JP2003032783A - 線状加振装置及び該加振装置を備えたスピーカ - Google Patents

線状加振装置及び該加振装置を備えたスピーカ

Info

Publication number
JP2003032783A
JP2003032783A JP2001217257A JP2001217257A JP2003032783A JP 2003032783 A JP2003032783 A JP 2003032783A JP 2001217257 A JP2001217257 A JP 2001217257A JP 2001217257 A JP2001217257 A JP 2001217257A JP 2003032783 A JP2003032783 A JP 2003032783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
magnetic field
conductor
conductor bundle
speaker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001217257A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4618477B2 (ja
Inventor
Yasuhito Tanase
廉人 棚瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2001217257A priority Critical patent/JP4618477B2/ja
Publication of JP2003032783A publication Critical patent/JP2003032783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4618477B2 publication Critical patent/JP4618477B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】小型であって大出力及び良好な周波数特性を兼
ね備えたスピーカ及びそのようなスピーカのための加振
装置を提供する。 【解決手段】振動板と、該振動板周辺部に結合された線
状加振装置とを備え、該線状加振装置は、前記振動板の
縁部が延びる方向に沿って延びる導体を束状にし該縁部
に結合した導体束と、実質上前記振動板の面に沿い且つ
前記導体束を横切る方向の磁場を形成し該磁場の中に前
記導体束を位置させるように配置された磁場形成部とを
備えていることを特徴とするスピーカ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカの振動板
を加振するための線状加振装置及び該線状加振装置を備
えたスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスピーカ用小型加振装置、特に平
面スピーカに好適な加振装置として、以下のような種々
の装置が知られている。導電型アクチュエータを用いた
平面スピーカは、図22に示すように振動板Pの中央部
にアクチュエータAを配置して駆動するものである。こ
の導電型アクチュエータは、重量及び寸法が大きくスピ
ーカの薄型化を困難にする。複数のアクチュエータを振
動板に配置した場合は、位相遅れなく各アクチュエータ
を駆動することは困難であり、またコストを大きく増す
ことにもなる。
【0003】電話機のサウンダやブザー等、通信用小型
アクチュエータは、小型であるが出力が小さく一般的な
大きさの平面スピーカの振動板を駆動するのは困難であ
る。
【0004】この他、圧電フィルムを加振源として使用
したスピーカもあるが、製造コストが高く、また低周波
帯域での加振力に欠ける結果、出力振動変位が小さい。
【0005】さらに、プリントコイルを使用した平面ス
ピーカが知られている。これは、図23及び図24に示
すように、振動板に導電材をプリントして複数のコイル
Cを形成し、これらに対向してマグネットMを配置し、
鉄製のベースBでこれらを囲んだものである。マグネッ
トMは、異なる磁極が交互に位置するように並べられて
おり、プリントコイルはマグネットの交互配置の磁極に
合わせて交互に逆磁極を示すように形成されている。こ
のプリントコイルに駆動用音響信号を入力することによ
り、コイルから磁界が形成されマグネットとの吸引反発
力により振動板が加振される。しかしながら、このスピ
ーカは、振動板面積が小さく、しかも剛性の低い振動板
を使用するので、大出力や低音域の出力が十分に得られ
ない。振動板へのプリントコイルを使用するので薄型で
はあるが、隣り合うコイル状配線をマグネットの交互配
置の磁極に合わせて逆巻きにする必要があり、配線が複
雑となる。また、隣り合うマグネット間に形成される磁
界中、コイルに向かう漏れ磁束を利用して駆動力を得る
ので、駆動効率が低い。
【0006】したがって、これら従来の加振装置を用い
たスピーカは、小型化と大出力及び良好な周波数特性と
を兼ね備えることが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
のこれらの問題を解決し、小型であって大出力及び良好
な周波数特性を兼ね備えたスピーカ及びそのようなスピ
ーカのための加振装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、振動板と、該振動板周辺部に結合された線
状加振装置とを備え、該線状加振装置は、前記振動板の
縁部が延びる方向に沿って延びる導体を束状にし該縁部
に結合した導体束と、前記振動板の面に沿い且つ前記導
体束を横切る方向の磁場を形成し該磁場の中に前記導体
束を位置させるように配置された磁場形成部とを備えて
いることを特徴とするスピーカを提供するものである。
【0009】本発明はまた、前記目的を達成するため、
相互に対向するように配置された2枚の振動板と、これ
らの振動板に結合された線状加振装置とを備え、該線状
加振装置は、一方の振動板の縁部が延びる方向に沿って
延びる導体を束状にし該縁部に結合した第一導体束と、
前記縁部に対応した位置で他方の振動板の縁部が延びる
