JP5394619B2 - 熱インプリント方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱インプリント用途に適した熱可塑性樹脂溶液から形成される薄膜を用いる熱インプリント方法に関する。
光通信、光ディスク、ディスプレイ、光センサ等の各種光学デバイス分野の著しい発展に伴い、光学樹脂材料には性能とコストの両立が求められている。またバイオチップ、マイクロリアクター等の分野でもガラスに替わり種々の加工が容易である透明性樹脂材料への期待は大きくなっている。いずれの分野でも基材表面の加工、特に微細加工が要求されるようになり、その微細加工技術は近年集積化が著しい半導体分野でも重要な技術となっている。
従来、透明性材料の表面に微細なパターンを形成するには、表面を機械的に切削するか、あるいはレジストや熱、紫外線又は電子線硬化型樹脂等を用いてパターンを印刷する、といった方法が採用されている。しかしながら、機械的な切削では非常に高度で煩雑な加工技術を必要とする問題があり、レジスト等を使用したパターン印刷では工程が複雑な上に、印刷されたパターンの剥がれなどの耐久性に問題が指摘されている。更には、パターンの微細化に伴い、プロセス全体を高精度に制御する機構が要求されるなど、各種デバイス製造におけるコストの問題を無視できなくなってきた。特に各種デバイス分野においては機器の小型化、軽量化に伴い、集積密度を向上させかつ小型化を図るために薄膜化した樹脂への要望は強く、薄膜化樹脂への種々のパターン形成方法が検討されており、微細なパターンを低コストで形成する方法の一つとして熱インプリント法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち樹脂表面に樹脂のガラス転移温度以上に加熱した微細パターンを有する型を押し当てて、溶融した樹脂表面に型の微細パターンを転写する方法である。しかしながら樹脂基材として昨今の技術開発により射出成形でも300μm程度の厚さのフィルムまでは成形可能となってきているが、更なる小型化・薄型化が要求される各種デバイス類、各種光学素子についてはより一層の基材の薄膜化が望まれており、シートもしくはフィルムへの熱インプリントによるパターン形成を可能とするための樹脂溶液およびその薄膜の製造方法が必要となる。
従来、これらの樹脂としてポリメタクリル酸(PMMA)に代表される(メタ)アクリル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂等が用いられているが、これらの樹脂には耐熱性や吸水による寸法変化の問題があり、更には流動性と固化とのバランス制御が困難であるため高転写されたパターンを保持、使用することが困難であった。
一方、耐熱性と低吸水率による寸法安定性を兼ね備えた樹脂として、環状オレフィン系熱可塑性樹脂があげられる。環状オレフィン系熱可塑性樹脂は一般的に透明性、化学的耐性、低吸湿性に優れ、環状オレフィンの構造または樹脂中の含有量により容易に耐熱性を制御することが可能であり、更には低粘度、短緩和時間、金型への付着が少ない樹脂であり、微細パターンの転写精度に優れ、生産性にも優れた熱インプリント材料としての応用が期待される樹脂である。更に環状オレフィン系樹脂は各種溶剤への溶解性が良好で、任意の膜厚を有する薄膜を形成する上で非常に有利な素材である。
例えば、支持体上に熱可塑性樹脂溶液をキャストして自己支持性の光学フィルムを製造する方法があるが(例えば、特許文献2参照)、目的は視野角特性に優れる光学フィルムの製造であり、樹脂表面への微細加工についてまでは言及されていない。
更に、樹脂に可塑性付与物質として有機溶剤またはシラン化合物を混合してフィルム表面を加工する方法があるが(例えば、特許文献3参照)、揮発成分が残留する可能性が高いフィルム例しか例示されておらず、本発明の目的とする熱インプリントプロセスで使用可能となるフィルムの製造には不向きである。
また薄膜形成後の樹脂表面状態が平滑でなければ熱インプリント用途には適用できないため異物等の各種コンタミ抑制のための管理が必要となる。実際に単純に樹脂溶液から薄膜形成しても樹脂表面上にパーティクル状の異物が観測され、熱インプリントには適用できない薄膜しか製造できないことが多々生じている。例えば、電荷的捕捉能を有するフィルタで濾過した樹脂溶液からペレットを製造し異物発生の少ないキャリアー用プラスチックケースを射出成形により成形する方法がある(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、熱インプリントに適した薄膜形成に関しては全く言及されていない。
この他、セルロースアシレートフィルムの製造に関連し、樹脂溶液の濾過方法として加熱機構を有する多段濾過プロセスが提案されている(例えば、特許文献5参照)。これは、加熱により樹脂溶液粘度を低減した状態で濾過することにより濾過工程の負荷を低減するもので、既に濾過プロセスに取り入れられている技術である。しかしながら、この場合でも熱インプリントを意識した樹脂薄膜形成のための樹脂溶液には言及されていない。
一方、熱可塑性環状オレフィン系樹脂としてTOPAS8007(Tg=80℃)を使用し、トルエンに溶解してSiウェハー上に薄膜形成した文献もあるが(例えば非特許文献1、2)、熱インプリントプロセスに適用するために必要な情報である樹脂溶液の調整方法、薄膜の樹脂表面平滑性、薄膜中の残存揮発分に関する記載は一切無く、実際にプロセスに適用するためには大きな問題となり得る。実際、当該樹脂をトルエン溶液にしてそのまま使用しても薄膜表面状にパーティクル状物が存在し、更には膜厚にムラが生じて樹脂表面にうねりが発生し、実際の熱インプリントプロセスには適用困難であった。
