JPH1166588A - 光学式ピックアップ装置 - Google Patents

光学式ピックアップ装置

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JPH1166588A
JPH1166588A JP9227409A JP22740997A JPH1166588A JP H1166588 A JPH1166588 A JP H1166588A JP 9227409 A JP9227409 A JP 9227409A JP 22740997 A JP22740997 A JP 22740997A JP H1166588 A JPH1166588 A JP H1166588A
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    • G11B7/09Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam or focus plane for the purpose of maintaining alignment of the light beam relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
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    • GPHYSICS
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
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    • G11B7/22Apparatus or processes for the manufacture of optical heads, e.g. assembly

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  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で対物レンズの姿勢調整を行うこ
とができ、コンパクト(特に薄型)に形成できる光学式
ピックアップ装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 対物レンズをフォーカス方向及びトラッ
キング方向に移動可能に支持する光学式ピックアップ装
置であって、ピックアップ本体と、対物レンズを保持す
るレンズホルダと、該レンズホルダを移動可能に支持す
るものであって弾性部材を介してレンズホルダと連結さ
れる可動支持部材とを備え、ピックアップ本体には、記
録又は再生される光ディスクの情報記録面に対しほぼ垂
直に立設された支持部が形成され、可動支持部材は対物
レンズの姿勢調整が可能となるように支持部の側部に対
して位置調整可能に取り付けられることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクに情報
を記録(若しくは光ディスクから情報を再生)するため
に用いられる光学式ピックアップ装置に関し、特に、対
物レンズの姿勢調整を行う光学式ピックアップ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスクの情報の記録又は再生
を行うために用いられる光学式ピックアップ装置が広く
知られている。この種の光学式ピックアップ装置は、光
源や光検出器や光路を構成する光学部品等が取り付けら
れた筐体に、対物レンズとその駆動手段が設けられた対
物レンズ駆動部の基台が取り付けられており、光源から
のビーム光を光路に沿って対物レンズを経て光ディスク
の情報記録面に照射すると共に、制御手段により対物レ
ンズをフォーカス方向及びトラッキング方向に移動制御
して追従する情報記録トラックからの反射光を対物レン
ズを経て光検出器で受光することにより情報の記録又は
再生を行っている。又、光学式ピックアップ装置は、情
報の記録又は再生を正確に行うために、対物レンズの光
軸が予め光路中に適正に配置されていることが必要であ
り、そのため、この光学式ピックアップ装置には光ディ
スクの情報記録面に対する対物レンズの光軸の傾きを自
在に調整するための姿勢調整構造を備えている。
【0003】図9はこの種の光学式ピックアップ装置に
おける姿勢調整構造を表した図である。同図において、
対物レンズ101が固定されたレンズホルダ102を、
複数の弾性支持部材103を介してフォーカス方向(図
9中矢印F)及びトラッキング方向(図9の紙面に垂直
方向)に移動可能に支持する基台104の底部に球面の
