JPH0714904B2 - グリシンの改良合成方法 - Google Patents

グリシンの改良合成方法

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JPH0714904B2
JPH0714904B2 JP23403890A JP23403890A JPH0714904B2 JP H0714904 B2 JPH0714904 B2 JP H0714904B2 JP 23403890 A JP23403890 A JP 23403890A JP 23403890 A JP23403890 A JP 23403890A JP H0714904 B2 JPH0714904 B2 JP H0714904B2
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glycoloamine
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、グリシンの改良合成方法に関し、より詳細に
は、酢酸第4級アンモニウム・クロライド[トリアルキ
ルカルボキシメチルアンモニウム・クロライドとも呼
ぶ、一般にモノクロル酢酸(以下省略MCA)とターシャ
リー・アミンとの反応により得られたもの]と、グリコ
ロアミンとを、アルカノール中で反応させることによ
り、グリシン、即ちモノアミン酢酸を、一段反応で、選
択的に、高収率及び高純度で製造する改良方法に関す
る。
(従来の技術) 過去、現在を通じてグリシンの合成方法は、殆んどグリ
コロニトリル(Glycolo nitrile)のアンモノシスによ
り、アミノアセトニトリルを合成し、これを加水分解し
てグリシンを得るストレッカー(Strecker)法が大部分
を占め、MCAを出発原料とする方法は古典的な実験室方
法にのみとどまり、経済性は認められていなかった。
その理由は、 1)反応の際、グリシンの外、イミノジ酢酸、ニトリロ
・三酢酸を生じ、収率が低いこと。
2)アンモニアを多量使うこと。
3)反応時間が長いこと。(数日間必要) (以上Organic Synthesis Vol.II参照) この欠点を改善する為色々の工夫をした特許が既に提案
されて居る。即ち 1)米国特許第3,190,914号明細書(6月22日,1965
年)、 2)特公昭58-222055号公報、 等が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記米国特許第3,190,914号明細書は、MCAを水溶液中で
アンモニアとフォルマリン(36%溶液)とを反応させ、
グリシンを80〜90%の収率で得ることが出来ることにな
って居るが、この方法の欠点は、等モル反応では反応時
間が長く、収率も70%位で、収率を90%以上に上げる為
にはアンモニアを3モル倍以上にしなければならず、こ
の条件ではMCAがグリシンに転化する際、生じた塩酸が
アンモニアと結合して塩化アンモンを生じ、グリシンの
分離を困難ならしめ、この分離の為に、両者の溶解度の
差異を利用した濃縮結晶の操作を数回繰り返さなければ
ならない為、実際の収率は相当低下する。
特公昭58-222055号公報では、触媒として炭酸アンモ
ン、塩化アンモンを多量使用しなければならず、しかも
イミノジ酢酸が副成し、分離操作が複雑となり、コスト
高となる。
最近の進歩した分離方法としてイオン交換樹脂法が採用
されて居るが、この方法は抽出、展開、展開液濃縮、結
晶と多くの工程と相当大規模の設備を必要とし、且イオ
ン交換樹脂の更新費用がコスト高の原因となる。
従って、本発明の目的は、上記の公知方法の欠点を解消
し、モノクロル酢酸(MCA)を出発原料としてグリシン
のみを一段反応で高収率、高純度で得ることが出来る方
法を提供しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明によれば、酢酸第4級アンモニウム・クロライド
