【発明の詳細な説明】
コーティング組成物
本発明は、コーティング組成物、特にコーティングされた表面に問題を引き起
こす可能性がある物質(水を含む溶媒の様な物質)が接触するのを防止するため
に使用されるコーティング組成物に関する。
具体例として、プリント基板、特に高湿度環境で使用することを目的としたプ
リント基板の様な電子工学組立品は、それらの表面に大気中の水分が凝縮するこ
とにより影響を受ける可能性がある。この水分は陽極陰極領域間に水の薄膜を形
成し、伝導領域間に「クロストーク」を起こす可能性がある。
この影響を防止するために、従来、組立品には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂
、ポリウレタン、シリコーン樹脂等の種々の樹脂材料によるコーティングが施さ
れてきた。これらの材料は、使用時の粗い取り扱いや工程時の化学薬品から組立
品を保護する働きもする。しかし、シリコーン樹脂が使用されている場合は別と
して、条件が適切であれば、コーティングの最終表面が水分の薄膜で覆われる可
能性はなお残っている。
一部のシリコーン樹脂は高価で、特定の普通の化学薬品によって、また特定の
環境下では水によっても影響を受ける。
更に、上記の材料は全て、効果を得るには、かなりの厚み、例えば、0.00
1インチから0.003インチの厚みでコーティングする必要がある。従って、
先端が金メッキの指状突起(例えば、トリム電位差計やコイルの様な部品そのも
のも)の様な基板の「接触領域」は、樹脂でコーティングしてはならない。これ
は、何らかの「マスキング剤」を組立品にくり返し塗布し、それをまた除去しな
くてはならないといった、通常単調で、時間がかかり、労力を要するため、費用
のかかる工程である。
更に、上記の樹脂の中には熱硬化が必要なものがある。これは機器を必要とし
、エネルギーも消費する。また、加熱により樹脂でコーティングされた組立品が
損傷を受ける可能性がある。硬化時の縮小によってさえ繊細な部品は影響を受け
ることがある。
最終的に、樹脂を溶解し、「薄くする」ために使用される幾つかの溶媒は、可
燃性で、毒性があり、および/または組立品に化学的に影響を及ぼし、「オゾン
を減少させる」可能性がある。
上記の欠点の幾つかは、ペルフルオロカーボン液にフルオロアクリル酸樹脂ポ
リマーを溶解した微量の固体を含有する溶液(3M社から販売されている"FLUOR
AD"FC-722の様な溶液)によって、過去に解決されている。残念ながら、これら
の樹脂は、乾燥すると、折り曲げた時に亀裂を生じる傾向がある。また、これら
の樹脂はかなり高価である。
フルオロアクリル酸ポリマー樹脂は、イソプロパノール、希酢酸およびその他
の一般的な溶媒等の多くの一般的な化学薬品により化学的に攻撃される。これら
はまたペルフルオロカーボンへの溶解度も限られているので、この種の溶媒で達
成可能な約6〜8重量%が最大濃度である。
発明の概要
本発明によれば、多環式過フッ素化シクロアルカン樹脂(multicyclic-perfluo
rinated cycloalkane resin)およびそのためのフルオロカーボン液体溶媒を含む
組成物が提供される。
本発明は、組成物から形成されるコーティングと保護剤またはコーティングの
その他の形態としての組成物の利用法も提供する。
更に、本発明は、組成物を前記組立品またはその部品に塗布する工程及び乾燥
する工程、あるいは、乾燥する工程及び前記組立品またはその部品に塗布された
組成物を樹脂の薄いコーティングとして残留させる工程を含む組立品またはその
部品の保護方法を提供する。
本発明の組成物により提供されるコーティングは、上記の従来の技術によるコ
ーティングと比較して改善された材料を提供する。これは、水および一般的な有
機溶媒等の溶媒による「攻撃」に抵抗するだけでなく、化学的攻撃にもより抵抗
性を示す。更に、この様なコーティングは本来柔軟性があり、低温で折り曲げて
も亀裂を生じない。
好ましくは、樹脂は式CnFmで示され、式中nは25から60で、n<m<2
n+2である。この様な物質の分子量は1200から2400である。
過フッ素化シクロアルカンは、フッ素ガスとCoF3触媒によるシクロアルカ
ンのフッ素化により調製できる。
