JPH08295704A - オレフィン重合用触媒 - Google Patents

オレフィン重合用触媒

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JPH08295704A
JPH08295704A JP12044695A JP12044695A JPH08295704A JP H08295704 A JPH08295704 A JP H08295704A JP 12044695 A JP12044695 A JP 12044695A JP 12044695 A JP12044695 A JP 12044695A JP H08295704 A JPH08295704 A JP H08295704A
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JP
Japan
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group
zirconium
catalyst
transition metal
polymerization
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Withdrawn
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JP12044695A
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English (en)
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Fushitaka Kanejima
節隆 金島
Yu Hinoto
祐 日戸
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式[1][2][3]で表される遷
移金属化合物のいずれかであるオレフィン重合用触媒成
分。 Cp2 M(SSCXR1 n 2-n ・・・
[1] (CpーAーCp)M(SSCXR1 n 2-n ・・・
[2] (Cp−A−L)M(SSCXR1 n 2-n ・・・
[3] (式中、MはTi,ZrまたはHfであり、Cpは(置
換)シクロペンタジエニル基であり、(SSCXR1
はジチオカルボナト誘導体配位子である。) 【効果】 優れた重合活性を有し、経時変化に対し安定
なオレフィン重合用触媒成分を提供し、これを用いて重
合を行うことにより分子量分布が狭く、組成分布が均一
であるオレフィン重合体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なオレフィン重合
用触媒成分および該触媒成分を用いたオレフィンの重合
方法に関するものである。さらに詳しくは、特定の遷移
金属化合物である触媒成分と有機アルミニウムオキシ化
合物および/或いはカチオン発生剤である助触媒成分と
からなる触媒系、およびこの触媒系を用いてオレフィン
の単独重合体や共重合体を効率よく製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】可溶性オレフィン重合用触媒成分として
メタロセン化合物を用いた触媒系が近年提案されてい
る。例えば、特開昭58−19309号公報、特開昭6
0−35007号公報、特開昭61−130314号公
報、特開平1ー501950号公報、特開平1ー301
704号公報、特開平2−41303号公報等には、シ
クロペンタジエニル骨格から成る基2分子とアルキル基
またはハロゲン原子とを配位子として持つメタロセン化
合物と、アルミノキサンまたはカチオン発生剤とを組み
合わせた触媒系がα−オレフィンの重合において高活性
であり、得られる重合体について分子量分布が狭いこ
と、立体規則性を示すこと、共重合体の組成分布が均一
であること等の優れた性状を示すことが開示されてい
る。
【0003】また、特開平3−163088号公報、特
開平5−194641号公報、特開平5−230123
号公報、特開平6−306121号公報には、シクロペ
ンタジエニル基1分子と供与性原子を有する1分子が縮
合環を形成する配位子と、アルキル基またはハロゲン原
子を有する遷移金属化合物であるメタロセン化合物と、
アルミノキサンまたはカチオン発生剤とを組み合わせた
触媒系が、エチレン/α−オレフィンの共重合において
高活性であり、得られる共重合体の性状に優れることが
開示されている。
【0004】しかしながら、これらのメタロセン化合物
からなる触媒成分は、空気や水分または重合溶液に含ま
れる極性不純物等に感受性が高く、被毒され易い。この
ため、溶液中での保存や重合反応での使用において触媒
寿命が低下し、結果として触媒活性が充分に発揮できな
い等の問題を生じる。さらに、得られる重合体の性状に
影響が及ぶことも起こる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況に鑑みて、オレフィン重合活性が高く、得られる重
合体の性状に優れる新規な重合触媒を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題が解決するための手段】本発明のオレフィン重合