US5772905号公報 特開2001−194532号公報 特開2006−205723号公報 特開平10−60048号公報 特開2005−272845号公報 Journal of Micromechanics and Microengineering, vol: 15, issue: 2, pages: 296-300, 2005 Materials Science & Engineering C (Volume 23, Issue 1-2, pages 23-31) journal on 15th January 2003
以上のように、安価に微細パターンを有する各種デバイスを製造するためには熱インプリントプロセスを使用し、そのプロセスに適用可能な樹脂薄膜の製造が不可欠ではあるが、樹脂薄膜形成用の樹脂溶液およびその薄膜については実質的に何ら検証されていないのが実情である。
本発明の目的は、上記の問題点を鑑み、熱インプリント用途に適した熱可塑性樹脂溶液から形成される薄膜を用いる熱インプリント方法を提供することにある。
本発明の熱インプリント方法は、熱インプリント用途に供される薄膜として、後述する熱可塑性樹脂と当該樹脂を溶解する少なくとも1種類以上の溶剤とを含み、粒径0.2μm以上の異物の含有量が3000個/cm未満である熱インプリント用樹脂溶液から形成される薄膜を用いることを特徴とする。
具体的には、前記熱可塑性樹脂は、式(1)もしくは式(2)記載の骨格を主鎖中に少なくとも1種類含有する。
Figure 0005394619

Figure 0005394619

(式(1)、(2)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は異なっていても同一でもよく、それぞれ水素原子、重水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基、ハロゲン原子、または酸素、硫黄等のヘテロ原子を含有する置換基であり、互いに環構造を形成していてもよい。mおよびnは0以上の整数である。)
また、本発明に係る熱インプリント用樹脂溶液は、熱インプリント用途に実質的に好適に供される薄膜を形成するためのものであって、0.8μm未満の目開きを有するフィルタで濾過されたものであることを特徴とする。
また、前記熱可塑性樹脂は、式(3)記載の環状オレフィンとα-オレフィンとの共重合体、もしくは該環状オレフィンの開環重合の後に水素化することで製造される重合体を用いることができる。
Figure 0005394619

(式(3)中のR9、R10、R11、R12は異なっていても同一でもよく、それぞれ水素原子、重水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基、ハロゲン原子、または酸素、硫黄等のヘテロ原子を含有する置換基であり、互いに環構造を形成していてもよい。mおよびnは0以上の整数である。)
また、前記溶剤としては、芳香族溶剤、炭化水素系溶剤又はハロゲン系溶剤から選ばれる1種又は2種以上の混合溶剤を用いることができる。
また、本発明に係る熱インプリント用樹脂溶液の製造方法は、熱インプリント用途に供される薄膜を形成するためのものであって、熱可塑性樹脂を、当該樹脂を溶解する少なくとも1種類以上の溶剤に溶解させた後、0.8μm未満の目開きを有するフィルタを用いて濾過することを特徴とする。
この場合、前記熱可塑性樹脂は、式(1)もしくは式(2)記載の骨格を主鎖中に少なくとも1種類含有するものである方が好ましい。
Figure 0005394619

Figure 0005394619

(式(1)、(2)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は異なっていても同一でもよく、それぞれ水素原子、重水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基、ハロゲン原子、または酸素、硫黄等のヘテロ原子を含有する置換基であり、互いに環構造を形成していてもよい。mおよびnは0以上の整数である。)
また、式(1)もしくは式(2)記載の熱可塑性樹脂を0.1重量%から30重量%含有させる方が好ましい。
また、前記溶剤としては、芳香族溶剤、炭化水素系溶剤又はハロゲン系溶剤から選ばれる1種又は2種以上の混合溶剤を用いることができる。
また、本発明に係る熱インプリント用樹脂薄膜は、上述した本発明に係る熱インプリント用樹脂溶液から製造されることを特徴とする。
この場合、薄膜の残存揮発分は、熱インプリントプロセスの観点上0.25%以下である方が好ましい。また、膜厚は10nm〜40μmに形成することができる。
また、本発明に係る熱インプリント用樹脂薄膜の製造方法は、支持基材上に、上述した本発明の熱インプリント用樹脂溶液を塗布した後、薄膜の残存揮発分が0.25%以下となるまで乾燥させることを特徴とする。
また、前記薄膜の膜厚が10〜4000nmであり、スピンコート法により薄膜形成した場合、特に本発明の効果が顕著に発現する。
本発明に係る樹脂溶液は、熱インプリント用途に用いることにより熱インプリントに好適な薄膜を製造することができる。また、当該樹脂溶液中の異物の含有量を制御することにより薄膜表面および薄膜中の均一性を確保し、パターンを均一に転写可能な熱インプリント用の薄膜を製造することができる。
