JPH116916A - 偏光板およびその製造方法 - Google Patents

偏光板およびその製造方法

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JPH116916A
JPH116916A JP9173249A JP17324997A JPH116916A JP H116916 A JPH116916 A JP H116916A JP 9173249 A JP9173249 A JP 9173249A JP 17324997 A JP17324997 A JP 17324997A JP H116916 A JPH116916 A JP H116916A
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polarizing plate
shaped
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Tooru Kineri
透 木練
Eiki Komuro
栄樹 小室
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能および信頼性が極めて高く、しかも生産
性に優れ、かつ製品の大型化が容易に図れる偏光板およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 光を制御し偏光を取り出すための偏光層
を透光性のある基板の上に備える偏光板であって、前記
偏光層は、ゾル状のガラスマトリックスを含む塗布組成
物を基板の上に塗布した後、塗膜をゲル化させるゾル−
ゲル法で形成されたガラスマトリックスと、該ガラスマ
トリックス中に分散されるとともに磁場配向により一定
方向に配列された棒状偏光粒子を有し、前記棒状偏光粒
子は、棒状の酸化物強磁性体粒子と、その表面に被覆さ
れた導電性膜を有してなるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光センサ
ー、液晶表示装置などに用いられる偏光板に関し、特
に、性能および信頼性に優れた偏光板、および大型でか
つ安価な偏光板が大量に生産可能な偏向板の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示装置などに用いられ
る直線偏光板として、樹脂フィルムをベースとし、ヨウ
素や染料を使用した直線偏光フィルムがよく知られてい
る。このものは、ベースフィルムを延伸することにより
ヨウ素や染料の二色性物質を配向させ、偏光特性を得て
いる。従って、ベースフィルムは延伸加工に適する素
材、すなわち、ポリビニルアルコール等に限定されてい
るのが現状である。
【0003】また、このような延伸フィルムを用いる製
造方法では、延伸加工時の温度管理、基材の品質管理、
延伸力の調節管理等を極めて厳密に行う必要がある。
【0004】このような問題を解決するために、特公平
8−27409号公報には、偏光層中で、磁性微粒子を
磁場により一定方向に配列させるとともに、これらを連
結させて多数の棒状素子を形成させた偏光板が提案され
ている。この提案における偏光層においては、上記棒状
素子の長軸方向が光の吸収軸を形成し、長軸方向に直交
する方向が透過軸を形成するよう作用する。すなわち、
上記偏光層の透過光は、上記棒状素子の長軸方向に直交
する光として直線偏光を受けるように作用するとされて
いる。
【0005】しかしながら、特公平8−27409号公
報に開示されている棒状素子は、複数の略球状微粒子が
磁場配向により連結されて棒状に形成されたものであ
り、棒状を構成する磁性微粒子の数を制御することが極
めて困難であるといえる。そのため、棒状素子の形状が
均一にならず(長軸長と短軸長の比であるアスペクト比
がばらつく)、消光比が悪くなる。もちろん、用いる光
の波長に応じて棒状素子のアスペクト比を調製すること
も困難である。また、連結により形成された棒状素子
は、素子を構成する各磁性微粒子が連結部分で自由に方
向を変え得るため、全ての棒状素子を磁場配向方向にき
ちんと直線状に整列させることが困難であるといえる。
さらに、特公平8−27409号公報記載の棒状素子に
よる偏光作用が、光の所定方向の振動を磁性微粒子の電