用触媒成分は、ジチオカルボナト誘導体配位子(SSC
XR1 )を有する下記一般式[1][2][3]で表さ
れる遷移金属化合物のいずれかであることを特徴とす
る。
【0007】 Cp2 M(SSCXR1 n 2-n ・・・[1] (CpーAーCp)M(SSCXR1 n 2-n ・・・[2] (Cp−A−L)M(SSCXR1 n 2-n ・・・[3] (式[1]〜[3]中、Mはチタン、ジルコニウムまた
はハフニウムである。Cpはシクロペンタジエニル基ま
たは置換シクロペンタジエニル基である。Aは共有結合
による架橋基であり、CR2 2 、CR2 2 CR2 2 、C
2 =CR2 、SiR2 2 、SiR2 2 SiR2 2 、G
eR2 2 、BR2 2 から選ばれる基であり、ここでR2
は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルケニ
ル基である。LはAおよびMに結合する供与性配位子で
あり、O、OR3 、NR3 、NR3 2 、S、SR3 、P
3、PR3 2 から選ばれる基であり、ここでR3 は水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アリールアルキル基またはアルケニル
基である。(SSCXR1 )はジチオカルボナト誘導体
配位子を意味し、ここでXはO、Sから選ばれる原子で
あり、置換基R1 はアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アリールアルキル基またはアルケニル基であ
る。Yはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シク
ロアルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基またはホスフ
ィノ基である。nは1または2である。)
【0008】また、本発明のオレフィン重合触媒は、こ
れら遷移金属化合物と助触媒としての有機アルミニウム
オキシ化合物を組み合わせて用いることを特徴とする。
更に、本発明のオレフィン重合触媒は、これら遷移金属
化合物と助触媒としてのカチオン発生剤を組み合わせて
用いることを特徴とする。以下、発明を更に詳細に説明
する。尚、本発明において「重合」という語は、単独重
合のみならず、共重合を包含した意味で用いられるもの
であり、また「重合体」という語は単独重合体のみなら
ず共重合体を包含した意味で用いられる。
【0009】本発明で用いられる遷移金属化合物は、ジ
チオカルボナト誘導体(SSCXR1 )を配位子として
有する錯体であり、下記一般式[1][2][3]のい
ずれかで表される構造を有する。 Cp2 M(SSCXR1 n 2-n ・・・[1] (CpーAーCp)M(SSCXR1 n 2-n ・・・[2] (Cp−A−L)M(SSCXR1 n 2-n ・・・[3] 式[1]〜[3]中のMは中心金属を意味し、チタン、
ジルコニウムまたはハフニウムのいずれかである4A族
遷移金属である。
【0010】式[1]〜[3]中のCpは、シクロペン
タジエニル基または置換シクロペンタジエニル基であ
る。置換シクロペンタジエニル基は、1〜5個の置換基
(共有結合による架橋分子Aを持つ場合は4個以下)で
置換されている。該置換基としては、炭素数1〜20の
アルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素
数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアリール
アルキル基、炭素数6〜20のアリール基やアルキルア
リール基、及び炭素数1〜20のアルキルシリル基、シ
クロアルキルシリル基、アルケニルシリル基、アリール
アルキルシリル基、アルキルアリールシリル基のような
シリル基である。また、該置換シクロペンタジエニル基
は、シクロペンタジエニル環の2個の炭素原子が他の炭
素原子と結合して4〜6の環を形成しているシクロペン
タジエニル基も包含する。すなわち、インデニル基、テ
トラヒドロインデニル基、フルオレニル基等である。こ
れらの基は、置換基がアルキル、シクロアルキル、アル
ケニル、アリールアルキルまたはアルキルアリールのよ
うな炭素数1〜20の炭化水素基またはこれらの炭化水
素基を有するシリル基のような置換基を有していてもよ
い。
【0011】該置換シクロペンタジエニル基の例として
は、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペン
タジエニル基、イソプロピルシクロペンタジエニル基、
n−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペ
ンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、
テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシ
クロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタ
ジエニル基、フェニルジメチルシリルシクロペンタジエ
ニル基、トリフェニルシリルシクロペンタジエニル基、
ジ(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル基、シク
ロヘキシルシクロペンタジエニル基、アリルシクロペン
タジエニル基、ベンジルシクロペンタジエニル基、フェ
ニルシクロペンタジエニル基、トリルシクロペンタジエ
ニル基、インデニル基、メチルインデニル基、ジメチル
インデニル基、メチルエチルインデニル基、ナフチルイ
ンデニル基、テトラヒドロインデニル基、メチルテトラ
ヒドロインデニル基、フルオレニル基、メチルフルオレ
ニル基、ジtert−ブチルフルオレニル基等である。
【0012】式[2][3]の中のAは、共有結合によ
る架橋基を意味し、CR2 2 、CR2 2 CR2 2 、CR
2 =CR2 、SiR2 2 、SiR2 2 SiR2 2 、Ge
2 2 、BR2 2 から選ばれる基であり、ここでR2
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アリールアルキル基またはアルケニル
基である。
【0013】式[3]の中のLはAおよびMに結合する
供与性配位子を意味し、O、OR3、NR3 、N
3 2 、S、SR3 、PR3 、PR3 2 から選ばれる基
であり、ここでR3 は水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキ
ル基またはアルケニル基である。式[1]〜[3]中の
(SSCXR1 )は、次式[4]で示されるジチオカル
ボナト誘導体配位子を意味する。この配位子は、キサン
トゲナト誘導体配位子とも呼ばれる。
【0014】
【化1】
【0015】本発明の遷移金属化合物は該配位子を1個
叉は2個有する。XはO、Sから選ばれる原子であり、
XがO原子である場合は、ジチオカルボナト配位子と呼
ばれ、XがS原子である場合はトリチオカルボナト配位
子と呼ばれる。置換基R1 は、アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アリールアルキル基、またはアル
ケニル基を表す。例えば、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の各種構造
異性基をもつ炭素数1から20のアルキル基、シクロペ
ンチル基やシクロヘキシル基等の炭素数5から20のシ
クロアルキル基、フェニル基、トリル基、メトキシフェ
ニル基、ナフチル基等の炭素数6から20のアリール
基、ベンジル基やネオフィル基等の炭素数7から20の
アリールアルキル基、アリル基、2ーブテニル基、2,
3ージメチルー2ーブテニル基等の炭素数2から20の
アルケニル基等が挙げられる。これらの基は、水素原子
がハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0016】式[1]〜[3]中のYは、ハロゲン原
子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリ
ールアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、チオア
ルコキシ基、アミノ基、ホスフィノ基を表す。例えば、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−
ブチル基等の各種構造異性基をもつ炭素数1から20の
アルキル基、シクロペンチル基やシクロヘキシル基等の
炭素数5から20のシクロアルキル基、フェニル基やト
リル基やメトキシフェニル基等の炭素数6から20のア
リール基、ベンジル基やネオフィル基等の炭素数7から
20のアリールアルキル基、アリル基や2ーブテニル基
等の炭素数2から20のアルケニル基、メトキシ基、エ
トキシ基、n−ブトキシ基、フェノキシ基等の炭素数1
から20のアルコキシ基、チオイソプロポキシ基やチオ
ベンジルアルコキシ基等の炭素数1から20の炭化水素
基で置換されたチオアルコキシ基、ジn−プロピルアミ
ノ基やジベンジルアミノ基等の炭素数1から20の炭化
水素基で置換されたアミノ基、ジイソアミルホスフィノ
基やジフェニルホスフィノ基等の炭素数1から20の炭
化水素基で置換されたホスフィノ基等が挙げられる。
【0017】式[1]〜[3]中のnは、1又は2であ
る。以上のような一般式[1]〜[3]で表される遷移
金属化合物として、具体的に次のような化合物が挙げら
れる。ただし、これらの例によって限定されるものでは
ない。
【0018】一般式[1]で表される遷移金属化合物と
しては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)クロロ
(O−メチルジチオカルボナト)ジルコニウム、ビス
(シクロペンタジエニル)クロロ(S−メチルトリチオ
カルボナト)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニ
ル)クロロ(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)クロロ(S−エチル
トリチオカルボナト)ジルコニウム、ビス(シクロペン
タジエニル)メチル(O−エチルジチオカルボナト)ジ
ルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)フェニル
(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウム、ビス
(シクロペンタジエニル)ベンジル(O−エチルジチオ
カルボナト)ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニ
ル)メトキシ(O−iso-プロピルジチオカルボナト)ジ
ルコニウム、ビス(メチルシクロペンタジエニル)クロ
ロ(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウム、ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ベンジル(O−3-メチ
ル-2- ペンテン-1- イルジチオカルボナト)ジルコニウ
ム、ビス(エチルシクロペンタジエニル)クロロ(O−
n-ブチルジチオカルボナト)ジルコニウム、ビス(エチ
ルシクロペンタジエニル)メチル(S−n-ブチルトリチ
オカルボナト)ジルコニウム、ビス(イソプロピルシク
ロペンタジエニル)ベンジル(O−エチルジチオカルボ
ナト)ジルコニウム、ビス(イソプロピルシクロペンタ
ジエニル)クロロ(O−iso-アミルジチオカルボナト)
ジルコニウム、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニ
ル)クロロ(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウ
ム、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)エチル
(O−シクロヘキシルジチオカルボナト)ジルコニウ
ム、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ベンジル
(S−iso-アミルトリチオカルボナト)ジルコニウム、
ビス(1.3ージメチルシクロペンタジエニル)クロロ
(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウム、ビス
(1.3ージメチルシクロペンタジエニル)クロロ(O
−シクロヘキシルジチオカルボナト)ジルコニウム、ビ
ス(1.2.4ートリメチルシクロペンタジエニル)ク
ロロ(O−トリルジチオカルボナト)ジルコニウム、ビ
ス(1.2.4ートリメチルシクロペンタジエニル)ク
ロロ(O−ベンジルジチオカルボナト)ジルコニウム、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)クロロ(O
−エチルジチオカルボナト)ジルコニウム、ビス(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ベンジル(S−ベンジ
ルトリチオカルボナト)ジルコニウム、ビス(インデニ
ル)クロロ(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウ
ム、ビス(インデニル)クロロ(O−sec-ブチルジチオ
カルボナト)ジルコニウム、ビス(テトラヒドロインデ
ニル)メチル(O−iso-ブチルジチオカルボナト)ジル
コニウム、ビス(テトラヒドロインデニル)クロロ(O
−エチルジチオカルボナト)ジルコニウム、ビス(フル
オレニル)クロロ(O−n-ブチルジチオカルボナト)ジ
ルコニウム、(2,4,6ートリメチルインデニル)ク
ロロ(O−iso-ブチルジチオカルボナト)ジルコニウ
ム、(2,7ージtertー ブチルフルオレニル)クロロ
(O−トリルジチオカルボナト)ジルコニウム等が挙げ
られる。また、これらの遷移金属化合物において、ジル
コニウムをチタンまたはハフニウムに置換した化合物も
挙げられる。
【0019】一般式[2]で表される遷移金属化合物と
しては、例えば、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル)メチル(O−メチルジチオカルボナト)ジル
コニウム、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニ
ル)クロロ(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウ
ム、ジメチルシリレンビス(2,3,5ートリメチルシ
クロペンタジエニル)クロロ(S−エチルトリチオカル
ボナト)ジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ク
ロロ(O−シクロヘキシルジチオカルボナト)ジルコニ
ウム、エチレンビス(インデニル)ベンジル(O−ベン
ジルジチオカルボナト)ジルコニウム、ジメチルシリレ
ンビス(インデニル)クロロ(O−エチルジチオカルボ
ナト)ジルコニウム、エチレンビス(テトラヒドロイン
デニル)クロロ(O−n-プロピルジチオカルボナト)ジ
ルコニウム、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)
ベンジル(O−n-ブチルジチオカルボナト)ジルコニウ
ム、イソプロピリデン[(シクロペンタジエニル)(9
ーフルオレニル)]ベンジル(O−エチルジチオカルボ
ナト)ジルコニウム、イソプロピリデン[(シクロペン
タジエニル)(9ーフルオレニル)]クロロ(O−シク
ロヘキシルジチオカルボナト)ジルコニウム、メチルフ
ェニルメチレン[(シクロペンタジエニル)(9ーフル
オレニル)]クロロ(O−エチルジチオカルボナト)ジ
ルコニウム、ジフェニルメチレン[(シクロペンタジエ
ニル)(9ーフルオレニル)]クロロ(O−トリルジチ
オカルボナト)ジルコニウム等が挙げられる。また、こ
れらの遷移金属化合物において、ジルコニウムをチタン
またはハフニウムに置換した化合物も挙げられる。
【0020】一般式[3]で表される遷移金属化合物と
しては、例えば、エチレン[(tert−ブチルアミ
ド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]メチル
(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウム、エチレ
ン[(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロ
ペンタジエニル)]クロロ(O−iso-プロピルジチオカ
ルボナト)ジルコニウム、ジメチルシリレン[(ter
t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)]クロロ(O−n-ブチルジチオカルボナト)ジルコ
ニウム、ジメチルシリレン[(tert−ブチルアミ
ド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]クロロ
(O−iso-アミルジチオカルボナト)ジルコニウム、ジ
メチルシリレン[(tert−ブチルアミド)(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)]メチル(O−シクロヘ
キシルジチオカルボナト)ジルコニウム、ジメチルシリ
レン[(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシク
ロペンタジエニル)]ベンジル(S−エチルトリチオカ
ルボナト)ジルコニウム、ジメチルシリレン[(メチル
アミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]クロ
ロ(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウム、ジメ
チルシリレン[(メチルアミド)(テトラメチルシクロ
ペンタジエニル)]クロロ(O−トリルジチオカルボナ
ト)ジルコニウム、ジメチルシリレン[(tert−ブ
チルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]
ビス(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウム、ジ
メチルシリレン[(tert−ブチルアミド)(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)]ビス(O−n-プロピル
ジチオカルボナト)ジルコニウム、ジメチルシリレン
[(tert−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)]ビス(O−n-ブチルジチオカルボナ
ト)ジルコニウム等が挙げられる。また、これらの遷移
金属化合物において、ジルコニウムをチタンまたはハフ
ニウムに置換した化合物も挙げられる。
【0021】本発明に係る遷移金属化合物はいくつかの
方法によって製造できる。例えば、下記一般式[5]
[6][7]のそれぞれのメタロセン化合物と下記一般
式[8]で表されるキサントゲン酸塩とから、それぞれ
下記反応式[9][10][11]に従って製造する方
法が挙げられる。キサントゲン酸塩の性状や製法等につ
いては、例えばEncyclopedia of Ch
emical Technology (third
edition)vol.24 p.645〜661
(John Wiley & Sons 1984)及
びその中で引用されている参照文献等に記載されてい
る。
【0022】 Cp2 MY2 ・・・[5] (CpーAーCp)MY2 ・・・[6] (Cp−A−L)MY2 ・・・[7] (式[5]〜[7]中、M、Cp、A、LおよびYは、
一般式[1]〜[3]と同じである。) Z(SSCXR1 ) ・・・[8] (式中、XおよびR1 は、一般式[1]〜[3]と同じ
であり、Zは、Li、Na、K等のアルカリ金属、また
はアンモニウム、カルボニウム、シロニウム、オキソニ
ウム、スルホニウム、ホスホニウム等のオニウム化合
物、またはAgである。)
【0023】
【化2】
【0024】これらの反応において、化合物[8]は、
化合物[5]〜[7]に対してn=1の場合は当量モ
ル、n=2の場合は2倍モルの量でそれぞれ使用され
る。反応温度は−20℃〜180℃、好ましくは0℃〜
100℃の範囲であることが望ましく、反応時間は0.