また、本発明の熱インプリント用樹脂溶液から製造された薄膜は、残存揮発分を少なくとも0.25%以下に制御するので、熱インプリント中に残存揮発分が気化することによる発泡現象を防止し、更に均一な転写を可能とすることができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、熱インプリント用途に適用できるものであればどのようなものでも良いが、特に好ましくは、環状オレフィン類とα-オレフィン類との共重合体、すなわち下記式(1)で示される環状オレフィン類由来の繰り返し単位を含有するα-オレフィンとの共重合体、または下記式(2)で示される環状オレフィン類の開環重合後に水素添加した重合体である。
Figure 0005394619
Figure 0005394619
式(1)、(2)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は異なっていても同一でもよく、それぞれ水素原子、重水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基、ハロゲン原子、または酸素、硫黄等のヘテロ原子を含有する置換基であり、互いに環構造を形成していてもよい。mおよびnは0以上の整数である。
該樹脂を構成する環状オレフィン単量体は式(3)で示される構造を有しており、例えばビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン(ノルボルネン)、5-メチルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、7-メチルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-エチルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-プロピルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-n-ブチルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-イソブチルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、1,4-ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-ブロモビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-クロロビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-フルオロビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、5,10-ジメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、2,10-ジメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、11,12-ジメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、2,7,9-トリメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、9-エチル-2,7-ジメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、9-イソブチル-2,7-ジメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、9,11,12-トリメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、9-エチル-11,12-ジメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、9-イソブチル-11,12-ジメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、5,8,9,10-テトラメチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-ヘキシルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-ステアリルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-メチル-9-エチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-シクロヘキシルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-エチリデンテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-クロロテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-ブロモテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-フルオロテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8,9-ジクロロテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、ヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]-4-ヘプタデセン、12-メチルヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