JPH1161448A - ドライエッチング法 - Google Patents

ドライエッチング法

Info

Publication number
JPH1161448A
JPH1161448A JP22153597A JP22153597A JPH1161448A JP H1161448 A JPH1161448 A JP H1161448A JP 22153597 A JP22153597 A JP 22153597A JP 22153597 A JP22153597 A JP 22153597A JP H1161448 A JPH1161448 A JP H1161448A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
temperature
dry etching
substrate
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22153597A
Other languages
English (en)
Inventor
Shingo Kadomura
新吾 門村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP22153597A priority Critical patent/JPH1161448A/ja
Publication of JPH1161448A publication Critical patent/JPH1161448A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エッチングすべき材料である基体とエッチング
用ガスとの反応生成物がチャンバー壁に堆積することを
防止し得るドライエッチング法を提供する。 【解決手段】ドライエッチング法においては、エッチン
グ装置20のチャンバー21内に配置された基体載置ス
テージ10上に基体40を載置し、基体載置ステージ1
0の温度を200乃至300゜Cに保持し、且つ、チャ
ンバー壁22の温度を基体載置ステージ10の温度以上
に保持した状態で、基体40のドライエッチングを行
う。尚、基体載置ステージ10の温度をT1゜C、チャ
ンバー壁22の温度をT2゜Cとしたとき、T1≦T2
(T1+200)の関係を満足することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば銅薄膜のド
ライエッチングに適したドライエッチング法に関し、更
に詳しくは、側壁保護膜を用いることなく例えば銅薄膜
を異方性加工することのできるドライエッチング法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年の超LSIにおいては、数mm角の
チップに数百万個以上の素子を集積することが要求され
ている。それ故、従来のような平面的な素子の微細化に
よってこのような高集積化を実現することは極めて困難
であり、配線を二重、三重に積み上げる多層配線技術が
不可欠である。一方、素子の高機能化、デバイスの動作
速度の高速化に対する要求も止まるところを知らず、こ
れらの要求を満たす半導体装置プロセス技術の整備が急
がれている。
【0003】これらの要求を満たす技術の1つとして、
次世代以降の配線材料として銅(Cu)を用いる技術が
注目されて久しい。銅は、従来から使用されているアル
ミニウム系合金よりも抵抗値が低く、しかもエレクトロ
マイグレーションに対する耐性が高い等、半導体装置の
配線材料として優れた特性を有する。その反面、加工が
難しいことから、その実用化が遅れている。
【0004】即ち、例えば、半導体基板上に設けられた
絶縁層上に形成された銅薄膜(以下、被処理材と呼ぶ場
合がある)をドライエッチングする場合、一般にドライ
エッチングに用いられるハロゲン系ガスと被処理材との
反応生成物の蒸気圧は低い。尚、以下、ドライエッチン
グを単にエッチングと呼ぶ場合がある。そのため、蒸気
圧の低い反応生成物を気化させるために、被処理材を高
温加熱しながらエッチングを行う必要がある。尚、エッ
チングを行う際には、エッチング装置のチャンバー内に
配置された基体載置ステージ上に半導体基板を載置・固
定する。そして、被処理材の加熱は、通常、基体載置ス
テージに内蔵されたヒータによって行う。ところが、エ
ッチングが進行するに従い、被処理材へのプラズマ照射
によって被処理材に大きな入熱があり、その結果、被処
理材の温度、更には、半導体基板の温度が大幅に上昇す
る。そのため、従来の技術においては、例えば250゜
Cにて被処理材のエッチングを実施する場合、プラズマ
照射による被処理材の温度上昇が100゜Cであるとす
れば、エッチング開始時、この温度上昇分だけ被処理材
の温度(より具体的には、半導体基板の温度)を下げた
状態で、即ち、基体載置ステージの設定温度を例えば1
50゜Cに設定した状態で、エッチングを開始してい
る。
【0005】ところが、このように、被処理材の温度を
下げた状態(例えば150゜C)からエッチングを開始
すると、被処理材のエッチングを開始した後、被処理材
の表面に難エッチ層であるハロゲン化銅層が形成されて
しまう。このような難エッチ層が形成されると、それ以
降、被処理材のエッチングが進行しなくなる。一方、エ
ッチング開始前から半導体基板を設定温度(例えば25
0゜C)に保持した場合には、プラズマからの入熱によ
ってエッチング中に被処理材の温度が上昇する。その結
果、被処理材とエッチング用ガスとの間の化学反応は進
行し易くなるものの、エッチングされた被処理材の形状
制御が困難となり、エッチング加工精度が大幅に低下す
るという問題がある。
【0006】従って、従来の技術においては、被処理材
である銅薄膜のエッチング加工精度の大幅な低下を抑え
るために、SiCl4にN2を添加したエッチング用ガス
が用いられている。このエッチング用ガスを用いること
によって、SiCl4とN2との反応生成物であるSiX
Y系の物質がエッチングされつつある被処理材の側壁
等に堆積し、かかる物質が側壁保護膜として機能する。
これによって、被処理材の異方性加工を行うことができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このエ
ッチング用ガスを用いたドライエッチング法によれば、
被処理材の異方性加工が実現できる反面、SiXY系の
堆積物が被処理材上だけでなく、エッチング装置のチャ
ンバー内にも過剰に堆積する。その結果、この堆積物が
パーティクル源となってしまい、被処理材の加工を損な
う原因となっている。従って、このようなエッチング用
ガスを用いたエッチング法は、現状では、実際の半導体
製造プロセスに用いることが困難である。
【0008】プラズマ照射によっても被処理材である銅
薄膜の温度が上昇しないような構造を有する基体載置ス
テージを用いることができれば、例えばCl2ガスをエ
ッチング用ガスとして用いることによって、被処理材で
ある銅薄膜をエッチングすることは可能である。しかし
ながら、従来のエッチング装置においては、チャンバー
壁の温度は被処理材の温度よりも低い。従って、被処理
材とCl2エッチング用ガスとの反応生成物である銅の
塩化物は、エッチング装置に設けられた排気部に到達す
る以前に、チャンバー壁に堆積してしまう。そのため、
エッチングを繰り返すと、チャンバー壁に堆積した銅の
塩化物が剥がれ落ち、パーティクル源となる結果、パー
ティクルレベルが悪化するといった問題がある。
【0009】平行平板の上部対向電極を備えたエッチン
グ装置を用いる場合には、この上部対向電極に、被処理
材とCl2エッチング用ガスとの反応生成物である銅の
塩化物が堆積する。そして、エッチングを繰り返すと、
上部対向電極に堆積した銅の塩化物が剥がれ落ち、パー
ティクル源となる結果、パーティクルレベルが悪化する
といった問題がある。
【0010】以上においては、専ら半導体装置の製造に
おいて銅薄膜を配線材料として用いる場合の問題点を説
明したが、上述の問題点を解決し得る技術、即ち、被処
理材とエッチング用ガスとの反応生成物がエッチング装
置のチャンバー壁や上部対向電極に堆積することを防止
し得る技術が、種々の材料をドライエッチングする分野
において強く要求されている。
【0011】従って、本発明の目的は、エッチングすべ
き材料である基体とエッチング用ガスとの反応生成物が
チャンバー壁や上部対向電極に堆積することを防止し得
るドライエッチング法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係るドライエッチング法は、
エッチング装置のチャンバー内に配置された基体載置ス
テージ上に基体を載置し、基体の温度を200乃至30
0゜C、好ましくは230乃至270゜Cに保持し、且
つ、チャンバー壁の温度を基体の温度以上に保持した状
態で、基体のドライエッチングを行うことを特徴とす
る。この場合、基体の温度をT1゜C、チャンバー壁の
温度をT2゜Cとしたとき、T1+≦T2≦(T1+20
0)、好ましくは(T1+50)≦T2≦(T1+20
0)、一層好ましくは(T1+100)≦T2≦(T1
200)の関係を満足することが望ましい。
【0013】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係るドライエッチング法は、平行平板の上部対
向電極を備えたエッチング装置のチャンバー内に配置さ
れた基体載置ステージ上に基体を載置し、基体の温度を
200乃至300゜C、好ましくは230乃至270゜
Cに保持し、且つ、上部対向電極の温度を基体の温度以
上に保持した状態で、基体のドライエッチングを行うこ
とを特徴とする。この場合、基体の温度をT1゜C、上
部対向電極の温度をT3゜Cとしたとき、T1≦T3
(T1+200)、好ましくは(T1+50)≦T3
(T1+200)、一層好ましくは(T1+100)≦T
3≦(T1+200)の関係を満足することが望ましい。
【0014】本発明の第1若しくは第2の態様に係るド
ライエッチング法においては、ドライエッチングすべき
基体として、基板上に設けられた絶縁層上に形成された
銅薄膜や、BST等の強誘電体薄膜を挙げることができ
る。あるいは又、例えばポリイミドフィルム等のプラス
チックフィルムである基板上に成膜あるいは積層された
銅薄膜等、半導体装置の製造分野以外の分野における材
料を挙げることができる。基板としては、シリコン半導
体基板、GaAs基板等の化合物半導体若しくは半絶縁
性基板、SOI構造を有する半導体基板、絶縁性基板を
挙げることができる。また、絶縁層しては、SiO2
BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、Sb
SG、NSG、SOG、LTO(Low Temperature Oxid
e、低温CVD−SiO2)、SiN、SiON等の公知
の材料、あるいはこれらの材料を積層したものを例示す
ることができる。
【0015】銅薄膜をドライエッチングする場合、エッ