溶媒は、いずれの適切なフルオロカーボン液でも可能で、例として、ヒドロフ
ルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボンおよび
クロロフルオロカーボンが挙げられる。
好ましくは、溶媒はペルフルオロカーボンで、より好ましくは、過フッ素化ア
ルカンまたは過フッ素化シクロアルカンで、例えば、過フッ素化n−ヘキサンま
たは過フッ素化ジメチルシクロヘキサンである。
好ましくは、溶媒の沸点は30℃〜200℃で、より好ましくは、55℃〜1
30℃の範囲である。広い範囲から沸点がより低い溶媒を選択すれば、コーティ
ングの「乾燥時間」は短縮される。
本発明のコーティングは、一般的に使用される方法、即ち
・ディッピング
・スプレー
・刷毛塗り
・注入コーティング
・カーテンコーティング
・プルダウンバー
・下層「スポッテイング」(hypodermic‘spotting’)
のいずれかにより塗布できる。
完全に組み立てられた基板の様な電子工学組立品には、ディッピングが好まし
い。ディッピングは、適切に設計された装置において実施されるべきで、即ち装
置は、
・大きな、恐らく複数の組立品を垂直に完全に浸す。
・冷却したコンデンサーコイルまたはプレート等により蒸発したPFC溶媒を完
全に回収する。
・空気を排出できるように、組立品の回転/旋回/逆転ができる。
・コーティング工程進行中に、例えば、濃度等を自動制御できる。
ための手段を有する。
適切に設計されたコーティング装置による乾燥は、低沸点溶媒を使用して、普
通はコーティング装置内部で溶媒を急速に気化することにより行われる。従って
、コーティングされた部品は、通常触ると乾燥した状態で仕上がり、いつでも使
用できる状態にある。特に過酷な環境で使用される場合、例えば、
・バーの中の賭博用機械(エチルアルコール)
・スーパーマーケット内の勘定カウンターの現金箱(アルコール、酢酸、漂白剤
、ソース)
・ボンネットの下の電子工学製品(グリコール、オイル、塩分のしぶき、アルコ
ール、ガソリン)
の様に、コーティングされ、空気乾燥された組立品は、40〜55℃で5分間ま
で焼く。
より高濃度の溶液を使用する場合には(すなわち>8%)、15分までの強制
乾燥時間が考えられる。
好ましくは、組成物中の樹脂の濃度は0.4ないし8重量%である。例えば、
ディッピングによるこれらの溶液を用いるコーティング製品は、厚さ約3〜8×
10-5インチ(0.7〜2ミクロン)の厚さを生じる。本発明に使用されるフル
オロポリマー樹脂の更なる詳細は、ポリマーの融解処理工程の特徴とその他の特
徴を改善するために、高沸点フッ素化脂肪族環式構造を用いるフルオロポリマー
樹脂の可塑化に関する、PCT出願WO94/05498の明細書に認められる
。
本発明に使用されるペルフルオロカーボン樹脂は、典型的には、一以上のオリ
ゴマーで、例として以下の式、
(式中nは0、1または2)
で示される。
本発明の組成物から形成されるコーティングは、表面エネルギーが非常に低い
。それは、コーティング材料が炭素およびフッ素原子のみからなるため、凝縮さ
れた大気中の水分がその表面に接触する薄膜を形成できないためである。この様
なコーティングは、磨耗抵抗性が極めて小さく、従って、既述の様に「マスキン
グ」は不要である。ペルフルオロヘキサンを溶媒として使用する場合、コーティ
ングは気温が低い日でも15秒以内に乾燥し、乾燥させるのに加熱は不要である
。ガ
ラス転移温度が低いので、室温およびそれより少し低温で柔軟性があり、屈曲し
ても亀裂を生じない。
プリント基板の様な電子工学組立品に応用されるコーティングが上記で言及さ
れた。その他の応用例(組成物中のポリマー濃度は変えるのが適切であろう)に
は以下が含まれる。
1.コーティングが不要な電子工学機器および部品の領域にその他の種類のコー
ティング材料が接触するのを防止するための液体「マスキング剤」として。
2.本来「粘着性」の材料とその他の部分の接着、例えば、接着剤のこぼれ/し
ぶきの接着を防止し、簡単に除去できるようにするための非粘着性コーティング
として。
3.使用中に中身を最大限に取り出すためのインクカートリッジ内部のコーティ
ング。
4.落書き防止コーティングとして。
5.雨/雪で形成される水の薄膜から守るため高電圧絶縁体「格納庫」をコーテ
