JPH1160832A - プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
プロピレン系樹脂組成物Info
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- JPH1160832A JPH1160832A JP22175797A JP22175797A JPH1160832A JP H1160832 A JPH1160832 A JP H1160832A JP 22175797 A JP22175797 A JP 22175797A JP 22175797 A JP22175797 A JP 22175797A JP H1160832 A JPH1160832 A JP H1160832A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた表面硬度と衝撃強度のバランスを有す
る新規なプロピレン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 プロピレン系樹脂組成物からなり、該組
成物の物性が、X線光電子分光分析法で測定した2本の
価電子バンドの強度比にて1.8〜2.0を示し、アイ
ゾット衝撃強度(23℃、ノッチ付)が10KJ/m2
以上であり、かつロックウェル硬度が60以上であるこ
とを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。
る新規なプロピレン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 プロピレン系樹脂組成物からなり、該組
成物の物性が、X線光電子分光分析法で測定した2本の
価電子バンドの強度比にて1.8〜2.0を示し、アイ
ゾット衝撃強度(23℃、ノッチ付)が10KJ/m2
以上であり、かつロックウェル硬度が60以上であるこ
とを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐衝撃性と
表面硬度を備えた、自動車部品等の各種工業部品用の素
材として好適なプロピレン系樹脂組成物に関するもので
ある。
表面硬度を備えた、自動車部品等の各種工業部品用の素
材として好適なプロピレン系樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、プロピレン系樹脂組成物は、優れ
た成形性、塗装性、機械的強度や経済性等を備えている
ことから、その特徴を活かして、工業部品分野における
各種成形品、例えば、バンパー、インストルメントパネ
ル、トリム、センターピラー、ドアトリム、ファンシュ
ラウド、グローブボックス等の自動車部品、テレビ、V
TR、洗濯機等の家電機器製品の部品用等の素材とし
て、大量に実用に供されている。
た成形性、塗装性、機械的強度や経済性等を備えている
ことから、その特徴を活かして、工業部品分野における
各種成形品、例えば、バンパー、インストルメントパネ
ル、トリム、センターピラー、ドアトリム、ファンシュ
ラウド、グローブボックス等の自動車部品、テレビ、V
TR、洗濯機等の家電機器製品の部品用等の素材とし
て、大量に実用に供されている。
【0003】しかし、近年では、上記各種用途の高機能
化や製品の大型化に伴って、成形品の薄肉化や複雑なデ
ザインへの対応が可能とされる成形性付与等の技術的進
歩が成されてきているが、更に、成形品の表面硬度と耐
衝撃性のバランスが一段と向上した新たな素材が求めら
れている。すなわち、耐衝撃性を向上させるためには、
一般に、各種ゴム成分を添加したり、共重合化したりし
ているが、その際、ゴム成分は柔軟性であるために、得
られる組成物が過度に柔軟化してしまって、それに連れ
て表面硬度が低下し、傷が付き易くなってしまうため、
耐衝撃性と表面硬度の両者を満足させることはできなか
った。それ故、高度な衝撃強度を付与しつつ、それと相
反する表面硬度の低下を抑制して、傷が付きにくくし
た、両者を満足することができる新たな技術が求められ
ている。
化や製品の大型化に伴って、成形品の薄肉化や複雑なデ
ザインへの対応が可能とされる成形性付与等の技術的進
歩が成されてきているが、更に、成形品の表面硬度と耐
衝撃性のバランスが一段と向上した新たな素材が求めら
れている。すなわち、耐衝撃性を向上させるためには、
一般に、各種ゴム成分を添加したり、共重合化したりし
ているが、その際、ゴム成分は柔軟性であるために、得
られる組成物が過度に柔軟化してしまって、それに連れ
て表面硬度が低下し、傷が付き易くなってしまうため、
耐衝撃性と表面硬度の両者を満足させることはできなか
った。それ故、高度な衝撃強度を付与しつつ、それと相
反する表面硬度の低下を抑制して、傷が付きにくくし
た、両者を満足することができる新たな技術が求められ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、成
形品の表面に露出するゴム成分の存在状態を制御するこ
とにより、優れた表面硬度と衝撃強度のバランスを有す
るプロピレン系樹脂組成物を提供することを課題とする
ものである。
形品の表面に露出するゴム成分の存在状態を制御するこ
とにより、優れた表面硬度と衝撃強度のバランスを有す
るプロピレン系樹脂組成物を提供することを課題とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、種々の研究を重ねた結果、プロピレ
ン系樹脂組成物の物性を、X線光電子分光分析法で測定
した2本の価電子バンドの強度比を1.8〜2.0に制
御すれば、成形品の表面に露出するゴム成分の存在状態
が適正となって、優れた表面硬度と衝撃強度のバランス
を有するものになるとの知見に基づき本発明を完成する
に至ったものである。すなわち、本発明のプロピレン系
樹脂組成物は、プロピレン系樹脂組成物からなり、該組
成物の物性が、X線光電子分光分析法で測定した2本の
価電子バンドの強度比にて1.8〜2.0を示し、アイ
ゾット衝撃強度(23℃、ノッチ付)が10KJ/m2
以上であり、かつロックウェル硬度が60以上であるこ
とを特徴とするものである。
を解決するために、種々の研究を重ねた結果、プロピレ
