JPH1163081A - 振動数感応型油圧制振装置 - Google Patents

振動数感応型油圧制振装置

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JPH1163081A
JPH1163081A JP9244886A JP24488697A JPH1163081A JP H1163081 A JPH1163081 A JP H1163081A JP 9244886 A JP9244886 A JP 9244886A JP 24488697 A JP24488697 A JP 24488697A JP H1163081 A JPH1163081 A JP H1163081A
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valve
pressure
oil
vibration
damping
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JP9244886A
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Izumi Tamura
泉 田村
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Sanwa Tekki Corp
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Sanwa Tekki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の振動数を境に、共振周波数を含む低振
動数領域では減衰力を発生して制振対象の振動を抑制
し、高振動数領域では減衰力を小さくして振動を絶縁す
ること。 【解決手段】 油圧制振装置1に付設した弁ユニット3
に、吸油弁15、低減衰定圧弁16、高減衰調圧弁1
7、スプール弁18を設ける。吸油弁15は、ピストン
の移動による負圧側の圧力室11(10)にオイルリザ
ーバ4から油を供給するように開く。低減衰定圧弁16
及び高減衰調圧弁17は、収縮する第1又は第2の圧力
室10(11)の油圧により開いてオイルリザーバ4へ
油を吐出する。高減衰調圧弁17は、油の流れに対して
低減衰定圧弁16より大きな抵抗を与える。スプール弁
18は、定オリフィス19により、高、低の振動数領域
に応じて低減衰定圧弁16又は高減衰調圧弁17を介す
るオイルリザーバ4への油通路を切り替えて、振動を絶
縁し又は減衰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高層ビル、橋梁やプラ
ントなどの大型化傾向にある柱梁架構に用いられたり、
高速化する鉄道車両や自動車など、多様な振動を伴う輸
送機器に用いられる油圧式の制振装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】大型柱梁架構は風や地震などにより多様
な振動外力が作用する一方、広い空間を確保するために
固定壁が少なく、構造物自体で振動を減衰させることが
困難である。高速輸送機器にあっても、速度や路面状態
によって多様な振動外力が作用する。一般に、制振装置
の特性は、振動数に対する振動伝達率の変化で表すこと
ができ、図11に示すような各曲線となる。図中、横軸
が共振振動数に対する振動数の割合(ω/ωn)を示
し、ω/ωn=1は共振点を表す。また、縦軸が振動伝
達率を表す。各曲線は減衰率Dの代表値について示し、
D=1は無周期振動する減衰係数を与えた曲線である。
この図から、制振装置の特性は、ω/ωn=√2の振動
数を境とする低振動数領域(以下、共振領域という)で
減衰効果を得ようとして大きな減衰力を発生させるほ
ど、ω/ωn>√2の高振動数領域(以下、非共振領域
という)で振動伝達率が高くなる傾向にある。ところ
で、従来の制振装置はその特性によってパッシブ型、ア
クティブ型、セミアクティブ型の三種類に大別される。
【0003】パッシブ型の制振装置としては、振動によ
るピストンの移動によって油圧シリンダ内の油の流れ
に、油通路上の調圧弁が抵抗を与えて振動を減衰させる
ものがある(特開平5−321968)。この制振装置
の特性は、減衰係数が固定されているので、共振領域で
は十分な減衰力を発生することで、振動伝達率を小さく
することができるが、非共振領域では減衰係数が大きい
ため、他の型式のものに比較して振動伝達率が大きくな
る。