]-4-ヘプタデセン、12-エチルヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]-4-ヘプタデセン、12-イソブチルヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]-4-ヘプタデセン、1,6,10-トリメチル-12-イソブチルヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]-4、5-メチル-5-フェニル-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-エチル-5-フェニル-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-n-プロピル-5-フェニル-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-n-ブチル-5-フェニル-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメチル-5-フェニル-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-メチル-6-エチル-5-フェニルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5,6,6’-トリメチル-5-フェニル-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、1,4,5-トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5,6-ジエチル-5-フェニルビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-ブロモ-5-フェニル-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-クロロ-5-フェニル-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-フルオロ-5-フェニル-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-メチル-5-(tert-ブチルフェニル)-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-メチル-5-(ブロモフェニル)-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-メチル-5-(クロロフェニル)-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-メチル-5-(フルオロフェニル)-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-メチル-5-(α-ナフチル)-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、5-メチル-5-アントラセニル-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン、8-メチル-8-フェニル-テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-エチル-8-フェニル-テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-n-プロピル-8-フェニル-テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-n-ブチル-8-フェニル-テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、8-クロロ-8-フェニル-テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセン、11-メチル-11-フェニル-ヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,09.14]-4-ヘプタデセン、1,4-メタノ-4a,9,9’-トリメチル-1,4,9a-トリヒドロフルオレン等が好適な単量体として例示することができる。これら種々の単量体は、基本的には該当するジエン類とオレフィン類との熱的なDiels-Alder反応により製造することができ、更に適宜水素添加等を実施して所望する単量体を製造することが可能である。
Figure 0005394619

式(3)中のR9、R10、R11、R12は異なっていても同一でもよく、それぞれ水素原子、重水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基、ハロゲン原子、または酸素、硫黄等のヘテロ原子を含有する置換基であり、互いに環構造を形成していてもよい。mおよびnは0以上の整数である。
また式(1)で示される共重合体に好適に使用できるα-オレフィンとしては炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜10のα-オレフィンであって、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等が示され、単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらのうち、エチレンまたはプロピレンが好ましく、更には共重合性、経済性等、実用的な観点からするとエチレンが特に好ましい。