一部によって形成された凸部104aが設けられ、図示
せぬ光源や光検出器や光路を構成する光学部品等が取り
付けられた筐体105に設けられた凹部105aに嵌合
する。
【0004】基台104は、ねじ107によって筐体1
05に対する姿勢位置が調整され、バネ106によって
凸部104aが凹部105aに押しつけられてその姿勢
位置を維持している。ねじ107は、2軸方向に一対で
設けられていてそれぞれを調整することで、凸部104
aが対物レンズ101の光学中心(瞳面)付近を中心軸
として凹部105a上を密着して回動するので、浮遊す
る対物レンズ101の光軸をラジアル方向(即ちトラッ
キング方向)及びタンジェンシャル方向(図9中矢印
T)に傾けることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の光学式ピックア
ップ装置は、このような姿勢調整構造を有し、対物レン
ズ101の下方に位置する基台104の底部にさらに凸
部104aが設けられるので、結果として光学式ピック
アップ装置は厚さ方向(光軸方向)にスペースが必要と
なり、光学式ピックアップ装置の厚さが厚くなってしま
う。このため、光学式ピックアップ装置がコンパクトに
形成できない。又、ラジアル方向及びタンジェンシャル
方向に対応して対物レンズ101の光軸の傾き調整を行
うためのねじ107を2軸方向に一対に設けなければな
らず、光学式ピックアップ装置の部品点数が多くなり、
コストが増大する。
【0006】本発明は上述の問題点に鑑みなされたもの
であり、簡単な構造でコンパクト(特に薄型)に形成で
き、対物レンズの姿勢調整を行うことのできる光学式ピ
ックアップ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
対物レンズをフォーカス方向及びトラッキング方向に移
動可能に支持する光学式ピックアップ装置であって、ピ
ックアップ本体と、対物レンズを保持するレンズホルダ
と、該レンズホルダを移動可能に支持するものであって
弾性部材を介してレンズホルダと連結される可動支持部
材とを備え、ピックアップ本体には、記録又は再生され
る光ディスクの情報記録面に対しほぼ垂直に立設された
支持部が形成され、可動支持部材は対物レンズの姿勢調
整が可能となるように支持部の側部に対して位置調整可
能に取り付けられることを特徴とする。
【0008】又、請求項2記載の発明は、請求項1に記
載の光学式ピックアップ装置において、弾性部材は、一
端がレンズホルダに連結され他端が可動支持部材に連結
される複数本の直線状ワイヤからなり、該直線状ワイヤ
は、記録又は再生される光ディスクの情報記録面に対し
てほぼ平行に配されることを特徴とする。
【0009】又、請求項3記載の発明は、請求項1又は
2に記載の光学式ピックアップ装置において、支持部の
側部には、記録又は再生される光ディスクの情報記録面
に略垂直な方向に伸張する所定幅の規制溝が形成される
と共に、可動支持部材には、規制溝に挿嵌し摺動及び回
動が可能な円筒状のピンが形成されることを特徴とす
る。
【0010】又、請求項4記載の発明は、請求項2又は
3に記載の光学式ピックアップ装置において、支持部の
側部には、可動支持部材が当接する摺動面が形成され、
可動支持部材は、摺動面上に沿って移動することによ
り、側部に対して位置調整され、対物レンズの姿勢調整
が行われることを特徴とする。
【0011】又、請求項5記載の発明は、請求項4に記
載の光学式ピックアップ装置において、摺動面は、単一
の球面の一部によって形成される凹面からなることを特
徴とする。
【0012】又、請求項6記載の発明は、請求項4に記
載の光学式ピックアップ装置において、摺動面は、球面
の一部又は平面の組み合わせによって形成される凹面か
らなることを特徴とする。
【0013】又、請求項7記載の発明は、請求項4乃至
は6に記載の光学式ピックアップ装置において、可動支
持部材には、それぞれ摺動面に当接する球面の一部で形
成された複数の球面状突起が設けられていて、各球面状
突起は、摺動面と接する点(若しくは面)における法線
が対物レンズの略中心を通るようになされることを特徴
とする。
【0014】又、請求項8記載の発明は、請求項7記載
の発明において、可動支持部材には、摺動面が有する凹
面に密接する球面の一部で形成された複数の球面状突起
が設けられていることを特徴とする。
【0015】又、請求項9記載の発明は、請求項3乃至
は8に記載の光学式ピックアップ装置において、姿勢調
整は、記録又は再生される光ディスクの情報記録面に対
する対物レンズのラジアル方向又はタンジャンシャル方
向に対して行われ、ラジアル方向に対する姿勢調整は、
