JP4015565B2 - 超高域再生用スピーカ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は100kHzに及ぶ超高音の再生を行うスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、DVDオーディオ及びスーパオーディオCDのような高品位、超広帯域ソースを記録する記録媒体が市場に広がってきた。これらのソースを再生するために、約100kHzの超高音域まで再生が可能なスピーカ(いわゆるツィータやスーパツィータ)が求められてきている。DVDオーディオ及びスーパオーディオCDのような記録媒体並びにそれらの再生装置の低価格化に伴い、単品コンポーネント又は小型ステレオの要素として、超高域まで再生できる安価なスピーカが求められている。
特開2000−333295号公報に、外周部がフレームに支持された円錐型振動板と、円錐型振動板の頂部に連結されたモノモルフ型圧電セラミック振動子と、を有する従来例1のスピーカが記載されている(同公報の図5)。
上記公報に、フレームと、フレームに外周部が接着固定された円錐型振動板と、円錐型振動板の内周部と接するドーム型振動板と、ドーム型振動板の外周部に接着された圧電素子と、を有する従来例2のスピーカが記載されている(同公報の図6)。
上記公報に、圧電セラミック振動子に振動板を取り付けた構造を有する、従来例1及び2と比べて性能の改善された従来例3の高音用スピーカが開示されている(同公報の図1)。
【0003】
図14〜図16を用いて従来例3の高音用スピーカを説明する。図14は従来例3の高音用スピーカの構造を示す図である。
図14において21は圧電セラミック振動子、22はフレーム、23はドーム型振動板、24は孔、25は固定部材である。
圧電セラミック振動子21は、円環状のセラミック圧電素子であり、両面に銀電極が設けられ、厚さ方向に分極されている。圧電セラミック振動子21は、内周部において弾性体の固定部材25を介してフレーム22に固定されている。圧電セラミック振動子21は、径方向に伸縮し、全周にわたって均一に振動する。厚さ35μmのポリエーテルイミドフィルムで形成された直径20mmのドーム型振動板23は、圧電セラミック振動子21の外周部に接着固定されている。ドーム型振動板23は、圧電セラミック振動子21の径方向の振動を上下振動に変換する。上記構造により、従来例3の高音用スピーカは、広い放射面積と、高い音圧レベルと、円錐形状の振動板等を用いた場合に比べて乱れが少ない音圧周波数特性と、を実現した。図16に従来例3の高音用スピーカの音圧周波数特性(横軸が周波数で縦軸が音圧である。以下、同じ。)を示す。従来例3の高音用スピーカは、20kHz以下の周波数帯域を有する従来のソースを再生する上で、十分な性能を発揮した。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−333295号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来例3の高音用スピーカにおいては、円環状の圧電セラミック振動子21が内周部で固定され、その対極である外周部に振動板23が取り付けられている。図15(a)〜(c)は、内周部を固定した円環状の圧電セラミック振動子の3つの振動モードを示す図である。図15(a)〜(c)の上側の図は振動している圧電セラミック振動子21の平面図である。図15において、(a)は第1次(基本周波数)モード、(b)は第2次節円モード、(c)は第3次節円モードを示す。ハッチングをした部分はハッチングしていない部分と逆方向に変位していることを表している(ハッチングをした部分とハッチングしていない部分との境界が振動の節である。)。
【0006】
図15(a)〜(c)の下側の図は圧電セラミック振動子の変位の様子を表している(振動振幅を縦軸で表示している。圧電セラミック振動子は、実際には径方向に振動する。)。図15に示すように、ドーム型振動板23が接続される圧電セラミック振動子21の外周部は、全ての振動モードにおいて腹となる。圧電セラミック振動子21の振動は、外周部のみにおいてドーム型振動板23に伝達される。そのため、従来例3の高音用スピーカは構造上共振を起こし易い。そのため、従来例3の構造によれば、音圧周波数特性のピークディップが非常に大きくなる。図16に示すように、従来例3の高音用スピーカは、その音圧周波数特性において約27kHz近傍に大きなピークを有する。
【0007】
円形の圧電セラミック振動子をそのまま用いた高音用スピーカは、インピーダンスが非常に高い故、フラットな音圧周波数特性が得られないばかりか、音圧レベルも低い。従来例3のスピーカは、振動板面積を大きくすることにより、大きな音圧レベルを得た。そのため、従来例3のスピーカの振動板は、直径が大きくならざるを得なかった。一般にスピーカは、振動板を大きくすると、指向特性が劣化する。