【0004】アクティブ型の制振装置としては、地震な
どの振動外力が制振対象に作用すると、外部エネルギを
用いた反力を積極的に構造物に与え、振動伝達率を低く
するものがある。この制振装置は、共振領域でD=1の
曲線より低く、非共振領域でD=0の曲線に近づくこと
を理想とする。従って、この制振装置は、共振、非共振
領域にかかわらず、最小の振動伝達率が得られ、特に共
振領域で振動伝達率を1以下にすることも可能である。
【0005】セミアクティブ型の制振装置としては、入
力条件に応じて減衰係数を電子制御により変化させるも
のがある。これは外部エネルギを用いていないが、共振
領域では十分な減衰力を発生して振動伝達率を小さく
し、非共振領域では、減衰力を抑制して振動伝達率を小
さくするようにしている。即ち、この制振装置において
は、共振領域でD=1の曲線に、非共振領域でD=0の
曲線に近づくことを理想とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の制振装置の
うち、パッシブ型のものは、非共振領域で減衰係数が大
き過ぎ、振動伝達率が大きくなってしまうので、減衰係
数をあまり大きく設定することを避けざるを得ず、共振
領域での減衰効果が不十分になってしまう。アクティブ
型の制振装置は、各種センサとコンピュータなどの制御
装置や外部エネルギに依る大型駆動装置を必要とする
上、制御装置の応答に遅れがあって、十分な減衰効果を
得ることができない場合があり、さらに電気的な異常時
の対策も講じておく必要があり、制振効果、信頼性、コ
ストの面で実用性に乏しいという問題がある。セミアク
ティブ型のものも外部エネルギこそ使用していないが、
アクティブ型のものと同じように制振効果、信頼性など
の面で問題がある。そこで、本発明は、機械的な構造に
より、特定の振動数を境とした共振振動数を含む低振動
数領域では減衰力を発生して制振対象の振動を抑制し、
高振動数領域では減衰力を小さくして振動絶縁性を確保
する振動数感応型油圧制振装置を提供することを課題と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1の発明においては、支持体又は被支持体の一方
に、内部に油を収容したシリンダ6を連結し、他方にシ
リンダ6に出入り自在に挿入されたピストンロッド8を
連結し、このピストンロッド8にシリンダ内を第1及び
第2の圧力室10,11に区画するピストン9を固定
し、第1、第2の圧力室10,11にこれらの圧力をリ
リースするオイルリザーバ4を連通させ、このオイルリ
ザーバ4と圧力室10,11との間に油を供給するため
の給油弁15を介設し、振動により収縮する第1又は第
2の圧力室10,11の油圧により夫々開いてオイルリ
ザーバ4に油を吐出し、非共振領域の振動を絶縁する第
1及び第2の低減衰定圧弁16を第1及び第2の圧力室
10,11とオイルリザーバ4との間に夫々設け、振動
により収縮する第1又は第2の圧力室10,11の油圧
により夫々開いてオイルリザーバ4に油を吐出し、共振
領域の振動を減衰させる第1及び第2の高減衰調圧弁1
7を第1及び第2の圧力室10,11とオイルリザーバ
4との間に設け、シリンダ6の第1及び第2の圧力室1
0,11にスプール弁18を連通させ、移動可能に挿入
した弁体18bにより前後に一対の弁室18aを区画
し、この弁室18aに一定流量の油を受け入れる定オリ
フィス19を夫々開口させ、共振領域の振動によるシリ
ンダ6の油圧で低減衰定圧弁16とオイルリザーバ4と
の間を閉じ、圧力室10,11の油圧を高減衰調圧弁1
7に導くようにして、スプール弁18において特定の振
動数で油の流通路を切り替えることにより、非共振領域
の振動を低減衰定圧弁で絶縁する一方、共振領域の振動
を高減衰調圧弁で減衰させる振動数感応型油圧制振装置
1を構成した。
【0008】第2の発明においては、支持体又は被支持
体の一方に、内部に油を収容したシリンダ6を連結し、
他方にシリンダ6に出入り自在に挿入されたピストンロ
ッド8を連結し、このピストンロッド8にシリンダ内を
第1及び第2の圧力室10,11に区画するピストン9
を固定し、第1、第2の圧力室10,11にこれらの圧
力をリリースするオイルリザーバ4を連通させ、このオ
イルリザーバ4と圧力室10,11との間に油を供給す
るための給油弁15を介設し、第1又は第2の圧力室1
0,11とオイルリザーバ4との間に第1及び第2の低
減衰定圧弁16を設けて、振動により収縮する第1又は
第2の圧力室10,11の油圧で夫々開いてオイルリザ