ピンを規制溝内において回動させると共に可動支持部材
を摺動面上に沿って移動させることによりなされ、タン
ジャンシャル方向に対する姿勢調整は、ピンを規制溝に
沿って摺動させると共に可動支持部材を摺動面上に沿っ
て移動させることによりなされることを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明は以上のように構成したので、対物レン
ズに連結する弾性部材、可動支持部材がそれぞれ光ディ
スクの情報記録面に対しほぼ平行に配され、可動支持部
材が板バネ等によって押圧されることにより支持部の側
部に対して取り付けられるので、位置調整を行う場合
は、光学式ピックアップ装置の両側から各偏心ドライバ
が有する2つのピンを、筐体のガイド孔と可動支持部材
の調整溝にそれぞれ係合させ、偏心ドライバを同方向又
は逆方向に回動させることにより、可動支持部材を摺動
面上で移動させ、光学式ピックアップ装置の対物レンズ
の光軸の傾きを補正して、ラジアル方向及びタンジェン
シャル方向の姿勢調整を行うようにしたので、姿勢調整
を対物レンズの下方位置で行う必要がなく、簡単な構造
で対物レンズの姿勢調整のできる薄型の光学式ピックア
ップ装置を形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明に好適な実施形態に
ついて図をもとに以下に説明する。図1、図2は、本発
明の一実施形態における光学式ピックアップ装置の一例
を示す概略構造図であり、図1は、上面から見た光学式
ピックアップ装置の主要部概略構造図であり、図2は、
図1のA−A部分から見た光学式ピックアップ装置の断
面構造図である。対物レンズ1は、フォーカスコイル及
びトラッキングコイルと共にレンズホルダ2に固定さ
れ、光軸方向が紙面垂直方向となるように配置され保持
される。
【0018】レンズホルダ2は、紙面に対しほぼ平行に
配される複数本(図1及び図2では4本)の直線状ワイ
ヤ3のそれぞれの一端に連結し、各直線状ワイヤ3のそ
れぞれの他端は、可動支持部材4に連結する。直線状ワ
イヤ3は、樹脂や金属等で形成される可撓性を有する弾
性部材であり、可動支持部材4が、これらの直線状ワイ
ヤ3を介してレンズホルダ2を弾性保持することによ
り、対物レンズ1を水平に浮遊支持する。又、各直線状
ワイヤ3は、対物レンズ1がフォーカス方向(図2参
照)及び、フォーカス方向に対し垂直なトラッキング方
向(図1参照)に平行移動が可能な程度に互いに平行に
配置される。
【0019】又、可動支持部材4の側面側の中央付近に
は、可動支持部材4が保持する対物レンズ1の略中心
(つまり、対物レンズ1の光学中心(瞳面)付近)を通
り、トラッキング方向と直交するタンジェンシャル方向
(図1及び図2参照)の軸を中心とする円筒状のピン4
aが形成され、ピン4aを中心とする側面側の周辺部分
には複数(ここでは3個)の球面の一部からなる球面状
突起4b、4c、4dが設けられている。
【0020】又、図1に示すように、可動支持部材4の
両側面には、一対の調整溝4eがピン4aに対し対称と
なる位置に設けられる。
【0021】一方、筐体5には、記録又は再生される光
ディスク11に対しほぼ垂直に立設する支持部5aが形
成される。図3は、支持部5aを含む筐体5の一部を表
した外観構造図であり、ここでは、記録又は再生装置の
ガイド軸7、8(図1、2参照)に取り付けられた状態
における筐体5の一部を表している。同図に示すよう
に、支持部5aは、記録又は再生装置に装着され、ガイ
ド軸7、8にほぼ平行に配される光ディスク11の情報
記録面に対し、筐体5の底部からほぼ垂直に立設する側
壁の一部によって形成される。
【0022】又、支持部5aは、ガイド軸7の延長方向
に沿った側壁部分に側部5bが設けられ、側部5bの内
壁側の表面には摺動面(図3中の黒く塗りつぶした部
分)5cが形成される。摺動面5cは、対物レンズ1の
光学中心を略中心とした単一の球面の一部である凹面に
よって形成される。なお、ここでは、球面状突起4b、
4c、4dが有する球面曲率は、摺動面5cが有する球
面曲率よりも遥かに小さく形成されているものとする。
【0023】又、側部5bの中央には、図3に示すよう
に、記録又は再生装置に装着された光ディスク11に対
し略垂直な方向に伸張する規制溝5dが形成されてい
る。規制溝5dは、ピン4aが溝内に挿嵌された状態に
おいて回動及び摺動可能となるように、その溝幅が形成
される。
【0024】又、図3に示すように、支持部5aには、
ガイド軸7の延長方向に垂直な側壁部分に一対の切欠5
e及び一対のガイド孔5fが設けられている。
【0025】筐体5には、このほか、コイルを駆動する