ィングするため。
6.はんだ付け工程時に結合する必要がない金属領域に融剤が接触するのを防止
するため。
7.金属部品の腐食防止のため。
8.煉瓦の表面を氷による亀裂から守るために、石造物、積まれた煉瓦の中に水
分が侵入するのを防止するため。
9.自動車の電子工学部品、点火プラグの中に水分が侵入するのを防止するため
。「ダンプ−スタート」スプレイとして。
10.屋外/遠洋航海用電子工学組立品(例えば、盗難警報装置、信号機、遠洋
航海用ナビゲータ装置)を水/塩分のしぶきから守るため。
11.船用防汚剤の基剤として。
12.凝縮された料理の油脂の薄膜により、煙警報機が汚染されるのを防止する
ため。
13.本および原稿を保護するため。
具体例
PCT特許出願No.WO94/05498(およびその中に引用されている
文献)に示されている詳細に従って調製されるフルオロポリマー樹脂の溶液を、
室温でペルフルオロヘキサンに十分量を溶解し、2%w/w溶液を作製すること
により調製した。この溶液の物理特性を表1に示す。
「無線盗難警報装置」の送信盤を取り外し、溶液に3秒間浸し、引き上げ、乾
燥させる。乾燥時間は約10秒間である。次に、コーティングされた送信盤を蛇
口からの冷水の主流に置き、激しく振り、警報装置の中に戻す。電源を入れると
、正常に機能した。
一連の一般的な化学薬品に対する樹脂の抵抗性を、英国基準BS3900,G
5,Method No.3に従って測定した。これらのテスト結果を表2に示
す。
樹脂の電気的特性は、制御された環境において加速されたSIRテストを用い
て評価された。ICOM 8000イオン抽出クリーナーを用いて、テスト用紙
を十分洗浄し、表面の汚染を0.25μg NaClcm-2未満とした。
種々の濃度の新しい材料の溶液中でコーティング後、テスト用紙を85℃、8
5%RH(相対湿度)に傾斜させた(凝縮をさけるためにゆっくりと)。
AUTO−SIRを50Vバイアスを60時間かけるようにプログラムし、電
流測定をテスト中6分毎に行った。結果を表3に示す。
テスト用紙の顕微鏡検査により、テスト中に樹枝状結晶は形成されなかったこ
とが明らかとなった。
使用したテスト用紙の櫛型パターンは、20本の櫛の歯を持つ2列の間に25
0μの間隙を有していた。コーティングの水分による絶縁が十分高い限り、水分
がテスト用紙表面に到達しても問題とはならない。
スウェーデンのIVFは、15種類の主な従来のコーティングに関して、我々
のテストで使用したものと同じ櫛形パターンを使用してSIR/湿度テストを行
った報告書(No.93803)を発表した。本発明のコーティングは、そのテ
ストで使用された15種類の従来のコーティングの内13種類に関して、同じか
、それを上回る基準の性能を発揮した。
表2に要約されている様に、溶媒に対する抵抗性は優れているにも関わらず、
コーティング材料は元の溶媒には完全に溶解する。コーティングを100%除去
するには、同じ溶媒を用いる蒸気−凝縮(蒸気−脱脂と操作は同じ)を使用でき
る。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年7月25日
【補正内容】
明細書
コーティング組成物
本発明は、コーティング組成物、特にコーティングされた表面に問題を引き起
こす可能性がある物質(水を含む溶媒の様な物質)が接触するのを防止するため
に使用されるコーティング組成物に関する。
具体例として、プリント基板、特に高湿度環境で使用することを目的としたプ
リント基板の様な電子工学組立品は、それらの表面に大気中の水分が凝縮するこ
とにより影響を受ける可能性がある。この水分は陽極陰極領域間に水の薄膜を形
成し、伝導領域間に「クロストーク」を起こす可能性がある。
この影響を防止するために、従来、組立品には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂
、ポリウレタン、シリコーン樹脂等の種々の樹脂材料によるコーティングが施さ
れてきた。これらの材料は、使用時の粗い取り扱いや工程時の化学薬品から組立
品を保護する働きもする。しかし、シリコーン樹脂が使用されている場合は別と
して、条件が適切であれば、コーティングの最終表面が水分の薄膜で覆われる可
能性はなお残っている。
