JPH1167667A - Iii−v族化合物半導体結晶層の気相成長法 - Google Patents

Iii−v族化合物半導体結晶層の気相成長法

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JPH1167667A
JPH1167667A JP21686997A JP21686997A JPH1167667A JP H1167667 A JPH1167667 A JP H1167667A JP 21686997 A JP21686997 A JP 21686997A JP 21686997 A JP21686997 A JP 21686997A JP H1167667 A JPH1167667 A JP H1167667A
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Noriyuki Watanabe
則之 渡邉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体基板上に、砒素及び燐をV族元素とす
るIII−V族化合物半導体結晶層を、半導体基板上
に、III族元素原料ガスと砒素の原料ガス及び燐の原
料ガスでなるV族元素原料ガスとを供給して、いわゆる
MOCVD法によって、気相成長させるにつき、V族元
素原料ガス中の燐の原料ガスの利用率を向上させる。 【解決手段】 半導体基板上に、III族元素原料ガス
及びV族元素原料ガスを上記のように供給するのに加
え、ハロゲン元素を含むハロゲン元素含有ガスを、V族
元素原料ガス中の燐の原料ガスの気相分解反応を促進さ
せる気相分解反応促進用ガスとして供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板上に、
インジウム(In)、ガリウム(Ga)及びアルミニウ
ム(Al)の全てまたはそれら中の1つもしくは複数を
III族元素とし、砒素(As)及び燐(P)をV族元
素とするIII−V族化合物半導体結晶層を、半導体基
板上に、インジウム(In)の原料ガス、ガリウム(G
a)の原料ガス及びアルミニウム(Al)の原料ガスの
全てまたはそれら中の1つもしくは複数をIII族元素
原料ガスとして供給するとともに、砒素(As)の原料
ガス及び燐(P)の原料ガスをV族元素原料ガスとして
供給し、そして、上記III族元素原料ガス及び上記V
族元素原料ガスのそれぞれに気相分解反応を伴わせるこ
とによって、気相成長させるIII−V族化合物半導体
結晶層の気相成長法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体基板上に、インジウム(I
n)、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)の全
てまたはそれら中の1つもしくは複数をIII族元素と
し、砒素(As)及び燐(P)をV族元素とする5元の
InGaAlAsP系、または4元のInGaAsP
系、InAlAsP系またはGaAlAsP系、もしく
は3元のInAsP系、GaAsP系またはAlAsP
系でなるIII−V族化合物半導体結晶層が形成されて
いる構成を有する半導体装置が種々提案されている。
【0003】このような半導体装置は、そのInGaA
lAsP系、または4元のInGaAsP系、InAl
AsP系またはGaAlAsP系、もしくは3元のIn
AsP系、GaAsP系またはAlAsP系でなるII
I−V族化合物半導体結晶層が光通信に広く用いられて
いる1.3〜1.6μmの波長を有する光信号に効果的
に応答し得ることから、そのような光信号に応答し得る
半導体装置として広く用いられている。
【0004】従来、そのような半導体装置を製造すべ
く、半導体基板上にインジウム(In)、ガリウム(G
a)及びアルミニウム(Al)の全てまたはそれら中の
1つもしくは複数をIII族元素とし、砒素(As)及
び燐(P)をV族元素とするInGaAlAsP系でな
るIII−V族化合物半導体結晶層を、上記半導体基板
上に、インジウム(In)、ガリウム(Ga)及びアル
ミニウム(Al)の全てまたはそれら中の1つもしくは
複数をIII族元素原料ガスとして供給するとともに、
砒素(As)の原料ガス及び燐(P)の原料ガスをV族
元素原料ガスとして供給し、そして、上記III族元素
ガス及び上記V族元素ガスのそれぞれに気相分解反応を
伴わせることによって、気相成長させる、という、いわ
ゆるMOCVD法(メタル オーガニック ケミカル
ベーバー デポジション法(金属有機化学気相堆積
法))によるIII−V族化合物半導体結晶層の気相成
長法が提案されている。
【0005】いま、そのようなMOCVD法によるII