ン系樹脂組成物の物性を、X線光電子分光分析法で測定
した2本の価電子バンドの強度比を1.8〜2.0に制
御すれば、成形品の表面に露出するゴム成分の存在状態
が適正となって、優れた表面硬度と衝撃強度のバランス
を有するものになるとの知見に基づき本発明を完成する
に至ったものである。すなわち、本発明のプロピレン系
樹脂組成物は、プロピレン系樹脂組成物からなり、該組
成物の物性が、X線光電子分光分析法で測定した2本の
価電子バンドの強度比にて1.8〜2.0を示し、アイ
ゾット衝撃強度(23℃、ノッチ付)が10KJ/m2
以上であり、かつロックウェル硬度が60以上であるこ
とを特徴とするものである。
【0006】
[I] プロピレン系樹脂組成物 (1) 構成成分 本発明のプロピレン系樹脂組成物は、下記成分(A)単
独で、又は、成分(A)と成分(B)及び/又は成分
(C)、更に、場合により成分(D)を配合してなるも
のである。
独で、又は、成分(A)と成分(B)及び/又は成分
(C)、更に、場合により成分(D)を配合してなるも
のである。
【0007】(i) 結晶性プロピレン系重合体[成分
(A)] (a) 構 造 本発明のプロピレン系樹脂組成物において用いられる上
記成分(A)の結晶性プロピレン系重合体としては、プ
ロピレンの単独重合体(ポリプロピレン)、過半重量の
プロピレンと他のα−オレフィン(例えば、エチレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、1−オクテン等)、ビニルエステル
(例えば、酢酸ビニル)、芳香族ビニル単量体(例え
ば、スチレン)、ビニルシラン(例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン)等との二元以
上のブロック、ランダム、乃至、グラフト共重合体(こ
れらの混合物であってもよい。)である。
(A)] (a) 構 造 本発明のプロピレン系樹脂組成物において用いられる上
記成分(A)の結晶性プロピレン系重合体としては、プ
ロピレンの単独重合体(ポリプロピレン)、過半重量の
プロピレンと他のα−オレフィン(例えば、エチレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、1−オクテン等)、ビニルエステル
(例えば、酢酸ビニル)、芳香族ビニル単量体(例え
ば、スチレン)、ビニルシラン(例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン)等との二元以
上のブロック、ランダム、乃至、グラフト共重合体(こ
れらの混合物であってもよい。)である。
【0008】これらの中でも、結晶性ポリプロピレン部
(a単位部)とエチレン・プロピレンランダム共重合部
(b単位部)とを含有するプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体が好ましい。上記a単位部はプロピレンの単
独重合によって得られるものであり、また上記b単位部
はプロピレンとエチレンとのランダム共重合によって得
られるものである。ここで、上記a単位部は、硬度や耐
熱剛性の点から該プロピレン・エチレンブロック共重合
体中に、好ましくは60〜95重量%、特に好ましくは
62〜85重量%の割合を占めていることが望ましく、
また、その密度は同じく硬度や耐熱剛性の点から0.9
070g/cm3 以上が好ましく、0.9086g/c
m3以上であることが特に好ましい。また、上記b単位
部は、該プロピレン・エチレンブロック共重合体中に衝
撃強度の点から好ましくは5〜40重量%、特に好まし
くは15〜38重量%の割合を占めていることが望まし
く、そのエチレン含量は同じく衝撃強度の点から好まし
くは20〜80重量%、特に好ましくは25〜60重量
%の割合を占めていることが望ましい。該結晶性プロピ
レン系重合体全体のメルトフローレート(MFR)は3
〜300g/10分が好ましく、特に15〜100g/
10分のものが好ましい。
(a単位部)とエチレン・プロピレンランダム共重合部
(b単位部)とを含有するプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体が好ましい。上記a単位部はプロピレンの単
独重合によって得られるものであり、また上記b単位部
はプロピレンとエチレンとのランダム共重合によって得
られるものである。ここで、上記a単位部は、硬度や耐
熱剛性の点から該プロピレン・エチレンブロック共重合
体中に、好ましくは60〜95重量%、特に好ましくは
62〜85重量%の割合を占めていることが望ましく、
また、その密度は同じく硬度や耐熱剛性の点から0.9
070g/cm3 以上が好ましく、0.9086g/c
m3以上であることが特に好ましい。また、上記b単位
部は、該プロピレン・エチレンブロック共重合体中に衝
撃強度の点から好ましくは5〜40重量%、特に好まし
くは15〜38重量%の割合を占めていることが望まし
く、そのエチレン含量は同じく衝撃強度の点から好まし
くは20〜80重量%、特に好ましくは25〜60重量
%の割合を占めていることが望ましい。該結晶性プロピ
レン系重合体全体のメルトフローレート(MFR)は3
〜300g/10分が好ましく、特に15〜100g/
10分のものが好ましい。
【0009】(b) 製 造 この成分(A)の結晶性プロピレン系重合体は、高立体
規則性触媒を用いてスラリー重合、気相重合、或いは、
液相塊状重合により製造されるもので、重合形式として
は、バッチ重合、連続重合のどちらの重合方式も採用す
ることができる。該結晶性プロピレン系重合体のうち、
プロピレン・エチレンブロック共重合体を製造するに際
しては、最初にプロピレンの単独重合によって結晶性ポ
リプロピレン部(a単位部)を形成し、次に、プロピレ
ンとエチレンとのランダム共重合によってプロピレン・
エチレンランダム共重合部(b単位部)を形成したもの
が、ブロック共重合体の品質上から好ましい。
規則性触媒を用いてスラリー重合、気相重合、或いは、
液相塊状重合により製造されるもので、重合形式として
は、バッチ重合、連続重合のどちらの重合方式も採用す
ることができる。該結晶性プロピレン系重合体のうち、
