JPH115716A - シリカ配合化粧料 - Google Patents

シリカ配合化粧料

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JPH115716A
JPH115716A JP17123497A JP17123497A JPH115716A JP H115716 A JPH115716 A JP H115716A JP 17123497 A JP17123497 A JP 17123497A JP 17123497 A JP17123497 A JP 17123497A JP H115716 A JPH115716 A JP H115716A
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JP
Japan
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silica
scaly
thickness
crystalline
cosmetic
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP17123497A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Terase
邦彦 寺瀬
Masaharu Tanaka
正治 田中
Maki Inoue
真樹 井上
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DOKAI CHEMICAL IND
DOUKAI KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
DOKAI CHEMICAL IND
DOUKAI KAGAKU KOGYO KK
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Publication date
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Publication of JPH115716A publication Critical patent/JPH115716A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸展性が良好で、使用の際に、油っぽ
さやべたつき感、あるいは乾燥感のなく、しかも、人体
への安全性が高いメイクアップ用の化粧料を提供する。 【解決手段】 厚さ0.001〜1μm、厚さに対す
る鱗片状板の最長長さの比(アスペクト比)10以上、
厚さに対する鱗片状板の最小長さの比3以上の鱗片状の
シリカで、結晶型遊離珪酸の測定値10%未満の低結晶
性の鱗片状シリカを配合した化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカ配合化粧料
に関し、より詳しくは、鱗片状の低結晶性シリカを配合
した化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、メイクアップ用化粧料には、被覆
性を与え、伸びを良くし、滑らかな感触を与えるなどの
目的で、マイカ、セリサイト、カオリン、タルク等の種
々の無機粉末が配合されている。このような粉末とし
て、天然物に比べて、粒径などの物性が安定したものが
得やすいと云う理由で、合成粉末も用いられるようにな
ってきている。例えば、英国特許第1,092,726
号明細書には、粒径が0.015〜5μmの不定型シリ
カを配合したメイクアップ用化粧品が開示されている。
しかしながら、このようなシリカは、微細でかつ不定型
であるため、吸油性が大きく、化粧品に配合したときに
伸展性が少なく、皮膚上で乾燥感が強いという問題点が
あった。
【0003】特開昭54−55739号公報には、固形
粉おしろいに球状の無水珪酸を配合することが開示され
ている。このような粉末は、逆に吸油性が十分でなく、
メイクアップ用化粧品のように多量の油分を含むものを
配合した場合、使用の際に油っぽさやべたつき感を生
