JPH1160547A - アリルアミン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

アリルアミン誘導体およびその製造方法

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JPH1160547A
JPH1160547A JP21612897A JP21612897A JPH1160547A JP H1160547 A JPH1160547 A JP H1160547A JP 21612897 A JP21612897 A JP 21612897A JP 21612897 A JP21612897 A JP 21612897A JP H1160547 A JPH1160547 A JP H1160547A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子また
は有機残基であり、R3は水素原子、アルカリ金属原
子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または置換
アンモニウム基である)で表される新規なアリルアミン
誘導体、およびその簡単かつ安全な製造法を提供する。 【解決手段】 一般式(2): HNR12 ・・・(2) (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子また
は有機残基である)で表される化合物と一般式(3): 【化2】 (式中、R4は水素原子または有機残基であり、R5は水
素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ア
ンモニウム基または置換アンモニウム基、もしくは炭化
水素残基である)で表される化合物とを反応させて一般
式(1)で表される化合物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なアリルアミン
誘導体およびその製造方法に関する。
【0002】本発明のアリルアミン誘導体は各種有機化
合物、例えばキレート剤、分散剤、界面活性剤などの出
発原料のほかに、各種医薬品の中間体として有用なもの
である。
【0003】
【従来の技術】アミノ基、二重結合およびカルボン酸基
の各部分を同時に有する有機化合物の合成法としては、
例えば、”Polymer Preprints,Ja
pan”、Vol.44、No.2、105(199
5)記載の方法が知られている。この方法は、下記一般
式(4):
【0004】
【化3】
【0005】(式中、Ra、RbおよびRcはそれぞれ独
立してアルキル基である)で表されるエステルタイプの
アリルアミン誘導体を、次の反応式:
【0006】
【化4】
【0007】にしたがってアミン化合物とα−ハロメチ
ルアクリル酸エステルとを反応させて合成するというも
のである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記のエステルタイプ
のアリルアミン誘導体の合成方法の場合、出発原料とし
てアルキルカルボン酸ハロゲン化物とを用いることか
ら、前記反応式により示されるように、ハロゲン化水素
が副生する。このため、反応装置の腐食、産業廃棄物と
しての処理などの問題が生じ、工業的実施に採用するに
は問題が多い。
【0009】そこで、上記のような問題を生じることな
く、分子内にアミノ基、二重結合およびカルボン酸の各
部分を同時に有し、例えばキレート剤などの出発原料と
して特に有用な新規なアリルアミン誘導体を合成する方
法が望まれていた。
【0010】かくして、本発明の目的に一つは、分子内
にアミノ基、二重結合およびカルボン酸の各部分を同時
に有し、例えばキレート剤などの出発原料として特に有
用な新規なアリルアミン誘導体を提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、前記の従来技
術の問題点を解決して、上記の新規なアリルアミン誘導
体を簡単かつ安全に製造する方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、出発原料として一般式(3):
【0013】
【化5】
【0014】(式中の記号は後記のとおり)で表される
化合物を用い、これを一般式(2): HNR12 ・・・(2) (式中の記号は後記のとおり)で表される化合物とを反
応させることにより前記の目的が達成できることがわか
った。
【0015】本発明は、一般式(1):
【0016】
【化6】
【0017】(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して
水素原子または有機残基であり、R3は水素原子、アル
カリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基
または置換アンモニウム基である)で表されるアリルア
ミン誘導体である。
【0018】また、本発明は、一般式(2): HNR12 ・・・(2) (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子また
は有機残基である)で表される化合物と一般式(3):
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R4は水素原子または有機残基で
あり、R5は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土
類金属原子、アンモニウム基または置換アンモニウム
基、もしくは炭化水素残基である)で表される化合物と
を反応させることからなる上記一般式(1)で表される
アリルアミン誘導体の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】一般式(1)において、R1およ
びR2はそれぞれ独立して水素原子または有機残基であ
り、R3は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類
金属原子、アンモニウム基または置換アンモニウム基で
ある。
【0022】R1またはR2で表される有機残基は、−R
6−R7または−R7で表すことができる。ここで、R6
炭素数1〜18、好ましくは1〜10、更に好ましくは
1〜4のアルキレン基である。その代表例としては、メ
チレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン
基、イソブチレン基などを挙げることができる。
【0023】R7は水素原子、アリール基、−OH、−
COOM、または−CH(COOM)−(CH2)n−C
OOMである(ここで、nは1〜4の整数である)。上
記アリール基とは、無置換または置換、例えばアルキル
基、カルボキシル基、アルコキシル基、ヒドロキシル
基、またはニトロ基で置換された炭素数6〜20のアリ
ール基を意味する。その代表例としては、フェニル基、
p−ヒドロキシフェニル基、p−カルボキシフェニル基
などを挙げることができる。上記式において、Mは水素
原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アン
モニウム基または置換アンモニウム基である。アルカリ
金属原子の代表例としては、ナトリウムおよびカリウム
を挙げることができる。アルカリ土類金属の代表例とし
ては、カルシウムおよびマグネシウムを挙げることがで
きる。置換アンモニウム基としては、炭素数1〜6のア
ルキル置換アンモニウム基を挙げることができ、その具
体例としてはメチル置換アンモニウム、エチル置換アン
モニウムなどを挙げることができる。
【0024】一般式(1)において、R1およびR2はそ
れぞれ独立して水素原子、−CH2COOM、または−
CH(COOM)−CH2COOMであるのが好まし
い。ここで、Mは前記と同意義である。
【0025】また、R3は水素原子、アルカリ金属原
子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または置換
アンモニウム基である。アルカリ金属原子の代表例とし
ては、ナトリウムおよびカリウムを挙げることができ
る。アルカリ土類金属の代表例としては、カルシウムお
よびマグネシウムを挙げることができる。置換アンモニ
ウム基としては、炭素数1〜6のアルキル置換アンモニ
ウム基を挙げることができ、その具体例としてはメチル
置換アンモニウム、エチル置換アンモニウムなどを挙げ
ることができる。
【0026】一般式(1)で表されるアリルアミン誘導
体の代表例を挙げると次のとおりである。
【0027】例1
【0028】
【化8】
【0029】例2
【0030】
【化9】
【0031】例3
【0032】
【化10】
【0033】例4
【0034】
【化11】
【0035】例5
【0036】
【化12】
【0037】例6
【0038】
【化13】
【0039】例7
【0040】
【化14】
【0041】例8
【0042】
【化15】
【0043】例9
【0044】
【化16】
【0045】例10
【0046】
【化17】
【0047】例11
【0048】
【化18】
【0049】例12
【0050】
【化19】
【0051】例13
【0052】
【化20】
【0053】これらのうち、例1、例4、例5、例6、
例9、例11および例12の化合物が好ましい。
【0054】一般式(1)で表されるアリルアミン誘導
体は、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で