とグリコロアミンとをアルカノール中で反応させ、グリ
シンを結晶性沈殿として得ることを特徴とするグリシン
の合成方法が提供される。
本発明によればまた、モノクロル酢酸とターシャリ・ア
ミンとをアルカノール中或いは他の不活性溶剤中で反応
させ、得られる生成物とグリコロアミンとをアルカノー
ル中で反応させ、グリシンを結晶性沈殿として得ること
を特徴とするグリシンの合成方法が提供される。
本発明に用いる酢酸第4級アンモニウム・クロライド
は、式 Cl[R3N・CH2COOH] ……(1) 式中、Rは炭酸数2までのアルキル基である、 で表される化合物であり、この酢酸第4級アンモニウム
・クロライドはモノクロル酢酸とターシャリ・アミンと
をアルカノール中或いは他の不活性溶剤中で反応させる
ことにより形成されたものである。また本発明に用いる
グリコロアミンは式 R1‐NH-R2 ……(2) 式中、R1及びR2は少なくとも一方が基CH2OHであるとい
う条件下に、HまたはCH2OHである、 で表される化合物であり、このグリコロアミンはアンモ
ニアとパラフォルムアルデヒドとの反応により生成した
ものである。
(作用) 本発明方法の特徴は、上記のように、MCAとtert-アミン
との反応生成物である酢酸第4級アンモニウム・クロラ
イドとグリコロアミンとをアルカノール中で適当な温度
条件下に反応させ、短時間内に反応を完結させて、グリ
シンを結晶性沈殿として得ることにある。
この方法の推定されるメカニズムは、MCAが先づ、ター
シャリーアミンと反応して、酢酸第4級アンモニウム・
クロリド)を生成することにより、塩素原子(Cl)がイ
オン化されて活性を増加し、この活性化されたClがグリ
コロアミンのプロトンと容易に反応してHClを生じ、こ
のHClがターシャリーアミンと反応してターシャリーア
ミン・塩酸塩となる。一方、HClの離脱により形成され
たメチロールグリシンが高温に於てターシャリーアミン
・塩酸塩のHClにより、グリシンとパラフォルムアルデ
ヒドに分解し、グリシンはアルカノールに不溶性なの
で、結晶沈殿となるが、同時に生成されたターシャリー
アミン・塩酸塩は高温でアルカノールに溶解してグリシ
ンのみが分離されるものと思われる。
この反応のメカニズムは更に化学反応式で次のように説
明され得る。
1)MCAを先づアルカノール中に溶解し、tert-アミンと
加熱すると、グリニヤール(Griniard)反応の変形とし
て次の反応が起る。(以下ターシャリーアミンをR3Nで
表示)。
Cl・CH2COOH+R3N→Cl-〔R3 +N・CH2COOH〕 ……(3) 即ち、この反応に依りMCAのClが活性化される。この反
応はアルカノール中だけでなく他の不活性溶剤の中でも
起る(反応物は溶剤を溜去すると結晶として得られ
る。) 2)この溶液に対し、アンモニアとパラフォルム・アル
デヒドの反応により形成されたグリコロアミンをそのま
ま、或はアルカノール溶液の状態で加熱すると、直ちに
グリシンが結晶沈殿として懸濁されたスラリー状態にな
る。反応式次の通り。
以上の反応は殆んど定量的に進行し、且選択的にグリシ
ンのみが生成し、従来の方法の大きい欠点となっている
塩化アムモン、イミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸の生成が
皆無であり、皆無でないとしても1%以下である。(HP
LCにより確認) 本発明によれば、以上の結果としてグリシンが高収率、
高純度で得られる。
(発明の好適態様) 本発明によれば、以上のメカニズムに即応して、次の通
り諸操作を行う。
A)反応の順序: 予備反応として先づ酢酸第4級アンモニウム・クロリド
の合成であるが、これはMCAとターシャリーアミンとを
アルカノール中或は他の不活性溶剤中で加熱することに
より、殆んど理論収率で得られる。反応物はアルカノー
ルに可溶である。
次にグリコロアミンは、パラフォルムアルデヒドをアル