I−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の具体例を、
「従来のIII−V族化合物半導体結晶層の気相成長法
の具体例」であるとして述べれば、半導体基板上に、イ
ンジウム(In)及びガリウム(Ga)をIII族元素
とし、砒素(As)及び燐(P)をV族元素とする4元
のInGaAsP系でなるIII−V族化合物半導体結
晶層を、上記半導体基板上に、トリメチルインジウム、
トリエチルインジウムなどでなるインジウム(In)の
原料ガスとトリメチルガリウム、トリエチルガリウムな
どでなるガリウム(Ga)の原料ガスとをIII族元素
原料ガスとして供給するとともに、アルシン(As
3 )、ターシャリブチルアルシン、トリメチルアルシ
ンなどの砒素(As)の原料ガスとホスフィン(P
3 )、ターシャリブチルホスフィン、トリメチルホス
フィンなどでなる燐(P)の原料ガスとをV族元素原料
ガスとして供給し、そして、III族元素原料ガスすな
わちインジウム(In)の原料ガス及びガリウム(G
a)の原料ガス及びV族元素原料ガスすなわち砒素(A
s)の原料ガス及び燐(P)の原料ガスのそれぞれに気
相分解反応を伴わせることによって、気相成長させる。
【0006】この場合、半導体基板上への4元のInG
aAsP系でなるIII−V族化合物半導体結晶層の気
相成長は、成長室内に半導体基板を配し、そして、その
半導体基板を、III族元素原料ガスすなわちインジウ
ム(In)の原料ガス及びガリウム(Ga)の原料ガ
ス、及びV族元素原料ガスすなわち砒素(As)の原料
ガス及び燐(P)の原料ガスのそれぞれに気相分解反応
を伴わせ、それによって半導体基板上に4元のInGa
AsP系でなるIII−V族化合物半導体結晶層が気相
成長するのに十分な、450℃〜650℃という成長温
度に加熱して、行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のIII
−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の場合、いま簡
単のため、InGaAsP系でなるIII−V族化合物
半導体結晶層を気相成長させる半導体基板上に4元の上
述した「従来のIII−V族化合物半導体結晶層の気相
成長法の具体例」において、V族元素原料ガス中の砒素
(As)の原料ガスとしてアルシン(AsH3 )(これ
を[AsH3 V と表わす)を用い、また同じV族元素
原料ガス中の燐(P)の原料ガスとしてホスフィン(P
3 )(これを[PH3 V と表わす)を用い、そし
て、V族元素原料ガス中の燐(P)の原料ガスであるホ
スフィン(PH3 )の単位時間当りのモル供給量を1.
0×10-2(モル/分)とし、インジウム(In)の原
料ガス及びガリウム(Ga)の原料ガスでなるIII族
元素原料ガスの単位時間当りのモル供給量を1.0×1
-4((モル/分)とする場合(これを、「従来の4元
のInGaAsP系でなるIII−V族化合物半導体結
晶層の気相成長法の具体例」と称す)で述べれば、 xv =[PH3 v /([AsH3 v +[PH3 v ) … (1) で与えられる燐(P)の組成xV (これを燐(P)の気
相組成xV と称す)に対する、III−V族化合物半導
体結晶層を構成しているInGaAsP系における xs =[P]s /([As]s +[P]s ) ……… (2) で与えられ燐(P)の組成xs (これを燐(P)の固相
組成xs と称す)の関係が、半導体基板上の4元のIn
GaAsP系でなるIII−V族化合物半導体結晶層の
気相成長時の成長温度をパラメータとして、図1に示す
ように得られる。
【0008】また、 α=([P]s /[PH3 v )/([As]s /[AsH3 v ) ……… (3) で表されるIII−V族化合物半導体結晶層を構成して
いるInGaAsP系への燐(P)の混入のしやすさα
(これを分配係数αと称す)が、図1を用いて、成長温
度が700℃、600℃、550℃及び475℃である
場合それぞれ0.14、0.036、0.014及び
0.0036で得られるように、1よりも極めて小さな
値でしか得られない。
【0009】このため、上述した「従来の4元のInG
aAsP系でなるIII−V族化合物半導体結晶層の気
相成長法の具体例」の場合、図1からも、また分配係数
αが1よりも小さな値でしか得られないことからも明ら
かなように、III−V族化合物半導体結晶層を構成し
ている4元のInGaAsP系への燐(P)の混入効率
が、砒素(As)の同様の混入効率に比し極めて低くし
か得られない。
【0010】このため、半導体基板上に、4元のInG
aAsP系でなるIII−V族化合物半導体結晶層を、