表される化合物とを反応させることにより得られる。
【0055】一般式(2)におけるR1およびR2は一般
式(1)で述べたと同意義なものである。
【0056】一般式(2)で表される化合物の代表例を
挙げると次のとおりである。
【0057】アンモニア;モノメチルアミン、モノエチ
ルアミン、モノブチルアミン、モノオクチルアミンなど
のモノアルキルアミン類;フェニルアミン、p−ヒドロ
キシフェニルアミン、p−カルボキシフェニルアミンな
どのアリールアミン類;モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミンなどのヒドロキシアルキルアミン類;モノ
アミノ酢酸、イミノジ酢酸、イミノジプロピオン酸など
のカルボキシアルキルアミン類;およびアスパラギン
酸、グリシンなどのアミノ酸。
【0058】これらはいずれも市販されており、工業的
に容易に入手することができる。
【0059】一般式(3)におけるR4とは、水素原子
または有機残基である。この有機残基の代表例は、炭素
数1〜18のアルキレン基、または−(R8−O)n−H
である。ここで、R8は炭素数2〜4のアルキレン基で
あり、nは1〜20の整数である。
【0060】R4で表されるアルキレン基は炭素数1〜
18、好ましくは1〜10のものであり、その代表例と
しては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などを
挙げることができる。R8で表されるアルキレン基の代
表例としては、エチレン基を挙げることができる。
【0061】一般式(3)におけるR5とは、水素原
子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモ
ニウム基または置換アンモニウム基、もしくは炭化水素
残基である。アルカリ金属の代表例としては、ナトリウ
ムおよびカリウムを挙げることができる。アルカリ土類
金属の代表例としては、カルシウムおよびマグネシウム
を挙げることができる。置換アンモニウム基の代表例と
しては、炭素数1〜6のアルキル置換アンモニウム基、
具体的にはメチル置換アンモニウム基、エチル置換アン
モニウム基などを挙げることができる。炭化水素残基と
は、代表的には、炭化水素1〜8のアルキル基である。
このアルキル基の代表例としては、メチル基、エチル
基、イソプロピル基などを挙げることができる。
【0062】一般式(3)で表される化合物の代表例を
挙げると次のとおりである。
【0063】酸類:α−(ω−ヒドロキシエチレングリ
コキシメチル)アクリル酸、α−(ω−ヒドロキシプロ
ピレングリコキシメチル)アクリル酸などのα−(ω−
ヒドロキシアルキレングリコキシメチル)アクリル酸;
α−(ω−ヒドロキシポリエチレングリコキシメチル)
アクリル酸、α−(ω−ヒドロキシポリプロピレングリ
コキシメチル)アクリル酸などのα−(ω−ヒドロキシ
ポリアルキレングリコキシメチル)アクリル酸;および
α−(メトキシメチル)アクリル酸、α−(エトキシメ
チル)アクリル酸、α−(n−ブトキシメチル)アクリ
ル酸などのα−(アルコキシメチル)アクリル酸。
【0064】エステル類:上記酸類のメチルエステル、
エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピル
エステル、n−ブチルエステル、2−エチルヘキシルエ
ステルなどのエステル類。
【0065】塩類:上記酸類のナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、
メチル置換アンモニウム塩、エチル置換アンモニウム塩
などの塩類。
【0066】一般式(3)で表される化合物は公知であ
り、例えばα−(ω−ヒドロキシアルキレングリコキシ
メチル)アクリル酸やα−(ω−ヒドロキシポリアルキ
レングリコキシメチル)アクリル酸、およびそのエステ
ルなどの誘導体は、例えばアルキル酸エステル類と環状
エーテル化合物を反応させる方法(特開平8−2957
33号公報)により容易に得られる。また、α−(アル
コキシメチル)アクリル酸およびそのエステルなどの誘
導体は、例えばアクリル酸エステル類とヒドロキシル基
含有化合物とを酸触媒の存在下に反応させる方法(特開
平8−325200号公報)により容易に得ることがで
きる。
【0067】一般式(2)で表される化合物と一般式
(3)で表される化合物との反応は、これら化合物およ
び生成する一般式(1)で表される化合物が水溶性であ
るため、通常、水性媒体中、例えば純水中で行う。
【0068】反応温度は60〜120℃、好ましくは8
0〜100℃である。反応温度が高すぎると分解反応や
原料の重合などの副反応が起こり易くなり、一方低すぎ
ると反応が進まなくなる。反応は常圧、または加圧下で
もよいが、通常、常圧で行う。