式(1)で示される共重合体において、好ましい該α-オレフィンと該環状オレフィンとのモル比は10/90〜90/10の範囲であり、更に好ましくは30/70〜70/30の範囲である。共重合体中のモル比は13C-NMR(400MHz、温度:120℃/溶媒:1,2,4-トリクロロベンゼン/1,1,2,2-重水素化テトラクロロエタン混合系)により決定した。
式(1)もしくは式(2)で示される環状オレフィン系熱可塑性樹脂の重量平均分子量Mwは10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜750,000、更に好ましくは30,000〜500,000の範囲であり、好ましい260℃におけるMFR実測値としては0.1〜200、更に好ましくは1〜100の樹脂である。
樹脂のガラス転移温度は熱インプリントにより微細パターンが転写された製品の用途に依存し、式(1)もしくは式(2)で示される樹脂の温度を任意に調整して使用することが可能であるが、熱インプリントプロセスの観点からすると50℃〜200℃であることが好ましい。
該樹脂を製造するための重合方法に特に制限はなく、Ziegler-Natta触媒やsingle-site触媒を用いた配位重合、更には必要に応じて共重合体を水素添加する方法、メタセシス重合触媒を用いた開環重合の後に水素添加する方法等、公知の方法を用いることができる。水素添加する方法としても公知である方法が使用でき、例えばニッケル、パラジウム等金属成分を含有する触媒により好適に実施することができる。例えば式(1)で示される共重合体を製造するために使用されるsingle-site触媒としては種々のメタロセン化合物が使用可能であるが、例えば特開2003-82017に記載されているメチレン(シクロペンタジエニル)(テトラシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド等が好適に使用できる。重合反応に用いられる助触媒としては特に制限はないが、公知であるメチルアルミノキサン類が好適に使用でき、反応に応じて適宜他の有機アルミニウム化合物を共存させて重合してもよい。該重合反応は室温〜200℃の範囲で好適に実施できるが、反応性および触媒の安定性を考慮すると40〜150℃の範囲で実施することが望ましい。また重合反応に使用する有機溶剤としては特に制限はく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、オクタン等の飽和炭化水素系溶剤、もしくはこれらの混合溶剤系が好適に使用できる。該樹脂を製造後、ラジカル反応により酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を適宜導入することも可能である。また市販されている各種熱可塑性樹脂を入手しても好適に本発明の目的に供することが可能である。
熱インプリント用樹脂溶液を調製するにあたり、当該樹脂を溶解する溶剤であれば任意に使用することができる。例えば芳香族溶剤としてはベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、p-メンタン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン等が、炭化水素系溶剤としてはシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン等が、ハロゲン系溶剤としてはジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等が、好適に使用できる。これらの溶剤は単独で使用しても良いが、適宜2種類以上の溶剤を組み合わせて使用することも可能である。当該樹脂を溶解するために適宜加温して溶解しても構わない。また添加剤の溶解性改善のために、樹脂の溶解性を損なわない範囲でアルコール類、ケトン類を少量添加しても構わない。樹脂濃度は製造する薄膜の厚みにより任意に調製することが可能であるが、薄膜形成に好適に適用できる樹脂濃度しては0.1重量%〜30重量%が好ましい。
薄膜形成の方法としてはスピンコート法、溶液キャスト法(溶液流延法)、ディッピング等の公知の方法を好適に使用できる。本発明に好適に適用できる樹脂薄膜の膜厚としては10nm〜40μmであり、いずれの膜厚でも好適に熱インプリントプロセスにより樹脂薄膜表面への微細パターン転写が可能である。
該樹脂薄膜は支持基材としてシリコン、アルミ、銅、サファイア、ガラス、樹脂フィルム等の各種基材を任意に使用することができ、薄膜形成後に支持基材を剥離して薄膜単体として使用しても構わない。薄膜単体として使用する場合には膜厚として20μm以上の薄膜が好ましい。
該樹脂には必要に応じて酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、光安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、レベリング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどを添加、配合することができ、その配合割合は形成される薄膜にパーティクルを生じず、薄膜の平滑性を損なわない範囲で適宜設定することができる。添加する酸化防止剤、滑剤等に特に制限はなく、公知の化合物を好適に使用することができる。