ための磁気回路(マグネット、ヨーク等)9や、可動支
持部材4を取り付けるための板バネ6や、光源や光検出
器や分光器等で構成されるホログラムユニット10や、
その他光路を構成するための図示せぬ光学部品等が取り
付けられる。
【0026】筐体5は、以上のように構成され、光ディ
スクの記録又は再生装置に設けられたガイド軸7、8に
取り付けられることによって水平に支持され、ガイド軸
7、8の延長方向に沿って移動可能となる。
【0027】又、先に述べた可動支持部材4は、ピン4
aを規制溝5dに挿嵌した状態で、球面状突起4b、4
c、4dが、筐体(ピックアップ本体)5に設けられた
板バネ6によって押されて摺動面5cに当接することに
よって筐体5の側部5bに取り付けられ、その位置が維
持される。
【0028】なお、摺動面5cが有する凹面は、可動支
持部材4の球面状突起4b、4c、4dが、どの位置で
当接しても対物レンズ1の略中心の位置が変わらないよ
うに形成されている。つまり、摺動面5cの凹面に対応
する球の中心位置が、可動支持部材4が側部5bに取り
付けられた場合の対物レンズ1の略中心位置と一致する
ように配置される。又、各球面状突起は、それぞれ摺動
面5cと接する点における法線(曲線上(又は曲面上)
の1点において、この点における曲線の接線に直交する
直線)が常に対物レンズ1の略中心を通るように配置さ
れる。
【0029】又、筐体5に取り付けられた可動支持部材
4は、後述する手法により側部5bに対する位置調整を
容易に行うことができ、板バネ6は、位置調整後におけ
る可動支持部材4の位置を維持する。この可動支持部材
4の位置調整によって、対物レンズ1の光軸のラジアル
方向及びタンジェンシャル方向における傾きが補正さ
れ、対物レンズ1の光軸を適正な光路に沿って是正する
姿勢調整(スキュー調整)が行われる。
【0030】光学式ピックアップ装置は、概略このよう
に構成され、予め光ディスクの情報記録面に対する対物
レンズの光軸の傾きを上記位置調整によって補正するこ
とにより対物レンズ1の光軸を適正な光路に沿って是正
する姿勢調整を行い、姿勢調整後の光学式ピックアップ
装置を、光ディスクの記録又は再生装置に設けられたガ
イド軸7、8に取り付け、ホログラムユニット10が有
する光源からのビーム光を光路(図2参照)に沿って対
物レンズを経て光ディスク11の情報記録面に照射し、
その反射光を対物レンズを経て光検出器で受光すること
により、記録又は再生装置に装着される光ディスク11
の情報の記録又は再生を正確に行うことができる。
【0031】次に、光学式ピックアップ装置の姿勢調整
について詳述する。上述したように、光学式ピックアッ
プ装置の姿勢調整は、筐体5に形成された支持部5aの
一部である側部5bに取り付けられる可動支持部材4に
対して行われる位置調整によってなされ、対物レンズ1
が固定されたレンズホルダ2を複数の直線状ワイヤ3を
介して弾性保持する可動支持部材4を、その取り付け位
置をトラッキング方向即ち、ラジアル方向に回動させる
位置調整を行うことにより、対物レンズの光軸の傾きを
ラジアル方向に対して補正する姿勢調整(ラジアルスキ
ュー調整)がなされ、タンジェンシャル方向に沿って変
える位置調整を行うことによって対物レンズの光軸の傾
きをタンジェンシャル方向に対して補正する姿勢調整
(タンジェンシャルスキュー調整)がなされる。
【0032】このラジアルスキュー調整及びタンジェン
シャルスキュー調整は独立して行うことができるので、
対物レンズ1の光軸のラジアル方向及びタンジェンシャ
ル方向における傾きを補正することができ、対物レンズ
1の光軸が光学式ピックアップ装置の適正な光路に沿っ
て是正することができる。
【0033】光学式ピックアップ装置の上記姿勢調整
は、図4に示すスキュー調整治具によって行われる。図
4は、光学式ピックアップ装置が取り付けられた調整治
具の主要部概略構造を上方から見た図である。同図に示
すように、調整治具は、基台12の上に固定部材13の
両側に軸受け14、15が配設されている。固定部材1
3は光学式ピックアップ装置を水平に固定するための部
材であり、ガイド軸13a、13bによって光学式ピッ
クアップ装置を水平に支持し、さらにねじ16等によっ
て固定する。
【0034】又、軸受け14、15は、それぞれ偏心ド
ライバ17を回動可能に水平支持し、光学式ピックアッ
プ装置の両側に設けられた調整溝4e及びガイド孔5f
にそれぞれ係合する。
【0035】図5は、偏心ドライバ17の概略構造図で
あり、(a)は偏心ドライバ17の中心軸Dに沿って表
した図であり、(b)は、(a)の側面図である。偏心
ドライバ17には、円筒形のピン17a、17bが互い
