JPH1156309A - シート状削出し昆布の製法 - Google Patents

シート状削出し昆布の製法

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JPH1156309A
JPH1156309A JP9230020A JP23002097A JPH1156309A JP H1156309 A JPH1156309 A JP H1156309A JP 9230020 A JP9230020 A JP 9230020A JP 23002097 A JP23002097 A JP 23002097A JP H1156309 A JPH1156309 A JP H1156309A
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Koichi Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工直後の製品の乾燥や経時変化による製品
同士の結着を防止し、酸味の持続性及び製品自体の風味
を高め、製品価値の向上を図る。 【解決手段】 乾燥した帯状原藻昆布10を、乳酸カル
シウムが添加された醸造酢もしくは氷酢酸希釈液などの
漬け前液Aに浸漬し漬け前する。この漬け前後の帯状原
藻昆布10を数時間から数日間静置して水分を浸透さ
せ、酸味が均一になるように寝かせる。この湿潤後の帯
状原藻昆布10の表皮を軽くなぞり、その表裏面に付着
しているゴミ、砂等を除去した後、所定の長さにカット
し、真空乾燥して水分の調整を行なう。乾燥後の帯状原
藻昆布10Bの表裏面に結着剤としてのアルギン酸ナト
リウム溶液Bを塗布する。この結着剤塗布後の帯状原藻
昆布10Cを多数枚均一に重層し圧縮Pして固形化し、
この固形ブロック体1を削出し加工装置20に装填し、
その圧縮方向P側の表面1aをスライス面にして一方向
Xに沿ってカッター21にて削り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば「寿司巻
昆布」あるいは「味付昆布」などの所謂「オボロ昆布」
と称される二次加工製品としてのシート状削出し昆布の
製法に関し、特に、スライス状に削り出される帯状原藻
昆布の固形ブロック化に改良を施すことにより、加工後
の製品の乾燥や経時変化による製品同士の結着を防止す
るとともに、酸味の持続性を高め、製品自体の風味が損
なわれることのないようにしてなるものである。
【0002】一般に、昆布は、例えばワカメなどの他の
褐藻類と共に古くから保存食として食せられ、二次加工
製品としての「オボロ昆布」は、ダイエットなどに適し
た健康食品として一躍脚光を浴びている。
【0003】
【従来の技術】従来、この種のシート状削出し昆布を製
造するにおいては、乾燥した帯状原藻昆布を醸造酢もし
くは氷酢酸希釈液(酸度5%前後)などの漬け前液に
0.5〜10分間浸漬して漬け前し、この漬け前後の帯
状原藻昆布を数時間から数日間静置して、水分を浸透さ
せ、酸味が均一になるように寝かせる。
【0004】次いで、この湿潤後の帯状原藻昆布の表皮
を包丁等のカッターで軽くなぞり、その表裏面に付着し
ているゴミや小砂等を除去して所定の長さに切断し、こ
の帯状原藻昆布を真空乾燥して水分の調整を行なった
後、結着剤を塗布して木枠等の型枠内に多数枚重層し保
形して圧縮することによりブロック状に固形化するとと
もに、この固形ブロック体を圧縮状態にて数日間静置
し、水分が均一化するように寝かせて結着させる。
【0005】そして、この固形ブロック体を削出し加工
装置に装填し、その圧縮方向の表面をスライス面にして
一方向に沿って削り出すことにより、薄膜状削出し昆布
の製造が行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の機械削りによるシート状削出し昆布の製法で
は、例えば牛や豚等の皮や骨などに含まれるコラーゲン
により生成されるゼラチン溶液(濃度7%前後)を結着
剤として用いていることから、加工直後の製品を空気中
に放置状態でおくと、数時間で製品の乾燥が始まり、翌
日には製品の表面が「かさかさ」の状態になって、所謂