方向に沿って延びる導体を束状にし該縁部に結合した第
二導体束と、実質上前記振動板の面に沿い且つ前記導体
束を横切る方向の磁場を形成し該磁場の中に前記導体束
を位置させるように配置された磁場形成部とを備えてい
ることを特徴とするスピーカを提供する。
【0010】本発明はさらに、前記目的を達成するた
め、振動板に固定可能である束状の導電線からなる導体
束と、該振動板を保持するスピーカ本体に固定可能であ
り、前記導体束を挿入し得る細い間隙の間に磁場を形成
する磁場形成部とを備えていることを特徴とする線状加
振装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て添付図面を参照しつつ説明する。図面全図を通じて、
同一又は同種の部材には同一の番号を付して説明を省略
することがある。また、同一又は同種の部材に関して、
振動板の表裏で区別する場合は、表側(聴取者側)に位
置するものに「P」、裏側に位置するものに「R」の添
え字を付して区別する。さらに、同一又は同種の部材に
関して、振動板からの距離で区別する場合は、近くに位
置するものに「V」、遠くに位置するものに「W」の添
え字を付して区別する。
【0012】図1は、本発明の一実施形態に係るスピー
カを示している。このスピーカは、矩形平板状の振動板
1の両側部に縦方向に延びる線状加振装置2を備えてい
る。或いは、図2に示すように、矩形平板状の振動板1
の四周の縁部を周回するように延びる線状加振装置2を
備えたものとすることができる。また、スピーカを床な
どに設置する場合は、床に接する縁部以外の3辺を駆動
することもできる。線状加振装置のこれらの形状は、線
状加振装置自身の構造によって有利・不利があり、これ
については以下の説明において述べる。スピーカは、振
動板1の周縁部をバネ、ソフトエッジ、吊り下げ用線条
等で所望の箇所に支持することができる。
【0013】振動板1は、図示のような矩形以外の多角
形、円形、楕円形等、種々の平面形状とすることができ
る。また、平坦な平板状のものの他、曲面状としてもよ
い。線状加振装置の導体束は、これらの形状に応じて、
振動板の縁部が延びる方向に沿って延びるように結合さ
れる。振動板1の材質は、透明なガラス、プラスチック
等とすることによりスピーカを通して背後のCRTや液
晶などの画像を見ることができるという利点を得ること
ができるが、不透明な木材、金属、プラスチック等の板
体とすることもできる。
【0014】図3は、線状加振装置2aの基本的な断面
形状を示している。この線状加振装置2aは、振動板に
固定可能である束状導体からなる導体束3aと、該振動
板を保持するスピーカ本体に固定可能であり、前記導体
束を挿入し得る細い間隙の間に磁場を形成する磁場形成
部4aとを備えている。この例では、2個のマグネット
40aが、N極とS極とを向き合わせて配置され、その
間に導体束3aが挿入されている。さらにこの例では、
マグネットの背面同士を鉄等の強磁性体でできたヨーク
41aで接続しており、これにより導体束3aを横切る
磁束密度を高めている。
【0015】導体束3aは、以下のような種々の形態を
とることができる。 (a) 1本の導体がコイル状に巻回され束をなすもの。 (b) 複数本の導体がコイル状の小束を形成し、これが複
数合わされて全体の束を形成するもの。 (c) 相互に連続しない1本の独立した導体が複数集めら
れ束状とされたもの。 (d) 上記(b), (c) を混在させたもの。
【0016】線状加振装置に多重音声等の複数種の駆動
信号を入力する場合、上記(a)の場合には、1本のコイ
ルに複数種の信号を入力することになるが、上記(b),
(c),(d)の場合には、小束又は1本の導電線に1種又は
複数種の駆動信号を分散して入力することができる。こ
れにより、周波数帯域を区別した入力、音源を区別した
入力が可能となるという効果が得られる。
【0017】図3の状態では、磁力線が図における右側
のマグネットから左側のマグネットへと流れる。この状
態で導体束3aにスピーカ駆動のための電気信号を紙面
の手前側から向こう側へ流すと、フレミングの左手の法
則により、導体束3aに図において上向きの力が生じ
る。また、電気信号の向きが逆になると、導体束3aに
作用する力は下向きとなる。本発明に係る線状加振装置
は、この原理を利用して、以下に詳述するように、導体
束3aを振動板に固定可能とし、振動板を保持するスピ
ーカ本体に磁場形成部4aを固定可能とすることによ
り、電気信号に伴って導体束に発生する力を振動板に作
用させるものである。
【0018】導体束は、線状、フィルム状等の導体を結
束して形成する他、メッキ、プリント等で導電材料を基
板上に線状に形成し該基板を積層乃至並列して形成する
こともできる。
【0019】図4は、導体を結束して形成した導体束3
の断面形状の例を示している。この図に示すように、導
体束3を構成する導体は、種々の断面形状のものとする
ことができる。図4(a)は、断面円形の線状の導体3
0の例である。図4(b)は、断面長方形乃至正方形の
線状の導体30を使用した例を示している。このように
矩形断面とすることにより、導電線を束ねた際の安定性
が増し剛性が高まる。図4(c)は、フィルム状乃至箔
状の扁平な導体30を層状に束ねた例を示している。こ
のような積層状とすることにより、導体束の表面積を大
きくし放熱効率をよくすることができる。導体は、絶縁
層を表面に設けられる、導体間に絶縁フィルムを介在さ
せる等の手段により、相互間を電気的に絶縁される。
【0020】図5は、導体束を振動板に固定する構造の
一例を示している。この例では、振動板1の周辺部にお
いて振動板縁部に沿って支持材31を固着し、この支持
材を振動板外周側から囲むように導体30を巻き付けて
いる。導体30は、予め絶縁被覆の外側に熱溶融型接着
層が設けられ、巻き付けの際に接着層を加熱溶融し固化
させることにより接着されている。
【0021】この他、導体束をコイル状に形成するため
に、導体回路を平板上に形成したメタルコア基板やセラ
ミック基板を使用することもできる。これらは、薄いた
めに放熱性に特に優れている。振動板への結合は、これ
らの基板1枚乃至複数枚を図5に示したような支持材3
1に固定することにより行なうことができる。
【0022】導体束は、例えば図5に示すようにして支