【0008】
DVDオーディオ又はスーパオーディオCDから再生されたソースの上側遮断周波数は約96kHzである。従来例3の高音用スピーカは、このような高品位、超広帯域ソースを性能的に十分に再生できなかった。図16に示すように、従来例3の高音用スピーカは、20kHzを超える領域で大きなピークディップを有し、約40kHz程度までしか十分な音圧が得られない。
【0009】
従来例3の高音用スピーカに使用されている圧電セラミック振動子21は、円環状の特殊な形状を有する故、コストが非常に高かった。
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、ピークディップが小さく且つ上側遮断周波数が100kHzを超える優れた音圧周波数特性と、高い音圧レベルと、優れた指向特性とを有する安価な超高域再生用スピーカを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は以下の構成を有する。本発明のひとつの観点による超高域再生用スピーカは、圧電セラミックと金属基板を接合した略円盤状の圧電セラミック振動子と、前記圧電セラミック振動子に取り付けられたドーム型振動板と、前記圧電セラミック振動子の外周部を固定し且つ前記ドーム型振動板の前面に開口部を有するパネルと、を有し、前記ドーム型振動板のドーム部の直径を前記圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.5〜0.8倍とし、且つ前記圧電セラミックの直径を前記ドーム部の直径とほぼ同一とし、前記開口部を前記ドーム部の直径とほぼ同一とし、前記圧電セラミック振動子に昇圧回路を接続し、前記昇圧回路の共振周波数を当該昇圧回路の下側遮断周波数の近傍に設定したことを特徴とする。
【0011】
本発明は、ピークディップが小さく且つ上側遮断周波数が100kHzを超える優れた音圧周波数特性と、効率が良く、極めて高い音圧レベルと、優れた指向特性とを有する安価な超高域再生用スピーカを実現する。「ドーム部の直径」は、ドーム型振動板のドーム部が圧電セラミック振動子に接合された面の直径を意味する(ドーム部の曲率の2倍の値ではない。)。ドーム部の直径の測定において、ドーム部の周辺の水平なつばの部分は含まれない。
【0015】
本発明の他の観点による上記の超高域再生用スピーカは、前記ドーム型振動板の第1次高域共振周波数は前記圧電セラミック振動子の第2次高域共振周波数よりも高くしたことを特徴とする。本発明は、上側遮断周波数が更に高い超高域再生用スピーカを実現する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施をするため最良の形態を具体的に示した実施の形態について図面とともに記載する。
【0017】
《実施の形態1》
図1〜12を用いて、本発明の実施の形態1の超高域再生用スピーカを説明する。図1は実施の形態1の超高域再生用スピーカの構造を示す。図1において、1は圧電セラミック振動子、2は昇圧回路、3はドーム型振動板、4はフレームの前面のパネルである。
圧電セラミック振動子1は、厚さ方向に分極した円形の圧電セラミック1aと円形の金属基板1bとを同軸上に接合した構造を有する。圧電セラミック1aは直径15mm、厚み0.2mmである。圧電セラミック1aは、非常に広範に使用されている汎用の円形で小型の圧電セラミックである。金属基板1bは材質が真鍮、直径20mm、厚み0.15mmである。金属基板1bは圧電セラミック1aより大きな径を有する。圧電セラミック振動子1は、金属板の片面に圧電セラミック薄板を接着したモノモルフ型圧電セラミック振動子である。
【0018】
従来例3のスピーカにおいては、圧電セラミック振動子21の径方向の振動が、厚さ35μmのポリエーテルイミドフィルムで形成されたドーム型振動板23によって上下(圧電セラミック振動子21の厚さ方向)の振動に変換された。
本発明のスピーカにおいては、剛性を有する金属基板1bと圧電セラミック1aとの間で発生するたわみにより、圧電セラミック振動子1が厚さ方向に振動する。圧電セラミック振動子21から柔軟なドーム型振動板23に振動を伝達して、振動方向の変更を行う従来例3の構成と比べて、本発明の構成においては、振動の伝達時のロスが少なく、高域周波数成分の減衰も少ない。本発明の構成により、はるかに大きなレベルで、高い上側遮断周波数の音圧を得ることが出来た。
【0019】
ドーム型振動板3は、圧電セラミック振動子1の金属基板1bの面に、圧電セラミック振動子1とドーム型振動板3の端面とが同軸上に取り付けられている。ドーム型振動板3は、0.05mmの厚さを有するポリエチレンテレフタレート(通称PET)のフィルムで形成されている。ドーム型振動板3は、直径が13mmで全高が3mmのドーム部を有する。ドーム部の周辺に幅1mmの水平なつばが付いている。このつばが金属基板1bに接着されている。
【0020】