【0069】反応は、一般式(2)の化合物の水溶液を
pH8〜13、好ましくは9〜11に調整し、これに一
般式(3)の化合物を徐々に添加することで開始され
る。なお、pHが8未満では反応は進行せず、一方pH
が13を超える条件下で反応を行っても、アルカリの添
加量に応じた収率の向上は得られない。
【0070】なお、一般式(3)の化合物の添加中は、
反応液のpHを8〜13、好ましくは9〜11の範囲に
保持するのが反応の進行のために好都合である。原料と
してエステル類を用いる場合には、エステル部分の加水
分解が進行して反応液のpHが低下するので、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性物質の水溶
液を添加して反応液のpHを8〜13、好ましくは9〜
11の範囲に調整するのがよい。
【0071】一般式(3)の化合物の添加終了後は、反
応液の温度を60〜120℃、好ましくは80〜100
℃に、また反応液のpHを8〜13、好ましくは9〜1
1に保持して、1〜20時間、好ましくは2〜5時間程
度熟成を行って反応を完結させるのが好ましい。熟成時
間が1時間未満では反応が完全に終了せず、一方20時
間を超えて熟成させても、更なる収率の向上は認められ
ない。
【0072】反応終了後の反応液中には、目的物質であ
る一般式(1)の化合物のほかに、未反応の原料、原料
の加水分解物、副生成物として生じたポリアルキレング
リコールやアルコール類などが含まれている。そこで、
目的物質の精製を行う場合には、例えば次のようにして
行うことができる。
【0073】反応後の反応液に塩酸、硫酸などの酸性物
質を添加するか、または酸型イオン交換樹脂、例えばD
IAION SK116(三菱化学(株)製)を用いる
ことで反応液のpHを2〜6に調整する。次いで、この
反応液を、Na型イオン交換樹脂、例えばIRA−68
(オルガノ(株)製)を用い、純水を溶離液としたイオ
ン交換カラムによって、目的物質をポリアルキレングリ
コールやアルコール類から分離することができる。すな
わち、ポリアルキレングリコールやアルコール類はイオ
ン交換樹脂との相互作用がほとんどないため最初に溶出
されが、目的物質はカルボン酸部を持っているので、イ
オン交換樹脂との相互作用が生じ、カラムから溶出され
るまでに時間がかかるので、この差を利用して目的物質
とポリアルキレングリコールやアルコール類とを分離す
ることができる。次に、目的物質を含む溶出液に塩酸、
硫酸などの酸性物質を添加するか、または酸型イオン交
換樹脂、例えばDIOION SK116を用いること
により、そのpHを2〜6に調整する。このようにして
調整した溶液を濃縮し、冷却することにより目的物質の
結晶が得られる。この結晶は目的物質の酸型(一般式
(1)において、R3=水素原子)であるが、アルカリ
金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニア
または置換アンモニアなどの水溶液を添加することで対
応するアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩または置換アンモニウム塩とすることができる。
【0074】なお、本発明の反応は下記式によって表す
ことができる。
【0075】
【化21】
【0076】本発明の一般式(1)で表されるアリルア
ミン誘導体は、分子中に反応性に富んだアミノ基、二重
結合およびカルボン酸の各部分を有することから各種有
機化合物を製造するための出発原料ないしは中間体とし
て利用することができる。上記有機化合物の具体例とし
ては、例えばキレート剤、分散剤、界面活性剤、凝集
剤、医薬品などを挙げることができる。なかでも、カル
シウムなどの金属補足効果が高いのでキレート剤として
の利用が特に期待されるものである。そのほか、二重結
合部分に更に機能性の官能基を付加することにより、キ
レート剤に新たな機能を付加させることができる。例え
ば、脂肪族アミン類を付加させて、油溶性のキレート剤
を合成することができる。この機能性官能基の付加反応
は、アリルアミン誘導体が水溶性であるため、水性媒体
中で容易に行うことができる。
【0077】そのほか、熱、紫外線、イオン化放射線ま
たはラジカル重合開始剤などにより容易に重合するの
で、その単独重合、または他の重合性モノマーとの共重
合によって各種合成樹脂の製造に利用することができ
る。例えば、共重合成分として使用することにより、ア
ミノ基やカルボン酸基をポリマーの側鎖に導入すること
ができ、しかもこのアミノ基は加水分解により容易に遊
離しない特徴を持っているので各種合成樹脂の改質に用
いることができる。
【0078】
【発明の効果】本発明のアリルアミン誘導体は、分子内
にアミノ基、二重結合およびカルボン酸の各部分を同時
に有しているので、各種有機化合物の出発原料ないしは
