JPH08269120A - 新規重合触媒 - Google Patents

新規重合触媒

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Publication number
JPH08269120A
JPH08269120A JP7860595A JP7860595A JPH08269120A JP H08269120 A JPH08269120 A JP H08269120A JP 7860595 A JP7860595 A JP 7860595A JP 7860595 A JP7860595 A JP 7860595A JP H08269120 A JPH08269120 A JP H08269120A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
zirconium
catalyst
polymerization
bis
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7860595A
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English (en)
Inventor
Sadataka Kanejima
節隆 金島
Yu Hinoto
祐 日戸
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 カルバメート類縁体配位子とシクロペンタジ
エニル誘導体配位子とを持つことを特徴とする4A族遷
移金属化合物であるオレフィン重合用触媒成分。 【効果】 高いオレフィン重合活性と優れたポリオレフ
ィン性状を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なオレフィン重合
用触媒成分、及び該触媒成分を用いたオレフィンの重合
方法に関する。さらに詳しくは、特定の遷移金属化合物
である触媒成分と有機アルミニウムオキシ化合物、及び
/或いはカチオン発生剤とからなる触媒系、及びこの触
媒系を用いたオレフィンの重合方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】新しいオレフィン重合用触媒として、メ
タロセン化合物と有機アルミノ化合物であるアルミノキ
サンからなる触媒系が近年提案されている。例えば、特
開昭58−19309号公報、特開昭60−35006
号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−
35008号公報、特開昭61−130314号公報、
特開平2−41303号公報には、配位子としてシクロ
ペンタジエニル基を2分子とアルキル基又はハロゲン原
子とを有する遷移金属化合物であるメタロセン化合物
と、アルミノキサンとを組み合わせた触媒系が、α−オ
レフィンの重合において高活性であり、得られる重合体
は、分子量分布が狭く共重合体の組成分布が均一である
優れた性状を示すことが記載されている。
【0003】また、特開平3−163088号公報、特
開平5−194641号公報、特開平5−230123
号公報、特開平6−306121号公報には、シクロペ
ンタジエニル基1分子と供与性原子を有する1分子が縮
合環を形成する配位子と、アルキル基又はハロゲン原子
を有する遷移金属化合物であるメタロセン化合物と、ア
ルミノキサン又はカチオン発生剤とを組み合わせた触媒
系が、エチレン/α−オレフィンの共重合において高活
性であり、得られる共重合体の性状に優れることが記載
されている。
【0004】しかしながら、これらのメタロセン化合物
である触媒成分は、空気や水分又は重合溶液に含まれる
極性不純物等に感受性が高く、影響を受けやすい。この
ため、溶液中での保存や重合反応での使用において、触
媒寿命が低下し、結果として触媒活性や得られるポリオ
レフィンの性状に影響を与える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況に鑑みて、オレフィン重合活性や得られるポリオレ
フィンの性状に優れた新規な重合触媒を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題が解決するための手段】本発明のオレフィン重合
用触媒成分は、カルバメート類縁体配位子(X1 2
NR1 2 )を有する下記一般式[1][2][3]で
表される遷移金属化合物の何れかであることを特徴とす
る。 Cp2 M(X1 2 CNR1 2 n 2-n ・・・[1] (Cp−A−Cp)M(X1 2 CNR1 2 n 2-n ・・・[2] (Cp−A−L)M(X1 2 CNR1 2 n 2-n ・・・[3] (式[1]〜[3]中、Mはチタン、ジルコニウム、又
はハフニウムである。Cpはシクロペンタジエニル基、
又は置換シクロペンタジエニル基である。Aは共有結合
による架橋基であり、CR3 2、CR3 2CR3 2、CR3
CR3 、SiR3 2、SiR3 2SiR3 2、GeR3 2、BR
3 2から選ばれる基である。ここで、R3 は水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アリールアルキル基、又はアルケニル基である。L
はA及びMに結合する供与性配位子であり、O、O
4 、NR4 、NR4 2、S、SR4 、PR4 、PR4 2
ら選ばれる基である。ここで、R4 は水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アリールアルキル基、又はアルケニル基である。(X1
2 CNR1 2 )はカルバメート類縁体配位子を意味
し、置換基X1 及びX2 はO、S、Se、Teから選ば
れる原子で、任意に組み合わせることができる。置換基
1 及びR2 はアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アリールアルキル基、又はアルケニル基である。
Yはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
ルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、アルコ
キシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、又はホスフィノ
基である。nは1又は2である。) また、本発明のオレフィン重合触媒は、これら遷移金属
化合物と助触媒として有機アルミニウムオキシ化合物を
組み合わせて用いることを特徴とする。
【0007】さらに、本発明のオレフィン重合触媒は、
これら遷移金属化合物と助触媒としてカチオン発生剤を
組み合わせて用いることを特徴とする。以下発明を詳細
に説明する。尚、本発明において「重合」という語は、
単独重合のみならず、共重合を包含した意味で用いられ
るものであり、また「重合体」という語は単独重合体の
みならず共重合体を包含した意味で用いられる。