持部材に支持され、振動板に結合されるが、以下では、
説明を簡単にするために、導体束が振動板に結合されて
いることを前提として、支持部材への言及は省略する。
【0023】ここで、線状加振装置の種々の構造につい
て、振動板に結合されスピーカを構成している形態に基
づいて説明する。
【0024】図6に示すスピーカでは、線状加振装置の
導体束3bが振動板1周縁部において該振動板の表側と
裏側とに跨り且つ該振動板に沿ってコイル状に巻回され
ている。磁場形成部4bは、前記振動板の表側と裏側と
で導体束に作用する磁場の向きが逆になるように配置さ
れている。磁場形成部4bは、図3に示したものと同様
の構成であり、振動板1の表側(図6の上側)の1対の
マグネット40bPは相互に対向する面の内、右側がN
極、左側がS極とされ、振動板1の裏側(図6の下側)
の1対のマグネット40bRは対向面の右側がS極、左
側がN極とされている。これにより、磁場の向きHは、
振動板の表側で図の右から左へ、裏側で左から右へと形
成される。
【0025】導体束3bは、振動板1の表側と裏側とに
跨って巻回されたコイル状となっているので、電気信号
が流れる向きは、振動板の表裏で逆になる。図6には、
電流が、振動板の表側において紙面の手前側から向こう
側へ、裏側において紙面の向こう側から手前側へと流れ
ている状態が示されている。図7は、図6のVII-VII線
に沿う断面において振動板表裏側の導体束(特に直線状
部分)のみを概略的に示す。図7では、電流は振動板表
側で右へ、裏側で左へ流れ、磁場の向きは振動板表側で
紙面の手前側から向こう側へ、裏側で紙面の向こう側か
ら手前側へとなっている。この電流の向きと磁場の向き
とにより、振動板1の表側及び裏側の双方の導体束3b
P、3bRに振動板の表側(図の上側)へ向く力Fが作
用する。振動板は、周縁部をこのように駆動されること
により、全体として移動し或いは分割モードを伴って変
形する。したがって、導体束3bにスピーカ駆動用の電
気信号を流すことにより、振動板からの音響放射を得る
ことができる。
【0026】図8に示すスピーカも、図6に示したもの
と同様に、線状加振装置の導体束3cが振動板1周縁部
において該振動板の表側と裏側とに跨り且つ該振動板に
沿ってコイル状に巻回されている。磁場形成部4cは、
前記振動板の表側と裏側とで導体束に作用する磁場の向
きが逆になるように配置されている。但し、図8の例で
は、振動板1の表裏側に各1個のマグネット40cP、
40cRが設けられ、これらは、導体束3cP及び3c
Rに向く磁極が相互に逆となるように配置されている。
これらのマグネットにおける導体束と反対側には、ヨー
ク41cが設けられ、また、導体束3cP、3cRに関
し、これらのマグネットとは反対側には、導体束に接近
してヨーク42が配置されている。ヨーク42は、振動
板の表側及び裏側において振動板縁部に沿って延びる部
分420と、間隔をおいてこれらを連結するウェブ42
1とを備えている。振動板には、ウェブ421を通すた
めの通孔が形成されている。
【0027】このスピーカにおいても、図6に示したも
のと同様に、振動板表裏で異なる向きの磁場が形成さ
れ、その間に延びる導体束には相互に逆向きの電流が流
れる。したがって、図示のように、磁場の向きHが、振
動板の表側(図の上側)で右から左へ、裏側で左から右
へと形成され、電流が、振動板の表側において紙面の手
前側から向こう側へ、裏側において紙面の向こう側から
手前側へと流れる状態においては、各導体束3cP、3
cRに振動板表側(図の上側)へ向く力Fが作用する。
このようにして振動板の駆動力が得られるので、導体束
にスピーカ駆動用の電気信号を流すことにより、振動板
からの音響放射を得ることができる。
【0028】図9に示すスピーカは、線状加振装置の導
体束3dが、振動板面の一方の側において振動板の縁部
に沿って延びる細長いコイル状の導体30dにより形成
されている。すなわち、導体束3dは、振動板1に近い
側で直線状に延びる部分3dVと、振動板1から遠い側
で直線上に延びる部分3dWとを備え、これらは同一の
支持部に支持され振動板に結合されている。導体束3d
V及び3dWには、各々1対のマグネット40dV、4
0dWが両側から接近するように配置され、導体束に対
し同じ側にあるマグネットの背面側がヨーク41dで結
合されている。導体束3dを挟むマグネットは、異なる
磁極を導体束に向けて配置されてマグネット間の磁場の
中に導体束が配置された状態とされている。また、図示
のように、振動板1に対し、接近側及び離反側の磁場の
向きが異なるようにマグネット40dV、40dWが配
置されている。
【0029】このようにして、振動板に対する接近側及
び離反側で、逆向きの磁場が形成され、その中に延びる
導体束3dはコイル状導体で形成されているので、振動
板に対する接近側及び離反側で電流の向きが逆になる。
したがって、図示のように、磁場の向きHが形成され、
電流が、振動板の表側(図の上側)において紙面の手前
側から向こう側へ、裏側において紙面の向こう側から手
前側へと流れる状態においては、各導体束3dV、3d
Wに振動板表側(図の上側)へ向く力Fが作用する。こ
のようにして振動板の駆動力が得られるので、導体束に
スピーカ駆動用の電気信号を流すことにより、振動板か
らの音響放射を得ることができる。
【0030】図10に示すスピーカは、図9に示した例
において、線状加振装置の対をなすマグネットの一方を
省略し、他方のマグネット40dV、40dWに対向す
る凸形状部分を有するヨーク41d’のみとしたもので
ある。この場合も、図9の場合と同じ向きの磁場が形成
されるので、図9と同様に電流の流れる向きに応じた力
Fが導体束3dV、3dWに作用する。
【0031】図11に示すスピーカも、図9の例と同様
に線状加振装置の導体束3eが、振動板面の一方の側に
おいて振動板の縁部に沿って延びる細長いコイル状の導
体30eにより形成されている。但し、導体束3eは、
振動板に沿う方向に巻回されたコイル状をなし、振動板
1の縁部に近い側で直線状に延びる部分3eTと、縁部
から遠い側で直線上に延びる部分3eUとを備え、これ
らは別個の支持部に支持され相互に接近した位置で振動
板に結合されている。導体束3eT及び3eUの間に