中間体として有用である。
【0079】また、本発明の方法によれば、上記アリル
アミン誘導体を簡単かつ安全な方法により容易に製造す
ることができる。
【0080】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0081】実施例1 300ml四つ口フラスコ中で、イミノジ酢酸13.3
g(100mmol)と水酸化ナトリウム8.0g(2
00mmol)とを水112gに溶かし、オイルバス中
で80℃に加熱した。この溶液に、α−(ω−ヒドロキ
シポリエチレングリコキシメチル)アクリル酸エチル
(エチレンオキシドの平均付加モル数=10)の58重
量%水溶液97.7g(100mmol)を1時間かけ
て滴下した。滴下中、原料のα−(ω−ヒドロキシポリ
エチレングリコキシメチル)アクリル酸エチルのエステ
ル部の加水分解が起こり、pHが低下するので、水酸化
ナトリウム水溶液を適宜滴下して反応液のpHを9〜1
0に保持した。
【0082】α−(ω−ヒドロキシポリエチレングリコ
キシメチル)アクリル酸エチルの滴下終了後も反応液の
温度を80℃に保ち、更に3時間撹拌することにより反
応を熟成させた。この熟成反応中においてもpHが低下
するので、水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下して反応
液のpHを9〜10に保持した。
【0083】次に、反応液から目的物質であるα−
(N,N−ジカルボキシルメチル)アミノメチル)アク
リル酸を単離するため以下の精製操作を行った。
【0084】反応液にイオン交換樹脂DIAON SK
116(三菱化学(株)製)130mlを加えた。イオ
ン交換樹脂を加えた後のpHは3であった。イオン交換
樹脂をろ過により取り除いた後、ろ液を1/3まで濃縮
した。次に、ナトリウム型イオン交換樹脂IRA−68
(オルガノ(株)製)100mlをカラム充填物とし、
純水を溶離液として用い、イオン交換カラムによるポリ
エチレングリコールの分離操作を行った。ポリエチレン
グリコールは最初に溶出されるため目的物質と分離する
ことができた。次に、目的物質を含む溶出液に酸型イオ
ン交換樹脂DIAION SK116(三菱化学(株)
製)100mlを加えた。このイオン交換樹脂を加えた
後のpHは3であった。イオン交換樹脂をろ過により取
り除いた後、ろ液を濃縮し、1晩放置したところ白色結
晶が析出した。
【0085】この白色結晶をろ取、水で洗浄した後、乾
燥したところ、2.5gの収量であった。1H−NM
R、13C−NMRおよび元素分析によって、この白色結
晶がα−(N,N−ジカルボキシルメチル)アミノメチ
ル)アクリル酸であることを確認した。
【0086】 1H−NMR(D2O+NaOD)δppm δ6.54(s.1H)、δ6.14(s.1H)、δ
4.09(s.2H)、δ3.90(s.4H) 13C−NMR (D2O+NaOD)δppm δ170.0(2)、δ133.7(=C)、δ
132.1(=C)、δ57.0(2)、δ5
6.5(2)、δ56.4(2

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子また
    は有機残基であり、R3は水素原子、アルカリ金属原
    子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基または置換
    アンモニウム基である)で表されるアリルアミン誘導
    体。
  2. 【請求項2】 有機残基が−CH2COOM、または−
    CH(COOM)−CH2COOM(ここで、Mは水素
    原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アン
    モニウム基または置換アンモニウム基である)である請
    求項1記載の誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(2): HNR12 ・・・(2) (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子また
    は有機残基である)で表される化合物と一般式(3): 【化2】 (式中、R4は水素原子または有機残基であり、R5は水
    素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、ア
    ンモニウム基または置換アンモニウム基、もしくは炭化
    水素残基である)で表される化合物とを反応させること
    からなる請求項1の一般式(1)で表されるアリルアミ
    ン誘導体の製造方法。
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