ーバ4に油を吐出するようにし、シリンダ6の第1及び
第2の圧力室10,11にスプール弁18を連通させ
て、移動可能に挿入された弁体18bにより前後に一対
の弁室18aを区画し、この弁室18aに一定流量の油
を受け入れる定オリフィス19を夫々開口させ、非共振
領域の振動による圧力室10,11の油圧で低減衰定圧
弁16からオイルリザーバ4へ油を吐出して振動を絶縁
する一方、共振領域の振動による圧力室10,11の油
圧で低減衰定圧弁16からオイルリザーバ4へ吐出する
油量を絞って振動を減衰させ、スプール弁18において
所定の振動数で油の流量を変えることにより、非共振領
域の振動を絶縁する一方、共振領域の振動を減衰させる
ように振動数感応型油圧制振装置22を構成した。
【0009】第3の発明においては、支持体又は被支持
体の一方に、内部に油を収容したシリンダ6を連結し、
他方にシリンダ6に出入り自在に挿入されたピストンロ
ッド8を連結し、このピストンロッド8にシリンダ内を
第1及び第2の圧力室10,11に区画するピストン9
を固定し、第1、第2の圧力室10,11にこれらの圧
力をリリースするオイルリザーバ4を連通させ、このオ
イルリザーバ4と圧力室10,11との間に油を供給す
るための給油弁15を介設し、第1又は第2の圧力室1
0,11とオイルリザーバ4との間に第1及び第2の低
減衰定圧弁16を設け、振動により収縮する第1又は第
2の圧力室10,11の油圧で夫々開いてオイルリザー
バ4に油を吐出させ、非共振領域の振動を絶縁させるよ
うにし、この低減衰定圧弁16とオイルリザーバ4との
間に、第1及び第2の高減衰調圧弁24を連通させ、共
振領域の振動による第1又は第2の圧力室10,11の
油圧により夫々開いてオイルリザーバ4に油を吐出し、
共振領域の振動を減衰させ、シリンダ6の第1及び第2
の圧力室10,11にスプール弁18を連通させ、移動
自在に挿入された弁体18bにより前後に一対の弁室1
8aを区画し、この弁室18aに一定流量の油を受け入
れる定オリフィス19を夫々開口させ、共振領域の振動
による圧力室10,11の油圧で低減衰定圧弁16とオ
イルリザーバ4との間を高減衰調圧弁24を介して連通
させ、圧力室10,11の油圧を高減衰調圧弁24に導
き、スプール弁18において所定の振動数で油の流通路
を切り替えることにより、非共振領域の振動を低減衰定
圧弁16で絶縁する一方、共振領域の振動を高減衰調圧
弁24で減衰させるように振動数感応型油圧制振装置2
3を構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図面を参
照して説明する。図1は本発明に係る振動数感応型油圧
制振装置の正面図、図2は概略的正面図、図3は図1に
おけるIII−III断面図、図4は図1におけるIV−IV断面
図、図5は図1におけるV−V断面図である。図1,図2
に示すように、この振動数感応型油圧制振装置1は、本
体2と、その側部に設けられた弁ユニット3及びオイル
リザーバ4とを備えている。本体2は、引手5を介して
図示しない構築物のような支持体又は被支持体に連結さ
れるシリンダ6と、引手7を介して被支持体又は支持体
に連結され、シリンダ6に出入り自在に挿入されたピス
トンロッド8とを備えている。なお、弁ユニット3及び
オイルリザーバ4は、本体2の側部に設ける構造のほ
か、シリンダ6を含むケースの中に内蔵する構造として
側部への張り出しをなくす構造にしてもよい。
【0011】ピストンロッド8の一端に固定されたピス
トン9は、シリンダ6内に挿入され、シリンダ6内を第
1及び第2の圧力室10,11に区画している。オイル
リザーバ4は、第1の油通路12、第2の油通路13及
び第3の油通路14を介して第1,第2の圧力室10,
11に連通している。オイルリザーバ4内には油が収容
されている。
【0012】第1,第2の油通路12,13と第3の油
通路14との間には、容積が拡張した負圧の圧力室1
0,11にオイルリザーバ4から油を供給する吸油弁1
5が夫々設けられている。吸油弁15の弁室15aは、
第3の油通路14を介してオイルリザーバ4に連通する
と共に、第1,第2の油通路12,13を介して第1,
第2の圧力室10,11に連通している。吸油弁15の
弁体15bには、これを閉じる方向に付勢する調圧ばね
15cを備えている。
【0013】第1,第2の油通路12,13と第3の油
通路14との間には、低減衰定圧弁16が夫々設けられ
ている。低減衰定圧弁16の弁室16aは、第1,第2