は、1個のマグネット40eが配置され、該マグネット
40eは、上方にN極、下方にS極が位置し、N極の上
部には電界を導くためのポールピース41eが結合さ
れ、S極の下部には、S極から両側へ延び1対の導体束
3eを両側から囲むように屈曲したヨーク42eが結合
されている。
【0032】この配置により、振動板の縁部に対する接
近側及び離反側で、逆向きの磁場が形成され、その中に
延びる導体束3eは、コイル状導体で形成されているの
で、振動板に対する接近側及び離反側で電流の向きが逆
になる。したがって、図示のように、磁場の向きH、及
び電流の向きIが形成される状態においては、各導体束
3eT、3eUに振動板表側(図の上側)へ向く力Fが
作用する。このようにして得られる振動板の駆動力に基
づき、スピーカ駆動用電気信号により、振動板からの音
響放射を得ることができる。
【0033】図12に示すスピーカは、線状加振装置の
導体束3fが、振動板1の裏面の周縁に沿って周回する
コイル状の導体30fにより形成されている。マグネッ
ト40fは、矩形振動板1の各辺にほぼ対応する長さと
され、導体束3fを振動板1に沿う方向に挟むように対
をなして配置されている。マグネット40fの磁極は、
振動板1の縁部側から中央部へと導体束3fに対して同
じ向きに磁場が作用するように設けられている。対をな
すマグネット40fの導体束に対する背面側は、ヨーク
41fにより結合されている。
【0034】この配置により、振動板1の縁部側から中
央部へと導体束3fに対して同じ向きに磁場が作用し、
その中に延びる導体束3fは、振動板1の周縁に沿って
周回するコイル状導体で形成されているので、磁場の向
きに対して実質上同じ方向に電流が流れることになる。
図13は、図12のスピーカのXIII-XIII線に沿う断面
を表している。図12に示すように、上記電場内で電流
が導体束3fに半時計回りに流れると、導体束3fに振
動板表面に向く力Fが生じる。これにより、振動板1の
周縁を同位相で駆動することができる。
【0035】図14に示すスピーカは、図12に示した
例において、線状加振装置のマグネットの位置を変えた
ものである。すなわち、導体束3fを挟むように配置さ
れた1対のマグネット40fの振動板側にポールピース
42fを結合してその一端を導体束3fに接近させ、マ
グネット40fの背面側を相互にヨーク41f’で結合
したものである。この場合も、図12の場合と同じ向き
の磁場が形成されるので、図12と同様に電流の流れる
向きに応じた力Fが導体束3fに作用する。
【0036】図15は、線状加振装置の導体束3gにプ
リントコイル又は扁平となるように巻回したコイルを使
用した例を示している。この例は図6の例と同様の原理
に基づくものである。すなわち、導体束3gが、振動板
1周縁部において該振動板の表側と裏側とに跨り且つ該
振動板に沿ってコイル状に巻回されている。但し、導体
束3gが振動板に沿う扁平形状であるので、導体束3g
に対して1対のマグネット40gが並列に配置されて対
向している。したがって、N極からS極に向かう弧状の
磁場Hが導体束3gに作用することになる。
【0037】図15に示した状態では、磁場の向きH
は、振動板の表側(図の上側)でほぼ右から左、裏側で
ほぼ左から右へと形成され、電流は、振動板の表側にお
いて紙面の手前側から向こう側、裏側において紙面の向
こう側から手前側へと流れている。これにより、導体束
3gには、振動板1の表裏両側において上向きの力Fが
生じる。このようにして得られる振動板の駆動力に基づ
き、スピーカ駆動用電気信号により、振動板からの音響
放射を得ることができる。
【0038】図16に示すスピーカは、振動板1の縁部
から外側へ突出し縁部に沿って延びる断面U字状の駆動
部10hが振動板に設けられた例を示している。駆動部
10hは、U字状断面の2本の脚部110が振動板1の
面に実質上平行に延びており、該脚部の相互に向き合う
面に振動板縁部に沿う方向へ延びる導体束3hが装着さ
れている。導体束3hは、扁平なコイルとされ脚部11
0に固定されている。マグネット40hは、2本の脚部
110の間において実質上振動板の面に沿う方向に作用
する磁場が形成されるように配置されている。すなわ
ち、マグネット40hは、導体束3hに沿って延びる細
長い形状を有し、振動板1に近い側と遠い側とに磁極を
有する。この例では、振動板に近い側がS極、遠い側が
N極とされている。各磁極には導体束に直交する磁界を
より多く形成するために強磁性体のポールピース43h
が設けられている。各磁極の端部は、図示のように、磁
力線が集中して出やすい角部をなくし、丸みをもたせる
のが望ましい。
【0039】図16に示した状態では、磁場の向きH
は、振動板の表裏両側でほぼ左から右へと同方向に形成
され、電流は、振動板の表裏両側において紙面の向こう
側から手前側へ相互に同方向に流れている。これによ
り、導体束3には、振動板1の表裏両側において上向き
の力Fが生じる。このようにして得られる振動板の駆動
力に基づき、スピーカ駆動用電気信号により、振動板か
らの音響放射を得ることができる。
【0040】以上の各例において、導体束と磁場形成部
との間の間隙に磁性流体を保持させることができる。磁
性流体は、その磁性により磁場形成部に吸着され、また
間隙が十分小さい場合には表面張力が作用し、導体束と
磁場形成部との間の間隙に保持される。これにより、磁
場形成部から発せられる磁束を導体束へより集中させる
ことができ、より強い加振力を得ることができる。この
ようにして使用される磁性流体としては、ハイドロカー
ボン系溶媒に金属粒子を分散させたものを挙げることが
できる。
【0041】また、振動板周辺部を駆動する際の空気バ
ネの影響を排除乃至緩和するために、線状加振装置の構
成部材に空気孔を設けることができる。図17は、図1
5に示した例について、磁場形成部4gのヨーク41g
に空気孔5を設けた状態を示している。図18は、図1
6に示した例について、駆動部10hの脚部に空気孔5
を設けた状態を示している(図14にも破線で空気孔を
示す)。このように、導体束又は磁場形成部を支持する
部材が磁場を囲むように配置されている場合には、該部
材に囲まれた囲繞空間とその外側とを連通し、振動板の
駆動に対する該囲繞空間での空気抵抗を緩和する空気孔