じ、肌の乾燥を十分防ぐことは困難であった。
【0004】特開昭54−140736号公報には、多
孔質の球状のシリカゲルを配合したメイクアップ用化粧
品が開示されている。しかしながら、シリカゲルでは吸
油性が大きすぎるので、肌に対するざらつき感があり、
展着性や使用時のつや、透明感の向上のために、他にセ
リサイトやタルクを配合する必要があった。
【0005】特開平4−145011号には、無孔質か
つ結晶質で鱗片状のシリカを配合した化粧料が開示され
ている。しかしながら、結晶質で、あまり結晶性が高い
シリカの場合は、人体の呼吸器に長期間吸入されると、
疾病たるじん肺や珪肺を引き起こすとする指摘もあり、
人体への安全性に対する不安感に関する配慮がかならず
しも十分でなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の有していた前述の問題点を解決し、伸展性が良好
で、使用の際に、油っぽさやべたつき感、あるいは乾燥
感のなく、しかも、人体への安全性が高いメイクアップ
用の化粧料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、シリカ源およびアルカリ源を含有した出発原
料を水熱処理することにより、人体に有害な結晶型遊離
珪酸の含有量の充分少ない、鱗片状の低結晶性シリカが
得られ、これを化粧料に配合することにより、伸展性が
良好で、使用の際に、油っぽさやべたつき感、あるいは
乾燥感がない化粧料が得られることを見出し、本発明を
完成するに到った。
【0008】すなわち、本発明の上記課題は、厚さが
0.001〜1μmの鱗片状板からなり、該厚さに対す
る該鱗片状板の最長長さの比(アスペクト比)が少なく
とも10、該厚さに対する該鱗片状板の最小長さの比が
少なくとも3を有する鱗片状のシリカであって、かつ、
X線回折分析法による結晶型遊離珪酸の測定値が10%
未満である低結晶性の鱗片状シリカを配合したことを特
徴とする化粧料、によって解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明は、低結晶性で、かつ鱗片状のシリ
カを、好ましくは3〜70重量%、より好ましくは3〜
60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%、化粧料
に配合するものであるが、まず、本発明にいう鱗片状シ
リカは、厚さが0.001〜1μm、好ましくは0.0
1〜0.5μmの鱗片状板からなり、厚さに対する鱗片
状板の最長長さの比(アスペクト比)が少なくとも1
0、好ましくは30以上、さらに好ましくは50以上、
厚さに対する鱗片状板の最小長さの比が少なくとも3、
好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上を有す
る。
【0011】鱗片状板の厚さが0.001〜1μm未満
の場合は、鱗片状板の機械的強度が不十分となり好まし
くない。一方、厚さが1μmを超えて大きくなると、展
着性(または伸展性)が十分でなくなるおそれがあるの
で好ましくない。
【0012】また、厚さに対する鱗片状板の最長長さの
比(アスペクト比)が10未満の場合、もしくは、厚さ
に対する鱗片状板の最小長さの比が少なくとも3未満の
場合は、展着性が十分でなくなるおそれがあるので好ま
しくない。
【0013】なお、厚さに対する最長長さの比および最
小長さの比の上限は特に規定するものではないが、前者
は300以下、好ましくは200以下が実際的であり、
後者は150以下、好ましくは100以下が実際的であ
る。
【0014】また、本発明に云う鱗片状板のシリカの厚
さ、長さは特に断らないかぎり、その一次粒子について
の平均値を意味する。
【0015】ここで、鱗片状板とは、実質的に板状の形
を有していればよく、部分的又は全体的に曲がったり、
ねじれていてもよい。
【0016】本発明で使用される鱗片状のシリカは、適
度な吸油性を有するので、メイクアップ用の化粧料に配
合した場合、油っぽさやべたつき感、あるいは、乾燥感
のないものが得られるのである。