カノール中にスラリー状にし、アンモニアを20℃以下で
少し過剰に通ずると最終的には透明液として得られる。
反応物は主としてモノグリコロアミンであるが、ジグリ
コロアミンを含むこともある。然し両者が混ざったも
の、或いは全部ジグリコロアミンになったものでも使え
るが、モノグリコロアミンの状態で使用することが望ま
しい。
反応に際しては、前者をアルカノール溶液トし、必要に
よりこれを加熱し、この中にグリコロアミンのアルカノ
ール液を滴下或いは一時に加え、加熱する。これによ
り、グリシンはすぐ生成して結晶性沈殿になり、スラリ
ー状になる。HPCLでMCAのピークが消失したことを確認
した後、反応を停止し、このスラリーを濾過することに
よりグリシンが得られる。又このスケジュールによる反
応の外、tert-アミン‐モノクロル酢酸反応液中にパラ
フォルムアルデヒドを溶解し、その後、アンモニアを通
ずることによりグリシンの沈殿を得ることも可能で、こ
の場合驚くべきことに収率は95%以上に上る。詳細は後
述する実施例11,12に示されている。
B)溶剤: 本発明方法に使用する溶剤の条件は、原料であるグリコ
ロアミン,酢酸第4級アンモニウム・クロリド及び反応
により生成したターシャリーアミン・塩酸塩を溶解し、
グリシンを溶解しないことである。この目的の為には、
C1〜C4のアルカノールが処理の容易なこと、及び経済性
があるという点から見て適当である。更に都合の良い点
は、この範囲のアルカノールは加温状態ではグリコロア
ミンを溶解するが、低温では溶解度が小さく、大部分が
結晶として析出し、回収できることである。このため、
用いたグリコロールを、回収再使用に供することが出
来、原料コストを大巾に減ずることが出来る。
C1〜C4のアルカノールとしては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソープロパノール、n−ブタ
ノール、イソ−ブタノール、及びtert−ブタノールを挙
げることができる。
溶剤として水を使用した米国特許第3,190,914号明細書
の方法では、反応完結した液よりグリシンを回収する為
には濃縮、晶出の操作を繰り返すか、イオン交換樹脂に
よる抽出、展開、濃縮晶出の操作を繰り返さなければな
らず、工程数が増大し、それに伴う設備費も増大して、
操作コストの増加となる。しかも反応液中に残留したフ
ォルマリン、グリコロアミンの回収も容易でない。
C1〜C4のアルカノールは、都合の良いことには、グリシ
ンがこれに溶けず、他の生成体或いは未反応物質が完全
に溶ける為、一段反応で目的物が結晶として得られる利
点がある。このアルカノールは、水を約40%位含んだ状
態に於ても、グリシンに対する溶解度は約1%程度であ
り、多少の収率低下が問題とならない場合には含水状態
でも本発明方法のアルカノールとしては使用出来る。
C)反応温度: グリコロアミンとモノクロル酢酸(実際としてはトリア
ルキル酢酸アムモニウム・クロリド)との反応は、使用
したアルカノールの沸点以下の温度で進行する。しかし
ながら、温度が低くなる程反応速度はおそくなるので、
アルカノールの沸点温度で反応を行うのが好ましい。
好ましい反応温度は30〜70℃、更に好ましい温度は55〜
65℃である。65℃以上では温度の上昇につれて不純物の
生成が多くなり、30℃以下では温度が下るに従って反応
速度はおそくなり、20℃で約4日間の時間で完応が完結
される。従って30℃以下の温度では経済性は低い。
D)使用原料のモル比: MCAとグリコロアミンの反応モル比は、只反応するとい
う見地からでは任意のモル比で良いが、MCAを完全に反
応させる見地から言えば、 MCA:グリコロアミン=1.0:1.0以上、即ちMCA1.0モルに
対し、グリコロアミン1.0モル以上を使用し、短時間内
にMCAを完全反応させることが望ましい。
好ましいモル比は1.0:2.0モル以上であるが、1:1.5〜2.
