JP2010270090A - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒由来の固形物の反応液に対する溶解性が良好で、付加反応中の触媒由来の固形物の析出および精製時の触媒由来の固形物の固化現象を回避した、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法を提供することである。
【解決手段】アルキレンオキサイドと(メタ)アクリル酸とを付加反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法であって、該付加反応の触媒として遷移金属塩および4級アンモニウム塩を使用し、該遷移金属塩の使用量(mol)に対する該4級アンモニウム塩の使用量(mol)のモル比が0.1以上1.0以下であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。また、前記遷移金属塩が(メタ)アクリル酸の鉄塩である前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】アルキレンオキサイドと(メタ)アクリル酸とを付加反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法であって、該付加反応の触媒として遷移金属塩および4級アンモニウム塩を使用し、該遷移金属塩の使用量(mol)に対する該4級アンモニウム塩の使用量(mol)のモル比が0.1以上1.0以下であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。また、前記遷移金属塩が(メタ)アクリル酸の鉄塩である前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法に関する。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの合成方法はいくつか提案されているが、その方法の殆どが、アルキレンオキサイドと(メタ)アクリル酸との付加反応による合成方法である。これらの合成方法は、加熱攪拌しながら(メタ)アクリル酸および触媒の混合溶液中にアルキレンオキサイドを滴下し、反応を進行させる方法が一般的であり、さらに反応条件や触媒等を改良した合成方法が種々提案されている(特許文献1、2)。
前記触媒としては、遷移金属化合物やアミン化合物が知られており、また遷移金属化合物とアミン化合物を併用することも知られている(特許文献3〜5)。なお、アミン化合物には、一級、二級、三級および四級のアミン、ならびに、これらのアミンと無機酸または有機酸との塩、ならびにアミノ基などの官能基を含有する塩基性イオン交換樹脂等が含まれ、広義にはアンモニアやアンモニウム塩等も含まれる。また、遷移金属化合物には、鉄やクロム等の遷移金属種のハロゲン化物、酸化物、硝酸塩および有機酸塩等が含まれる。
特許文献3では、触媒として遷移金属化合物およびアミン化合物を組み合わせて用いることが開示されており、遷移金属種としては鉄またはクロムを使用している。また、併用するアミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N−メチルモルフォリン、ベンジルジメチルアミン、ピリジン、およびアミノ基などの官能基を含有する塩基性イオン交換樹脂等が挙げられている。
特許文献4には、主触媒に3価の鉄化合物を、助触媒にクロム化合物を使用し、さらに添加剤として無機のアルカリ金属化合物およびアミン化合物などの少なくとも1種類を添加することが開示されている。
特許文献5には、主触媒にクロム化合物および鉄化合物の少なくとも1種類と、イットリウム化合物およびセリウム化合物などの少なくとも1種類とを併用し、さらにアミン化合物を併用することが開示されている。
またアミン化合物には、前述した通り広義には4級アンモニウム塩も含まれるが、これまで鉄化合物と4級アンモニウム塩の2種類を組み合わせた実例は報告されておらず、さらに、その2種類の最適な使用量の比率に関する検討の報告もされていない。
従来のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法では、触媒由来の固形物の反応液に対する溶解性が悪い場合があり、そのために触媒由来の固形物が反応液から析出し、後工程のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの蒸留精製時に触媒由来の固形物が固化するなどの現象が生じることがあった。
また、触媒として鉄化合物とアミン化合物とを組み合わせて用いると、触媒の鉄化合物由来の固形物が反応中に析出することがあった。
なお、反応液から析出および精製時に固化する触媒由来の固形物は、触媒として鉄化合物を用いた際には、触媒の鉄化合物が変性したものだと考えられる。
このため本発明の目的は、触媒由来の固形物の反応液に対する溶解性が良好で、付加反応中の触媒由来の固形物の析出および精製時の触媒由来の固形物の固化現象を回避した、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法を提供することである。
本発明により、アルキレンオキサイドと(メタ)アクリル酸とを付加反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法であって、
該付加反応の触媒として遷移金属塩および4級アンモニウム塩を使用し、
該遷移金属塩の使用量(mol)に対する該4級アンモニウム塩の使用量(mol)のモル比が0.1以上1.0以下である、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法が提供される。
該付加反応の触媒として遷移金属塩および4級アンモニウム塩を使用し、
該遷移金属塩の使用量(mol)に対する該4級アンモニウム塩の使用量(mol)のモル比が0.1以上1.0以下である、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法が提供される。
また本発明により、前記遷移金属塩が(メタ)アクリル酸の鉄塩である前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法が提供される。
本発明により、触媒由来の固形物の反応液に対する溶解性が良好で、付加反応中の触媒由来の固形物の析出および精製時の触媒由来の固形物の固化現象を回避した、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法が提供される。
本発明は、触媒として遷移金属塩および4級アンモニウム塩を使用することを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法である。
本発明者らは、アルキレンオキサイドと(メタ)アクリル酸とを付加反応する際に、触媒として遷移金属塩および4級アンモニウム塩の2種類を、特定の比率で使用することにより、触媒由来の固形物の反応液に対する溶解性が良好となり、さらに触媒活性が良好となることを見出した。
<ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート>
本発明により製造されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは特に限定されないが、具体例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明により製造されるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは特に限定されないが、具体例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
一般的に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの付加反応で製造される。本発明では、触媒および重合防止剤の存在下、原料の(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを付加反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを合成することができる。例えば、アクリル酸と触媒の鉄(III)−アセチルアセトナート、重合防止剤のハイドロキノン存在下、60℃で1時間プロピレンオキサイドを滴下し、さらに60℃で1時間反応させて、ヒドロキシプロピルアクリレートを合成する方法がある。この時、反応温度は一定操作でも良いが、反応の後半で増加する副生物を抑制するためには後半で温度を下げることが好ましい。反応後半とは、アルキレンオキサイドを滴下して反応を進めた後の段階を指す。反応温度の下げ幅の下限は、副反応の抑制に対する顕著な効果を生じるために、3℃以上が好ましく、また反応が遅くなりすぎることを防ぐために、反応温度の下げ幅の上限は30℃以下が好ましい。なお、原料の(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸を意味し、その製造方法は特には限定されず、C3またはC4酸化法、ACH法あるいはAN加水分解等の公知の製造方法を用いることができる。また、原料のアルキレンオキサイドの製造方法も特には限定されず、ハロヒドリンの閉環反応あるいはオレフィンの酸化反応等の公知の製造方法を用いることができる。アルキレンオキサイドの具体例としては、酸化エチレンおよび酸化プロピレン等が挙げられる。
また、原料の仕込み比率は特に限定は無いが、生産性の観点から、原料のアルキレンオキサイドの使用量(mol)に対する(メタ)アクリル酸の使用量(mol)のモル比((メタ)アクリル酸の使用量(mol)/アルキレンオキサイドの使用量(mol))の下限は0.1以上が好ましく0.5以上がより好ましい。また同様に生産性の観点から上限は10以下が好ましく2以下がより好ましい。
なお、アルキレンオキサイドと(メタ)アクリル酸との付加反応においては、副反応として、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの副生成物を生じる。
また、(メタ)アクリル酸およびアルキレンオキサイドの付加反応における反応温度の下限は、反応速度の観点から、0℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましい。また、副反応抑制の観点から、反応温度の上限は150℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
<触媒>
本発明のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法に使用する触媒は、遷移金属塩および4級アンモニウム塩を併用することができる。また特に、触媒として、遷移金属塩および4級アンモニウム塩のみを用いることができる。
本発明のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法に使用する触媒は、遷移金属塩および4級アンモニウム塩を併用することができる。また特に、触媒として、遷移金属塩および4級アンモニウム塩のみを用いることができる。
・遷移金属塩
従来、触媒として遷移金属塩のみ、または遷移金属塩およびアミン化合物を組み合わせて用いた場合、溶解性の問題より反応液から触媒由来の固形物が析出する場合が多々あった。しかし、上記遷移金属塩と4級アンモニウム塩の2種類を、特定の比率で使用することで触媒由来の固形物の反応液に対する溶解性が格段に向上し、触媒由来の固体の析出現象を防ぐことができることが判明した。
従来、触媒として遷移金属塩のみ、または遷移金属塩およびアミン化合物を組み合わせて用いた場合、溶解性の問題より反応液から触媒由来の固形物が析出する場合が多々あった。しかし、上記遷移金属塩と4級アンモニウム塩の2種類を、特定の比率で使用することで触媒由来の固形物の反応液に対する溶解性が格段に向上し、触媒由来の固体の析出現象を防ぐことができることが判明した。
上記遷移金属塩の具体例としては、鉄塩、クロム塩およびアルミニウム塩などが挙げられる。遷移金属塩としては、高活性な遷移金属塩、すなわち遷移金属種としてクロムまたは鉄を有する塩が活性の観点から好ましく、さらに3価の鉄塩またはクロム塩がより好ましい。また経済性や環境負荷の観点からは3価の鉄塩がより好ましい。
また遷移金属塩における、鉄およびクロムなどの遷移金属種の対アニオンの具体例としては、(メタ)アクリル酸などの有機酸およびハロゲンなどが挙げられる。この中でも、対アニオン由来の副生成物を抑制するという観点から、対アニオンとしては原料で使用する(メタ)アクリル酸が好ましい。このため、上記遷移金属塩は、(メタ)アクリル酸(アニオン)と、鉄またはクロム(カチオン)との塩が好ましい。
・4級アンモニウム塩
上記4級アンモニウム塩の具体例としては、テトラアルキルアンモニウム塩およびテトラフェニルアンモニウム塩などが挙げられる。また、その中でもヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの蒸留精製時の残渣性状や留出液の着色低減の観点から、テトラアルキルアンモニウム塩が好ましい。またテトラアルキルアンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、フェニルトリメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラオクチルアンモニウム塩およびコリン塩等が挙げられる。また、テトラアルキルアンモニウムのアルキル基は、触媒活性向上の観点から、炭素数が大きくアルキル鎖が長いほど好ましく、その中でも、好ましい炭素数は2〜10であり、経済性の観点から、炭素数4のブチル基が好ましい。また、アルキル基中に芳香環が含有していても良く、例えばベンジル基やフェニル基を窒素原子に結合している各置換基の一部又は全部に含有していても良い。
上記4級アンモニウム塩の具体例としては、テトラアルキルアンモニウム塩およびテトラフェニルアンモニウム塩などが挙げられる。また、その中でもヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの蒸留精製時の残渣性状や留出液の着色低減の観点から、テトラアルキルアンモニウム塩が好ましい。またテトラアルキルアンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、フェニルトリメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラオクチルアンモニウム塩およびコリン塩等が挙げられる。また、テトラアルキルアンモニウムのアルキル基は、触媒活性向上の観点から、炭素数が大きくアルキル鎖が長いほど好ましく、その中でも、好ましい炭素数は2〜10であり、経済性の観点から、炭素数4のブチル基が好ましい。また、アルキル基中に芳香環が含有していても良く、例えばベンジル基やフェニル基を窒素原子に結合している各置換基の一部又は全部に含有していても良い。
また、上記4級アンモニウム塩の対アニオンの具体例としては、ハロゲンおよびヒドロキシルアニオンなどが挙げられる。
・触媒の使用量
上記遷移金属塩の使用量は特に限定されないが、反応速度の観点から、原料の(メタ)アクリル酸およびアルキレンオキサイドのうちの使用量(mol)の少ない方の原料に対する遷移金属塩の使用量(mol)のモル%((遷移金属塩の使用量(mol)×100)/使用量の少ない方の原料(mol))の下限は0.01モル%以上が好ましく0.1モル%以上がより好ましい。また経済性の観点から、使用量(mol)の少ない方の原料に対する遷移金属塩の使用量(mol)のモル%の上限は10モル%以下が好ましく5モル%以下がより好ましい。
上記遷移金属塩の使用量は特に限定されないが、反応速度の観点から、原料の(メタ)アクリル酸およびアルキレンオキサイドのうちの使用量(mol)の少ない方の原料に対する遷移金属塩の使用量(mol)のモル%((遷移金属塩の使用量(mol)×100)/使用量の少ない方の原料(mol))の下限は0.01モル%以上が好ましく0.1モル%以上がより好ましい。また経済性の観点から、使用量(mol)の少ない方の原料に対する遷移金属塩の使用量(mol)のモル%の上限は10モル%以下が好ましく5モル%以下がより好ましい。
また、上記遷移金属塩の使用量(mol)に対する上記4級アンモニウム塩の使用量(mol)のモル比(4級アンモニウム塩の使用量(mol)/遷移金属塩の使用量(mol))が1以下であると、触媒由来の固形物の反応液に対する溶解性が良好となり、かつ予想に反して触媒活性が向上することが判明した。
また、上記遷移金属塩の使用量(mol)に対する上記4級アンモニウム塩の添加量(mol)のモル比(4級アンモニウム塩の使用量(mol)/遷移金属塩の使用量(mol))は、触媒活性および触媒由来の固形物の反応液に対する溶解性の向上と経済性の観点から、下限は0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。また触媒活性および触媒由来の固形物の反応液に対する溶解性の観点から、上限は1.0以下がより好ましい。
<重合防止剤>
(メタ)アクリル酸およびアルキレンオキサイドの付加反応は重合防止剤の共存下で行うことが好ましく、使用する重合防止剤は公知のものを用いることができる。重合防止剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノンおよびパラメトキシフェノール等のフェノール系化合物、
N,N’−ジイソプロピルパラフェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチルパラフェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)パラフェニレンジアミンおよびフェノチアジン等のアミン系化合物、
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(HO−TEMPO)および4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(HO−TEMPOのべンゾイルエステル体)等のN−オキシル系化合物、
あるいは、下記の式1で例示されるN−オキシル系化合物等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸およびアルキレンオキサイドの付加反応は重合防止剤の共存下で行うことが好ましく、使用する重合防止剤は公知のものを用いることができる。重合防止剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノンおよびパラメトキシフェノール等のフェノール系化合物、
N,N’−ジイソプロピルパラフェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチルパラフェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)パラフェニレンジアミンおよびフェノチアジン等のアミン系化合物、
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(HO−TEMPO)および4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(HO−TEMPOのべンゾイルエステル体)等のN−オキシル系化合物、
あるいは、下記の式1で例示されるN−オキシル系化合物等が挙げられる。
(nは1以上18以下の整数を表し、R1およびR2は水素原子(H)、あるいは、R1およびR2のいずれか一方が水素原子、もう一方がメチル基、を表す。また、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ独立して、直鎖状または分岐状のアルキル基を表す。さらに、R7は水素原子または(メタ)アクリロイル基を表す。)
<精製方法>
付加反応後、生成物のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを精製することができる。その精製方法は特に限定されないが、精製方法の具体例としては、蒸留、薄膜蒸留等の方法が挙げられる。
<精製方法>
付加反応後、生成物のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを精製することができる。その精製方法は特に限定されないが、精製方法の具体例としては、蒸留、薄膜蒸留等の方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例および比較例の分析には、ガスクロマトグラフィー(GC)分析を用いた。
(実施例1)
メタクリル酸513g(5.965mol)、
触媒の遷移金属塩として、メタクリル酸鉄(III)6.22g(0.02mol)、
触媒の4級アンモニウム塩として、テトラブチルアンモニウムクロリド5.558g(0.02mol)、
重合防止剤として、HO−TEMPOのベンゾイルエステル体を0.053g、
を1LのSUS(ステンレス鋼)製オートクレーブ中に加え、30℃にて、
アルキレンオキサイドとしての酸化エチレン29.3g(0.665mol)を7分かけて滴下した。続いて66℃で、さらに酸化エチレン305.7g(6.940mol)を120分かけて滴下した。そして、66℃で3時間熟成した後、51℃に冷却し1時間反応を続けた。その後、反応液に残存する酸化エチレンを51℃、11.325kPaで1.5時間減圧除去した後、反応液をGC分析したところ、生成物のヒドロキシエチルメタクリレートの反応収率は93.0%(原料のメタクリル酸(mol)基準)であった。また、反応液中の残存メタクリル酸量は0.46質量%、付加反応の副生成物のエチレングリコールジメタクリレートの量は0.21質量%であり、副生成物のジエチレングリコールモノメタクリレートの量は3.74質量%であった。また、反応液からの固形物の析出は全く無かった。評価結果を表1に示す。なお、表中では、メタクリル酸はMAAと略記する。
また、反応成績中の項目で、残存MAA量は1質量%以下、ジエチレングリコールモノメタクリレート量は5質量%以下、固体析出は目視にてにごりの無いことを、良好であるかどうかの判断基準とした。
(実施例1)
メタクリル酸513g(5.965mol)、
触媒の遷移金属塩として、メタクリル酸鉄(III)6.22g(0.02mol)、
触媒の4級アンモニウム塩として、テトラブチルアンモニウムクロリド5.558g(0.02mol)、
重合防止剤として、HO−TEMPOのベンゾイルエステル体を0.053g、
を1LのSUS(ステンレス鋼)製オートクレーブ中に加え、30℃にて、
アルキレンオキサイドとしての酸化エチレン29.3g(0.665mol)を7分かけて滴下した。続いて66℃で、さらに酸化エチレン305.7g(6.940mol)を120分かけて滴下した。そして、66℃で3時間熟成した後、51℃に冷却し1時間反応を続けた。その後、反応液に残存する酸化エチレンを51℃、11.325kPaで1.5時間減圧除去した後、反応液をGC分析したところ、生成物のヒドロキシエチルメタクリレートの反応収率は93.0%(原料のメタクリル酸(mol)基準)であった。また、反応液中の残存メタクリル酸量は0.46質量%、付加反応の副生成物のエチレングリコールジメタクリレートの量は0.21質量%であり、副生成物のジエチレングリコールモノメタクリレートの量は3.74質量%であった。また、反応液からの固形物の析出は全く無かった。評価結果を表1に示す。なお、表中では、メタクリル酸はMAAと略記する。
また、反応成績中の項目で、残存MAA量は1質量%以下、ジエチレングリコールモノメタクリレート量は5質量%以下、固体析出は目視にてにごりの無いことを、良好であるかどうかの判断基準とした。
(実施例2、比較例1〜2)
触媒、ならびに触媒の遷移金属塩の使用量(mol)に対する4級アンモニウム塩の使用量(mol)のモル比を変えた以外は、実施例1と同様にして、付加反応を実施しヒドロキシエチルメタクリレートを合成した。評価結果を表1に示す。なお、固形物とは、触媒の鉄塩が変性したものを指す。
触媒、ならびに触媒の遷移金属塩の使用量(mol)に対する4級アンモニウム塩の使用量(mol)のモル比を変えた以外は、実施例1と同様にして、付加反応を実施しヒドロキシエチルメタクリレートを合成した。評価結果を表1に示す。なお、固形物とは、触媒の鉄塩が変性したものを指す。
本発明の方法を用いることにより、精製時の触媒由来の固形物の固化現象を回避しつつ、触媒活性が良好で、安価で高品質なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造することが可能となった。
本発明の方法で製造されたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、各種塗料、接着剤、粘着剤、コンタクトレンズ等の光学材料、各種反応性モノマー等に使用することができる。
Claims (2)
- アルキレンオキサイドと(メタ)アクリル酸とを付加反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法であって、
該付加反応の触媒として遷移金属塩および4級アンモニウム塩を使用し、
該遷移金属塩の使用量(mol)に対する該4級アンモニウム塩の使用量(mol)のモル比が0.1以上1.0以下である、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。 - 前記遷移金属塩が(メタ)アクリル酸の鉄塩である請求項1記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
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---|---|---|---|---|
EP2660236A4 (en) * | 2010-12-27 | 2015-11-11 | Mitsubishi Rayon Co | PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF IRON METHACRYLATE AND HYDROXYALKYL METHACRYLATE |
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