JPH11513634A - 側面衝突用エアバッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 乗員の胸部を保護するための下方部（２１ｂ）を具備する側面衝突用エアバッグであって、この下方部にはインフレーションガスを受け入れる際にそのガスが通り抜けるネック部（３９ａ、３９ｂ、５２ａ、５２ｂ）と、ネック部に対して勾配をつけられた上部（１２０）とが含まれている。上方部（２１ａ）は乗員の肩部および頭部を保護するためのもので、一般に、下方部（２１ｂ）の上部（１２０）から直立方向に延びている。

Description

【発明の詳細な説明】 側面衝突用エアバッグ 発明の背景および概要 本発明は、一般的に乗員安全装置、より詳細には側面衝突用エアバッグ装置に 関する。 したがって、本発明は、乗員の胸部を保護するための下方部を具備する側面衝 突用エアバッグを有する。この下方部には、インフレーションガスを受け入れる 際にそのガスが通り抜けるネック部と、ネック部から水平面と０度以外の角度を なして外側に延びる上部とが含まれる。上方部は、乗員の肩部と頭部を保護する ために用いられ、下方部から外に向かって延びている。本発明の好ましい実施態 様では、上方部は、下方部の上部から９０度の角度をなして外側に延びている。 本発明のその他の多くの目的は、以下に記述の図面の詳細な説明を読めば明ら かとなろう。 図面の簡単な説明 第１図は、本発明による側面衝突用エアバッグを組み立てるために使用される 、複数個の材料を示す平面図である。 第２図は、エアバッグおよびインフレータ・ハウジングの組み立て図である。 第３図ないし第９図は、エアバッグを折りたたむ手順の種々のステップを示す 図である。 第１０図は、シートの背面、エアバッグおよびハウジングを示す組み立て図で ある。 第１１図は、エアバッグを膨らませた状態の車両の内部を示す図である。 図面の詳細な説明 第１図は、８枚のパネル２２ａないし２２ｈを有するエアバッグ２０を分解し た図である。パネル２２ａは、底部２４、側部２６ａおよび２６ｂならびにへこ みを有する上部２８を備え、バッグの頭部保護部２１ａを形成して乗員の肩部と 頭部を保護する。組み立て時に、このパネル２２ａはセンターライン３０に沿っ て折り重ねられ、点Ａ１／Ａ２から点Ｂまで縫線に沿ってチェーンステッチで縫 い合わされる。内側の点線３２は、種々の縫線を説明している。 パネル２２ｂは、エアバッグ２０の胸部保護部２１ｂの主要部を形成するため に使用される。パネル２２ｂは、先細で勾配のついた上部３４、底部３６ならび にそれぞれフラップ３９ａと３９ｂとを形成させるネック部３８ａと３８ｂを含 む。各フラップには、インフレータ・ハウジングの取り付けスタッドを複数個、 同数ずつ受け入れる複数個の小さな穴４０が含まれている。 エアバッグ２０はさらに、それぞれネック部３８ａおよび３８ｂと類似の形状 をした２枚の補強パネル２２ｃと２２ｄを含む。これらの補強パネルは、その穴 ４０’、上部３４’および底部３６’をパネル２２ｂの穴４０、上部３４および 底部３６にそろえて、補強パネルおよびパネル２２ｂ上の点Ａ１−Ａ３およびＡ ２−Ａ３から縫線に沿ってパネル２２ｂに縫い付けられる。補強パネルはまた、 縫線３５に沿って縫い合わされる。 パネル２２ｅは、バッグ２０の胸部保護部２１ｂの底部となる。このパネルに は、長円形部分５０と、もう１つのスタッドアライメント穴５４を含む延長部ま たはフラップ部５２とが含まれる。フラップ部５２ａとスタッド穴５４を有する もう１枚の補強パネル２２ｆは、パネル２２ｅにそろえて縫い付けられる。その 完成時には、エアバッグは４枚のフラップを有するが、そのうち２枚（３９ａと ３９ｂ）はネック部（および強化パネル）から、もう１枚（５２）はパネル２２ ｅと２２ｆから、さらに残りの１枚（５２ａ）はパネル２２ｇから出ている。 パネル２２ｇは、点Ａ２−Ａ３からの２本の縫線で区画されている小さな正方 形部５６を含む。バッグの胸部保護部２１ｂにも同様の縫線が含まれる。 パネル２２ｂはそのセンターライン３０’あたりで折りまげられ、２つのネッ ク部３８ａと３８ｂを重ね合わせる。パネル２２ｇの縫線をパネル２２ｂの縫線 と一直線に合わせ、タブ５２ａが外に向かって延びるような状態でそれに縫い合 わせる。 エアバッグはさらに、一般に長円形で、その両端付近に設けられたフローポー ト５８ａと５８ｂを含む別のパネル２２ｈを含む。パネル２２ｈの点Ｃがパネル ２２ａとパネル２２ｂの点Ｃと正確に位置合わせされ、３枚のパネルが縫線Ａ１ −Ｃ−Ａ２に沿ってともに縫い合わされる。 