燐(P)の組成と砒素(As)の組成とが同じ組成を有
する4元のInGaAsP系でなるIII−V族化合物
半導体結晶層として気相成長させる場合であっても、半
導体基板上に、V族元素原料ガスである燐(P)の原料
ガスとしてのホスフィン(PH3 )を、V族元素原料ガ
スでなる砒素(As)の原料ガスとしてのアルシン(A
sH3 )に比し格段的に高い単位時間当りのモル供給量
で供給させなければならないばかりでなく、半導体基板
上に供給される燐(P)の原料ガスとしてのホスフィン
(PH3 )が無駄に消費される量が砒素(As)の原料
ガスとしてのアルシン(AsH3 )のそれに比し大き
く、よって燐(P)の原料ガスとしてのホスフィン(P
3 )の利用率が、砒素(As)の原料ガスとしてのア
ルシン(AsH3 )のそれに比し格段的に低い、という
欠点を有していた。
【0011】このようなこと、すなわち上述したような
欠点を有することは、上述した「従来の4元のInGa
AsP系でなるIII−V族化合物半導体結晶層の気相
成長法の具体例」においては、V族元素原料ガス中の砒
素(As)の原料ガスがアルシン(AsH3 )であり、
燐(P)の原料ガスがホスフィン(PH3 )である場合
で述べたが、上述した「従来の4元のInGaAsP系
でなるIII−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の
具体例」において、V族元素原料ガス中の砒素(As)
の原料ガスがアルシン(AsH3 )以外のターシャリブ
チルアルシン、トリメチルアルシンなどでなり、燐
(P)の原料ガスがホスフィン(PH3 )以外のターシ
ャリブチルホスフィン、トリメチルホスフィンなどであ
る場合でも、同様である。
【0012】また、上述したような欠点を有すること
は、上述した「従来の4元のInGaAsP系でなるI
II−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の具体例」
においては、半導体基板上に4元のInGaAsP系で
なるIII−V族化合物半導体結晶層を気相成長させる
場合で述べたが、上述した従来のIII−V族化合物半
導体結晶層の気相成長法において、半導体基板上に4元
のInGaAsP系以外の5元のInGaAlAsP
系、または4元のInAlAsP系またはGaAlAs
P系、もしくは3元のInAsP系、GaAsP系また
はAlAsP系でなるIII−V族化合物半導体結晶層
を、上述した「従来の4元のInGaAsP系でなるI
II−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の具体例」
に準じて、気相成長させる場合についても同様である。
【0013】よって、本発明は、上述した従来のIII
−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の場合と同様
の、半導体基板上に、インジウム(In)、ガリウム
(Ga)及びアルミニウム(Al)の全てまたはそれら
中の1つもしくは複数をIII族元素とし、砒素(A
s)及び燐(P)をV族元素とするIII−V族化合物
半導体結晶層を、上記半導体基板上に、インジウム(I
n)の原料ガス、ガリウム(Ga)の原料ガス及びアル
ミニウム(Al)の原料ガスの全てまたはそれら中の1
つもしくは複数をIII族元素原料ガスとして供給する
とともに、砒素(As)の原料ガス及び燐(P)の原料
ガスをV族元素原料ガスとして供給し、そして、上記I
II族元素原料ガス及び上記V族元素原料ガスのそれぞ
れに気相分解反応を伴わせることによって、気相成長さ
せる、というIII−V族化合物半導体結晶層の気相成
長法において、上述したような欠点のない、新規なII
I−V族化合物半導体結晶層の気相成長法を提案せんと
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によるIII−V
族化合物半導体結晶層の気相成長法は、前述した従来の
III−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の場合と
同様に、半導体基板上に、インジウム(In)、ガリウ
ム(Ga)及びアルミニウム(Al)の全てまたはそれ
ら中の1つもしくは複数をIII族元素とし、砒素(A
s)及び燐(P)をV族元素とするIII−V族化合物
半導体結晶層を、上記半導体基板上に、インジウム(I
n)の原料ガス、ガリウム(Ga)の原料ガス及びアル
ミニウム(Al)の原料ガスの全てまたはそれら中の1
つもしくは複数をIII族元素原料ガスとして供給する
とともに、砒素(As)の原料ガス及び燐(P)の原料
ガスをV族元素原料ガスとして供給し、そして、上記I
