによって、前記コイル振動体の前記導電体に音響信号電流を発生させる電気音響変換器であって、前記コイル振動体が、前記磁石板の前面に対して傾斜した振動面、又は前記磁石板の前面に対して垂直な振動面を有し、該振動面が凹凸を繰り返しながらループ状に形成され、該振動面の振動が、少なくとも前記磁石板の前面に対して平行な成分を有する構成を備えている。
この構成により、請求項1の作用、効果に加え、以下の作用、効果を有する。
(1)コイル振動体の振動面が凹凸を繰り返しながらループ状に形成されることにより、振動面が互いに弾性的に支持し合い、ループの内方向と外方向(半径方向)に拡縮するように振動し易くなる。そのため、コイル振動体の各位置の振動が互いに及ぼす影響が少なくなって均一で安定した振動が得られるようになる。これにより、不規則振動が発生し難くなり、また、周波数特性も均一化させ易くなる。
(2)コイル振動体の導電体部の総面積を大きくするほど能率を高くできるが、一般的に振動板の外径が大きくなると高音域の再生では指向特性が悪くなる。しかし、本発明ではコイル振動体の振動面を凹凸を繰り返しながらループ状に形成することにより、従来の平面状のボイスコイル振動板と同等の外径でコイル振動体の振動面の総面積を大きくできる。従って、能率を高めるためにコイル振動体の面積を大きくしても外径が大きくならず指向特性の悪化を防ぐことができる。
(3)また、従来の平面状のボイスコイル振動板と同等の振動面の総面積を維持しながら外径を小さくすることができるため、能率を維持しながら外径を小さくして指向特性の改善を行うことができる。さらに、外径を小さくしてコンパクト化することによって省スペース化も可能になり、設置自在性に優れ、特に低音域用スピーカーの中心部に同軸に配置する高音域用スピーカーとしての取扱い性に優れ、高音質,高性能を実現できる。
ここで、コイル振動体の振動面は凹凸を繰り返しながらループ状に形成されるが、その形状は、コイル振動体の各位置が電磁力に応じて振動できるように、また、本発明のコイル振動体を用いた電気音響変換器として、音エネルギーへの変換能率(能率)が高くなるように考慮して決める。
コイル振動体の各位置が電磁力に応じて振動できるようにするためには、コイル振動体が振動する際に変形し易くする。また、コイル振動体は弾性的に支持し合っているため振動体の各位置で発生する振動が互いに影響し合わないようにする。そのためには、振動面に凹凸を多く設けて均一に分布させることが必要である。
次に、能率を高めるためには、下記のようにコイル振動体を、音の生成を効率良く行える形状とすること、さらに、生成された音が効率良く外部に放出される形状とすることが重要である。
まず、音の生成を効率良く行えるコイル振動体の形状について記述する。
音は導電体で形成された振動面を有効磁界強度が最も高くなるような傾斜とすることにより効率良く生成できる。有効磁界強度が最も高くなるような傾斜とは一般的に、磁界の方向に対して導電体で形成されたコイル振動体の振動面が平行で、導電体に流れる音響信号電流が磁界の方向に対して直交するような傾斜である。
コイル振動体は、複数の曲げ部を有することになり、コイル振動体全体の形状も複雑になる場合が多く、導電体で形成された振動面の全てについて有効磁界強度が最も高くなる傾斜とすることは困難である。従って、振動面の方向は総合的に有効磁界強度が高くなるような角度とすることが好ましい。
一般的に、中心軸方向、即ち、磁石板の中心で磁石板の前面と垂直な方向に対して、能率が最も高くなるようにするためには、磁石板の前面に対する振動面の傾斜角度は70度から20度、好ましくは60度から30度程度となる。
このような範囲の磁界の方向は高い磁界強度が得られ易く、また、ある程度の範囲としているため、振動方向の変化が少なくなって安定した振動が得られ易い。
磁石板の前面に対する振動面の傾斜角度が60度より大きくなるにつれ、コイル振動体の振動の平行方向成分が大きくなって、高い周波数で中心軸方向に対して能率に寄与し難くなる傾向がある。また、磁石板の前面に対する振動面の傾斜角度が30度より小さくなるにつれ、高い磁界強度が得られ難くなる傾向がある。さらに、磁石板の前面に対する振動面の傾斜角度が70度より大きくなるか、20度より小さくなると、これらの傾向が著しくなり、好ましくない。
尚、傾斜角度が大きい振動面に適した磁界の分布は比較的容易に得られ、また、磁界強度も高くなる傾向がある。従って、デフューザーと共に使用する等の工夫により、敢えて磁石板の前面に対する角度を70度以上とした振動面を採用することが有効となる。
次に、生成された音が効率良く外部に放出される形状について記述する。
生成された音を効率良く外部に放出させるためには、凹凸部について凹部が深くならないようにする必要がある。
また、コイル振動体の形状を磁石板の前方に向かって拡径させる場合は、コイル振動体の表面からループの内側に向かって音が放射されるが、コイル振動体の高さが高くなると深い位置の音が外部に放出され難くなるので、一般的にコイル振動体の高さは低い方が好ましい。さらに、振動面の傾斜角度も小さい方が音は外部に放出され易い。
尚、コイル振動体の形状を磁石板の前方に向かって拡径させる場合は、コイル振動体自体がホーンの形状に近くなるため、ホーン型スピーカーの特徴を示すようにもなる。ホーン型スピーカーの特徴を積極的に利用する場合はホーン設計の条件に従うことになり、その場合はコイル振動体の高さが高くなることもあり得る。
以上のように相反する条件もあるため、コイル振動体の形状はこれらの各条件を元に、目的に応じて総合的に決めることになる。
以上のような条件の磁石板として、(特許文献3)や(特許文献4)で提案されている手段で磁石板を構成することによって、本発明でも高い有効磁界強度が得られる。つまり、磁石板全体を複数の部分領域に分け、各部分領域を磁石の使用効率を高めるための磁化方向とした磁石板が最も好ましい。