チング用ガスとして、Cl2ガス、HClガス、HBr
ガス、HIガス及びBCl3ガスから成る群から選択さ
れた少なくとも1種類のガスを使用することが好まし
い。これらのエッチング用ガスは、単独で使用すること
もできるし、混合して使用することもできる。
【0016】チャンバー壁は、セラミックス部材の組織
中にアルミニウム系材料が充填された母材と、この母材
の表面に設けられたセラミックス層とから成る複合材料
から作製されていることが好ましい。尚、複合材料には
温度制御手段が配設され、この温度制御手段はヒータか
ら構成されていることが好ましい。ヒータを複合材料の
外部に配設してもよいし、母材の内部に配設してもよ
く、後者の場合、母材の線膨張率をα1[単位:10-6
/K]としたとき、ヒータを構成する材料の線膨張率α
H[単位:10-6/K]は(α1−3)≦αH≦(α1
3)の関係を満足することが好ましい。ここで、ヒータ
を構成する材料とは、母材と接するヒータの部分(例え
ば鞘管)を構成する材料を意味する。以下においても同
様である。尚、一般に、線膨張率αは、物体の長さを
L、0゜Cにおける物体の長さをL0、θを温度とした
とき、α=(dL/dθ)/L0で表すことができ、単
位はK-1(1/K)であるが、本明細書では、10-6
Kを単位として線膨張率を表現している。以下、線膨張
率を説明するとき、単位を省略して説明する場合もあ
る。
【0017】あるいは又、上部対向電極は、セラミック
ス部材の組織中にアルミニウム系材料が充填された母材
と、この母材の表面に設けられたセラミックス層とから
成る複合材料から作製されていることが好ましい。ま
た、複合材料には温度制御手段が配設され、この温度制
御手段はヒータから構成されていることが好ましい。ヒ
ータを複合材料の外部に配設してもよいし、母材の内部
に配設してもよく、後者の場合、母材の線膨張率をα1
[単位:10-6/K]としたとき、ヒータを構成する材
料の線膨張率αH[単位:10-6/K]は(α1−3)≦
αH≦(α1+3)の関係を満足することが望ましい。
【0018】更には、基体載置ステージは、静電チャッ
ク機能を有し、且つ、温度制御手段を備え、そして、セ
ラミックス部材の組織中にアルミニウム系材料が充填さ
れた母材と、この母材の表面に設けられたセラミックス
層とから成る複合材料から作製されていることが好まし
い。この場合、基体載置ステージを電極として用い、セ
ラミックス層は静電チャック機能としての機能を発揮す
る。尚、基体載置ステージには温度制御手段が配設さ
れ、この温度制御手段はヒータから構成されていること
が好ましい。ヒータを複合材料の外部に配設してもよい
し、母材の内部に配設してもよく、後者の場合、母材の
線膨張率をα1[単位:10-6/K]としたとき、ヒー
タを構成する材料の線膨張率αH[単位:10-6/K]
は(α1−3)≦αH≦(α1+3)の関係を満足するこ
とが好ましい。更には、温度制御手段は、母材の内部に
配設された温度制御用熱媒体を流す配管から更に構成さ
れており、母材の線膨張率をα1[単位:10-6/K]
としたとき、配管の線膨張率αP[単位:10-6/K]
は(α1−3)≦αP≦(α1+3)の関係を満足するこ
とが好ましい。
【0019】母材の線膨張率α1とヒータを構成する材
料や配管の線膨張率αH,αPとがこれらの関係を満足す
ることによって、セラミックス層に損傷が発生すること
を効果的に防止することができる。
【0020】このような複合材料からチャンバー壁、上
部対向電極あるいは基体載置ステージを作製することに
よって、母材はセラミックス部材とアルミニウム系材料
との中間的な性質を有するものとなり、例えば線膨張率
に関してもこれらの中間的な値に調整することが可能と
なる。それ故、母材とセラミックス層との熱膨張に起因
したセラミックス層の損傷発生を回避でき、複合材料か
ら作製されたチャンバー壁、上部対向電極あるいは基体
載置ステージを高温で確実に使用することが可能とな
る。しかも、母材は高い熱伝導率を有しているので、チ
ャンバー壁や上部対向電極を効率良く加熱することがで
き、あるいは又、基体載置ステージによって基体を効率
良く加熱することが可能である。更には、セラミックス
層が設けられているので、金属汚染の発生防止や、例え
ばハロゲンガス等のエッチング用ガスによる複合材料の
腐蝕発生を防止することができる。
【0021】尚、このような母材は、例えば、(A)セ
ラミックス部材の組織中にアルミニウム系材料を充填
し、以て、セラミックス部材の組織中にアルミニウム系
材料が充填された母材を作製する工程と、(B)この母
材の表面にセラミックス層を設ける工程に基づき作製す
ることができる。
【0022】母材の線膨張率をα1[単位:10-6
K]としたとき、セラミックス層の線膨張率α2[単
位:10-6/K]は(α1−3)≦α2≦(α1+3)の
関係を満足することが好ましい。これによって、例えば
500゜C程度の高温にて使用しても、母材の線膨張率
α1とセラミックス層の線膨張率α2の差に起因したセラ
ミックス層の損傷発生をほぼ確実に防止することが可能
である。
【0023】この場合、母材を構成するセラミックス部
材の組成をコージエライトセラミックスとし、母材を構
成するアルミニウム系材料の組成をアルミニウム(A
l)及びケイ素(Si)とし、セラミックス層を構成す
る材料をAl23やAlNとすることができる。尚、セ
ラミックス層を構成する材料には、セラミックス層の線
膨張率や電気特性を調整するために、例えば、TiO2
を添加してもよい。(α1−3)≦α2≦(α1+3)の
関係を満足するように、コージエライトセラミックスと
アルミニウム系材料との容積比を決定することが望まし
い。あるいは又、コージエライトセラミックス/アルミ
ニウム系材料の容積比を、25/75乃至75/25、
好ましくは25/75乃至50/50とすることが望ま
しい。このような容積比にすることによって、母材の線
膨張率の制御だけでなく、母材は、純粋なセラミックス
の電気伝導度や熱伝導度よりも金属に近づいた値を有す
るようになる。その結果、このような母材には、電圧の
印加は勿論のこと、バイアスの印加も可能となる。更に
は、アルミニウム系材料を基準としたとき、アルミニウ
ム系材料には、ケイ素が12乃至35体積%、好ましく
は16乃至35体積%、一層好ましくは20乃至35体
積%含まれていることが、(α1−3)≦α2≦(α1
3)の関係を満足する上で望ましい。尚、実際には、コ
ージエライトセラミックスから成るセラミックス部材の
組織中に、アルミニウム(Al)及びケイ素(Si)が
充填され、アルミニウム(Al)中にケイ素(Si)が
含まれているわけではないが、アルミニウム系材料にお
けるアルミニウム(Al)とケイ素(Si)の容積比を
表すために、アルミニウム系材料にはケイ素が含まれて
いるという表現を用いる。以下においても同様である。
【0024】母材を構成するセラミックス部材の組成を
コージエライトセラミックスとし、母材を構成するアル
ミニウム系材料の組成をアルミニウム(Al)及びケイ
素(Si)とする場合、上記の工程(A)は、容器の中
に多孔質のコージエライトセラミックスを組成としたセ
ラミックス部材を配し、容器内に溶融したアルミニウム
とケイ素とを組成としたアルミニウム系材料を流し込
み、高圧鋳造法にてセラミックス部材中にアルミニウム
系材料を充填する工程から成ることが好ましい。この場
合、セラミックス部材は、例えば、金型プレス成形法、
静水圧成形法(CIP法あるいはラバープレス成形法と
も呼ばれる)、鋳込み成形法(スリップキャスティング
法とも呼ばれる)、あるいは泥漿鋳込み成形法によって
コージエライトセラミックスを成形した後、焼成(焼
結)を行うことによって得ることができる。
【0025】尚、セラミックス部材を、コージエライト
セラミックス粉末を成形した後、焼成することにより作
製することができるが、コージエライトセラミックス粉
末とコージエライトセラミックス繊維との混合物を焼成
(焼結)することにより作製することが、多孔質のセラ
ミックス部材を得る上で、また、母材作製の際にセラミ
ックス部材に損傷が発生することを防ぐ上で、好まし
い。後者の場合、焼成体(焼結体)におけるコージエラ
イトセラミックス繊維の割合は、1乃至20体積%、好
ましくは1乃至10体積%、一層好ましくは1乃至5体
積%であることが望ましい。また、コージエライトセラ
ミックス粉末の平均粒径は1乃至100μm、好ましく
は5乃至50μm、一層好ましくは5乃至10μmであ
り、コージエライトセラミックス繊維の平均直径は2乃
至10μm、好ましくは3乃至5μmであり、平均長さ
は0.1乃至10mm、好ましくは1乃至2mmである
ことが望ましい。更には、コージエライトセラミックス
粉末とコージエライトセラミックス繊維との混合物を8
00乃至1200゜C、好ましくは800乃至1100
゜Cにて焼成(焼結)することが望ましい。また、セラ
ミックス部材の空孔率は25乃至75%、好ましくは5
0至75%であることが望ましい。
【0026】また、容器内に溶融したアルミニウム系材
料を流し込む際のセラミックス部材の温度を500乃至
1000゜C、好ましくは700乃至800゜Cとし、
容器内に溶融したアルミニウム系材料を流し込む際のア
ルミニウム系材料の温度を700乃至1000゜C、好
ましくは750乃至900゜Cとし、高圧鋳造法にてセ
ラミックス部材中にアルミニウム系材料を充填する際に
加える絶対圧を200乃至1500kgf/cm2、好
ましくは800乃至1000kgf/cm2とすること
が望ましい。
【0027】あるいは又、母材を構成するセラミックス
部材の組成を窒化アルミニウム(AlN)とし、母材を
構成するアルミニウム系材料の組成をアルミニウム(A
l)とし、セラミックス層を構成する材料をAl23
AlNとすることができる。尚、セラミックス層を構成
する材料には、セラミックス層の線膨張率や電気特性を
調整するために、例えば、TiO2やYxyを添加して
もよい。この場合、(α1−3)≦α2≦(α1+3)の
関係を満足するように、窒化アルミニウムとアルミニウ
ムとの容積比を決定することが好ましい。あるいは又、
窒化アルミニウム/アルミニウムの容積比を、40/6
0乃至80/20、好ましくは60/40乃至70/3
0とすることが望ましい。このような容積比にすること
によって、母材の線膨張率の制御だけでなく、母材は、
純粋なセラミックスの電気伝導度や熱伝導度よりも金属
に近づいた値を有するようになり、このような母材には
電圧の印加は勿論のこと、バイアスの印加も可能とな
る。
【0028】母材を構成するセラミックス部材の組成を
窒化アルミニウム(AlN)とし、母材を構成するアル
ミニウム系材料の組成をアルミニウム(Al)とした場
合、前述の工程(A)は、非加圧金属浸透法に基づき、
窒化アルミニウム粒子から成形されたセラミックス部材
に溶融したアルミニウムを組成としたアルミニウム系材
料を非加圧状態にて浸透させる工程から成ることが好ま
しい。尚、セラミックス部材は、例えば、金型プレス成
