JP2856331B2 - 2,2‐ジアミノ‐1,1‐ビナフチルの製造法 - Google Patents

2,2‐ジアミノ‐1,1‐ビナフチルの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、2,2′−ジアミノ−1,1′−ビナフチル(以
下、ビナフチルジアミンと称する)の製造法に関する。
更に詳しくは、製造工程が簡略化され、しかも収率の点
で改良された新規なビナフチルジアミンの製造法に関す
る。
(従来の技術) 光学活性な2,2′−ヒドロキシ−1,1′−ビナフチル誘
導体は、ケトンの不斉還元(R.Noyori et al,J.Am.Che
m.Soc.,101 3129(1979))、またはアミノアクリル酸
誘導体の不斉還元(A.Miyasita et al J.Am.Chem.Soc.,
102 7932(1980))を行うための有用触媒であることは
周知である。また、上記不斉還元反応において、同様に
有用である2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,
1′−ビナフチルは2,2′−ジハロ−1,1′−ビナフチル
とジフェニルホスフィンとの反応により得られることは
知られているが、該反応は必ずしも容易ではなく、ビナ
フチルアミンを出発原料として合成するのが最適である
と判明している(K.J.Brown et al,J.Am.Chem.Soc.,106
4717(1984))。このように、ビナフチルアミン誘導
体は、ケトンの不斉還元またはアミノアクリル酸誘導体
の不斉還元触媒となる光学活性な2,2′−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル誘導体の中間体
として有用な化合物である。
また、光学活性ビナフチルジアミンは、シリカゲル、
多糖類などと結合せしめることにより液体クロマトグラ
フィーのカラム用固定相として使用できることから、光
学異性体分離用カラムに応用できる。
従来より、ビナフチルジアミンの公知の製造方法とし
ては、種々報告されているが、中でも比較的簡単な製造
法として、βナフトールとヒドラジンとの縮合法が挙げ
られる(K.J.Brown,M.S.Berry and J.R.Murdoch,J.Org.
Chem.,4345(1985))。
しかしながら該方法によれば、βナフトールと80%ヒ
ドラジンとをオートクレーブ中で170〜180℃にて48時間
程度加熱し、反応物を30〜80℃程度の加温下に、メタノ
ール−塩酸(4:1)水溶液で熱時処理し、ビナフチルジ
アミンの塩酸塩としてジエチルエーテル中で再沈を繰り
返し、次いで、この塩に過剰の水酸化ナトリウムを加え
て放置することにより目的とするビナフチルジアミンを
得るというものである。
しかし、上記塩酸塩をエーテル中で再沈を繰り返す精
製操作は工業的にはかなり危険であり、かつ該操作が不
十分である場合には相当な収率低下を招く不利がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、製造工程が簡略化され、しかも目的物の収
率の点で優れたビナフチルジアミンの改良製造法を提供
することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは前記従来技術の欠点を解消し、製造工程
を簡略化し、同時に目的物の収率よく収得しうるビナフ
チルジアミンの新規な製造法を提供すべく鋭意検討を重
ねた結果、意外にも特定の有機溶媒を使用して反応物を
直接的に結晶化させることにより、前記課題を悉く解決
しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、 βナフトールとヒドラジンとの反応物を塩酸処理する
ことなく、重量比で4/1〜5/1のヘキサン/酢酸エチル混
液を用いて直接的に結晶化せしめることを特徴とするビ
ナフチルジアミンの製造法に係る。
換言すれば、本発明の製造法においては、特定の有機
溶媒を使用し、反応精製物を直接結晶化することが必須
とされ、斯かる操作を行うことにより初めて簡便かつ収
率よくビナフチルジアミンの精製物を収得しうるのであ
る。
本発明において、βナフトールとヒドラジンとの反応
条件は特に制限はされず、従来公知の条件をそのまま採
用することができる。反応装置としてオートクレーブを
用い、βナフトールとヒドラジンの仕込み比率を1/1〜1
/3程度とし、反応温度100〜200℃程度、反応時間1〜90