0のモル比とすることで短時間内に収率を90%以上に上
げることが出来る。グリコロアミンを少しアンモニア過
剰の状態で使うのがよい。反応後、未反応の過剰部分、
或いはグリシン生成によりグリコアミンから分離したパ
ラフォルムアルデヒドは、全部ぐりしんの分離後の濾液
中に残り、冷却することにより、大部分が回収され再使
用出来る。
E)トリアルキルアミン(tert-アミン) 本発明方法に使用されるトリアルキルアミンはC1〜C4の
アルキル基を有するtert-アミンを云う。この第3級ア
ミンは本反応では重要な役割を演ずる。即ちモノクロル
酢酸と反応してトリアルキルカルボキシメチルアンモニ
ウム・クロライドを生成し、Clの反応活性を高めると同
時に、反応の際生じたHClを瞬間的に吸収してトリアル
キルアミン・塩酸塩となり、NH3がHClと反応して塩化ア
ンモンになることを防ぐ一方、生成したトリアルキルア
ミン・塩酸塩の塩酸が触媒となって反応生成物であるメ
チロールグリシンを分解して、グリシンとパラフォルム
アルデヒドにするという作用を行う。この為本方法では
塩化アンモンは全く生成しない。トリアルキルアミンの
使用量はモノクロル酢酸に対し、等モルで良く過剰の使
用は必要でない。
何れにしてもこのメカニズムでは、トリアルキルアミン
がグリニヤール試薬としてのマグネシウムの代りとして
の役割を演ずるものである故、モノクロル酢酸と反応し
てトリアルキルカルボキシメチルアンモニウム・クロリ
ド(酢酸第4級アンモニウム・クロライド)を生ずるも
のでなければならない。この第3級アミンとしてピリシ
ン核を有するアミンも考えられるが、ピリジンはモノク
ロル酢酸と反応して、60℃以上では徐々に炭酸ガスを発
生して分解し、最終的にはN−メチルピリジニウム・ク
ロライドになり、トリアルキルカルボキシメチルアンモ
ニウム・クロリドにはならない。
このトリアルキルカルボキシメチルアムモニウム・クロ
リドを別の不活性溶剤、例えばベンゼン、トルエン、キ
シレン、ヘキサン、ヘプタン等の中で反応した後、C1〜
C4のアルカノール中に溶解して使用しても同様グリシン
は生成する。
然しながら、以上の反応順序を経ずグリコロアミン及び
モノクロル酢酸の溶液中にトリアルキルアミンを滴下し
た場合には収率下となり、純度も落ちる。トリアルキル
アミンとしてはC1〜C4のアルキル基を有するトリアルキ
ルアミンが使用出来るが、特に実用性のあるのはトリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンで
ある。
F)溶剤使用量比: 本発明方法において、C1〜C4アルカノールは主としてグ
リコロアミンの合成、モノクロル酢酸とトリアルキルア
ミンの反応及び最終的なグリシンの生成に使用される
が、グリコロアミン合成では、使用原料に対し、2.0倍
以上、モノクロル酢酸−トリアルキルアミン反応では、
1.0倍以上が必要である。前者は2.0〜5.0倍、好ましく
は2.0〜3.5倍、後者は1.0倍〜3.0倍、好ましくは1.0〜
2.5倍が適当である。使用倍数が大きければ容積が大き
くなり、経済性はない。溶剤の倍数が小さければ不純物
の生成が大きくなる。
使用するアルカノールは、水分の存在しない無水のアル
カノールであることが望ましいが、水分が存在した状態
でも使用可能である。水を約40%含んだアルカノールは
グリシンを約1.0%溶解し、この分だけ収量が減少す
る。
水分を含まない(水分0.1%以下の)アルカノールに対
するグリシンの溶解度は50℃で0.5%以下であるが、実
際にアルカノール中には、アミン・塩酸塩、グリコロア
ミン等が共存溶解し、HPLCの検査ではグリシンのピーク
は出現しなかった。
反応完結後、40℃以上の温度で温時濾過すると、グリシ
ンのみが沈澱し、他の不純物は全部アルカノール中に溶
け込んでいるが、HPLCで濾液中にはグリシンのピークは
認められない。
G)反応時間: 反応時間は使用した原料のモル比及び反応温度により相
当の差異を生ずるが、温度による影響は大きく、テスト