を該部材に設けることにより、空気バネの影響を排除乃
至緩和することができる。
【0042】図19は、振動板を2枚組み合わせた例を
示している。この例では、例えば図10に示した磁場形
成部4dを使用し、振動板1,1’は、磁場形成部に対
して相互に反対側に位置している。線状加振装置2d
は、次のような導体束により構成されている。振動板1
から延びる支持部材11に細長いコイル状の導体束3d
V、3dWが支持されている。また、振動板1’から延
びる支持部材11’にも細長いコイル状の導体束3d
V’、3dW’が支持されている。導体束3dVと3d
W’はマグネットの一方の磁極、導体束3dWと3d
V’はマグネットの他方の磁極に対向している。また、
導体束3dV及び3dWと導体束3dV’及び3dW’
とは、電気信号が逆向きに流れるように配線されてい
る。したがって、磁場形成部4d’による磁場の中で、
導体束3dV及び3dWに流れる電流に起因して図で上
向きに力F1が作用するときには、導体束3dV’及び
3dW’に流れる逆向きの電流に起因して図で下向きに
力F2が作用することになる。このようにして、振動板
1及び1’は、線状加振装置2dにより相互に逆向きに
駆動され逆相の振動をする。
【0043】1枚の振動板を使用する場合は、振動板の
動きに抗して加振部の位置を保持するために加振部の強
固な固定が必要である。しかし、図19の例では、2枚
の振動板は逆位相で振動し相互に反発し合うので、加振
部(磁場形成部)に及ぼす力が相殺される。したがっ
て、加振部の支持を簡略化することができる。また、2
枚の振動板が相互に反発しながら振動するので音響放射
効率が良く、大音量を得やすい。さらに、2枚の振動板
の材質を異ならせれば、各々の振動板に合った高音用及
び低音用等の駆動信号を各導体束のコイルに送ることに
より、周波数帯域にあった効率的な駆動を行なうことが
できる。この例の場合、音波は振動板1,1’の各々の
側で聴くようにすることができ、或いは、振動板1’か
ら画面6を経て振動板1側へ伝播したものを聴くように
することもできる。
【0044】図20は、図19とほぼ同様の構造を採用
したものであるが、振動板1のための線状加振装置2d
と振動板1’のための線状加振装置2d’とを別個に設
けたものである。この例でも、磁場形成部4dによる磁
場の中で、導体束3dV及び3dWに流れる電流に起因
して図で上向きに力F1が作用するときには、磁場形成
部4d’による磁場の中で、導体束3dV’及び3d
W’に流れる逆向きの電流に起因して図で下向きに力F
2が作用することになる。これにより、図19の例と同
様の効果を得ることができる。
【0045】図19及び図20の例において、線状加振
装置は、細長いコイル状の導体束3dV、3dWで形成
する他、図12に示したように振動板の面の周辺部を周
回するコイル状の導体により形成された導体束を備えた
ものとすることもできる。
【0046】以上の各例において、図1に示したように
振動板の周辺部の一部に線状加振装置を設ける場合に
は、振動板の表裏両側に跨って又は一方において細長く
巻回されたコイル状の導体束を採用するのが有利であ
る。これは、振動板の周縁全体を周回しなくてもコイル
状に連続した導体を得ることができ、最少の場合は2本
の端子で導体束に入力ができるからである。図6,8,
9,10,11,15に示した例がこれに該当する。一
方、図2に示したように、振動板の周縁全体に延びる線
状加振装置を設ける場合には、振動板の面の周辺部を周
回するコイル状の導体により形成された導体束を採用す
るのが有利である。これは、振動板の周辺部全体に延び
るコイル状に連続した導体を得ることができ、最少の場
合は2本の端子で導体束に入力することができるからで
ある。これは、振動板を同期駆動する上で有利である。
図12,14,16に示した例がこれに該当する。尤
も、振動板の周辺部の一部に設けられる線状加振装置を
複数直列的に並べることにより、振動板の周縁全体を駆
動することもできる。この場合は、複数の線状加振装置
に同一の駆動信号を入力することができ、或いは異なる
駆動信号を入力することもできる。
【0047】振動板は、ガラス、プラスチック等の透明
材料とすることにより、CRTや液晶等の画面の前に配
置して画面を透視することが可能となる。また、振動板
をホログラムやリアプロジェクタのスクリーンとするこ
とにより、該スクリーン上に映像を形成することができ
る。そして、線状加振装置を振動板の左右、上下等に設
け、各々を独立して駆動することにより、音像を所望の
位置に調整することができる。したがって、画面の映像
に合わせた位置に音像を定位することが可能となる。ま
た、コイルを使用した線状加振装置により大きな駆動力
が得られるので、振動板を目視可能な程度まで振動させ
ることができる。そのような大振動を利用すれば、操舵
ハンドルと映像とを関連付けたドライブゲームにおい
て、車輌の衝突時に、画面も目視可能に振動させて迫力
を増すことができる。このように、画面を目視可能な程
度に振動させることにより、種々の遊技機の映像や音響
に合わせて画面を振動させ、遊技の興味を増大させるこ
とができる。
【0048】図21は、フレーム7に振動板及び線状加
振装置を支持したスピーカの例の横断面を上方から見た
図である。振動板1には、四周から後方(図の右側)へ
延びる支持部材31が結合されている。線状加振装置2
dは、図9に示したものと同じものである。すなわち、
振動板左右の支持部材31の各々に支持されコイル状を
なす導体束3d、3dを挟むように磁場形成部4dが配
置されている。磁場形成部4dは、フレーム7に支持さ
れている。フレーム7は、支持部31の周囲をを囲むよ
うに延びる囲繞部70を備えている。支持部31には、
弾力性のある紐状の取付け部材71が該支持部の四周に
間隔をおいて取り付けられており、該取付け部材71を
フレームの囲繞部70に着脱可能に係止することによ
り、フレーム7に支持されている。この支持構造によ
り、振動板1は、線状加振装置2dからの加振を受ける
上でほとんど拘束を伴うことなくフレーム7に支持され
る。また、取付け部材71とフレームとの係止を外すこ
とにより、振動板1を容易にフレーム7から取り外すこ
とができる。取付け部材71は、紐状のもの他、板ばね
等の変形容易な部材で構成することもできる。
