JPH1160889A - 化粧用シート状物及びその製造方法 - Google Patents

化粧用シート状物及びその製造方法

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JPH1160889A
JPH1160889A JP9240360A JP24036097A JPH1160889A JP H1160889 A JPH1160889 A JP H1160889A JP 9240360 A JP9240360 A JP 9240360A JP 24036097 A JP24036097 A JP 24036097A JP H1160889 A JPH1160889 A JP H1160889A
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JP
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propylene
intrinsic viscosity
random copolymer
copolymer component
block copolymer
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JP9240360A
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English (en)
Inventor
Yuji Karasawa
勇治 唐澤
Junichiro Yokota
純一郎 横田
Junichi Yamauchi
淳一 山内
Chikashi Okayama
千加志 岡山
Takanori Nakajima
隆則 中島
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼時に発生する有害で腐食性の塩化水素ガス
を伴わず、難白化性、耐衝撃性、透明性と印刷特性に優
れた化粧用シート状物を提供することである。 【解決手段】プロピレン含有量が90重量%以上である
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分
(A)とプロピレン含有量が55〜90重量%であるプ
ロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分(B)
とからなるプロピレン系ブロック共重合体であって、該
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分
(B)の極限粘度が1.3〜3.5dl/gで、該極限
粘度とプロピレン−α−オレフィン共重合体成分(A)
の極限粘度との極限粘度比が0.5〜1.3で、かつ、
プロピレン−α−オレフィン共重合体セグメント(A)
の重量と、プロピレン−α−オレフィン共重合体セグメ
ント(B)の重量との重量比と該極限粘度比との積が
1.0〜4.5の範囲にあるプロピレン系ブロック共重
合体を用いてシート状物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプロピレン系ブロッ
ク共重合体を用いた化粧用シート状物に関する。さらに
詳しくは、難白化性、耐衝撃性、透明性と印刷特性に優
れた化粧用シート状物に関する。ここでシ−ト状物とは
フィルムおよびシ−トの総称である。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は比較的安価で、優
れた熱的および機械的特性を有することから今日では多
岐の分野にわたり使用されている。しかしながら、一般
にプロピレンホモポリマ−は高い剛性を有する反面、難
白化性および耐衝撃性、特に低温での難白化性、耐衝撃
性に劣っている。プロピレンホモポリマ−の低温での耐
衝撃性を改善するものとして、まず最初にプロピレンホ
モポリマ−成分を生成し、次いでエチレン−プロピレン
ランダム共重合体成分を生成させて導入したプロピレン
系ブロック共重合体が、自動車、家電分野等を初めとし
て各種産業分野に広く使用されている。
【0003】これらの従来から使用されているプロピレ
ン系ブロック共重合体は、耐衝撃性に優れる反面、ホモ
ポリマ−に比較して透明性、高温時の引張特性が劣り、
印刷などの高温時の加工において伸びなどによるズレが