パネル4は図示しないフレームの前面に取り付けられている。パネル4は実用的な剛性を有するポリスチロール樹脂で形成されている。パネル4は、圧電セラミック振動子1の外周部(半径9.5mmから最外周(半径10mm)までの環状部)を接着固定している。圧電セラミック振動子1の実効可動直径は、約19mmである。実効可動直径とは、圧電セラミック振動子1が振動のできる最大外径をいう。圧電セラミック振動子1において、圧電セラミック1aの直径は金属基板1bの直径より小さい。金属基板1bの外周部がパネル4に接着固定されている。
パネル4は、ドーム型振動板3の前面に直径13mmの開口部4aを有する。パネル4は、開口部4aを中心とする浅い円錐部を有する。円錐部は、開口部4aの外周部で最も厚さが薄くなる、図1に示すように、パネル4の開口部4aからドーム型振動板3のほとんどが露出している。これにより、本発明のスピーカは広い指向性を実現している。
【0021】
パネル4の開口部4aとドーム型振動板3との直径は同一である。パネル4は、圧電セラミック振動子1の外周部との上記の接着部分(圧電セラミック振動子1の外周の環状部)を除いて、ドーム型振動板3及び圧電セラミック振動子1のいずれとも接触していない。パネル4とドーム型振動板3及び圧電セラミック振動子1との間には狭い隙間が設けられている。上記の構造により、圧電セラミック振動子1の可動部分であって且つドーム型振動板3より外周の部分が発する音波は、スピーカの外の放射されなくなっている。
【0022】
振動板3は、圧電セラミック振動子1の外周部(パネル4と圧電セラミック振動子1との接続部)に取り付けられておらず、ドーム部の直径は圧電セラミック振動子1の実効可動直径よりも短い。圧電セラミック1aの直径が、ドーム部の直径とほぼ同一である。圧電セラミック1aと金属基板1bとの間で発生するたわみ(振動)の大部分は、振動板3に伝わる。振動板3と接する圧電セラミック振動子1の部分(圧電セラミック1aと金属基板1bとが接している部分とほぼ同一である。)は、圧電セラミック振動子1の固定部(外周部)と離れている故に、振動が抑制されにくい。
【0023】
振動板3の直径は13mmと大変小さく、ドーム部のみが且つのドーム部のほぼ全体がパネル4の開口部4aから露出している故、実施の形態のスピーカは優れた指向特性を有する。パネル4の開口部4aは実質的にドーム部のみを外部に露出している。パネル4は、圧電セラミック振動子1の外周部(音圧周波数特性が劣る部分である。)の前面を覆っており、そこからの音を遮っている。これにより、実施の形態1のスピーカの音圧周波数特性を更に良くしている。
ドーム型振動板3のドーム部の直径(13mm)は、周辺が固定された圧電セラミック振動子1の実効可動直径である19mmの0.68倍である。これにより(詳細な説明は後述)、従来例のスピーカで生じていたピークディップが大きいという問題が解消され、優れた音圧周波数特性が得られる。
【0024】
昇圧回路2は昇圧コイル2a、コンデンサ2b、抵抗2c、入力端子2d(ホット側)及び2e(グランド側)からなる。
抵抗2c及びコンデンサ2bからなる直列体の一端は、入力端子2d(ホット側)に接続されており、他端はオートトランス(1次側巻線と2次側巻線とが分割して巻いていない。)である昇圧コイル2aの1次側端子に接続されている。昇圧コイル2aのグラウンド端子は入力端子2e(グランド側)及び圧電セラミック振動子1の金属基板1bに接続されている。昇圧コイル2aの2次側端子は圧電セラミック1aに接続されている。
昇圧コイル2aは外径が10mmで長さが10mmの小型フェライトコアボビンに、線径0.12mmのエナメル銅線を巻いたものである。コンデンサ2bに接続された1次側のコイル巻数は約40回であり、圧電セラミック1aに接続された2次側のコイル巻数は約240回である。昇圧コイル2aの昇圧比は1:6である。昇圧回路2は入力駆動電圧を6倍に昇圧し、昇圧した駆動電圧を圧電セラミック振動子1に印加する。本発明のスピーカにおいては、昇圧回路2を有していないスピーカと比較して、約16dB高い音圧レベルが得られた。
【0025】
実施の形態1のスピーカは、入力した圧電セラミックの駆動電圧を昇圧コイル2aで高くして、従来よりも高い音圧を実現している。コンデンサ2bは、容量が0.68μFで耐圧が50Vの数mm角の大きさを有する小型のフィルムコンデンサである。昇圧回路2の下側遮断周波数は約20kHzである。昇圧コイル2aとコンデンサ2bとは共振回路を構成する。共振回路の共振周波数が約22kHzになるように、コンデンサ2bの容量を決定している。22kHz近傍の出力レベルを上げることにより、昇圧回路2の帯域を低域方向に伸ばしている。抵抗2cの抵抗値を変化させることにより、昇圧コイル2aとコンデンサ2bからなる共振回路のQが変わる。20kHz近傍のスピーカの音圧周波数特性がフラットになるように、抵抗2cの抵抗値を決定している。実施の形態1においては、抵抗2cは、インピーダンスが2.2Ωで定格容量が1Wの小型抵抗である。