【0049】また、振動板は、縁部から中心までの距離
の1/2以内の幅の環状とすることができる。すなわ
ち、図1及び図2に一点鎖線で示すように、縁部から幅
wの環状とし、その内側が空所とされ得る。このように
環状とされた振動板を該振動板に結合された線状加振装
置で加振すると、環状振動板全体が同時に均一に、すな
わち剛体的に振動する。中央に空所がない場合には、周
辺部での駆動であっても振動板の固有振動モードがある
程度生じ易いが、環状振動板では、剛体的振動が行なわ
れる結果、固有振動モードの発生が極めて少なく、放射
音の周波数特性が平坦化され、広い周波数帯域に亘って
均一化された効率で音響放射を行なうことができる。
【0050】このように以上に記載した利点を生かし
て、本発明に係る音響放射体は、以下のような種々の用
途におけるスピーカ等の音響放射体として使用すること
ができる。
【0051】オーディオ製品、携帯情報機器、パーソナ
ルコンピュータ、テレビ、音響発生効果を有する床、発
音機能付スクリーン、発音機能付きポスター、宣伝用デ
ィスプレイ、宣伝用ウインドウシステム、楽器発音体
(響板、譜面台)、家具、玩具、自動車、ホール、舞台
床、補聴器。
【0052】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。本発明
に係るスピーカは、振動板と、該振動板周辺部に結合さ
れた線状加振装置とを備えている。このように、振動板
の周辺部で加振することにより、振動板周縁の振動が制
御され、その結果、振動板の固有振動モードの発生が抑
制される。したがって、振動板周辺部で印加される加振
力の変化に対する振動速度の変化も滑らかとなり、放射
音の周波数特性が平坦化する傾向を示す。すなわち、振
動板周辺部の固有振動の腹となる箇所を加振することに
より、固有振動モードの発生を抑えることができる。特
に、振動板の端縁から中心までの距離の1/2以内の端
縁側領域で加振すれば、低い固有振動周波数でのピーク
の発生を抑制することができる。このように均一化され
た周波数特性を得やすい結果、音響放射体に広範な材質
の振動板を適用することが可能となる。
【0053】また、線状加振装置は、振動板の縁部が延
びる方向に沿って延びる導体を束状にし該縁部に結合し
た導体束と、実質上前記振動板の面に沿い且つ前記導体
束を横切る方向の磁場を形成し該磁場の中に前記導体束
を位置させるように配置された磁場形成部とを備えてい
る。このように、振動板に結合した導体束を磁場形成部
により駆動するというように、振動板縁部方向に沿う導
体束に対して動電型駆動を行なうようにしたので、加振
部を小型化でき且つ大きな加振力を得ることができる。
【0054】また、本発明に係る線状加振装置は、振動
板に固定可能である束状の導電線からなる導体束と、該
振動板を保持するスピーカ本体に固定可能であり、前記
導体束を挿入し得る細い間隙の間に磁場を形成する磁場
形成部とを備えている。したがって、前記導体束を振動
板の周辺部において振動板縁部が延びる方向に沿って固
定し、スピーカ本体に固定された磁場形成部の間隙の間
に該導体束を位置させれば、前記スピーカと同様の構成
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスピーカにおいて線状加振装置
の一取付け状態を示す正面図である。
【図2】 本発明に係るスピーカにおいて線状加振装置
の他取付け状態を示す正面図である。
【図3】 図1及び図2に示すスピーカに用いる線状加
振装置の一例の断面図である。
【図4】 図3の線状加振装置に使用する導体束の種々
の例を概略的に示す斜視図である。
【図5】 導体束の取付け状態の例を示す斜視図であ
る。
【図6】 本発明に係るスピーカの一実施形態の要部を
示す縦断側面図である。
【図7】 図6に示すスピーカにおける作動原理の説明
図である。
【図8】 本発明に係るスピーカの他の実施形態の要部
を示す断面図である。
【図9】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形態
の要部を示す断面図である。
【図10】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す縦断面図である。
【図11】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す斜視図である。
【図12】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す縦断面図である。
【図13】 図12に示すスピーカの縦断正面断面図
(振動板に沿う断面図)である。
【図14】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す斜視図である。
【図15】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す斜視図である。
【図16】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す斜視図である。
【図17】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す斜視図である。
【図18】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す斜視図である。
【図19】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す縦断面図である。
【図20】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す縦断面図である。
【図21】 本発明に係るスピーカのさらに他の実施形
態の要部を示す横断面を上方から見た図である。
【図22】 従来のスピーカの一例を示す斜視図であ
る。
【図23】 従来のスピーカの他の例を示す縦断面図で
ある。
【図24】 図23に示すスピーカの正面図である。
【符号の説明】
1…振動板、2…線状加振装置、3,3a〜3h…導体
束、4,4a〜4h…磁場形成部、30,30a〜30
h…導体、 40,40a〜40h…マグネット、4
1,41a〜41h…ヨーク

