JP3656991B2 - 環状オレフィン系共重合体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系共重合体の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状オレフィン系共重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、メタロセン化合物とアルミノキサンとを含む触媒系の存在下に、エチレンと環状オレフィンとを共重合させて、環状オレフィン含有率が高く、かつ分子量分布の狭い環状オレフィン系共重合体を高い重合活性で効率よく製造することができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノルボルネンに代表される環状オレフィンや分子内に二重結合を2個以上含むいわゆる環状ポリエンとα−オレフィン類との共重合によって得られる環構造を有するオレフィン系付加重合体(以下、環状オレフィン系共重合体と称する。)は、一般に環構造を含まないオレフィン系重合体に比べて高いガラス転移温度や高い透明性を保有しているため、光学材料用途をはじめ各種成形品としての応用が期待されている。このような環状オレフィン系共重合体の製造方法としては各種のものが知られており、ノルボルネンまたはその誘導体とα−オレフィンとの共重合体については、例えば特開昭60−168708号公報や特開昭61−271308号公報にバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒を用いる方法が開示されている。しかし、これらの方法においては触媒活性が低いという問題があった。この点を改善した方法として、特開昭61−221206号公報、特開昭64−106号公報および特開平2−173112号公報には、各種のメタロセン化合物とアルミノオキサンからなる触媒を用いる製造方法が提案されている。これらの方法は比較的触媒活性が高く、環状オレフィンの共重合効率の点でもかなり改善されているが、さらに一層の重合活性の改善、およびα−オレフィンに対する環状オレフィンの共重合効率の改善が望まれる。
【0003】
ところで、一般に環状オレフィンはエチレン、プロピレン等のα−オレフィンに比べ、反応性に乏しく、共重合効率が低い。このため、高含有量で環状オレフィンを含む共重合体を製造しようとする場合、重合系に大量の環状オレフィンを存在させる必要があるが、重合系に大量の環状オレフィンが存在すると触媒活性が損なわれるだけでなく、溶媒中で膨潤する程度のゲル状の重合体成分、あるいは溶媒に不溶性の重合体成分が生成しやすい。一方、環状オレフィン系共重合体の光学材料のような用途においては、材料の均一性が重要であり、このようなゲル状の重合体成分や溶媒不溶性の重合体成分を生成すると、環状オレフィン系共重合体の均一性が低下し、商品価値は著しく損なわれる。
【0004】
このようなゲル状重合体成分や溶媒不溶性の重合体成分の生成は、一般に触媒活性が低い場合、また触媒の共重合効率が悪く、やむを得ず環状オレフィンの仕込量を増やした場合、あるいは重合温度を高くした場合に発生しやすい。それは触媒性能が不十分であることに起因するもので、このような問題を発生しない高性能の触媒が強く要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、環状オレフィン系共重合体の製造方法に関し、ゲル状の重合体成分や溶媒不溶性の重合体成分を生成せず、重合活性に優れるとともに、環状オレフィンの共重合効率が高く、かつ得られる環状オレフィン系共重合体の分子量分布が狭いという特性を同時に満足する触媒を使用する環状オレフィン系共重合体の効率的な製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、メタロセン系触媒を用いて環状オレフィン系共重合体を製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するメタロセン化合物を用い、これをアルミノキサンと組み合わせた触媒を使用した場合、上記の課題をすべて充分に満たし、本発明の目的を達成できることを見出し本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、エチレンと環状オレフィンとを共重合させて環状オレフィン系共重合体を製造する方法において、触媒として、メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、又は及びメチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのうちのいずれかのメタロセン化合物(A)とアルミノキサン(B)とを含む触媒を用いることを特徴とする、環状オレフィン系共重合体の製造方法に関する。
【0008】
上記本発明で使用される触媒における特徴は、メタロセン化合物(A)として、特に、その遷移金属原子に結合する2つのシクロペンタジエン環が異なる(非対称構造)ものであって、かつこの2つのシクロペンタジエン環がメチレン基によって結合した構造を有することにある。そして、本発明の触媒におけるかかる特定の構造を有するメタロセン化合物(A)の使用が、環状オレフィン系共重合体の製造において、とりわけ特異的に良好な結果を示し、上記した本発明の目的の達成に寄与することが判明した。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明において、エチレンと共重合させる環状オレフィンは、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、5−メチルシクロヘキセン、シクロオクテン等の単環オレフィン、あるいは下記の一般式[1]
【化2】
Figure 0003656991