に平行に設けられ、ピン17aの中心軸は中心軸Dと一
致する。
【0036】偏心ドライバ17は概略このように構成さ
れ、ピン17aが、筐体5の側部5aに設けられたガイ
ド孔5fに回動可能に嵌合し、ピン17bが、可動支持
部材4に設けられた調整溝4eに沿って摺動可能に係合
する。
【0037】次に、このスキュー調整治具を用いたタン
ジェンシャルスキュー調整について説明する。タンジェ
ンシャルスキュー調整は、光学式ピックアップ装置の両
側に配置された偏心ドライバ17をX軸に沿って同方向
に同じ角度回動させることにより、可動支持部材4をタ
ンジェンシャル方向に傾けることができる。
【0038】即ち、図4において、右側の偏心ドライバ
17をある角度だけP方向に回し、左側の偏心ドライバ
17を同時にR方向に同じ角度だけ回すと、各偏心ドラ
イバ17は、それぞれ嵌合するガイド孔5fを中心に同
じ角度回動し、各調整溝4eに係合するそれぞれのピン
17bが円弧に沿って紙面上方に移動する。なお、各切
欠5eはこのタンジェンシャルスキュー調整によるピン
17bの移動を阻害しないようにその開口が設定されて
いる。その結果、各ピン17bは、それぞれの調整溝4
e上を摺動しながら可動支持部材4を上方に移動させ
る。
【0039】この場合に、可動支持部材4は、ピン4a
を規制溝5dに挿嵌した状態で、球面状突起4b、4
c、4dが、板バネ6によって押されて摺動面5cに当
接しているので、各ピン17bによって上方に移動する
場合に、ピン4aは、嵌合する規制溝5dに沿って垂直
に摺動し、球面状突起4b、4c、4dは、摺動面5c
上を摺動する。
【0040】なお、各球面状突起は、摺動面5cと接す
る点における法線(曲線上(又は曲面上)の1点におい
て、この点における曲線の接線に直交する直線)が対物
レンズ1の略中心を通るように形成されているので、可
動支持部材4が、摺動面5cに沿って移動しても、対物
レンズ1の略中心の位置は変わらない。
【0041】又、各ピン17aは等距離移動するので、
可動支持部材4を上方に平行移動させる。以上により、
可動支持部材4は、対物レンズ1の略中心の位置を変え
ることなくタンジェンシャル方向の一方向に沿って傾
き、その結果対物レンズ1の光軸がタンジェンシャル方
向の一方向に沿って傾く。
【0042】又、図4において、右側の偏心ドライバ1
7をある角度だけQ方向に回し、左側の偏心ドライバ1
7を同時にS方向に同じ角度だけ回すと、各偏心ドライ
バ17は、それぞれ嵌合するガイド孔5fを中心に同じ
角度回動し、各調整溝4eに係合するそれぞれのピン1
7bが円弧に沿って紙面下方に移動する。この場合の各
部の動作は、上述したタンジェンシャル方向の一方向の
場合と同様なので、ここでは動作説明が重複するので省
略する。以上により対物レンズ1の光軸がタンジェンシ
ャル方向の一方向と逆の方向に沿って傾く。
【0043】タンジェンシャルスキュー調整は、以上の
ように2つの偏心ドライバ17を同方向に適宜同じ角度
だけ回動させることにより可動支持部材4をタンジェン
シャル方向に傾け、対物レンズ1の光軸のタンジェンシ
ャル方向の傾きがゼロとなるように調整することでなさ
れる。
【0044】図6は、図4のスキュー調整治具に取り付
けられた光学式ピックアップ装置の可動支持部材4が、
偏心ドライバ17によって筐体5に対するタンジェンシ
ャル方向の位置を変えられた状態の各例を(a)〜
(c)によって示した図であり、図6は、図4に示すX
軸と垂直な方向の断面図によって示している。図6にお
いて、(a)は、対物レンズ1の光軸Lが、光学式ピッ
クアップ装置の適正な光軸Yと一致する場合であり、
(b)、(c)は、対物レンズ1の光軸Lが、それぞれ
光軸Yからずれた方向に位置する場合を示している。
【0045】したがって、可動支持部材4が図6(b)
のように側部5bに取り付けられている場合は、上述の
ように、右側の偏心ドライバ17をP方向に、左側の偏
心ドライバ17をR方向に同時に回せば光軸Lは光軸Y
と一致する方向に移動する。又、可動支持部材4が図6
(c)のように側部5bに取り付けられている場合は、
右側の偏心ドライバ17をQ方向に、左側の偏心ドライ
バ17をS方向に同時に回せば光軸Lは光軸Yと一致す
る方向に移動する。
【0046】また、図7は、図6と垂直な方向から見た
場合の可動支持部材4の球面状突起4b、4c、4d
と、筐体5との相対位置関係を示した模式図であり、図
7(a)〜(c)の各例は、それぞれ図6(a)〜
(c)の各例に対応する。したがって、可動支持部材4
が図6(b)のように側部5bに取り付けられている場
合は、球面状突起4b、4c、4dは筐体5に対し、図