目立つ。また、折り曲げや衝撃を受けた時の当該折り曲
げ部や衝撃部の白化が大きいという欠点があり、該折り
曲げ部や衝撃部の白化性を改良する方法としては、これ
までランダム共重合体成分中のエチレンの含有量を増や
す方法や、プロピレン系ブロック共重合体にポリエチレ
ンを添加する方法が提案されている。いずれの方法も折
り曲げ白化性や衝撃白化性を改良するには優れた方法で
あるが、同時に透明性が低下するという問題点を有して
いる。
【0004】また、特開平05−331327号公報に
見られるように、プロピレン系ブロック共重合体におい
てプロピレンホモポリマ−成分とエチレン−プロピレン
ランダム共重合体成分の極限粘度の比率のみを規定した
ブロック共重合体の提案や、特開平06−145268
号公報に見られるように、プロピレンホモポリマ−成分
の極限粘度とエチレン−プロピレン共重合体成分の極限
粘度の比率およびエチレン−プロピレンランダム共重合
体成分のエチレン含有量を規定したブロック共重合体が
提案されている。
【0005】しかしながら、これらのブロック共重合体
は、従来のプロピレン系ブロック共重合体と比較して改
善は見られるものの未だ十分満足できるものではない。
また、特開昭56−72042号公報や特開昭57−6
3350号公報に見られるように、少量のエチレンを含
有したエチレン/プロピレン共重合体とエチレン/プロ
ピレン共重合体をブレンドしてなるポリオレフィン樹脂
組成物が提案されているが、ブレンド工程を必要とする
ため経済的な面や最終製品における各成分の分散性の不
良による性能低下等の問題点を有している。そのため、
従来、化粧用シート状物としてポリプロピレン系樹脂は
使用されておらず、塩化ビニル系樹脂が広く用いられて
きた。
【0006】しかしながら、これら塩化ビニル系樹脂
は、環境問題の高まりから、使用が制限される方向にあ
る。その中で、環境に優しく、印刷特性を含めた良好な
加工性を持つ代替樹脂の出現が待たれているのが現状で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、化粧紙
に求められる燃焼時に発生する有害で腐食性の塩化水素
ガスを伴わず、難白化性、耐衝撃性、透明性と印刷特性
に優れた化粧用シート状物ついて鋭意研究した。その結
果、プロピレン含有量が90重量%以上であるプロピレ
ン−α−オレフィンランダム共重合体成分(A)とプロ
ピレン含有量が55〜90重量%であるプロピレン−α
−オレフィンランダム共重合体成分(B)とからなるプ
ロピレン系ブロック共重合体であって、該プロピレン−
α−オレフィンランダム共重合体成分(B)の極限粘度
[η]Bが1.3〜3.5dl/gで、該[η]Bとプロ
ピレン−α−オレフィン共重合体成分(A)の極限粘度
[η]Aとの極限粘度比[η]B/[η]Aが0.5〜1.3
で、かつ、プロピレン−α−オレフィン共重合体成分
(A)の重量をwAとし、プロピレン−α−オレフィン
共重合体成分(B)の重量をWBとしたとき、これらの
重量比WA/WBと該極限粘度比[η]B/[η]Aとの積
([η]B/[η]A)X(WA/WB)が1.0〜4.5
の範囲にあるプロピレン系ブロック共重合体を用いて得
られる化粧用シート状物が、上述の優れた性能を有する
化粧用シ−ト状物であることを見い出し、この知見に基
づき、本発明を完成した。以上の記述から明かなよう
に、本発明の目的は、燃焼時に発生する有害で腐食性の
塩化水素ガスを伴わず、難白化性、耐衝撃性、透明性と
印刷特性に優れた化粧用シート状物を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は以下により構成
される。 (1)プロピレン含有量が90重量%以上であるプロピ
レン−α−オレフィンランダム共重合体成分(A)とプ
ロピレン含有量が55〜90重量%であるプロピレン−
α−オレフィンランダム共重合体成分(B)とからなる
プロピレン系ブロック共重合体であって、該プロピレン
−α−オレフィンランダム共重合体成分(B)の極限粘
度[η]Bが1.3〜3.5dl/gで、該[η]Bとプ
ロピレン−α−オレフィン共重合体成分(A)の極限粘
度[η]Aとの極限粘度比[η]B/[η]Aが0.5〜1.3
で、かつ、プロピレン−α−オレフィン共重合体セグメ
ント(A)の重量をwAとし、プロピレン−α−オレフ