形法、静水圧成形法、鋳込み成形法、あるいは泥漿鋳込
み成形法によって成形した後、500乃至1000゜
C、好ましくは800乃至1000゜Cの温度で焼成
(焼結)を行うことによって得ることができる。この場
合、窒化アルミニウム粒子の平均粒径は10乃至100
μm、好ましくは10乃至50μm、一層好ましくは1
0乃至20μmであることが望ましい。
【0029】セラミックス層は、溶射法にて母材の表面
に形成されており、あるいは又、ロウ付け法にて母材の
表面に取り付けられていることが好ましい。ここで、ロ
ウ材の線膨張率[単位:10-6/K]も、母材の線膨張
率をα1[単位:10-6/K]としたとき、(α1−3)
以上、(α1+3)以下の範囲内にあることが望まし
い。
【0030】本発明の第1の態様に係るドライエッチン
グ法と第2の態様に係るドライエッチング法とを組み合
わせてもよい。
【0031】本発明のドライエッチング法においては、
基体の温度を200乃至300゜Cに保持し、且つ、チ
ャンバー壁あるいは上部対向電極の温度を基体の温度以
上に保持した状態で基体のドライエッチングを行うの
で、基体とエッチング用ガスの反応生成物がチャンバー
壁上あるいは上部対向電極上に堆積することを防止する
ことができ、パーティクルレベルが悪化するといった問
題の発生を回避することができる。尚、基体の温度を2
00゜C未満としたのでは、基体の被エッチング面に、
基体とエッチング用ガスとの反応生成物から成る難エッ
チ層が形成され、エッチングの進行が妨げられる虞があ
る。一方、基体の温度が300゜Cを越えると、基体と
エッチング用ガスとの反応速度が早くなりすぎ、エッチ
ングの進行の制御が困難になる場合がある。
【0032】従来のエッチング装置においては、チャン
バー壁や上部対向電極は、通常、ステンレススチールや
アルミニウムから作製されている。そして、例えばエッ
チング処理中に、これらがプラズマに直接曝されること
に起因した金属汚染の発生防止や、ハロゲンガスによる
チャンバー壁の腐蝕の発生防止のために、アルミニウム
から作製されたチャンバー壁や上部対向電極の表面にA
23層(アルマイト層)を形成している。また、ステ
ンレススチールからチャンバー壁が作製されている場合
には、Al23製のリフレクターをエッチング装置の内
部のチャンバー壁近傍に配設している。このような状態
でチャンバー壁や上部対向電極の高温加熱を行うと、チ
ャンバー壁や上部対向電極がアルミニウムから作製され
ている場合、アルミニウムとAl23の線膨張率の差に
起因して、チャンバー壁や上部対向電極の表面に形成さ
れたAl23層に割れ等が生じ易い。また、Al23
のリフレクターをエッチング装置の内部のチャンバー壁
近傍に配設した場合、エッチング装置の外側からリフレ
クターを十分に加熱することは困難である。即ち、リフ
レクターに入射した反応生成物をリフレクターから全て
離脱させるような温度までリフレクターを加熱すること
は難しく、高々100゜C程度までしかリフレクターを
加熱することができない。
【0033】本発明において、チャンバー壁あるいは上
部対向電極を、セラミックス部材の組織中にアルミニウ
ム系材料が充填された母材と、この母材の表面に設けら
れたセラミックス層とから成る複合材料から作製すれ
ば、反応生成物がチャンバー壁上あるいは上部対向電極
上に堆積することを防止する十分に高い温度にチャンバ
ー壁あるいは上部対向電極を保持しても、セラミックス
層に損傷が生じること無く、チャンバー壁あるいは上部
対向電極を確実に所望の温度に加熱することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0035】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の第1の態様に係るドライエッチング法に関する。即
ち、エッチング装置のチャンバー内に配置された基体載
置ステージ(ウエハステージと呼ばれる場合もある)上
に基体を載置し、実施の形態1においては基体の温度を
250゜Cに保持し、且つ、チャンバー壁の温度を基体
の温度以上(実施の形態1においては300゜C)に保
持した状態で、基体のドライエッチングを行う。尚、基
体の温度をT1゜C、チャンバー壁の温度をT2゜Cとし
たとき、T1≦T2≦(T1+200)の関係を満足して
いる。実施の形態1においては、ドライエッチングすべ
き基体を、シリコン半導体基板40上に設けられたSi
2から成る絶縁層41上に形成された銅薄膜43とし
た(図5参照)。また、エッチング用ガスとしてCl2
ガスを使用した。
【0036】実施の形態1での使用に適したICP(In
ductive Coupled Plasma)型のドライエッチング装置2
0(以下、単にエッチング装置20と略称する)の概念
図を図1に示す。また、エッチング装置20に備えられ
たチャンバー21のチャンバー壁22の模式的な断面図
を、図2の(A)に示す。このチャンバー壁22は、セ
ラミックス部材の組織中にアルミニウム系材料が充填さ
れた母材12と、この母材12の表面に設けられたセラ
ミックス層13とから成る複合材料11から作製されて
いる。
【0037】実施の形態1における複合材料11は、具
体的には、コージエライトセラミックスから成るセラミ
ックス部材の組織中に、アルミニウム(Al)及びケイ
素(Si)から成るアルミニウム系材料が充填された母
材12と、この母材12の表面(チャンバー21側の
面)に設けられたAl23から成るセラミックス層13
とから構成されている。また、アルミニウム系材料を基
準として、アルミニウム系材料にはケイ素が20体積%
含まれている。母材12の形状は中空円筒形である。こ
こで、コージエライトセラミックスとは、MgOが約1
3重量%、SiO2が約52重量%、Al23が約35
重量%となる組成比に調整されたセラミックスである。
コージエライトセラミックスの線膨張率は0.1×10
-6/Kである。
【0038】尚、セラミックス部材は、コージエライト
セラミックス粉末とコージエライトセラミックス繊維と
の混合物の焼成体(焼結体)であり、この焼成体におけ
るコージエライトセラミックス繊維の割合を5体積%と
した。ここで、コージエライトセラミックス粉末の平均
粒径は10μmであり、コージエライトセラミックス繊
維の平均直径は5μmであり、平均長さは2mmであ
る。セラミックス部材の空孔率は約50%であり、空孔
径は約1乃至2μmである。従って、コージエライトセ
ラミックス/アルミニウム系材料の容積比は約1/1で
ある。このような構成の母材12の線膨張率は、100
〜300゜Cにおける平均値で、約10.6×10-6
Kである。即ち、α1=10.6である。また、コージ
エライトセラミックス/アルミニウム系材料の容積比は
約1/1であるが故に、母材12は、純粋なセラミック
スの電気伝導度や熱伝導度よりも金属に近づいた値を有
する。従って、このような母材12から作製されたチャ
ンバー壁22は、セラミックスのみから作製されたチャ
ンバー壁よりも高い熱伝導性を有する。
【0039】セラミックス層13を構成する材料を、T
iO2が約2.5重量%添加されたAl23とした。厚
さ約0.2mmのセラミックス層13は、溶射法にて母
材12の表面に形成されている。このような組成のセラ
ミックス層13の線膨張率は、100〜300゜Cにお
ける平均値で、約9×10-6/Kである。従って、α2
は約9であり、セラミックス層13の線膨張率α2
(α1−3)≦α2≦(α1+3)の関係を満足してい
る。尚、Al23それ自体の線膨張率は約8×10-6
Kである。
【0040】チャンバー壁22の内部には、公知のシー
ズヒータから成るヒータ14が配設されている(図2の
(A)参照)。ヒータ14は、ヒータ本体(図示せず)
と、ヒータ本体の外側に配設されそしてヒータ本体を保
護する鞘管(図示せず)から構成されている。そして、
ヒータ14は、配線を介して電源23(図1参照)に接
続されている。ヒータ14の熱膨張は、チャンバー壁2
2に影響を与える。従って、母材12やセラミックス層
13の線膨張率α1,α2に近い値を有する材料を用いる
ことが好ましい。具体的には、チタンやステンレススチ
ール等、線膨張率が9×10-6/K〜12×10-6/K
の材料から作製された鞘管を用いることが好ましい。即
ち、ヒータ14を構成する材料(母材12と接する鞘管
の材料)の線膨張率αH[単位:10-6/K]は、(α1
−3)≦αH≦(α1+3)の関係を満足することが好ま
しい。尚、ヒータ14の本体の線膨張率は、チャンバー
壁22に影響を与えることがないので、特に制限されな
い。場合によっては、ヒータ14を配設すると同時に、
後述する配管115と同様の配管をチャンバー壁22の
内部に配設してもよいし、ヒータ14を配設する代わり
に、配管をチャンバー壁22の内部に配設してもよい。
【0041】エッチング装置20のチャンバー21内に
は、シリコン半導体基板40を保持・固定するための基
体載置ステージ10が配設されている。実施の形態1に
おける基体載置ステージ10の模式的な断面図を、図4
の(A)に示す。この基体載置ステージ10は複合材料
111から構成されている。複合材料111は、セラミ
ックス部材の組織中にアルミニウム系材料が充填された
母材112(温度調節ジャケットに相当する)と、この
母材112の表面に設けられたセラミックス層113と
から成る。母材112の形状は円盤である。この基体載
置ステージ10は、静電チャック機能を有し、且つ、温
度制御手段を備えている。具体的には、誘電体層である
セラミックス層113は静電チャック機能を有する。ま
た、母材12の内部には温度制御手段が配設され(埋め
込まれ)、この温度制御手段は、ヒータ114、及び温
度制御用熱媒体を流す配管115から構成されている。
尚、基体載置ステージ10には、セラミックス層113
上に載置、保持された例えばシリコン半導体基板40を
押し上げるためのプッシャーピン(図示せず)が埋設さ
れている。また、このプッシャーピンには、プッシャー
ピンをセラミックス層113の頂面上に突出させあるい
は頂面下に埋没させる機構(図示せず)が取り付けられ
ている。
【0042】複合材料111は、コージエライトセラミ
ックスから成るセラミックス部材の組織中に、アルミニ
ウム(Al)及びケイ素(Si)から成るアルミニウム
系材料が充填された母材と、この母材の表面に設けられ
たAl23から成るセラミックス層とから構成されてお
り、チャンバー壁22を構成する複合材料と同じ複合材
料を使用した。従って、母材112は、純粋なセラミッ
クスの電気伝導度や熱伝導度よりも金属に近づいた値を
有する。それ故、このような母材112から作製された
基体載置ステージ10には、電圧の印加は勿論のこと、
バイアスの印加も可能である。
【0043】尚、Al23にTiO2を約2.5重量%
添加することによって、セラミックス層113の体積固
有抵抗値を1011Ω/□オーダーに調整することができ
る。これによって、セラミックス層113は誘電体とし