(式中、R1〜R12は水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜20の炭化水素基からなる群から選択される置換基を示すが、ただし、R5およびR7はそれぞれ結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、そして、qは0〜3の整数である。)で表される多環オレフィンが挙げられる。
【0010】
一般式(1)で表される多環オレフィンの具体例としては、ノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、5−メチル−2−ノルボルネン、7−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5−イソブチル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−クロロ−2−ノルボルネン、5−フルオロ−2−ノルボルネン、5−クロロメチル−2−ノルボルネン、5−メトキシ−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、5,5−ジクロロ−2−ノルボルネン、5,5,6−トリメチル−2−ノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ノルボルネン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2、3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等を挙げることができる。
上記で挙げた単環オレフィン及び多環オレフィンのうち、特に好ましい環状オレフィンは、ノルボルネンおよび1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンである。
【0011】
本発明の方法で使用される触媒の一つの成分である、メタロセン化合物(A)は、メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、及びメチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのうちのいずれかである。
【0012】
本発明の方法において使用される触媒を構成するもう一つの成分であるアルミノキサン(B)は、下記一般式[2]で示される。
【化3】
Figure 0003656991
式中、R1は炭素数1〜8、好ましくは1〜4のアルキル基を、またrは4〜100、好ましくは8〜20の数を表す。
1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、およびイソブチル基が挙げられる。なお、アルミノキサン(B)の中の、R1は、異なるアルキル基を含んでいてもよい。好ましいアルミノキサンは、一般式[3]中のR1の全部または大部分がメチル基であるアルミノキサン、すなわちメチルアルミノキサンである。このようなアルミノキサン(B)は、一般に分子量が200〜10000であり、その構造は線状構造のものはもちろん、両末端が結合し環状となった化合物も使用できる。
【0013】
アルミノキサン(B)を合成するには公知の各種方法が使用できる。例えば、炭化水素溶媒にトリアルキルアルミニウムを溶解させ、トリアルキルアルミニウムに対して当量の水を徐々に加えて加水分解する方法、炭化水素溶媒に硫酸銅水和物や硫酸アルミ水和物を懸濁させ、この懸濁液中の該水和物結晶水に対して1から3倍当量のトリアルキルアルミニウムを接触させてトリアルキルアルミニウムをゆっくりと加水分解する方法、あるいは炭化水素溶媒に懸濁した未脱水シリカゲルの吸着水に対して1から3倍当量のトリアルキルアルミニウムを接触させてトリアルキルアルミニウムをゆっくりと加水分解する方法等で合成することができる。
【0014】
上記の触媒成分(A)および(B)は、そのままで使用してもよいが、場合によっては担体上に担持して用いてもよい。担体としては、シリカ、アルミナ、塩化マグネシウム等の無機化合物、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン等の有機高分子化合物を挙げることができる。
【0015】
本発明の方法におけるエチレンと環状オレフィンとの共重合は、上記メタロセン化合物(A)とアルミノキサン(B)からなる触媒によって引き起こされ、この触媒は通常両成分を接触させることによって生成される。上記両成分を接触させる方法としては、任意の方法が採用できる。すなわち、適当な溶媒中でメタロセン化合物(A)とアルミノキサン(B)を予め混合した溶液として重合系へ供給してもよいし、重合系へメタロセン化合物(A)とアルミノキサン(B)、あるいはそれらをモノマーまたは適当な溶媒に溶かした溶液を同時または別々に供給して重合系内で接触させてもよい。
【0016】
本発明の方法で使用される触媒において、メタロセン化合物(A)の使用量は、重合反応系内の遷移金属濃度として、好ましくは10-6〜1グラム原子/リットル、特に好ましくは10-5〜10-1グラム原子/リットルの範囲である。また、アルミノキサン(B)の使用量は、重合反応系内のアルミニウム原子の濃度として、好ましくは10-4〜10グラム原子/リットル、特に好ましくは10-3〜1グラム原子/リットルの範囲である。また、本発明の方法で使用される触媒において、重合反応系内のメタロセン化合物(A)に対するアルミノキサン(B)の割合は、メタロセン化合物(A)1モルに対するアルミノキサン(B)中のアルミニウム原子の比として、通常1〜107、好ましくは10〜105の範囲である。
【0017】
本発明における重合は、バッチ式または連続式の、気相重合法、塊状重合法、適当な溶媒を使用しての溶液重合法あるいはスラリー重合法等のいずれの重合法も採用することができる。溶媒を使用する場合は、一般に不活性炭化水素溶媒が使用されるが、重合に使用するモノマーである環状オレフィン自身を溶媒として用いてもよい。不活性炭化水素溶媒としては、例えばブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカリン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ナフサ、灯油、軽油等の石油留分等を用いることができる。