一部のシリコーン樹脂は高価で、特定の普通の化学薬品によって、また特定の
環境下では水によっても影響を受ける。
更に、上記の材料は全て、効果を得るには、かなりの厚み、例えば、0.02
5mm(0.001インチ)から0.075mm(0.003インチ)の厚みで
コーティングする必要がある。従って、先端が金メッキの指状突起(例えば、ト
リム電位差計やコイルの様な部品そのものも)の様な基板の「接触領域」は、樹
脂でコーティングしてはならない。これは、何らかの「マスキング剤」を組立品
にくり返し塗布し、それをまた除去しなくてはならないといった、通常単調で、
時間がかかり、労力を要するため、費用のかかる工程である。
更に、上記の樹脂の中には熱硬化が必要なものがある。これは機器を必要とし
、エネルギーも消費する。また、加熱により樹脂でコーティングされた組立品が
損傷を受ける可能性がある。硬化時の縮小によってさえ繊細な部品は影響を受け
ることがある。
最終的に、樹脂を溶解し、「薄くする」ために使用される幾つかの溶媒は、可
燃性で、毒性があり、および/または組立品に化学的に影響を及ぼし、「オゾン
を減少させる」可能性がある。
上記の欠点の幾つかは、ペルフルオロカーボン液にフルオロアクリル酸樹脂ポ
リマーを溶解した微量の固体を含有する溶液(3M社から販売されている"FLUOR
AD"FC-722の様な溶液)によって、過去に解決されている。残念ながら、これら
の樹脂は、乾燥すると、折り曲げた時に亀裂を生じる傾向がある。また、これら
の樹脂はかなり高価である。
フルオロアクリル酸ポリマー樹脂は、イソプロパノール、希酢酸およびその他
の一般的な溶媒等の多くの一般的な化学薬品により化学的に攻撃される。これら
はまたペルフルオロカーボンへの溶解度も限られているので、この種の溶媒で達
成可能な約6〜8重量%が最大濃度である。
発明の概要
本願発明によれば、組成物を組立品またはその部品に塗布する工程と、乾燥し
、または乾燥させる工程と、塗布された組成物を樹脂の薄いコーティングとして
前記組立品またはその部品に残留させる工程とを含んでなる、塗布された組成物
が多環式過フッ素化シクロアルカン(multicyclic-perfluorinated cycloalkane
resin)樹脂およびそのためのフルオロカーボン液体溶媒を含むことを特徴とする
組立品またはその部品の保護方法が提供される。
本発明の方法により提供されるコーティングは、上記の従来の技術によるコー
ティングと比較して改善された材料を提供する。これは、水および一般的な有機
溶媒等の溶媒による「攻撃」に抵抗するだけでなく、化学的攻撃にもより抵抗性
を示す。更に、この様なコーティングは本来柔軟性があり、低温で折り曲げても
亀裂を生じない。
好ましくは、樹脂は式CnFmで示され、式中nは25から60で、n<m<2
n+2である。この様な物質の分子量は1200から2400である。
過フッ素化シクロアルカンは、フッ素ガスとCoF3触媒によるシクロアルカ
ンのフッ素化により調製できる。
溶媒は、いずれの適切なフルオロカーボン液でも可能で、例として、ヒドロフ
ルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボンおよび
クロロフルオロカーボンが挙げられる。
好ましくは、溶媒はペルフルオロカーボンで、より好ましくは、過フッ素化ア
ルカンまたは過フッ素化シクロアルカンで、例えば、過フッ素化n−ヘキサンま
たは過フッ素化ジメチルシクロヘキサンである。
好ましくは、溶媒の沸点は30℃〜200℃で、より好ましくは、55℃〜1
30℃の範囲である。広い範囲から沸点がより低い溶媒を選択すれば、コーティ
ングの「乾燥時間」は短縮される。
本発明の方法により作成されるコーティングは、一般的に使用される方法、即
ち
・ディッピング
・スプレー
・刷毛塗り
・注入コーティング
・カーテンコーティング
・プルダウンバー
・下層「スポッティング」(hypodermic‘spotting’)
のいずれかにより塗布できる。
完全に組み立てられた基板の様な電子工学組立品には、ディッピングが好まし
い。ディッピングは、適切に設計された装置において実施されるべきで、即ち装
置は、
・大きな、恐らく複数の組立品を垂直に完全に浸す。