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板と、該振動板周辺部に結合された
    線状加振装置とを備え、該線状加振装置は、前記振動板
    の縁部が延びる方向に沿って延びる導体を束状にし該縁
    部に結合した導体束と、前記振動板の面に沿い且つ前記
    導体束を横切る方向の磁場を形成し該磁場の中に前記導
    体束を位置させるように配置された磁場形成部とを備え
    ていることを特徴とするスピーカ。
  2. 【請求項2】 前記導体束及び磁場形成部が前記振動板
    の左右の周辺部に設けられていることを特徴とする請求
    項1に記載のスピーカ。
  3. 【請求項3】 前記導体束が、前記振動板周縁の一部の
    周辺部において該振動板の表側と裏側とに跨り且つ該振
    動板に沿ってコイル状に巻回された導電線によって形成
    されており、前記磁場形成部は、前記振動板の表側と裏
    側とで前記導体束に作用する磁場の向きが逆になるよう
    に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のスピーカ。
  4. 【請求項4】 前記導体束が、前記振動板周縁の一部の
    周辺部における同じ面の側において振動板の縁部が延び
    る方向に沿う平行状部分を有する細長いコイル状の導体
    により形成されており、前記磁場形成部は、逆向きの磁
    場の中に前記導体束の平行状部分の一方及び他方を各々
    位置させるように配置されていることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のスピーカ。
  5. 【請求項5】 前記導体束が、前記振動板の面の周辺部
    を周回するコイル状の導体により形成されており、前記
    磁場形成部は、前記振動板の中央部から縁部側へ見たと
    きに導体束に対して同じ向きに磁場が作用するように配
    置されていることを特徴とする請求項1に記載のスピー
    カ。
  6. 【請求項6】 前記振動板の周縁の少なくとも一部に該
    振動板の外側へ突出し該周縁に沿って延びる断面U字状
    の駆動部を備え、該駆動部は、前記U字状断面の2本の
    脚部が前記振動板の面に実質上平行に延びており、該脚
    部の相互に向き合う面に振動板縁部に沿う方向へ延びる
    導体束が装着されており、前記磁場形成部は、該2本の
    脚部の間において実質上振動板の面に沿う方向に作用す
    る磁場が形成されるように配置されていることを特徴と
    する請求項1、2又は3に記載のスピーカ。
  7. 【請求項7】 前記導体束と前記磁場を形成する部分と
    の間隙に磁性流体が保持されていることを特徴とする請
    求項1から6のいずれかに記載のスピーカ。
  8. 【請求項8】 前記導体束又は磁場形成部を支持する部
    材が前記磁場を囲むように配置されており、該部材に
    は、該部材に囲まれた囲繞空間とその外側とを連通し、
    振動板の駆動に対する該囲繞空間での空気抵抗を緩和す
    る空気孔が設けられていることを特徴とする請求項1か
    ら7のいずれかに記載のスピーカ。
  9. 【請求項9】 相互に対向するように配置された2枚の
    振動板と、これらの振動板に結合された線状加振装置と
    を備え、該線状加振装置は、一方の振動板の縁部が延び
    る方向に沿って延びる導体を束状にし該縁部に結合した
    第一導体束と、前記縁部に対応した位置で他方の振動板
    の縁部が延びる方向に沿って延びる導体を束状にし該縁
    部に結合した第二導体束と、実質上前記振動板の面に沿
    い且つ前記導体束を横切る方向の磁場を形成し該磁場の
    中に前記導体束を位置させるように配置された磁場形成
    部とを備えていることを特徴とするスピーカ。
  10. 【請求項10】 前記振動板が、縁部から中心までの距
    離の1/2以内の幅の環状とされていることを特徴とす
    る請求項1から9のいずれかに記載のスピーカ。
  11. 【請求項11】 前記振動板には、該振動板の周縁部か
    ら裏面側へ延びる支持部を備え、該支持部に前記導体束
    が固定され、前記振動板を保持するスピーカ本体は、前
    記磁場形成部を前記導体束に対する前記所定位置に固定
    すると共に前記支持部を着脱可能に支持することを特徴
    とする請求項1から10のいずれかに記載のスピーカ。
  12. 【請求項12】 振動板に固定可能である束状の導電線
    からなる導体束と、該振動板を保持するスピーカ本体に
    固定可能であり、前記導体束を挿入し得る細い間隙の間
    に磁場を形成する磁場形成部とを備えていることを特徴
    とする線状加振装置。
JP2001217257A 2001-07-17 2001-07-17 線状加振装置及び該加振装置を備えたスピーカ Expired - Fee Related JP4618477B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001217257A JP4618477B2 (ja) 2001-07-17 2001-07-17 線状加振装置及び該加振装置を備えたスピーカ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001217257A JP4618477B2 (ja) 2001-07-17 2001-07-17 線状加振装置及び該加振装置を備えたスピーカ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003032783A true JP2003032783A (ja) 2003-01-31
JP4618477B2 JP4618477B2 (ja) 2011-01-26