【0018】
本発明の重合条件は、温度は一般に−100〜250℃、好ましくは−50〜200℃であり、また圧力は一般に10MPa以下、好ましくは常圧〜5MPaである。
【0019】
本発明の方法によって得られる環状オレフィン系共重合体は、エチレンに由来する繰り返し単位が5〜99モル%、好ましくは15〜95モル%、特に好ましくは30〜90モル%の範囲であり、環状オレフィンに由来する繰り返し単位が1〜95モル%、好ましくは5〜85モル%、特に好ましくは10〜70モル%の範囲である。エチレンに由来する繰り返し単位および環状オレフィンに由来する繰り返し単位はランダムに配列した実質上線状のオレフィン系ランダム共重合体を形成している。本発明の方法によれば実質上線状で、ゲル状架橋構造を有していない環状オレフィン系共重合体が製造できるが、かかる事実は、得られた環状オレフィン系共重合体が135℃のデカリン中に完全に溶解する
ことにより確認できる。
【0020】
また、本発明の方法により製造される環状オレフィン系共重合体の分子量は、一般にゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した重量平均分子量Mwが500〜2,000,000、特に1,000〜1,000,000の範囲であり、数平均分子量Mnが300〜1,000,000、特に500〜500,000の範囲である。そして、本発明の方法により製造される環状オレフィン系共重合体は、分子量分布の指標である、Mw/Mnの値が好ましくは1.5〜4.5、特に1.8〜3.5である特徴を有する。なお、Mw/Mn値が例えば5以上のようになると、環状オレフィン系共重合体を例えば光学材料用途に使用しようとする場合、機械的強度が低下し、また均一な成型品とならないことがある。かくして、本発明の環状オレフィン系共重合体は分子量分布が狭い上に、モノマーの組成分布が均一であるため、耐熱性や機械的特性に優れている。
【0021】
なお、本発明において、エチレンと環状オレフィンを共重合させて環状オレフィン共重合体を製造する場合、エチレン及び環状オレフィンはそれぞれ単独で共重合してもよく、またその一方又は両方を複数使用してもよい。更に、必要により、エチレン及び環状オレフィンに加えてこれ以外の別の単量体を添加し、共重合させることもできる。
【0022】
本発明の方法により製造される環状オレフィン系共重合体は耐熱性や機械的特性に優れているため、各種用途に利用できる。具体的には、低分子量体は静電複写用トナー、ホットメルト接着剤、セラミックバインダー、フォトレジスト用基材などの分野に、また高分子量体は光学レンズ、光ディスク、光ファイバーなどの光学分野、電子レンジ用品、液晶表示用基盤、プリント基盤、透明導電性フィルムなどの電気分野、注射器、ピペット、アニマルゲージなどの医療、化学分野など種々の分野に利用できる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例により限定されるものではない。
なお、実施例中において、共重合体組成(モル%)は13C−NMR(400MHz、温度:室温、溶媒:重水素化ベンゼン)により、また重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は高温ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、温度135℃、溶媒1,2,4−トリクロロベンゼンの条件で測定し求めた。また、参考例に示すメタロセン化合物の合成反応は、すべて不活性ガス雰囲気下で行い、反応溶媒はあらかじめ乾燥したものを使用した。
【0024】
参考例1
メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの合成
300mlのガラス製反応容器中で、1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエン1.09gをヘキサン100mlに溶かした後、第三ブチルリチウムの1.0mol/lジエチルエーテル溶液8mlを−78℃で1時間かけて滴下した。次いで、1時間かけて室温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。これに1,2−ジメトキシエタン100mlを加え、−15℃に冷却した後、ヘキサフルオロ燐酸トリフェニルカルベニウム3.8gを加えた。反応液を室温まで昇温し、2.5時間室温で反応後、水を加え反応を停止した。続いて有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて溶媒を留去して得られた油状成分をカラムクロマトグラフィー(中性アルミナ/ヘキサン)により精製し、1,2,3,4−テトラメチルフルベン0.75gを橙色油状物として得た。次にジシクロペンタジエンを熱分解して得たシクロペンタジエン0.5gを200mlのガラス製フラスコでテトラヒドロフラン100mlに溶かし、n−ブチルリチウムの1.6ml/lヘキサン溶液5mlを−78℃で1時間をかけて滴下した。次いで、1時間かけて室温まで昇温し、室温でさらに3時間攪拌した。この溶液を再び−78℃まで冷却し、先に得た1,2,3,4−テトラメチルフルベン0.75gを−78℃で滴下した。1時間かけて室温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。この溶液に水を加え反応を停止した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて溶媒を留去して得られた油状成分をカラムクロマトグラフィー(中性アルミナ/ヘキサン)により精製し、シクロペンタジエニル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)メタン0.84gを得た。