・冷却したコンデンサーコイルまたはプレート等により蒸発したPFC溶媒を完
全に回収する。
・空気を排出できるように、組立品の回転/旋回/逆転ができる。
・コーティング工程進行中に、例えば、濃度等を自動制御できる。
ための手段を有する。
適切に設計されたコーティング装置による乾燥は、低沸点溶媒を使用して、普
通はコーティング装置内部で溶媒を急速に気化することにより行われる。従って
、コーティングされた部品は、通常触ると乾燥した状態で仕上がり、いつでも使
用できる状態にある。特に過酷な環境で使用される場合、例えば、
・バーの中の賭博用機械(エチルアルコール)
・スーパーマーケット内の勘定カウンターの現金箱(アルコール、酢酸、漂白剤
、ソース)
・ボンネットの下の電子工学製品(グリコール、オイル、塩分のしぶき、アルコ
ール、ガソリン)
の様に、コーティングされ、空気乾燥された組立品は、40〜55℃で5分間ま
で焼く。
より高濃度の溶液を使用する場合には(すなわち>8%)、15分までの強制
乾燥時間が考えられる。
典型的には、組成物中の樹脂の濃度は0.4ないし20重量%、より好ましく
は0.4ないし8重量%である。例えば、ディッピングによるこれらの溶液を用
いるコーティング製品は、厚さ約3〜8×10-5インチ(0.7〜2マイクロメ
ートル)の厚さを生じる。本発明に使用されるフルオロポリマー樹脂の更なる詳
細は、ポリマーの融解処理工程の特徴とその他の特徴を改善するために、高沸点
フッ素化脂肪族環式構造を用いるフルオロポリマー樹脂の可塑化に関する、PC
T出願WO94/05498の明細書に認められる。
本発明に使用されるペルフルオロカーボン樹脂は、典型的には、一以上のオリ
ゴマーで、例として以下の式、
(式中nは0、1または2)
で示される。
本発明の組成物から形成されるコーティングは、表面エネルギーが非常に低い
。それは、コーティング材料が炭素およびフッ素原子のみからなるため、凝縮さ
れた大気中の水分がその表面に接触する薄膜を形成できないためである。この様
なコーティングは、磨耗抵抗性が極めて小さく、従って、既述の様に「マスキン
グ」は不要である。ペルフルオロヘキサンを溶媒として使用する場合、コーティ
ングは気温が低い日でも15秒以内に乾燥し、乾燥させるのに加熱は不要である
。ガ
請求の範囲(補正)
1.組成物を組立品またはその部品に塗布する工程と、乾燥し、または乾燥さ
せる工程と、塗布された組成物を樹脂の薄いコーティングとして前記組立品また
はその部品に残留させる工程とを含んでなる、塗布された組成物が多環式過フッ
素化シクロアルカン樹脂およびそのためのフルオロカーボン液体溶媒を含むこと
を特徴とする組立品またはその部品の保護方法。
2.過フッ素化シクロアルカンが、フッ素ガスとCoF3触媒によるシクロア
ルカンのフッ素化によって作製される請求項1に記載の方法。
3.シクロアルカンが、フェナントレンである請求項1または請求項2に記載
の方法。
4.フルオロカーボン液体溶媒が、ペルフルオロカーボンである前記請求項の
いずれか一に記載の方法。
5.溶媒が、過フッ素化アルカンまたは過フッ素化シクロアルカンである前記
請求項のいずれか一に記載の方法。
6.溶媒が過フッ素化n−ヘキサンまたはペルフルオロジメチルシクロヘキサ
ンである請求項5に記載の方法。
7.溶媒の沸点が30℃〜200℃の範囲にある前記請求項のいずれか一に記
載の方法。
8.溶媒の沸点が55℃〜130℃の範囲にある請求項7に記載の方法。
9.樹脂の濃度が0.4重量%から20重量%の範囲にある前記請求項のいず
れか一に記載の方法。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
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Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
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DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
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