て作用し、静電チャックとしての機能を発揮することが
できる。このように体積固有抵抗値を調整する理由は、
セラミックス層113が1011Ω/□オーダーを越える
と、静電チャックとして用いた場合にセラミックス層1
13の吸着力が弱くなりすぎ、シリコン半導体基板40
をセラミックス層113に充分吸着させることが困難と
なる虞があるからである。一方、セラミックス層113
が1011Ω/□オーダーを下回ると、基体載置ステージ
10を高温で用いた際、セラミックス層113の抵抗値
が更に低くなり、シリコン半導体基板40とセラミック
ス層113との界面で電流が生じる虞がある。尚、使用
条件によるが、一般的には、セラミックス層の体積固有
抵抗値を1011〜1016Ω/□とすることが望ましい。
【0044】ヒータ114として、母材112の面積
(底面積)に応じた大型で大容量のシーズヒータを使用
した。ヒータ114は、ヒータ本体(図示せず)と、ヒ
ータ本体の外側に配設されそしてヒータ本体を保護する
鞘管(図示せず)から構成された公知のヒータである。
ヒータ114は、配線を介して電源32(図1参照)に
接続されている。ヒータ114の熱膨張は、基体載置ス
テージ10に影響を与える。従って、母材112やセラ
ミックス層113の線膨張率α1,α2に近い値を有する
材料を用いることが好ましい。具体的には、チタンやス
テンレススチール等、線膨張率が9×10-6/K〜12
×10-6/Kの材料から作製された鞘管を用いることが
好ましい。即ち、ヒータ114を構成する材料(母材1
12と接する鞘管の材料)の線膨張率αH[単位:10
-6/K]は、(α1−3)≦αH≦(α1+3)の関係を
満足することが好ましい。尚、ヒータ114の本体の線
膨張率は、基体載置ステージ10に影響を与えることが
ないので、特に制限されない。
【0045】基体載置ステージ10の母材112内に配
設された配管115は、配管33A,33Bを介して温
度制御用熱媒体供給装置35(図1参照)に接続されて
いる。そして、金属あるいは合金から作製されている。
温度制御用熱媒体供給装置35から供給された温度制御
用熱媒体を基体載置ステージ10内の配管115に流す
ことによって、基体載置ステージ10の温度制御を行う
ことができる。配管115の熱膨張も、基体載置ステー
ジ10に影響を与える。従って、母材112やセラミッ
クス層113の線膨張率α1,α2に近い値を有する材料
を用いることが好ましい。具体的には、チタンやステン
レススチール等、線膨張率が9×10-6/K〜12×1
-6/Kの材料から作製された配管115を用いること
が好ましい。即ち、配管115を構成する材料の線膨張
率αP[単位:10-6/K]は、(α1−3)≦αP
(α1+3)の関係を満足することが好ましい。
【0046】温度制御用熱媒体供給装置35は、シリコ
ンオイル等の温度制御用熱媒体を、配管33Aを介して
基体載置ステージ10の配管115に供給し、配管33
Bを介して配管115から送り出された温度制御用熱媒
体を受け入れ、更に、この温度制御用熱媒体を所定温度
に加熱あるいは冷却する。場合によっては、温度制御用
熱媒体供給装置35にチラーを組み込み、配管33A,
115,33B内にフロンガス等の低温(例えば0゜
C)の温度制御用熱媒体(冷媒)を流してもよい。この
ように、温度制御用熱媒体を配管115内に循環させる
ことによって、基体載置ステージ10上に保持・固定さ
れた基体の温度制御を行う。温度制御用熱媒体供給装置
35に接続された配管33Aには、高温での動作が可能
な制御バルブ34が配設されている。一方、配管33A
と配管33Bとの間のバイパス配管33Cにも制御バル
ブ34が配設されている。そして、このような構成のも
と、制御バルブ34の開閉度を制御することによって、
配管115への温度制御用熱媒体の供給量を制御する。
また、蛍光ファイバ温度計36で検知された温度を制御
装置(PIDコントローラ)37で検出し、予め設定さ
れた基体の温度との差から、予め実験や計算によって決
定された供給量となるように、温度制御用熱媒体の供給
量が制御装置37によって決定される。
【0047】エッチング装置20は、更に、RFアンテ
ナ25を備えている。RFアンテナ25は、チャンバー
21の天板24(石英製である)の上にループ状に設置
されており、マッチングネットワーク26を介して電源
27に接続されている。また、チャンバー21内のガス
を排気するための排気口28が、真空ポンプ等の負圧手
段(図示せず)に接続されている。
【0048】基体載置ステージ10(より具体的には母
材112)には、基体への入射イオンエネルギーを制御
するためのバイアス電源30が接続され、更には、温度
調節ジャケットに相当する母材112にはセラミックス
層113に静電吸着力を発揮させるための直流電源31
が接続されている。従って、基体載置ステージ10を電
極として用いることにより、セラミックス層113が静
電チャックとして機能する。また、基体載置ステージ1
0の母材112内に配設されたヒータ114は、電源3
2に接続されている。更には、基体の温度を計測するた
めの蛍光ファイバ温度計36が、エッチング装置20に
は備えられている。
【0049】尚、図4の(A)に示した基体載置ステー
ジ10においては、基体の設定温度にも依るが、通常
は、ヒータ114による加熱によって主たる温度制御が
なされる。そして、温度制御用熱媒体による基体載置ス
テージ10の温度制御は、基体の温度安定のための補助
的な温度制御である。即ち、プラズマエッチング処理等
を行った場合、プラズマからの入熱を基体、更には基体
載置ステージ10が受ける結果、ヒータ114による加
熱だけでは基体を設定温度に維持しておくことが困難と
なる場合がある。このような場合、ヒータ114の加熱
に加えて、基体を設定温度に保つべくプラズマからの入
熱を相殺するように設定温度より低い温度の温度制御用
熱媒体を配管115に流す。これによって、基体を設定
温度に安定させることができる。尚、図1においては、
エッチングガス導入部、ゲートバルブ等のエッチング装
置の細部については、その図示を省略した。
【0050】複合材料11によって構成されるチャンバ
ー壁22の作製方法を、以下、説明する。複合材料11
は、(A)セラミックス部材の組織中にアルミニウム系
材料を充填し、以て、セラミックス部材の組織中にアル
ミニウム系材料が充填された母材を作製する工程と、
(B)母材の表面にセラミックス層を設ける工程から作
製される。実施の形態1においては、この工程(A)
は、容器の中に多孔質のコージエライトセラミックスを
組成としたセラミックス部材を配し、容器内に溶融した
アルミニウムとケイ素とを組成としたアルミニウム系材
料を流し込み、高圧鋳造法にてセラミックス部材中にア
ルミニウム系材料を充填する工程から成る。
【0051】多孔質のコージエライトセラミックスを組
成としたセラミックス部材は、セラミックス部材を作製
する際の焼結過程において多孔質化される。実施の形態
1においては、多孔質のコージエライトセラミックスと
して、コージエライトセラミックス粉体とコージエライ
トセラミックス繊維とを焼結して得られる焼結体である
多孔質のコージエライトセラミックス・ファイバーボー
ド(以下、ファイバーボードと略称する)を用いた。一
般的な粉体焼結セラミックスが約1200゜Cで高温焼
結されるのに対して、ファイバーボードは約800゜C
で低温焼結されたものであり、コージエライトセラミッ
クス繊維の周りにコージエライトセラミックス粉体がバ
インダーを介して密着するように焼結され、多孔質化さ
れている。従って、例えば、コージエライトセラミック
ス粉体とコージエライトセラミックス繊維との容積比を
変えることによって、得られる多孔質のコージエライト
セラミックスを組成としたセラミックス部材の空孔率や
空孔径を調整することが可能である。
【0052】チャンバー壁22を作製するには、先ず、
所定の形状(環状)に成形された複数のファイバーボー
ドを用意する。尚、ファイバーボードには、必要に応じ
て各種の配管等を取り付けるためのフランジや孔部を設
けておく。また、ヒータ14を配設するための溝を設け
ておく。そして、これらの環状のファイバーボードを容
器(鋳型)内に積み上げる。尚、環状のファイバーボー
ドと環状のファイバーボードとの間には、必要に応じて
ヒータ14を配置する。そして、ファイバーボードを約
800゜Cに予備加熱しておき、続いて、容器(鋳型)
内に約800゜Cに加熱して溶融状態としたアルミニウ
ム系材料(Al80体積%−Si20体積%)を流し込
む。そして、容器(鋳型)内に約1トン/cm2の高圧
を加える高圧鋳造法を実行する。その結果、多孔質のフ
ァイバーボードには、即ち、セラミックス部材の組織中
には、アルミニウム系材料が充填される。そして、アル
ミニウム系材料を冷却・固化することによって、母材1
2が作製される。
【0053】次いで、中空円筒形の母材12の内面を研
磨する。その後、この研磨面に、Al23にTiO2
約2.5重量%混合した粒径が約10μmの混合粉末を
真空溶射法によって溶融状態で吹き付け、固化させる。
これによって、厚さ約0.2mmのセラミックス層13
を溶射法にて形成することができる。尚、セラミックス
層13の形成の前に、溶射下地層として例えばアルミニ
ウムを約5重量%含んだニッケル(Ni−5重量%A
l)を溶射しておき、この溶射下地層上にセラミックス
層13を溶射法にて形成してもよい。
【0054】このようにして得られたチャンバー壁22
にあっては、多孔質のコージエライトセラミックス・フ
ァイバーボードにAl80体積%−Si20体積%のア
ルミニウム系材料を充填して得られた材料で母材12が
構成されており、母材12の線膨張率α1はセラミック
ス層13の線膨張率α2に近い値となっている。従っ
て、チャンバー壁22の加熱・冷却による母材12とセ
ラミックス層13の伸縮の度合いは殆ど同じである。そ
れ故、これらの材料間の線膨張率α1,α2の差に起因し
て、高温加熱時や高温から常温にチャンバー壁22を戻
したときにセラミックス層13に割れ等の損傷が発生す
ることを確実に回避することができる。また、複合材料
11は優れた熱伝導性を有するので、ヒータ14によっ
てチャンバー壁22を効率良く加熱することができる。
【0055】基体載置ステージ10を作製するには、先
ず、所定の円盤形状に成形された第1のファイバーボー
ドを用意する。尚、第1のファイバーボードには、ヒー
タ114を配設するための溝を加工しておく。また、第
1のファイバーボードとは別の第2のファイバーボード
を用意する。この第2のファイバーボードには、配管1
15を配設するための溝を加工しておく。そして、容器
(鋳型)の底部に第1のファイバーボードを配し、更
に、第1のファイバーボードに設けられた溝内にヒータ
114を配置する。次に、第1のファイバーボード上に
第2のファイバーボードを乗せ、第2のファイバーボー
ドに設けられた溝内に配管115を配置する。そして、
更に、この第2のファイバーボード上に第3のファイバ