の結果次のようになった。反応温度 反応時間 30℃以下 30℃:約50hrs,20℃約4日 40℃ 約16hrs 50℃ 約7〜10hrs 55℃ 約6〜7hrs 60℃ 約2〜3hrs 65℃ 約1〜2hrs 以上はモノクロル酢酸:グリコロアミン=1.0:1.5〜2.0
モル比の場合であり、グリコロアミンのモル比を上げれ
ば反応時間は更に短縮される。65℃以上では温度の上昇
につれて不純物の生成が多くなり、収率、純度は下る。
之等はHPLCで確認出来る。
H)濾過,洗滌 反応完結した反応液は40℃以上の温度で濾過することが
望ましい。濾過は真空、加圧、遠心濾過等何れでも良い
が、濾過後必らず温アルカノールでリンズ、洗滌して、
粗結晶の表面に付着した濾液中の雑物を完全に洗滌し去
ることにより純度を所望の純度にまで上げることが出来
る。
洗滌しない粗結晶の純度は約90%である。グリシンのア
ルカノールに対する溶解度は50℃で約0.5%位で、洗滌
損失は殆んどないと云って良い。洗滌液は次回の反応に
用いられる。
I)濾液の処理 粗結晶を分離した後の濾液は遊離のパラフォルムアルデ
ヒド、グリコロアミン(モノ、ジ混合)、トリアルキル
アミンの塩酸塩より成るが、これは冷却すると先づパラ
フォルムアルデヒド、グリコロアミンが殆んど、80%以
上の収率で結晶となって回収され、トリアルキルアミン
は塩酸塩の形で溶液に残る故NaOHを加えることにより、
殆んどが回収される。
J)生成物としてのグリシンの確認及同定 反応中の各ステップの反応状況はHPLCで確認出来るが、
生成物であるグリシンの確認は融点(M.P)、赤外線吸
収スペクトル(IR)、13C NMR、1H NMR、元素分析によ
り確認、同定した。
又、純度分析は過塩素酸法により滴定、同時にHPLCに依
る定量法を併用した。
(実施例) 以下の実施例により、本発明を更に具体的に説明する
が、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 パラフォルムアルデヒド30gをメタノール100ccに懸濁、
アムモニアガスを通ずる。反応温度20℃に保持、透明に
なった時点でアムモニアガスを停める。アムモニアガス
使用量約19gms。
次にモノクロル酢酸47.25gmsをメタノールに溶解、トリ
エチルアミン50.5gmsを加えると徐々に発熱反応する故
最終温度を60℃に保持し、上記パラフォルムアルデヒド
とアンモニアガスより生成したグリコロアミン液を加
え、温度を60±2℃に保持攪拌すると、直ちに沈澱を生
じて白濁し、スラリー状になる。HPLCで検査し、モノク
ロル酢酸のピークが消失した時点で反応を停める。所要
時間約3hrs。この反応液を温い中に直ちに濾過し(温度
を40℃以上に保持)、残留粗結晶を温メタノールで、20
ccずつ二回リンズし、洗滌後乾燥する。
収量:35.5gms 純度:98.5%(滴定法及HPLC) 収率:93.2% M.P.226〜229℃(226℃で分解開始) 元素分析結果: C H N 分析値 31.94 6.67 18.60 理論値 32.00 6.71 18.66 I.R測定結果: (KBr錠,IRDC-78)(第1及び2図参照) 3225〜2600:ν+N-H3 〜2890:νCH 1598:COO-のνC=0(非対称) 1522:δ+N-H3 1413:COO-のνC=0(対称) 1334:νC-N13 C‐NMR測定結果: 標準品と同一ピーク(第3乃至5図参照)1 H‐NMR測定結果: 標準品と同一ピーク(第6乃至8図参照) 実施例2 反応温度を55℃〜65℃にした以外は実施例1と全く同一
条件で行った。
収量:35.0gms 純度:98.2%(滴定及HPLC) 収量:91.65% M.P:226〜229℃(226℃分解開始) 元素分析: C H N 分析値 32.00 6.65 18.62 理論値 32.00 6.71 18.66 I.R測定結果:実施例1と同じ13 C‐NMR測定結果:実施例1と同じ1 H‐NMR測定結果:実施例1と同じ 実施例3 メタノール100cc中にパラフォルムアルデヒド22.5g(0.