ィン共重合体セグメント(B)の重量をWBとしたと
き、これらの重量比WA/WBと該極限粘度比[η]B
[η]Aとの積([η]B/[η]A)X(WA/WB)が
1.0〜4.5の範囲にあるプロピレン系ブロック共重
合体を用いることを特徴とする化粧用シート状物。 (2)プロピレン系ブロック共重合体が、10〜50重
量%のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成
分(B)を含有するプロピレン系ブロック共重合体であ
る前記第1項記載の化粧用シート状物。 (3)化粧用シート状物の23℃でのヤング率が200
MPa以上であり、かつ、50℃での引張強さが12M
Pa以上である前記第1項もしくは第2項のいずれか1
項記載の化粧用シート状物。
【0009】(4)成形時のプロピレン系ブロック共重
合体の溶融物の温度(T1)が180℃以上、350℃
以下、成形機のチルロールにより冷却された直後のシー
ト状物の表面温度(T2)が130℃以下であり、前記
(T1)と(T2)が、 300≧(T1)−(T2)≧50 の関係を満たすような条件でTダイ法により成形された
前記第1項記載の化粧用シート状物。 (5)成形時のプロピレン系ブロック共重合体の溶融物
の温度(T1)が180℃以上、350℃以下であり、
成形機のテイクオフロ−ルおよび冷却ロ−ルの表面温度
(T2)が120℃以下であり、前記(T1)と(T
2)とが 280≧(T1)−(T2)≧120 の関係を満たす条件でカレンダ−法により成形すること
を特徴とする前記第1項記載の化粧用シ−ト状物の製造
方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を説明
する。本発明のプロピレン系ブロック共重合体を構成す
るプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分
(A)は、プロピレン含有量が90重量%以上、好まし
くは92%以上、より好ましくは94%以上のランダム
共重合体であり、プロピレン含有量が90重量%未満で
は成形品の耐熱性が不足する。該プロピレン−α−オレ
フィンランダム共重合体成分(A)を構成するα−オレ
フィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−
ペンテン等を挙げることができ、このうちエチレンを用
いるのが製造コストの点から好ましい。
【0011】一方、プロピレン−α−オレフィンランダ
ム共重合体成分(B)は、プロピレン含有量が55〜9
0重量%、好ましくは55〜85重量%のランダム共重
合体である。プロピレン含有量が90%を超えると低温
での耐衝撃性が不十分であり、プロピレン含有量が55
重量%未満では透明性が低下する。該プロピレン−α−
オレフィンランダム共重合体成分(B)を構成するα−
オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−
ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1
−ペンテン等を挙げることができ、このうちエチレンを
用いるのが製造コストの点から好ましい。
【0012】また、該プロピレン−α−オレフィンラン
ダム共重合体成分(B)は、135℃のテトラリン中で
測定した極限粘度[η]Bが1.3〜3.5dl/g、
より好ましくは1.5〜3.0dl/gの範囲にあり、
かつ、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成
分(A)の同一条件で測定した極限粘度[η]Aとの間
の極限粘度比[η]B/[η]Aが0.5〜1.3、好ま
しくは0.6〜1.2の範囲にある。
【0013】該プロピレン−α−オレフィンランダム共
重合体成分(B)の極限粘度[η]Bは直接測定できな
いので、直接測定可能なプロピレン−α−オレフィンラ
ンダム共重合体成分(A)の極限粘度[η]Aおよび最
終生成物であるプロピレン系ブロック共重合体の極限粘
度[η]WHOLE 、ならびにプロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体成分(B)の重量(WB)とから、
下記式により求められる。 [η]B={[η]WHOLE−(1−WB/100)[η]A
/( WB/100)