磁化方向を半径方向とした円筒状の磁石の中心の孔に、磁化方向を垂直方向とした円柱状の磁石を組込んだ磁石板は、比較的簡単に高い有効磁界強度が得られる。
尚、一般的に円柱状磁石では、磁極の片方の端面に対して磁界の方向は磁界強度の高い部分では殆どが90度から30度程度の範囲となる。従って、単純に円柱状磁石の片方の磁極の前方に本発明のコイル振動体をセットするだけでも、能率は低くなるが簡単に電気音響変換器として利用できる。
以上のように、本発明のコイル振動体は様々な磁石板に対して、容易に適応できるという汎用性も有している。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電気音響変換器において、前記コイル振動体を複数備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用、効果に加え、以下の作用、効果を有する。
(1)コイル振動体は、複数の曲げ部を設けると全体の形状が複雑になり製作が難しくな
るが、複数のコイル振動体に分けて組合せることによって、容易にその形状を実現できるようになる。
(2)複数のコイル振動体に分けると複雑な形状が容易に実現できるため、導電体で形成される振動面の傾斜を調整し易くなる。従って、有効磁界強度を高めるための振動面の傾斜の調整が容易になる。
(3)コイル振動体を複数に分割しているため、コイル振動体のループが磁石板の前方方向に対して高くなり難い。従って、コイル振動体の導電体は、磁石板に近い位置、即ち、磁界強度の高い位置に分布するようになり磁石の利用効率が高くなる。また、コイル振動体を磁石板の前方に向かって拡径させた場合でも音が外部に放出され易くなる。
(4)磁石板の前方に向かって拡径させたコイル振動体や縮径させたコイル振動体を組合せることができ、また、各コイル振動体別に振動面の傾斜や形状を使い分けることによって周波数特性や指向特性を細かく調整できる。
本発明の電気音響変換器によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)コイル振動体の磁石板の前面に対して傾斜した振動面、又は磁石板の前面に対して垂直な振動面が、振動面と垂直に近い方向に拡縮するように振動することにより、コイル振動体の振動が、磁石板の前面に対して平行な成分を有するようになる。コイル振動体の振動が磁石板の面に対して平行方向成分も有するようになれば、多くの方向に対してコイル振動体を振動させることができるようになる。これにより、磁石の利用効率を向上させることができ、設計自在性に優れるようになる。また、中心軸方向から外れた方向の音圧低下を小さくできるため、極めて良好な指向特性を有する優れた電気音響変換器を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)コイル振動体の振動面が互いに弾性的に支持し合い、ループの内方向と外方向(半径方向)に拡縮するように振動し易くなる。そのため、コイル振動体の各位置の振動が互いに及ぼす影響が少なくなって均一で安定した振動が得られるようになる。このようにして、不規則振動が発生し難い、均一化された周波数特性を有する電気音響変換器を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)複雑な形状のコイル振動体でも、複数のコイル振動体に分けて組合せることによって、容易にその形状を実現できる電気音響変換器を提供することができる。
実施の形態1における電気音響変換器の要部断面模式端面図 実施の形態1における電気音響変換器の要部模式平面図 実施の形態1における電気音響変換器のコイル振動体の外形を示す要部模式斜視図 実施の形態2における電気音響変換器の要部断面模式端面図 実施の形態2における電気音響変換器の要部模式平面図 実施の形態3における電気音響変換器のコイル振動体の高さ方向中間部の要部断面模式端面図 実施の形態3における電気音響変換器の第1の変形例を示すコイル振動体の高さ方向中間部の要部断面模式端面図 実施の形態3における電気音響変換器の第2の変形例を示すコイル振動体の高さ方向中間部の要部断面模式端面図 実施の形態3における電気音響変換器の第3の変形例を示すコイル振動体の高さ方向中間部の要部断面模式端面図 実施の形態3における電気音響変換器の第4の変形例を示すコイル振動体の高さ方向中間部の要部断面模式端面図
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。尚、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
実施の形態1における電気音響変換器について説明する。
図1は実施の形態1における電気音響変換器の要部断面模式端面図であり、図2は実施の形態1における電気音響変換器の要部模式平面図であり、図3は実施の形態1における電気音響変換器のコイル振動体の外形を示す要部模式斜視図である。
図1及び図2中、10は後述する磁石板20の前方にコイル振動体30が配置された実施の形態1の電気音響変換器である。
まず、実施の形態1の電気音響変換器に用いられる磁石板について説明する。
図1中、20は全体が略円盤状に構成された電気音響変換器10の磁石板、21は磁石板20の中心側の部分領域において円筒状のネオジム磁石を用いた中心領域磁石、21aは中心領域磁石21の中央に設けられたボルト挿入孔、22は磁石板20の周囲の部分領域であり、ネオジム磁石を用いた台形状の複数の小磁石22bを中心領域磁石21の周囲に放射状に配置して構成される基本領域磁石である。
また、図2中、22aは基本領域磁石22において隣り合う台形状の小磁石22b間に形成された複数の音通過孔である。
図1において、円筒状の中心領域磁石21は磁石板20の軸方向に磁化されている。また、基本領域磁石22は半径方向に磁化されている。本実施の形態では台形状の複数の小磁石22bを組合せて基本領域磁石22を構成したが、半径方向に磁化されている1枚の円筒状の磁石を基本領域磁石22として用いてもよい。尚、音通過孔は必ずしも設ける必要はないが、音通過孔22aの代わりに中心領域磁石21と基本領域磁石22との間に隙間を設け、音通過孔として利用することができる。