子の振動により吸収させるという原理により行われてい
ると仮定するならば、磁性微粒子の連結部分における粒
界で電子の振動が妨げられてしまい、長軸方向に振動す
る偏光が吸収されなくなり、結果として消光比が悪くな
るという問題が生じる。
【0006】この一方で、特許第2578377号公報
には、ガラスマトリックスにAg微粒子を分散・析出さ
せた偏光ガラスの製造方法が提案されている。これによ
れば、当該偏光ガラスの製造工程は、ガラス溶融、熱処
理、延伸、研削・研磨加工および還元焼成といったよう
に多くの工程を必要とする。しかも各工程の作業は極め
て複雑である。当該偏光ガラスの製造方法の要部を具体
的に述べると、まず、ハロゲン化銀微粒子を延伸工程で
楕円体形に延伸するとともに応力方向に整列させる。そ
して最後に、研磨工程を終了したハロゲン化銀微粒子含
有ガラスを水素雰囲気中で還元焼成することでガラス中
にAg微粒子を析出させて偏光ガラスを製造している。
【0007】しかしながら、特許第2578377号公
報に開示されている偏光ガラスの製造方法では、析出さ
せるAg微粒子のアスペクト比の調整を容易にすること
はできず、また、偏光板の性能および信頼性も十分とは
言えない。さらに、製造工程が多く生産性に乏しく、し
かも偏光ガラスの大型化も製法上、適していないため
に、安価に大量の大型の偏光板を供給することは困難で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような実状のもと
に、本発明は創案されたものであって、その目的は、性
能および信頼性が極めて高い偏光板を提供することにあ
る。また、生産性に優れ、かつ製品の大型化が容易に図
れる偏光板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明は、光を制御し偏光を取り出すための
偏光層を透光性のある基板の上に備える偏光板であっ
て、前記偏光層は、ゾル状のガラスマトリックスを含む
塗布組成物を基板の上に塗布した後、塗膜をゲル化させ
るゾル−ゲル法で形成されたガラスマトリックスと、該
ガラスマトリックス中に分散されるとともに磁場配向に
より一定方向に配列された棒状偏光粒子を有し、前記棒
状偏光粒子は、棒状の酸化物強磁性体粒子と、その表面
に被覆された導電性膜を有してなるように構成される。
【0010】また、本発明の好適な態様として、前記酸
化物強磁性体粒子は、二酸化クロムとして構成される。
【0011】また、本発明の好適な態様として、前記酸
化物強磁性体粒子は、酸化鉄として構成される。
【0012】また、本発明の好適な態様として、前記棒
状の酸化物強磁性体粒子のアスペクト比は、1.5〜3
0であるよう構成される。
【0013】また、本発明は、光を制御し偏光を取り出
すための偏光層を透光性のある基板の上に備える偏光板
の製造方法であって、該方法は、偏光層の母体をなすガ
ラスマトリックスに応じた組成のゾル溶液を準備する工
程と、該ゾル溶液に棒状偏光粒子を含有させて、塗布用
ゾル溶液を調製する塗布溶液調製工程と、前記塗布用ゾ
ル溶液を基板の上に塗布して偏光層塗膜を形成する塗布
工程と、該偏光層塗膜中の棒状偏光粒子を磁場中で配向
させる磁場配向処理工程と、前記偏光層塗膜のガラスマ
トリックスのゲル化を含む塗膜硬化処理工程と、を有す
るように構成される。
【0014】また、本発明の好適な態様として、前記磁
場配向処理工程は、ガラスマトリックスがウエットゲル
の状態で行われる。
【0015】また、本発明の好適な態様として、前記塗
膜硬化処理工程は、乾燥処理および焼成処理を含んで構
成される。
【0016】また、本発明の好適な態様として、前記塗
膜硬化処理工程は、磁場配向処理を適用しながら行われ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面を参照しつつ説明する。図1には、本発明の偏光
板1の好適な実施の形態を示す断面図が示されている。
【0018】図1に示されるように本発明の偏光板1
は、基板2の両面に、それぞれ偏光層10,10が形成
されている。
【0019】偏光層10は、偏光層の母体をなすガラス
マトリックス20と、このガラスマトリックス20中に
分散されるとともに磁場配向により一定方向に配列され