【0017】また、本発明における鱗片状シリカは、仮
にシリカの微粒子が人体の呼吸器に吸入された場合であ
っても、人体への有害性がきわめて少ないとされている
低結晶性のシリカであり、その安全性は十分高いといえ
る。
【0018】従来、いわゆるシリカXとよばれる、X線
回折でピークがでるという意味においての結晶質シリカ
が知られている( Beitr.Mineral.Petrogr.10,242-259(
1964)) 。
【0019】これらは、多数の鱗片状粒子が癒着したよ
うな形態になっており、また、無孔質でかつ反応性に乏
しく、これに特定の物質を担持させたり化粧品等のフィ
ラーとして使用することは実質上困難である。
【0020】石英やクリストバライトなどの結晶性シリ
カは、結晶型遊離珪酸に分類され、粉塵として長期間、
人肺に吸入された場合、肺臓およびその周囲組織に沈着
し治療が困難な疾病である珪肺( Silicosis ) を引き起
こす原因となることが病理学的にも確認されており、労
働安全衛生面上、じん肺法やじん肺法施行規則において
規制されている。いっぽう、シリカゲル等の非晶質シリ
カは非晶型遊離珪酸に分類されるが、非晶型は結晶型に
比較して珪肺を引き起こす可能性は著しく小さいことも
知られている( 粉体と工業,10,25-40( 1980 ))。
【0021】遊離珪酸とは、珪酸塩を構成する結合珪酸
と区別した名称で、珪素が酸素とのみ三次元的に結合し
ており、その他の元素とは結合していない状態であり、
要するに二酸化珪素( Si O2 ) を意味する。このよう
な遊離珪酸は、上述の非晶型や結晶型等に分類される
が、このうち、珪肺を引き起こす原因となる結晶型の遊
離珪酸は、X線回折分析法等により定量が可能である。
【0022】本発明におけるシリカは、後記したX線回
折分析法により測定した、結晶型遊離珪酸の測定値が1
0%未満、好ましくは5%未満、さらに好ましくは2%
( 検出限界以下 )と、きわめてわずかな低結晶性の鱗片
状シリカである。
【0023】なお、本発明におけるシリカは、X線回折
分析法による測定で、所謂アモルファス状態を示すテー
リングはほとんど観察されないものである。
【0024】さらに本発明における鱗片状シリカは、好
ましくは、IRスペクトルの3600〜3700、34
00〜3500cm-1にそれぞれ1つの吸収帯を持った
シラノール基を有する低結晶性の鱗片状シリカでもあ
る。このように、本発明におけるシリカには、その表面
に反応活性の高いシラノール基が存在することから、化
粧料に配合するに際し、所望の有機成分による化学修飾
も可能であり、化粧料のフィラーとしての機能をさらに
高めることも可能である。
【0025】本発明における鱗片状の低結晶性シリカを
製造する具体的手段としては、次のような方法があげら
れる。
【0026】本発明におけるシリカは、シリカ源及びア
ルカリ源を特定量含むシリカゾルを出発原料とする。特
に、シリカ/アルカリモル比( SiO2 /Me2 O、こ
こでMeはLi、NaまたはKなどのアルカリ金属を示
す。以下、同じ。 )が、1.0〜3.4mol/mol
の珪酸アルカリ水溶液を、イオン交換樹脂法あるいは電
気透析法などによって脱アルカリしたシリカゾルが好適
に使用される。なお、珪酸アルカリ水溶液としては、た
とえば水ガラスを適宜水で希釈したものなどが好適に使
用される。
【0027】かくして本発明で出発原料として使用する
脱アルカリしたシリカゾルのシリカ/アルカリモル比(
SiO2 /Me2 O )は、3.5〜20mol/mol
の範囲が好ましく、4.5〜18mol/molの範囲
がさらに好ましい。この範囲よりあまりモル比が低くな
ると、シリカの溶解度が上昇し、収率が悪化するので好
ましくない。一方、この範囲よりあまりモル比が高くな
ると、シリカゾルの安定性が低下するので好ましくな
い。
【0028】シリカゾル中のシリカ濃度は2〜20重量
%が好ましく、3〜15重量%が特に好ましい。この範
囲より濃度があまり低いと生産性が低下するので好まし
くない。また、この範囲より濃度があまり高いとシリカ
ゾルの安定性が低下するので好ましくない。
【0029】シリカゾル中のシリカ粒子径は、平均粒子
径を意味し、特に限定するものではないが100nm以
下のものが好ましく、そのなかでも20nm以下の所謂
活性珪酸が特に好ましい。また粒径の下限値は特に限定
するものではないが、0.5nm以上のものが好まし
い。粒径が100nmを超えてあまり大きくなると、シ
リカゾルの安定性が低下するので好ましくない。なお、
シリカ粒子径の測定法は、この範囲の粒度が測定可能な
ものであれば特に限定するものではないが、レーザー光
散乱粒度測定装置や、透過型電子顕微鏡により撮影した
粒子像サイズのスケール計測などで測定することができ
る。
【0030】本発明においては、以上のごときシリカゾ
ルを出発原料とし、これを例えばオートクレーブ等の加
熱圧力容器中で加熱して水熱処理を行い、目的とする鱗
片状の低結晶性シリカを生成せしめる。
【0031】なお、シリカゾルを水熱処理するため、オ
ートクレーブに仕込むに先立って、さらに蒸留水やイオ
ン交換水のごとき精製水を加えることにより、シリカ濃
度を所望の範囲に調製することも可能である。
【0032】オートクレーブとしては特にその形式を限
定するものではないが、少なくとも加熱手段と攪拌手段
及び好ましくは温度測定手段を備えたものであればよ
い。
【0033】本発明において水熱処理は150〜250
℃の温度範囲で行われ、好ましくは170〜220℃で
ある。これよりあまり温度が低いと、目的とする鱗片状
の低結晶性シリカを得るのに長時間を必要とすることに
なるので好ましくない。一方、これよりあまり高温で
は、目標とする鱗片状の低結晶性シリカが単一相として
得られにくくなるので好ましくない。これは、本発明に
おいて使用する鱗片状の低結晶性シリカが準安定相と考
えられ、水熱処理の進行とともに、逐次クリストバライ
ト、クオーツに相転移する傾向があるところ、高温、特
に250℃を超えるような場合は、結晶化効果が大きく
なり、クリストバライトやクオーツとの混合物が生成し
やすいためであると考えられる。
【0034】また、必要な水熱処理の時間は、水熱処理
の温度や種晶の添加の有無等により変わりうるが、通
常、5〜50時間、好ましくは、5〜40時間、より好
ましくは5〜25時間程度である。
【0035】なお、本発明においては、水熱処理を効率
よく進め、処理時間を短くするためには、その添加は必
須ではないが、種晶を添加することがより好ましい。種
晶の添加量は、もちろん限定するものではないが、原料
のシリカゾルの仕込み量に対して0.001〜1重量%
程度が好ましい。
【0036】水熱処理終了後、水熱処理生成物をオート
クレーブより取り出し、濾過、水洗する。基本的には、
これを乾燥することにより、本発明で使用する鱗片状の
低結晶性シリカが最終的に得られる。この水熱処理生成
物のケーキを、濾過・水洗した状態において顕微鏡的に
見ると、個々の鱗片状の一次粒子同志が融着したような
凝集粒子を形成している部分が観察されるので、一般的
には、乾燥前に該凝集粒子をほぐし、一次粒子として分
散させる操作、すなわち、分散処理( 解砕処理)を行う
ことが好ましい。ただし、化粧料に添加する粉末として
の用途のような場合は、これを分散処理することなく、
得られた粒子をそのまま化粧料に配合しても、十分優れ
た効果が得られるので、分散処理は必ずしも必要ではな
い。
【0037】なお、分散処理を行う場合の方法として
は、特に限定するものではないが、超音波ホモジナイザ
ーや湿式ビーズミル等を用いた機械的分散方法の他に、
苛性ソーダや苛性カリ等のアルカリを用いた化学的分散
方法も有効である。この化学的分散方法におけるその効
果の発現のメカニズムは、各鱗片状粒子同士の癒着部に
存在する言わばバインダーとしての易溶解性シリカ分
が、該アルカリの添加により溶解するため、各鱗片状粒
子が互いに分離し、分散するものと推定される。
【0038】乾燥操作は、水熱処理生成物のケーキを濾
過・水洗後そのまま、または、アセトンやメタノール等
の低沸点有機溶媒で洗浄して付着水を溶媒置換した後行
われる。乾燥装置は特に限定するものではないが、気流
乾燥機、流動層乾燥機、媒体流動層乾燥機、攪拌型乾燥
機、円筒乾燥機、箱型乾燥機、バンド乾燥機、熱風乾燥
機、真空乾燥機、振動乾燥機等任意の装置を採用でき
る。また、乾燥温度は通常、50〜300℃程度で行う
のが好ましい。
【0039】かくして得られた本発明におけるシリカ
は、その一次粒子の形状として、鱗片状の形態を有する
とともに、好ましくは、IRスペクトルの3600〜3
700、3400〜3500cm-1にそれぞれ1つの吸
収帯を持ったシラノール基を有する。そのため、該シリ
カは、その表面に反応活性の高いシラノール基が存在す
ることから、所望の有機成分による化学修飾も可能であ
る。
【0040】本発明の化粧料は、以上のごとくして得ら
れた低結晶性で、かつ鱗片状のシリカを、好ましくは3
〜70重量%、より好ましくは3〜60重量%、さらに
好ましくは5〜50重量%を化粧料に配合してなるもの
である。
【0041】シリカの配合量が3重量%に満たない場合
は、シリカ配合の効果が十分発現しないので好ましくな
い。一方、配合量が70重量%を越える場合は、化粧料
が固くなりすぎて、伸展性が阻害されるおそれがあるの
で好ましくない。
【0042】本発明の対象とする化粧料は好ましくはメ
イクアップ用のものであり、具体的には、ファンデーシ
ョン、ファンデーションクリーム、ファンデーションケ
ーキ、チックメイクアップ、リップスティック、リップ
クリーム、白粉、アイシャドウ、マスカラ等があげられ
る。
【0043】なお、本発明において使用する鱗片状の低
結晶性シリカの物理化学的分析は以下のようにして行わ
れる。
【0044】シリカ粒子のアスペクト比は、走査型電子
顕微鏡により撮影された充分多数の鱗片状の一次粒子像
にスケール等をあてて、厚さ、最長長さ、最小長さを測
定し、この平均値を算出することにより求められる。
【0045】また、結晶型遊離珪酸は、労働安全衛生法
に関する告示に示された作業環境測定基準に則る作業環
境測定ガイドブック( 鉱物性粉塵関係 労働省安全衛生
部環境改善室編 )に記載された、X線回折分析法により
測定される。
【0046】なお、低結晶性シリカの表面に存在するシ
ラノール基はIRスペクトルにより求められる。
【0047】
【発明の効果】本発明の化粧料は、一次粒子が、厚さが
0.001〜1μmの鱗片状板からなり、厚さに対する
鱗片状板の最長長さの比(アスペクト比)が少なくとも
10、厚さに対する鱗片状板の最小長さの比が少なくと
も3を有する鱗片状の形態をなす低結晶性シリカを配合
したものであるから、伸展性が良好で、使用の際に、油
っぽさやべたつき感、あるいは乾燥感のなく隠蔽性など
の特性に優れるものである。
【0048】また、本発明における鱗片状の低結晶性シ
リカにおいては、珪肺を引き起こす原因となる結晶型の
遊離珪酸は、労働安全衛生法に関する告示に示された作
業環境測定基準に則る作業環境測定ガイドブック( 鉱物
性粉塵関係 労働省安全衛生部環境改善室編 )に記載さ
れた、X線回折分析法による測定値で表示されるが、こ
の値が純クオーツを100として、10%未満、好まし
くは5%未満、さらに好ましくは2%( 検出限界以下 )
と、きわめてわずかであり、人体に対し十分安全といい
うるものである。
【0049】さらに、本発明におけるシリカは、好まし
くは、IRスペクトルの3600〜3700、3400
〜3500cm-1にそれぞれ1つの吸収帯を持ったシラ
ノール基を有する。そのため、該シリカは、その表面に
反応活性の高いシラノール基が存在することから、化粧
品に配合するに際し、所望の有機成分による化学修飾を
行うことも可能である。
【0050】以下、実施例により、本発明の具体的な実
施の態様を説明する。
【0051】なお、以下の実施例における、シラノール
基、アスペクト比および結晶型遊離珪酸量は上記方法に
より求めたものである。また、以下単に「%」とあるの
は「重量%」を示す。
【0052】
【実施例】
〔実施例1〕加熱手段および攪拌手段を備えた容積10
000cm3 のオートクレーブ( 電気加熱式、アンカー
型攪拌羽根付き )にシリカゾル( 組成:SiO2 10.
0%、Na2 O1.47%、SiO2 /Na2 Oモル比
=7.0mol/mol )4.02Kgとイオン交換水
3.98Kgを仕込み、種晶を1g添加し、昇温して1
0rpmで攪拌しながら200℃で12時間水熱処理を
行った。
【0053】なお、出発原料のシリカゾルは、JIS3
号水ガラスを水で希釈して電気透析して得たものであ
り、その中のコロイド状シリカの平均粒子径は、大塚電
子(株)製のレーザー光散乱粒度測定装置で測定したと
ころ、3nm以下であった。
【0054】水熱処理物を濾過、水洗後、超音波ホモジ
ナイザーで分散処理を行い、再度濾過後、付着水をアセ
トンで置換してから180℃で2時間乾燥し、305g
の微粉末を得た。
【0055】この得られた微粉末を粉末X線回折スペク
トルにより生成相の同定を行ったところ、2θ=4.9
°及び26.0°のピークを特徴とするシリカXの単一
相であることがわかった。
【0056】また、該微粉末の走査型電子顕微鏡観察で
も、その一次粒子の粒子形状は、鱗片状であることが確
認された。該鱗片状粒子の平均厚さ0.05μmに対
し、該厚さに対する板の平均最長長さは3μmでそのア
スペクト比は60、板の平均最小長さは1.2μmでそ
のアスペクト比は24であった。得られたシリカの吸油
量( JISK5101 )は、70ml/100gであっ
た。
【0057】さらに、該微粉末の結晶型遊離珪酸量を測
定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることが
わかった。
【0058】なお、そのIRスペクトルは、3600〜
3700cm-1に一つ、3400〜3500cm-1に一
つの吸収帯が存在した。
【0059】この鱗片状板シリカを用いて、次のような
組成のファンデーションを製造した。
【0060】
【表1】 鱗片状板シリカ 20.0% ワセリン 5.0% 流動パラフィン 15.0% 蒸留水 57.0% トリエタノールアミン 3.0%
【0061】〔比較例1〕実施例1で製造したファンデ
ーションに配合した鱗片状板シリカに代えて、セリサイ
ト5%及び球状シリカゲル( 粒子径12μm )15%を
配合した以外は、実施例1と全く同様にしてファンデー
ションを製造した。
【0062】次に、比較例1のファンデーションを規準
にして、実施例1のファンデーションを、次の6項目に
ついて官能評価した。
【0063】1)かたさ、2)伸展性、3)油っぽさ、
4)つや、5)透明感、6)べたつき感 その結果、実施例1のファンデーションは、規準のファ
ンデーションに比較して、1)かたさ、3)油っぽさ、
6)べたつき感、は同程度であったが、2)伸展性、
4)つや、5)透明感、の点で優れているという評価を
得た。
【0064】〔実施例2〕実施例1と同一の加熱手段お
よび攪拌手段を備えた容積10000cm3 のオートク
レーブ( 電気加熱式、アンカー型攪拌羽根付き )にシリ
カゾル( 組成:SiO2 8.5%、Na2 O0.73
%、SiO2 /Na2 Oモル比=12.0mol/mo
l )4.70Kgとイオン交換水3.30Kgを仕込
み、種晶を1g添加し、昇温して10rpmで攪拌しな
がら200℃で12時間水熱処理を行った。
【0065】出発原料のシリカゾルは実施例1と同様に
して調製したものであり、その中のコロイド状シリカの
平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により測定したとこ
ろ、2〜5nm程度であった。
【0066】水熱処理物を濾過、水洗後、超音波ホモジ
ナイザーで分散処理を行い、再度濾過後、付着水をアセ
トンで置換してから乾燥し、327gの微粉末を得た。
【0067】この得られた微粉末を粉末X線回折スペク
トルにより生成相の同定を行ったところ、実施例1と同
様に、シリカXの単一相であることがわかった。
【0068】また、該微粉末の走査型電子顕微鏡観察で
も、その一次粒子の粒子形状は、鱗片状であることが確
認された。該鱗片状粒子の平均厚さ0.04μmに対
し、該厚さに対する板の平均最長長さは4μmでそのア
スペクト比は100、板の平均最小長さは1.5μmで
そのアスペクト比は38であった。得られたシリカの吸
油量( JISK5101 )は、72ml/100gであ
った。
【0069】なお、そのIRスペクトルは、吸収帯の位
置、数ともに実施例1と同様であった。
【0070】さらに、該微粉末の結晶型遊離珪酸量を測
定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることが
わかった。
【0071】この鱗片状板シリカを用いて、次のような
組成のチックメイクアップを製造した。
【0072】
【表2】 鱗片状板シリカ 50.0% カルナウバロウ 10.0% セレシン 10.0% 流動パラフィン 30.0%
【0073】〔比較例2〕実施例2で製造したチックメ
イクアップに配合した鱗片状板シリカに代えて、タルク
15%及び球状シリカゲル( 粒子径12μm )35%を
配合した以外は、実施例1と全く同様にしてチックメイ
クアップを製造した。
【0074】次に、比較例2のチックメイクアップを規
準にして、実施例2のチックメイクアップを、次の6項
目について官能評価した。
【0075】1)かたさ、2)伸展性、3)油っぽさ、
4)つや、5)透明感、6)べたつき感 その結果、実施例2のチックメイクアップは、規準のチ
ックメイクアップに比較して、1)かたさ、3)油っぽ
さ、6)べたつき感、は同程度であったが、2)伸展
性、4)つや、5)透明感、の点で優れているという評
価を得た。
【0076】〔実施例3〕実施例1と同様の条件で水熱
処理を行い、得られた水熱処理物を濾過、水洗後、分散
処理( 解砕処理 )を行うことなく、付着水をアセトンで
置換してから180℃で2時間乾燥し、307gの微粉
末を得た。
【0077】この得られた微粉末を粉末X線回折スペク
トルにより生成相の同定を行ったところ、2θ=4.9
°及び26.0°のピークを特徴とするシリカXの単一
相であることがわかった。
【0078】また、該微粉末の走査型電子顕微鏡観察で
は、鱗片状の一次粒子同志が融着したような凝集粒子を
形成している部分が認められた。鱗片状の一次粒子の平
均厚さ0.05μmに対し、該厚さに対する板の平均最
長長さは3μmでそのアスペクト比は60、板の平均最
小長さは1.2μmでそのアスペクト比は24であっ
た。得られたシリカの吸油量( JISK5101 )は、
105ml/100gであった。
【0079】さらに、該微粉末の結晶型遊離珪酸量を測
定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることが
わかった。
【0080】なお、そのIRスペクトルは、3600〜
3700cm-1に一つ、3400〜3500cm-1に一
つの吸収帯が存在した。
【0081】この分散処理を行わない鱗片状板シリカを
用いて、次のような組成のファンデーションを製造し
た。
【0082】
【表3】 鱗片状板シリカ( 未解砕 ) 20.0% ワセリン 5.0% 流動パラフィン 15.0% 蒸留水 57.0% トリエタノールアミン 3.0% 次に、比較例1のファンデーションを規準にして、実施
例3のファンデーションを、次の6項目について官能評
価した。
【0083】1)かたさ、2)伸展性、3)油っぽさ、
4)つや、5)透明感、6)べたつき感 その結果、実施例3のファンデーションは、規準のファ
ンデーションに比較して、1)かたさ、3)油っぽさ、
6)べたつき感、は同程度であったが、2)伸展性、
4)つや、5)透明感、の点で優れているという評価を
得た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが0.001〜1μmの鱗片状板か
    らなり、該厚さに対する該鱗片状板の最長長さの比(ア
    スペクト比)が少なくとも10、該厚さに対する該鱗片
    状板の最小長さの比が少なくとも3を有する鱗片状のシ
    リカであって、かつ、X線回折分析法による結晶型遊離
    珪酸の測定値が10%未満である低結晶性の鱗片状シリ
    カを配合したことを特徴とする化粧料。
  2. 【請求項2】 配合した鱗片状シリカが、そのIRスペ
    クトルの3600〜3700、3400〜3500cm
    -1にそれぞれ1つの吸収帯を持ったシラノール基を有す
    るものであることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
JP17123497A 1997-06-13 1997-06-13 シリカ配合化粧料 Withdrawn JPH115716A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005289975A (ja) * 2004-03-11 2005-10-20 Kose Corp 固形粉末化粧料の製造方法及び該製造方法により得られる固形粉末化粧料
WO2016075906A1 (ja) * 2014-11-11 2016-05-19 パナソニックIpマネジメント株式会社 エアロゲルとその製造方法

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