75mol)を懸濁し、アンモニアガス19gmを通じ、液が透
明になった時点で停めたアムモニア通入中温度は20℃に
保持した。
次にメタノール100cc中にモノクロル酢酸47.25gms(0.5
mol)を溶解し、トリエチルアミン50.50gms(0.5mol)
加えると徐々に発熱反応するので、最終温度を60℃に保
持、上記パラフォルムアルデヒドとアンモニアの反応に
より生成したグリコロアミンのメタノール溶液を加え、
60℃±2℃で攪拌反応させ、HPLCによりモノクロル酢酸
のピークが消失した時点で反応を停める。所要時間約3
時間。このスラリー状の反応液を温い中に濾過、温メタ
ノール20ccずつ二回リンズ洗滌して乾燥すると白色結晶
性粉末が得られる。
収量:35.0gms 純度98.7%(滴定及HPLC法) 収率:92.12% M.P226-229℃(226℃分解開始) I.R,13C‐NMR,1H‐NMR:実施例1と同じ 実施例4 トリエチルアミン50.5gms(0.5mol)をトリブチルアミ
ン94gms(0.5mol、純度98.5%)で置き換えた以外は実
施例3と全く同一方法でテストした。
収量:34.8gms 純度:98.6%(滴定及HPLC) 収率:91.50% M.P:226.1-229.0℃(分解を伴う) 実施例5〜7 溶剤としてエタノール、プロパノール、n−ブタノール
を代表に選び、実施例3に従ってテストした。グリシン
の収量、純度、収率、M.Pは次のようになった。
実施例8 エタノール100cc中にパラフォルムアルデヒド22.5gms
(0.75mol)を懸濁し、アムモニアガス19gmsを通ずる。
液は透明になるので、アンモニア19gms通じた後で停め
る。HPLCでグリコロアミンのピークを確認する。
モノクロル酢酸47.25gms(0.5mol)をトルエン200ccに
溶かし、トリエチルアミン50.5gms(0.5mol)を加え、1
00℃前後に加熱すると、直ちに白色沈澱を生ずるので。
これを濾過し、沈澱をエタノールで洗う。殆んど理論量
でカルボキシメチルトリエチルアンモニウム・クロライ
ドが得られる。之をエタノール150ccに溶かし、60℃に
保持して上記グリコロアミンのエタノール溶液を加え攪
拌すると直ちに白濁スラリー状になる。約2hrsで反応完
結する故直ちに濾過、温エタノール20ccずつ2回沈澱を
リンズ、洗滌し乾燥する。
収量:35.2gms 純度98.6%(滴定及HPLC法) 収率:92.55% M.P:226.3-229℃(分解を伴う) 元素分析結果 C H N 分析値 32.00 6.73 18.66 理論値 32.00 6.71 18.66 実施例9 エタノールの代りにメタノールを使用し、トリエチルア
ミンの代りにトリプロピルアミン72.5g(0.5mol)を使
用した以外は実施例3と全て同一方法でテストした。
収量:34.8gms 純度98.6%(滴定及HPLC法) 収率:91.5% M.P:226.5-229.3℃(分解を伴う) 元素分析 C H N 分析値 32.03 6.70 18.66 理論値 32.00 6.70 18.66 実施例10 合水分30%のエタノール100cc中にパラフォルムアルデ
ヒド22.5gms(0.75mol)を懸濁、アンモニア9gmsを20℃
以下の温度で通ずる。液は透明になるのでその時点で反
応を停める。次にモノクロル酢酸47.25gmsを含水分30%
のエタノール150ccに溶かし、トリエチルアミン50.5gms
を加え、60℃に攪拌反応後上記パラフォルムアルデヒ
ド、アンモニアの反応により生じたグリコロアミン溶液
を加え、60℃±2℃で攪拌反応させ、HPLCでモノクロル
酢酸のピークが消失した時点で反応を停める。その後ス
ラリー液を温で濾過、白色結晶を得る。
収量:33.6gms 純度98.5%(滴定及HPLC) 収率:88.25% M.P:226.2〜229℃(分解を伴う) 実施例11 メタノール100cc中にMCA47.5gms(0.5M),トリエチル
アミン50.5g(0.5M)を加えて60℃で反応後、パラフォ
ルムアルデヒド22.5g(0.75M)を加え、アンモニア23g
を通ずる。温度は60±2℃に保持する。約1.5hrsで反応
は完結する。反応完結はHPLCで確認する。生じたグリシ
ン沈澱を40〜50℃で濾過。沈澱を更に温メタノールで2
回リンズ洗滌して得られたグリシンを乾燥。次の結果を
得た。
収量:37.0g 純度98.5%(滴定法及HPLC法) 収率:97.18% M.P:226.32〜29.0℃ 実施例12 メタノール100cc中にMCA47.5g(0.5M)、トリエチルア
ミン50.5g(0.5M)を加えて60℃で反応した溶液に対
し、回収グリコロアミン(上記実施例11のグリシンを濾
過した後の濾液を−3℃に冷却、結晶を濾過したもの)