プロピレン・エチレンブロック共重合体を製造するに際
しては、最初にプロピレンの単独重合によって結晶性ポ
リプロピレン部(a単位部)を形成し、次に、プロピレ
ンとエチレンとのランダム共重合によってプロピレン・
エチレンランダム共重合部(b単位部)を形成したもの
が、ブロック共重合体の品質上から好ましい。
【0010】具体的な方法としては、塩化マグネシウム
に四塩化チタン、有機酸ハライド、及び、有機珪素化合
物を接触させて形成した固体成分に、有機アルミニウム
化合物成分を組み合わせることにより得られた触媒を用
いてプロピレンの単独重合を行ない、次いで、プロピレ
ンとエチレンとのランダム共重合を行なうことによって
製造することができる。また、この結晶性プロピレン系
重合体のMFRは、重合のみで調整しても良く、重合後
に過酸化物にて任意に調整しても良い。この際に用いる
ことができる過酸化物にとしては、例えば、メチルイソ
ブチルケトンパーオキサイド等のパーオキサイド類、
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)
ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類、更には、ハ
イドロパーオキサイド、パーカーボネート、パーオキシ
エステル等を挙げることができる。
に四塩化チタン、有機酸ハライド、及び、有機珪素化合
物を接触させて形成した固体成分に、有機アルミニウム
化合物成分を組み合わせることにより得られた触媒を用
いてプロピレンの単独重合を行ない、次いで、プロピレ
ンとエチレンとのランダム共重合を行なうことによって
製造することができる。また、この結晶性プロピレン系
重合体のMFRは、重合のみで調整しても良く、重合後
に過酸化物にて任意に調整しても良い。この際に用いる
ことができる過酸化物にとしては、例えば、メチルイソ
ブチルケトンパーオキサイド等のパーオキサイド類、
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)
ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類、更には、ハ
イドロパーオキサイド、パーカーボネート、パーオキシ
エステル等を挙げることができる。
【0011】(c) 測定法 上記結晶性プロピレン系重合体中のb単位部の含有量の
測定は、2gの試料を沸騰キシレン300g中に20分
間浸漬して溶解させた後、室温まで冷却して、それによ
って析出した固相をガラスフィルターで瀘過乾燥して求
めた固相重量から逆算した値である。エチレン含量は、
赤外スペクトル分析法等により測定された値である。ま
た、MFRはJIS−K7210(230℃、2.16
kg)に準拠して測定されたものである。
測定は、2gの試料を沸騰キシレン300g中に20分
間浸漬して溶解させた後、室温まで冷却して、それによ
って析出した固相をガラスフィルターで瀘過乾燥して求
めた固相重量から逆算した値である。エチレン含量は、
赤外スペクトル分析法等により測定された値である。ま
た、MFRはJIS−K7210(230℃、2.16
kg)に準拠して測定されたものである。
【0012】(ii) エチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ム[成分(B)] (a) 構 造 本発明のプロピレン系樹脂組成物において必要に応じて
用いられる上記成分(B)のエチレン・α−オレフィン
共重合ゴムは、α−オレフィンを、好ましくは20〜5
0重量%、更に好ましくは20〜45重量%、特に好ま
しくは20〜40重量%含有するものである。含有する
具体的なα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、
1−デセン、1−エイコセン等を挙げることができる。
これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンが好ま
しく、特に、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、
1−オクテンが好ましい。
ム[成分(B)] (a) 構 造 本発明のプロピレン系樹脂組成物において必要に応じて
用いられる上記成分(B)のエチレン・α−オレフィン
共重合ゴムは、α−オレフィンを、好ましくは20〜5
0重量%、更に好ましくは20〜45重量%、特に好ま
しくは20〜40重量%含有するものである。含有する
具体的なα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、
1−デセン、1−エイコセン等を挙げることができる。
これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンが好ま
しく、特に、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、
1−オクテンが好ましい。
【0013】ここで該共重合ゴムは非共役ジエン類との
三元共重合ゴムであっても良い。α−オレフィンの含有
量が少な過ぎると、2本の価電子バンドの強度比が過大
となって本発明樹脂組成物の衝撃強度が劣り、一方、多
過ぎると2本の価電子バンド強度比が過小となって表面
硬度が低下する。また、これらはバナジウム系化合物系
やWO−91/04257号公報等に示されるようなメ
タロセン系触媒を用いて製造されたものが好ましい。こ
こで、α−オレフィンの含有量は、赤外スペクトル分析
法や13C−NMR法等の常法(一般に、赤外スペクトル
分析法で得られる値は、13C−NMR法に比べ低密度ほ
ど小さく(約10〜50%)なる傾向がある。)によっ
て測定される値である。
三元共重合ゴムであっても良い。α−オレフィンの含有
量が少な過ぎると、2本の価電子バンドの強度比が過大
となって本発明樹脂組成物の衝撃強度が劣り、一方、多
過ぎると2本の価電子バンド強度比が過小となって表面
硬度が低下する。また、これらはバナジウム系化合物系
やWO−91/04257号公報等に示されるようなメ
タロセン系触媒を用いて製造されたものが好ましい。こ
こで、α−オレフィンの含有量は、赤外スペクトル分析