【0008】本発明で用いられる遷移金属化合物は、カ
ルバメート類縁体(X1 2 CNR 1 2 )を配位子と
して有する錯体であり、下記一般式[1][2][3]
の何れかで表される構造を有する。 Cp2 M(X1 2 CNR1 2 n 2-n ・・・[1] (Cp−A−Cp)M(X1 2 CNR1 2 n 2-n ・・・[2] (Cp−A−L)M(X1 2 CNR1 2 n 2-n ・・・[3] 式[1]〜[3]中のMは、中心金属を意味し、チタ
ン、ジルコニウム、又はハフニウムの何れかである4A
族遷移金属である。
【0009】式[1]〜[3]の中のCpは、シクロペ
ンタジエニル基、又は置換シクロペンタジエニル基であ
る。置換シクロペンタジエニル基は、1〜5個の置換基
(共有結合による架橋分子Aを持つ場合は4個以下)で
置換されている。該置換基としては、炭素数1〜20の
アルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素
数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアリール
アルキル基、炭素数6〜20のアリール基やアルキルア
リール基、及び炭素数1〜20のアルキルシリル基、シ
クロアルキルシリル基、アルケニルシリル基、アリール
アルキルシリル基、アルキルアリールシリル基が挙げら
れる。また、該置換シクロペンタジエニル基は、シクロ
ペンタジエニル環の2個の炭素原子が結合して4〜6の
環を形成しているシクロペンタジエニル基も包含する。
すなわち、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、
フルオレニル基である。これらは、アルキル、シクロア
ルキル、アルケニル、アリールアルキル又はアルキルア
リールなど炭素数1〜20の炭化水素基、又はこれらの
炭化水素基を有するシリル基で置換されていてもよい。
【0010】該置換シクロペンタジエニル基の具体例
は、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペン
タジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、
n−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペ
ンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、
テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシ
クロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタ
ジエニル基、フェニルジメチルシリルシクロペンタジエ
ニル基、トリフェニルシリルシクロペンタジエニル基、
ジ(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル基、シク
ロヘキシルシクロペンタジエニル基、アリルシクロペン
タジエニル基、ベンジルシクロペンタジエニル基、フェ
ニルシクロペンタジエニル基、トリルシクロペンタジエ
ニル基、インデニル基、メチルインデニル基、ジメチル
インデニル基、ナフチルインデニル基、テトラヒドロイ
ンデニル基、メチルテトラヒドロインデニル基、フルオ
レニル基、メチルフルオレニル基、ジtert−ブチル
フルオレニル基等である。
【0011】式[2][3]中のAは、共有結合による
架橋基を意味し、CR3 2、CR3 2CR3 2、CR3 =CR
3 、SiR3 2、SiR3 2SiR3 2、GeR3 2、BR3 2
ら選ばれる基である。ここで、R3 は水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アリールアルキル基又はアルケニル基である。式[3]
中のLは、A及びMに結合する供与性配位子を意味し、
O、OR4 、NR4 、NR4 2、S、SR4 、PR4 、P
4 2から選ばれる基である。ここで、R4 は水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アリールアルキル基、又はアルケニル基である。
【0012】式[1]〜[3]中の(X1 2 CNR1
2 )は、カルバメート類縁体配位子を意味する。本発
明の遷移金属化合物は該配位子を1個叉は2個有する。
1及びX2 はO、S、Se、Teから選ばれる原子で
あり、これらの原子の組み合わせによって形成される配
位子群がカルバメート類縁体配位子に包含される。すな
わち、具体的には、カルバメート基(X1 2 =O
O)、モノチオカルバメート基(X1 2 =OS)、ジ
チオカルバメート基(X1 2 =SS)、モノセレノカ
ルバメート基(X1 2 =OSe)、チオセレノカルバ
メート基(X1 2=SSe)、ジセレノカルバメート
基(X1 2 =SeSe)、モノテルルカルバメート基
(X1 2 =OTe)、チオテルルカルバメート基(X
1 2 =STe)、セレノテルルカルバメート基(X1
2 =SeTe)、ジテルルカルバメート基(X1 2
=TeTe)等である。これら全てのカルバメート類縁
体配位子が本発明に包含されるが、好ましいのはカルバ
メート基、モノチオカルバメート基、ジチオカルバメー
ト基である。
【0013】また、R1 及びR2 は、アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又は
アルケニル基を表す。例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の各種
構造異性基をもつ炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
ペンチル基やシクロヘキシル基等の炭素数5〜20のシ
クロアルキル基、フェニル基やトリル基やメトキシフェ
ニル基等の炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基や
ネオフィル基等の炭素数7〜20のアリールアルキル
基、炭素数2〜20のアルケニル基などが挙げられる。
これらは、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0014】式[1]〜[3]中のYは、ハロゲン原
子、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アリ
ールアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、チオア
ルコキシ基、アミノ基、又はホスフィノ基を表す。例え
ば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t
−ブチル基等の各種構造異性基をもつ炭素数1〜20の
アルキル基、シクロペンチル基やシクロヘキシル基等の
炭素数5〜20のシクロアルキル基、フェニル基やトリ
ル基やメトキシフェニル基等の炭素数6〜20のアリー