26gms(パラフォルムアルデヒド約45%,グリコロアミ
ン約50%含有)を上記MCAの反応液中に加え、別にパラ
フォルムアルデヒド2.2gmsを加えた後、アンモニアガス
22gmsを通じ、60℃で約2時間反応、HPLCで、MCAの消失
を確認した後、反応を停め、直ちに温濾過、温メタノー
ルでリンズ、洗滌、乾燥。得られたグリシンは次のよう
な結果になった。
収量:36gms 純度98.6%(滴定法及HPLC法併用) 収率:94.65% M.P:226.32〜29℃(分解を伴う) (発明の効果) 本発明によれば、モノクロル酢酸(MCA)とターシャリ
ー・アミンとの反応により得られた酢酸第4級アンモニ
ウム・クロライドと、グリコロアミンとを、アルカノー
ル中で反応させることにより、グリシンを、一段反応
で、選択的に、高収率及び高純度で製造することができ
る。従来の方法の大きい欠点となっている塩化アムモ
ン、イミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸の生成を殆ど皆無に
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、標準グリシンの赤外吸収スペクトルを示すチ
ャートであり、 第2図は、実施例1のグリシンの赤外吸収スペクトルを
示すチャートであり、 第3図は、実施例1のグリシンの13C NMRチャートであ
り、 第4図は、実施例2のグリシンの13C NMRチャートであ
り、 第5図は標準グリシンの13C NMRチャートであり、 第6図は、実施例1のグリシンの1H NMRチャートであ
り、 第7図は、実施例2のグリシンの1H NMRチャートであ
り、 第8図は、標準グリシンの1H NMRチャートである。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酢酸第4級アンモニウム・クロライドとグ
    リコロアミンとをアルカノール中で反応させ、グリシン
    を結晶性沈澱として得ることを特徴とするグリシンの合
    成方法。
  2. 【請求項2】モノクロル酢酸とターシャリ・アミンとを
    アルカノール中或いは他の不活性溶剤中で反応させ、得
    られる生成物とグリコロアミンとをアルカノール中で反
    応させ、グリシンを結晶性沈澱として得ることを特徴と
    するグリシンの合成方法。
  3. 【請求項3】酢酸第4級アンモニウム・クロライドが式 Cl[R3N・CH2COOH] 式中、Rは炭素数2までのアルキル基である、 で表される化合物である請求項(1)記載の合成方法。
  4. 【請求項4】グリコロアミンが式 R1−NH−R2 式中、R1及びR2は少なくとも一方が基CH2OHであるとい
    う条件下に、HまたはCH2OHである、 で表される化合物である請求項(1)または(2)記載
    の合成方法。
  5. 【請求項5】グリコロアミンがアンモニアとパラフォル
    ムアルデヒドとの反応により生成したものである請求項
    (1)または(2)記載の合成方法。
  6. 【請求項6】酢酸第4級アンモニウム・クロライドとグ
    リコロアミンとの反応を、使用したアルカノールの沸点
    以下の温度で行う請求項(1)記載の合成方法。
  7. 【請求項7】前記反応を、特に30〜65℃、好ましくは55
    〜65℃で行うことを含む請求項(6)記載の合成方法。
  8. 【請求項8】ターシャリ・アミンがトリ・アルキルアミ
    ンであり、特にトリ・エチルアミン、トリ・プロピルア
    ミン、およびトリ・ブチルアミンの中から選ばれた一種
    である請求項(2)記載の合成方法。
  9. 【請求項9】アルカノールがメタノール、エタノール、
    n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノー
    ル、イソ−ブタノール、及びtert−ブタノールの中から
    選ばれた一種である請求項(1)または(2)記載の合
    成方法。
  10. 【請求項10】アルカノールが無水のアルカノール、或
    いは含水状態のアルカノールである請求項(1)または
    (2)記載の合成方法。
  11. 【請求項11】グリコロアミンがモノグリコロアミン或
    いはジグリコロアミン、或いは両者の混合物である請求
    項(1)または(2)記載の合成方法。
  12. 【請求項12】酢酸第4級アンモニウム・クロライドの
    アルカノール溶液中にパラフォルムアルデヒドを加え、
    その後アンモニアガスを通じる反応順序を含む請求項
    (1)または(2)記載の合成方法。
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