【0026】
図2、図3を参照しながら詳しく説明する。図2(a)〜(d)は、外周部を固定された圧電セラミック振動子1の種々の振動モードを示す図である。図2(a)〜(d)の上側の図は振動している圧電セラミック振動子1の平面図である。図2において、(a)は第1次(基本周波数)モード、(b)は第2次節円モード、(c)は第3次節円モード、(d)は第4次節円モードを示す。ハッチングをした部分はハッチングしていない部分と逆方向に変位していることを表している(ハッチングをした部分とハッチングしていない部分との境界が振動の節である。)。図2(a)〜(d)の下側の図は圧電セラミック振動子1の変位の様子を表している(振動振幅を縦軸で表示している。圧電セラミック振動子1は、その厚さ方向に振動する。)。
【0027】
図2に示すように、外周部が固定された圧電セラミック振動子1では、固定部の対極の部位である中心部が振幅最大の腹となり、最も共振が強く起こる。
従来例3のスピーカにおいては、圧電セラミック振動子21は内周部が固定された円板リングであった。このような構成においては、固定部の対極の部位である外周部が振幅最大の腹となり、最も共振が強く起こる。従来例3においては、圧電セラミック振動子21の外周部は、全ての振動モードにおいて腹となる。従来例3においては、圧電セラミック振動子21は、その外周部のみにおいてドーム型振動板23と接続されている故、音圧周波数特性のピークディップが非常に大きくなる。
圧電セラミック振動子1の外周部が固定されている本実施の形態においては、ある直径の範囲(例えば圧電セラミック1aの直径の範囲)内では振動モードが極端な共振特性をもつことがなく、周波数特性のピークディップが小さくなる。このことを実験により実証した。
【0028】
図3を参照しながら実験結果を説明する。図3は、最外周を固定した実施の形態1の外径20mmの圧電セラミック振動子の音圧周波数特性を示すグラフである。
音響理論において、振動加速度に振動板の放射抵抗を掛けたものは音圧周波数特性になることが知られている。図3に示した音圧周波数特性は、振動加速度周波数特性を測定し、その測定結果に放射抵抗を掛けて得た。
図3において、A〜Dは、圧電セラミック振動子の種々の部位における特性を示す。A(細実線)は中心点の特性、B(点線)は直径が7mm(中心からの距離が0.35mm)つまり外径の0.35倍の周上部位での特性、C(太実線)は直径が13mmつまり外径の0.65倍の周上部位での特性、D(破線)は直径が17mmつまり外径の0.85倍の周上部位での特性である。
【0029】
図3に示すように、Aの特性は最もピークディップが激しく、Bの特性も程度は若干小さいもののAの特性と同様にピークディップが大きい。一方Dの特性は、ピークディップの高さは少し低くなっているが、全体的なレベルも低くなり、且つ周波数が高くなるとレベルが減衰している。Cの特性が全体的に最もピークディップが少なく、高い周波数まで均一なレベルを有している。
図3では代表的な直径部位での特性を示した。実験により、直径が10mm〜16mmの範囲(中心からの距離が5mmから8mmの範囲)つまり圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.5倍〜0.8倍の範囲内では、Cの特性と同様に全体的にピークディップの少ない特性の得られることが分かった。この範囲の部位ではAとDの中間的な特性が得られる。この部位の振動を振動板3に伝達することにより、ピークディップが緩和される。
【0030】
図4から図11及び表1に、ドーム型振動板3のドーム外径Ddを圧電セラミック振動子の実効可動直径Doの0.2倍、0.3倍、0.4倍、0.5倍、0.6倍、0.7倍、0.8倍、0.9倍にそれぞれ変化させた場合の、音圧周波数特性を示す。
図4から図11のデータを測定した際における、圧電セラミック振動子とその実効可動直径、昇圧回路、パネルの構造、ドーム型振動板の材質、パネルの材質は、図1で説明をした内容と同じである。各々の場合のパネルの開口は、ドーム型振動板の外径と同じとしている。ドーム型振動板の曲率半径は全て9mmである。
【0031】
図4から図6に示すように、ドーム型振動板3の外径が小さい場合、すなわちドーム外径が圧電セラミック振動子1の実効可動直径の0.2倍〜0.4倍の場合は、音圧周波数特性のピークディップが大きい。圧電セラミック振動子1の中心点は最も共振レベルが高い故に、この近傍の部位ではピークディップが大きい。
全体的な音圧レベルがドーム外径が小さいほど低い。これは振動板外径が小さいほど振動板面積が小さくなるからである。
【0032】
図7から図10に示すように、ドーム型振動板3の外径が圧電セラミック振動子1の実効可動直径の0.5倍〜0.8倍の場合は、音圧周波数特性のピークディップが小さく、かつ全体的な音圧レベルは比較的高い。