法や13C−NMR法等の常法(一般に、赤外スペクトル
分析法で得られる値は、13C−NMR法に比べ低密度ほ
ど小さく(約10〜50%)なる傾向がある。)によっ
て測定される値である。
【0014】(iii) タルク[成分(C)] 本発明のプロピレン系樹脂組成物において、必要に応じ
て用いられる上記成分(C)のタルクとしては、好まし
くは平均粒径が15μm以下、特に好ましくは1.5〜
10μmのものである。更に、平均アスペクト比が4以
上、特に5以上のものがより好ましい。該タルクは、例
えば、タルク原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕
機で粉砕して製造したり、更に、ミクロンミル、ジェッ
トミル等で微粉砕した後、サイクロンやミクロンセパレ
ーター等で分級調製すること等の方法で製造する。ここ
でタルク原石は、中国産が金属不純物成分が少ないので
好ましい。また、該タルクは、各種金属塩等で表面処理
したものでも良く、更に、見掛け比容を2.50ml/
g以下にした、いわゆる圧縮タルクを用いても良い。
て用いられる上記成分(C)のタルクとしては、好まし
くは平均粒径が15μm以下、特に好ましくは1.5〜
10μmのものである。更に、平均アスペクト比が4以
上、特に5以上のものがより好ましい。該タルクは、例
えば、タルク原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕
機で粉砕して製造したり、更に、ミクロンミル、ジェッ
トミル等で微粉砕した後、サイクロンやミクロンセパレ
ーター等で分級調製すること等の方法で製造する。ここ
でタルク原石は、中国産が金属不純物成分が少ないので
好ましい。また、該タルクは、各種金属塩等で表面処理
したものでも良く、更に、見掛け比容を2.50ml/
g以下にした、いわゆる圧縮タルクを用いても良い。
【0015】(a) 測定法 上記タルクの平均粒径は、レーザー光散乱方式粒度分布
計を用いて測定された値であり、該測定装置としては、
例えば、堀場製作所製LA−500型を挙げることがで
きる。また、上記タルクの直径や長さ及びアスペクト比
の測定は、顕微鏡等により測定された値より求められ
る。
計を用いて測定された値であり、該測定装置としては、
例えば、堀場製作所製LA−500型を挙げることがで
きる。また、上記タルクの直径や長さ及びアスペクト比
の測定は、顕微鏡等により測定された値より求められ
る。
【0016】(iv) その他の配合成分(任意成分)[成
分(D]] 本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、本発明効
果を著しく損なわない範囲で、或いは、更に性能の向上
を図るために、上記成分(A)、成分(B)及び成分
(C)以外に、以下に示す任意の添加剤や配合材成分を
配合することができる。具体的には、着色するための顔
料、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、光安定剤、有機
アルミニウム・タルク等の各種核剤、滑剤、上記成分
(A)、成分(B)及び成分(C)以外の、ポリエチレ
ン等の各種樹脂、スチレン・エチレン・ブチレン・スチ
レン共重合ゴム等の各種ゴム、炭酸カルシウム・マイカ
等の各種フィラー等の配合材を挙げることができる。
分(D]] 本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、本発明効
果を著しく損なわない範囲で、或いは、更に性能の向上
を図るために、上記成分(A)、成分(B)及び成分
(C)以外に、以下に示す任意の添加剤や配合材成分を
配合することができる。具体的には、着色するための顔
料、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、光安定剤、有機
アルミニウム・タルク等の各種核剤、滑剤、上記成分
(A)、成分(B)及び成分(C)以外の、ポリエチレ
ン等の各種樹脂、スチレン・エチレン・ブチレン・スチ
レン共重合ゴム等の各種ゴム、炭酸カルシウム・マイカ
等の各種フィラー等の配合材を挙げることができる。
【0017】(2) 配合割合 本発明のプロピレン系樹脂組成物において、必要に応じ
て配合される成分(B)、成分(C)の各成分は、成分
(A)100重量部を基準として配合される。 (i) 成分(B):エチレン・α−オレフィン共重合ゴム 本発明のプロピレン系樹脂組成物中に必要に応じて配合
される成分(B)のエチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムの配合割合は、成分(A)100重量部に対して、1
〜60重量部が好ましく、特に2〜30重量部が好まし
い。成分(B)の配合割合が多過ぎると、硬度・剛性や
射出成形加工性が低下し、実用性が低下する。一方、少
な過ぎると衝撃強度が低下し、実用性が低下する。
て配合される成分(B)、成分(C)の各成分は、成分
(A)100重量部を基準として配合される。 (i) 成分(B):エチレン・α−オレフィン共重合ゴム 本発明のプロピレン系樹脂組成物中に必要に応じて配合
される成分(B)のエチレン・α−オレフィン共重合ゴ
ムの配合割合は、成分(A)100重量部に対して、1
〜60重量部が好ましく、特に2〜30重量部が好まし
い。成分(B)の配合割合が多過ぎると、硬度・剛性や
射出成形加工性が低下し、実用性が低下する。一方、少
な過ぎると衝撃強度が低下し、実用性が低下する。
【0018】(ii) 成分(C):タルク 本発明のプロピレン系樹脂組成物において、必要に応じ
て配合される成分(C)のタルクの配合割合は、成分
(A)100重量部に対して、0.1〜50重量部が好
ましく、特に0.1〜20重量部が好ましい。成分
(C)の配合割合が多過ぎると、耐衝撃性や射出成形加
工性更には成形品外観が低下し、密度も大となって実用
性が低下する。
て配合される成分(C)のタルクの配合割合は、成分
(A)100重量部に対して、0.1〜50重量部が好
ましく、特に0.1〜20重量部が好ましい。成分
(C)の配合割合が多過ぎると、耐衝撃性や射出成形加
工性更には成形品外観が低下し、密度も大となって実用