【0014】プロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体成分(B)の極限粘度[η]Bは、成形サイクル性
および透明性に影響し、プロピレン−α−オレフィンラ
ンダム共重合体成分(B)とプロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体成分(A)の極限粘度比[η]B
[η]Aは、プロピレン−α−オレフィンランダム共重
合体成分(B)のプロピレン−α−オレフィンランダム
共重合体成分(A)への分散性に影響する。プロピレン
−α−オレフィンランダム共重合体成分(B)の極限粘
度[η]Bが大きいほど成形サイクル性が低下し、プロ
ピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分(A)と
の極限粘度比[η]B/[η]A が大きすぎると透明性
が低下し、小さすぎると低温での耐衝撃性が不足し、目
的とする特性を達成できない。
【0015】本発明のプロピレン系ブロック共重合体に
あっては、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合
体成分(A)とプロピレン−α−オレフィンランダム共
重合体成分(B)との重量比WA/WBは、前記した両共
重合体の極限粘度比[η]B/[η]Aとの積として、
([η]B/[η]A)X(WA/WB)が1.0〜4.5
の範囲にある。
【0016】該ブロック共重合体の重量比と極限粘度比
との積は、該ブロック共重合体の難白化性を表す指標で
あり、その値が小さくなると難白化性は改善されるが、
耐熱性や剛性の低下が大きくなり、一方、その値が大き
くなると目的とする難白化性の改善効果が得られない。
【0017】該プロピレン系ブロック共重合体の具体的
な組成は、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合
体成分(B)が全体の10〜50重量%である。
【0018】本発明のプロピレン系ブロック共重合体
は、上記した諸特性を満足することにより、難白化性、
耐衝撃性、透明性および高温での引張特性が優れた化粧
用シート状物の製造用原料として好適に使用される。
【0019】本発明のプロピレン系ブロック共重合体
は、上記の諸特性を満足すれば、いかなる重合方法で製
造してもよいが、大粒径のチタン含有固体触媒成分と有
機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物とからな
る立体規則性触媒の存在下、気相中において第一段階
で、水素濃度を調節することにより所定の極限粘度を有
するプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分
(A)の所定量を製造し(第1重合工程)、ついで、第
二段階で水素濃度を調節することによって所定の極限粘
度を有するプロピレンーα−オレフィンランダム共重合
体成分(B)の所定量を連続的に製造する(第2重合工
程)方法がより好適である。
【0020】本発明のプロピレン系ブロック共重合体
は、射出成形法、押出成形法、カレンダー成形法などの
各種の成形法により種々の形状を有する成形品の原料に
供することができる。成形に際しては、該プロピレン系
ブロック共重合体に、必要に応じて、従来のポリオレフ
ィンに用いられている公知の酸化防止剤、中和剤、帯電
防止剤、耐候剤、分散剤、スリップ剤、合成ゴム、無機
充填剤(タルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ
等)、着色剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0021】本発明の化粧用シート状物は長手方向の2
3℃でのヤング率が400MPa以上、50℃での引張
強さが12MPa以上であることが好ましく、更に好ま
しくは23℃でのヤング率が500MPa以上、120
0MPa以下、50℃での引張強さが15MPa以上で
ある。 この範囲内の物性を有するシ−ト状物が良好な
印刷特性を持った化粧用シート状物になる。
【0022】本発明の化粧用シート状物の厚みは、特に
限定されないが、好ましくは0.020mm以上、0.5
mm以下であり、より好ましくは0.05mm以上、0.
