JPH1155020A

JPH1155020A - 自動車受信用ガラスアンテナ

Info

Publication number: JPH1155020A
Application number: JP20499597A
Authority: JP
Inventors: Masahito Kubota; 聖人窪田; Fumitaka Terajima; 文貴寺島; Koji Tabata; 耕司田畑
Original assignee: Asahi Glass Co Ltd
Current assignee: AGC Inc
Priority date: 1997-07-30
Filing date: 1997-07-30
Publication date: 1999-02-26

Abstract

(57)【要約】【課題】ＦＭ放送帯において感度の平坦性が保てる。【解決手段】デフォッガには略鉛直部１ａを有するデフ
ォッガ容量結合用導体１が設けられており、アンテナ容
量結合用導体６ａと略鉛直部１ａとが容量結合されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ラジオ及びテレビ
放送等の受信に適した自動車受信用ガラスアンテナに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ＡＭ放送帯及びＦＭ放送帯受信用
ガラスアンテナにおいては、アンテナの感度の不足を補
償するため、図２に示すように、後部窓のガラス板３１
にヒータ線２とヒータ線２に給電するバスバとを有する
通電加熱式のデフォッガを設け、さらに、最高位のヒー
タ線２の略中央部にＴ字状のデフォッガ容量結合用導体
１を設けて、デフォッガとの間で直流電流の送受は行わ
れないが中高周波電流の送受は行われるように所定パタ
ーンのアンテナ導体２６をデフォッガ容量結合用導体１
に近接させて設け、デフォッガ容量結合用導体１とアン
テナ導体２６とを容量結合させて、デフォッガをもアン
テナとして利用していた。

【０００３】この場合、デフォッガに誘起された受信信
号が車体アースに漏れないようにするためにデフォッガ
とデフォッガ用の直流電源間にチョークコイル（不図
示）を接続して、デフォッガを車体アースから絶縁して
いる。なお、図２において、２４は給電点である。

【０００４】しかし、この従来例では、ＦＭ放送帯受信
の際、ＦＭ放送帯のうちの高域及び低域の感度がＦＭ放
送帯の中域の感度より低く、ＦＭ放送帯において感度の
平坦性が保てない問題があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
前述の欠点の解消し、ＦＭ放送帯等の高周波帯で感度の
平坦性に優れ、かつ、高感度の自動車受信用ガラスアン
テナを提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、ヒータ線とヒ
ータ線に給電するバスバとを有する通電加熱式のデフォ
ッガが自動車の後部窓のガラス板に設けられており、バ
スバとデフォッガ用の直流電源との間にチョークコイル
が接続されており、デフォッガと容量結合されたアンテ
ナ導体が後部窓のガラス板に設けられており、デフォッ
ガには略鉛直部を有するデフォッガ容量結合用導体が設
けられている自動車受信用ガラスアンテナにおいて、ア
ンテナ導体とデフォッガ容量結合用導体の略鉛直部とが
容量結合されていることを特徴とする自動車受信用ガラ
スアンテナを提供する。

【０００７】また、アンテナ導体は略鉛直方向に延長さ
れたアンテナ容量結合用導体を有し、アンテナ容量結合
用導体とデフォッガ容量結合用導体とが容量結合されて
いる上記自動車受信用ガラスアンテナを提供する。ま
た、アンテナ容量結合用導体の長さが５〜１００ｍｍで
ある上記自動車受信用ガラスアンテナを提供する。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面にしたがって、本発明
を詳細に説明する。図１は本発明の自動車受信用ガラス
アンテナの代表例の構成図である。図１において、１は
デフォッガ容量結合用導体、１ａはデフォッガ容量結合
用導体１の略鉛直部、２はヒータ線、４はアンテナ導体
の給電点、５ａ、５ｂ、５ｃはバスバ、６はアンテナ導
体、６ａはアンテナ容量結合用導体、６ｂは延長用導
体、６ｃは垂直エレメント、９はチョークコイル、１０
は直流電源、１１はコンデンサ、１２ａ、１２ｂは高周
波チョークコイル、２３は第１の短絡線、２４は第２の
短絡線、３１は自動車の後部窓のガラス板である。

【０００９】図１に示すように、自動車の後部窓のガラ
ス板３１には、ヒータ線２とヒータ線２に給電するバス
バ５ａ、５ｂ、５ｃとを有する通電加熱式のデフォッガ
が設けられている。

【００１０】デフォッガの最高位のヒータ線２の略中央
部にはＴ字状のデフォッガ容量結合用導体１が設けられ
ており、デフォッガ容量結合用導体１は略鉛直部１ａを
有している。デフォッガより上部の余白部には、アンテ
ナ導体６が設けられている。アンテナ導体６は略鉛直方
向に延長されたアンテナ容量結合用導体６ａを有し、略
鉛直部１ａとアンテナ容量結合用導体６ａとは近接され
容量結合されている（鉛直容量結合モード）。この容量
結合により、広帯域に感度向上させられる。

【００１１】さらに、アンテナ導体６は水平方向の長さ
部分を有し、この部分とデフォッガ容量結合用導体１と
が近接され容量結合されていることが好ましい（水平容
量結合モード）。鉛直容量結合モードのみではカバーで
きない周波数帯域の感度向上を図れるからである。

【００１２】略鉛直部１ａと容量結合しているアンテナ
容量結合用導体６ａの長さは５〜１００ｍｍが好まし
い。この範囲内である場合には、この範囲外である場合
と比較して、０．５ｄＢ以上ＦＭ放送帯の平均感度が通
常向上し、かつ、ＦＭ放送帯受信の際、ＦＭ放送帯のう
ちの高域及び低域の感度がＦＭ放送帯の中域付近の周波
数より０．５ｄＢ以上感度が通常低くなることはない。
より好ましくは、８〜３０ｍｍの範囲である。この範囲
内である場合には、この範囲外である場合と比較して、
０．３ｄＢ以上ＦＭ放送帯の平均感度が通常向上し、か
つ、ＦＭ放送帯受信の際、ＦＭ放送帯の高域及び低域の
感度がＦＭ放送帯の中域の感度より通常０．３ｄＢ以上
低くなることはない。

【００１３】略鉛直部１ａと容量結合しているアンテナ
容量結合用導体６ａと略鉛直部１ａとの間隔は、０．１
〜２０ｍｍが好ましい。０．１ｍｍ未満であると両者が
近づきすぎ、短絡する確率が高くなって好ましくない。
２０ｍｍ超であると容量結合の効果が薄れ好ましくな
い。より好ましくは０．５〜１５ｍｍである。

【００１４】延長用導体６ｂは、水平部を含み、延長用
導体６ｂの水平部とヒータ線２（図１の場合は延長用導
体６ｂの水平部と最高位のヒータ線２との間隔）との間
隔は５ｍｍ以上が好ましい。５ｍｍ以上の場合には、５
ｍｍ未満の場合と比較して、通常２ｄＢ以上ＦＭ放送帯
の平均感度が向上する。より好ましい範囲は１０ｍｍ以
上である。１０ｍｍ以上の場合には、１０ｍｍ未満の場
合と比較して、通常１ｄＢ以上ＦＭ放送帯の平均感度が
向上する。

【００１５】アンテナ導体６の形状は、ＦＭ放送帯の平
均感度向上及び広帯域化のために、図１に示すループ状
の略四角形が好ましく、略四角形とする場合には、図１
図面上略横方向の寸法が３００〜１０００ｍｍが好まし
い。この範囲内の場合には、この範囲外の場合と比較し
て、通常１ｄＢ以上ＦＭ放送帯の平均感度が向上する。
より好ましい範囲は５００〜８００ｍｍである。この範
囲内の場合には、この範囲外の場合と比較して、通常１
ｄＢ以上ＦＭ放送帯の平均感度が向上する。

【００１６】アンテナ導体６の形状を略四角形とする場
合、図１図面上略縦方向の寸法が２０〜２００ｍｍが好
ましい。この範囲内の場合には、この範囲外の場合と比
較して、通常１ｄＢ以上ＦＭ放送帯の平均感度が向上す
る。より好ましい範囲は４０〜１２０ｍｍである。この
範囲内の場合には、この範囲外の場合と比較して、通常
１ｄＢ以上ＦＭ放送帯の平均感度が向上する。

【００１７】アンテナ導体６の形状を略四角形とする場
合、図１に示すように略四角形に垂直エレメント６ｃを
設けることが好ましい。垂直エレメント６ｃを設ける位
置を左右にずらし、調整することにより、通常１ｄＢ以
上ＦＭ放送帯の平均感度が向上する。

【００１８】また、図１ではアンテナ導体６の形状はル
ープ状の導体を含むパターンであったが、これに限定さ
れず、１又は複数の直線状、曲線状等のパターンからな
るものなど、どのような形状のパターンでも本発明は適
用できる。しかし、感度向上のためには、ループ状の導
体を含むパターンであることが好ましい。

【００１９】また、アンテナ導体６のパターンとして
は、自動車の形状、ガラス板の形状、寸法及び構成等に
よりＡＭ放送、ＦＭ放送、ＡＭ放送とＦＭ放送の両ラジ
オ放送共用又はテレビその他の放送等用のアンテナとし
て最適な性能が得られるパターンが適宜設計される。

【００２０】また、図１に示すアンテナ導体６には補助
アンテナ導体は付設されていないが、これに限定され
ず、位相調整及び指向性調整のために、アンテナ導体６
の導体パターン又は給電点に、接続導体を介して又は介
さずに、略Ｔ字状、略Ｌ字状、ループ等の補助アンテナ
導体が付設されていてもよい。

【００２１】図１に示す本発明の代表例において、アン
テナ導体６の設けられる後部窓のガラス板３１の位置に
ついては、後部窓のガラス板３１のデフォッガより上下
左右部の余白部のどこにアンテナ導体を設けてもよく、
図１に示す位置に限定されない。

【００２２】また、アンテナ導体６以外に後部窓のガラ
ス板３１に設けられるアンテナ導体の数は限定されな
い。また、後部窓のガラス板３１に設けられるアンテナ
導体６は、ＡＭ放送帯用（中波）、ＦＭ放送帯用に限定
されず、短波放送帯用、長波放送帯用、テレビＶＨＦ帯
用、テレビＵＨＦ帯用及び電話用等に応用できる。

【００２３】給電点は図１では後部窓のガラス板３１の
右周縁部に配設されている。しかし、これに限定され
ず、後部窓のガラス板３１のどの位置に配設されていて
もよく、例えば、後部窓のガラス板３１の左右中央の上
下周縁部に配設されていてもよい。

【００２４】図１に示すデフォッガ容量結合用導体１は
最高位のヒータ線２の中央付近から鉛直方向に伸び、最
上部で水平方向に分岐するような略Ｔ字状の形状となっ
ている。デフォッガ容量結合用導体１には、ヒータ電流
が流れないため、ノイズが少なく、さらに上記したアン
テナ導体６とデフォッガとの容量結合により感度が向上
する。

【００２５】デフォッガ容量結合用導体１は容量結合の
機能を有していればどんな形状でもよく、図１の形状に
限定されない。例えば、略Ｌ字状等、最高位のヒータ線
２の左又は右側付近から垂直方向に伸びアンテナ容量結
合用導体６ａ付近で反対側へ水平方向に延長される形状
でもよい。

【００２６】アンテナ導体６とデフォッガを容量結合さ
せる際、バスバ５ｂとデフォッガ用の直流電源１０の陽
極との間、バスバ５ａとデフォッガ用の直流電源１０の
陰極との間の少なくとも一方にチョークコイル９及び高
周波チョークコイル１２ａ、１２ｂの少なくとも一方を
接続する。

【００２７】図１に示す本発明の代表例においては、バ
スバ５ａ、５ｂとデフォッガ用の直流電源１０との間に
チョークコイル９及び高周波チョークコイル１２ａ、１
２ｂを接続し、高周波帯域にてチョークコイル９及び高
周波チョークコイル１２ａ、１２ｂのインピーダンスを
大きくすることによって、直流電源１０からデフォッガ
への直流電流は流すが放送周波数帯域等の高周波帯域の
電流は遮断するようにしている。

【００２８】このようにして、チョークコイル９及び高
周波チョークコイル１２ａ、１２ｂによりデフォッガの
ヒータ線２とバスバ５ａ、５ｂ、５ｃとを車体アースか
ら高周波的に絶縁でき、ヒータ線２及びバスバ５ａ、５
ｂ、５ｃに誘起されたラジオ放送周波数帯域等の高周波
帯域の受信電流が車体アースへ流れるのを防止できて、
この受信電流を漏れなく受信機に送ることができる。

【００２９】また、中波帯、例えば、ＡＭ放送帯のみを
受信する場合であれば、高周波チョークコイル１２ａ、
１２ｂは、通常、不要であり、チョークコイル９のみで
よく、ＦＭ放送帯のみを受信する場合であれば、高周波
チョークコイル１２ａ、１２ｂのみでよい。また、中波
帯及びＦＭ放送帯両方を受信する場合であっても、チョ
ークコイル９、高周波チョークコイル１２ａ、１２ｂ両
方の機能を満足するコイルがあれば、かかるコイルのみ
でよい。

【００３０】高周波チョークコイル１２ａ、１２ｂは、
ＦＭ放送帯において、高インピーダンスとなるもので、
通常、磁気コアを使用しないソレノイド又は磁気コアを
使用する。これらはＦＭ放送帯及びＦＭ放送帯の近傍で
は誘導性のインダクタンスを有する。また、高周波チョ
ークコイル１２ａ、１２ｂとして、適当な長さのリード
線を使用できる場合もあり、さらには、リアクタンス回
路８の車体内の配置によっても同様の効果を有する場合
もある。チョークコイル９はＦＭ放送帯では自己共振周
波数が低く、インダクタンスを失うので、高周波チョー
クコイル１２ａ、１２ｂがこれを代行する。チョークコ
イル９がＦＭ放送帯でインダクタンスを失わない場合に
は、高周波チョークコイル１２ａ、１２ｂは、不要であ
る。

【００３１】図１に示したデフォッガでは、デフォッガ
の両側のバスバの右側のバスバを所望のところから上下
に２つに分割し、下側部バスバ５ａ、上側部バスバ５ｂ
を設けている。下側部バスバ５ａには車体アースのリー
ド線を接続し、上側部バスバ５ｂには電源側のリード線
を接続している。給電された電流は上側部バスバ５ｂか
らバスバ５ｃを通って下側部バスバ５ａへとコの字状に
流れる。

【００３２】図１に示したデフォッガは、いわゆるコの
字状であるが、本発明にかかるデフォッガはこれに限定
されず、バスバ２つのいわゆるハの字状デフォッガであ
っても、本発明に利用できる。

【００３３】ヒータ線２をバスバ以外の部分で短絡する
第１の短絡線２３と第２の短絡線２４とは必要に応じて
設けられ、デフォッガをアンテナとして利用する場合
に、デフォッガのインピーダンスを安定させる機能を有
する。また、詳細な作用は不明であるが第１の短絡線２
３と第２の短絡線２４は高帯域化機能をも有する。

【００３４】図３に、図１とは別のタイプの本発明の代
表例を示す。さらに、図４〜７に図１、３とは別のタイ
プの本発明におけるデフォッガ容量結合用導体１、略鉛
直部１ａ、アンテナ容量結合用導体６ａの構成を示す。

【００３５】

【実施例】

「例１」自動車の後部窓ガラス板を使用し、図１に示す
ような自動車用高周波ガラスアンテナを製作した。デフ
ォッガ容量結合用導体１周辺の各部の寸法を図８に示し
た。図８において、Ｂはアンテナ容量結合用導体６ａの
長さ、ａはアンテナ容量結合用導体６ａと略鉛直部１ａ
との間隔である。

【００３６】また、チョークコイル９の値は２ｍＨ、高
周波チョークコイル１２ａ、１２ｂの値は１．０μＨと
した。図９にＦＭ放送帯の感度特性を示す。図９では、
間隔ａを５ｍｍとして、長さＢを変化させた。

【００３７】「例２」長さＢを１５ｍｍとして、間隔ａ
を変化させる以外は例１と同様の仕様とした。図１０に
ＦＭ放送帯の感度特性を示す。

【００３８】「例３（比較例）」アンテナ容量結合用導
体６ａと延長用導体６ｂを設けない以外は、例１と同様
の仕様のものを製作した。図１１にＦＭ放送帯の感度特
性を点線で示す。なお、図１１における実線は例１にお
ける間隔ａを５ｍｍ、長さＢを１５ｍｍとしたものの特
性である。

【００３９】

【発明の効果】本発明では、デフォッガには略鉛直部を
有するデフォッガ容量結合用導体が設けられており、ア
ンテナ導体とデフォッガ容量結合用導体の略鉛直部とが
近接され容量結合されているため、ＦＭ放送帯、テレビ
放送帯等の高周波帯受信について、高周波帯の高域及び
低域の感度が高周波帯の中央付近の周波数すなわち中域
の感度より低くなることが少なく、高周波帯において感
度の平坦性が保てる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動車受信用ガラスアンテナの代表例
の構成図

【図２】従来例の構成図

【図３】図１とは別のタイプの本発明の代表例の構成図

【図４】図１、３とは別のタイプの本発明におけるデフ
ォッガ容量結合用導体１、略鉛直部１ａ、アンテナ容量
結合用導体６ａの代表例の構成図

【図５】図１、３とは別のタイプの本発明におけるデフ
ォッガ容量結合用導体１、略鉛直部１ａ、アンテナ容量
結合用導体６ａの代表例の構成図

【図６】図１、３とは別のタイプの本発明におけるデフ
ォッガ容量結合用導体１、略鉛直部１ａ、アンテナ容量
結合用導体６ａの代表例の構成図

【図７】図１、３とは別のタイプの本発明におけるデフ
ォッガ容量結合用導体１、略鉛直部１ａ、アンテナ容量
結合用導体６ａの代表例の構成図

【図８】例１におけるデフォッガ容量結合用導体１周辺
の各部の寸法図

【図９】例１におけるＦＭ放送帯の感度特性図

【図１０】例２におけるＦＭ放送帯の感度特性図

【図１１】例１における間隔ａを５ｍｍ、長さＢを１５
ｍｍの場合のＦＭ放送帯の感度特性と例３のＦＭ放送帯
の感度特性図

【符号の説明】

１：デフォッガ容量結合用導体１ａ：略鉛直部２：ヒータ線４：アンテナ導体の給電点５ａ、５ｂ、５ｃ：バスバ６：アンテナ導体６ａ：アンテナ容量結合用導体６ｂ：延長用導体６ｃ：垂直エレメント９：チョークコイル１０：直流電源１１：コンデンサ１２ａ、１２ｂ：高周波チョークコイル２３：第１の短絡線２４：第２の短絡線３１：自動車の後部窓のガラス板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ヒータ線とヒータ線に給電するバスバとを
有する通電加熱式のデフォッガが自動車の後部窓のガラ
ス板に設けられており、バスバとデフォッガ用の直流電
源との間にチョークコイルが接続されており、デフォッ
ガと容量結合されたアンテナ導体が後部窓のガラス板に
設けられており、デフォッガには略鉛直部を有するデフ
ォッガ容量結合用導体が設けられている自動車受信用ガ
ラスアンテナにおいて、アンテナ導体とデフォッガ容量結合用導体の略鉛直部と
が容量結合されていることを特徴とする自動車受信用ガ
ラスアンテナ。
【請求項２】アンテナ導体は略鉛直方向に延長されたア
ンテナ容量結合用導体を有し、アンテナ容量結合用導体
とデフォッガ容量結合用導体とが容量結合されている請
求項１記載の自動車受信用ガラスアンテナ。
【請求項３】アンテナ容量結合用導体の長さが５〜１０
０ｍｍである請求項１又は２記載の自動車受信用ガラス
アンテナ。