性が低下する。
【0019】[II] プロピレン系樹脂組成物の製造 (1) 混練・造粒 本発明のプロピレン系樹脂組成物が、上記成分(A)単
体のみで構成する場合は、前述の重合方法により製造す
るのであるが、場合により成分(A)と成分(B)及び
/又は成分(C)とで構成する場合には、これら各成分
を上記配合割合で配合して一軸押出機、二軸押出機、バ
ンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラ
ストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて170
〜280℃の条件下で混練・造粒することによって本発
明のプロピレン系樹脂組成物を得ることができる。この
場合、各成分の分散を良好にすることができる混練・造
粒方法を選択することが好ましく、通常は二軸押出機を
用いて混練・造粒が行なわれる。この混練・造粒の際に
は、上記成分(A)、成分(B)、場合により成分
(C)の配合物を同時に混練しても良く、また、性能の
向上を図るべく、各成分を分割、例えば、先ず成分
(A)と成分(C)の一部又は全部を混練し、その後に
残りの成分を混練・造粒することもできる。
体のみで構成する場合は、前述の重合方法により製造す
るのであるが、場合により成分(A)と成分(B)及び
/又は成分(C)とで構成する場合には、これら各成分
を上記配合割合で配合して一軸押出機、二軸押出機、バ
ンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラ
ストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて170
〜280℃の条件下で混練・造粒することによって本発
明のプロピレン系樹脂組成物を得ることができる。この
場合、各成分の分散を良好にすることができる混練・造
粒方法を選択することが好ましく、通常は二軸押出機を
用いて混練・造粒が行なわれる。この混練・造粒の際に
は、上記成分(A)、成分(B)、場合により成分
(C)の配合物を同時に混練しても良く、また、性能の
向上を図るべく、各成分を分割、例えば、先ず成分
(A)と成分(C)の一部又は全部を混練し、その後に
残りの成分を混練・造粒することもできる。
【0020】(2) プロピレン系樹脂組成物の成形 この様にして得られたプロピレン系樹脂組成物は、射出
成形(ガス射出成形も含む)又は射出圧縮成形(プレス
インジェクション)にて成形することによって各種成形
品を得ることができる。
成形(ガス射出成形も含む)又は射出圧縮成形(プレス
インジェクション)にて成形することによって各種成形
品を得ることができる。
【0021】[III] プロピレン系樹脂組成物の物性 (1) 物 性 上記方法によって製造された本発明のプロピレン系樹脂
組成物は、該組成物の物性が、X線光電子分光分析法
(Electron Spectroscopyfor
Chemical Analysis=ESCA)で
測定した結合エネルギー(Binding Energ
y)=16.5eVのピークの強度と結合エネルギー
(Binding Energy)=13.5eVのピ
ークの強度との2本の価電子バンドの強度比(I 1
6.5/I 13.5)を1.8〜2.0、好ましくは
1.85〜2.0、特に好ましくは1.9〜2.0に制
御して、成形品の表面に露出しているゴム成分の存在状
態を適正な状態とすることにより、アイゾット衝撃強度
(23℃、ノッチ付)を10KJ/m2 以上、好ましく
は13KJ/m2 以上、特に好ましくは20KJ/m2
以上とし、かつ、成形品表面のロックウエル硬度を60
以上、好ましくは65以上、特に好ましくは70以上の
性能を示すものとすることができる。
組成物は、該組成物の物性が、X線光電子分光分析法
(Electron Spectroscopyfor
Chemical Analysis=ESCA)で
測定した結合エネルギー(Binding Energ
y)=16.5eVのピークの強度と結合エネルギー
(Binding Energy)=13.5eVのピ
ークの強度との2本の価電子バンドの強度比(I 1
6.5/I 13.5)を1.8〜2.0、好ましくは
1.85〜2.0、特に好ましくは1.9〜2.0に制
御して、成形品の表面に露出しているゴム成分の存在状
態を適正な状態とすることにより、アイゾット衝撃強度
(23℃、ノッチ付)を10KJ/m2 以上、好ましく
は13KJ/m2 以上、特に好ましくは20KJ/m2
以上とし、かつ、成形品表面のロックウエル硬度を60
以上、好ましくは65以上、特に好ましくは70以上の
性能を示すものとすることができる。
【0022】また、本発明のプロピレン系樹脂組成物
は、密度が好ましくは1.10g/cm3 以下、特に好
ましくは0.95g/cm3 以下、メルトフローレート
(MFR:230℃、2.16kg)が好ましくは10
g/10分以上、特に好ましくは25g/10分以上、
更に、その曲げ弾性率が好ましくは800MPa以上、
特に好ましくは900MPa以上の性能を示すものとす
ることもできる。
は、密度が好ましくは1.10g/cm3 以下、特に好
ましくは0.95g/cm3 以下、メルトフローレート
(MFR:230℃、2.16kg)が好ましくは10
g/10分以上、特に好ましくは25g/10分以上、
更に、その曲げ弾性率が好ましくは800MPa以上、
特に好ましくは900MPa以上の性能を示すものとす
ることもできる。
【0023】上記2本の価電子バンドの強度比(I 1
6.5/I 13.5)において、上記数値が大きいこ
とはゴム成分の露出量が少ないことを意味し、小さいこ
とはゴム成分の露出量が多いことを意味するものであ
る。従って、この2本の価電子バンドの強度比(I 1
6.5/I 13.5)を上記範囲内とすることによ
り、成形品の表面に露出しているゴム成分量の多少を制
御して、ゴム成分の露出量を適正な存在状態とするもの
である。上記2本の価電子バンドの強度比が1.8未満
のものは成形品表面の前記ゴムの存在量が過多であり、
その表面硬度が著しく低くなる。一方、2.0を超過す
るものはゴム成分の存在量が過少となって、その衝撃強