の油通路12,13を介して第1及び第2の圧力室1
0,11に連通すると共に、スプール弁18の連通室2
1及び第3の油通路14を介してオイルリザーバ4に連
通している。低減衰定圧弁16は、弁室16a内に弁体
16bがこれを閉じる方向に付勢する調圧ばね16cを
介して設られている。従って、低減衰定圧弁16は、収
縮する圧力室10,11からの所定の油圧で開放してオ
イルリザーバ4側に油を吐出して油通路12,13の油
圧を一定に保つ。
【0014】第1,第2の油通路12,13と第3の油
通路14との間には、高減衰調圧弁17が設けられてい
る。高減衰調圧弁17は、弁室17a内に弁体17bが
これを閉じる方向に付勢する調圧ばね17cを介して設
けられている。高減衰調圧弁17の弁室17aは、第3
の油通路14を介してオイルリザーバ4に連通すると共
に、第1,第2の油通路12,13を介して第1及び第
2の圧力室10,11に連通している。調圧ばね17c
は低減衰定圧弁16の調圧ばね16cより大きな付勢力
を有し、高減衰調圧弁17は低減衰定圧弁16より大き
な油圧で開弁動作してオイルリザーバ4に油圧をリリー
スする。
【0015】スプール弁18は、弁体18bを挟んだ両
側に弁室18aを有し、調圧ばね18cで中立位置に弁
体18bを付勢している。弁室18aには定オリフィス
19が開口しており、第1,第2の油通路12,13に
連通している。油通路12,13の一定圧力が定オリフ
ィス19に作用すると、定オリフィス19は一定流量の
油を通過させる。スプール弁18と外ケース20との間
には、低減衰定圧弁16及びオイルリザーバ4につなが
る連通室21が形成されている。外ケース20には弁体
18bとの間に隙間を形成する段部20aが設けられて
いる。また、弁体18bには、段部20aとの間で連通
室21を開閉する段部18dを有する。従って、スプー
ル弁18が移動して段部20aと段部18dとで連通室
21が閉じるようになっている。
【0016】この振動数感応型油圧制振装置において
は、支持体と被支持体との間に振動による相対変位が生
じると、ピストンロッド8がシリンダ6内に押し込ま
れ、あるいはそれから引き出される。いま、共振領域の
周期の長い振動により、ピストンロッド8がシリンダ6
内に押し込まれると、図2に示すようにピストン9が左
行する。このとき、収縮する第1の圧力室10による油
圧は、低減衰定圧弁16、高減衰調圧弁17、定オリフ
ィス19に夫々作用する。即ち、低減衰定圧弁16の調
圧ばね16cは高減衰調圧弁17の調圧ばね17cより
付勢力が弱いので、高減衰調圧弁17は開かず低減衰定
圧弁16が開き、定オリフィス19に作用する油圧を一
定に保つ。また、低減衰定圧弁16から吐出した油は、
図6に示すように、スプール弁18の連通室21を通過
してオイルリザーバ4に流れ込む。定オリフィス19を
一定流量の油が通過して弁室18aに入り込むと、スプ
ール弁18が移動し、図7に示すように、連通室21を
完全に閉じて油の流れを止める。これにより、第1の油
通路12側の油圧が高まって高減衰調圧弁17が開き、
流れを絞りつつ油を第3の油通路14を介してオイルリ
ザーバ4に流す。高減衰調圧弁17は、油圧に応じてバ
ルブリフトと通過面積とが変化し、所定の減衰力を発生
する。
【0017】一方、非共振領域の周期の短い振動であれ
ば、ピストン9の反転往復動が短時間で行われ、定オリ
フィス19を通過する油が少ないので、スプール弁19
の移動距離が短く、油室21を閉じる前に反転して、ス
プール弁18が閉じない。この間、油は低減衰定圧弁1
6からスプール弁18の連通室21を介してオイルリザ
ーバ4に流れるので、振動に対して可及的に小さな減衰
力を発生し、振動を絶縁する。
【0018】他の実施形態を図8,図9に示す。本実施
形態では、スプール弁18の弁体18bに二段の段部1
8d,18eが形成されている。また、先の実施形態に
おける高減衰調圧弁が設けられていない。しかして、共
振領域の振動が生じると、縮小する第1の圧力室10内
の油は低減衰定圧弁16を開き、定オリフィス19に作
用する圧力を一定に保つ。低減衰定圧弁16から吐出し
た油は、スプール弁18の連通室21を通過してオイル
リザーバ4に流れ込む。定オリフィス19を一定量の油
が通過して弁室18aに入り、スプール弁18が移動す
ると、段部20aと段部18dとの間に僅かな隙間が形
成され、ここを通じて油の流れを絞り、振動を有効に減
衰させる。この減衰力は、段部18dの高さに応じて変
わる。一方、非共振領域の振動であれば、スプール弁1