7(b)のように配されるが、右側の偏心ドライバ17
をP方向に、左側の偏心ドライバ17をR方向に、同時
に同じ角度だけ回動させることにより、ピン4aが規制
溝5dに沿って垂直上方に移動すると共に、球面状突起
4b、4c、4dもそれぞれ垂直上方に平行移動し、図
7(a)に示す位置において対物レンズ1の光軸Lのタ
ンジェンシャル方向の傾きがゼロとなる。
【0047】又、可動支持部材4が図6(c)のように
側部5bに取り付けられている場合は、球面状突起4
b、4c、4dは筐体5に対し、図7(c)のように配
されるが、右側の偏心ドライバ17をQ方向に、左側の
偏心ドライバ17をS方向に、同時に同じ角度だけ回動
させることにより、ピン4aが規制溝5dに沿って垂直
下方に移動すると共に、球面状突起4b、4c、4dも
それぞれ垂直下方に平行移動し、図7(a)に示す位置
において対物レンズ1の光軸Lのタンジェンシャル方向
の傾きがゼロとなる。
【0048】次に、ラジアルスキュー調整について説明
する。ラジアルスキュー調整は、スキュー調整治具に取
り付けられた光学式ピックアップ装置の両側に配置され
た偏心ドライバ17をX軸に沿って互いに逆方向に同じ
角度回動させることにより、可動支持部材4をラジアル
方向に傾けることができる。
【0049】即ち、図4において、右側の偏心ドライバ
17をある角度だけP方向に回し、左側の偏心ドライバ
17を同時にS方向に同じ角度だけ回すと、各偏心ドラ
イバ17は、それぞれ嵌合するガイド孔5fを中心にX
軸に沿って同じ角度だけ互いに逆方向に回動する。この
ことにより、右側の偏心ドライバ17のピン17bが円
弧に沿って紙面上方に移動し、左側の偏心ドライバ17
のピン17bが円弧に沿って紙面下方に移動する。
【0050】その結果、右側の偏心ドライバ17のピン
17bは、係合する調整溝4e上を摺動しながら可動支
持部材4を上方に移動させる。又、左側の偏心ドライバ
17のピン17bは、係合する調整溝4e上を摺動しな
がら可動支持部材4を下方に移動させる。
【0051】この場合に、可動支持部材4は、ピン4a
を規制溝5dに挿嵌した状態で、球面状突起4b、4
c、4dが、板バネ6によって押されて摺動面5cに当
接しているので、各ピン17bが移動すると、規制溝5
dに挿嵌するピン4aが規制溝5d内において各ピン1
7bの移動方向に応じて回動し、球面状突起4b、4
c、4dが摺動面5c上を摺動する。
【0052】なお、各球面状突起は、摺動面5cと接す
る点における法線(曲線上(又は曲面上)の1点におい
て、この点における曲線の接線に直交する直線)が対物
レンズ1の略中心を通るように形成されているので、こ
の場合もタンジェンシャルスキュー調整の場合と同様
に、可動支持部材4が、摺動面5cに沿って移動して
も、対物レンズ1の略中心の位置は変わらない。
【0053】以上により、可動支持部材4は、対物レン
ズ1の略中心の位置を変えることなくラジアル方向の一
方向に沿って傾き、その結果対物レンズ1の光軸がラジ
アル方向の一方向に沿って傾く。
【0054】又、図4において、右側の偏心ドライバ1
7をある角度だけQ方向に回し、左側の偏心ドライバ1
7を同時にR方向に同じ角度だけ回すと、各偏心ドライ
バ17は、それぞれ嵌合するガイド孔5fを中心にX軸
に沿って同じ角度だけ互いに逆方向に回動する。このこ
とにより、右側の偏心ドライバ17のピン17bが円弧
に沿って紙面下方に移動し、左側の偏心ドライバ17の
ピン17bが円弧に沿って紙面上方に移動する。この場
合の各部の動作は、上述したラジアル方向の一方向の場
合と同様なので、ここでは動作説明が重複するので省略
する。以上により対物レンズ1の光軸がラジアル方向の
一方向と逆の方向に沿って傾く。
【0055】ラジアルスキュー調整は、以上のように2
つの偏心ドライバ17をX軸に対し互いに逆方向に適宜
同じ角度だけ回動させることにより可動支持部材4をラ
ジアル方向に傾け、対物レンズ1の光軸のラジアル方向
の傾きがゼロとなるように調整することでなされる。
【0056】図8は、図4のスキュー調整治具に取り付
けられた光学式ピックアップ装置の可動支持部材4の球
面状突起4b、4c、4dが、偏心ドライバ17によっ
て筐体5に対するラジアル方向の位置を変えられた状態
の各例を(a)〜(c)によって示した模式図である。
【0057】図8において、(a)は、対物レンズ1の
光軸Lが、光学式ピックアップ装置の適正な光軸Yと一
致する場合であり、(b)、(c)は、対物レンズ1の
光軸Lが、それぞれ光軸Yからずれた方向に位置する場
合を示している。可動支持部材4が図8(b)のように
側部5bに取り付けられている場合は、上述のように、