た複数の棒状偏光粒子30を有している。
【0020】棒状偏光粒子30は、図2の粒子概念図に
示されるように棒状の酸化物強磁性体粒子31と、その
表面に被覆された導電性膜35を有して構成される。
【0021】基板2は耐水性や耐熱性にすぐれ、透明な
ものであればよく、例えば、石英ガラス、パイレックス
ガラス等のガラス基板が好適に用いられる。また、その
形状は特に限定されるものではなく、目的、用途等に応
じて適宜形状を選定して使用すれば良い。
【0022】棒状偏光粒子30を分散させるガラスマト
リックス20は、SiO2 を主成分として含み、さらに
通常、副成分としてZrO2 、TiO2 、Al23
GeO2 、Na2 O、K2 O、Li2 O、MgO、Zn
O、CaO、PbO、B23 、P25 、SrO、お
よびLa23 から選定された少なくとも1種以上が含
有される。各成分の含有割合は、特に制限はないが、主
成分であるSiO2 は85〜100モル%、特に90〜
100モル%の割合で含有させることが好ましい。
【0023】本発明におけるガラスマトリックス20に
よる偏光層10の形成は、ゾル状の塗布組成物を基板の
上に塗布した後、塗膜をゲル化させ、しかる後、加熱し
て無機酸化物をある一定の形状または基板上の被膜とし
て調製する、いわゆるゾル−ゲル法で形成される。この
ゾル−ゲル法によれば、棒状偏光粒子を均一に分散で
き、かつ得られるガラス組成の自由度が高いというメリ
ットがある。さらには、後述するように棒状偏光粒子3
0に磁場配向が可能で配向特性にも優れるというメリッ
トがある。ゾル−ゲル法については、後の製造方法のと
ころで詳細に説明する。
【0024】偏光層10に含有される棒状の酸化物強磁
性体粒子31としては、単一の一体的な形状であって、
かつ針状等の棒状形状が容易に得られる二酸化クロム
(CrO2 );γ−Fe23 ,Fe34 などの酸化
鉄等が好適に用いられる。酸化鉄にあっては、Co等の
遷移金属が含有されたものであってものよい。
【0025】このような酸化物強磁性体粒子31は、棒
状形状を安価かつ容易につくることができ、しかも、長
軸長と短軸長の比であるアスペクト比を種々かえたもの
が容易にできるという特徴を有している。これらの中で
も、特に、針状形態の均一性および表面性に優れ(例え
ば、表面凹凸が少なく針状先端での枝分かれがない)、
アスペクト比をかなりの範囲まで自由に変えて作ること
ができる二酸化クロム(CrO2 )を用いるのがよい。
【0026】本発明で用いられる棒状の酸化物強磁性体
粒子31のアスペクト比は特に限定されるものではな
く、通常、アスペクト比1.5〜30の範囲内で、用い
る光の波長に応じて、最適の偏光特性が得られるように
適宜設定される。これにより、種々の光の波長に対し
て、それぞれ高い消光比が得られることなる。なお、棒
状の酸化物強磁性体粒子31の長軸長は、通常、0.0
1〜1μm程度のものが用いられる。
【0027】このような酸化物強磁性体粒子31の表面
には、上述したように導電性膜35が被膜されて棒状偏
光粒子30が形成される。導電性膜35としては、導電
性の良い金、銀、銅、ニッケル、スズなどの金属材料が
用いられる。本発明ではこのような導電性膜35を形成
させることによって、棒状偏光粒子30表面に自由電子
を存在せしめ、この自由電子の振動により、所定方向の
光の振動を吸収させて偏光をとりだすように作用させて
いる。導電性膜35の形成は、例えば、無電解メッキ法
や、真空蒸着法、真空スパッタ法等の手法を用いて行わ
れる。
【0028】また、棒状偏光粒子30を一定方向に配列
させる磁場配向処理は、例えば、ゾル状の塗布組成物を
基板の上に塗布した後、塗膜がウエットゲル状の間に永
久磁石、電磁石、ソレノイド等の磁界発生手段を用いて
行えばよい。配向方向は、通常、基板の搬送方向に沿っ
て行われるのが一般的であるが、特別な仕様もあり、特
に限定されない。
【0029】次いで、本発明の偏光板の製造方法につい
て詳細に説明する。
【0030】本発明の偏光板の製造方法の要部は、いわ
ゆるゾル−ゲル法を用いて、棒状偏光粒子30を含有す
るガラスマトリックス20を主成分とする偏光層10を
形成することにある。すなわち、ガラスマトリックス2