ーボードを乗せる。尚、これらのファイバーボードに
は、プッシャーピン等を埋設するための孔を予め加工し
ておく。
【0056】次いで、これらのファイバーボードから成
るセラミックス部材を約800゜Cに予備加熱してお
き、続いて、容器(鋳型)内に約800゜Cに加熱して
溶融状態としたアルミニウム系材料(Al80体積%−
Si20体積%)を流し込む。そして、容器(鋳型)内
に約1トン/cm2の高圧を加える高圧鋳造法を実行す
る。その結果、多孔質のファイバーボードには、即ち、
セラミックス部材の組織中には、アルミニウム系材料が
充填される。そして、アルミニウム系材料を冷却・固化
させることによって、母材112が作製される。
【0057】次いで、母材112の上面、即ち、ヒータ
側の面を研磨する。その後、この研磨面に、Al23
TiO2を約2.5重量%混合した粒径が約10μmの
混合粉末を真空溶射法によって溶融状態で吹き付け、固
化させる。これによって、体積固有抵抗値が1011Ω/
□オーダーの厚さ約0.2mmのセラミックス層113
を溶射法にて形成することができる。尚、セラミックス
層113の形成の前に、溶射下地層として例えばアルミ
ニウムを約5重量%含んだニッケル(Ni−5重量%A
l)を溶射しておき、この溶射下地層上にセラミックス
層113を溶射法にて形成してもよい。
【0058】このようにして得られた基体載置ステージ
10は、多孔質のコージエライトセラミックス・ファイ
バーボードから成るセラミックス部材にAl80体積%
−Si20体積%のアルミニウム系材料を充填して得ら
れた母材(温度調節ジャケット)112によって構成さ
れており、母材112の線膨張率α1はセラミックス層
113の線膨張率α2に近い値となっている。従って、
基体載置ステージ10の加熱・冷却による母材112と
セラミックス層113の伸縮の度合いは殆ど同じであ
る。それ故、これらの材料間の線膨張率α1,α2の差に
起因して、高温加熱時や、高温から常温に基体載置ステ
ージ10を戻したときにセラミックス層113に割れ等
の損傷が発生することを確実に回避することができる。
【0059】また、チャンバー壁22及び基体載置ステ
ージ10の作製方法にあっては、特に、多孔質のコージ
エライトセラミックス・ファイバーボードを用いている
が、高圧鋳造時にアルミニウム系材料がその空孔内に入
り込む際の衝撃にファイバーボードは耐え得る。その結
果、ファイバーボードに割れが生じることを抑制するこ
とができる。即ち、通常の粉末焼結法によって得られる
多孔質のコージエライトセラミックスから成るセラミッ
クス部材においては、高圧鋳造時に割れが起こり易い。
然るに、多孔質のコージエライトセラミックス・ファイ
バーボードを用いることによって、高圧鋳造時における
セラミックス部材の割れ発生を抑えることができる。
【0060】そして、高圧鋳造時にファイバーボードに
割れ等が発生することを回避できるので、母材の表面に
設けられたセラミックス層にクラック等の損傷が生じる
ことを一層確実に防止することができる。即ち、ファイ
バーボードに割れが発生したとしても、ファイバーボー
ドから成るセラミックス部材の組織中にアルミニウム系
材料を充填したとき、アルミニウム系材料が一種の接着
材として働く結果、母材を得ることはできる。しかしな
がら、このようにして得られた母材においては、ファイ
バーボードに発生した割れ等の隙間にアルミニウム系材
料から成る層が形成されてしまう。その結果、母材の表
面に設けられたセラミックス層が、チャンバー壁22や
基体載置ステージ10の使用時、温度変化に追従できな
くなり、セラミックス層に割れが生じ易くなる。つま
り、セラミックス層は、粒径が約10μmの混合粉末が
溶射されそして母材と同化されているので、ファイバー
ボードにおける1〜2μmの空孔内に充填されたアルミ
ニウム系材料そのものの熱膨張からは殆ど影響を受けな
い。しかしながら、ファイバーボードの割れた部分の隙
間に存在するアルミニウム系材料から成る層は、セラミ
ックス層を形成する粒子の径より大きい長さや幅を有す
る。従って、アルミニウム系材料から成るかかる層の熱
膨張によるセラミックス層への影響は無視できないもの
となり、セラミックス層に割れが発生する確率が高くな
る。
【0061】また、セラミックス層を母材上に溶射法に
て形成するので、母材とセラミックス層とがより一層一
体化する。これによって、母材とセラミックス層との間
の応力緩和が図れると共に、母材からセラミックス層へ
の熱伝導が速やかとなり、基体載置ステージ10を構成
するセラミックス層に保持・固定された基体(あるいは
シリコン半導体基板)の温度制御を迅速に且つ確実に行
うことが可能となる。
【0062】次に、エッチング装置20を用いたプラズ
マエッチング法を、図5の(A)及び(B)を参照して
説明する。尚、このプラズマエッチング法においては、
主に銅(Cu)薄膜43が基体に相当する。
【0063】先ず、シリコン半導体基板40の上に形成
されたSiO2から成る下地絶縁層41の上に、銅薄膜
を形成する。具体的には、先ず、シリコン半導体基板4
0の上に公知の方法で形成された下地絶縁層41の上
に、密着層としてTiN膜42をスパッタ法によって形
成した。続いて、TiN膜42の上にスパッタ法によっ
て基体に相当する銅薄膜43を形成し、更にその上にス
パッタ法にてTiN膜44を形成した。そして、このT
iN膜44の上にSiO2膜を形成し、更に公知のリソ
グラフィ技術及びエッチング技術によってこのSiO2
膜をパターニングし、SiO2膜から成るマスクパター
ン45を形成した。この状態を、図5の(A)の模式的
な一部断面図に示す。
【0064】次いで、マスクパターン45を形成したシ
リコン半導体基板40を図1に示したエッチング装置2
0内の基体載置ステージ10上に載置し、セラミックス
層113に静電吸着力を発揮させてシリコン半導体基板
40を基体載置ステージ10上に保持・固定する。そし
て、ヒータ114の作動及び温度制御用熱媒体を配管1
15に流すことによって基体載置ステージ10の加熱を
行い、基体である銅薄膜43を含むシリコン半導体基板
40を以下の表1に示す設定温度に調整した。また、チ
ャンバー壁22内のヒータ14の作動により、チャンバ
ー壁22を以下の表1に示す設定温度に調整した。そし
て、マスクパターン45をエッチング用マスクとして、
以下の表1に例示する条件にて、TiN膜44、基体で
ある銅薄膜43、TiN膜42に対してプラズマエッチ
ング処理を行い、銅薄膜43から構成された配線を得
た。この状態を、図5の(B)の模式的な一部断面図に
示す。
【0065】
【表1】 エッチングガス :Cl2=5sccm 圧力 :0.05Pa 電源27からのパワー(RFアンテナ25):1.5kW 電源30からのRFバイアス :300W(2MHz) シリコン半導体基板温度(T1) :250゜C チャンバー壁温度(T2) :300゜C
【0066】このようにしてプラズマエッチング処理を
行ったところ、基体である銅薄膜とエッチング用ガスで
あるCl2の反応生成物である銅の塩化物がチャンバー
壁22に堆積することがなく、安定して銅薄膜の異方性
加工を行うことができた。しかも、エッチング処理中に
おいてもプラズマからの入熱に起因するシリコン半導体
基板40等の温度上昇が殆ど認められず、エッチング処
理中、シリコン半導体基板40、更には銅薄膜43を設
定温度の近傍(250〜260゜C)に安定して保つこ
とができた。そして、このように銅薄膜43を含むシリ
コン半導体基板40の温度を高精度で安定させることが
できたため、エッチングガスとしてCl2を単独で用い
たにも拘わらず、良好な異方性形状を有する配線を形成
することができ、銅薄膜43の加工を良好に行うことが
できた。また、このようなエッチング処理を繰り返して
行った後、メンテナンス時などにチャンバー21内を常
温に戻しても、チャンバー壁22や基体載置ステージ1
0のセラミックス層13,113の割れ等の破損は全く
認められなかった。
【0067】尚、図2の(B)の模式的な断面図に示す
ように、チャンバー壁22においては、セラミックス層
を溶射法でなくロウ付け法によって母材12の表面に設
けてもよい。この場合には、焼結法にて作製されたAl
23製セラミックス環状部材から成るセラミックス層1
6を、例えば、約600゜Cの温度にてAl−Mg−G
e系のロウ材17を用いたロウ付け法にて母材12の表
面に取り付ければよい。また、図4の(B)の模式的な
断面図に示すように、基体載置ステージ10において
は、セラミックス層を溶射法でなくロウ付け法によって
母材112の表面に設けてもよい。この場合には、焼結
法にて作製されたAl23製セラミックス板から成るセ
ラミックス層116を、例えば、約600゜Cの温度に
てAl−Mg−Ge系のロウ材117を用いたロウ付け
法にて母材112の表面に取り付ければよい。尚、ロウ
材としては、その他、チタン、錫、アンチモン、マグネ
シウムから成る合金を挙げることができる。
【0068】あるいは又、図3の(A)や(B)の模式
的な断面図に示すように、ヒータ14を母材12に埋設
する代わりに、チャンバー壁22の外面(チャンバー2
1と面する面とは反対側の面)に、例えば、PBNヒー
タ(パイロリティック・ボロン・ナイトライド・パイロ
リティック・グラファイト・ヒータ)から成るヒータ1
4’を取り付けてもよい。
【0069】銅薄膜のドライエッチング処理において
は、エッチング用ガスとして、Cl2以外にも、HC
l、HBr、HI、BCl3といったガスを単独で若し
くは混合して用いることができる。HBrを使用したと
きの銅薄膜のドライエッチング条件を、以下の表2に例
示する。
【0070】
【表2】 エッチングガス :HBr=10sccm 圧力 :0.5Pa 電源27からのパワー(RFアンテナ25):2.5kW 電源30からのRFバイアス :300W シリコン半導体基板温度(T1) :250゜C チャンバー壁温度(T3) :300゜C
【0071】(実施の形態2)実施の形態2は実施の形
態1の変形である。実施の形態2が実施の形態1と相違
する点は、複合材料における母材を構成するセラミック
ス部材の組成を窒化アルミニウムとし、母材を構成する
アルミニウム系材料の組成をアルミニウムとした点にあ
る。
【0072】複合材料によって構成されるチャンバー壁
22Aの構造は、図7の(A)に模式的な一部断面図を
示すように、実質的には図4の(A)に示した構造と同
じである。このチャンバー壁22Aも複合材料11Aか
ら構成されている。この複合材料11Aは、セラミック
ス部材の組織中にアルミニウム系材料が充填された母材
12Aと、この母材12Aの表面に設けられたセラミッ
クス層13Aとから成る。母材12Aの形状は中空円筒
形である。また、母材12Aの外面(チャンバー21と
面する面とは反対側の面)にはヒータ14Aが取り付け
られている。
【0073】実施の形態2においては、母材12Aを構
成するセラミックス部材の組成を窒化アルミニウム(A
lN)とした。尚、窒化アルミニウムの線膨張率は5.