右側の偏心ドライバ17をP方向に、左側の偏心ドライ
バ17をS方向に同時に回せば光軸Lは光軸Yと一致す
る方向に移動する。この場合に、規制溝5dに挿嵌する
ピン4aは、垂直方向の位置を変えることなく回動す
る。
【0058】又、可動支持部材4が図8(c)のように
側部5bに取り付けられている場合は、右側の偏心ドラ
イバ17をQ方向に、左側の偏心ドライバ17をR方向
に同時に回せば光軸Lは光軸Yと一致する方向に移動す
る。この場合も、規制溝5dに挿嵌するピン4aは、垂
直方向の位置を変えることなく回動する。
【0059】光学式ピックアップ装置の姿勢調整は、上
述したラジアルスキュー調整、タンジェンシャルスキュ
ー調整をそれぞれ行うことで、光学式ピックアップ装置
の組み立て時における対物レンズ1の傾きを補正し、対
物レンズ1の光軸Lを光軸Yに一致させることができ
る。
【0060】なお、本実施形態において、摺動面5c
は、当接する球面状突起4b、4c、4dが有する球面
曲率よりも遥かに大きな球面曲率を有する凹面で形成
し、球面状突起4b、4c、4dがそれぞれ点接触して
当接するように構成したが、球面状突起4b、4c、4
dは、摺動面5cが有する球面曲率とほぼ等しい球面の
一部で形成し、それぞれ摺動面5cと面接触するように
しても良い。
【0061】又、上述した実施形態においては、摺動面
5cは、球面の一部からなる凹面で形成したが、球面の
一部又は平面の組み合わせによって形成される凹面でも
良い。
【0062】又、本実施形態においては、筐体5に光デ
ィスクに対し略垂直な方向に伸長する規制溝5dを光学
式ピックアップ装置の筐体5に形成し、これに可動支持
部材4に形成されたピン4aを回動且つ摺動可能に嵌入
しているが、可動支持部材4に規制溝を形成し、筐体5
にはこの規制溝に嵌入するピンを形成するようにしても
良い。
【0063】又、上述した光学式ピックアップ装置の姿
勢調整方法では、スキュー調整治具に取り付けられた光
学式ピックアップ装置の両側に配置された偏心ドライバ
17をX軸に沿って互いに同方向又は逆方向に同じ角度
回動させることにより、ラジアルスキュー調整とタンジ
ェンシャルスキュー調整をそれぞれ独立に行うようにし
たが、これらの偏心ドライバ17の回動方向及び回動角
を適宜変えながらラジアルスキュー調整とタンジェンシ
ャルスキュー調整を一緒に追い込み調整することで、対
物レンズ1の光軸を是正するようにしても良い。
【0064】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、対
物レンズに連結する弾性部材、可動支持部材がそれぞれ
光ディスクの情報記録面に対しほぼ平行に配され、可動
支持部材が板バネ等によって押圧されることにより支持
部の側部に対して取り付けられるので、位置調整を行う
場合は、光学式ピックアップ装置の両側から各偏心ドラ
イバが有する2つのピンを、筐体のガイド孔と可動支持
部材の調整溝にそれぞれ係合させ、偏心ドライバを同方
向又は逆方向に回動させることにより、可動支持部材を
摺動面上で移動させ、光学式ピックアップ装置の対物レ
ンズの光軸の傾きを補正して、ラジアル方向及びタンジ
ェンシャル方向の姿勢調整を行うようにしたので、姿勢
調整を対物レンズの下方位置で行う必要がなく、簡単な
構造で対物レンズの姿勢調整のできる薄型の光学式ピッ
クアップ装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における光学式ピックアッ
プ装置の一例を示す概略構造図である。
【図2】本発明の一実施形態における光学式ピックアッ
プ装置の一例を示す概略構造図である。
【図3】支持部を含む筐体の一部を表した外観構造図で
ある。
【図4】光学式ピックアップ装置が取り付けられた調整
治具の主要部概略構造図である。
【図5】偏心ドライバの概略構造図である。
【図6】スキュー調整治具に取り付けられた光学式ピッ
クアップ装置の可動支持部材が、偏心ドライバによって
筐体に対するラジアル方向の位置を変えられた状態の各
例を示した図である。
【図7】スキュー調整治具に取り付けられた光学式ピッ
クアップ装置の可動支持部材が、偏心ドライバによって
筐体に対するタンジェンシャル方向の位置を変えられた
状態の各例を示した図である。
【図8】スキュー調整治具に取り付けられた光学式ピッ
クアップ装置の可動支持部材の各球面状突起が、偏心ド
ライバによって筐体に対するラジアル方向の位置を変え
られた状態の各例を示した模式図である。
【図9】従来の光学式ピックアップ装置における姿勢調
整構造を表した図である。
【符号の説明】