パネル２２ｅと２２ｆはパネル２２ｂに取り付けられて、バッグ２０に底を与 える。より具体的には、パネル２２ｆと２２ｅは部分的に組み立てられたパネル ２２ｂに対して位置合わせされ、点Ａ１−Ｄ−Ａ２に沿った縫線が正確に重なる ように縫い付けられる。 第２図は、組み立て済みエアバッグ２０の背面の投影図であって、バッグの胸 部保護部が頭部保護部に対し勾配を有する関係にあることを示す図である。本発 明の好ましい実施形態では、胸部保護部２１ｂの上部がネック部分３８ａと３８ ｂから約２２度の角度で勾配がつけられている。先の記述から理解できるように 、エアバッグ２０は、乗員の胸部を保護するための下方部すなわち胸部保護部と 、乗員の身体上部および頭部を保護するための上方部すなわち頭部保護部を含ん でいる。 エアバッグの後方には（図２および図１０参照）、薄型ハイブリッド・インフ レータなどのインフレータ６４が位置している。当技術分野では知られているよ うに、ハイブリッド・インフレータには、蓄積加圧ガスと、このガスがインフレ ータから出るときにそれを加熱するための若干の推進薬とを備えた、圧力容器が 含まれている。典型的な例では、ハイブリッド・インフレータの出口ポートは、 圧力容器から遠く離れたコンプレッサの一端付近に位置決めされている。図に示 した実施形態では、インフレータ６４は、その（１つまたは複数の）出口ポート ６５をその底部に有しており、インフレーションガスをバッグ２０のネック部３ ８ａおよび３８ｂの底部に伝達している。インフレータ・ハウジング６６は、イ ンフレータ６４の下方かつエアバッグ２０の後方に示してある。ハウジング６６ には、側面開放円筒形中空体７０と、その中空体から延びている複数のねじ付き スタッド７２ａ、７２ｂおよび７２ｃとが含まれる。インフレータ６４をハウジ ング６６内に挿入した状態で、フラップ５２と５２ａは、ハウジングならびにそ れぞれのスタッド穴４０内に挿入されているスタッド７２ａおよび７２ｃにかぶ さるように折りたたまれる。端部またはネック部３８ａは、スタッド７２ａ、７ ２ｂおよび７２ｃをフラップの穴４０の中に挿入させた状態で、マニホルド７０ にかぶせる。端部またはネック部３８ａはマニホルド７０にかぶせられ、スタッ ドはネック部３８ｂのフラップの穴４０内に挿入される。マニホルドは、エアバ ッグ２０を折りたたむ前、または後にエアバッグに取り付け可能であることを理 解されたい。 図３ないし図９は、同乗者用側面衝突用エアバッグ２０を折りたたむ場合の種 々のステップを示す図である。運転者用側面衝突用エアバッグの場合、その手順 は裏返しの状態または鏡に映した状態になる。点線４９は、インフレータ・ハウ ジング６６の一般的な位置を示している。理解できるように、エアバッグは、使 用前には図１０に示すように折りたたまれて、コンパクトな状態にある。図１０ からわかるように、エアバッグ、ハウジングおよびインフレータは、自動車のシ ートのバックウイングまたはサイドウイング９６とともに、車両の側面のすぐ近 くに設置されている。図２のエアバッグ２０は、図３で明らかなように、折りた たまれる前は平たくなっている。バッグの平らになった折りたたまれていない部 分は、バッグがインフレーションガスによって開くとき、乗員に近接しする。第 一の垂直方向の折りたたみ線８０ａは、ネック部（３８ａと３８ｂ）に対して（ 一般に平行に）決められる。図４では、エアバッグの頭部保護部２１ａの後方上 方部９０ａが折りたたみ線８０ａ越しにエアバッグが設置される位置に対し乗員 から遠ざかる方向（矢印９１参照）に、折りたたまれるか、または折りたたまれ た上方部９０ａを巻き込むようにして巻かれ、方形の輪郭となるようにされる。 運転者用側面衝突用エアバッグと同乗者用側面衝突用エアバッグとは、車両のセ ンターラインに関して鏡に映した関係になるように折りたたまれているか、また は巻かれていることを理解されたい。第二の垂直方向の折りたたみ線８０ｂは、 頭部保護部２１ａの上部前方部に決められる。この折りたたみ線の前方にあるエ アバッグの９０ｂ部は、折りたたみ線８０ｂあたりで後ろ方向（矢印９３参照） に折りたたまれ、一般に図５に示すような方形の輪郭をなす。上方部９０ａは、 （車両内では車両側面方向に乗員から離れて広がるように）胸部保護部の方向へ 巻かれるか、または折りたたまれてロール９０ｄを形成する。見て分かるように 、部分的に巻かれたバッグ２０は、一般に四角い形状をしている。この四角い形 状 の下方右部分９０ｅは、（水平面に対して約４５度の）折りたたみ線８０ｃあた りで折りたたまれ（矢印９５参照）、図７に示す形状となる。図８では、エアバ ッグ２０の巻かれている上部９０ｄは、図７の水平位置からネック部３８ａと３ ８ｂのフラップ３９ａと３９ｂに隣接する位置に移動させられ（矢印９７参照） ている。新しい位置に移動させられた巻かれた部分９０ｄの背後には、巻かれた 部分９０ｄが移動するために９０ｆ部分（図７参照）にかぶさるように折りたた まれた結果生じた、エアバッグの三角形の部分９０ｅが延びている。図９では、 三角形の部分９０ｅの先端９０ｈは、垂直に位置決めされている巻かれた部分９ ０ｄの前面に差し込まれ（矢印９９参照）、ここで折りたたみの手順が完了する 。エアバッグをハウジング６６に設置する場合、そのハウジングと折りたたまれ たエアバッグは引き裂き可能なラッパー１２４（図１０参照）でくるまれる。 図１０および図１１は、車両内にあるエアバッグ２０を示す。座部１０２およ び背もたれ部１０４を備えたシート１００も図示されている。シートベルト１０ ６も、車両の側面１１４に隣接している中柱１１２に据え付けられたウェブガイ ドまたはＤリング１１０にかぶさった、肩バンド１０８の一部をもって示されて いる。折りたたまれたエアバッグ２０、ハウジング６６およびインフレータ６４ は、一般に、シート１００の背もたれ１０４に平行に、また、その内部に据え付 けられる（図１０参照）。図１０は、背もたれのフレーム１０４ａ、シートの輪 郭を形成するフォームラバー１０４ｂ、およびフォームラバーを保護するカバー １０４ｃも示している。インフレーション時には、エアバッグ２０はラッパー１ ２４、フォームラバーの縫目または仕切り１０４ｄおよびカバー１０４ｃの縫目 １０４ｅを突破する。図からさらに分かるように、胸部保護部の上部１２０が傾 斜しているために、エアバッグの頭部保護部２１ａは胸部保護部に対して傾斜す るようになっている。頭部保護部２１ａは、図３で一層明らかなように、一般に 上部１２０から直立方向に延びている。 側面衝突事故時には、車両側面の加速または変形を測定する関連クラッシュセ ンサによって、インフレータ６４が作動する。インフレータはインフレーション ガスを生成または吐出し、エアバッグ２０を膨らませる。インフレーションガス は、エアバッグ２０の下方のネック部の中を通って伝達される。インフレータが 個体推進薬を使用している場合、典型的な例ではこの種のインフレータは複数の 出口ポートを含んでいるため、インフレーションガスはネック部分を横切って分 配される。 図８および図９から分かるように、エアバッグのパーツは巻かれるかまたは折 りたたまれて、一般に、ハウジング６６に隣接する直立の形状になる。この材料 の塊によって、最初にインフレーションガスの水平方向の流れが制限され、エア バッグが前方に開くのが防がれる。インフレーションガスの一部は、最初は上方 向に、セパレータパネル２２ｈのポート５８ａの中に導かれる。ここで、セパレ ータパネル２２ｈは、エアバッグが最初は上方向に開く傾向となるように、次い でその直後にはエアバッグを前方に開くように推進する手段となっている。勾配 をつけられた上部を有する胸部保護部と、そこから広がる頭部保護部とを使用す ることによって、エアバッグは、その頭部保護部２１ａの上部が肩バンド１０８ を実際に持ち上げる状態で、ほぼ直立方向に上に向かって開くことができるよう になっていることが、このバッグで実施したテストで明らかになっている。この ようにして、先の詳細な説明の通りに組み立てられたエアバッグは、乗員と車両 の側面との間で膨らみ、最適な事故保護装置となる。 本発明の前述の実施例には、本発明の範囲を逸脱することなく、多くの変更お よび変形を加えることが可能であることは言うまでもない。したがって、本発明 の範囲は、添付の請求の範囲においてのみ制限されるものである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．インフレーションガス受入れの際にそのガスが通り抜けるネック部と、ネッ ク部からある角度方向に延びている上部とを含む乗員の胸部を保護するための下 方部、 および その下方部から外に向かって延びている乗員の肩部と頭部を保護するための上 方部、 を具備する側面衝突用エアバッグ（２０）。 ２．上方部が一般に下方部の上部から直立方向に延びていることを特徴とする請 求項１に記載の装置。 ３．１枚のパネルがエアバッグの上方部と下方部を分離しており、このセパレー タパネルが、ガスを上方部および下方部間に伝達する出口ポートを少なくとも１ つ有することを特徴とする請求項１に記載の装置。 ４．バッグ下方部の上部が約２２度の角度で傾斜していることを特徴とする、請 求項１に記載の装置。