Family

ID=19051620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001217257A Expired - Fee Related JP4618477B2 (ja) 2001-07-17 2001-07-17 線状加振装置及び該加振装置を備えたスピーカ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4618477B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004272690A (ja) * 2003-03-10 2004-09-30 Fujitsu Component Ltd 座標入力装置及び駆動装置
JP2006042135A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Fujitsu Component Ltd 触覚パネル
JP2006146611A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Fujitsu Component Ltd ハプティックパネル装置
WO2006098243A1 (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. スピーカ
JP2007096691A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 楽音発生装置
JP2007129665A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Sony Corp スピーカ装置
JP2008516509A (ja) * 2004-10-08 2008-05-15 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ パネル音響トランスデューサを有する表示装置及び透光性パネル音響トランスデューサ
JP2010226333A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Mitsubishi Electric Engineering Co Ltd 電磁変換器
WO2016117665A1 (ja) * 2015-01-25 2016-07-28 株式会社サウンドファン ボイスコイル、磁気回路、アクチュエータ、並びに万能スピーカ
JP2019526175A (ja) * 2016-06-21 2019-09-12 東莞力音電子有限公司DongGuan Li Yin Technology Limited. マルチストランド独立入出力型音声コイル

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50122926A (ja) * 1974-03-12 1975-09-26
JPS5848194U (ja) * 1981-09-25 1983-03-31 澤藤 正 平面駆動スピ−カ
JPS6125400A (ja) * 1984-07-16 1986-02-04 Niles Parts Co Ltd 平面駆動型スピ−カの磁気回路
JPH0378022U (ja) * 1989-11-29 1991-08-07
JPH06276597A (ja) * 1993-03-19 1994-09-30 Tohoku Pioneer Kk スピーカ及びスピーカの組立方法
JPH09331596A (ja) * 1996-06-10 1997-12-22 Eipuro Internatl:Kk 薄型電磁変換器
JPH1169487A (ja) * 1997-08-21 1999-03-09 Foster Electric Co Ltd 全面駆動型スピーカ
JPH11252683A (ja) * 1998-03-05 1999-09-17 Atsuden Kk 電気・音響変換器
JP2000253489A (ja) * 1999-03-02 2000-09-14 Alpine Electronics Inc スピーカ
JP2000295692A (ja) * 1999-04-01 2000-10-20 Nippon Columbia Co Ltd 平板スピーカ
JP2000308189A (ja) * 1999-04-19 2000-11-02 Sony Corp スピーカ

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50122926A (ja) * 1974-03-12 1975-09-26
JPS5848194U (ja) * 1981-09-25 1983-03-31 澤藤 正 平面駆動スピ−カ
JPS6125400A (ja) * 1984-07-16 1986-02-04 Niles Parts Co Ltd 平面駆動型スピ−カの磁気回路
JPH0378022U (ja) * 1989-11-29 1991-08-07
JPH06276597A (ja) * 1993-03-19 1994-09-30 Tohoku Pioneer Kk スピーカ及びスピーカの組立方法
JPH09331596A (ja) * 1996-06-10 1997-12-22 Eipuro Internatl:Kk 薄型電磁変換器
JPH1169487A (ja) * 1997-08-21 1999-03-09 Foster Electric Co Ltd 全面駆動型スピーカ
JPH11252683A (ja) * 1998-03-05 1999-09-17 Atsuden Kk 電気・音響変換器
JP2000253489A (ja) * 1999-03-02 2000-09-14 Alpine Electronics Inc スピーカ
JP2000295692A (ja) * 1999-04-01 2000-10-20 Nippon Columbia Co Ltd 平板スピーカ
JP2000308189A (ja) * 1999-04-19 2000-11-02 Sony Corp スピーカ

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004272690A (ja) * 2003-03-10 2004-09-30 Fujitsu Component Ltd 座標入力装置及び駆動装置
JP2006042135A (ja) * 2004-07-29 2006-02-09 Fujitsu Component Ltd 触覚パネル
JP2008516509A (ja) * 2004-10-08 2008-05-15 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ パネル音響トランスデューサを有する表示装置及び透光性パネル音響トランスデューサ
JP2006146611A (ja) * 2004-11-19 2006-06-08 Fujitsu Component Ltd ハプティックパネル装置
WO2006098243A1 (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. スピーカ
US7873179B2 (en) 2005-03-14 2011-01-18 Panasonic Corporation Speaker
JP2007096691A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 楽音発生装置
JP2007129665A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Sony Corp スピーカ装置
JP4687400B2 (ja) * 2005-11-07 2011-05-25 ソニー株式会社 スピーカ装置
JP2010226333A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Mitsubishi Electric Engineering Co Ltd 電磁変換器
WO2016117665A1 (ja) * 2015-01-25 2016-07-28 株式会社サウンドファン ボイスコイル、磁気回路、アクチュエータ、並びに万能スピーカ
JP2019526175A (ja) * 2016-06-21 2019-09-12 東莞力音電子有限公司DongGuan Li Yin Technology Limited. マルチストランド独立入出力型音声コイル

Also Published As

Publication number Publication date
JP4618477B2 (ja) 2011-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7377877B2 (ja) 複数のダイアフラムを含むマルチレンジスピーカー
JP5314588B2 (ja) 複合スピーカ、音声画像表示装置、および車両用音響システム
US9173022B2 (en) Acoustic transducer
US7480392B2 (en) Plate type speaker using horizontal vibration voice coil
TW200935964A (en) Speaker device
JP7167190B2 (ja) 磁気分散モードアクチュエータ、およびそれを有する分散モードスピーカ
TW201218788A (en) Micro speaker having linear vibration structure and method of making the same
US7333620B2 (en) Acoustic transducer with mechanical balancing
JP4618477B2 (ja) 線状加振装置及び該加振装置を備えたスピーカ
US7450729B2 (en) Low-profile transducer
JP2010166515A (ja) 平面スピーカ、音声画像ディスプレイ、および車両用音響システム
JP2002118894A (ja) 線状加振装置及び該加振装置を備えたスピーカ
JP2002078079A (ja) 電気音響変換器
US7412065B2 (en) Acoustic transducer with folded diaphragm
JP2000152379A (ja) スピーカー
JP2023520097A (ja) 振動アクチュエータ
JP3888443B2 (ja) フィルム状コイルを用いた電気音響変換器
JP2003032787A (ja) 電気音響変換装置
KR101870211B1 (ko) 패널 가진형 스피커
WO2011007441A1 (ja) 加振音源器およびこれを用いたスピーカ装置
JP2003009283A (ja) 平面スピーカおよび平面スピーカを有する電子機器
KR101844922B1 (ko) 패널 가진형 스피커
JP4226453B2 (ja) 音響再生装置
JP4226458B2 (ja) 音響再生装置
JP2002084595A (ja) スピーカ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080521

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080812

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100706

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101013

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131105

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees