JPH0952855A - 9−フルオレニルメタノール類の製造方法 - Google Patents
9−フルオレニルメタノール類の製造方法Info
- Publication number
- JPH0952855A JPH0952855A JP7224693A JP22469395A JPH0952855A JP H0952855 A JPH0952855 A JP H0952855A JP 7224693 A JP7224693 A JP 7224693A JP 22469395 A JP22469395 A JP 22469395A JP H0952855 A JPH0952855 A JP H0952855A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sodium borohydride
- group
- fluorene
- aqueous solution
- carbaldehyde
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】工業的規模での実施が容易で、しかも安価に9
−フルオレニルメタノール類を製造する。 【構成】フルオレン−9−カルバアルデヒド類のアルコ
ール溶液と水素化ほう素ナトリウムのアルカリ水溶液を
混合し、反応させることにより9−フルオレニルメタノ
ール類を製造する。 【効果】容易な操作で高収率かつ安価に9-フルオレニル
メタノール類を製造することが可能になった。
−フルオレニルメタノール類を製造する。 【構成】フルオレン−9−カルバアルデヒド類のアルコ
ール溶液と水素化ほう素ナトリウムのアルカリ水溶液を
混合し、反応させることにより9−フルオレニルメタノ
ール類を製造する。 【効果】容易な操作で高収率かつ安価に9-フルオレニル
メタノール類を製造することが可能になった。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能性色素、染
料、医・農薬、高分子モノマーなどの原料として重要な
9−フルオレニルメタノール類の新規な製造方法に関す
る。
料、医・農薬、高分子モノマーなどの原料として重要な
9−フルオレニルメタノール類の新規な製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、9−フルオレニルメタノール
の製造方法としては、フルオレン−9−カルバアルデヒ
ドの1級アルコール溶液に、固体の水素化ほう素ナトリ
ウムを添加して還元反応を行う方法(L.A.Carpino, J.
Org.Chem.,45(1980)4250)が知られている。
の製造方法としては、フルオレン−9−カルバアルデヒ
ドの1級アルコール溶液に、固体の水素化ほう素ナトリ
ウムを添加して還元反応を行う方法(L.A.Carpino, J.
Org.Chem.,45(1980)4250)が知られている。
【0003】しかし、この方法は1級アルコールにより
水素化ほう素ナトリウムが分解される副反応が生じるた
め、引火性ガスである水素ガスの急激な発生と強い発熱
があり、工業的規模でこのような水素ガスの発生と発熱
を抑制することは困難である。また、この方法では高価
な水素化ほう素ナトリウムが副反応で消費されるため、
水素化ほう素ナトリウムを大過剰に使用しなければ良好
な収率で目的化合物が得られないという欠点もあった。
水素化ほう素ナトリウムが分解される副反応が生じるた
め、引火性ガスである水素ガスの急激な発生と強い発熱
があり、工業的規模でこのような水素ガスの発生と発熱
を抑制することは困難である。また、この方法では高価
な水素化ほう素ナトリウムが副反応で消費されるため、
水素化ほう素ナトリウムを大過剰に使用しなければ良好
な収率で目的化合物が得られないという欠点もあった。
【0004】一方、この様な溶媒と水素化ほう素ナトリ
ウムの反応は、溶媒に2−プロパノールの様な2級アル
コールを使用すれば抑制することは可能であるが、2級
アルコールは溶解性が低いために大量の固体が析出し、
操作が行いにくく、更に収率も低いため、やはり工業的
規模での実施は困難である。
ウムの反応は、溶媒に2−プロパノールの様な2級アル
コールを使用すれば抑制することは可能であるが、2級
アルコールは溶解性が低いために大量の固体が析出し、
操作が行いにくく、更に収率も低いため、やはり工業的
規模での実施は困難である。
【0005】また、水素化ほう素ナトリウムは吸湿性の
粉末であるため、これを反応系に投入する操作は困難で
ある。
粉末であるため、これを反応系に投入する操作は困難で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は工業的規模で
の実施が容易で、しかも安価に9−フルオレニルメタノ
ール類を製造することを目的とする。
の実施が容易で、しかも安価に9−フルオレニルメタノ
ール類を製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述のよう
な問題点を解決して容易な操作で安価に目的化合物を製
造する方法を提供すべく鋭意研究を積み重ねた結果、フ
ルオレン−9−カルバアルデヒド類から9−フルオレニ
ルメタノール類を製造する際に、フルオレン−9−カル
バアルデヒドのアルコール溶液と水素化ほう素ナトリウ
ムのアルカリ性水溶液を混合し、反応させれば、溶媒が
1級アルコールであっても、水素化ほう素ナトリウムと
溶媒との副反応を抑制でき、そのため水素ガスの発生、
発熱が抑制され、水素化ほう素ナトリウムの使用量も削
減でき、収率も向上することを見いだした。また、溶媒
に2級アルコールを使用した場合でも、固体の析出を抑
制でき、収率も向上することを見いだした。更に、水素
化ほう素ナトリウムのアルカリ性水溶液は添加操作が容
易であることをも見いだし、本発明に到達した。
な問題点を解決して容易な操作で安価に目的化合物を製
造する方法を提供すべく鋭意研究を積み重ねた結果、フ
ルオレン−9−カルバアルデヒド類から9−フルオレニ
ルメタノール類を製造する際に、フルオレン−9−カル
バアルデヒドのアルコール溶液と水素化ほう素ナトリウ
ムのアルカリ性水溶液を混合し、反応させれば、溶媒が
1級アルコールであっても、水素化ほう素ナトリウムと
溶媒との副反応を抑制でき、そのため水素ガスの発生、
発熱が抑制され、水素化ほう素ナトリウムの使用量も削
減でき、収率も向上することを見いだした。また、溶媒
に2級アルコールを使用した場合でも、固体の析出を抑
制でき、収率も向上することを見いだした。更に、水素
化ほう素ナトリウムのアルカリ性水溶液は添加操作が容
易であることをも見いだし、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明はフルオレン−9−カル
バアルデヒド類のアルコール溶液と水素化ほう素ナトリ
ウムのアルカリ性水溶液を混合し、反応させることを特
徴とする9−フルオレニルメタノール類の製造方法であ
る。
バアルデヒド類のアルコール溶液と水素化ほう素ナトリ
ウムのアルカリ性水溶液を混合し、反応させることを特
徴とする9−フルオレニルメタノール類の製造方法であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法で用いられる原料と
しては、下記一般式(1)で示される置換、非置換のフ
ルオレン−9−カルバアルデヒド類を広範に例示するこ
とができる。
しては、下記一般式(1)で示される置換、非置換のフ
ルオレン−9−カルバアルデヒド類を広範に例示するこ
とができる。
【0010】
【化1】
【0011】R1 〜R9 が官能基である場合、官能基と
しては、メトキシル基、エトキシル基等のアルコキシル
基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の
アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アセチ
ル基、アシロキシル基、フェニル基、ナフチル基等のア
リール基、置換、非置換のアミノ基、非置換、置換のア
ルキル基などを挙げることができる。
しては、メトキシル基、エトキシル基等のアルコキシル
基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の
アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アセチ
ル基、アシロキシル基、フェニル基、ナフチル基等のア
リール基、置換、非置換のアミノ基、非置換、置換のア
ルキル基などを挙げることができる。
【0012】非置換アルキル基としてはメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブ
チル基、t−ブチル基等を挙げることができる。置換の
アルキル基としては、フッ素等のハロゲン原子、メトキ
シル基、エトキシル基、t−ブトキシル基等のアルコキ
シル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキ
シカルボニル基、アシロキシル基、ニトロ基、アミノ
基、シアノ基等が置換したアルキル基を挙げることがで
きる。
ル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブ
チル基、t−ブチル基等を挙げることができる。置換の
アルキル基としては、フッ素等のハロゲン原子、メトキ
シル基、エトキシル基、t−ブトキシル基等のアルコキ
シル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、メト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキ
シカルボニル基、アシロキシル基、ニトロ基、アミノ
基、シアノ基等が置換したアルキル基を挙げることがで
きる。
【0013】本発明の方法で溶媒として用いられるアル
コール類は、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル等の脂肪族1級アルコール類、2−プロパノール、2
−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール等の脂肪族
2級アルコール類、α−フェネチルアルコールのような
アリール基が置換した芳香族アルコール類、エチレング
リコール、グリセリン等の多価アルコール類等が使用で
きるが、これらの中でも水素化ほう素ナトリウムおよび
水素化ほう素ナトリウムとアルデヒドが反応して生じる
反応中間体の溶解性が高いという点で、メタノール、エ
タノール、1−プロパノール、2−プロパノールが好ま
しい。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を混
合して使用しても良い。
コール類は、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル等の脂肪族1級アルコール類、2−プロパノール、2
−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール等の脂肪族
2級アルコール類、α−フェネチルアルコールのような
アリール基が置換した芳香族アルコール類、エチレング
リコール、グリセリン等の多価アルコール類等が使用で
きるが、これらの中でも水素化ほう素ナトリウムおよび
水素化ほう素ナトリウムとアルデヒドが反応して生じる
反応中間体の溶解性が高いという点で、メタノール、エ
タノール、1−プロパノール、2−プロパノールが好ま
しい。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を混
合して使用しても良い。
【0014】溶媒の使用量は、フルオレン−9−カルバ
アルデヒド類1重量部に対し、アルコール類1重量部か
ら2500重量部、好ましくは3重量部から200重量
部である。使用量が1重量部よりも少ない場合は、収率
が低下し、また2500重量部よりも多く使用すること
は可能であるが、収率は向上しないため経済的に好まし
くない。
アルデヒド類1重量部に対し、アルコール類1重量部か
ら2500重量部、好ましくは3重量部から200重量
部である。使用量が1重量部よりも少ない場合は、収率
が低下し、また2500重量部よりも多く使用すること
は可能であるが、収率は向上しないため経済的に好まし
くない。
【0015】本発明において水素化ほう素ナトリウムは
1分子で4分子のアルデヒドをアルコールに還元できる
ため、アルデヒドに対し0.25倍モルの水素化ほう素
ナトリウムを1当量と規定することができる。
1分子で4分子のアルデヒドをアルコールに還元できる
ため、アルデヒドに対し0.25倍モルの水素化ほう素
ナトリウムを1当量と規定することができる。
【0016】本発明の反応における水素化ほう素ナトリ
ウムの使用量は、原料のフルオレン−9−カルバアルデ
ヒド類1molに対して、通常1.0〜3.5当量、好
ましくは1.1〜2.5当量である。使用量が1.0当
量よりも少ないと未反応の原料が残り、また3.5当量
よりも多く使用しても差しつかえはないが、反応速度は
実質的には改善されないため、経済的な利点はない。
ウムの使用量は、原料のフルオレン−9−カルバアルデ
ヒド類1molに対して、通常1.0〜3.5当量、好
ましくは1.1〜2.5当量である。使用量が1.0当
量よりも少ないと未反応の原料が残り、また3.5当量
よりも多く使用しても差しつかえはないが、反応速度は
実質的には改善されないため、経済的な利点はない。
【0017】水素化ほう素ナトリウムのアルカリ性水溶
液中の水素化ほう素ナトリウムの濃度は0.1mol/
l以上飽和濃度以下、好ましくは0.3mol/l以上
飽和濃度以下である。0.1mol/lよりも低い濃度
の水素化ほう素ナトリウムのアルカリ性水溶液を使用す
ることは可能であるが、水素化ほう素ナトリウムの分解
が早くなり、過剰の水素化ほう素ナトリウムアルカリ性
水溶液が必要になるため、経済的に好ましくない。ま
た、水素化ほう素ナトリウムのアルカリ性懸濁液を使用
することも可能であるが、収率は改善されないため、経
済的な利点はない。
液中の水素化ほう素ナトリウムの濃度は0.1mol/
l以上飽和濃度以下、好ましくは0.3mol/l以上
飽和濃度以下である。0.1mol/lよりも低い濃度
の水素化ほう素ナトリウムのアルカリ性水溶液を使用す
ることは可能であるが、水素化ほう素ナトリウムの分解
が早くなり、過剰の水素化ほう素ナトリウムアルカリ性
水溶液が必要になるため、経済的に好ましくない。ま
た、水素化ほう素ナトリウムのアルカリ性懸濁液を使用
することも可能であるが、収率は改善されないため、経
済的な利点はない。
【0018】水素化ほう素ナトリウムのアルカリ性水溶
液を調製するのに使用するアルカリ化合物は、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が使用
できる。
液を調製するのに使用するアルカリ化合物は、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が使用
できる。
【0019】水素化ほう素ナトリウムのアルカリ性水溶
液中のアルカリ化合物の濃度は、0.01規定以上5規
定以下、好ましくは0.05規定以上3規定以下であ
る。0.01規定よりも低い濃度のアルカリ水溶液を使
用することも可能であるが、水素化ほう素ナトリウムの
安定性が低下するため、好ましくない。また、5規定よ
りも高い濃度のアルカリ水溶液を使用することも可能で
あるが、9−フルオレニルメタノール類の分解反応が起
こるため好ましくない。
液中のアルカリ化合物の濃度は、0.01規定以上5規
定以下、好ましくは0.05規定以上3規定以下であ
る。0.01規定よりも低い濃度のアルカリ水溶液を使
用することも可能であるが、水素化ほう素ナトリウムの
安定性が低下するため、好ましくない。また、5規定よ
りも高い濃度のアルカリ水溶液を使用することも可能で
あるが、9−フルオレニルメタノール類の分解反応が起
こるため好ましくない。
【0020】本発明方法を実施するにあたり、反応温度
は通常0〜100℃、好ましくは10〜80℃である。
そして、反応終了後、水を加えて有機溶媒により抽出
し、その後に有機溶媒を留去するかあるいは水を加えて
析出した結晶を濾過することで、容易に9−フルオレニ
ルメタノール類を得ることができる。
は通常0〜100℃、好ましくは10〜80℃である。
そして、反応終了後、水を加えて有機溶媒により抽出
し、その後に有機溶媒を留去するかあるいは水を加えて
析出した結晶を濾過することで、容易に9−フルオレニ
ルメタノール類を得ることができる。
【0021】
【作用】アルカリ性水溶液には、水素化ほう素ナトリウ
ムを安定化する効果があるため、水素化ほう素ナトリウ
ムをアルカリ性水溶液にして添加することで、1級アル
コールと水素化ほう素ナトリウムの反応を抑制すること
が可能になる。これに対してあらかじめ、溶媒の1級ア
ルコールにフルオレン−9−カルバアルデヒド類とアル
カリ化合物を添加しておき、それに対して水素化ほう素
ナトリウムの粉体を添加する方法でも、アルカリ水溶液
の安定化効果による副反応抑制の効果は見られるが、収
率の向上は見られない。また、この方法では水溶液で水
素化ほう素ナトリウムを添加するよりも操作性が悪いた
め、利点はない。
ムを安定化する効果があるため、水素化ほう素ナトリウ
ムをアルカリ性水溶液にして添加することで、1級アル
コールと水素化ほう素ナトリウムの反応を抑制すること
が可能になる。これに対してあらかじめ、溶媒の1級ア
ルコールにフルオレン−9−カルバアルデヒド類とアル
カリ化合物を添加しておき、それに対して水素化ほう素
ナトリウムの粉体を添加する方法でも、アルカリ水溶液
の安定化効果による副反応抑制の効果は見られるが、収
率の向上は見られない。また、この方法では水溶液で水
素化ほう素ナトリウムを添加するよりも操作性が悪いた
め、利点はない。
【0022】また、溶媒に2級アルコールを溶媒に使用
した場合、水素化ほう素ナトリウムの粉体の代わりに水
素化ほう素ナトリウムのアルカリ性水溶液を添加するこ
とは、固体析出の防止効果があるが、それは析出する固
体が2級アルコールよりも2級アルコールと水の混合溶
媒によりよく溶解するためである。そのため、あらかじ
め溶媒の2級アルコールに水とフルオレン−9−カルバ
アルデヒド類とアルカリ化合物を添加し、それに対して
水素化ほう素ナトリウムの粉体を添加する方法でも固体
の析出防止には効果があるが、収率の向上は見られず、
また操作性も悪いため利点は無い。
した場合、水素化ほう素ナトリウムの粉体の代わりに水
素化ほう素ナトリウムのアルカリ性水溶液を添加するこ
とは、固体析出の防止効果があるが、それは析出する固
体が2級アルコールよりも2級アルコールと水の混合溶
媒によりよく溶解するためである。そのため、あらかじ
め溶媒の2級アルコールに水とフルオレン−9−カルバ
アルデヒド類とアルカリ化合物を添加し、それに対して
水素化ほう素ナトリウムの粉体を添加する方法でも固体
の析出防止には効果があるが、収率の向上は見られず、
また操作性も悪いため利点は無い。
【0023】
【実施例】以下、本発明の方法を実施例により説明す
る。
る。
【0024】〔実施例1〕フルオレン−9−カルバアル
デヒド35.0g(180ミリモル)をメタノール20
0mlに溶解し、水素化ほう素ナトリウムのアルカリ性
水溶液(水素化ほう素ナトリウム0.1mol/l、
0.1N水酸化ナトリウム)を10.8mlを30℃で
15分かけて滴下した。その後、反応溶液をガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、9−フルオレニルメタノ
ールが99%の収率(対フルオレン−9−カルバアルデ
ヒド)で生成していることが判明した。
デヒド35.0g(180ミリモル)をメタノール20
0mlに溶解し、水素化ほう素ナトリウムのアルカリ性
水溶液(水素化ほう素ナトリウム0.1mol/l、
0.1N水酸化ナトリウム)を10.8mlを30℃で
15分かけて滴下した。その後、反応溶液をガスクロマ
トグラフィーで分析した結果、9−フルオレニルメタノ
ールが99%の収率(対フルオレン−9−カルバアルデ
ヒド)で生成していることが判明した。
【0025】〔実施例2〜5〕各種フルオレン−9−カ
ルバアルデヒド類のアルコール溶液に30℃で水素化ほ
う素ナトリウムのアルカリ性水溶液を滴下して反応を行
った。このとき使用したフルオレン−9−カルバアルデ
ヒド類の種類と使用量、溶媒の種類と使用量、水素化ほ
う素ナトリウムのアルカリ性水溶液の使用量、水素化ほ
う素ナトリウムの濃度、アルカリ化合物の種類と濃度及
び得られた9−フルオレニルメタノール類の原料として
使用したフルオレン−9−カルバアルデヒド類に対する
収率をそれぞれ表1に示す。
ルバアルデヒド類のアルコール溶液に30℃で水素化ほ
う素ナトリウムのアルカリ性水溶液を滴下して反応を行
った。このとき使用したフルオレン−9−カルバアルデ
ヒド類の種類と使用量、溶媒の種類と使用量、水素化ほ
う素ナトリウムのアルカリ性水溶液の使用量、水素化ほ
う素ナトリウムの濃度、アルカリ化合物の種類と濃度及
び得られた9−フルオレニルメタノール類の原料として
使用したフルオレン−9−カルバアルデヒド類に対する
収率をそれぞれ表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】〔比較例1〕フルオレン−9−カルバアル
デヒド35.0g(180ミリモル)をメタノール20
0mlに溶解し、これに水素化ほう素ナトリウムの粉末
2.04gを、30℃で1時間かけて添加した。その後
反応溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、9
−フルオレニルメタノールが46%の収率(対フルオレ
ン−9−カルバアルデヒド)で生成していることが判明
した。
デヒド35.0g(180ミリモル)をメタノール20
0mlに溶解し、これに水素化ほう素ナトリウムの粉末
2.04gを、30℃で1時間かけて添加した。その後
反応溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、9
−フルオレニルメタノールが46%の収率(対フルオレ
ン−9−カルバアルデヒド)で生成していることが判明
した。
【0028】〔比較例2〕フルオレン−9−カルバアル
デヒド35.0 g(180ミリモル)を2−プロパノー
ル200mlに溶解し、これに水素化ほう素ナトリウム
の粉末2.04gを30℃で添加した。1.7g添加し
たときに大量に固体が析出して固化したが、そのまま残
りの水素化ほう素ナトリウムを添加した。その後、反応
溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、9−フ
ルオレニルメタノールが58%の収率(対フルオレン−
9−カルバアルデヒド)で生成していることが判明し
た。
デヒド35.0 g(180ミリモル)を2−プロパノー
ル200mlに溶解し、これに水素化ほう素ナトリウム
の粉末2.04gを30℃で添加した。1.7g添加し
たときに大量に固体が析出して固化したが、そのまま残
りの水素化ほう素ナトリウムを添加した。その後、反応
溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、9−フ
ルオレニルメタノールが58%の収率(対フルオレン−
9−カルバアルデヒド)で生成していることが判明し
た。
【0029】〔比較例3〕フルオレン−9−カルバアル
デヒド35.0g(180ミリモル)とメタノール18
0mlと0.1N水酸化ナトリウム水溶液20mlを混合
し、これに水素化ほう素ナトリウムの粉末2.04gを
30℃で15分かけて添加した。その後、反応溶液をガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、9−フルオレニ
ルメタノールが93%の収率(対フルオレン−9−カル
バアルデヒド)で生成していることが判明した。
デヒド35.0g(180ミリモル)とメタノール18
0mlと0.1N水酸化ナトリウム水溶液20mlを混合
し、これに水素化ほう素ナトリウムの粉末2.04gを
30℃で15分かけて添加した。その後、反応溶液をガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、9−フルオレニ
ルメタノールが93%の収率(対フルオレン−9−カル
バアルデヒド)で生成していることが判明した。
【0030】〔比較例4〕フルオレン−9−カルバアル
デヒド35.0g(180ミリモル)と2−プロパノー
ル180mlと0.1N水酸化ナトリウム水溶液20m
lを混合し、これに水素化ほう素ナトリウムの粉末2.
04gを30℃で15分かけて添加した。その後、反応
溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、9−フ
ルオレニルメタノールが88%の収率(対フルオレン−
9−カルバアルデヒド)で生成していることが判明し
た。
デヒド35.0g(180ミリモル)と2−プロパノー
ル180mlと0.1N水酸化ナトリウム水溶液20m
lを混合し、これに水素化ほう素ナトリウムの粉末2.
04gを30℃で15分かけて添加した。その後、反応
溶液をガスクロマトグラフィーで分析した結果、9−フ
ルオレニルメタノールが88%の収率(対フルオレン−
9−カルバアルデヒド)で生成していることが判明し
た。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、容易な操作で高
収率かつ安価に9−フルオレニルメタノール類を製造す
ることができる。すなわち、本発明は9−フルオレニル
メタノール類の工業的に優れた製造方法を提供するもの
である。
収率かつ安価に9−フルオレニルメタノール類を製造す
ることができる。すなわち、本発明は9−フルオレニル
メタノール類の工業的に優れた製造方法を提供するもの
である。
Claims (1)
- 【請求項1】フルオレン−9−カルバアルデヒド類のア
ルコール溶液と水素化ほう素ナトリウムのアルカリ性水
溶液を混合し、反応させることを特徴とする9−フルオ
レニルメタノール類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7224693A JPH0952855A (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | 9−フルオレニルメタノール類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7224693A JPH0952855A (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | 9−フルオレニルメタノール類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0952855A true JPH0952855A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16817765
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7224693A Withdrawn JPH0952855A (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | 9−フルオレニルメタノール類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0952855A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103351280A (zh) * | 2013-06-17 | 2013-10-16 | 张家港威胜生物医药有限公司 | 一种关于9-芴甲醇的简易制备工艺 |
CN113354514A (zh) * | 2021-06-07 | 2021-09-07 | 太原理工大学 | 一种可控高选择性合成9-芴甲醇和9,9-双羟甲基芴的方法 |
-
1995
- 1995-08-09 JP JP7224693A patent/JPH0952855A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103351280A (zh) * | 2013-06-17 | 2013-10-16 | 张家港威胜生物医药有限公司 | 一种关于9-芴甲醇的简易制备工艺 |
CN113354514A (zh) * | 2021-06-07 | 2021-09-07 | 太原理工大学 | 一种可控高选择性合成9-芴甲醇和9,9-双羟甲基芴的方法 |
CN113354514B (zh) * | 2021-06-07 | 2023-04-07 | 太原理工大学 | 一种可控高选择性合成9-芴甲醇和9,9-双羟甲基芴的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DK2397459T3 (en) | Process for the preparation of a phenylacetamidforbindelse | |
JP4889737B2 (ja) | N置換イソチアゾリノン誘導体の製造 | |
KR20060052532A (ko) | 히드록시나프토산 히드라지드 화합물 및 그의 제조 방법 | |
CA2418040C (en) | Process for the preparation of substituted phenylacetonitriles | |
JP5647790B2 (ja) | N−カルバモイル−tert−ロイシンの製造法 | |
KR20080031910A (ko) | 1-[시아노(4-하이드록시페닐)메틸]사이클로헥사놀화합물의 제조 방법 | |
KR20130090360A (ko) | 물 또는 다양한 산을 첨가제로 이용한 새로운 마이클-첨가 반응을 통하여 화합물을 제조하는 방법 | |
JPH0952855A (ja) | 9−フルオレニルメタノール類の製造方法 | |
CN111848423B (zh) | 3-氧代环丁基氨基甲酸叔丁酯的制备方法 | |
JPS5822144B2 (ja) | シアン酢酸アルキルの製造法 | |
JP2012102123A (ja) | 4−アミノ−2−アルキルチオ−5−ピリミジンカルバルデヒドの製法 | |
JPH07252205A (ja) | オキシアミン類の製造方法 | |
JPH0710809B2 (ja) | ジ炭酸ジアルキルエステルの製造方法 | |
KR100466693B1 (ko) | 페녹시아세트아미드 유도체의 제조방법 | |
US20100010233A1 (en) | Process for preparing imidazolidin-2,4-dione compound and method for acquiring solid state 4,5-dihydroxy-2-imidazolidinone compound | |
JP3959178B2 (ja) | ヒドラジン誘導体の製造方法、その中間体および中間体の製造方法 | |
EP1244646B1 (en) | Dinitrile intermediates for the synthesis of omapatrilat and methods for producing same | |
JP3061315B2 (ja) | ジ炭酸ジアルキルエステルの製造方法 | |
KR101669646B1 (ko) | 4-니트로소아닐린의 제조방법 | |
JPS63165354A (ja) | 不斉シアンヒドリンの製造法 | |
JPS58128356A (ja) | 2−アルコキシメチレン−3,3−ジアルコキシブロパンニトリル類 | |
JP4788854B2 (ja) | トランス−1,2−ジアリールエタンジアミンおよびその誘導体の製造方法、ならびにトランス−1,2−ジアリールエタンジアミン誘導体 | |
JPH0529334B2 (ja) | ||
JPH0410450B2 (ja) | ||
JP2999920B2 (ja) | イソニトロソアセトアニリド類の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021105 |