時間程度、反応圧力0.1〜10Kg/cm2程度の条件下に反応
させればよい。
本発明では、上記で得られた反応生成物をいかに簡便
に精製しうるかが重要視され、具体的には溶媒の選択が
極めて重要な因子となる。選択の基準としては、反応生
成物を十分溶解させ、しかも目的物であるヒナフチルジ
アミンを十分結晶化させる能力を有することが要求され
る。例えば、酢酸エチル、ジクロロメタン、アセトンな
どは溶解性が大きすぎるため、またリグロインやヘキサ
ンなどは全く溶解力がないため、いずれの場合にも結晶
析出は起こらない。
しかして、本発明で使用する有機溶媒としては、重量
比で4/1〜5/1のヘキサン/酢酸エチル混液が最適に使用
される。目的物の収率を特に考慮すれば、最も好適な有
機溶媒として、重量比で1/1〜5/1のヘキサン/酢酸エチ
ル混液が挙げられる。
結晶化操作は、前記有機溶媒を反応生成物に対して1
〜20倍重量程度使用し、通常0〜50℃で、1〜48時間程
度放置することにより行なわれ、該操作によりビナフチ
ルジアミンの結晶を容易に収得することができる。該結
晶の収率は30〜50%程度であり、前記従来法の収率と比
較して同等もしくはそれ以上であり、しかも従来法に比
べて著しく高純度の結晶を得ることができる。
上記のようにして得られたビナフチルジアミンの結晶
は、従来方法により、光学分割して光学活性体と成すこ
とができ、該光学活性体は種々の有用化合物の光学分割
剤として、あるいは前述したケトンの不斉還元またはア
ミノアクリル酸誘導体の不斉還元用触媒たる光学活性な
2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフ
チル誘導体の合成に利用することができる。また、ビナ
フチルジアミンは光学異性体分離用カラムの固定相とし
て使用できる。
(実施例) 以下、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
実施例1 オートクレーブ装置内に、βナフトール35gとヒドラ
ジン5gを仕込んだガラス容器をセットし、180℃にて78
時間縮合反応させ、次いで反応装置からガラス容器を取
り出した。ガラス容器中にヘキサン−酢酸エチル(4:
1)混液350mlを加えて、室温で24時間放置した。次い
で、生じた結晶を濾過、風乾し、目的物であるビナフチ
ルジアミンの結晶を得た。反応生成物35gに対する生成
結晶重量より収率を求めた。結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1において、ヘキサン−酢酸エチル(4:1)混
液に代えて第1表に示す有機溶媒を使用したほかは同様
にしてビナフチルジアミンの結晶を得た。結果を第1表
に示す。
比較例(K.J.Brownらの方法) ヒドラジンモノハイドライドとβナフトールを1:2の
重量比で混合し、オートクレーブ中180℃で78時間反応
させた。反応終了後、混合物を60〜65℃でメタノール−
濃塩酸(4:1)の溶液に溶解後、6倍量のジエチルエー
テルに加えた。生じた沈殿を少量のメタノールに溶解
し、再度エーテルで沈殿させた。この操作を繰り返し、
高純度な塩酸塩を得た後、1N水酸化ナトリウムとジエチ
ルエーテルの混合溶媒に加え、塩酸塩が溶解するまで撹
袢した。エーテル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮
後、ビナフチルジアミンを得た。結果を第1表に示す。
(本発明の効果) 本発明によれば、高純度のビナフチルジアミンの結晶
を簡易かつ高収率で得ることができるという効果に加え
てビナフチルジアミンを低価格で提供できるという副次
的効果も奏される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】βナフトールとヒドラジンとの反応物を塩
    酸処理することなく、重量比で4/1〜5/1のヘキサン/酢
    酸エチル混液を用いて直接的に結晶化せしめることを特
    徴とする2,2′−ジアミノ−1,1′−ビナフチルの製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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J.Org.Chem.,(1985)50(22)p.4345−4349

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