ル基、ベンジル基やネオフィル基等の炭素数7〜20の
アリールアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、
メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、フェノキシ
基等の炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20
の炭化水素基で置換されたチオアルコキシ基、炭素数1
〜20の炭化水素基で置換されたアミノ基、炭素数1〜
20の炭化水素基で置換されたホスフィノ基等が挙げら
れる。
【0015】式[1]〜[3]中のnは、1又は2であ
る。以上のような一般式[1]〜[3]で表される遷移
金属化合物として、具体的に次のような化合物が挙げら
れる。但し、これらの例によって限定されるものではな
い。一般式[1]で表される遷移金属化合物としては、
例えば、ビス(シクロペンタジエニル)クロロ(ジメチ
ルカルバメート)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジ
エニル)クロロ(ジメチルモノチオカルバメート)ジル
コニウム、ビス(シクロペンタジエニル)クロロ(ジメ
チルジチオカルバメート)ジルコニウム、ビス(シクロ
ペンタジエニル)クロロ(ジエチルジチオカルバメー
ト)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)メチ
ル(ジメチルカルバメート)ジルコニウム、ビス(シク
ロペンタジエニル)フェニル(ジチオカルバメート)ジ
ルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジル
(ジメチルジチオカルバメート)ジルコニウム、ビス
(シクロペンタジエニル)メトキシ(ジエチルジチオカ
ルバメート)ジルコニウム、ビス(メチルシクロペンタ
ジエニル)クロロ(ジメチルカルバメート)ジルコニウ
ム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ベンジル(ジ
エチルジチオカルバメート)ジルコニウム、ビス(エチ
ルシクロペンタジエニル)クロロ(ジイソプロピルジチ
オカルバメート)ジルコニウム、ビス(エチルシクロペ
ンタジエニル)メチル(ジn−ブチルモノチオカルバメ
ート)ジルコニウム、ビス(イソプロピルシクロペンタ
ジエニル)ベンジル(ジエチルジチオカルバメート)ジ
ルコニウム、ビス(イソプロピルシクロペンタジエニ
ル)クロロ(メチルエチルカルバメート)ジルコニウ
ム、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)クロロ
(ジメチルジチオカルバメート)ジルコニウム、ビス
(n−ブチルシクロペンタジエニル)エチル(エチルシ
クロヘキシルジチオカルバメート)ジルコニウム、ビス
(n−ブチルシクロペンタジエニル)ベンジル(ジフェ
ニルモノチオカルバメート)ジルコニウム、ビス(1,
3−ジメチルシクロペンタジエニル)クロロ(フェニル
トリルジチオカルバメート)ジルコニウム、ビス(1,
3−ジメチルシクロペンタジエニル)クロロ(ジベンジ
ルモノチオカルバメート)ジルコニウム、ビス(1,
2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)クロロ(ジ
メチルジチオカルバメート)ジルコニウム、ビス(1,
2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)クロロ(ジ
アリルジチオカルバメート)ジルコニウム、ビス(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)クロロ(ジメチルジチ
オカルバメート)ジルコニウム、ビス(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)ベンジル(メチルエチルジチオカ
ルバメート)ジルコニウム、ビス(インデニル)クロロ
(ジメチルカルバメート)ジルコニウム、ビス(インデ
ニル)クロロ(エチルシクロヘキシルジチオカルバメー
ト)ジルコニウム、ビス(テトラヒドロインデニル)メ
チル(ジメチルジチオカルバメート)ジルコニウム、ビ
ス(テトラヒドロインデニル)クロロ(メチルフェニル
ジチオカルバメート)ジルコニウム、ビス(フルオレニ
ル)クロロ(ジメチルジチオカルバメート)ジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)クロロ(ジメチルジ
セレカルバメート)ジルコニウム、ビス(シクロペンタ
ジエニル)クロロ(ジメチルモノセレカルバメート)ジ
ルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)クロロ(ジ
メチルチオセレカルバメート)ジルコニウム、ビス(シ
クロペンタジエニル)クロロ(ジメチルジテルルカルバ
メート)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)
クロロ(ジメチルモノテルルカルバメート)ジルコニウ
ム、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)クロロ
(ジメチルチオテルルカルバメート)ジルコニウム、ビ
ス(n−ブチルシクロペンタジエニル)クロロ(ジメチ
ルセレテルルカルバメート)ジルコニウム等が挙げられ
る。また、これらの遷移金属化合物中のジルコニウム
を、チタン又はハフニウムに置換した化合物でも構わな
い。
【0016】一般式[2]で表される遷移金属化合物と
しては、例えば、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル)メチル(ジメチルカルバメート)ジルコニウ
ム、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ク
ロロ(ジメチルジチオカルバメート)ジルコニウム、ジ
メチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペ
ンタジエニル)クロロ(ジエチルジチオカルバメート)
ジルコニウム、エチレンビス(インデニル)クロロ(ジ
メチルカルバメート)ジルコニウム、エチレンビス(イ
ンデニル)ベンジル(ジメチルジチオカルバメート)ジ
ルコニウム、ジメチルシリレンビス(インデニル)クロ
ロ(ジエチルジチオカルバメート)ジルコニウム、エチ
レンビス(テトラヒドロインデニル)クロロ(ジエチル
モノチオカルバメート)ジルコニウム、エチレンビス
(テトラヒドロインデニル)ベンジル(ジメチルジチオ
カルバメート)ジルコニウム、イソプロピリデン[(シ
クロペンタジエニル)(9−フルオレニル)]ベンジル
(ジエチルモノチオカルバメート)ジルコニウム、イソ
プロピリデン[(シクロペンタジエニル)(9−フルオ
レニル)]クロロ(ジエチルジチオカルバメート)ジル
コニウム、メチルフェニルメチレン[(シクロペンタジ
エニル)(9−フルオレニル)]クロロ(ジメチルカル