度が低くなる。従って、いずれの場合も実用性に欠ける
ものとなる。
6.5/I 13.5)において、上記数値が大きいこ
とはゴム成分の露出量が少ないことを意味し、小さいこ
とはゴム成分の露出量が多いことを意味するものであ
る。従って、この2本の価電子バンドの強度比(I 1
6.5/I 13.5)を上記範囲内とすることによ
り、成形品の表面に露出しているゴム成分量の多少を制
御して、ゴム成分の露出量を適正な存在状態とするもの
である。上記2本の価電子バンドの強度比が1.8未満
のものは成形品表面の前記ゴムの存在量が過多であり、
その表面硬度が著しく低くなる。一方、2.0を超過す
るものはゴム成分の存在量が過少となって、その衝撃強
度が低くなる。従って、いずれの場合も実用性に欠ける
ものとなる。
【0024】X線光電子分光分析法 上記X線光電子分光分析法(Electron Spe
ctroscopyfor Chemical Ana
lysis=ESCA)は、一般に100オングストロ
ーム以内の極く浅い表面の元素や原子結合状態を定量的
に知ることができるもので、中でも、結合エネルギーが
ほぼ40eV以下のESCAスペクトル、いわゆる価電
子スペクトルは分子構造に敏感であり、ポリプロピレン
とエチレン・α−オレフィン共重合ゴムとで異なってい
る。すなわち、結合エネルギー=13.5eVのピーク
は、エチレン・α−オレフィン共重合ゴムでは大きく、
ポリプロピレンでは小さい。一方、結合エネルギー=1
6.5eVのピークは、ポリプロピレンでは大きく、エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴムでは小さい。そこ
で、ポリプロピレン/エチレン・α−オレフィン共重合
ゴム系複合材料において、この2本の価電子バンドの強
度比=I 16.5/I 13.5(以下バンド強度
比)が大きいことは、この材料の成形品表面に存在する
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムが少ないことを意
味する。
ctroscopyfor Chemical Ana
lysis=ESCA)は、一般に100オングストロ
ーム以内の極く浅い表面の元素や原子結合状態を定量的
に知ることができるもので、中でも、結合エネルギーが
ほぼ40eV以下のESCAスペクトル、いわゆる価電
子スペクトルは分子構造に敏感であり、ポリプロピレン
とエチレン・α−オレフィン共重合ゴムとで異なってい
る。すなわち、結合エネルギー=13.5eVのピーク
は、エチレン・α−オレフィン共重合ゴムでは大きく、
ポリプロピレンでは小さい。一方、結合エネルギー=1
6.5eVのピークは、ポリプロピレンでは大きく、エ
チレン・α−オレフィン共重合ゴムでは小さい。そこ
で、ポリプロピレン/エチレン・α−オレフィン共重合
ゴム系複合材料において、この2本の価電子バンドの強
度比=I 16.5/I 13.5(以下バンド強度
比)が大きいことは、この材料の成形品表面に存在する
エチレン・α−オレフィン共重合ゴムが少ないことを意
味する。
【0025】[IV] 用 途 本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上記性能を発現す
ることができるため、各種の生活資材用製品、或いは、
自動車部品や家電機器部品等の各種工業部品用等の成形
材料としての実用性能を有している。
ることができるため、各種の生活資材用製品、或いは、
自動車部品や家電機器部品等の各種工業部品用等の成形
材料としての実用性能を有している。
【0026】
【実施例】本発明のプロピレン系樹脂組成物を更に詳細
に説明するために、以下に示す実施例及び比較例を示し
て具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比
較例によって限定されるものではない。 [I] 原材料 ここでの原材料は次に示すものである。 (1) 成分(A):いずれも酸化防止剤配合済ペレット
状 A−1: 密度が0.9092g/cm3 のa単位部を
93重量%、エチレン含量50重量%のb単位部を7重
量%各々含有し、成分(A)全体の重合MFRが30g
/10分の、気相重合法で製造したプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体 A−2: 密度が0.9091g/cm3 のa単位部を
85重量%、エチレン含量55重量%のb単位部を15
重量%各々含有し、成分(A)全体の重合MFRが28
g/10分の、気相重合法で製造したプロピレン・エチ
レンブロック共重合体 A−3: 密度が0.9092g/cm3 のa単位部を
74重量%、エチレン含量45重量%のb単位部を26
重量%各々含有し、成分(A)全体の重合MFRが31
g/10分の、気相重合法で製造したプロピレン・エチ
レンブロック共重合体 A−4: 密度が0.9092g/cm3 、成分(A)
全体の重合MFRが16g/10分の、気相重合法で製
造したプロピレン単独重合体
に説明するために、以下に示す実施例及び比較例を示し
て具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比
較例によって限定されるものではない。 [I] 原材料 ここでの原材料は次に示すものである。 (1) 成分(A):いずれも酸化防止剤配合済ペレット
状 A−1: 密度が0.9092g/cm3 のa単位部を
93重量%、エチレン含量50重量%のb単位部を7重
量%各々含有し、成分(A)全体の重合MFRが30g
/10分の、気相重合法で製造したプロピレン・エチレ
ンブロック共重合体 A−2: 密度が0.9091g/cm3 のa単位部を
85重量%、エチレン含量55重量%のb単位部を15
重量%各々含有し、成分(A)全体の重合MFRが28
g/10分の、気相重合法で製造したプロピレン・エチ
レンブロック共重合体 A−3: 密度が0.9092g/cm3 のa単位部を
74重量%、エチレン含量45重量%のb単位部を26
重量%各々含有し、成分(A)全体の重合MFRが31
g/10分の、気相重合法で製造したプロピレン・エチ