II族元素原料ガス及び上記V族元素原料ガスのそれぞ
れに気相分解反応を伴わせることによって、気相成長さ
せる。
【0015】しかしながら、本発明によるIII−V族
化合物半導体結晶層の気相成長法は、このようなIII
−V族化合物半導体結晶層の気相成長法において、上記
半導体基板上に、上記III族元素原料ガス及び上記V
族元素原料ガスを上記のように供給するのに加え、ハロ
ゲン元素を含むハロゲン元素含有ガスを、上記V族元素
原料ガス中の燐(P)の原料ガスの気相分解反応を促進
させる気相分解反応促進用ガスとして供給する。
【0016】この場合、上記ハロゲン元素含有ガスとし
て、ハロメタンガスまたはハロゲン化水素ガスもしくは
ハロゲンガスを用いるのを可とする。また、上記半導体
基板上への上記ハロゲン元素含有ガスの供給を、上記V
族元素原料ガス中の燐(P)の原料ガスの単位時間当り
のモル供給量の0.001%以上、上記III族元素原
料ガスの単位時間当りのモル供給量の20%以下の範囲
の単位時間当りのモル供給量で供給するのを可とする。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明によるIII−V族
化合物半導体結晶層の気相成長法の実施の形態を述べよ
う。
【0018】本発明によるIII−V族化合物半導体結
晶層の気相成長法の実施の形態は、いわゆるMOCVD
法によるIII−V族化合物半導体結晶層の気相成長法
の実施の形態であって、前述した「従来のIII−V族
化合物半導体結晶層の気相成長法の具体例」の場合と同
様に、半導体基板上に、インジウム(In)及びガリウ
ム(Ga)をIII族元素とし、砒素(As)及び燐
(P)をV族元素とする4元のInGaAsP系でなる
III−V族化合物半導体結晶層を、上記半導体基板上
に、トリメチルインジウム、トリエチルインジウムなど
でなるインジウム(In)の原料ガスとトリメチルガリ
ウム、トリエチルガリウムなどでなるガリウム(Ga)
の原料ガスとをIII族元素原料ガスとして供給すると
ともに、アルシン(AsH3 )、ターシャリブチルアル
シン、トリメチルアルシンなどの砒素(As)の原料ガ
スとホスフィン(PH3 )、ターシャリブチルホスフィ
ン、トリメチルホスフィンなどでなる燐(P)の原料ガ
スとをV族元素原料ガスとして供給し、そして、III
族元素原料ガスすなわちインジウム(In)の原料ガス
及びガリウム(Ga)の原料ガス及びV族元素原料ガス
すなわち砒素(As)の原料ガス及び燐(P)の原料ガ
スのそれぞれに気相分解反応を伴わせることによって、
気相成長させる。
【0019】また、この場合、上述した半導体基板上へ
の4元のInGaAsP系でなるIII−V族化合物半
導体結晶層の気相成長を、前述した「従来のIII−V
族化合物半導体結晶層の気相成長法の具体例」の場合と
同様に、成長室内に半導体基板を配し、そして、その半
導体基板を、III族元素原料ガスすなわちインジウム
(In)の原料ガス及びガリウム(Ga)の原料ガス、
及びV族元素原料ガスすなわち砒素(As)の原料ガス
及び燐(P)の原料ガスのそれぞれに気相分解反応を伴
わせ、それによって半導体基板上にInGaAsP系で
なるIII−V族化合物半導体結晶層が気相成長するの
に十分な、450℃〜650℃という成長温度に加熱し
て、行う。
【0020】さらに、この場合、前述した「従来の4元
のInGaAsP系でなるIII−V族化合物半導体結
晶層の気相成長法の具体例」の場合と同様に、V族元素
原料ガス中の燐(P)の原料ガスであるホスフィン(P
3 )の単位時間当りのモル供給量を1.0×10
-2(モル/分)とし、インジウム(In)の原料ガス及
びガリウム(Ga)の原料ガスでなるIII族元素原料
ガスの単位時間当りのモル供給量を1.0×10-4(モ
ル/分)とする。
【0021】しかしながら、本発明によるIII−V族
化合物半導体結晶層の気相成長法の実施の形態は、この
ようなIII−V族化合物半導体結晶層の気相成長法に
おいて、半導体基板上に、インジウム(In)の原料ガ
ス及びガリウム(Ga)の原料ガスでなるIII族元素
原料ガス、及び砒素(As)の原料ガス及び燐(P)の
原料ガスでなるV族元素原料ガスを上記したように供給
するのに加え、ハロゲン元素を含むハロゲン元素含有ガ
スを、V族元素原料ガス中の燐(P)の原料ガスの気相
分解反応を促進させる気相分解反応促進用ガスとして供
給する。
【0022】この場合、ハロゲン元素を含むハロゲン元
素含有ガスとして、4臭化炭素(CBr4 )、4塩化炭
素(CCl4 )、トリブロムメタン(CBr3 H)、ク
ロロフォルム(CCl3 H)などでなるハロメタンガ
ス、または塩化水素(HCl)、臭化水素(HBr)、