バメート)ジルコニウム、ジフェニルメチレン[(シク
ロペンタジエニル)(9−フルオレニル)]クロロ(ジ
エチルジチオカルバメート)ジルコニウム等が挙げられ
る。また、これらの遷移金属化合物中のジルコニウム
を、チタン又はハフニウムに置換した化合物でも構わな
い。
【0017】一般式[3]で表される遷移金属化合物と
しては、例えば、エチレン[(tert−ブチルアミ
ド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]メチル
(ジメチルカルバメート)ジルコニウム、エチレン
[(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)]クロロ(ジメチルモノチオカルバメー
ト)ジルコニウム、ジメチルシリレン[(tert−ブ
チルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]
クロロ(ジメチルジチオカルバメート)ジルコニウム、
ジメチルシリレン[(tert−ブチルアミド)(テト
ラメチルシクロペンタジエニル)]クロロ(ジエチルジ
チオカルバメート)ジルコニウム、ジメチルシリレン
[(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)]メチル(ジメチルカルバメート)ジル
コニウム、ジメチルシリレン[(tert−ブチルアミ
ド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]ベンジル
(ジメチルジチオカルバメート)ジルコニウム、ジメチ
ルシリレン[(メチルアミド)(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)]クロロ(エチルシクロヘキシルジチオ
カルバメート)ジルコニウム、ジメチルシリレン[(メ
チルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]
クロロ(ジベンジルモノチオカルバメート)ジルコニウ
ム、ジメチルシリレン[(tert−ブチルアミド)
(テトラメチルシクロペンタジエニル)]ビス(ジメチ
ルカルバメート)ジルコニウム、ジメチルシリレン
[(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)]ビス(ジエチルモノチオカルバメー
ト)ジルコニウム、ジメチルシリレン[(tert−ブ
チルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]
ビス(ジメチルジチオカルバメート)ジルコニウム等が
挙げられる。また、これらの遷移金属化合物中のジルコ
ニウムを、チタン又はハフニウムに置換した化合物でも
構わない。
【0018】本発明に係る遷移金属化合物はいくつかの
方法によって合成できる。代表的には、下記一般式
[4][5][6]で表されるそれぞれの化合物と、下
記一般式[7]で表される化合物とから、それぞれ下記
反応式[8][9][10]に従って製造する方法が挙
げられる。 Cp2 MY2 ・・・[4] (Cp−A−Cp)MY2 ・・・[5] (Cp−A−L)MY2 ・・・[6] (式[4]〜[6]中、M、Cp、A、L、及びYは、
一般式[1]〜[3]と同じ意味である。) Z(X1 2 CNR1 2 ) ・・・[7] (式中、X1 、X2 、R1 、及びR2 は、一般式[1]
〜[3]と同じ意味である。ZはLi、Na、K等のア
ルカリ金属、又はAgである。)
【0019】
【化1】
【0020】これらの反応において、化合物[7]は、
化合物[4][5][6]に対してn=1の場合は当量
モル、n=2の場合は2倍モルの量でそれぞれ使用され
る。反応温度は−20〜180℃、好ましくは0〜10
0℃、反応時間は0.5〜50時間、好ましくは1〜3
0時間であることが望ましい。反応に用いられる溶媒と
しては、ヘキサン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、四塩化炭
素、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水
素等が用いられる。これらの中ではハロゲン化炭化水素
が好ましい。このような反応溶媒は、化合物[4]
[5][6]に対して、通常10〜500倍量の量で用
いられる。
【0021】上記のような製法により、所望する遷移金
属化合物を収率よく合成することができる。尚、このよ
うにして合成した遷移金属化合物は、反応液を濾過して
得られた濾液を減圧下で濃縮して単離した後、再結晶す
ることにより精製することができる。この反応例につい
ては、例えば、Inorganica Chimica
Acta,26,197−200(1978)に知ら
れている。
【0022】本発明の遷移金属化合物をオレフィン重合
用触媒として効果的にすることができる助触媒は、有機
アルミニウムオキシ化合物又はカチオン発生剤であり、
当分野で従来公知の化合物を用いることができる。有機
アルミニウムオキシ化合物とカチオン発生剤は、助触媒
として単独に使用してもよいし、両化合物を組み合わせ
て使用しても構わない。
【0023】有機アルミニウムオキシ化合物は、一般式
[11]で表される鎖状アルミノキサン又は一般式[1
2]で表される環状アルミノキサンである。
【0024】
【化2】
【0025】(式[11]、[12]中、Rは炭素数1
〜20のアルキル基、ハロゲン基を表す。繰り返し数n
は1≦n≦50の範囲である。) 式中のRの例としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、s−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。これらは、2
種以上の混合物であってもかまわない。なかでも特に、
メチル基又はイソブチル基を含有するアルミノキサンが
好ましい。また繰り返し数nは、5≦n≦40が好まし
い。
【0026】このアルミノキサンは公知の方法で合成で
きる。例えば、炭化水素溶媒にトリアルキルアルミニウ
ムを溶解させ、この溶液に水を徐々に加えて加水分解す
る方法、炭化水素溶媒に硫酸銅水和物や硫酸アルミ水和
物を懸濁させ、この懸濁液中にトリアルキルアルミニウ
ムを添加してトリアルキルアルミニウムを徐々に加水分
解する方法、あるいは炭化水素溶媒に懸濁した未脱水シ
リカゲルの吸着水にトリアルキルアルミニウムを接触さ
せ、トリアルキルアルミニウムを徐々に加水分解する方
法等が挙げられる。
【0027】またカチオン発生剤は、中性タイプとイオ
ン対タイプの化合物がある。中性タイプ化合物として
は、下記一般式[13]で表される有機ホウ素化合物が
好ましい。 BR3 …[13] 式[13]中、Rは炭素数1〜20のアルキル基又は炭
素数6〜20のアリール基を示す。また、各置換基はハ
ロゲンで置換されていてもよい。これらの基の中で好ま
しいのは、フッ素原子置換アリール基である。尚、3個