0に応じた組成のゾル溶液に、前記棒状偏光粒子30を
含有させ、これを透光性のある基板の上に成膜し、ウエ
ットゲルとし、磁場中で棒状偏光粒子30を磁場配向さ
せ、さらにドライゲルとし、最終的にガラス化させるこ
とにある。製造方法を各プロセスごとに詳細に説明す
る。
【0031】(1)まず、最初に、偏光層10の母体を
なすガラスマトリックス20に応じた組成のゾル溶液を
準備する。ガラスマトリックス20のゾル溶液組成は、
この偏光板の用途や要求される特性等に応じて最適の組
成を選定すればよい。すなわち、前述したSiO2 、Z
rO2 、TiO2 、Al23 、GeO2 、Na2 O、
2 O、Li2 O、MgO、ZnO、CaO、PbO、
23 、P25 、SrO、およびLa23 に対応
するアルコキシドおよび/またはその誘導体、例えば、
テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプ
ロピルトリメトキシシラン等を原料とし、これらのもの
を、目的とするガラスマトリックス組成の応じて適宜配
合することによりゾル溶液を調製することができる。さ
らに、このようなゾル溶液を経時的にウエットゲル化お
よびウエットゲルのドライゲル化をさせるために、通常
のゾル−ゲル法における処理が行われる。すなわち、ゾ
ル溶液を加水分解させてウエットゲル化をすすめるため
に前記アルコキシドやその誘導体等に水が混合される。
また、Siアルコキシドや、その誘導体と、他の金属ア
ルコシキドやその誘導体とを併用する場合には、加水分
解速度の遅いSiアルコキシドやその誘導体を先に加水
分解した後、他の金属アルコキシドおよび/またはその
誘導体を加えて混合し、さらに加水分解することもでき
る。
【0032】加水分解に使用される水の量は、主原料と
するアルコキシドやその誘導体の種類にもよるが、一般
には、アルコキシドやその誘導体のモル量の2倍以上が
好適に用いられる。さらに、多量の水を使用することに
よって、加水分解の時間を調整することができる。
【0033】さらに加水分解時に触媒として、塩酸、硝
酸、酢酸等の酸や、NH4 OH、ピリジン、ピペラジン
等の塩基を添加して使用してもよい。これにより反応時
間を短縮させることができる。触媒の量は、用いるアル
コキシドやその誘導体のモル量の1×10-3〜1倍程度
とすればよい。
【0034】また、金属アルコキシド等の濃度調整のた
めに、アルコキシドに対応するアルコールを添加しても
よい。また、ジメチルホルムアルデヒド等の安定剤を添
加してもよい。
【0035】(2)次いで、上記のゾル溶液に棒状偏光
粒子を含有させて、塗布用ゾル溶液が調製される。用い
る棒状偏光粒子は上述したとおりであり、この棒状偏光
粒子の含有量は偏光特性が損なわれない範囲で適宜選定
すればよい。通常は、体積比率で1%以下程度含有する
ように添加され、攪拌してゾル溶液中に分散される。こ
の時の操作温度は、通常、20〜80℃に設定される。
また、棒状偏光粒子を添加する際に分散剤を添加するよ
うにしてもよい。なお、上記のゾル溶液に棒状偏光粒子
30を添加した後に、上記の水や触媒を加える手順とす
ることもできる。
【0036】(3)このような塗布用ゾル溶液は基板の
上に塗布されて偏光層塗膜が形成される。塗布方法とし
ては、ディッピング法、スピンコーティング法等の公知
の種々の方法が用いられる。塗膜の形成は、図1の例で
は基板2の両面にそれぞれ形成している(図1)が、用
途に応じて基板2の片面だけに形成してもよい。
【0037】(4)次いで、偏光層塗膜中の棒状偏光粒
子が磁場中で磁場配向される(磁場配向処理工程)。磁
界の発生手段および配向方法は前述したとおりであり、
磁場配向処理は、塗膜がウエットゲルの状態にある時に
行うことが好適である。配向された棒状偏光粒子が配向
された状態を維持できるからである。ウエットゲルの厳
密な定義はないが、本発明では、磁場により棒状偏光粒
子が動いて配向され、かつ磁場をとり除いた後でも棒状
偏光粒子が配向された状態をある程度維持できる粘度を
備えた状態のものをいう。
【0038】(5)次いで、偏光層塗膜のガラスマトリ
ックスの塗膜硬化処理が行われる。この塗膜硬化処理工
程は、通常、乾燥処理および焼成処理を含んで構成され
る。すなわち、磁場配向された後の塗膜は、例えば80