3mm以下であり、特に好ましくは0.07mm以上、
0.2mm以下である。
【0023】本発明の化粧用シート状物の製造方法とし
ては、該プロピレン系ブロック共重合体を用いて公知、
公用の成形方法(押出成形法、カレンダー成形法、圧縮
成形法、注型成形法等)により製造する方法を例示する
ことができる。
【0024】該公知、公用の成形方法の中でもシート外
観、シート厚みの精度および生産性の点より、押出成形
法およびカレンダ−成形法が好ましい。具体的には、押
出機、Tダイ、冷却ロール、ガイドロール、引取りロー
ル、トリミングカッター、定尺切断カッター、巻き取り
機等を有する装置(Tダイシート成形機)を用いたTダ
イ法であり、特に成形時のプロピレン系ブロック共重合
体の溶融物の温度(T1)が180℃以上、350℃以
下であり、成形機のチルロールにより冷却された直後の
シート状物の表面温度(T2)が130℃以下であり、
前記(T1)と(T2)が、300≧(T1)−(T
2)≧50の関係を満たすような条件でTダイ法により
シートを成形する方法および成形時のプロピレン系ブロ
ック共重合体の溶融物の温度(T1)が180℃以上、
350℃以下であり、成形機のテイクオフロ−ルおよび
冷却ロールの表面温度(T2)が120℃以下であり、
前記(T1)と(T2)が、280≧(T1)−(T
2)≧120の関係を満たすような条件でカレンダ−法
によりシートを成形する方法である。
【0025】成形時のプロピレン系ブロック共重合体の
溶融物の温度(T1)が180℃以上であればシート状
物の表面が鮫肌状にならず外観が良好で、また350℃
以下であれば熱劣化が起こり難く、シートの物性等が維
持される。また、Tダイ法の成形法にあっては、成形機
のチルロールにより冷却された直後のシート状物の表面
温度(T2)が130℃以下であれば、シート状物の表
面に線状の模様が出来ず良好な外観のシ−ト状物が得ら
れる。また、カレンダ−法にあっては、成形機のテイク
オフロ−ルおよび冷却ロ−ルの表面温度が120℃以下
であればシ−ト状物の表面に線状の模様が出来ず良好な
外観のシ−ト状物が得られる。
【0026】シート状物の分子配向が弱く、それにより
縦方向と横方向の熱収縮率の差が少なくなり印刷性に優
れたシートとするためには、Tダイ法の成形法にあって
は、成形時のプロピレン系ブロック共重合体の溶融物の
温度(T1)と成形機のチルロールにより冷却された直
後のシート状物の表面温度(T2)は、下式を満足する
条件で製造することが好ましい。 300≧(T1)−(T2)≧50 また、カレンダ−法の成形法にあっては、成形時のプロ
ピレン系ブロック共重合体の溶融物の温度(T1)と成
形機のテイクオフロ−ルおよび冷却ロ−ルの表面温度
(T2)は、下記の式を満足する条件で製造することが
好ましい。 280≧(T1)−(T2)≧120
【0027】本発明の化粧用シート状物を成形する速度
は、0.1〜100m/分である。該速度が0.1m/
分以上であれば、時間当たりの化粧用シート状物の生産
量が多く、厚みが均一な化粧用シート状物が得られ、不
良率が少なく、100m/分以下であれば化粧用シート
状物が十分に冷却でき、ロール状の化粧用シート状物を
解く時に起きる線状の模様ができず良好な外観が得られ
る。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例において用い
た測定方法は下記のとおりである。
【0029】a)極限粘度(単位 dl/g):溶媒と
してテトラリン(テトラクロロナフタレン)を用い13
5℃の温度条件下、自動粘度測定装置(AVS2型、三
井東圧(株)製)を使用して測定した。 b) エチレン単位含有率(単位 重量%):赤外線吸
収スペクトル法により測定した。
【0030】c)メルトフローレート(単位 g/10
分):JIS K−6760に準拠。 d)引張強さ:50℃の恒温槽で30分以上放置後、A
STM D882に準拠して測定した。 e)ヤング率:23℃の室内に48時間以上放置後、A
STM D882に準拠して測定した。 f)ヘイズ:23℃の室内に48時間以上放置後、AS
TM D1003に準拠して測定した。
【0031】g)難白化性:シートを巾10mm、長さ
120mmの大きさに切り抜き、−5℃の恒温槽で30
分以上放置後、試験片の両端をそろえて折り曲げたと
き、折り曲げ部に白化が起こらなければ○、白化が起こ
れば×とした。 h)耐衝撃性:ASTM D 781に準拠した打ち抜
き衝撃強度の値が0.5J以上のとき○、0.5J未満
のとき×とした。 i)印刷性:DNK(株)製グラビヤ印刷機を用いて、
乾燥温度:50℃、速度:30m/minで4色刷りの
木目柄印刷を行った。印刷のズレを目視で観察し、印刷
ズレが観察されない物を○、印刷ズレがある物を×とし
た。
【0032】2)プロピレン系ブロック共重合体の製造 第1重合工程として攪拌羽根を有する横型重合器(L/
D=6、内容積100リットル)に予備活性化処理した
平均粒径115μmのチタン含有固体触媒成分を0.5
g/hr、トリエチルアルミニウムおよびジイソプロピ
ルジメトキシシランをAl/Siモル比=6となるよう
に連続的に供給した。反応温度70℃、反応圧力2.5
MPa、攪拌速度40rpmの条件を維持するようにプ
ロピレン、エチレンの混合ガスを後述の表1〜4に示す
モル比で連続供給し、さらにプロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体成分(A)の分子量を調節するため
に水素ガスを後述の表1〜4に示すモル比で連続的に供
給して生成共重合体の極限粘度を制御した。本重合器で
得られたプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体
成分(A)は、重合体の保有レベルが反応容積の50容
積%となるように第1重合工程の重合器から連続的に抜
き出し、第2重合工程の攪拌羽根を有する横型重合器
(L/D=6、内容積100リットル)に供給した。こ
の時、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成
分(A)の一部を間欠的に抜き出して、エチレン含有
量、極限粘度および重合体収量を求める試料とした。
【0033】第2重合工程では、第1重合工程からのプ
ロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分
(A)、エチレン、プロピレン混合ガスおよび水素ガス
を後述の表1〜4に示すモル比で連続的に供給し、エチ
レンとプロピレンの共重合を行った。反応条件は攪拌速
度40rpm、温度60℃、圧力2.1MPaとした。
また、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成
分(B)の重合量を調節するために重合活性抑制剤とし
て酸素を後述の表1〜4に示すモル比で供給した。
【0034】第2重合工程で生成されたプロピレン系ブ
ロック共重合体は、重合体の保有レベルが反応容積の5
0容積%となるように第2重合工程の重合器から抜き出
した。プロピレン系ブロック共重合体の生産速度は8〜
12kg/hrであった。
【0035】抜き出されたプロピレン系ブロック共重合
体はモノマ−を除去し、一部は極限粘度、および赤外線
吸収スペクトル法によるプロピレン−α−オレフィンラ
ンダム共重合体成分(B)中のエチレン含有量の測定
に、またコポリマ−成分の比率を求めるために供した。
【0036】第1重合工程におけるエチレン/プロピレ
ンのモル比および水素/プロピレンのモル比、第2重合
工程におけるエチレン/プロピレンのモル比および水素
/エチレンのモル比を後述の表1〜4に示すように変え
て、該表1〜4に示す実施例1〜4および比較例1〜1
4のプロピレン系ブロック共重合体得た。
【0037】実施例1〜7、比較例1〜7 上記で得られたプロピレン系ブロック共重合体パウダー
各100重量部に対して、リン系熱安定剤0.1重量
部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部を加え高速撹
拌式混合機(ヘンシェルミキサー、商品名)を用いて、
室温下に5分間混合し、混合物をスクリュー口径40m
mの押出造粒機を用いてシリンダー設定温度230度で
造粒した。次いで、得られた造粒物をTダイ、エアナイ
フおよび冷却ロールをもつシート成形機を用いてTダイ
法により、厚みが0.15mmの化粧用シート状物を成
形した。成形時のプロピレン系ブロック共重合体の溶融
物の温度(T1)、成形機のチルロールにより冷却され
た直後のシート状物の表面温度(T2)、成形速度をそ
れぞれ表1及び表2に示した。成形した化粧用シート状
物を湿度50%、室温23℃の室内で48時間状態調節
し、上記の測定方法で各種の物性値を測定した。その結
果を後述の表1及び表2に示した。
【0038】実施例8〜14、比較例8〜14 上記で得られたプロピレン系ブロック共重合体パウダー
各100重量部に対して、熱安定剤0.3重量部、滑剤
0.2重量部を加え高速撹拌式混合機(ヘンシェルミキ
サー、商品名)を用いて、室温下に5分混合し、バンバ
リーミキサー、ミキシングロール、ウォーミングロー
ル、カレンダーロールおよび冷却ロールをもつシート成
形機を用いてカレンダー法により、成形速度60m/m
inで厚み0.15mmの化粧用シートを成形した。成
形時のプロピレン系ブロック共重合体の溶融物の温度
(T1)、成形機の冷却ロールの表面温度(T2)、成
形速度を後述の表3及び表4に示した。成形した化粧用
シートを湿度50%、室温23℃の室内で48時間状態
調節し、上記の測定方法により、各種物性値を測定し
た。その結果を後述の表3及び表4に示した。
【0039】
【発明の効果】本発明の化粧用シ−ト状物は、難白化
性、耐衝撃性、透明性および印刷特性に優れた化粧用シ
ート状物であり、また本発明の製造方法によれば、難白
化性、耐衝撃性、透明性および印刷特性に優れた化粧用
シ−ト状物を生産性良くに得ることができる。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 23:00 B29L 7:00 (72)発明者 中島 隆則 千葉県市原市五井8890番地

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレン含有量が90重量%以上である
    プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分
    (A)とプロピレン含有量が55〜90重量%であるプ
    ロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分(B)
    とからなるプロピレン系ブロック共重合体であって、該
    プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分
    (B)の極限粘度[η]Bが1.3〜3.5dl/g
    で、該[η]Bとプロピレン−α−オレフィン共重合体
    成分(A)の極限粘度[η]Aとの極限粘度比[η]B/[η]
    Aが0.5〜1.3で、かつ、プロピレン−α−オレフ
    ィン共重合体セグメント(A)の重量をwAとし、プロ
    ピレン−α−オレフィン共重合体セグメント(B)の重
    量をWBとしたとき、これらの重量比WA/WBと該極限粘
    度比[η]B/[η]Aとの積([η]B/[η]A)X
    (WA/WB)が1.0〜4.5の範囲にあるプロピレン
    系ブロック共重合体を用いることを特徴とする化粧用シ
    ート状物。
  2. 【請求項2】プロピレン系ブロック共重合体が、10〜
    50重量%のプロピレン−α−オレフィンランダム共重
    合体成分(B)を含有するプロピレン系ブロック共重合
    体である請求項1記載の化粧用シート状物。
  3. 【請求項3】 化粧用シート状物の23℃でのヤング率
    が200MPa以上であり、かつ、50℃での引張強さ
    が12MPa以上である請求項1もしくは請求項2のい
    ずれか1項記載の化粧用シート状物。
  4. 【請求項4】成形時のプロピレン系ブロック共重合体の
    溶融物の温度(T1)が180℃以上、350℃以下、
    成形機のチルロールにより冷却された直後のシート状物
    の表面温度(T2)が130℃以下であり、前記(T
    1)と(T2)が、 300≧(T1)−(T
    2)≧50の関係を満たす条件でTダイ法により成形す
    ることを特徴とする請求項1記載の化粧用シート状物の
    製造方法。
  5. 【請求項5】成形時のプロピレン系ブロック共重合体の
    溶融物の温度(T1)が180℃以上、350℃以下で
    あり、成形機のテイクオフロ−ルおよび冷却ロ−ルの表
    面温度(T2)が120℃以下であり、前記(T1)と
    (T2)とが 280≧(T1)−(T2)≧120 の関係を満たす条件でカレンダ−法により成形すること
    を特徴とする請求項1記載の化粧用シ−ト状物の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000290391A (ja) * 1999-04-07 2000-10-17 Mitsubishi Chem Mkv Co 化粧シート用フィルム
JP2006008957A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Okura Ind Co Ltd 化粧シート用ポリプロピレン系フィルム

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JP4598445B2 (ja) * 2004-06-29 2010-12-15 大倉工業株式会社 化粧シート用ポリプロピレン系フィルム

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