8の往復動が短時間で行われ、スプール弁18の移動距
離が短く、連通室21を通過する油の流れを絞るまでに
は至らない。従って、油は低減衰定圧弁16からスプー
ル弁18の連通室21を介してオイルリザーバ4に流れ
込み、振動に対して可及的に小さな減衰力を発生し、振
動を絶縁する。
【0019】さらに他の実施形態を図10に示す。本実
施形態では、高減衰調圧弁24がスプール弁18の連通
室21に常時連通しており、スプール弁18が移動する
と、低減衰定圧弁16からオイルリザーバ4への油の流
れが、高減衰調圧弁24を介して行われる。高減衰調圧
弁24には先の実施例における調圧ばねが設けられてお
らず、油の流れにより弁体24bが弁座に対して僅かに
隙間を形成して油の流れを絞るようになっている。しか
して、共振領域の振動があれば、縮小する第1の圧力室
10内の油は低減衰定圧弁16を開き、スプール弁18
の連通室21を通過してオイルリザーバ4に流れ込む
が、定オリフィス19を一定流量の油が通過して、スプ
ール弁18が閉じると、高減衰調圧弁24を介して油が
流れ、ここで流れを絞り振動を有効に減衰させる。一
方、非共振領域の振動があれば、ピストン9の反転往復
動が短時間で行われて、スプール弁18の移動距離が短
く、スプール弁18を閉じない。従って、油は低減衰定
圧弁16からスプール弁18の連通室21を介してオイ
ルリザーバ4に流れ込み、振動に対して可及的に小さな
減衰力を発生し、振動を絶縁する。本実施形態では、高
減衰調圧弁24に調圧ばねを設けていないため、弁の構
造が簡易化して小型化を図ることができるが、先の実施
形態におけると同様に調圧ばねを設けても同様の作用を
行う。
【0020】なお、以上の各実施形態においては、弁の
切替動作点をω/ωn=√2に設定し、これを境に共振
領域(ω/ωn<√2)と非共振領域(ω/ωn>√2)
とに区分したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、弁の開閉圧を適宜調整することにより、切替動作点
を変更し、この特定の振動数を境とする低振動数領域と
高振動数領域とに区分することが可能である。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、所定
の振動数を境とする低振動数領域の振動に対して減衰力
を発生して振動を有効に抑制することができる一方、高
振動数領域でほとんど減衰力を発生させないで、振動伝
達率を小さくして振動を絶縁することができる。また、
電気的な制御を伴うことがない機械的構造であるから振
動に対する応答が遅れることがなく、信頼性があり、比
較的低廉で、総合的に実用性に富む制振装置を提供する
ことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動数感応型油圧制振装置の正面
図である。
【図2】本発明に係る振動数感応型油圧制振装置の概略
的正面図である。
【図3】図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線断面図である。
【図5】図3におけるV−V線断面図である。
【図6】開放状態のスプール弁の縦断面図である。
【図7】閉鎖状態のスプール弁の縦断面図である。
【図8】他の実施形態の振動数感応型油圧制振装置の概
略的正面図である。
【図9】閉鎖状態のスプール弁の縦断面図である。
【図10】さらに他の実施形態の振動数感応型油圧制振
装置の概略的正面図である。
【図11】代表的な振動系の振動伝達率の特性を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 振動数感応型油圧制振装置 2 本体 3 弁ユニット 4 オイルリザーバ 6 シリンダ 8 ピストンロッド 10,11 圧力室 15 吸油弁 16 低減衰定圧弁 17 高減衰調圧弁 18 スプール弁 18a 弁室 18b 弁体 18d,18e 段部 19 定オリフィス 24 高減衰調圧弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体又は被支持体の一方に連結され、
    内部に油を収容したシリンダと、 他方に連結され、前記シリンダに出入り自在に挿入され
    たピストンロッドと、 このピストンロッドに固定され、前記シリンダ内を第1
    及び第2の圧力室に区画するピストンと、 第1、第2の圧力室に連通してこれらの圧力をリリース