〜120℃程度の温度で乾燥処理されてドライゲル化さ
れる。しかる後、さらに、例えば、250〜350℃程
度の温度で焼成処理されて、塗膜のガラス化が図られ
る。上記乾燥処理および焼成処理の処理温度は、ガラス
マトリックスの組成の応じて適宜選定すればよい。ま
た、上記の焼成処理のみを行い、乾燥処理を省略するこ
ともできる。
【0039】上記の塗膜硬化処理は磁場配向を終えた後
に、磁場配向処理が適用されていない場合を一例として
挙げたが、これに限定されることなく、磁場配向処理が
適用されたままの状態、例えば、前工程からの磁場配向
処理が継続されたまま塗膜硬化処理を行ってもよい。こ
れにより、棒状偏光粒子が配向された状態を確実に維持
することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0041】(実施例1)棒状偏光粒子30の作製 棒状の酸化物強磁性体粒子31として、針状の二酸化ク
ロム(CrO2 )を用意した。二酸化クロムの長軸の長
さは、0.2〜0.3μm、アスペクト比(長軸長/短
軸長)は、平均約10程度であり、極めて形状の均一性
に優れていた。この針状の二酸化クロムの表面に、銀か
らなる導電性膜35を無電解メッキにより被膜形成し、
棒状偏光粒子30を作製した。銀被膜がされた後の棒状
偏光粒子30は、被膜前の状態と比べて大きさが若干大
きくなったが、長軸と短軸の比に大きな変化は見られな
かった。
【0042】偏光板サンプルの作製 まず、棒状偏光粒子30を分散させるガラスマトリック
ス20の溶液を調製した。すなわち、室温で、テトラエ
トキシシラン(Si(OC254 )32.2gに触
媒としての塩酸(HCl)0.33g、水(H2 O)
3.3g、およびエタノール(C25 OH)8.34
gを攪拌しながら添加した。
【0043】次に、この溶液に棒状偏光粒子30を0.
01g添加し、80℃で攪拌することで加水分解と重合
反応を進めた。
【0044】さらに、この溶液の粘度が約10ポイズ程
度になったところで、図3に示されるように、このもの
を石英ガラス基板2の上に塗布した後、この溶液がゲル
化する前に基板2を挟むように配置された一対の配向磁
石50,50により磁場を一定方向に印加し、棒状偏光
粒子30を磁場の印加方向に整列させた。その後、10
0℃で塗膜の乾燥処理を行い、しかる後、この基板2を
電気炉で300℃に加熱し、焼成処理を行い本発明の偏
光板サンプルを作製した。
【0045】偏光板サンプルの評価 このようにして作製した偏光板サンプルについて、波長
800nmの光源を用いて消光比の測定を行ったとこ
ろ、消光比30dBという値が得られた。
【0046】さらに、偏光板サンプルの高温高湿での耐
久性試験を行った。すなわち、85℃−85%RHの環
境下に1000時間放置した後、再度、消光比の測定を
行ったところ、消光比の値の変化はほとんど確認されな
かった。
【0047】これにより、酸化物強磁性体粒子の表面に
導電性膜を被膜した棒状偏光粒子30をガラスマトリッ
クス中に配向させた本発明のサンプルは、消光比に優
れ、極めて偏光特性の良い偏光板であることが確認でき
た。さらに、高温高湿環境下での耐久性にも極めて優れ
ることが確認できた。
【0048】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明は、光を制御し偏光を取り出す
ための偏光層を透光性のある基板の上に備える偏光板で
あって、前記偏光層は、ゾル状のガラスマトリックスを
含む塗布組成物を基板の上に塗布した後、塗膜をゲル化
させるゾル−ゲル法で形成されたガラスマトリックス
と、該ガラスマトリックス中に分散されるとともに磁場
配向により一定方向に配列された棒状偏光粒子を有し、
前記棒状偏光粒子は、棒状の酸化物強磁性体粒子と、そ
の表面に被覆された導電性膜を有してなるように構成さ
れているので、偏光性能および信頼性が極めて高い。ま
た、生産性に優れ、安価、かつ大量生産が可能である。
製品の大型化も容易に図れる。
【0049】また、本発明の構成では棒状偏光粒子のア
スペクト比の調整が容易であるから、用いる光の波長に
応じて、偏光特性の最適化が容易に図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏光板の好適な実施の形態を示す断面