「しっとり感」がなくなるばかりでなく、たとえ加工直
後に製品を密封包装しても、数日間の経時変化でゼラチ
ンが溶け出し、これによって、製品同士が結着してしま
うために、開封後の製品が剥がれ難くなる。
【0007】また従来、加工後に暫く放置した製品を食
味すると、酸臭は殆どせず、酸味や風味が微かに感じる
程度であり、酸味の持続性がなく、しかも、数日間でゼ
ラチンの経時変化による異質な臭いが発生し、これによ
って、製品自体の風味を損なわせ、製品価値を低下させ
るという問題があった。
【0008】この発明の目的は、加工直後の製品の乾燥
や経時変化による製品同士の結着を防止し、酸味の持続
性を高めるとともに、製品自体の風味が損なわれること
なく製品価値の向上を図ることができるようにしたシー
ト状削出し昆布の製法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、乾燥した帯状原藻昆布を、乳酸カ
ルシウムが添加された醸造酢もしくは氷酢酸希釈液など
の浸け前液に浸漬し浸け前する浸け前工程と、この浸け
前後の帯状原藻昆布を数時間から数日間静置して水分を
浸透させかつ酸味が均一になるように寝かせる湿潤工程
と、この湿潤後の帯状原藻昆布の表皮を軽くなぞり、そ
の表裏面に付着しているゴミや小砂等を除去して所定の
長さに切断する切断工程と、この切断後の帯状原藻昆布
を真空乾燥して水分の調整を行なう乾燥工程と、この乾
燥後の帯状原藻昆布の表裏面にアルギン酸ナトリウム溶
液を塗布する結着剤塗布工程と、この結着剤塗布後の帯
状原藻昆布を型枠にて多数枚重層し保形する重層・保形
工程と、この重層・保形された帯状原藻昆布をその重層
表面より圧縮してブロック状に固形化する圧縮工程と、
この固形ブロック体を圧縮状態にて数日間静置して水分
が均一化するように寝かせて結着させる湿潤・結着工程
と、この湿潤・結着後の固形ブロック体を削出し加工装
置に装填しかつその圧縮方向の表面をスライス面にして
一方向に沿って削り出す切削工程とからなることを特徴
とするものである。
【0010】この場合、前記漬け前液中の乳酸カルシウ
ムの濃度を3〜7%にするとともに、結着剤塗布時のア
ルギン酸ナトリウム溶液の濃度を3.0〜8.0%にし
てなるものである。
【0011】また、前記切削工程にて削り出された薄膜
状削出し昆布を順次オーバーラップさせて複数枚重層さ
せ搬送させながら加湿し加圧・加熱して一本の連続帯状
に成形し、この連続帯状の削出し昆布を定型に裁断した
り、あるいは、ロール状に巻き取ってなるもので、この
ロール巻された連続帯状の削出し昆布は、繰出し装置に
装填されて繰り出しながら、醤油、唐辛子その他の調味
料が添加された調味液にて味付け乾燥を繰り返した後に
定型に裁断される。
【0012】さらに、定型に裁断されたシート状味付け
削出し昆布を複数枚重層し、このシート状味付け削出し
昆布の重層体を複数個に裁断して定型の短冊状に分割
し、これら短冊状分割重層体は、保護シートにて個々に
独立して密封包装される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明すると、図1に示すように、符
号1はこの発明に係るシート状削出し昆布の製法に用い
られる帯状原藻昆布からなる固形ブロック体である。
【0014】この固形ブロック体1は、後述する製造工
程にて成形され、図2に示すように、その圧縮方向P側
の表面1aをスライス面にして一方向Xに沿って削り出
すことにより、図3に示すような「オボロ昆布」として
の木目模様を呈する薄膜状削出し昆布製品Wが製造され
るようになっている。
【0015】次に、上記した固形ブロック体1の製造工
程の実施の形態を図4から図6及び図7のフローチャー
トに基づいて説明すると、図4に示すように、乾燥した
帯状原藻昆布10の結束体10Aを、乳酸カルシウムが
3〜7%の濃度で添加された液醸造酢もしくは氷酢酸希
釈液(酸度が5%前後)などの漬け前液Aを収容した漬
け前桶11に0.5〜10分間浸漬することにより漬け
前して、帯状原藻昆布10を軟らかくする(図7のST
1)。
【0016】この漬け前後の帯状原藻昆布10の結束体
10Aを数時間から数日間室内に積載して静置すること
により、帯状原藻昆布10に水分を浸透させて、酸味が
均一になるように寝かせて湿潤し(図7のST2)、自
然に半乾燥させて切断し易くした後に、この湿潤後の帯
状原藻昆布10の結束体10Aを解束し、この軟らかな
帯状原藻昆布10の表皮を一枚一枚包丁等のカッター1
2にて軽くなぞり、その表裏面に付着しているゴミ、砂
等を取り除いてクリーニングする(図7のST3)。
【0017】次いで、この帯状原藻昆布10Bをカッタ
ー13A,13Bにて一枚一枚所定の長さ、例えば60
cm程度の長さにカットして(図7のST4)、この切
断後の帯状原藻昆布10Bを乾燥機14にて真空乾燥
(季節によって異なるが約1時間程度)して水分の調整
を行なう(図7のST5)。
【0018】そして、この真空乾燥後の帯状原藻昆布1
0Bを計量器15上に積載し、固定化するブロック体の
1個分の計量(例えば35kg)を予め行なった後(図
7のST6)、その表裏面に、例えば塗布ローラ16
A,16Bからなる結着剤塗布装置16にて溶液の濃度
が3.0〜8.0%、好ましくは5.0%のアルギン酸
ナトリウム溶液Bを塗布する(図7のST7)。
【0019】この場合、帯状原藻昆布10Bの表裏面へ
のアルギン酸ナトリウム溶液Bの塗布を塗布ローラ16
A,16Bにて行なうようにしたが、他の塗布装置16
として噴霧器などを用いることも可能である。
【0020】また、アルギン酸ナトリウムは、昆布に1
7〜22%含有されている不溶性のアルギン酸カルシウ
ムを分離・精製することにより抽出し、水溶性の粉末状
に加工し製剤してなるものが好適に用いられる。
【0021】次いで、このように結着剤が塗布された帯
状原藻昆布10Cは、図5に示すように、木枠等の型枠
17内に充填して多数枚均一に重層し、それを更に数段
重ねて、その上面をプレス機(図示せず)による約10
0トンの加圧力にて圧縮し仮締めしてブロック状に半固
形化し保形する(図7のST8)。
【0022】この半固形ブロック体10Dは、大型プレ
ス機18による150トンの加圧力Pにて圧縮され本締
めされて固形化され(図7のST9)、このように固形
化された固形ブロック体10Eを鉄板19A,19A及
びボルト・ナット19Bにて挾持し締結して圧縮状態に
て数日間静置し、水分が均一化するように寝かせて結着
した後に(図7のST10)、鉄板19A,19A及び
ボルト・ナット19Bを取外すことにより、図1に示す
ような固形ブロック体1を得るものである。
【0023】そして、このような固形ブロック体1は、
図6に示すように、削出し加工装置20に装填され、そ
の圧縮方向P側の表面1aをスライス面にして一方向X
に沿ってカッター21にて約0.03〜0.04mm程
度の厚さに削り出すことにより(図7のST11)、図
3に第1の実施の形態として示すような薄膜状削出し昆
布の製品Wを得るものである。
【0024】この削出し加工装置20にて削り出された
製品Wは、ベルトコンベア22にて搬送され、状態検査
後、所定量に計量されて脱酸素剤と共に袋詰めされる。
【0025】図8は、この発明に係るシート状削出し昆
布の製造工程の第2の実施の形態を示すもので、上記第
1の実施の形態において、削出し加工装置20にて削り
出された製品Wをベルトコンベア22による搬送途上
で、作業員の手積み作業にて順次オーバーラップさせて
複数枚(2〜3枚)重層させ整列させて搬送させながら
恒温・恒湿装置23を通して加湿するとともに、さらに
加圧・加熱ローラ24にて加圧・加熱して一本の連続帯
状に成形し、この連続帯状の削出し昆布100の幅方向
両端縁を互いに重り合う上下一対のロールカッター25
A,25Bにて所定の幅寸法に切断調整した後に、他の
カッター26にて裁断することにより、定型の製品W1
を得るようにしてなる構成を有するものである。
【0026】また、図9は、この発明に係る第3の実施
の形態を示すもので、上記第2の実施の形態における連
続帯状の削出し昆布100を巻取機27にて200m程
度の長さにロール巻きしてなる構成を有するものであ
る。
【0027】図10は、この発明に係る第4の実施の形
態を示すもので、上記第3の実施の形態においてロール
巻された連続帯状の削出し昆布100に味付けを施して
なる構成を有する。
【0028】すなわち、図10に示すように、連続帯状
の削出し昆布100のロールを繰出し装置30に装填
し、ベルトコンベア31A上を繰り出し搬送させるとと
もに、ポンプ32にて送り出される醤油、唐辛子その他
の調味料が添加された調味液Cをベルトコンベア31A
の上流側に配置したスポンジローラ33A,33A対間
に滴下供給し、このスポンジローラ33A,33A対間
を通る連続帯状の削出し昆布100に味付けした後、乾
燥装置34Aにて熱風乾燥する。
【0029】この味付け・乾燥後の連続帯状の削出し昆
布101は、ベルトコンベア31Aの下流側に配置した
スポンジローラ33B,33B対間に通して、ベルトコ
ンベア31B上を繰り出し搬送させるとともに、ポンプ
32にて送り出される醤油、唐辛子その他の調味料が添
加された調味液Cをスポンジローラ33B,33B対間
に滴下供給して再び味付けし、乾燥装置34Bにて乾燥
して、味付け・乾燥を繰り返すことにより、味の均一化
と定着化を行なった後に、この再味付け・乾燥後後の連
続帯状の削出し昆布102をローリングカッタ35A,
35Bにて裁断して定型の製品W2を得るものである。
【0030】また、このように定型に裁断された製品W
2は、複数枚(例えば5枚)に重層され、図11に示す
ように、この製品W2の重層体W3を2つに裁断して分
割し、これら分割体W4をそれぞれ複数個づつ(例えば
5個づつ)に裁断して定型の短冊状に分割するととも
に、これら各々の短冊状分割体W5を離間し整列させた
後、図12に示すように、それらの表裏全面を、例えば
透明なフィルム等の保護シートFにて被覆し、その周囲
をヒートシールhすることにより個々独立的に密封包装
してなるもので、ヒートシール後の各々の短冊状分割体
W5をそれぞれ切断分離することにより、パック化製品
W6を得るようになっているものである。
【0031】すなわち、この発明は、帯状原藻昆布10
の重層構造からなる固形ブロック体1の製造に際して、
乾燥した帯状原藻昆布10を乳酸カルシウムが添加され
た醸造酢もしくは氷酢酸希釈液などの漬け前液Aに浸漬
し漬け前するとともに、この漬け前された帯状原藻昆布
10Bに結着剤としてアルギン酸ナトリウム溶液Bを塗
布してなるために、結着剤塗布後の帯状原藻昆布10C
による固形ブロック化時、アルギン酸ナトリウムに乳酸
カルシウムが反応して、アルギン酸カルシウム及び乳酸
ナトリウムの不溶性ゲルが生成され、これによって、帯
状原藻昆布間の結着性及び保湿性が高められ、従前のよ
うな加工直後の製品の乾燥が防止され、「しっとり感」
が維持される。
【0032】また、アルギン酸ナトリウムと乳酸カルシ
ウムの反応にて形成される不溶性ゲルが、帯状原藻昆布
に含有されるアルギン酸カルシウムと同質なアルギン酸
カルシウムであるために、帯状原藻昆布間の結着に不自
然さがなく、しかも、ゲル化によって昆布の酸味を封じ
込めるために、酸味の持続性を高めるとともに、風味の
発散が防止され、従前よりも味付けを薄くする可能にな
り、これによって、調味料類の使用量を少なく抑制する
ことが可能になる。
【0033】さらに、不溶性ゲルが無味・無臭であるた
めに、製品自体の風味を損なわないばかりでなく、可逆
性がないために、従前のような経時変化で製品同士が結
着することがない。
【0034】ところで、表1は、この発明に係る漬け前
液中の乳酸カルシウムの濃度(%)に対する結着剤塗布
時のアルギン酸ナトリウム溶液の濃度(%)の関係を示
すもので、例えば乳酸カルシウムの濃度が3%の場合に
は、アルギン酸ナトリウム溶液の濃度が3.0〜8.0
%の範囲であることが好適であることを意味するもので
ある。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明は、乾燥した帯状原藻昆布を醸造酢もしくは氷酢酸希
釈液などの漬け前液に乳酸カルシウムが添加された溶液
にて漬け前し、この浸け前後の帯状原藻昆布を数時間か
ら数日間静置して水分を浸透させて、酸味が均一になる
ように寝かせ、この湿潤後の帯状原藻昆布にアルギン酸
ナトリウム溶液を塗布し重層してブロック状に固形化
し、この固形ブロック体を圧縮状態にて数日間静置して
水分が均一化するように寝かせて結着させ、この湿潤・
結着後の固形ブロック体を削出し加工装置に装填して、
その圧縮方向側の表面をスライス面にして一方向に沿っ
て削り出してなることから、固形ブロック体の製造時、
アルギン酸ナトリウム溶液に乳酸カルシウムが反応し
て、アルギン酸カルシウム及び乳酸ナトリウムの不溶性
ゲルが形成されるために、帯状原藻昆布間の結着性及び
保湿性を高めることができ、これによって、従前のよう
な加工直後の製品の乾燥を防止することができるととも
に、「しっとり感」を維持することができる。
【0037】また、アルギン酸ナトリウム溶液と乳酸カ
ルシウムの反応にて形成される不溶性ゲルが、帯状原藻
昆布に含有されるアルギン酸カルシウムと同質なアルギ
ン酸カルシウムであるために、帯状原藻昆布間の結着に
不自然さがなく、しかも、ゲル化によって昆布の酸味を
封じ込めるために、酸味の持続性を高めることができる
とともに、風味の発散を防止することができるために、
従前よりも味付けを薄くすることができ、これによっ
て、調味料類の使用量を少なく抑制することができるた
めに、コストの低減化を図ることができる。
【0038】さらに、不溶性ゲルが無味・無臭であるた
めに、製品自体の風味を損なわないばかりでなく、可逆
性がないために、従前のような経時変化で製品同士が結
着することがなく、容易に剥がれる。
【0039】さらにまた、乳酸カルシウムの添加により
製品のカルシウム含有量が増大するために、従前の製品
よりもカルシウムの摂取量が多く、健康食品としての製
品価値の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るシート状削出し昆布の製法に用
いられる帯状原藻昆布の固形ブロック体の実施の形態を
示す説明図。
【図2】図1のI−I線における縦断側面図。
【図3】同じく削出しによるシート状昆布製品を示す説
明図。
【図4】同じく固形ブロック体の製造工程を概略的に示
す説明図。
【図5】同じく固形ブロック体の製造工程を概略的に示
す説明図。
【図6】同じく固形ブロック体の削出しによるシート状
昆布製品の製造工程の第1の実施の形態を概略的に示す
説明図。
【図7】同じくシート状削出し昆布製品の製造工程を示
すフローチャート。
【図8】この発明に係る他のシート状削出し昆布製品の
製造工程の第2の実施の形態を概略的に示す説明図。
【図9】この発明に係る他のシート状削出し昆布製品の
製造工程の第3の実施の形態を概略的に示す説明図。
【図10】この発明に係る他のシート状削出し昆布製品
の製造工程の第4の実施の形態を概略的に示す説明図。
【図11】同じくシート状昆布製品のパック化工程を概
略的に示す説明図。
【図12】同じくシート状昆布製品のパック化工程を概
略的に示す説明図。
【符号の説明】
1・・・固形ブロック体、 1a・・・表面(スライス面)、 10・・・帯状原藻昆布、 10B・・・切断後の帯状原藻昆布、 10C・・・結着剤塗布後の帯状原藻昆布、 10D・・・半固形ブロック体、 10E・・・湿潤・結着前の固形ブロック体、 11・・・漬け前桶、 12・・・カッター(砂取り)、 13A,13B・・・カッター(切断)、 14・・・真空乾燥機、 15・・・計量器 16・・・結着剤塗布装置、 17・・・型枠、 18・・・大型プレス機(本締め)、 20・・・削出し加工装置、 21・・・カッター(削出し)、 23・・・恒温・恒湿装置、 24・・・加圧・加熱ローラ、 25A,25B・・・ロールカッター、 26・・・カッター、 27・・・巻取機、 30・・・繰出し装置、 34A,34B・・・乾燥装置、 35・・・ローリングカッタ、 100・・・連続帯状削出し昆布、 101・・・味付け・乾燥後の連続帯状の削出し昆布、 102・・・再味付け・乾燥後の連続帯状の削出し昆
布、 A・・・漬け前液(乳酸カルシウム添加)、 B・・・結着剤(アルギン酸ナトリウム溶液)、 C・・・調味液、 P・・・圧縮方向、 X・・・削出し方向、 W・・・「オボロ昆布」製品、 W1・・・定型裁断製品、 W2・・・定型裁断製品、 W3・・・定型裁断製品の重層体、 W4・・・分割体、 W5・・・短冊状分割体、 W6・・・パック化製品、 F・・・保護シート。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥した帯状原藻昆布を、乳酸カルシウム
    が添加された醸造酢もしくは氷酢酸希釈液などの浸け前
    液に浸漬し浸け前する浸け前工程と、 この浸け前後の帯状原藻昆布を数時間から数日間静置し
    て水分を浸透させかつ酸味が均一になるように寝かせる
    湿潤工程と、 この湿潤後の帯状原藻昆布の表皮を軽くなぞり、その表
    裏面に付着するゴミや小砂等を除去して所定の長さに切
    断する切断工程と、 この切断後の帯状原藻昆布を真空乾燥して水分の調整を
    行なう乾燥工程と、 この乾燥後の帯状原藻昆布の表裏面にアルギン酸ナトリ
    ウム溶液を塗布する結着剤塗布工程と、 この結着剤塗布後の帯状原藻昆布を型枠にて多数枚重層
    し保形する重層・保形工程と、 この重層・保形された帯状原藻昆布をその重層表面より
    圧縮してブロック状に固形化する圧縮工程と、 この固形ブロック体を圧縮状態にて数日間静置して水分
    が均一化するように寝かせて結着させる湿潤・結着工程
    と、 この湿潤・結着後の固形ブロック体を削出し加工装置に
    装填しかつその圧縮方向の表面をスライス面にして一方
    向に沿って削り出す切削工程とからなることを特徴とす
    るシート状削出し昆布の製法。
  2. 【請求項2】漬け前液中の乳酸カルシウムの濃度を3〜
    7%にするとともに、結着剤塗布時のアルギン酸ナトリ
    ウム溶液の濃度を3.0〜8.0%にしてなることを特
    徴とする請求項1に記載のシート状削出し昆布の製法。
  3. 【請求項3】切削工程にて削り出された薄膜状削出し昆
    布を順次オーバーラップさせて複数枚重層させ搬送させ
    ながら加湿し加圧・加熱して一本の連続帯状に成形して
    なることを特徴とする請求項1または2に記載のシート
    状削出し昆布の製法。
  4. 【請求項4】連続帯状の削出し昆布を定型に裁断してな
    ることを特徴とする請求項3に記載のシート状削出し昆
    布の製法。
  5. 【請求項5】連続帯状の削出し昆布をロール状に巻き取
    ってなることを特徴とする請求項3に記載のシート状削
    出し昆布の製法。
  6. 【請求項6】ロール巻された連続帯状の削出し昆布を繰
    出し装置に装填し繰り出しながら、醤油、唐辛子その他
    の調味料が添加された調味液にて味付け乾燥を繰り返し
    た後に定型に裁断してなることを特徴とする請求項5に
    記載のシート状削出し昆布の製法。
  7. 【請求項7】定型に裁断されたシート状味付け削出し昆
    布を複数枚重層し、このシート状味付け削出し昆布の重
    層体を複数個に裁断して定型の短冊状に分割し、これら
    短冊状分割重層体を保護シートにて個々に独立して密封
    包装してなることを特徴とする請求項6に記載のシート
    状削出し昆布の製法。
JP9230020A 1997-08-26 1997-08-26 シート状削出し昆布の製法 Expired - Lifetime JP3065566B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009039018A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Makoto Suzuki 海苔連接装置及び海苔の連接方法
JP2015188401A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 ヤマトタカハシ株式会社 おぼろ昆布シート入り包装体の製造方法
CN111513270A (zh) * 2019-12-25 2020-08-11 林枫 一种海藻的压缩深加工工艺

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