次に、実施の形態1の電気音響変換器に用いられるコイル振動体の詳細について説明する。
図1中、31は渦巻状に巻回されてコイル振動体30を形成する導電体、33は磁石板20の前面に対して傾斜したコイル振動体30の振動面である。コイル振動体30の振動面33の傾斜角度は磁石板20によって形成される磁界の方向に応じて、総合的に有効磁界強度が高くなる角度を適宜、選択することができるが、磁石板20の前面に対して、振動面33の傾斜角度を70度から20度、好ましくは60度から30度とすることにより、磁界を有効利用して能率を高くすることができ好ましい。
図3に示すように、コイル振動体30の円周方向に山折り部33xと谷折り部33yを交互に設け、頂部を湾曲させることにより、振動面33が凹凸を繰り返すループ状に形成されている。
図3のような形状のコイル振動体30を形成するには、まず、絶縁された銅クラッドアルミ線からなる導電体31を渦巻状に巻き、裏面に接着剤を塗布して固定し、薄いリング状の平面コイルを作成する。平面コイルの作製方法については、これまでにも様々な方法が開示されているが、平面コイルが形成できれば、どのような方法を用いても構わない。
その後、図3に示したコイル振動体30と同形状に形成された型などに平面コイルを押し当てるなどして成型することができる。
一旦、平面コイルを作製した後、成型によってコイル振動体30を形成するこの方法は、製作が容易だが振動面33の傾斜角度がある程度限られる。コイル振動体30を理想的
な形状とするには、最も有効磁界強度が高く、また、音が放射され易くなるような形状を決めた後、巻回や蒸着、メッキ等の手段でその形状に合わせて直接作り上げる方法を採用すると良い。
以上のように構成された磁石板20とコイル振動体30を用いた電気音響変換器10の構造について説明する。
図1中、40はコイル振動体30の外周を囲繞する非磁性体製の筒状フレーム、40aは非磁性体で円盤状に形成されコイル振動体30の外周の形状に合わせた開口部40bを有し筒状フレーム40と共にコイル振動体30の外周側を支持する前面支持フレーム、41はシリコーン樹脂でコイル振動体30の内周縁側の凹凸と中心領域磁石21との間を密閉しながらコイル振動体30の内周側を弾性的に支持する内周側支持部、42はコイル振動体30の外周縁側の凹凸と筒状フレーム40,前面支持フレーム40aとの間を密閉するように充填されたシリコーン樹脂でコイル振動体30の外周側を弾性的に支持する外周側支持部、45はコイル振動体30の後面と筒状フレーム40の内周面,磁石板20で囲まれる空間に充填されたグラスウール等を用いた吸音材、51は非磁性体で筒状に形成され基本領域磁石22の外周側に設置された外周フレーム、52は非磁性体でリング状に形成され基本領域磁石22を前方で支える電気音響変換器10の中間フレーム、53は非磁性体でリング状に形成され中心領域磁石21の前方に設置された中央フレーム、53aは中央フレーム53の中央に設けられたボルト挿入孔、54は非磁性体でリング状に形成され磁石板20を後方で支える電気音響変換器10の後方フレーム、54aは後方フレーム54の中央に設けられたボルト挿入孔、54bは後方フレーム54に開口部を形成して設けた複数の音通過孔、56は中央フレーム53,中心領域磁石21のボルト挿入孔21a,後方フレーム54のボルト挿入孔54aを貫通する非磁性体製のボルト、57は後方フレーム54の後面でボルト56に螺合されて中央フレーム53,磁石板20,後方フレーム54を連結固定する非磁性体製のナットである。
尚、矢印は磁石板20によって形成される磁界の方向を表わしている。
図1において、中心領域磁石21に対しては基本領域磁石22によって前方に押し出す磁力が働くため、後方フレーム54に固定する際に接着剤だけでは外れる可能性がある。そのため、ボルト56とナット57を使用して中心領域磁石21を中央フレーム53と後方フレーム54の間に挟むようにして固定している。また、基本領域磁石22に対しては中心領域磁石21によって後方フレーム54に押し付ける方向に磁力が働くため、接着するだけでも外れ難いが、組合せた複数の小磁石22bが分解し難いように外周側に筒状の外周フレーム51を設けている。
本実施の形態の電気音響変換器10において磁石板20で形成される磁界の方向は図1の矢印のようになるが、コイル振動体30の導電体31に電流を流すと、コイル振動体30には、磁界の方向及び電流の流れる方向の何れに対しても垂直となる方向に電磁力が働く。即ち、コイル振動体30の振動面33に対して垂直に近い方向に電磁力が働く。これにより、コイル振動体30の全体が収縮する方向と拡張する方向に交互に動作して振動し、音を発生する。コイル振動体30自体が変形して振動することにより音を発生するため、コイル振動体30の内周側を支持する内周側支持部41及びコイル振動体30の外周側を支持する外周側支持部42にはシリコーン樹脂等の弾性を有する物質を用いることが好ましい。
尚、コイル振動体30の後面側の音は、コイル振動体30の前面側の音に対して干渉するため、外部への漏れをできるだけ少なくする必要がある。従って、コイル振動体30の後面側の音を減衰させるために、コイル振動体30の後面と筒状フレーム40の内周面,磁石板20で囲まれる空間に吸音材45を設置している。
吸音材45を通過した音は音通過孔22a(図2)に到達させるようにしており、コイル振動体30の後方の空間がさらに必要な場合は、音通過孔54b(図1)から電気音響
変換器10の外部に放出できるようにしている。その場合、状況に応じて音通過孔22a部に吸音材を詰めることや、音通過孔22aのサイズを大きくすること等を選択できる。さらに、外周フレーム51部に音通過孔を設けて電気音響変換器10の外部に放出しても良い。