図11に示すように、ドーム外径が圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.9倍の場合には、ピークディップが大きく、音圧レベルも低くなっている。ドーム外径が大きいにもかかわらず音圧レベルが低くなるのは、圧電セラミック振動子の外周固定端の近傍の部位では、振動子の振幅が減衰されるからである。
【0033】
表1はドーム型振動板3の形状と音圧周波数特性の傾向をまとめたものである。表1において、Ddはドーム型振動板3の外径(直径)、hはドームの高さ(但し、ドームの曲率半径は全て9mm)、Rはドーム型振動板3の外径の圧電セラミック振動子1の実効可動直径(19mm)に対する比率、dは音圧周波数特性の20kHz〜100kHzの偏差(1/8オクターブ以下の鋭いピークディップは除く)、平均SPL(Sound Pressure Level。平均音圧レベル)は音圧周波数特性の20kHz〜100kHzの平均音圧レベルをそれぞれ示す。
【0034】
表1から、ドーム型振動板3の外径が圧電セラミック振動子1の実効可動直径の0.5〜0.8倍の範囲で音圧周波数特性の偏差(ピークディップの大きさ)が小さいことが分かる(±5dBの範囲内)。平均SPLは、ドーム外径が圧電振動子の実効可動直径の0.5倍〜0.8倍の範囲において大きく、0.4倍以下及び0.9倍以下の範囲においてに非常に小さくなる。
上記の実験結果より、ドーム型振動板3の外径を圧電セラミック振動子1の実効可動直径の0.5〜0.8倍の範囲内に設計することにより、優れた特性の超高域再生用スピーカを実現できる。
【0035】
【表1】
Figure 0004015565
【0036】
本実施の形態では、ドーム型振動板3のドーム部直径を圧電セラミック振動子1の実効可動直径の0.5〜0.8倍の範囲内の0.68倍としている。周波数特性のピークディップの少ない部位の振動がドーム型振動板3に伝達される。パネル開口部4a以外からは不要な音が放射されないので、つまり周波数特性ピークディップの多い部位からの音はパネル4によって遮蔽されるので、優れた音圧周波数特性を得ることができる。
【0037】
図12に本実施の形態の超高域再生用スピーカの2.45V(1W/6Ω)入力時の音圧周波数特性を示す。約20kHzから120kHzに及ぶ超高域まで、ピークディップの少ない優れた音圧周波数特性と、約84dB/mの高い出力音圧レベルが得られた。従来の技術では、2.45V入力で75dB/m前後の出力音圧レベルしか得られていなかった。圧電セラミック振動子1は、極めて広範に使用されている小型円形の汎用モノモルフ型であるので、極めて安価である。本発明のスピーカは超高域周波数再生用スピーカである故、昇圧回路2が有する昇圧コイル2a、コンデンサ2bは非常に小さく安価である。これらの部品を有する昇圧回路2は非常に安価である。本発明により、安価な超高域再生用スピーカを実現した。
【0038】
《実施の形態2》
図13を用いて、本発明の実施の形態2の超高域再生用スピーカを説明する。実施の形態2の超高域再生用スピーカは、図1で示した実施の形態1の超高域再生用スピーカと同構造を有する。その詳細な説明は省略する。
実施の形態1では圧電セラミック振動子1の第1次高域共振周波数は約7kHz、第2次高域共振周波数は約25kHz、第3次高域共振周波数は約50kHzであり、ドーム型振動板3の第1次高域共振周波数は約20kHzであった。
実施の形態2においては、ドーム型振動板3の第1次高域共振周波数を圧電セラミック振動子1の第2次高域共振周波数よりも高く設計している。ドーム型振動板3は、圧電セラミック振動子1が効率良く発生した高周波数帯域の振動(音波)を、少ない損失で放射する。実施の形態2の構成により、実施の形態1のスピーカと比較して、更に超高域まで伸びた優れた音圧周波数特性を有するスピーカを実現できた。以下これについて詳しく説明する。
【0039】
音響振動学でよく知られているとおり、周辺部を固定された円板の第1次(基本)モードの周波数つまり第1次高域共振周波数をf1、第2次(第2次節円モード)高域共振周波数をf2、第3次(第3次節円モード)高域共振周波数をf3、第4次(第4次節円モード)高域共振周波数をf4とすると、f2=3.9×f1、f3=8.7×f1、f4=14.5×f1である。
f2/f1(=3.9)だけはf3/f2(=2.2)、f4/f3(=1.7)よりもずっと大きく、f1とf2の間の周波数帯域では共振効果が減少し放射効率が低い。これらのことは図3からも明らかである。
これに対してf2以上の周波数帯域では高域共振周波数が密集しているので、共振効果により放射効率が高い。そこで実施の形態2においては、ドーム型振動板3の第1次高域共振周波数を圧電セラミック振動子1のf2以上としている。この構成によれば、ドーム型振動板3の高次分割振動による振動伝達損失が、圧電セラミック振動子1の放射効率の高い周波数帯域において発生しない。上記構成により、極めて超高域まで再生するスピーカを実現できた。