図である。
【図2】棒状偏光粒子の構造を分かりやすく説明するた
めの断面図である。
【図3】磁場配向の状態の一例を示す概略斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…偏光板 2…基板 10…偏光層 20…ガラスマトリックス 30…棒状偏光粒子 31…棒状の酸化物強磁性体粒子 35…導電性膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を制御し偏光を取り出すための偏光層
    を透光性のある基板の上に備える偏光板であって、 前記偏光層は、ゾル状のガラスマトリックスを含む塗布
    組成物を基板の上に塗布した後、塗膜をゲル化させるゾ
    ル−ゲル法で形成されたガラスマトリックスと、該ガラ
    スマトリックス中に分散されるとともに磁場配向により
    一定方向に配列された棒状偏光粒子を有し、 前記棒状偏光粒子は、棒状の酸化物強磁性体粒子と、そ
    の表面に被覆された導電性膜を有してなることを特徴と
    する偏光板。
  2. 【請求項2】 前記酸化物強磁性体粒子は、二酸化クロ
    ムである請求項1記載の偏光板。
  3. 【請求項3】 前記酸化物強磁性体粒子は、酸化鉄であ
    る請求項1記載の偏光板。
  4. 【請求項4】 前記棒状の酸化物強磁性体粒子のアスペ
    クト比は、1.5〜30である請求項1ないし請求項3
    のいずれかに記載の偏光板。
  5. 【請求項5】 光を制御し偏光を取り出すための偏光層
    を透光性のある基板の上に備える偏光板の製造方法であ
    って、 該方法は、偏光層の母体をなすガラスマトリックスに応
    じた組成のゾル溶液を準備する工程と、 該ゾル溶液に棒状偏光粒子を含有させて、塗布用ゾル溶
    液を調製する塗布溶液調製工程と、 前記塗布用ゾル溶液を基板の上に塗布して偏光層塗膜を
    形成する塗布工程と、 該偏光層塗膜中の棒状偏光粒子を磁場中で配向させる磁
    場配向処理工程と、 前記偏光層塗膜のガラスマトリックスの塗膜硬化処理工
    程と、を有することを特徴とする偏光板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記磁場配向処理工程は、ガラスマトリ
    ックスがウエットゲルの状態で行われる請求項5記載の
    偏光板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記塗膜硬化処理工程は、乾燥処理およ
    び焼成処理を含んで構成される請求項5または請求項6
    記載の偏光板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記塗膜硬化処理工程は、磁場配向処理
    を適用しながら行われる請求項5ないし請求項7のいず
    れかに記載の偏光板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記棒状偏光粒子は、棒状の酸化物強磁
    性体粒子と、その表面に被覆された導電性膜を有してな
    る請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の偏光板の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100811493B1 (ko) * 2002-03-05 2008-03-07 주식회사 엘지이아이 졸-겔 코팅 장치 및 방법
JP2010518451A (ja) * 2007-02-16 2010-05-27 サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド 能動型反射偏光子を採用して反射モード及び透過モード間で切替可能な液晶ディスプレイ装置
CN112639585A (zh) * 2018-07-18 2021-04-09 3M创新有限公司 形成光控制结构的可磁化颗粒以及制备此类结构的方法

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