尚、コイル振動体30の後方の空間が小さくても構わない場合は、筒状フレーム40の後方と内周側支持部41との間を密閉して、コイル振動体30の後面側の音を音通過孔22aに到達する前の段階で遮断しても構わない。
コイル振動体30の振動面33と磁界の方向が平行に近いほど、また、導電体31の巻き方向と磁界の方向が垂直に近いほど、磁石板20で形成される磁界の利用効率が高くなる。
従って、コイル振動体30を形成する際には、コイル振動体30のできるだけ広い領域で、振動面33が磁界の方向と平行に近くなるように、また、導電体31の巻き方向と磁界の方向が垂直に近くなるように、山折り部33x及び谷折り部33yの形状、数、配置等を設計することが好ましい。
コイル振動体30において渦巻状に巻かれた導電体31の内周側及び外周側から、それぞれ引出線(図示せず)を引出し、端子(図示せず)に接続する。電気音響変換器10をスピーカーやヘッドホン等として使用する場合、端子より外部から駆動電流を供給することができる。
また、電気音響変換器10をマイクロホン等として使用する場合は、音によりコイル振動体30を振動させ、導電体31に発生する起電力を引出線が接続される端子から電気信号として取り出す。
本実施の形態では、中心領域磁石21と基本領域磁石22の2種類の磁石を組合せて磁石板20を構成したが、磁石板20の構成はこれに限定されるものではなく、適宜、選択することができる。例えば、軸方向に磁化された円筒状の磁石のみで磁石板を構成した場合、出力音圧レベルは低下するが、磁石の使用量を低減させることができ、磁石板の構成を簡素化して電気音響変換器の小型化を図ることができる。
また、本実施の形態では、コイル振動体30を単独で使用する場合について説明したが、(特許文献4)の実施の形態3に記載されているような高音域用スピーカーを低音域用スピーカーの中心部に同軸に配置する複合型スピーカーにおいては、コイル振動体30を高音域用スピーカーとして採用することにより、専用で設けていた高音域用スピーカーのための磁石部が不要となる。即ち、同軸ではない低音用スピーカーを構成し、そのままの状態で筒状フレーム40で囲まれるコイル振動体30を高音域用スピーカーとして中心部に配置するだけで高性能な同軸の複合型スピーカーを構成できる。その場合、高音域用スピーカーの能率を高めるために中心部の部分磁石のサイズを変更した方が良い場合もあるが、磁石の種類や基本的な構造は変える必要がない。
以上のように構成された実施の形態1における電気音響変換器によれば、以下のような作用が得られる。
(1)コイル振動体が、磁石板の前面に対して傾斜した振動面を有し、振動面がループ状に形成されることにより、コイル振動体の振動面が、磁石板の前面と垂直な方向(軸方向)に加え、磁石板の前面と平行な方向(半径方向=ループの内方向と外方向)に拡縮するように振動することができるようになる。そのため、磁石板で形成される磁界は、磁石板の前面と平行な平行磁界成分だけでなく、磁石板の前面と垂直な垂直磁界成分も有効に利用することができる。このようにして、有効磁界強度を高めて、磁石の利用効率を向上させることができる。
(2)磁石板の前面と垂直な垂直磁界成分が利用できるようになったため、その垂直磁界成分によってコイル振動体の振動に磁石板の前面と平行な振動成分を発生させることができるようになった。この振動成分は磁石板の前面と平行な方向であるため、スピーカーの
中心軸方向から外れた方向の音圧低下を小さくして、指向特性を大きく改善することができ、特に高音域用スピーカーとしてさらなる高性能化が実現できる。また、コイル振動体の振動面が凹凸を繰り返しながらループ状に形成されることにより、従来の平面状のボイスコイル振動板と同等の面積で外径を小さくすることができ、高音域の再生では指向特性が改善される。以上のように、本発明のコイル振動体によれば指向特性を大幅に改善した優れたスピーカーを実現できる。
(3)コイル振動体を同軸の複合型スピーカーの高音域用スピーカーとして採用する場合には、高音域用スピーカー専用の磁石部が不要となる。高音域用スピーカーのための磁石部スペースが不要となるため、口径が小さなスピーカーでも同軸の複合型スピーカーが構成できるようになり、また、磁石部の構造も簡素化されて製作が非常に簡単になる。同軸型スピーカーはマルチウエイ・スピーカーの理想とされるが、このようにして、小型化が可能で極めて指向特性に優れるという、高性能な複合型スピーカーを構成できる。
(4)磁石板で形成される磁界の平行磁界成分と垂直磁界成分を合成したものを有効磁界成分として利用することができるので、従来の平行磁界成分のみでは有効磁界強度が低くてコイル振動体の振動に利用できなかった領域でも垂直磁界成分と合成することにより、有効磁界強度を高めてコイル振動体の振動に利用できる領域を拡げることができる。さらに、磁界分布の利用範囲が広がったため、磁石板の設計範囲を広げて磁石板の構造を簡素化することもでき、設計自在性、量産性に優れる。
(5)コイル振動体の振動面が凹凸を繰り返しながらループ状に形成されているため、振動面が互いに弾性的に支持し合い、ループの内方向と外方向(半径方向)に拡縮するように振動し易くなる。これにより、各位置の振動が互いに及ぼす影響が少なくなって均一で安定した振動が得られるようになり、均一化された周波数特性を有し、不規則振動の発生し難い電気音響変換器を提供することができるようになる。
(実施の形態2)
実施の形態2における電気音響変換器について説明する。尚、実施の形態1と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図4は実施の形態2における電気音響変換器の要部断面模式端面図であり、図5は実施の形態2における電気音響変換器の要部模式平面図である。
図4及び図5において、実施の形態2における電気音響変換器10Aが実施の形態1と異なるのは、磁石板20の前方に3つのコイル振動体30A〜30Cが同心円状に配置されている点と、コイル振動体30C及び基本領域磁石22の外周側を共通の筒状フレーム40Aで囲繞している点である。