【0040】
図3によれば、実施の形態1の圧電セラミック振動子1の各高域共振周波数の間隔(実測値)は上記f1〜f4の間隔(理論値)と若干異なる。これは圧電セラミック振動子1の周辺固定材料が樹脂なので、周辺固定された振動子の理論的理想状態とは少し異なるためである。
実施の形態2のスピーカにおいて、ドーム型振動板3を厚み0.05mmのポリイミド含有樹脂フィルムで形成し、ドーム部の高さを4mmにして、ドーム型振動板3の第1次高域共振周波数を圧電セラミック振動子1の第2次高域共振周波数(約25kH)よりも高い値である30kHzに設計した。他の構成は実施の形態と同一である。実施の形態2のスピーカの音圧周波数特性を図13に示す。
図12と図13を比較すると明らかなように、実施の形態1のスピーカにおいては再生帯域の上限が約120kHzであったが(図12)、実施の形態2のスピーカにおいては再生帯域の上限が約150kHzに伸びている(図13)。
【0041】
上記の説明において、本発明のスピーカを従来例3のスピーカと比較した。従来例1及び2と、本発明のスピーカとを簡単に比較する。
従来例1のスピーカは、ドーム型振動板と比較して周波数特性の乱れが大きい円錐型振動板を用いている。モノモルフ型圧電セラミック振動子が円錐型振動板の頂部のみに接しており、振動板と振動子の接触面積が少ない。それ故、セラミック振動子から円錐型振動板にエネルギーが良好に伝達されにくい。大きな共振を有するセラミック振動子の中心近傍のみの振動が振動板に伝達される。上記の理由により、従来例1のスピーカは、音圧が低く、音圧周波数特性のピークディップが大きい。
従来例2のスピーカは、円錐型振動板と、円錐型振動板の内周部と接するドーム型振動板とを有する。円錐型振動板の振動とドーム型振動板の振動とが相互に干渉する故、音圧周波数特性のピークディップが大きい。圧電素子の振動が円錐型振動板に伝わりにくく、音圧が低い。
【0042】
本発明によれば、高い音圧レベルとピークディップの少ない優れた音圧周波数特性をもち、優れた指向特性を持ちながら超高音域まで再生ができ、かつ安価な超高域再生用スピーカを実現できる。
実施の形態1及び2では圧電セラミック振動子1をモノモルフ型としたが、これをバイモルフ型としても良いことは言うまでもない。バイモルフ型は圧電セラミック薄板が金属板の両面に接合されているので、圧電セラミックが金属板の片面だけに接合されたモノモルフ型に比べて駆動力が2倍である。バイモルフ型の圧電セラミック振動子を用いることにより、特性を変化させることなく更に高出力のスピーカを実現できる。
【0043】
圧電セラミック1a及び金属基板1bは円板形状でなくても良い。円形以外の形状の振動子を用いた場合には、振動子の振動モードが円形の場合よりも分散化され、振動レベルが低下する傾向になる。このことを考慮して、所望の特性が得られるように適宜設計することができる。
圧電セラミック振動子を円板形状にすることにより、広く流通している安価な市販汎用品を用いることができる。圧電セラミック振動子を円板形状にすることにより、最も安価なスピーカを実現できる。
【0044】
実施の形態1及び2では圧電セラミック振動子1を円板形状とし、パネルの内周部に固定した。圧電セラミック振動子を円形ではなく多角形又は楕円等の非円形形状としても設計可能である。この場合、圧電セラミック振動子の実効可動直径はその非円形形状と同一の面積をもつ円形の直径で表すことが出来る。
実施の形態1及び2では圧電セラミック振動子1の周辺部をパネル4で固定した。ドーム型振動板の前面に開口部を有するパネルと別個の部材を用いて、圧電セラミック振動子1の周辺部を固定しても良い。
【0045】
実施の形態1及び2では圧電セラミック振動子1(直径20mm)の周辺部の直径19mm〜20mmの範囲の狭い環状部分を固定した。圧電セラミック振動子1の周辺部の固定部を、もっと広い範囲にしても良い。例えば圧電セラミック振動子1(直径20mm)の周辺部の直径16mm〜20mmの範囲を固定した場合には、実効可動直径は16mmとなる。この構成においては、ドーム型振動板3のドーム部の直径を、16mmの0.5〜0.8倍である直径8mm〜12.8mmに設計する。
【0046】
圧電セラミック振動子を固定する部材の剛性が低い場合、例えば固定部材が肉厚が薄い樹脂のような場合には、圧電セラミック振動子の周辺部は完全な固定状態にはならない。この場合、圧電セラミック振動子の実効可動直径は固定内周径よりも大きくなり、固定内周径と圧電セラミック振動子の外径の中間的な値となる。固定する部材の剛性が高い場合、例えば固定部材が金属又は肉厚が十分大きい樹脂の場合は、圧電セラミック振動子の実効可動直径は固定内周径とほぼ同じとみなすことができる。圧電セラミック振動子を固定部材に固定する接着剤の剛性が低い場合、例えば柔らかい接着剤を厚く塗布して圧電セラミック振動子を固定した場合などにおいては、固定部材の剛性が高くても実効可動直径は固定内周径よりも大きくなる。