このシクロペンタジエニル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)メタン0.84gを、100mlのガラス製反応器中でジエチルエーテル50mlに溶かした後、n−ブチルリチウムの1.6mol/lヘキサン溶液2.7mlを−78℃で1時間かけて滴下した。次いで、1時間かけて室温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。この溶液に20mlのヘキサンで懸濁させた四塩化ジルコニウム0.97gを−78℃で加え、1時間をかけて室温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。続いて、生成した沈殿(LiCl)を濾過により除き、濾液から溶媒を減圧留去して得られた固形分をヘキサンで抽出した。溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をさらに溶媒から再結晶させることにより、目的物であるメチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド1.2gを黄緑色結晶として得た。
【0025】
参考例2
メチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの合成
300mlのガラス製反応容器で、1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエン0.95gをヘキサン100mlに溶かした後、第三ブチルリチウムの1.0mol/lジエチルエーテル溶液7mlを−78℃で1時間かけて滴下した。次いで1時間かけて室温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。これに1,2−ジメトキシエタン100mlを加え、−15℃に冷却した後、ヘキサフルオロ燐酸トリフェニルカルベニウム3.3gを加えた。反応液を室温まで昇温し、2.5時間室温で反応後、水を加え反応を停止した。続いて有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて溶媒を留去して得られた油状成分をカラムクロマトグラフィー(中性アルミナ/ヘキサン)により精製し、1,2,3,4−テトラメチルフルベン0.61gを橙色油状物として得た。次にメチルシクロペンタジエンダイマーを熱分解して得たメチルシクロペンタジエン0.44gを200mlのガラス製フラスコでテトラヒドロフラン100mlに溶かし、n−ブチルリチウムの1.6ml/lヘキサン溶液3.5mlを−78℃で1時間かけて滴下した。次いで1時間かけて室温まで昇温し、室温でさらに3時間攪拌した。この溶液を再び−78℃まで冷却し、先に得た1,2,3,4−テトラメチルフルベン0.61gを−78℃で滴下した。1時間かけて室温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。この溶液に水を加え反応を停止した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にて溶媒を留去して得られた油状成分をカラムクロマトグラフィー(中性アルミナ/ヘキサン)により精製し、3−メチルシクロペンタジエニル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)メタン0.83gを得た。この3−メチルシクロペンタジエニル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)メタン0.83gを、100mlのガラス製反応器中でジエチルエーテル50mlに溶かした後、n−ブチルリチウムの1.6mol/lヘキサン溶液2.5mlを−78℃で1時間かけて滴下した。次いで1時間をかけて室温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。この溶液に20mlのヘキサンで懸濁させた四塩化ジルコニウム0.9gを−78℃で加え、1時間かけて室温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。続いて生成した沈殿(LiCl)を濾過により除き、濾液から溶媒を減圧留去し、得られた固形分をヘキサンで抽出した。溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をさらに溶媒から再結晶させることにより、目的物であるメチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド1.1gを黄緑色結晶として得た。
【0026】
実施例1
窒素で置換した200mlのオートクレーブ中に脱水精製したトルエン80ml、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン(以下、DMONと略称する。)24.0g(150mmol)およびメチルアルモキサンのトルエン溶液(東ソーアクゾ社製MMAO、Al基準の濃度1.87mol/l)3.2mlを仕込み、加熱撹拌して60℃の均一溶液とした。次いで参考例1で得たメチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液をZrに換算して1.0μmol加え、エチレンにより系内の圧力を0.294MPaに維持して60℃で30分撹拌を続けた。重合終了後、反応混合液を塩酸−メタノール中に投入し、析出した白色固体を濾別した。得られた白色固体をアセトンで洗浄後、減圧乾燥し、エチレン−DMON共重合体4.39gを得た。触媒活性は48.1kgポリマー/gZrであり、該共重合体中のDMON成分の含有量は43.3モル%と高い値を示した。また、GPC測定によるMwおよびMw/Mnはそれぞれ132,000および2.8であった。