また、樹脂薄膜表面に膜厚に比較して大きい異物があると、その部分を型で十分に押圧することができず、転写不良を生じる場合がある。そこで、樹脂薄膜表面に異物によるパーティクル状物を発生させないために、公知の方法を用いて樹脂溶液を濾過しても構わない。例えば2μm以上の膜厚を有する薄膜を形成するのであれば、形成したい薄膜の厚さの2分の1以下程度の目開きを有するフィルタを用いて濾過することで、パーティクル状物の発生要因となり得る樹脂溶液中の異物・不溶物を好適に除去することが可能となる。より精緻にパーティクル状物を抑制したい場合、あるいは2μm未満の膜厚を有する薄膜を形成する場合には、0.8μm未満の目開きのフィルタで処理することにより制御が可能となる。なお、使用する樹脂溶液の溶剤種類により適宜フィルタの材質を変更することも可能である。また電荷捕捉能を有さないフィルタも好適に使用することが可能である。
塗膜後の乾燥工程では通常の熱乾燥方法が好適に使用できる。なお、基板上の薄膜を減圧乾燥、加熱乾燥しても目的の薄膜を製造することが可能であるが、溶媒由来の発泡を抑制するためには溶媒の沸点よりも低い温度で予備乾燥した後に、昇温して乾燥する方法がより好ましい。また乾燥工程では樹脂の熱劣化が懸念されるため、窒素雰囲気下もしくは減圧下がより好ましいが、酸化防止剤等を樹脂に添加して樹脂劣化を抑制する処置を施せばホットプレートのような空気下での乾燥処理も可能となる。
また、熱インプリント可能な樹脂薄膜の要件として薄膜中の残存揮発分がある。樹脂溶液を乾燥して薄膜形成を実施するため、膜厚が厚くなればなるほど残存揮発分が多く存在することになる。樹脂薄膜中に残存揮発分が存在すると、熱インプリント時に樹脂が加温されて残存揮発分が気化しようとするために樹脂薄膜上に発泡現象が認められる。発泡現象が生じるとパターンの転写精度は著しく低下し、目的のインプリント製品を製造することは不可能となる。したがって、樹脂薄膜中の残存揮発分は少なくとも0.25%以下、好ましくは0.15%以下に制御することが好ましい。なお、膜厚が厚くなればなるほど乾燥工程後の残存揮発分が多く存在するので、好適に薄膜中の残存揮発分を低減できる膜厚として、形成される薄膜の膜厚は40μm以下が好ましい。これにより好適に熱インプリントに供することが可能な樹脂薄膜となる。
また、薄膜形成時の作業環境としては通常の実験室を使用しても構わないが、より好ましくは異物混入リスクを低減するためにクリーンブース、あるいはクリーンルームで実施することが好ましい。
インプリントを行う装置としては種々の製品が上市されており、適宜機種を選定することができる。微細化が要求されている転写パターンとして好ましいサイズは10μm以下、特に好ましくは1μm以下のパターンである。パターンの転写精度に優れ、かつ生産性の改善されたプロセスを実現するためには、金型温度が低ければ冷却時間を短縮することができ、成形圧力が小さく保持時間が短ければ成形時間を短縮することができるインプリント条件が好ましい。
当該インプリント製品の用途としては光導波路、導光板、回折格子等の光デバイス類、バイオチップを始めとするバイオデバイス分野、マイクロ流路、マイクロリアクター等の流体デバイス、データ保存用メディア、回線基板の用途があげられる。
以下に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
尚、使用した樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)はゲルパーミエイションクロマトグラフィー法(GPC)により、Waters製GPC装置を使用し、カラム:Shodex製K-805L/K-806L、カラム温度:40℃、溶媒:クロロホルム、通液量:0.8mL/分の条件で測定した。また、使用した樹脂のガラス転移温度Tg(℃)はセイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量分析計(型式EXSTAR6000、DSC6200)を用いて昇温時の吸熱ピークから得た。更に260℃におけるMFRの実測値[M]はTECHNOL SEVEN Co., LTD.製のMELT INDEXER(型式L248-2531)を使用し、荷重2.16kgfで測定した値を採用した。
〔樹脂溶液調整〕
〔実施例1〕
乾燥、窒素置換したフラスコ容器内で樹脂粉末A(エチレン/ノルボルネン系共重合体、MFR@260℃:12.9、Mw:122,500、Tg:135℃)4重量部、酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.004重量部をデカヒドロナフタレン96重量部に室温下、攪拌溶解した後、孔径0.04μmのナイロン製フィルタ(キュノ社製 PhotoShield N)で濾過し熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔比較例1〕
実施例1の孔径0.04μmのナイロン製フィルタ(キュノ社製 PhotoShield N)濾過を省略した以外は同樹脂、同様の方法で熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔比較例2〕
実施例1で孔径0.8μmのナイロン製フィルタ(キュノ社製 LIFE ASSURE)濾過した以外は、同樹脂、同様の方法で熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔実施例2〕
実施例1の酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)配合量を0.012重量部に変更した以外は同樹脂、同様の方法で熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔実施例3〕
実施例2で孔径0.50μmのPTFE製フィルタ(ADVANTEC社製)濾過した以外は、同樹脂、同様の方法で熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔実施例4〕
実施例1の酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)配合量を0重量部に変更した以外は同樹脂、同様の方法で熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔実施例5〕
実施例1の溶剤をジエチルベンゼンに変更した以外は同樹脂、同様の方法で熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔実施例6〕
乾燥、窒素置換したフラスコ容器内で市販の熱可塑性樹脂ペレットB(エチレン/ノルボルネン系共重合体、MFR@260℃:30、Tg:80℃)4重量部、酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010)0.004重量部をデカヒドロナフタレン96重量部に室温下、攪拌溶解した後、孔径0.2μmのナイロン製フィルタ(キュノ社製 PhotoShield N)で濾過し、濾過液を更に孔径0.04μmのナイロン製フィルタ(キュノ社製 PhotoShield N)で濾過して熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔実施例7〕
実施例6の市販樹脂ペレットB、溶剤配合量を市販樹脂ペレットB3重量部、デカヒドロナフタレン97重量部に変更した以外は同様の方法で熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔実施例8〕
乾燥、窒素置換したフラスコ容器内で市販の熱可塑性樹脂ペレットC(開環重合/水添体、MFR@260℃:7.3、Tg:136℃)4重量部、デカヒドロナフタレン96重量部に室温下、攪拌溶解した後、孔径0.2μmのナイロン製フィルタ(キュノ社製 PhotoShield N)で濾過し、濾過液を更に孔径0.04μmのナイロン製フィルタ(キュノ社製 PhotoShield N)で濾過して熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔実施例9〕
実施例8の溶剤をジエチルベンゼンに変更した以外は同樹脂、同様の方法で熱インプリント用樹脂溶液を調整した。
〔熱インプリント用樹脂溶液中のパーティクル評価〕
実施例1、2、比較例1で調整した熱インプリント用樹脂溶液について、溶液中に含まれる粒子径分布を液中パーティクルカウンター(リオン社製 KS-40B)にて測定し、溶液10ml当たりの0.2μm以上の粒子個数を表1に示した。
Figure 0005394619
〔熱インプリント用樹脂薄膜のパーティクル評価〕
4インチシリコンウェハー上に実施例1〜9の熱インプリント用樹脂溶液をスピンコーター(イーエッチシー社製 SC-300)を用いスピンコート条件400rpm×5sec+4000rpm×20secで塗布後、加熱乾燥により溶剤を除去し熱インプリント用樹脂薄膜を作製した(実施例10〜18)。また、実施例2記載の樹脂溶液を使用して溶液キャスト法によりガラス基板上に熱インプリント用樹脂薄膜を作製した(実施例19)。比較として、比較例1および比較例2の熱インプリント用樹脂溶液を用い同様の方法で薄膜作製した(比較例3、4)。
加熱乾燥方法は、以下の3種類の方法で行った。
加熱乾燥1(真空乾燥): 窒素気流下、100℃で10分予備乾燥後、真空加熱乾燥機内で室温下、1torr以下まで減圧し、200℃に昇温後、減圧下で20分保持した。乾燥機内を1torr以下に真空保持した状態で室温まで放冷後、窒素にて脱圧し樹脂薄膜コートウェハーを取り出した。
加熱乾燥2(熱風循環乾燥): 窒素気流下の熱風循環式乾燥機内にて100℃で10分予備乾燥後、200℃で30分本乾燥を行い、樹脂のガラス転移温度+10℃で30minのアニール加熱したのち、樹脂薄膜コートウェハーを取り出した。
加熱乾燥3(ホットプレート乾燥): 大気中のホットプレート上にて100℃で10分予備乾燥後、200℃で30分本乾燥を行い、樹脂のガラス転移温度+10℃で30minのアニール加熱したのち、樹脂薄膜コートウェハーを取り出した。
なお、膜厚測定はファイブラボ社製自動エリプソメーター(MARY-102FM)を用いて測定した。また、薄膜形成後の樹脂表面観察はキーエンス社製マイクロスコープ(VH-X450)を用いて観察し、パーティクル状物が認めらないものを○、著しく認められたものを×として評価した(表2)。
Figure 0005394619
〔熱インプリント用樹脂薄膜の熱劣化評価〕
4インチシリコンウェハー上、もしくはガラス基板上に形成した加熱乾燥後の樹脂薄膜の熱劣化評価として、薄膜上に3μLの純水を着滴し、接触角を測定した。乾燥条件による影響評価のため、実施例13での製造条件のうち乾燥条件だけを加熱乾燥3に変更したものを比較例5として評価した。接触角測定は協和界面科学株式会社製接触角測定装置(FAMAS)を使用した。更に、樹脂薄膜の熱劣化評価として、シリコンウェハー上、もしくはガラス基板上に形成した樹脂薄膜を室温下、トルエン洗浄により再溶解し、トルエン不溶解分又はパーティクル状物が認めらないものを○、認められたものを×として評価した(表3)。
Figure 0005394619

*測定不能:薄膜表面のパーティクル状物より水接触角測定値のバラツキが大きく定量評価不能なため。
〔熱インプリント用樹脂薄膜の熱インプリント評価〕