のR3 は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0028】この有機ホウ素化合物の具体例としては、
トリメチルボラン、トリエチルボラン、トリス(トリフ
ルオロメチル)ボラン、トリフェニルボラン、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,
4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス
(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス
(2,3−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(2−
フルオロフェニル)ボラン、トリス〔(3,5−ジ(ト
リフルオロメチル)フェニル〕ボラン、トリス〔(4−
(トリフルオロメチル)フェニル〕ボラン、ジフェニル
フルオロボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)クロ
ロボランなどが挙げられる。なかでも、特にトリス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボランが好ましい。
【0029】また、イオン対タイプ化合物としては、下
記一般式[14]で表される有機ホウ素化合物が好まし
い。 [On]+ [BR4 - …[14] 式[14]中、[On]+ は1B族、2B族、又は8族
金属イオン等の金属陽イオン、又はカルボニウム、シロ
ニウム、オキソニウム、スルホニウム、アンモニウム、
及びホスホニウム等のオニウムである。[BR4 -
非配位性又は配位性に乏しいボレートアニオンである。
Rは前記一般式[13]と同じ意味である。
【0030】式[14]の好ましい具体例としては、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩が挙げ
られる。例えば、フェロセニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、テトラフェニルポルフィリ
ンマンガンテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、銅テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、、水銀ビス(テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート、パラジウムビス(テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、白金ビス(テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニ
ルヒドロカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルシ
ロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、トリシクロヘキシルカルボニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、トリエチルオキソニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ト
リエチルスルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレート、ジエチルアニリニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアン
モニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ピ
リジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート等がある。
【0031】本発明の実施に際し、触媒の安定化の目
的、助触媒有機アルミニウムオキシ化合物及び/或いは
カチオン発生剤の安定化や使用量の低減等の目的のため
に、さらに助触媒として一般式[15]で示されるアル
キルアルミニウムを用いても構わない。 (R3 Al)n …[15] 式[15]中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1
〜20のアルキル基を表す。nは1又は2である。Rの
具体例としては、水素原子、塩素原子、臭素原子、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。これら
は、2種以上混合して用いても構わない。
【0032】本発明では、オレフィン重合を実施するに
当たって、触媒成分である本発明の遷移金属化合物と、
助触媒である有機アルミニウムオキシ化合物及び/或い
はカチオン発生剤さらにはアルキルアルミニウムとを、
不活性炭化水素溶媒中又は重合に供するオレフィン媒体
中に添加して溶解することにより調製することができ
る。この際の添加順序は任意に選ばれ、本発明の遷移金
属化合物と助触媒とを重合前に前もって混合して用いて
もよいし、重合反応系に独立に添加して用いてもよい。
尚、本発明では、前記の各成分以外にもオレフィン重合
に有効な他の成分を含んでも構わない。さらに、ポリマ
ー性状改善のためマルチモーダル重合等を行う場合に
は、本発明の遷移金属化合物を2種以上組み合わせて用
いることや、当分野で公知の他の触媒成分と組み合わせ
て用いることができる。
【0033】また、本発明では、該遷移金属化合物、有
機アルミニウムオキシ化合物、カチオン発生剤を、シリ
カ、アルミナ、シリカアルミナあるいはジルコニア等の
担体に担持して用いることもできる。この方法は、気相
重合や懸濁重合の場合に生成ポリマーの性状を改善する
等のため有効である。オレフィン重合に用いられる本発
明の遷移金属化合物は、該遷移金属原子当たり通常10
-8〜10-1モル/リットル、好ましくは10-7〜10-3
モル/リットルの範囲の触媒濃度で用いられる。一方、
助触媒として前記有機アルミニウムオキシ化合物を用い
る場合は、該遷移金属化合物に対して、アルミニウム原
子/遷移金属原子比が通常1〜105 、好ましくは10
〜5×103 の範囲で用いられる。また、助触媒として
前記カチオン発生剤を用いる場合は、該遷移金属化合物
に対して、カチオン発生剤/遷移金属化合物モル比が通
常0.5〜10、好ましくは1〜3の範囲で用いられ
る。さらに前記アルキルアルミニウムを用いる場合は、
該遷移金属化合物に対して、アルミニウム原子/遷移金
属原子比が通常1〜104 、好ましくは10〜103
範囲で用いられる。
【0034】本発明では、重合法に特に制限はなく、溶
液重合、懸濁重合、気相重合のいずれの重合法において
も実施することができる。また、本発明では、オレフィ
ン重合に際してオレフィン重合用触媒に対してオレフィ
ンを予備重合させてもよい。予備重合を施す場合、オレ
フィン重合体は、オレフィン重合用触媒1g当たり0.