【0047】
実施の形態1及び2では昇圧コイル2aはオートトランスであった。これに代えて、1次側巻線と2次側巻線が別々に巻かれた通常のトランスを昇圧コイルとして用いても良い。1次側巻線と2次側巻線とが別々に巻かれたトランスと、1次側巻線と2次側巻線が共用されている通称オートトランスとは、交流電気的な動作は全く同じである。
実施の形態1及び2では、抵抗2cが昇圧回路2のコンデンサ2bと直列に接続されている。抵抗2cは、下側遮断周波数近傍にある共振点のQを下げ、下側遮断周波数(約20kHz)近傍の音圧周波数特性をフラットに調整している。所定の性能が得られる場合には、抵抗2cはなくても良い。
【0048】
実施の形態1及び2ではドーム型振動板3の材質をポリエチレンテレフタレートまたはポリイミド含有樹脂フィルムとした。これに限られるものではなく、振動板の材質として任意の材料を用いることが出来る。例えば金属チタン箔、紙、各種樹脂フィルムなどを振動板として用いることが出来る。
モノモルフ型又はバイモルフ型の圧電セラミック振動子は、一般的に、厚み0.15mm〜0.25mmの金属基板を有する。ドーム型振動板には、一般的に、厚み0.05mm前後の樹脂フィルム又は厚み0.025mm程度のチタン泊などが、成型が容易であり且つ軽量である故、用いられる。このような材質を用いたドーム型振動板は圧電セラミック振動子に比べて遙かに軽量である。ドーム型振動板の材質に応じて、圧電セラミック振動子の振動特性が大きく変化することはない。
実施の形態1及び2では開口部4aの直径をドーム型振動板3のドーム部の直径と同じにしたが、多少異なっても構わない。開口部4aの直径をドーム部の直径以下とした場合は、ドーム部外側のつば及び接着剤のはみ出しなどが表側から見えにくくなるので、外観的に高品位なスピーカを実現できる。またパネル4の開口部前面をホーン状形状にすれば、指向性は狭くなるが、音圧レベルをさらに高めることができる。
【0049】
実施の形態1及び2ではドーム型振動板3は圧電セラミック振動子1に対して偏心なく同軸上に配置したが、両者の多少の偏心は差し支えない。両者の偏心が大きい場合は、スピーカの音圧周波数特性ピークディップは分散化されるが、音圧レベルは低くなる傾向になる。このことを勘案して積極的に偏心をさせた設計をすることも可能である。
実施の形態1及び2ではドーム型振動板3の正面形状は円形であった。これに代えて、楕円形状又は長円形などのドーム型振動板を用いることも出来る。楕円形状又は長円形のドーム型振動板を用いると、スピーカの音圧周波数特性ピークディップは分散化されるが、音圧レベルは低くなる傾向になる。このような場合、楕円又は長円形の長径と短径の平均値(又はその面積と同一の面積を有する円の直径)を圧電セラミック振動子1の実効可動直径の0.5〜0.8倍と設計すれば良い。
【0050】
実施の形態1及び2ではドーム型振動板3の形状は球面型ドームであった。これに代えて、円錐型又は砲弾型のドーム型振動板を使用しても良い。ドーム型振動板3は圧電セラミック振動子1に比べて遙かに軽量である故、ドーム型振動板3の形状を変えた場合、スピーカの指向特性は変化するが、圧電セラミック振動子1の振動特性(音圧周波数特性)はほとんど影響を受けない。
本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは、言うまでもない。発明をある程度の詳細さをもって好適な形態について説明したが、この好適形態の現開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、各要素の組合せや順序の変化は請求された発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【0051】
【発明の効果】
本発明の超高域再生用スピーカでは、圧電セラミック振動子の周辺部を固定するとともに、ドーム型振動板のドーム外径を圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.5〜0.8倍に構成したことにより、圧電セラミック振動子のピークディップの少ない部位の振動がドーム型振動板に伝達される。これにより優れた音圧周波数特性を実現する。実質的にドーム型振動板のみを外部に露出するパネル開口部以外からは不要な音が放射されないので、音圧周波数特性を更に良くし、且つ優れた指向性を実現する。
圧電セラミックの直径をドーム部の直径とほぼ同一にすることにより、圧電セラミックが発生する振動の大部分をドーム型振動板から放射する効率の良い超高域再生用スピーカを実現する。
セラミック振動子に昇圧回路を接続することにより、セラミック振動子の駆動電圧を高くしている。さらに前記昇圧回路の共振周波数を前記昇圧回路の下側遮断周波数の近傍に設定している。これにより、小さな直径のドーム型振動板を用いて極めて高い音圧レベルをもつスピーカが得られる。小さな直径のドーム型振動板により、広い指向性のスピーカが得られる。