図4及び図5中、33A〜33Cは磁石板20の前面に対して傾斜したコイル振動体30A〜30Cの振動面である。コイル振動体30A〜30Cは寸法が異なるだけで、実施の形態1のコイル振動体30と同様にして形成することができる。但し、中間部及び外周側のコイル振動体30B,30Cは実施の形態1のコイル振動体30と同様に、振動面33B,33Cを磁石板20の前方に向かって拡径させたが、内周側(中心側)のコイル振動体30Aは振動面33Aを磁石板20の前方に向かって縮径させている。
尚、図4及び図5中、41Aはシリコーン樹脂でシート状に形成されコイル振動体30Aの内周縁側の凹凸部を密閉しながらコイル振動体30Aの内周側を弾性的に支持する内周側支持部、42Aはシリコーン樹脂でシート状に形成されコイル振動体30Cの外周縁側の凹凸と筒状フレーム40Aとの間を密閉しながらコイル振動体30Cの外周側を弾性的に支持する外周側支持部、43Aはシリコーン樹脂で形成されコイル振動体30Aの外周縁側とコイル振動体30Bの内周縁側間の凹凸部を密閉しながらコイル振動体30Aの外周側とコイル振動体30Bの内周側を弾性的に支持し、磁石板20の中心領域磁石21に接合された中間支持部、44Aはシリコーン樹脂でシート状に形成されコイル振動体30Bの外周縁側とコイル振動体30Cの内周縁側間の凹凸部を密閉しながらコイル振動体30Bの外周側とコイル振動体30Cの内周側を弾性的に支持し、磁石板20の基本領域磁石22に接合された中間支持部である。
本実施の形態の電気音響変換器10Aにおいて磁石板20で形成される磁界の方向は図4の矢印のようになるが、コイル振動体30A〜30Cの導電体31に電流を流すと、コイル振動体30A〜30Cには、磁界の方向及び電流の流れる方向の何れに対しても垂直となる方向に電磁力が働く。そして、一般的にはコイル振動体30A〜30Cの振動面33A〜33Cに対して垂直となる方向に電磁力が働いて振動する場合に最も磁界の利用効率が高くなる。
実施の形態1又は2で使用している磁石板では、本実施の形態のように磁石板20の外径を小さくしたり磁石板20を薄く形成したりすると、磁石板20の前面からの距離に対して磁界強度の低下率が大きくなる傾向にある。従って本実施の形態では、コイル振動体をコイル振動体30A〜30Cの3種類に分割することにより、それぞれのコイル振動体30A〜30Cの高さが磁石板20の前方方向に対して高くならないようにして磁界強度の高い領域に導電体31を配置させている。
コイル振動体は、全体が収縮する方向と拡張する方向に交互に動くことにより振動し、音を発生するので、その形状が拡径していても縮径していても、有効に機能する。
拡径、又は縮径させた形状のコイル振動体を設置する場合、磁石板20の前面に面した側は音が外部に放出され難くなるため裏面とし、その反対側の面を表面として用いる。従って、磁石板20の前方に向かって拡径させたコイル振動体30B,30Cの場合は、コイル振動体30B,30Cの表面からループの内側に向かって音が放射され、また、縮径させたコイル振動体30Aの場合はコイル振動体の表面からループの外側に向かって音が放射される。
本実施の形態のように、複数のコイル振動体30A〜30Cを同心円状に配置する場合、コイル振動体30A〜30Cは何れを拡径させても縮径させても音を発生させることができるが、本実施の形態では、それぞれの特徴を生かして磁界の利用効率を高めるようにしている。
拡径させたコイル振動体は、ループの内側に向かって音が放射され、音が外部に放出され難くなることを避けるけるために、コイル振動体の高さを低くした方が良く、さらに、コイル振動体の磁石板20に対する傾斜角度は小さくした方が良い。また、本実施の形態では磁石板20で形成される磁界の方向は、磁石板20の中心から離れるほど磁石板20の前面に対する傾斜角度が小さくなるため、コイル振動体の磁石板20に対する傾斜角度もその角度に合わせて小さくした方が磁界の利用効率が高くなる。このように互いの条件が合うため、中間部及び外周側のコイル振動体30B,30Cを拡径させた形状で用いている。
さらに、磁石板20の前面に対する振動面33Cの傾斜角度は中間部のコイル振動体30Bの振動面33Bの傾斜角度よりも小さくしている。これは、磁界の方向に振動面の傾斜を近付けて有効磁界強度を高めると共に、音を外部へ放出され易くするために行っている。
縮径させたコイル振動体は、コイル振動体の表面からループの外側に向かって音が放射されるため、拡径させたコイル振動体のような制限はないが、縮径となるような傾斜方向の振動面に対して平行となるように磁石板20の磁界を分布させることは難しい。従って、縮径させたコイル振動体は、磁界方向の磁石板20に対する角度が大きい領域や、磁石板20から離れた位置まで磁界強度が高くなっている領域等の拡径させたコイル振動体に適さない領域で採用すると良い。
内周側のコイル振動体30Aは、設置されている領域の磁界の分布がこれらの条件に合うため縮径させて用いており、図4に示したように、振動面33Aの傾斜方向と磁界の方向がずれているのは、コイル振動体30Aの振動面33Aの傾斜方向に磁石板20の磁界の方向を一致させることが難しいからである。
ここで、コイル振動体30Aは縮径させて用いているが、振動面33Aを磁石板20の前面に対して90度、即ち、垂直とすることにより振動面33Aを磁界の方向に近付けて磁界の利用効率を高めることができる。また、磁石板20の前面に対する磁界の角度が90度に近くなるほど、コイル振動体の振動は磁石板20の面に対して平行方向成分が増加するため中心軸から大きく外れた方向に対する指向特性の改善が見込める。
ただ、縮径させたコイル振動体は、コイル振動体30Aのように振動体自体の形状が音を拡散させる形状になるため、デフューザーとしての機能を兼ねさせることができる。従って、本実施の形態では、この機能を利用してコイル振動体30Bで発生した音を反射して拡散させるような角度としている。