5〜500g、好ましくは1〜100gの量で予備重合
することが望ましい。
【0035】溶液重合や懸濁重合を実施する場合は、不
活性炭化水素溶媒や重合に供するオレフィン自身を溶媒
として用いる。不活性炭化水素溶媒として、具体的に
は、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等
の脂肪族系炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペ
ンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系
炭化水素、ナフサ、灯油、軽油等の石油留分等が挙げら
れる。
【0036】本発明において、溶液重合を実施する際に
は、重合温度は通常0〜300℃、好ましくは100〜
250℃の範囲であることが望ましい。懸濁重合を実施
する際には、重合温度は通常−20〜100℃、好まし
くは20〜90℃の範囲であることが望ましい。また、
気相重合を実施する際には、重合温度は通常0〜120
℃、好ましくは20〜100℃の範囲であることが望ま
しい。
【0037】重合圧力は、通常、常圧〜300kg/c
2 、好ましくは常圧〜100kg/cm2 の条件下で
ある。重合は、回分式、反連続式、連続式のいずれの方
式においても行うことができる。さらに重合を反応条件
の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。得ら
れるオレフィン重合体の分子量は、重合反応系に水素を
存在させるか、あるいは重合温度を変化させることによ
って調節することができる。
【0038】本発明に係るオレフィン重合方法により重
合することができるオレフィンとしては、エチレン及び
炭素数3〜20のオレフィン、例えばプロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1
−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデ
セン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイ
コセン、炭素数3〜20の環状オレフィン、例えばシク
ロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチ
ル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メ
チル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等を挙げる
ことができる。また、スチレン、ビニルシクロヘキセ
ン、ジエン等を用いることもできる。炭素数3〜20の
オレフィンを用いて重合を行う場合、適切な該遷移金属
化合物を触媒成分として採用することによって、アイソ
タクチック、シンジオタクチック、ヘミアイソタクチッ
ク、ヘミシンジオタクチック等の立体規則性を持ったポ
リマーを製造することができる。さらに、エチレン/プ
ロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキ
セン、エチレン/1−オクテン、エチレン/スチレン、
エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン等、オ
レフィンを2成分以上組み合わせて共重合を行い組成分
布が均一なポリマーや低密度のポリマーを製造すること
ができる。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明について詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。本発明の遷移金属化合物の製造に際して、
原料のカルバミン酸塩は、市販品もしくは文献(Ino
rganic Chemistry,22,14,20
00−2006(1983)、Inorganic C
hemistry,17,8,2114−2120(1
978)等)に基づいて合成したものを、乾燥剤として
五酸化燐を用いて、減圧下乾燥した後使用した。原料の
メタロセン遷移金属化合物は、市販品もしくは当分野で
公知の方法によって合成したものを使用した。原料化合
物及び生成化合物は、元素分析及びH−NMR、C−N
MRによって同定した。
【0040】実施例中の触媒活性は、触媒金属1グラム
当たりのポリマー生成キログラム量で表す。ポリマーの
分子量、及び分子量分布はウォーターズ社製150CV
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて示差
屈折率より求めた。
【0041】
【実施例1】 [ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)クロロ(ジ
メチルジチオカルバメート)ジルコニウム(IV)(触
媒1)の合成] 十分に窒素置換した内容積100mlのガラス製反応器
中で、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロ
ロジルコニウム2.0gと、ジメチルジチオカルバミン
酸ナトリウム0.75gの混合物に、塩化メチレン50
mlを添加し、還流下16時間撹拌した。得られた反応
液をろ過後、ろ液を留去して白色の固体を得た。この固
体を塩化メチレンに再溶解して再結晶した後、減圧乾燥
し白色結晶であるビス(n−ブチルシクロペンタジエニ
ル)クロロ(ジメチルジチオカルバメート)ジルコニウ
ム(IV)《(n−BuCp)2 Zr(S2 CNM
2 )Cl》を1.8g得た(収率75%)。 [重合反応]内部を真空脱気し窒素置換した1.6リッ
トルのオートクレーブに、触媒1を0.3μmol含ん
だトルエン溶液3mlと、東ソーアクゾ社製のメチルア
ルミノキサンPMAOのトルエン溶液(アルミニウム換
算で0.5mol/l)0.24ml(アルミニウム量
が0.12mmol)とを、脱水脱酸素したトルエン
0.6リットルとともに入れた。オートクレーブの内温
を70℃に保ち、エチレンガスを7kg/cm2 G加え
た。エチレンを補給し全圧を保ちつつ1時間重合した。
46.0gのポリマーが得られた。触媒活性は1680
Kg/gZr、分子量Mwは485,000、分子量分
布Mw/Mnは2.37であった。
【0042】
【実施例2】実施例1の触媒1のトルエン溶液(0.1
μmol/ml)を3週間保存した後、実施例1と同じ
方法により重合反応を行ったところ、45.2gのポリ
マーが得られた。触媒活性は1650Kg/gZr、分
子量Mwは488,000、分子量分布Mw/Mnは
2.38であった。
【0043】
【比較例1〜2】比較例1は、実施例1の触媒1の合成
に用いたメタロセン原料であるビス(n−ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジクロロジルコニウムを触媒に用い、