【0052】
ドーム型振動板の第1次高域共振周波数を前記圧電セラミック振動子の第2次高域共振周波数よりも高くしたことにより、圧電セラミック振動子の放射効率の高い周波数帯域でドーム型振動板の高次分割振動による振動伝達損失がなく、極めて超高域まで再生するスピーカを実現できる。この構成により、上記のスピーカよりも一層超高域まで伸びた優れた特性の超高域再生用スピーカを実現することができる。
本発明のスピーカにおいては、極めて広範に使用されている小型円形汎用モノモルフ型の圧電セラミック振動子を用いることができる。本発明のスピーカの再生周波数は超高域なので、小型で安価な部品を用いて昇圧回路を構成することが出来る。
本発明によれば、高い音圧レベルとピークディップの少ない優れた音圧周波数特性をもち、優れた指向特性を有し、超高域の周波数まで再生ができる安価な超高域再生用スピーカを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1及び2の超高域再生用スピーカの構造図である。
【図2】図2は、本発明の周辺を固定した圧電セラミック振動子の振動モードを示す図である。
【図3】図3は、外周を固定した圧電セラミック振動子の各部の音圧周波数特性を示すグラフである。
【図4】図4は、ドーム部の直径を圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.2倍にした場合のスピーカの音圧周波数特性である。
【図5】図5は、ドーム部の直径を圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.3倍にした場合のスピーカの音圧周波数特性である。
【図6】図6は、ドーム部の直径を圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.4倍にした場合のスピーカの音圧周波数特性である。
【図7】図7は、ドーム部の直径を圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.5倍にした場合のスピーカの音圧周波数特性である。
【図8】図8は、ドーム部の直径を圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.6倍にした場合のスピーカの音圧周波数特性である。
【図9】図9は、ドーム部の直径を圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.7倍にした場合のスピーカの音圧周波数特性である。
【図10】図10は、ドーム部の直径を圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.8倍にした場合のスピーカの音圧周波数特性である。
【図11】図11は、ドーム部の直径を圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.9倍にした場合のスピーカの音圧周波数特性である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態1の超高域再生用スピーカの音圧周波数特性図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態2の超高域再生用スピーカの音圧周波数特性図である。
【図14】図14は、従来例3の高域再生用スピーカの構造図である。
【図15】図15は、従来例3の超高域再生用スピーカの圧電セラミック振動子の振動モードを説明する図である。
【図16】図16は、従来例3の超高域再生用スピーカの音圧周波数特性図である。
【符号の説明】
1 圧電セラミック振動子
1a 圧電セラミック
1b 金属基板
2 昇圧回路
2a 昇圧コイル
2b コンデンサ
2c 抵抗
3 ドーム型振動板
4 パネル
4a 開口部

Claims (2)

  1. 圧電セラミックと金属基板を接合した略円盤状の圧電セラミック振動子と、前記圧電セラミック振動子に取り付けられたドーム型振動板と、前記圧電セラミック振動子の外周部を固定し且つ前記ドーム型振動板の前面に開口部を有するパネルと、を有し、
    前記ドーム型振動板のドーム部の直径を前記圧電セラミック振動子の実効可動直径の0.5〜0.8倍とし、且つ前記圧電セラミックの直径を前記ドーム部の直径とほぼ同一とし、前記開口部を前記ドーム部の直径とほぼ同一とし、前記圧電セラミック振動子に昇圧回路を接続し、前記昇圧回路の共振周波数を当該昇圧回路の下側遮断周波数の近傍に設定したことを特徴とする超高域再生用スピーカ。
  2. 前記ドーム型振動板の第1次高域共振周波数は前記圧電セラミック振動子の第2次高域共振周波数よりも高くしたことを特徴とする、請求項1に記載の超高域再生用スピーカ。
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