JPH1161026A - 色鉛筆芯 - Google Patents

色鉛筆芯

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JPH1161026A
JPH1161026A JP24611697A JP24611697A JPH1161026A JP H1161026 A JPH1161026 A JP H1161026A JP 24611697 A JP24611697 A JP 24611697A JP 24611697 A JP24611697 A JP 24611697A JP H1161026 A JPH1161026 A JP H1161026A
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JP
Japan
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binder
pencil lead
glass transition
transition temperature
ester
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Pending
Application number
JP24611697A
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English (en)
Inventor
Hiromi Sano
博美 佐野
Yuichi Miyahara
雄一 宮原
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Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1161026A publication Critical patent/JPH1161026A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組成中に可塑剤を使用せずに、強度、発色性
を兼ね備えた色鉛筆芯を提供すること。 【解決手段】 結合材として、ガラス転移温度75℃以
下のポリメタクリル酸エステルまたは、ポリメタクリル
酸エステルを含む共重合体を使用した非焼成タイプの色
鉛筆芯。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼成することなく
得られる非焼成タイプの色鉛筆芯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、非焼成タイプの色鉛筆芯は、結合
材、着色材、体質材、滑材、ワックスその他必要に応じ
て使用される溶剤、可塑剤などを配合し、混練、成形し
必要に応じて乾燥などを施して製造されている。
【0003】上記方法で作られる色鉛筆芯の具体的な製
法としては、ニトロセルロースやカルボキシメチルセル
ロース等、有機溶剤や水に可溶な樹脂を結合材として使
用し、他の材料と共に3本ロール等で混練分散後、押出
成型機で成形して、揮発成分の水や有機溶剤を乾燥除去
して得る湿式製法と、アクリルスチレン樹脂、アクリル
ブタジエンスチレン樹脂などの極性プラスチック、ポリ
エチレン樹脂、ポリスチレンなどの非極性プラスチック
等の熱可塑性樹脂を結合材として使用し、他の材料と共
に加熱溶融させた材料を、押出成型機や型に流し込んで
成形して製品化する乾式製法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】湿式製法により得られ
る色鉛筆芯は、揮発性溶剤の存在下で結合材を溶かしロ
−ルで混練と分散を行う製法で、ロ−ルでの分散ができ
る分、強度と発色性の優れた色鉛筆芯を提供できるが、
溶剤の蒸発速度が季節間で変動するため品質が安定しな
い問題がある。
【0005】一方、乾式製法により得られる色鉛筆芯
は、主に結合材やワックス等の材料を加熱溶融させミキ
サ−で混練するだけなので、ロ−ルを使用した湿式製法
で得られた色鉛筆芯に比べ、ロ−ルの材料へのせん断効
果による十分な分散が得られないことから、一般的に太
径の色鉛筆芯用の製法となっている。
【0006】これまで乾式製法で使用される結合材と湿
式製法で使用されるニトロセルロ−スやカルボキシメチ
ルセルロ−ス等の結合材自身の曲げ強度を比べると、乾
式製法で使用される結合材の方が高いわけで、乾式製法
で使用されている樹脂を溶かしロ−ル分散させれば、強
度や発色性の優れた色鉛筆芯を提供できるはずである
が、例えば、アクリルスチレン樹脂などのガラス転移温
度は、他の素材のワックス等芯の摩耗効果、強いては発
色性に不可欠な素材を分解して特性を壊してしまう温度
域であるため、仮に強度は得られたとしても発色性など
を低下させる要因になると考えられる。
【0007】そこで、結合材の溶解する温度を下げる目
的で、可塑剤を使用して加工温度を下げ、併用する他の
材料が分解しない温度域で成形した色鉛筆芯は、溶剤の
揮散時間で左右される湿式製法でのロ−ル成形とは異な
り、ロ−ルが安定してかかるので強度的には優れた芯を
提供できるが、残存可塑剤を除去するために、使用した
可塑剤の沸点と同等かそれ以上の温度で、少なくとも数
十時間をかけて揮発させる熱処理が必要となるので、ワ
ックス成分や滑材が分解し発色性が劣った芯になってし
まう。
【0008】上述したように、従来製法による色鉛筆芯
では、例え強度的には優れていても、可塑剤を除去させ
る為に発色性が劣った色鉛筆芯しかできなのが現状であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、色鉛
筆芯の素材として必要な透明性と曲げ強さを持ち、か
つ、可塑剤を使用せず、樹脂の結合材としての強度を発
現させる為の加工温度であるガラス転移温度において、
その温度がワックスや滑材の分解を起こさせない温度域
で混練と分散ができることを念頭に置き種々検討、研究
を重ねた結果、結合材のガラス転移温度が75℃以下の
ポリメタクリル酸エステル、またはそれらの共重合体を
使用することで、可塑剤などの軟化剤を用いることな
く、ロールで混練と分散ができることで、強度はもちろ
ん発色性を兼ね備えた色鉛筆芯を得ることができること
を見い出し、本発明を完成したものである。
【0010】すなわち、本発明は、結合材として、ガラ
ス転移温度75℃以下のポリメタクリル酸エステルまた
は、ポリメタクリル酸エステルを含む共重合体を使用し
た非焼成タイプの色鉛筆芯を第1の要旨とし、第1の要
旨において、ポリメタクリル酸エステルを含む共重合体
の添加量が全量に対して20〜40重量%である色鉛筆
芯を第2の要旨とする。
【0011】以下、詳述する。結合材として使用され
る、ガラス転移温度75℃以下のポリメタクリル酸エス
テルまたは、ポリメタクリル酸エステルを含む共重合体
としては、ポリメタクリル酸エチル(65℃)、ポリメ
タクリル酸−n−プロピル(35℃)、ポリメタクリル
酸−n−ブチル(21℃)等があり、メタクリル酸エス
テルとアクリル酸エステルの共重合体として既に市販さ
れている商品の一例としては、三菱レイヨン(株)製のダ
イヤナールBR−53(56℃)、同BR−60(75
℃)、同BR−64(55℃)、同BR−79(35
℃)、同BR−90(65℃)、同BR−93(50
℃)、同BR−101(50℃)、同BR−102(2
0℃)、同BR−105(50℃)、同BR−106
(50℃)、同BR−107(50℃)、同BR−11
2(20℃)、同BR−113(75℃)、同BR−1
15(50℃)、同BR−116(50℃)、同BR−
117(35℃)、同BR−118(35℃)等のダイ
ヤナ−ルシリ−ズ等が挙げられ(カッコ内の数字はガラ
ス転移温度)、これらは常温で固体の無色透明性の樹脂
であり、これらは単独で用いても良く、また、併用して
用いることもできる。
【0012】本発明によれば、使用される結合材として
上記樹脂群を使用することが一番であるが、常温で固
体、そして無色透明で、かつ、ロ−ルでの分散や混練を
損なわせないのであれば、その他一般的な樹脂と一部併
用して使用しても何ら差し支えはない。
【0013】これら結合材を使用するにおいて、ロ−ル
での成形温度は、使用する結合材のガラス転移温度にも
よるが、ロ−ルの表面温度が常温から100℃の範囲で
設定されていれば、材料の嵩や量を考慮にいれても概ね
数十回程度、材料を通過させれば十分である。そして結
合材のガラス転移温度が75℃以上の結合材では、ワッ
クスや滑材などを分解させない温度域での混練分散がで
きず、可塑剤使用が必要な傾向にある。なお、結合材の
使用量は、芯径にもよるが、揮発溶剤分を除く全量に対
して概ね20〜40重量%用いる好ましい。20重量%
未満であると結合材としての効果がなく、40重量%を
超える使用では強度を得ることはできるが、芯が硬くな
り濃度が薄くなってしまうことがある。
【0014】以上、本発明は、結合材にガラス転移温度
75℃以下のポリメタクリル酸エステルまたは、ポリメ
タクリル酸エステルを含む共重合体を使用した以外は従
来通りに製造することができる。
【0015】体質材としては、パラフィンワックス、ポ
リエチレンワックス、ジステアリルケトン、ケトンワッ
クス等の合成系ワックス、密ろう、木ろう、カルナバワ
ックス等の天然系ワックス、タルク、マイカ、窒化ホウ
素、Nε−ラウロイルリジン、フッ化黒鉛、タンカル等
が挙げられる。着色材としては、天然系、合成系を問わ
ずあらゆる有機系、無機系顔料を各々使用することがで
き、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸リチウム等の各種金属ステアリン酸、アミノ酸系エ
ステル等の滑材、その他必要に応じてチタン酸カリウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸マグネ
シウム等の繊維状補強剤、メチルエチルケトン、酢酸エ
チル等の溶剤などの適宜材料を結合材に加え、ヘンシル
ミキサ−で分散後、3本ロ−ルで再度分散、そして混練
を施したのち、押出成型により細線状物として芯体を得
る。また、その後更に、芯体への緻密性を上げる為に、
結合材以外の組成成分が分解を起こさない温度での熱処
理を数時間施してもよい。
【0016】
【作用】本発明による色鉛筆芯で特に発色性の向上は、
本発明で使用する結合材のガラス転移温度が75℃以下
で内部可塑性を発現することに起因する。この内部可塑
性により着色材とワックスや滑材類が均一に分散される
ことと、各素材が結合材溶融の際の熱的劣化を引き起こ
さず素材の特性を失わない為と思われる。また、強度的
には一連の混練時や成型時また乾燥などで得られる熱に
より結合材が重合を始め強度を発現するものと推察でき
る。
【0017】
【実施例】 <実施例1> メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルの共重合体 30重量部 (ダイヤナールBR−115:三菱レイヨン(株)製) (ガラス転移温度:50℃) カルナバワックス 17重量部 タルク 35重量部 ステアリン酸 3重量部 銅フタロシアニンブルー 15重量部 上記材料を配合物として、三本ロールにより熱掛け混練
後、細線状に押出成形し、そして100℃、2時間加熱
し、呼び径0.9のシャープペンシル用の青色芯を得
た。
【0018】<実施例2、3>実施例1において、ダイ
ヤナールBR−115の30重量部から20、45重量
部と各々代えた以外は全て実施例1と同様にして青色芯
を得た。
【0019】 <比較例1> アクリルスチレン樹脂 30重量部 (ガラス転移温度:170℃) ジオクチルフタレート 15重量部 タルク 35重量部 カルナバワックス 17重量部 ステアリン酸 3重量部 銅フタロシアニンブルー 15重量部 メチルエチルケトン 100重量部 上記材料を配合物として、三本ロールにより熱掛け混練
後、細線状に押出成形し、そして200℃、約12時間
乾燥して可塑剤を除去し、呼び径0.9のシャープペン
シル用の青色芯を得た。
【0020】<実施例4、5>実施例1において、ダイ
ヤナールBR−115の30重量部から16、50重量
部と各々代えた以外は全て実施例1と同様にして青色芯
を得た。
【0021】<比較例2>実施例1において、ダイヤナ
ールBR−115の代わりにナイロン66樹脂(ガラス
転移温度:40〜70℃)を使用した以外は全て実施例
1と同様にしたが、ロールに掛からず芯は得られなかっ
た。
【0022】<実施例6>実施例1において、ダイヤナ
ールBR−115の代わりにBR−102(ガラス転移
温度:20℃)を使用した以外は全て実施例1と同様に
して青色芯を得た。
【0023】<実施例7>実施例1において、ダイヤナ
ールBR−115の代わりにBR−113(ガラス転移
温度:75℃)を使用した以外は全て実施例1と同様に
して青色芯を得た。
【0024】<比較例3>実施例1において、ダイヤナ
ールBR−115の代わりにBR−108(ガラス転移
温度:90℃)を使用した以外は全て実施例1と同様に
したが、ロールに掛からず芯は得られなかった。
【0025】<比較例4>比較例3において、ジオクチ
ルフタレートを5重量部添加し、BR−108を5重量
部減らした以外は全て比較例3と同様にして押出成形
後、100℃、20時間乾燥し、可塑剤を除去し、呼び
径0.9のシャープペンシル用の青色芯を得た。
【0026】上記各例における色鉛筆芯の強度、発色性
の試験結果を表1に示す。色鉛筆芯の強度については、
曲げ強さとしてJIS S6005の測定方法に準じて
測定した。(単位はMPa)また、発色性は筆記線の濃
度として、同じくJIS S6005の濃度測定に従っ
た。(単位はD)
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】表1に示すように本発明によれば、組成
中に可塑剤を使用せずに、強度、発色性を兼ね備えた色
鉛筆芯を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合材として、ガラス転移温度75℃以
    下のポリメタクリル酸エステルまたは、ポリメタクリル
    酸エステルを含む共重合体を使用した非焼成タイプの色
    鉛筆芯。
  2. 【請求項2】 ポリメタクリル酸エステルまたは、ポリ
    メタクリル酸エステルを含む共重合体の添加量が全量に
    対して20〜40重量%である請求項1記載の色鉛筆
    芯。
JP24611697A 1997-08-27 1997-08-27 色鉛筆芯 Pending JPH1161026A (ja)

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JP24611697A JPH1161026A (ja) 1997-08-27 1997-08-27 色鉛筆芯

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JP24611697A JPH1161026A (ja) 1997-08-27 1997-08-27 色鉛筆芯

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JPH1161026A true JPH1161026A (ja) 1999-03-05

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ID=17143730

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JP (1) JPH1161026A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007176993A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Pentel Corp 鉛筆芯の製造方法
WO2023017643A1 (ja) * 2021-08-10 2023-02-16 三菱鉛筆株式会社 非焼成鉛筆芯

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