よう化水素(HI)などでなるハロゲン化水素ガス、も
しくは塩素(Cl)、臭素(Br)などでなるハロゲン
ガスを用いる。
【0023】また、半導体基板上へのハロゲン元素含有
ガスの供給を、V族元素原料ガス中の燐(P)の原料ガ
スの単位時間当りのモル供給量の0.001%以上、イ
ンジウム(In)の原料ガス及びガリウム(Ga)の原
料ガスでなるIII族元素原料ガスの単位時間当りのモ
ル供給量の20%以下の範囲の単位時間当りのモル供給
量で供給する。
【0024】以上が、本発明によるIII−V族化合物
半導体結晶層の気相成長法の実施の形態である。
【0025】このような本発明によるInGaAsP系
でなるIII−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の
実施の形態によれば、いま簡単のため、V族元素原料ガ
ス中の砒素(As)の原料ガスとしてアルシン(AsH
3 )を用い、また同じV族元素原料ガス中の燐(P)の
原料ガスとしてホスフィン(PH3 )を用いる場合で述
べれば、成長室内で、半導体基板上に、上述したように
して、4元のInGaAsP系でなるIII−V族化合
物半導体結晶層を気相成長させる過程で、半導体基板に
供給されるハロゲン元素含有ガスが熱分解し、ハロゲン
反応種が生成する。
【0026】そして、いま、ハロゲン元素含有ガスが含
有しているハロゲン元素を一般にXとし、また、n=
1、2、3とし、さらに、ハロゲン反応種を一般にX*
とするとき、ハロゲン反応種X* が、ホスフィン(PH
3 )との間で、 PH3 +nX* → PH3-n +nHX ……… (4) で示されるように気相反応することによって、燐(P)
の原料ガスとしてのホスフィン(PH3 )の気相分解反
応が促進される。
【0027】このため、半導体基板の表面における燐
(P)の分圧が、半導体基板上にハロゲン元素含有ガス
を供給しない前述した従来の「III−V族化合物半導
体結晶層の気相成長法の具体例」の場合に比し高い値で
得られ、よって、III−V族化合物半導体結晶層を構
成している4元のInGaAsP系への燐(P)の混入
効率が、半導体基板上にハロゲン元素含有ガスを供給し
ない前述した「従来のIII−V族化合物半導体結晶層
の気相成長法の具体例」の場合に比し高い値で得られ
る。
【0028】ちなみに、ハロゲン元素含有ガスとしてハ
ロメタンの1つである4臭化炭素(CBr4 )を用い、
また、成長室内を半導体基板上に4元のInGaAsP
系でなるIII−V族化合物半導体結晶層が気相成長さ
れるべく加熱する成長温度を475℃とした場合、前述
した(1)式で与えられる燐(P)の組成すなわち燐
(P)の気相組成xv に対する、前述した(2)式で与
えられる燐(P)の組成すなわち燐(P)の固相組成x
s の関係が、半導体基板上に、III族元素原料ガス及
びV族元素原料ガスに加えて、ハロゲン元素含有ガスと
しての4臭化炭素(CBr4 )を、V族元素原料ガス中
の燐(P)の原料ガスであるホスフィン(PH3 )の単
位時間当りのモル供給量の0.1%であり、インジウム
(In)の原料ガス及びガリウム(Ga)の原料ガスで
なるIII族元素原料ガスの単位時間当りのモル供給量
の10%である1.0×10-5(モル/分)の単位時間
当りのモル供給量で、供給することを除いて、前述した
「従来のInGaAsP系でなるIII−V族化合物半
導体結晶層の気相成長法の具体例」の場合と同じ条件の
下で、図1に示すように得られたように、また、前述し
た(3)式で表される分配係数αが0.025で得られ
たように、前述した「従来のInGaAsP系でなるI
II−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の具体例」
における、成長温度を同じ475℃とした場合に比し格
段的に高い、III−V族化合物半導体結晶層を構成し
ている4元のInGaAsP系への燐(P)の混入効率
で得られた。
【0029】そのようなことは、上述においては、V族
元素原料ガス中の砒素(As)の原料ガスとしてアルシ
ン(AsH3 )を用い、また、同じV族元素原料ガス中
の燐(P)の原料ガスとしてホスフィン(PH3 )を用
いた場合で述べたが、V族元素原料ガス中の砒素(A
s)の原料ガスとして、アルシン(AsH3 )以外のタ
ーシャリブチルアルシン、トリメチルアルシンなどを用
い、また、燐(P)の原料ガスとして、ホスフィン(P
3 )以外のターシャリブチルホスフィン、トリメチル
ホスフィンなどを用いる場合でも、同様である。
【0030】以上のことから、上述した本発明によるI
II−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の実施の形