【0027】
実施例2
メタロセン化合物(A)として参考例2で得たメチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを用いた以外は実施例1と同様に共重合反応を行い、エチレン−DMON共重合体3.85gを得た。触媒活性は42.2kgポリマー/gZrであり、該共重合体中ジシクロペンタジエン成分の含有量は37.7モル%と高い値を示した。また、GPC測定によるMwおよびMw/Mnはそれぞれ166,000および3.1であった。
【0028】
比較例1
実施例1において、メタロセン化合物をエチレンビスインデニルジルコニウムジクロリドに変えた以外は実施例1と同様に共重合反応を行い、エチレン−DMON共重合体1.82gを得た。触媒活性は20.0kgポリマー/gZrであり、上記実施例に比べ、触媒活性は低いものであった。該共重合体中のDMON成分の含有量を求めるべく、オルソジクロロベンゼンへの溶解を試みたが、該共重合体は完全には溶解せず、一部膨潤するポリマーが認められた。
【0029】
比較例2
実施例1において、メタロセン化合物をイソプロピリデン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドに変えた以外は実施例1と同様に共重合反応を行い、エチレン−DMON共重合体0.33gを得た。共重合体の大部分は撹拌翼に糸状で付着していた。また触媒活性は3.7kgポリマー/gZrと極めて低いものであった。該共重合体はオルソジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼンに不溶であり、DMON含有量の測定およびGPC測定は出来なかった。
【0030】
比較例3
実施例1において、メタロセン化合物をイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドに変えた以外は実施例1と同様に共重合反応を行い、エチレン−DMON共重合体0.91gを得た。触媒活性は10.0kgポリマー/gZrであり、共重合体中DMON成分の含有量は35.2モル%であった。実施例1に比べ、DMON含有量の値は実施例1程度に高いが、触媒活性は極めて低いものであった。
【0031】
実施例3
実施例1において、環状オレフィン化合物およびその添加量をノルボルネンおよび2.8g(30mmol)に変えた以外は実施例1と同様に共重合反応を行い、エチレン−ノルボルネン共重合体3.06gを得た。触媒活性は33.6kgポリマー/gZrであり、該共重合体中ノルボルネン成分の含有量は32.4モル%と高い値を示した。また、GPC測定によるMwおよびMw/Mnはそれぞれ171,000および3.4であった。
【0032】
比較例4
実施例3において、メタロセン化合物をイソプロピリデン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドに変えた以外は実施例3と同様に共重合反応を行い、エチレン−ノルボルネン共重合体0.99gを得たが、大部分のポリマーは撹拌翼に膨潤した状態で付着していた。触媒活性は10.8kgポリマー/gZrであり、上記実施例3に比べ、触媒活性は低いものであった。該共重合体中のノルボルネン成分の含有量を求めるべく、オルソジクロロベンゼンへの溶解を試みたが、該共重合体は完全には溶解せず、一部膨潤するポリマーが認められた。従って、13C−NMRおよびGPCの測定はできなかった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、ゲル状の重合体成分や溶媒不溶性の重合体成分が生成せず、重合活性に優れるとともに、環状オレフィンの共重合効率が高く、かつ分子量分布が狭いという特性を同時に満足する触媒を使用する環状オレフィン系共重合体の製造方法が提供される。

Claims (4)

  1. エチレンと環状オレフィンとを共重合させて環状オレフィン系共重合体を製造する方法において、触媒として、メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、又は及びメチレン(3−メチルシクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのうちのいずれかのメタロセン化合物(A)と、アルミノキサン(B)と、を含む触媒を用いることを特徴とする、環状オレフ
    ィン系共重合体の製造方法。
  2. 前記環状オレフィンが、一般式[1]
    Figure 0003656991
    (式中、R1〜R12は水素原子、ハロゲン原子および炭素数1〜20の炭化水素基からなる群から選択される置換基を示すが、ただし、R5とR7はそれぞれ結合している炭素原子と一緒になって環を形成してもよく、そしてqは0以上の整数を示す。)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の環状オレフィン系共重合体の製造方法。
  3. 前記環状オレフィン系共重合体が、エチレンに由来する繰り返し単位が5〜99モル%、環状オレフィンに由来する繰り返し単位が1〜95モル%の範囲であり、かつ重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.5〜4.5であることを特徴とする請求項1または2に記載の環状オレフィン系共重合体の製造方法。
  4. 前記触媒中のメタロセン化合物(A)に対するアルミノキサン(B)の割合が、重合反応系内においてメタロセン化合物(A)1モルに対してアルミノキサン(B)中のアルミニウム原子の比が1〜107の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3に記載のいずれか1つに記載の環状オレフィン系共重合体の製造方法。
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