    するオイルリザーバと、 このオイルリザーバから前記圧力室に油を供給するため
    に開閉する給油弁と、 振動により収縮する前記第1又は第2の圧力室の油圧に
    より夫々開いてオイルリザーバに油を吐出し、所定の振
    動数を境とする高振動数領域の振動を絶縁する第1及び
    第2の低減衰定圧弁と、 振動により収縮する前記第1又は第2の圧力室の油圧に
    より夫々開いてオイルリザーバに油を吐出し、所定の振
    動数を境とする低振動数領域の振動を減衰させる第1及
    び第2の高減衰調圧弁と、 前記シリンダの第1及び第2の圧力室に連通し、移動可
    能に挿入された弁体により前後に一対の弁室が区画さ
    れ、この弁室に一定流量の油を受け入れる定オリフィス
    が夫々開口し、前記低振動数領域の振動によるシリンダ
    の油圧で前記低減衰定圧弁とオイルリザーバとの間を閉
    じ、圧力室の油圧を前記高減衰調圧弁に導くスプール弁
    とを具備し、 スプール弁において所定の振動数で油の流通路を切り替
    えることにより、高振動数領域の振動を低減衰定圧弁で
    絶縁する一方、低振動数領域の振動を高減衰調圧弁で減
    衰させることを特徴とする振動数感応型油圧制振装置。
  2. 【請求項2】 支持体又は被支持体の一方に連結され、
    内部に油を収容したシリンダと、 他方に連結され、前記シリンダに出入り自在に挿入され
    たピストンロッドと、 このピストンロッドに固定され、前記シリンダ内を第1
    及び第2の圧力室に区画するピストンと、 第1、第2の圧力室に連通してこれらの圧力をリリース
    するオイルリザーバと、 このオイルリザーバから前記圧力室に油を供給するため
    に開閉する給油弁と、 振動により収縮する前記第1又は第2の圧力室の油圧で
    夫々開いてオイルリザーバに油を吐出する第1及び第2
    の低減衰定圧弁と、 前記シリンダの第1及び第2の圧力室に連通し、移動可
    能に挿入された弁体により前後に一対の弁室が区画さ
    れ、この弁室に一定流量の油を受け入れる定オリフィス
    が夫々開口し、所定の振動数を境とする高振動数領域の
    振動による圧力室の油圧で前記低減衰定圧弁からオイル
    リザーバへ油を吐出して振動を絶縁する一方、低振動数
    領域の振動による圧力室の油圧で低減衰定圧弁からオイ
    ルリザーバへ吐出する油量を絞って振動を減衰させるス
    プール弁とを具備し、 スプール弁において所定の振動数で油の流量を変えるこ
    とにより、高振動数領域の振動を絶縁する一方、低振動
    数領域の振動を減衰させることを特徴とする振動数感応
    型油圧制振装置。
  3. 【請求項3】 支持体又は被支持体の一方に連結され、
    内部に油を収容したシリンダと、 他方に連結され、前記シリンダに出入り自在に挿入され
    たピストンロッドと、 このピストンロッドに固定され、前記シリンダ内を第1
    及び第2の圧力室に区画するピストンと、 第1、第2の圧力室に連通してこれらの圧力をリリース
    するオイルリザーバと、 このオイルリザーバから前記圧力室に油を供給するため
    に開閉する給油弁と、 振動により収縮する前記第1又は第2の圧力室の油圧で
    夫々開いてオイルリザーバに油を吐出し、所定の振動数
    を境とする高振動数領域の振動を絶縁させる第1及び第
    2の低減衰定圧弁と、 この低減衰定圧弁に連通し、低振動数領域の振動による
    前記第1又は第2の圧力室の油圧により夫々開いてオイ
    ルリザーバに油を吐出し、低振動数領域の振動を減衰さ
    せる第1及び第2の高減衰調圧弁と、 前記シリンダの第1及び第2の圧力室に連通し、移動自
    在に挿入された弁体により前後に一対の弁室が区画さ
    れ、この弁室に一定流量の油を受け入れる定オリフィス
    が夫々開口し、低振動数領域の振動による圧力室の油圧
    で前記低減衰定圧弁とオイルリザーバとの間を閉じ、低
    減衰定圧弁を介して圧力室の油圧を前記高減衰調圧弁に
    導くスプール弁とを具備し、 スプール弁において所定の振動数で油の流通路を切り替
    えることにより、高振動数領域の振動を低減衰定圧弁で
    絶縁する一方、低振動数領域の振動を高減衰調圧弁で減
    衰させることを特徴とする振動数感応型油圧制振装置。
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