比較例2は、実施例2と同様にビス(n−ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジクロロジルコニウムのトルエン溶液
(0.1μmol/ml)を3週間保存したものを触媒
に用い、それぞれ実施例1と同様に重合反応を実施し
た。
【0044】比較例1の結果は、得られたポリマー量が
30.5g(触媒活性1110Kg/gZr)、分子量
Mwが484,000、分子量分布Mw/Mnが2.4
0であった。比較例2の結果は、得られたポリマー量が
22.0g(触媒活性800Kg/gZr)、分子量M
wが562,000、分子量分布Mw/Mnが2.55
であった。
【0045】実施例1、2と比較例1、2の比較より、
本発明による遷移金属化合物を触媒成分に用いた場合の
触媒活性の高さと触媒被毒に対する抵抗性が明らかであ
る。
【0046】
【実施例3】 [ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)クロ
ロ(ジエチルジチオカルバメート)ジルコニウム(I
V)(触媒2)の合成] 十分に窒素置換した内容積100mlのガラス製反応器
中で、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)
ジクロロジルコニウム2.0gとジエチルジチオカルバ
ミン酸ナトリウム1.0gの混合物に塩化メチレン50
mlを添加し、還流下20時間撹拌した。得られた反応
液をろ過後、ろ液を留去して白色の固体を得た。この固
体を塩化メチレンに再溶解して再結晶した後、減圧乾燥
し白色結晶であるビス(1,3−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)クロロ(ジエチルジチオカルバメート)ジル
コニウム(IV)《(1,3−Me2 Cp)2 Zr(S
2CNEt2 )Cl》1.9gを得た(収率73%)。 [重合反応]触媒2を用いて、実施例1と同様に重合を
行ったところ、14.3gのポリマーが得られた。触媒
活性は520Kg/gZr、分子量Mwは1,355,
000、分子量分布Mw/Mnは2.62であった。
【0047】
【比較例3】実施例3の触媒2の合成に用いたメタロセ
ン原料であるビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジクロロジルコニウムを触媒に用い、実施例1と
同様に重合反応を実施した。得られたポリマー量は1
0.2g(触媒活性370Kg/gZr)、分子量Mw
が1,564,000、分子量分布Mw/Mnが2.7
1であった。
【0048】
【実施例4】 [エチレンビス(インデニル)クロロ(ジメチルモノチ
オカルバメート)ジルコニウム(IV)(触媒3)の合
成] 十分に窒素置換した内容積100mlのガラス製反応器
中で、エチレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウ
ム2.0gと、ジメチルモノチオカルバミン酸ナトリウ
ム0.55gの混合物に、塩化メチレン50mlを添加
し、還流下20時間撹拌した。得られた反応液をろ過
後、ろ液を留去して白色の固体を得た。この固体を塩化
メチレンに再溶解して再結晶した後、減圧乾燥し白色結
晶であるエチレンビス(インデニル)クロロ(ジメチル
モノチオカルバメート)ジルコニウム(IV)《Et
(Ind)2 Zr(OSCNMe2 )Cl》1.6gを
得た(収率71%)。 [重合反応]重合反応に用いた助触媒を次のように調製
した。窒素気流下300℃で4時間焼成したシリカ(富
士シリシア化学製、平均細孔径150A)2gを200
mlのガラス製反応容器に仕込み、トルエン60mlを
加えて懸濁させた。これに東ソーアクゾ社製のメチルア
ルミノキサンMMAOのトルエン溶液(アルミニウム換
算で0.5mol/l)40ml(アルミニウム量換算
20mmol)を加え、室温で1時間撹拌後、3時間還
流した。得られた懸濁液を静置し上澄み液をデカンテー
ションにより取り除き、固体部分をトルエンで3回洗浄
後、最終的に100mlのトルエン懸濁液を得た。
【0049】内部を真空脱気し窒素置換した1.6リッ
トルのオートクレーブに、触媒3を0.3μmol含ん
だトルエン溶液3mlと、上記で調製した助触媒含有ト
ルエン懸濁液0.3ml(アルミニウム量換算0.06
mmol)とを、脱水脱酸素したヘキサン0.6リット
ルとともに入れた。オートクレーブの内温を70℃に保
ち、エチレンガスを7kg/cm2 G加えた。エチレン
を補給し全圧を保ちつつ1時間重合した。ポリマー4
8.0gが得られた。触媒活性は1750Kg/gZ
r、分子量Mwは678,000、分子量分布Mw/M
nは2.29であった。
【0050】
【比較例4】実施例4の触媒3の合成に用いたメタロセ
ン原料であるエチレンビス(インデニル)ジクロロジル
コニウムを触媒に用い、実施例4と同様に重合反応を実
施した。結果は、得られたポリマー量が35.8g(触
媒活性1310Kg/gZr)、分子量Mwが691,
000、分子量分布Mw/Mnが2.43であった。
【0051】
【実施例5】 [ジメチルシリレンビス(1,3−ジメチルシクロペン
タジエニル)ベンジル(ジエチルモノチオカルバメー
ト)ジルコニウム(IV)(触媒4)の合成] 十分に窒素置換した内容積100mlのガラス製反応器
中で、ジメチルシリレンビス(1,3−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム2.0gと、
ジエチルモノチオカルバミン酸ナトリウム0.6gの混
合物に、塩化メチレン50mlを添加し、還流下18時
間撹拌した。得られた反応液をろ過後、ろ液を留去して
白色の固体を得た。この固体を塩化メチレンに再溶解し
て再結晶した後、減圧乾燥し白色結晶であるジメチルシ
リレンビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)
ベンジル(ジエチルモノチオカルバメート)ジルコニウ
ム(IV)《Me2 Si(Me2 Cp)2 Zr(OSC
NEt2 )(CH2 6 5 )》1.4gを得た(収率
65%)。 [重合反応]触媒4を1μmol含む10mlトルエン
溶液と、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレートを1μmol含んだ10m
lトルエン溶液とを、室温で10分間混合してトルエン
溶液20mlを得た。
【0052】内部を真空脱気し窒素置換した1.6リッ
トルのオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム
15μmolを含んだトルエン溶液10mlを、脱水脱
酸素したトルエン0.4リットルとともに入れた。その
後、上記触媒を含んだトルエン溶液0.6mlを脱水脱
酸素したトルエン0.2リットルとともに加えた。オー
トクレーブの内温を70℃に保ち、エチレンガスを7k