1×10-6/Kであり、熱伝導率は0.235cal/
cm・秒・Kである。また、母材を構成するアルミニウ
ム系材料の組成をアルミニウム(Al)とした。(α1
−3)≦α2≦(α1+3)の関係を満足するように窒化
アルミニウムとアルミニウムとの容積比は決定されてお
り、具体的には、窒化アルミニウム/アルミニウムの容
積比は70/30である。尚、母材12Aの線膨張率
は、100〜300゜Cにおける平均値で、8.7×1
-6/Kである。即ち、α1=8.7である。セラミッ
クス層13Aを構成する材料を、TiO2が約2.5重
量%添加されたAl23とした。セラミックス層13A
は、溶射法にて母材12Aの表面に形成されている。A
23にTiO2を添加することによって、その線膨張
率は、100〜300゜Cにおける平均値で、約9×1
-6/K(α2=約9)となり、母材12Aの線膨張率
α1とほぼ同じ値となる。これによって、母材12Aの
高温加熱などによる温度変化によってもセラミックス層
13Aに割れ等の損傷が発生することを効果的に防止し
得る。
【0074】実施の形態2におけるヒータ14Aは、約
400゜Cまでの加熱が可能なPBNヒータである。ヒ
ータ14Aを母材12Aの外側表面に取り付けることに
より、母材12Aを常温から約400゜Cまでの範囲内
で温度制御することが可能となる。
【0075】複合材料11Aによって構成されるチャン
バー壁22Aの作製方法を例にとり、以下、説明する
が、基体載置ステージも実質的には同様の方法で作製す
ることができる。複合材料11Aは、基本的には、実施
の形態1と同様に、(A)セラミックス部材の組織中に
アルミニウム系材料を充填し、以て、セラミックス部材
の組織中にアルミニウム系材料が充填された母材を作製
する工程と、(B)母材の表面にセラミックス層を設け
る工程から作製される。実施の形態2においては、この
工程(A)は、非加圧金属浸透法に基づき、窒化アルミ
ニウム粒子から成形されたセラミックス部材に溶融した
アルミニウムを組成としたアルミニウム系材料を非加圧
状態にて浸透させる工程から成る。
【0076】具体的には、平均粒径10μmのAlN粒
子を泥漿鋳込み成形法にて成形した後、約1000゜C
の温度で焼成(焼結)を行うことによって、AlN粒子
を成形したプリフォームであるセラミックス部材を作製
した。そして、このセラミックス部材を約800゜Cに
予備加熱しておき、約約800゜Cに加熱して溶融した
アルミニウムを非加圧でセラミックス部材に浸透させ
る。これによって、AlN70体積%−Al体積30%
の構成の母材12Aを作製することができる。次いで、
母材12Aを成形加工して中空円筒形状とする。次い
で、このようにして得られた母材12Aの内面を研磨す
る。その後、この研磨面に、Al23にTiO2を約
2.5重量%混合した粒径が約10μmの混合粉末を真
空溶射法によって溶融状態で吹き付け、固化させる。そ
の後、母材12Aの外面、即ちセラミックス層13Aが
設けられた面と反対側の面にPBNヒータから成るヒー
タ14Aを取り付け、チャンバー壁22Aを得る。尚、
セラミックス層13Aの形成の前に、溶射下地層として
例えばアルミニウムを約5重量%含んだニッケル(Ni
−5重量%Al)を溶射しておき、この溶射下地層上に
セラミックス層13Aを溶射法にて形成してもよい。
【0077】このようにして作製されたチャンバー壁2
2Aにあっては、セラミックス層13Aの線膨張率α2
が母材12Aの線膨張率α1とほぼ同じ値となってい
る。それ故、母材12Aの高温加熱などによる温度変化
によっても、セラミックス層13Aに割れ等の損傷は発
生しない。即ち、チャンバー壁の温度変化に起因するセ
ラミックス層13Aの割れ等の損傷発生を効果的に防止
することができる。尚、窒化アルミニウムとアルミニウ
ムとの容積比を調整することによって、更には、必要に
応じて、Al23から成るセラミックス層13Aにおけ
るTiO2の添加率を調整することによって、母材12
Aの線膨張率α1とセラミックス層13Aの線膨張率α2
を、(α1−3)≦α2≦(α1+3)の関係を満足する
関係とすることができる。
【0078】また、セラミックス層13Aを母材12A
上に溶射法にて形成するので、母材12Aとセラミック
ス層13Aとがより一層一体化する。これによって、母
材12Aとセラミックス層13Aとの間の応力緩和が図
れると共に、母材12Aからセラミックス層13Aへの
熱伝導が速やかとなる。
【0079】実施の形態2における基体載置ステージ1
0Aの模式的な断面図を、図8の(A)に示す。この基
体載置ステージ10Aも複合材料111Aから構成され
ている。この複合材料111Aは、セラミックス部材の
組織中にアルミニウム系材料が充填された母材112A
(温度調節ジャケットに相当する)と、この母材112
Aの表面に設けられたセラミックス層113Aとから成
る。母材112Aの形状は円盤である。また、実施の形
態1と異なり、母材112Aの底面には、PBNヒータ
から成るヒータ114Aが取り付けられている。
【0080】実施の形態2においては、複合材料111
Aの構成を、実質的にはチャンバー壁22Aの構成と同
様とした。尚、Al23にTiO2を添加することによ
り、セラミックス層113Aの体積固有抵抗値を1011
Ω/□のオーダーに調整することができる。これによっ
て、セラミックス層113Aが静電チャックとしての機
能を効果的に発揮する。また、PBNヒータから成るヒ
ータ114Aを母材112Aである温度調節ジャケット
の裏面に取り付けることにより、母材112Aを常温か
ら約400゜Cまでの範囲内で温度制御することが可能
となる。そして、基体載置ステージ10Aの母材112
Aに配線(図示せず)を介して直流電圧を電源31(図
1参照)から印加すれば、母材112Aを電極として用
いることができ、セラミックス層113Aが静電チャッ
クとして機能する。尚、この基体載置ステージ10Aに
は、セラミックス層113A上に載置、保持された例え
ばシリコン半導体基板を押し上げるためのプッシャーピ
ン(図示せず)が埋設されている。また、このプッシャ
ーピンには、プッシャーピンをセラミックス層113A
の頂面上に突出させあるいは頂面下に埋没させる機構
(図示せず)が取り付けられている。
【0081】複合材料11A,111Aによって構成さ
れるチャンバー壁22A及び基体載置ステージ10Aを
備えた実施の形態2のエッチング装置20Bは、図6に
概念図を示すように、配管115及びこれに関連する設
備を除き、実質的には実施の形態1にて説明したドライ
エッチング装置と同様とすることができるので、詳細な
説明は省略する。また、実施の形態2におけるドライエ
ッチング装置を用いた本発明の第1の態様に係るプラズ
マエッチング法も、実質的には、実施の形態1にて説明
したドライエッチング法と同様とすることができるの
で、詳細な説明は省略する。尚、基体載置ステージ10
Aの温度制御は、蛍光ファイバ温度計36で検知された
温度を制御装置(PIDコントローラ)37で検出し、
ヒータ114Aへ電力を供給するための電源32を制御
することによって行うことができる。
【0082】チャンバー壁22Aにおいては、図7の
(B)の模式的な断面図に示すように、セラミックス層
を溶射法でなくロウ付け法によって母材12Aの表面に
設けてもよい。この場合には、焼結法にて作製されたA
23製セラミックス環状部材から成るセラミックス層
16Aを、例えば、約600゜Cの温度にてAl−Mg
−Ge系のロウ材17Aを用いたロウ付け法にて母材の
表面(チャンバー21側の面)に取り付ければよい。ま
た、図8の(B)の模式的な断面図に示すように、基体
載置ステージ10Aにおいては、セラミックス層を溶射
法でなくロウ付け法によって母材112Aの表面(チャ
ンバー21側の面)に設けてもよい。この場合には、焼
結法にて作製されたAl23製セラミックス板から成る
セラミックス層116Aを、例えば、約600゜Cの温
度にてAl−Mg−Ge系のロウ材117Aを用いたロ
ウ付け法にて母材112Aの表面に取り付ければよい。
【0083】実施の形態2において、実施の形態1にて
説明した基体載置ステージ10を備えたドライエッチン
グ装置を使用してもよいし、逆に、実施の形態1におい
て、実施の形態2にて説明した基体載置ステージ10A
を備えたドライエッチング装置を使用してもよい。
【0084】(実施の形態3)実施の形態3は、本発明
の第2の態様に係るドライエッチング法に関する。即
ち、平行平板の上部対向電極を備えたエッチング装置の
チャンバー内に配置された基体載置ステージ上に基体を
載置し、実施の形態2においては基体の温度を250゜
Cに保持し、且つ、上部対向電極の温度を基体の温度以
上(実施の形態2においては300゜C)に保持した状
態で、基体のドライエッチングを行う。尚、基体の温度
をT1゜C、上部対向電極の温度をT3゜Cとしたとき、
1≦T3≦(T1+200)の関係を満足している。実
施の形態2においても、ドライエッチングすべき基体
を、シリコン半導体基板40上に設けられたSiO2
ら成る絶縁層41上に形成された銅薄膜43とした(図
5参照)。また、エッチング用ガスとしてCl2ガスを
使用した。
【0085】複合材料によって平行平板の上部対向電極
が構成された実施の形態2のドライエッチング装置20
B(以下、単にエッチング装置20Bと略称する)の概
念図を図9に示す。また、上部対向電極の模式的な断面
図を図10の(A)に示す。
【0086】このエッチング装置20Bにおいては、下
部電極に相当する基体載置ステージ10と対向して、チ
ャンバー21内の上方に平行平板の上部対向電極50が
配置されている。この上部対向電極50は、RF電源5
1に接続されている。尚、チャンバー21のチャンバー
壁22B及び天板24Aは、実施の形態1と同様に、複
合材料11から構成されている。場合によっては、チャ
ンバー21のチャンバー壁22B及び天板24Aは、実
施の形態2と同様に、複合材料111から構成してもよ
い。また、基体載置ステージとして、実施の形態1にて
説明した基体載置ステージ10を用いたが、場合によっ
ては、実施の形態2にて説明した基体載置ステージ10
Aを用いてもよい。
【0087】実施の形態3においては、実施の形態1と
同様に、上部対向電極50の母材212を構成するセラ
ミックス部材の組成をコージエライトセラミックスとし
た。また、母材を構成するアルミニウム系材料の組成は
アルミニウム(Al)及びケイ素(Si)である。実施
の形態3においても、アルミニウム系材料を基準とし
て、アルミニウム系材料にはケイ素が20体積%含まれ
ている。尚、セラミックス部材は、コージエライトセラ
ミックス粉末とコージエライトセラミックス繊維との混
合物の焼成体(焼結体)であり、この焼成体におけるコ
ージエライトセラミックス繊維の割合を5体積%とし
た。ここで、コージエライトセラミックス粉末の平均粒
径は10μmであり、コージエライトセラミックス繊維
の平均直径は5μmであり、平均長さは2mmである。
セラミックス部材の空孔率は約50%であり、空孔径は
約1乃至2μmである。従って、コージエライトセラミ
ックス/アルミニウム系材料の容積比は約1/1であ
る。このような構成の母材212の線膨張率は、100
〜300゜Cにおける平均値で、約10.6×10-6
Kである。即ち、α1=10.6である。また、コージ
エライトセラミックス/アルミニウム系材料の容積比は
約1/1であるが故に、母材212は、純粋なセラミッ
クスの電気伝導度や熱伝導度よりも金属に近づいた値を
有する。従って、このような母材212から作製された
上部対向電極50には、高周波も問題なく印加すること
ができる。
【0088】セラミックス層213を構成する材料を、
TiO2が約2.5重量%添加されたAl23とした。
厚さ約0.2mmのセラミックス層213は、溶射法に
て母材212の表面に形成されている。このような組成
のセラミックス層213の線膨張率は、100〜300
゜Cにおける平均値で、約9×10-6/Kである。従っ
て、α2は約9であり、セラミックス層213の線膨張
率α2は(α1−3)≦α2≦(α1+3)の関係を満足し
ている。
【0089】上部対向電極50の内部には、公知のシー
ズヒータから成るヒータ214が配設されている。ヒー
タ214は、ヒータ本体(図示せず)と、ヒータ本体の