レンブロック共重合体 A−4: 密度が0.9092g/cm3 、成分(A)
全体の重合MFRが16g/10分の、気相重合法で製
造したプロピレン単独重合体
【0027】(2) 成分(B):いずれもペレット状 B−1: プロピレンを27.8重量%含有(赤外法)
し、MFRが0.3g/10分、密度が0.862g/
cm3 のバナジウム化合物系触媒を用いて溶液重合法で
製造されたエチレン・プロピレン共重合ゴム B−2: 1−ブテンを20.4重量%含有(赤外法)
し、MFRが1.0g/10分、密度が0.885g/
cm3 のバナジウム化合物系触媒を用いて溶液重合法で
製造されたエチレン・1−ブテン共重合ゴム B−3: 1−オクテンを25.5重量%含有(赤外
法)し、MFRが0.9g/10分、密度が0.871
g/cm3 のメタロセン系触媒を用いて溶液重合法で製
造されたエチレン・1−オクテン共重合ゴム B−4: プロピレンを24.6重量%含有(赤外法)
し、MFRが46.7g/10分、密度が0.873g
/cm3 のバナジウム化合物系触媒を用いて溶液重合法
で製造されたエチレン・プロピレン共重合ゴム B−5: 1−オクテンを24.7重量%含有(赤外
法)し、MFRが58.6g/10分、密度が0.87
2g/cm3 のメタロセン系触媒を用いて溶液重合法で
製造されたエチレン・1−オクテン共重合ゴム B−6: 1−オクテンを23.9重量%含有(赤外
法)し、MFRが11.7g/10分、密度が0.87
2g/cm3 のメタロセン系触媒を用いて溶液重合法で
製造されたエチレン・1−オクテン共重合ゴム なお、ここでのMFRは、230℃、2.16kgの条
件の測定値である。
し、MFRが0.3g/10分、密度が0.862g/
cm3 のバナジウム化合物系触媒を用いて溶液重合法で
製造されたエチレン・プロピレン共重合ゴム B−2: 1−ブテンを20.4重量%含有(赤外法)
し、MFRが1.0g/10分、密度が0.885g/
cm3 のバナジウム化合物系触媒を用いて溶液重合法で
製造されたエチレン・1−ブテン共重合ゴム B−3: 1−オクテンを25.5重量%含有(赤外
法)し、MFRが0.9g/10分、密度が0.871
g/cm3 のメタロセン系触媒を用いて溶液重合法で製
造されたエチレン・1−オクテン共重合ゴム B−4: プロピレンを24.6重量%含有(赤外法)
し、MFRが46.7g/10分、密度が0.873g
/cm3 のバナジウム化合物系触媒を用いて溶液重合法
で製造されたエチレン・プロピレン共重合ゴム B−5: 1−オクテンを24.7重量%含有(赤外
法)し、MFRが58.6g/10分、密度が0.87
2g/cm3 のメタロセン系触媒を用いて溶液重合法で
製造されたエチレン・1−オクテン共重合ゴム B−6: 1−オクテンを23.9重量%含有(赤外
法)し、MFRが11.7g/10分、密度が0.87
2g/cm3 のメタロセン系触媒を用いて溶液重合法で
製造されたエチレン・1−オクテン共重合ゴム なお、ここでのMFRは、230℃、2.16kgの条
件の測定値である。
【0028】(3) 成分(C) C−1: 平均粒径6.1μm、平均アスペクト比6の
タルク
タルク
【0029】[II] 評価方法 測定方法及び評価は次に示す通りの方法により行なっ
た。 (1) バンド強度比 X線光電子分光分析法(Electron Spectroscopy fo r Chemical Analysis=ESCA)による測定 測定装置: 島津製作所製ESCA「ESCA 1000」 試験片 :射出成形シート(100×120×2mmt) 測定条件: 励起X線=Mg Kα線(1253.6eV) X線出力=8KV、30mA Pass Energy=31.5eV 化学シフト補正=中性炭素(−CH2 −)のC1SピークのBin ding Energyを285.0eVに合わせた。 得られたESCAスペクトルの結合エネルギー=27e
V付近の極小値と結合エネルギー=11eV付近の極小
値を直線で結んでバックグラウンドとし、ピーク高さを
測ることによって結合エネルギー=16.5eVのピー
ク強度I 16.5と結合エネルギー=13.5eVの
ピーク強度I 13.5とを求めた。
た。 (1) バンド強度比 X線光電子分光分析法(Electron Spectroscopy fo r Chemical Analysis=ESCA)による測定 測定装置: 島津製作所製ESCA「ESCA 1000」 試験片 :射出成形シート(100×120×2mmt) 測定条件: 励起X線=Mg Kα線(1253.6eV) X線出力=8KV、30mA Pass Energy=31.5eV 化学シフト補正=中性炭素(−CH2 −)のC1SピークのBin ding Energyを285.0eVに合わせた。 得られたESCAスペクトルの結合エネルギー=27e
V付近の極小値と結合エネルギー=11eV付近の極小
値を直線で結んでバックグラウンドとし、ピーク高さを
測ることによって結合エネルギー=16.5eVのピー
ク強度I 16.5と結合エネルギー=13.5eVの
ピーク強度I 13.5とを求めた。
【0030】(2) 硬度:ロックウエル硬度 JIS−K7202に準拠して、Rスケールにて、23
℃の温度下にて測定した。 (3) 衝撃強度:アイゾット衝撃強度 JIS−K7110に準拠して、23℃の温度下、ノッ
チ付きで測定した。 (4) 密 度 JIS−K7112に準拠して測定した。
℃の温度下にて測定した。 (3) 衝撃強度:アイゾット衝撃強度 JIS−K7110に準拠して、23℃の温度下、ノッ
チ付きで測定した。 (4) 密 度 JIS−K7112に準拠して測定した。
【0031】(5) MFR JIS−K7210に準拠して、230℃、2.16k
g荷重にて測定した。 (6) 剛性:曲げ弾性率 JIS−K7203に準拠して測定した。本値は耐熱性
の目安ともなる。
g荷重にて測定した。 (6) 剛性:曲げ弾性率 JIS−K7203に準拠して測定した。本値は耐熱性
の目安ともなる。
【0032】[III] 実験例 実施例1〜6及び比較例1〜5 上記の成分(A)、又は、成分(A)と成分(B)及び
/又は成分(C)を表1に示す割合で配合し、タンブラ
ーミキサーにて毎分25回転、10分間の条件下で十分