g/cm2 G加えた。エチレンを補給し全圧を保ちつつ
1時間重合した。18.6gのポリマーが得られた。触
媒活性は680Kg/gZr、分子量Mwは786,0
00、分子量分布Mw/Mnは2.88であった。
【0053】
【比較例5】実施例5の触媒4の合成に用いたメタロセ
ン原料であるジメチルシリレンビス(1,3−ジメチル
シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウムを触媒
に用い、実施例5と同様に重合反応を実施した。得られ
たポリマー量は14.1g(触媒活性520Kg/gZ
r)、分子量Mwが731,000、分子量分布Mw/
Mnが2.58であった。
【0054】
【実施例6】 [ジメチルシリレン[(tert−ブチルアミド)(テ
トラメチルシクロペンタジエニル)]クロロ(ジイソプ
ロピルジチオカルバメート)チタン(IV)(触媒5)
の合成] 十分に窒素置換した内容積100mlのガラス製反応器
中で、ジメチルシリレン[(tert−ブチルアミド)
(テトラメチルシクロペンタジエニル)]ジクロロチタ
ン2.0gと、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナト
リウム1.1gの混合物に、塩化メチレン50mlを添
加し、還流下14時間撹拌した。得られた反応液をろ過
後、ろ液を留去して白色の固体を得た。この固体を塩化
メチレンに再溶解して再結晶した後、減圧乾燥して白色
結晶であるジメチルシリレン[(tert−ブチルアミ
ド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]クロロ
(ジイソプロピルジチオカルバメート)チタン(IV)
《Me2 Si(Me4 Cp)(tert−BuN)Ti
(S2 CNPr2 )Cl》1.7gを得た(収率62
%)。 [重合反応]内部を真空脱気し窒素置換した1.6リッ
トルのオートクレーブに、触媒5を1μmol含んだト
ルエン溶液5mlと、東ソーアクゾ社製のメチルアルミ
ノキサンPMAOのトルエン溶液(アルミニウム換算で
0.5mol/l)1ml(アルミニウム量が0.5m
mol)とを、脱水脱酸素したトルエン0.4リットル
とともに入れた。さらに、オクテン−1を0.2リット
ル加え、オートクレーブの内温を135℃で、エチレン
ガスを30kg/cm2 G加えた。エチレンを補給し全
圧を保ちつつ20分間重合した。96.6gのポリマー
が得られた。触媒活性は2020Kg/gTi、分子量
Mwは436,000、分子量分布Mw/Mnは3.8
3であった。また、密度は0.911g/cm3 で、G
PC−FTIRによりエチレンとオクテン−1とは均一
に共重合していることが測定できた。
【0055】
【比較例6】実施例6の触媒5の合成に用いたメタロセ
ン原料であるジメチルシリレン[(tert−ブチルア
ミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]ジクロ
ロチタンを触媒に用い、実施例6と同様に重合反応を実
施した。得られたポリマー量は71.3g(触媒活性1
490Kg/gTi)、分子量Mwが441,000、
分子量分布Mw/Mnが3.92、密度が0.915g
/cm3 であった。
【0056】
【発明の効果】本発明のオレフィン重合用触媒成分は優
れた重合活性を特徴とし、これを用いて重合を行うこと
により、分子量分布が狭く、組成分布が均一なオレフィ
ン重合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における触媒の調製工程を示すフローチ
ャート図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1][2][3]で表され
    る遷移金属化合物の何れかであることを特徴とするオレ
    フィン重合用触媒成分。 Cp2 M(X1 2 CNR1 2 n 2-n ・・・[1] (Cp−A−Cp)M(X1 2 CNR1 2 n 2-n ・・・[2] (Cp−A−L)M(X1 2 CNR1 2 n 2-n ・・・[3] (式[1]〜[3]中、Mはチタン、ジルコニウム、又
    はハフニウムである。Cpはシクロペンタジエニル基、
    又は置換シクロペンタジエニル基である。Aは共有結合
    による架橋基であり、CR3 2、CR3 2CR3 2、CR3
    CR3 、SiR3 2、SiR3 2SiR3 2、GeR3 2、BR
    3 2から選ばれる基である。ここで、R3 は水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
    基、アリールアルキル基、又はアルケニル基である。L
    はA及びMに結合する供与性配位子であり、O、O
    4 、NR4 、NR4 2、S、SR4 、PR4 、PR4 2
    ら選ばれる基である。ここで、R4 は水素原子、ハロゲ
    ン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
    アリールアルキル基、又はアルケニル基である。(X1
    2 CNR1 2 )はカルバメート類縁体配位子を意味
    し、置換基X1 及びX2 はO、S、Se、Teから選ば
    れる原子で、任意に組み合わせることができる。置換基
    1 及びR2 はアルキル基、シクロアルキル基、アリー
    ル基、アリールアルキル基、又はアルケニル基である。
    Yはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、アルコ
    キシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、又はホスフィノ
    基である。nは1又は2である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遷移金属化合物と有機ア
    ルミニウムオキシ化合物とからなることを特徴とするオ
    レフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の遷移金属化合物とカチオ
    ン発生剤とからなることを特徴とするオレフィン重合用
    触媒。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08301916A (ja) * 1995-04-28 1996-11-19 Idemitsu Petrochem Co Ltd 重合用均一系触媒の保存方法
JP2003089705A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Asahi Kasei Corp 環状オレフィン系共重合触媒および共重合体の製造方法

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