外側に配設されそしてヒータ本体を保護する鞘管(図示
せず)から構成されている。そして、ヒータ214は、
図示しない配線を介して電源52(図9参照)に接続さ
れている。ヒータ214の熱膨張は、上部対向電極50
に影響を与える。従って、母材212やセラミックス層
213の線膨張率α1,α2に近い値を有する材料を用い
ることが好ましい。具体的には、チタンやステンレスス
チール等、線膨張率が9×10-6/K〜12×10-6
Kの材料から作製された鞘管を用いることが好ましい。
即ち、ヒータ214を構成する材料(母材212と接す
る鞘管の材料)の線膨張率αH[単位:10-6/K]
は、(α1−3)≦αH≦(α1+3)の関係を満足する
ことが好ましい。尚、ヒータ214の本体の線膨張率
は、上部対向電極50に影響を与えることがないので、
特に制限されない。
【0090】複合材料211によって実施の形態3にお
ける上部対向電極50の作製方法を、以下、説明する。
複合材料211は、(A)セラミックス部材の組織中に
アルミニウム系材料を充填し、以て、セラミックス部材
の組織中にアルミニウム系材料が充填された母材を作製
する工程と、(B)母材の表面にセラミックス層を設け
る工程から作製される。実施の形態3においては、この
工程(A)は、容器(鋳型)の中に多孔質のコージエラ
イトセラミックスを組成としたセラミックス部材を配
し、容器(鋳型)内に溶融したアルミニウムとケイ素と
を組成としたアルミニウム系材料を流し込み、高圧鋳造
法にてセラミックス部材中にアルミニウム系材料を充填
する工程から成る。
【0091】実施の形態3においても、セラミックス部
材である多孔質のコージエライトセラミックスとして、
コージエライトセラミックス粉体とコージエライトセラ
ミックス繊維とを焼結して得られる焼結体である多孔質
の環状のファイバーボードを用いた。尚、ファイバーボ
ードは、実施の形態1と同様のものを使用した。上部対
向電極50を作製するには、先ず、所定の形状(直方
形)に成形された第1のファイバーボードを用意する。
この第1のファイバーボードには、ヒータ214を配設
するための溝を加工しておく。また、第1のファイバー
ボードとは別の第2のファイバーボードを用意してお
く。そして、容器(鋳型)の底部に第1のファイバーボ
ードを配し、更に、第1のファイバーボードに設けられ
た溝内にヒータ214を配置する。次に、第1のファイ
バーボード上に第2のファイバーボードを乗せる。そし
て、ファイバーボードを約800゜Cに予備加熱してお
き、続いて、容器(鋳型)内に約800゜Cに加熱して
溶融状態としたアルミニウム系材料(Al80体積%−
Si20体積%)を流し込む。そして、容器(鋳型)内
に約1トン/cm2の高圧を加える高圧鋳造法を実行す
る。その結果、多孔質のファイバーボードには、即ち、
セラミックス部材の組織中には、アルミニウム系材料が
充填される。そして、アルミニウム系材料を冷却・固化
することによって、母材212が作製される。
【0092】次いで、直方形の母材212の表面を研磨
する。その後、この研磨面に、Al23にTiO2を約
2.5重量%混合した粒径が約10μmの混合粉末を真
空溶射法によって溶融状態で吹き付け、固化させる。こ
れによって、厚さ約0.2mmのセラミックス層213
を溶射法にて形成することができる。尚、セラミックス
層213の形成の前に、溶射下地層として例えばアルミ
ニウムを約5重量%含んだニッケル(Ni−5重量%A
l)を溶射しておき、この溶射下地層上にセラミックス
層213を溶射法にて形成してもよい。
【0093】尚、図10の(B)の模式的な断面図に示
すように、セラミックス層を溶射法でなくロウ付け法に
よって母材212の表面に設けてもよい。この場合に
は、焼結法にて作製されたAl23製セラミックス板か
ら成るセラミックス層216を、例えば、約600゜C
の温度にてAl−Mg−Ge系のロウ材217を用いた
ロウ付け法にて母材212の表面に取り付ければよい。
【0094】このようにして得られた上部対向電極50
にあっては、多孔質のコージエライトセラミックス・フ
ァイバーボードにAl80体積%−Si20体積%のア
ルミニウム系材料を充填して得られた材料で母材212
が構成されており、母材212の線膨張率α1はセラミ
ックス層213の線膨張率α2に近い値となっている。
従って、上部対向電極50の加熱・冷却による母材21
2とセラミックス層213の伸縮の度合いは殆ど同じで
ある。それ故、これらの材料間の線膨張率α1,α2の差
に起因して、高温加熱時や高温から常温に上部対向電極
50を戻したときにセラミックス層213に割れ等の損
傷が発生することを確実に回避することができる。ま
た、複合材料211は優れた熱伝導性を有するので、ヒ
ータ214によって上部対向電極50を効率良く加熱す
ることができる。
【0095】実施の形態3においても、銅薄膜のドライ
エッチングを行った。ドライエッチング条件を、以下の
表3に例示する条件とした。ヒータ214及びヒータ1
4によって上部対向電極50及びチャンバー壁22B、
天板24Aの温度を300゜Cとした。
【0096】
【表3】 エッチングガス :Cl2=5sccm 圧力 :0.05a 電源51からのパワー :2.5kW 電源30からのパワー :900W(2MHz) シリコン半導体基板温度(T1) :250゜C 上部対向電極の温度(T3) :300゜C チャンバー壁及び天板の温度(T2):300゜C
【0097】このようにしてプラズマエッチング処理を
行ったところ、基体である銅薄膜とエッチング用ガスで
あるCl2の反応生成物である銅の塩化物が上部対向電
極50やチャンバー壁22B、天板24Aに堆積するこ
とがなく、安定して銅薄膜の異方性加工を行うことがで
きた。また、上部対向電極50及びチャンバー壁22
B、天板24A、基体載置ステージ10を構成するセラ
ミックス層213,13,113に割れ等の損傷が発生
することはなかった。
【0098】尚、上部対向電極は、実施の形態2におい
て説明した複合材料の製造方法に基づき、母材を構成す
るセラミックス部材の組成が窒化アルミニウムであり、
母材を構成するアルミニウム系材料の組成がアルミニウ
ムであり、セラミックス層を構成する材料がAl23
ある複合材料から作製することもできる。
【0099】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明した、ドライエッチング
装置の構造は例示であり、適宜設計変更することができ
る。また、発明の実施の形態にて説明した各種の加工条
件も例示であり、適宜変更することができる。更には、
複合材料の組成やコージエライトセラミックス・ファイ
バーボードの物性も例示であり、適宜変更することがで
きる。
【0100】
【発明の効果】本発明のドライエッチング法において
は、基体の温度を200乃至300゜Cに保持し、且
つ、チャンバー壁あるいは上部対向電極の温度を基体の
温度以上に保持した状態で基体のドライエッチングを行
うので、基体とエッチング用ガスの反応生成物がチャン
バー壁上あるいは上部対向電極上に堆積することを防止
することができ、パーティクルレベルが悪化するといっ
た問題の発生を回避することができる。
【0101】また、本発明において、チャンバー壁ある
いは上部対向電極を複合材料から作製すれば、母材はセ
ラミックス部材とアルミニウム系材料との中間的な性質
を有するものとなり、例えば線膨張率に関してもこれら
の中間的な値に調整が可能となる。それ故、反応生成物
がチャンバー壁上あるいは上部対向電極上に堆積するこ
とを防止し得る十分に高い温度にチャンバー壁あるいは
上部対向電極を保持しても、母材とセラミックス層との
熱膨張に起因したセラミックス層の損傷発生を回避でき
る。即ち、セラミックス層に損傷が生じること無く、チ
ャンバー壁あるいは上部対向電極を確実に加熱すること
ができる。しかも、母材は高い熱伝導率を有しているの
で、効率良く加熱することが可能である。更には、セラ
ミックス層が設けられているので、金属汚染の発生防止
や、例えばハロゲンガスによる複合材料の腐蝕発生を効
果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1におけるドライエッチング
装置の概念図である。
【図2】発明の実施の形態1のドライエッチング装置に
おけるチャンバー壁の模式的な一部断面図である。
【図3】発明の実施の形態1のドライエッチング装置に
おけるチャンバー壁の模式的な一部断面図である。
【図4】発明の実施の形態1のドライエッチング装置に
おける基体載置ステージの模式的な断面図である。
【図5】発明の実施の形態1におけるドライエッチング
法を説明するための半導体基板等の模式的な一部断面図
である。
【図6】発明の実施の形態2におけるドライエッチング
装置の概念図である。
【図7】発明の実施の形態2のドライエッチング装置に
おけるチャンバー壁の模式的な一部断面図である。
【図8】発明の実施の形態2のドライエッチング装置に
おける基体載置ステージの模式的な断面図である。
【図9】発明の実施の形態3におけるドライエッチング
装置の概念図である。
【図10】発明の実施の形態3のドライエッチング装置
における平行平板の上部対向電極の模式的な断面図であ
る。
【符号の説明】
10,10A・・・基体載置ステージ、11,11A・
・・複合材料、12,12A・・・母材、13,13
A,16,16A・・・セラミックス層、14,14A
・・・ヒータ、15・・・配管、17,17A・・・ロ
ウ材、20,20A,20B・・・ドライエッチング装
置、21・・・チャンバー、22,22A,22B・・
・チャンバー壁、23・・・電源、24,24A・・・
チャンバーの天板、25・・・RFアンテナ、26・・
・マッチングネットワーク、27・・・電源、28・・
・排気口、30・・・バイアス電源、31・・・直流電
源、32・・・電源、33A,33B,33C・・・配
管、34・・・制御バルブ、35・・・温度制御用熱媒
体供給装置、36・・・蛍光ファイバ温度計、37・・
・制御装置(PIDコントローラ)、40・・・シリコ
ン半導体基板、41・・・下地絶縁層、42,44・・
・TiN膜、43・・・銅薄膜、45・・・マスクパタ
ーン、50・・・上部対向電極、51,52・・・電源

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エッチング装置のチャンバー内に配置され
    た基体載置ステージ上に基体を載置し、基体の温度を2
    00乃至300゜Cに保持し、且つ、チャンバー壁の温
    度を基体の温度以上に保持した状態で、基体のドライエ
    ッチングを行うことを特徴とするドライエッチング法。
  2. 【請求項2】基体の温度をT1゜C、チャンバー壁の温
    度をT2゜Cとしたとき、T1≦T2≦(T1+200)の
    関係を満足することを特徴とする請求項1に記載のドラ
    イエッチング法。
  3. 【請求項3】平行平板の上部対向電極を備えたエッチン
    グ装置のチャンバー内に配置された基体載置ステージ上
    に基体を載置し、基体の温度を200乃至300゜Cに
    保持し、且つ、上部対向電極の温度を基体の温度以上に
    保持した状態で、基体のドライエッチングを行うことを
    特徴とするドライエッチング法。
  4. 【請求項4】基体の温度をT1゜C、上部対向電極の温
    度をT3゜Cとしたとき、T1≦T3≦(T1+200)の
    関係を満足することを特徴とする請求項3に記載のドラ
    イエッチング法。
  5. 【請求項5】ドライエッチングすべき基体は、基板上に
    設けられた絶縁層上に形成された銅薄膜であることを特
    徴とする請求項1又は請求項3に記載のドライエッチン
    グ法。
  6. 【請求項6】エッチング用ガスとして、Cl2ガス、H
    Clガス、HBrガス、HIガス及びBCl3ガスから
    成る群から選択された少なくとも1種類のガスを使用す
    ることを特徴とする請求項5に記載のドライエッチング
    法。
  7. 【請求項7】チャンバー壁は、セラミックス部材の組織
    中にアルミニウム系材料が充填された母材と、該母材の
    表面に設けられたセラミックス層とから成る複合材料か