混合した。その後、(株)神戸製鋼所製高速二軸押出機
(KCM)を用い混練造粒し、得られたペレット(但
し、実施例6と比較例5は重合ペレット)を射出成形機
へ供給し、評価用シート試験片を成形して、評価を行な
った。その評価結果を表1に示す。表1に示すように、
実施例1〜6に示す組成を持った樹脂組成物は、いずれ
も良好な表面硬度と衝撃強度のバランスを示すと共に、
軽量で高流動性・高剛性の物性を示すものであった。一
方、比較例1〜5に示したものは、これらの物性の性能
のバランスが不良なものであった。
/又は成分(C)を表1に示す割合で配合し、タンブラ
ーミキサーにて毎分25回転、10分間の条件下で十分
混合した。その後、(株)神戸製鋼所製高速二軸押出機
(KCM)を用い混練造粒し、得られたペレット(但
し、実施例6と比較例5は重合ペレット)を射出成形機
へ供給し、評価用シート試験片を成形して、評価を行な
った。その評価結果を表1に示す。表1に示すように、
実施例1〜6に示す組成を持った樹脂組成物は、いずれ
も良好な表面硬度と衝撃強度のバランスを示すと共に、
軽量で高流動性・高剛性の物性を示すものであった。一
方、比較例1〜5に示したものは、これらの物性の性能
のバランスが不良なものであった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】このような本発明のプロピレン系樹脂組
成物は、バンド強度比が適度に制御されて成形品の表面
に露出するゴム成分の存在状態が適正であり、優れた成
形品表面硬度と衝撃強度のバランスを有するほか、軽量
で成形加工性(流動性)が良好で高剛性でもあるため、
各種の生活資材用製品、自動車部品や家電機器部品等の
各種工業部品用、中でもバンパー、インストルメントパ
ネル等の自動車部品、とりわけ、トリム、センターピラ
ー、ドアトリム等の内装部品成形用として重要な素材で
ある。
成物は、バンド強度比が適度に制御されて成形品の表面
に露出するゴム成分の存在状態が適正であり、優れた成
形品表面硬度と衝撃強度のバランスを有するほか、軽量
で成形加工性(流動性)が良好で高剛性でもあるため、
各種の生活資材用製品、自動車部品や家電機器部品等の
各種工業部品用、中でもバンパー、インストルメントパ
ネル等の自動車部品、とりわけ、トリム、センターピラ
ー、ドアトリム等の内装部品成形用として重要な素材で
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】プロピレン系樹脂組成物からなり、該組成
物の物性が、X線光電子分光分析法で測定した2本の価
電子バンドの強度比にて1.8〜2.0を示し、アイゾ
ット衝撃強度(23℃、ノッチ付)が10KJ/m2 以
上であり、かつロックウェル硬度が60以上であること
を特徴とするプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項2】プロピレン系樹脂組成物が、プロピレン・
エチレンブロック共重合体とエチレン・α−オレフィン
共重合ゴムとからなるものである、請求項1に記載のプ
ロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項3】プロピレン系樹脂組成物が、プロピレン・
エチレンブロック共重合体、エチレン・α−オレフィン
共重合ゴム及びタルクからなるものである、請求項1に
記載のプロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項4】アイゾット衝撃強度(23℃、ノッチ付)
が20KJ/m2 以上であり、かつ、ロックウェル硬度
が70以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のプ
ロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項5】X線光電子分光分析法で測定した2本の価
電子バンドの強度比が1.9〜2.0である、請求項1
〜4のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22175797A JPH1160832A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | プロピレン系樹脂組成物 |
EP98306252A EP0896028A1 (en) | 1997-08-07 | 1998-08-05 | Propylene resin composition and method for evaluating the same |
US09/129,700 US6040374A (en) | 1997-08-07 | 1998-08-05 | Propylene resin composition and method for evaluating the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22175797A JPH1160832A (ja) | 1997-08-18 | 1997-08-18 | プロピレン系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1160832A true JPH1160832A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16771738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22175797A Pending JPH1160832A (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-18 | プロピレン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1160832A (ja) |
-
1997
- 1997-08-18 JP JP22175797A patent/JPH1160832A/ja active Pending
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