1・・・・・対物レンズ 2・・・・・レンズホルダ 3・・・・・直線状ワイヤ 4・・・・・可動支持部材 4a・・・・ピン 4b、4c、4d・・・・球面状突起 4e・・・・調整溝 5・・・・・筐体 5a・・・・支持部 5b・・・・側部 5c・・・・摺動面 5d・・・・規制溝 5e・・・・切欠 5f・・・・ガイド孔 6・・・・・板バネ 7、8・・・ガイド軸 9・・・・・磁気回路 10・・・・ホログラムユニット 11・・・・光ディスク 12・・・・基台 13・・・・固定部材 13a、13b・・・・ガイド軸 14、15・・・・・・軸受け 16・・・・ねじ 17・・・・偏心ドライバ 17a、17b・・・・ピン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズをフォーカス方向及びトラッ
    キング方向に移動可能に支持する光学式ピックアップ装
    置であって、 ピックアップ本体と、 対物レンズを保持するレンズホルダと、 該レンズホルダを移動可能に支持するものであって弾性
    部材を介して前記レンズホルダと連結される可動支持部
    材とを備え、 前記ピックアップ本体には、記録又は再生される光ディ
    スクの情報記録面に対しほぼ垂直に立設された支持部が
    形成され、前記可動支持部材は前記対物レンズの姿勢調
    整が可能となるように前記支持部の側部に対して位置調
    整可能に取り付けられることを特徴とする光学式ピック
    アップ装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材は、一端が前記レンズホル
    ダに連結され他端が前記可動支持部材に連結される複数
    本の直線状ワイヤからなり、該直線状ワイヤは、記録又
    は再生される光ディスクの情報記録面に対してほぼ平行
    に配されることを特徴とする請求項1に記載の光学式ピ
    ックアップ装置。
  3. 【請求項3】 前記支持部の側部には、記録又は再生さ
    れる光ディスクの情報記録面に略垂直な方向に伸張する
    所定幅の規制溝が形成されると共に、前記可動支持部材
    には、前記規制溝に挿嵌し摺動及び回動が可能な円筒状
    のピンが形成されることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の光学式ピックアップ装置。
  4. 【請求項4】 前記支持部の側部には、前記可動支持部
    材が当接する摺動面が形成され、前記可動支持部材は、
    前記摺動面上に沿って移動することにより、前記側部に
    対して位置調整され、前記対物レンズの姿勢調整が行わ
    れることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学式ピ
    ックアップ装置。
  5. 【請求項5】 前記摺動面は、単一の球面の一部によっ
    て形成される凹面からなることを特徴とする請求項4に
    記載の光学式ピックアップ装置。
  6. 【請求項6】 前記摺動面は、球面の一部又は平面の組
    み合わせによって形成される凹面からなることを特徴と
    する請求項4に記載の光学式ピックアップ装置。
  7. 【請求項7】 前記可動支持部材には、それぞれ前記摺
    動面に当接する球面の一部で形成された複数の球面状突
    起が設けられていて、各球面状突起は、前記摺動面と接
    する点(若しくは面)における法線が前記対物レンズの
    略中心を通るようになされることを特徴とする請求項4
    乃至は6に記載の光学式ピックアップ装置。
  8. 【請求項8】 前記可動支持部材には、前記摺動面が有
    する前記凹面に密接する球面の一部で形成された複数の
    球面状突起が設けられていることを特徴とする請求項7
    に記載の光学式ピックアップ装置。
  9. 【請求項9】 前記姿勢調整は、前記記録又は再生され
    る光ディスクの情報記録面に対する前記対物レンズのラ
    ジアル方向又はタンジャンシャル方向に対して行われ、
    前記ラジアル方向に対する姿勢調整は、前記ピンを前記
    規制溝内において回動させると共に前記可動支持部材を
    前記摺動面上に沿って移動させることによりなされ、前
    記タンジャンシャル方向に対する姿勢調整は、前記ピン
    を前記規制溝に沿って摺動させると共に前記可動支持部
    材を前記摺動面上に沿って移動させることによりなされ
    ることを特徴とする請求項3乃至は8に記載の光学式ピ
    ックアップ装置。
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