    ら作製されていることを特徴とする請求項1に記載のド
    ライエッチング法。
  8. 【請求項8】複合材料には温度制御手段が配設され、該
    温度制御手段はヒータから構成されていることを特徴と
    する請求項7に記載のドライエッチング法。
  9. 【請求項9】ヒータは母材の内部に配設されており、 母材の線膨張率をα1×10-6/kとしたとき、ヒータ
    を構成する材料の線膨張率αH[単位:10-6/K]は
    (α1−3)≦αH≦(α1+3)の関係を満足すること
    を特徴とする請求項8に記載のドライエッチング法。
  10. 【請求項10】上部対向電極は、セラミックス部材の組
    織中にアルミニウム系材料が充填された母材と、該母材
    の表面に設けられたセラミックス層とから成る複合材料
    から作製されていることを特徴とする請求項3に記載の
    ドライエッチング法。
  11. 【請求項11】複合材料には温度制御手段が配設され、
    該温度制御手段はヒータから構成されていることを特徴
    とする請求項10に記載のドライエッチング法。
  12. 【請求項12】ヒータは母材の内部に配設されており、 母材の線膨張率をα1[単位:10-6/K]としたと
    き、ヒータを構成する材料の線膨張率αH[単位:10
    -6/K]は(α1−3)≦αH≦(α1+3)の関係を満
    足することを特徴とする請求項11に記載のドライエッ
    チング法。
  13. 【請求項13】基体載置ステージは、静電チャック機能
    を有し、且つ、温度制御手段を備え、そして、セラミッ
    クス部材の組織中にアルミニウム系材料が充填された母
    材と、該母材の表面に設けられたセラミックス層とから
    成る複合材料から作製されていることを特徴とする請求
    項1又は請求項3に記載のドライエッチング法。
  14. 【請求項14】基体載置ステージを電極として用い、セ
    ラミックス層は静電チャック機能を有することを特徴と
    する請求項13に記載のドライエッチング法。
  15. 【請求項15】基体載置ステージには温度制御手段が配
    設され、該温度制御手段はヒータから構成されているこ
    とを特徴とする請求項13に記載のドライエッチング
    法。
  16. 【請求項16】ヒータは母材の内部に配設されており、 母材の線膨張率をα1[単位:10-6/K]としたと
    き、ヒータを構成する材料の線膨張率αH[単位:10
    -6/K]は(α1−3)≦αH≦(α1+3)の関係を満
    足することを特徴とする請求項15に記載のドライエッ
    チング法。
  17. 【請求項17】温度制御手段は、母材の内部に配設され
    た温度制御用熱媒体を流す配管から更に構成されてお
    り、 母材の線膨張率をα1[単位:10-6/K]としたと
    き、配管の線膨張率αP[単位:10-6/K]は(α1
    3)≦αP≦(α1+3)の関係を満足することを特徴と
    する請求項15に記載のドライエッチング法。
  18. 【請求項18】母材の線膨張率をα1[単位:10-6
    K]としたとき、セラミックス層の線膨張率α2[単
    位:10-6/K]は(α1−3)≦α2≦(α1+3)の
    関係を満足することを特徴とする請求項7、請求項10
    及び請求項13のいずれか1項に記載のドライエッチン
    グ法。
  19. 【請求項19】母材を構成するセラミックス部材の組成
    はコージエライトセラミックスであり、母材を構成する
    アルミニウム系材料の組成はアルミニウム及びケイ素で
    あり、セラミックス層を構成する材料はAl23である
    ことを特徴とする請求項18に記載のドライエッチング
    法。
  20. 【請求項20】母材を構成するセラミックス部材の組成
    は窒化アルミニウムであり、母材を構成するアルミニウ
    ム系材料の組成はアルミニウムであり、セラミックス層
    を構成する材料はAl23であることを特徴とする請求
    項18に記載のドライエッチング法。
  21. 【請求項21】セラミックス層は、溶射法にて母材の表
    面に形成されていることを特徴とする請求項18に記載
    のドライエッチング法。
  22. 【請求項22】セラミックス層は、ロウ付け法にて母材
    の表面に取り付けられていることを特徴とする請求項1
    8に記載のドライエッチング法。
JP22153597A 1997-08-18 1997-08-18 ドライエッチング法 Pending JPH1161448A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22153597A JPH1161448A (ja) 1997-08-18 1997-08-18 ドライエッチング法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22153597A JPH1161448A (ja) 1997-08-18 1997-08-18 ドライエッチング法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1161448A true JPH1161448A (ja) 1999-03-05

Family

ID=16768250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22153597A Pending JPH1161448A (ja) 1997-08-18 1997-08-18 ドライエッチング法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1161448A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003007674A (ja) * 2001-06-19 2003-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置の製造方法
US7300707B2 (en) 2004-10-25 2007-11-27 Creative Technology Corporation Aluminium composite structure having a channel therein and method of manufacturing the same
JP2010524225A (ja) * 2007-04-02 2010-07-15 ソースル シーオー エルティディー 基板支持装置及びこれを備えるプラズマエッチング装置
JP2019096650A (ja) * 2017-11-17 2019-06-20 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置
KR20200022337A (ko) * 2018-08-22 2020-03-03 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 환상 부재, 플라즈마 처리 장치 및 플라즈마 에칭 방법
JPWO2019188496A1 (ja) * 2018-03-26 2020-04-30 日本碍子株式会社 ウエハ支持台

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003007674A (ja) * 2001-06-19 2003-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置の製造方法
US7300707B2 (en) 2004-10-25 2007-11-27 Creative Technology Corporation Aluminium composite structure having a channel therein and method of manufacturing the same
JP2010524225A (ja) * 2007-04-02 2010-07-15 ソースル シーオー エルティディー 基板支持装置及びこれを備えるプラズマエッチング装置
JP2013030777A (ja) * 2007-04-02 2013-02-07 Sosul Co Ltd 基板支持装置及びこれを備えるプラズマエッチング装置
US8980049B2 (en) 2007-04-02 2015-03-17 Charm Engineering Co., Ltd. Apparatus for supporting substrate and plasma etching apparatus having the same
JP2019096650A (ja) * 2017-11-17 2019-06-20 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置
JPWO2019188496A1 (ja) * 2018-03-26 2020-04-30 日本碍子株式会社 ウエハ支持台
US11574822B2 (en) 2018-03-26 2023-02-07 Ngk Insulators, Ltd. Wafer support table with ceramic substrate including core and surface layer
KR20200022337A (ko) * 2018-08-22 2020-03-03 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 환상 부재, 플라즈마 처리 장치 및 플라즈마 에칭 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100539626B1 (ko) 유리 기판 처리 장치
JP4022954B2 (ja) 複合材料及びその製造方法、基体処理装置及びその作製方法、基体載置ステージ及びその作製方法、並びに基体処理方法
KR101831665B1 (ko) 금속 본딩된 보호 층을 갖는 기판 지지 조립체
US8941969B2 (en) Single-body electrostatic chuck
US20180151401A1 (en) Substrate support assembly having a plasma resistant protective layer
US20080029032A1 (en) Substrate support with protective layer for plasma resistance
JPH11106263A (ja) プラズマ反応装置における結合されたシリコンカーバイド部品
JP2001102436A (ja) 静電チャック及びその製造方法
JP2004235637A (ja) エッチストップ層の2段階形成方法
JPH1161448A (ja) ドライエッチング法
JPH11111682A (ja) ドライエッチング法
JP2000082695A (ja) プラズマエッチング法及び半導体装置
JP2000269189A (ja) プラズマエッチング法
JP2000331991A (ja) 半導体装置の製造方法
JP3855451B2 (ja) フルオロカーボン膜の成膜方法
JP2000058520A (ja) 基体載置ステージ及びその製造方法、並びに、基体処理方法
JP2005260251A (ja) 載置台、プラズマ処理装置、および載置台の製造方法
JPH11307515A (ja) 銅薄膜のプラズマエッチング法
JP2023512448A (ja) 熱酸化物スプレーコートとの熱膨張整合を改善するための混合金属ベースプレート
JP3438496B2 (ja) ウエハステージとその製造方法およびドライエッチング装置
JPH11312653A (ja) バリアメタル層の形成方法
US20230411124A1 (en) Ceramic component with channels
JP2000124196A (ja) プラズマエッチング法に基づくポリメタル積層体の形成方法
JP2023539146A (ja) 金属基複合材の半導体処理チャンバ構成部品の陽極酸化