態によれば、半導体基板上に供給される燐(P)の原料
ガスの利用率を、前述した「従来のIII−V族化合物
半導体結晶層の気相成長法の具体例」の場合に比し、格
段的に向上させることができる。
【0031】なお、上述した本発明によるIII−V族
化合物半導体結晶層の気相成長法の実施の形態において
は、半導体基板上に、インジウム(In)及びガリウム
(Ga)をIII族元素とし、砒素(As)及び燐
(P)をV族元素とする4元のInGaAsP系でなる
III−V族化合物半導体結晶層を、気相成長させる場
合について述べたが、半導体基板上に、インジウム(I
n)、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)の全
てまたはそれら中の1つもしくは複数をIII族元素と
し、砒素(As)及び燐(P)をV族元素とする、5元
のInGaAlAsP系、または4元のInAlAsP
系またはGaAlAsP系、もしくは3元のInAsP
系、GaAsP系及びAlAsP系中のいずれかでなる
III−V族化合物半導体結晶層を、気相成長させる場
合にも、本発明を適用して、上述した優れた作用・効果
を得ることができることは明らかであろう。
【0032】
【発明の効果】本発明によるIII−V族化合物半導体
結晶層の気相成長法によれば、半導体基板上に供給され
る燐(P)の原料ガスの利用率を、前述した従来のII
I−V族化合物半導体結晶層の気相成長法の場合に比
し、格段的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるIII−V族化合物半導体結晶層
の気相成長法の実施の形態、及び従来のIII−V族化
合物半導体結晶層の気相成長法の具体例の説明に供す
る、燐(P)の気相組成xv に対する燐(P)の固相組
成xs の関係を、成長温度をパラメータとして示す図で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に、インジウム(In)、ガ
    リウム(Ga)及びアルミニウム(Al)の全てまたは
    それら中の1つもしくは複数をIII族元素とし、砒素
    (As)及び燐(P)をV族元素とするIII−V族化
    合物半導体結晶層を、上記半導体基板上に、インジウム
    (In)の原料ガス、ガリウム(Ga)の原料ガス及び
    アルミニウム(Al)の原料ガスの全てまたはそれら中
    の1つもしくは複数をIII族元素原料ガスとして供給
    するとともに、砒素(As)の原料ガス及び燐(P)の
    原料ガスをV族元素原料ガスとして供給し、そして、上
    記III族元素原料ガス及び上記V族元素原料ガスのそ
    れぞれに気相分解反応を伴わせることによって、気相成
    長させるIII−V族化合物半導体結晶層の気相成長法
    において、 上記半導体基板上に、上記III族元素原料ガス及び上
    記V族元素原料ガスを上記のように供給するのに加え、
    ハロゲン元素を含むハロゲン元素含有ガスを、上記V族
    元素原料ガス中の燐(P)の原料ガスの気相分解反応を
    促進させる気相分解反応促進用ガスとして供給すること
    を特徴とするIII−V族化合物半導体結晶層の気相成
    長法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のIII−V族化合物半導体
    結晶層の気相成長法において、 上記ハロゲン元素含有ガスとして、ハロメタンガスまた
    はハロゲン化水素ガスもしくはハロゲンガスを用いるこ
    とを特徴とするIII−V族化合物半導体結晶層の気相
    成長法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2記載のIII−V
    族化合物半導体結晶の気相成長法において、 上記半導体基板上への上記ハロゲン元素含有ガスの供給
    を、上記V族元素原料ガス中の燐(P)の原料ガスの単
    位時間当りのモル供給量の0.001%以上、上記II
    I族元素原料ガスの単位時間当りのモル供給量の20%
    以下の範囲の単位時間当りのモル供給量で供給すること
    を特徴とするIII−V族化合物半導体結晶層の気相成
    長法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006140450A (ja) * 2004-10-05 2006-06-01 Rohm & Haas Electronic Materials Llc 有機金属化合物

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