本実施の形態のように、複数のコイル振動体を配置する場合は、各コイル振動体で生成される音の位相を考慮する必要がある。
本実施の形態のコイル振動体30A,30B,30Cで生成される音の位相を合わせる場合、拡径させたコイル振動体30Bとコイル振動体30C間では互いに同位相で音響信号電流を供給するが、縮径させたコイル振動体30Aに対しては、拡径させたコイル振動体30B,30Cと逆位相となるように音響信号電流を供給する。
導電体31間の接合は、コイル振動体30A〜30Cが縮径しているか、拡径しているかに関わらず、コイル振動体の裏面側で行うことが好ましい。音が接着剤等を経由せずに導電体31から直接、放出され、音質面で有利になるためである。
以上のように構成された実施の形態2の電気音響変換器10Aは実施の形態1の電気音響変換器10と同様に、スピーカーやヘッドホン等として使用することやマイクロホン等として使用することができ、ボイスコイル振動板を採用した電気音響変換器の高音質化を実現できる。
本実施の形態では、基本領域磁石22の外径を小さくして磁石板20のサイズを小さくしているため、磁石板20の前面からの距離に対して磁界強度の低下率が大きくなる傾向にある。従って、複数のコイル振動体30A〜30Cは幅を狭くして同心円状に配置し、磁石板20に近い磁界強度の高い領域に配置させることによって、小さなサイズでも能率の低下を防いだ電気音響変換器10Aを構成することができている。
以上のように構成された実施の形態2における電気音響変換器によれば、実施の形態1と同様の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)サイズや特性の異なる複数のコイル振動体を同心円状(同軸)に配置するため、磁石板の前方に向かって拡径させたコイル振動体や縮径させたコイル振動体を組合せることができる。そのため、磁界の分布状況に合わせて各コイル振動体別に振動面の形状や傾斜を細かく調整でき、磁界の利用効率を高めることができる。
(2)また、各コイル振動体を互いに異なる特性として組合せることにより、全体を音響特性に優れた複合型の電気音響変換器とすることができる。例えば、各コイル振動体別に振動板の大きさや形状、振動面の傾斜等を使い分けることによって周波数特性,指向特性,能率等を細かく調整できるようになる。
(3)コイル振動体を複数に分割しているため、コイル振動体のループが磁石板の前方方向に対して高くなり難い。従って、コイル振動体の導電体は、磁石板に近い位置、即ち、磁界強度の高い位置に分布するようになり磁石の利用効率が高くなる。また、コイル振動体を磁石板の前方に向かって拡径させた場合でも音が外部に放出され易くなる。
(実施の形態3)
実施の形態3における電気音響変換器について説明する。尚、実施の形態1又は2と同様のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図6は実施の形態3における電気音響変換器のコイル振動体の高さ方向中間部の要部断面模式端面図である。
図6において、実施の形態3における電気音響変換器10Bが実施の形態1と異なるのは、コイル振動体30Dが楕円状となるように導電体31が巻回されている点である。
楕円状に巻回された導電体31に音響信号電流が流れ、内側方向と外側方向に交互に電磁力が発生することにより、楕円の扁平率が大小交互に変化して音を発生する。
コイル振動体30Dの形状は、実施の形態1又は2と同様に、磁石板の前方に向かって拡径させても縮径させてもよく、また、筒状としても有効に機能する。縮径させて使用する場合は、図6の谷折り部33yが山折り部33xとなる。
電気音響変換器10Bはコイル振動体30Dの構造が複雑ではないため設計や製作が容易で、汎用性に優れる。
拡径、又は縮径させたコイル振動体を設置する場合、磁石板側の面は音が外部に放出され難くなるため裏面とし、その反対側の面を表面として用いる。何れの場合でも、磁石板の前面に対する磁界の傾斜角度が大きくなる程コイル振動体の振動は磁石板の面に対して平行方向成分が増加する。平行方向成分が増加すると良好な指向特性が得られるが、垂直方向成分の振動が減少して中心軸方向の能率が低下するため、これらの特徴を利用状況に応じて使い分けると良い。
尚、楕円状としているコイル振動体30Dは、振動面にさらに小さな凹凸を繰り返し設けながらループ状に形成することにより、弾性変形によってループの内方向と外方向に拡縮し易くなる。コイル振動体30Dがループの内方向と外方向に拡縮し易くなると、コイル振動体の各位置の振動が互いに及ぼす影響が少なくなって、均一化された周波数特性が得られ易い。
次に、実施の形態3における電気音響変換器の第1の変形例について説明する。
図7は実施の形態3における電気音響変換器の第1の変形例を示すコイル振動体の高さ方向中間部の要部断面模式端面図である。
図7において、実施の形態3の第1の変形例における電気音響変換器10Cが実施の形態3と異なるのは、実施の形態3よりもサイズを小さくしたコイル振動体30Dが放射状に複数配置されている点である。
コイル振動体30Dの形状は、磁石板の前方に向かって拡径させても縮径させてもよく、また、筒状としても有効に機能する。縮径させて使用する場合は、図7の谷折り部33yが山折り部33xとなる。
複数のコイル振動体30Dは、それぞれの拡径,縮径,筒状とする形状を全体で揃える必要はなく、必要とされる特性に応じて各形状の様々な組合せより選択することが可能となる。
電気音響変換器10Cは実施の形態3の電気音響変換器10Bに比べ、導電体31の占有率を高めることができ、磁石の利用効率を高める手段として有効である。
次に、実施の形態3における電気音響変換器の第2の変形例について説明する。
図8は実施の形態3における電気音響変換器の第2の変形例を示すコイル振動体の高さ方向中間部の要部断面模式端面図である。
図8において、実施の形態3の第2の変形例における電気音響変換器10Dが実施の形態3と異なるのは、コイル振動体30Eとコイル振動体30Fの導電体31が弓形若しくは三日月形となるように巻回されている点で、2箇所の谷折り部33yを設けて変形させた大小2種類のコイル振動体30E,30Fが2つずつ円周に沿うように対向配置されている点である。
コイル振動体30Eとコイル振動体30Fの形状は、磁石板の前方に向かって拡径させても縮径させてもよく、また、筒状としても有効に機能する。縮径させて使用する場合は、図8の谷折り部33yが山折り部33xとなる。尚、コイル振動体30Eやコイル振動体30Fは、それぞれの拡径,縮径,筒状とする形状を全体で揃える必要はない。
電気音響変換器10Dは第1の変形例の電気音響変換器10Cと同様に、導電体31の占有率を高めることができ、磁石の利用効率を高める手段として有効である。
次に、実施の形態3における電気音響変換器の第3の変形例について説明する。
図9は実施の形態3における電気音響変換器の第3の変形例を示すコイル振動体の高さ方向中間部の要部断面模式端面図である。
図9において、実施の形態3の第3の変形例における電気音響変換器10Eが実施の形態3と異なるのは、コイル振動体30Gの全体の形状が渦巻状となるように導電体31が巻回されている点である。
コイル振動体30Gの形状は、磁石板の前方に向かって拡径させても縮径させてもよく、また、筒状としても有効に機能する。縮径させて使用する場合は、図9の谷折り部33yが山折り部33xとなる。
実施の形態3の電気音響変換器10Bのような1つのコイル振動体30Dでは導電体31の占有率が小さくなり、磁石の利用効率が低下するため、第1の変形例の電気音響変換器10C又は第2の変形例の電気音響変換器10Dでは、複数のコイル振動体30D又は30E,30Fを配置して導電体31の占有率を高めていた。第3の変形例の電気音響変換器10Eでは、1つのコイル振動体30Gでも全体の形状が渦巻状となるように導電体31を張り巡らせることにより、第1の変形例の電気音響変換器10Cや第2の変形例の電気音響変換器10Dと同様に、導電体31の占有率を高めることができ、磁石の利用効率を高める手段として有効である。
尚、渦巻状としているコイル振動体30Gは、振動面にさらに小さな凹凸を繰り返し設けながらループ状に形成することにより、弾性変形によってループの内方向と外方向に拡縮し易くなる。コイル振動体30Gがループの内方向と外方向に拡縮し易くなると、コイル振動体の各位置の振動が互いに及ぼす影響が少なくなって、均一化された周波数特性が得られ易い。
次に、実施の形態3における電気音響変換器の第4の変形例について説明する。
図10は実施の形態3における電気音響変換器の第4の変形例を示すコイル振動体の高さ方向中間部の要部断面模式端面図である。
図10において、実施の形態3の第4の変形例における電気音響変換器10Fが実施の形態3と異なるのは、コイル振動体30Hが、中央部の楕円状と、その両側の弓形若しくは三日月形が連続したループ状となるように導電体31が巻回されている点である。
コイル振動体30Hの形状は、磁石板の前方に向かって拡径させても縮径させてもよく、また、筒状としても有効に機能する。縮径させて使用する場合は、図10の谷折り部33yが山折り部33xとなり、山折り部33xが谷折り部33yとなる。
設置が容易な1つのコイル振動体30Hであっても、複数の山折り部33xと谷折り部33yでその形状を複雑に変形させることにより、導電体31の占有体積を増やして、磁石の利用効率を高めることができる。また、第3の変形例の電気音響変換器10Eに比べコイル振動体の各部分の形状を変化させているため、各部分別に振動面の傾斜や形状を使い分けることによって周波数特性,指向特性,能率等を細かく調整できる。
尚、楕円状や弓形状としているコイル振動体30Hは、振動面にさらに小さな凹凸を繰り返し設けながらループ状に形成することにより、弾性変形によってループの内方向と外方向に拡縮し易くなる。コイル振動体30Hがループの内方向と外方向に拡縮し易くなると、コイル振動体の各位置の振動が互いに及ぼす影響が少なくなって、均一化された周波数特性が得られ易い。
以上のように構成された実施の形態3における電気音響変換器によれば、実施の形態1と同様の作用が得られる。
以上説明したように、本発明で使用するコイル振動体は、様々な形状と大きさで動作でき、また、様々な組合せで用いて電気音響変換器を構成することができる。
基本的にコイル振動体は、導電体が円形以外の形状で巻回されていれば音を発生し易くなる。尚、円形であっても振動面に小さな凹凸を繰り返し設けながらループ状に形成する
ことにより、凹凸部の弾性変形によってループの内方向と外方向に拡縮できるようにして音を発生し易くできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施の形態1と同様の構成の電気音響変換器10を作成した。
<磁石板の構成>
中心領域磁石21は外径18mm,内径5mm,高さ8mmの円筒状のネオジム磁石で軸方向に磁化されている。また、基本領域磁石22は全体が外径36mm,内径18mm,高さ8mmの円筒状で磁化の方向が半径方向となるように、上底2.8mm,下底5.6mm,高さ8.7mmの台形状のネオジム磁石(小磁石22b)16個を組合せている。この2種類の中心領域磁石21と基本領域磁石22を組合せて磁石板20を構成した。
<コイル振動体の作成>
まず、導電体部の外径80μmの絶縁された銅クラッドアルミ線からなる導電体31を3本並列として揃えて一重で巻き、内径20mm、外径34mmの薄いリング状とした。さらに、裏面側に接着剤を塗布して固定して平面コイルを作成した。その後、図3に示したコイル振動体30と同じ形状に形成された型に押し当ててコイル振動体30を作成した。コイル振動体30の最小部の径は10mm、最大部の径は24mm、外周縁部の最も低い部分の高さは5mmで最も高い部分の高さは8mmとなった。
<特性>
以上のように構成された磁石板20とコイル振動体30を用いた電気音響変換器10のインピーダンスは4Ωとなった。また、2.5kHzから20kHz間で出力音圧レベル(2.83V/1m)は平均すると85dBという結果が得られ、この帯域の第2、第3高調波歪は共に0.3%未満であった。
また、中心軸方向に対する30度方向の出力音圧レベルの変化は、平均値として10kHz前後で−2dB,20kHz前後で−4dBという結果が得られた。
尚、(特許文献4)に従って作製したボイスコイル振動板の外径24mmのスピーカーでは、平均的な値として30度方向の出力音圧レベルの変化は、10kHz前後で−5dB,20kHz前後で−9dB程度であった。従って、本実施例では中心軸に対する30度方向の出力音圧レベルの変化は、10kHz前後で+3dB,20kHz前後で+5dB改善されたことになる。本実施例は、本発明の簡易的な一般例として作成したもので指向特性改善を意識したものではないが、このように指向特性が大幅に改善されている。
このように、本実施例の電気音響変換器10は、磁石板20で形成される磁界の垂直磁界成分を利用することにより指向特性,高調波歪,出力音圧レベル等において充分な結果が得られ、高音質なボイスコイル振動板を使用したスピーカーをさらに高性能化して使用することができる
(実施例2)
実施例1における基本領域磁石22を廃止し、外径を20mmとした中心領域磁石21のみを磁石板20としたところ、コイル振動体30部では実施例1に近い磁界の分布状況が得られた。
コイル振動体30の各位置の磁界強度は実施例1の半分程度に低下するため出力音圧レベルも低下するが、磁石の使用量を3分の1程度にまで減少させることができる。
このように本発明のコイル振動体は、様々な磁界の分布に対して動作させることができるだけでなく、円筒状磁石の1種類のみという非常に簡単な磁石板でも動作させることができる。
また、磁石板20を小さくして電気音響変換器10の全体を小型化できるため、高音質なヘッドホン用としても採用できる。さらに構造が簡単であるため小型化を進めることに
よって精密な作業が要求されるイヤホン,マイクロホン等でも好適に用いることができ、ボイスコイル振動板を採用した電気音響変換器の高音質を容易に実現できるようになる。
本発明は、ボイスコイル振動板を採用した電気音響変換器において磁石板で形成される磁界の平行磁界成分だけでなく垂直磁界成分を利用することにより、新たな振動形態を実現して、さらなる高性能化、多様化を目指すものである。垂直磁界成分を利用することにより磁石の利用効率に優れ極めて良好な指向特性を有したスピーカーを実現し、また、マルチウエイ・スピーカーの理想とされる同軸型スピーカーに、この高音域用スピーカーを専用の磁気回路を設けずに設置し、それによって、全体サイズの小型化を実現して、様々な利用形態に適応させることができるようになる。このようにして、音質,汎用性,量産性,省資源性にも優れた電気音響変換器の提供を行い、スピーカー,ヘッドホン,イヤホン等の電気信号から音への変換、或いは、マイクロホン,音波センサ等の音から電気信号への変換における効率化に貢献することができる。
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F 電気音響変換器
20 磁石板
21 中心領域磁石
21a,53a,54a ボルト挿入孔
22 基本領域磁石
22a,54b 音通過孔
22b 小磁石
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G,30H コイル振動体
31 導電体
33,33A,33B,33C 振動面
33x 山折り部
33y 谷折り部
40,40A 筒状フレーム
40a 前面支持フレーム
40b 開口部
41,41A 内周側支持部
42,42A 外周側支持部
43A,44A 中間支持部
45 吸音材
51 外周フレーム
52 中間フレーム
53 中央フレーム
54 後方フレーム
56 ボルト
57 ナット

Claims (3)

  1. 磁石板と、導電体が巻回されて形成され前記磁石板の前方に配置されるコイル振動体と、を有し、(a)前記磁石板で形成される磁界と、前記コイル振動体の前記導電体に流れる音響信号電流とによって発生する電磁力で、前記コイル振動体を振動させて音を発生させ、或いは(b)前記磁石板で形成される磁界と、音による前記コイル振動体の振動とによって、前記コイル振動の前記導電体に音響信号電流を発生させる電気音響変換器であって、
    前記コイル振動体が、前記磁石板の前面に対して傾斜した振動面、又は前記磁石板の前面に対して垂直な振動面を有し、振動面の断面楕円のループ状に形成され、該振動面の振動が、少なくとも前記磁石板の前面に対して平行な成分を有して、前記楕円の扁平率が変化することを特徴とする電気音響変換機。
  2. 磁石板と、導電体が巻回されて形成され前記磁石板の前方に配置されるコイル振動体と、を有し、(a)前記磁石板で形成される磁界と、前記コイル振動体の前記導電体に流れる音響信号電流とによって発生する電磁力で、前記コイル振動体を振動させて音を発生させ、或いは(b)前記磁石板で形成される磁界と、音による前記コイル振動体の振動とによって、前記コイル振動体の前記導電体に音響信号電流を発生させる電気音響変換器であって、
    前記コイル振動体が、前記磁石板の前面に対して傾斜した振動面、又は前記磁石板の前面に対して垂直な振動面を有し、該振動面が凹凸を繰り返しながらループ状に形成され、該振動面の振動が、少なくとも前記磁石板の前面に対して平行な成分を有することを特徴とする電気音響変換機。
  3. 前記コイル振動体を複数備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気音響変換機。
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