実施例19記載の薄膜製造条件において、乾燥時間を短くした条件で製造した薄膜を比較例6とした(200℃で10分間の乾燥)。実施例10、11、13〜16、19および比較例3、5、6の薄膜を使用して熱インプリント評価を実施した。熱インプリント評価はSCIVAX社のインプリント装置(VX-2000N-US)を使用し、各薄膜を当該樹脂のガラス転移温度Tg−20℃に加熱した基板上に固定し、予め成型設定温度Tg+30℃に加熱した金型(深さ140nm/径100〜250nmのホールパターン、もしくは深さ370nm/ウォール幅250nm/一辺2mmのハニカムパターン)を使用して熱インプリントを実施し、金型のパターンが精密に転写されたものを○、パターンの転写精度が低いものを×として評価した(表4)。尚、樹脂薄膜中の残存揮発分はトルエンで薄膜を再溶解してガスクロマトグラフィーにて分析、定量した。
Figure 0005394619

表中、「<10」は10ppm未満を意味する。
なお、膜厚に対してパターン深さが大きい金型パターンでは、インプリント時に金型によって押された樹脂がパターン内に逃げることにより、実際の膜厚に比べて高さ方向のあるパターンを形成することが可能であることも確認された。
比較例3ではパーティクル状物由来の熱インプリント不良部分が、比較例5では不溶成分由来による熱インプリント不良部および金型汚染が認められた。また比較例6では熱インプリント時に薄膜が発泡してパターンの転写は全く達成できなかった。上記結果より熱インプリントを好適に実施するためには薄膜中の残存揮発分が少なくとも0.25%以下、好ましくは0.15%以下である必要があることが示唆された。
樹脂の種類、酸化防止剤配合量の調整により、各加熱乾燥方法に対応した熱劣化の少ない熱インプリント用樹脂薄膜を形成することができた。
以上説明した通り、本発明により熱インプリントプロセスに好適に適用可能な熱インプリント用樹脂溶液および薄膜を提供することができた。

Claims (9)

  1. 熱インプリント用途に供される薄膜として、式(1)もしくは式(2)記載の骨格を主鎖中に少なくとも1種類含有する熱可塑性樹脂と、当該樹脂を溶解する少なくとも1種類以上の溶剤とを含み、粒径0.2μm以上の液中パーティクルの含有量が3000個/cm未満である熱インプリント用樹脂溶液から形成され、かつ、
    前記熱インプリント用樹脂溶液が、0.04μm以下の目開きを有するフィルタで濾過されたものであり、
    薄膜中の残存揮発分が0.25%以下である薄膜を用いることを特徴とする熱インプリント方法。
    Figure 0005394619

    Figure 0005394619

    (式(1)、(2)中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は異なっていても同一でもよく、それぞれ水素原子、重水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基、ハロゲン原子、または酸素、硫黄等のヘテロ原子を含有する置換基であり、互いに環構造を形成していてもよい。mおよびnは0以上の整数である。)
  2. 前記熱インプリント用樹脂溶液が、ナイロン製フィルタで濾過されたものであることを特徴とする請求項1記載の熱インプリント方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂が式(3)記載の環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体もしくは該環状オレフィンの開環重合の後に水素化することで製造される重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱インプリント方法。
    Figure 0005394619

    (式(3)中のR9、R10、R11、R12は異なっていても同一でもよく、それぞれ水素原子、重水素原子、炭素数1〜15の炭化水素基、ハロゲン原子、または酸素、硫黄等のヘテロ原子を含有する置換基であり、互いに環構造を形成していてもよい。mおよびnは0以上の整数である。)
  4. 前記熱インプリント用樹脂溶液に用いられる溶剤が、芳香族溶剤、炭化水素系溶剤又はハロゲン系溶剤から選ばれる1種又は2種以上の混合溶剤であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱インプリント方法。
  5. 前記熱インプリント用樹脂溶液における、前記熱可塑性樹脂の含有量が0.1重量%から30重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱インプリント方法。
  6. 前記薄膜の膜厚が10nm〜40μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の熱インプリント方法。
  7. 前記薄膜が、支持基材上に前記熱インプリント用樹脂溶液を塗布した後、残存揮発分が0.25%以下となるまで乾燥させて得られたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の熱インプリント方法。
  8. 前記薄膜の膜厚が10nm〜40μmであることを特徴とする請求項7記載の熱インプリント方法。
  9. 前記薄膜の膜厚が10〜4000nmであり、スピンコート法により塗布することを特徴とする請求項8記載の熱インプリント方法。
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