5〜50時間、好ましくは1〜30時間の範囲であるこ
とが望ましい。
【0025】反応に用いられる溶媒としては、ヘキサ
ン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素、四塩化炭素、クロロホル
ム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素等が用いられ
る。これらの中ではハロゲン化炭化水素が好ましい。こ
のような反応溶媒は、化合物[5][6][7]に対し
て、通常10〜500倍量の範囲の量で用いられる。
【0026】上記のような製法により、所望する遷移金
属化合物を収率よく合成することができる。尚、このよ
うにして合成した遷移金属化合物は、反応液を濾過し得
られた濾液を減圧下で濃縮して単離した後、再結晶し減
圧乾燥することにより精製することができる。
【0027】本発明の遷移金属化合物をオレフィン重合
用触媒として効果的にすることができる助触媒は、有機
アルミニウムオキシ化合物またはカチオン発生剤であ
り、当分野で従来公知の化合物を用いることができる。
有機アルミニウムオキシ化合物とカチオン発生剤は、助
触媒として単独に使用してもよいし、両化合物を組み合
わせて使用しても構わない。有機アルミニウムオキシ化
合物は、下記一般式[12]で表される鎖状アルミノキ
サンまたは一般式[13]で表される環状アルミノキサ
ンである。
【0028】
【化3】 (式[12]、[13]において、Rは、炭素数1〜2
0のアルキル基、ハロゲン基を表す。繰り返し数nは2
〜50の範囲の整数である。)
【0029】式中のRの例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基等のアルキル基が挙げられる。Rは同じ
であっても異なっていても構わない。また、2種類以上
のアルミノキサンの混合物であっても構わない。特にメ
チル基またはイソブチル基を含有するアルミノキサンが
好ましい。また繰り返し数nは5〜40の範囲の整数が
好ましい。
【0030】このアルミノキサンは公知の方法で製造で
きる。例えば、炭化水素溶媒にトリアルキルアルミニウ
ムを溶解させこの溶液に水を徐々に加えて加水分解する
方法、炭化水素溶媒に硫酸銅水和物や硫酸アルミ水和物
を懸濁させこの懸濁液中にトリアルキルアルミニウムを
添加してトリアルキルアルミニウムを徐々に加水分解す
る方法、あるいは炭化水素溶媒に懸濁した未脱水シリカ
ゲルの吸着水にトリアルキルアルミニウムを接触させト
リアルキルアルミニウムを徐々に加水分解する方法等が
挙げられる。
【0031】また、カチオン発生剤としては、中性タイ
プとイオン対タイプの化合物が挙げられる。中性タイプ
化合物としては、下記一般式[14]で表される有機ホ
ウ素化合物が好ましい。 BR3 ・・・[14] 式[14]中、Rは炭素数1〜20のアルキル基または
炭素数6〜20のアリール基を示す。アルキル基として
はハロゲン置換アルキル基を、アリール基としてはハロ
ゲン置換アリール基を包含する。これらの基の中で好ま
しいのは、フッ素原子置換アリール基である。尚、3個
のRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0032】この有機ホウ素化合物の具体例としては、
トリメチルボラン、トリエチルボラン、トリス(トリフ
ルオロメチル)ボラン、トリフェニルボラン、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,
4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス
(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス
(2,3−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(2−
フルオロフェニル)ボラン、トリス〔(3,5−ジ(ト
リフルオロメチル)フェニル〕ボラン、トリス〔(4−
(トリフルオロメチル)フェニル〕ボラン、ジフェニル
フルオロボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)クロ
ロボランなどが挙げられる。特にトリス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボランが好ましい。
【0033】また、イオン対タイプ化合物としては、下
記一般式[14]で表される有機ホウ素化合物が好まし
い。 [On]+ [BR4 - ・・・[15] 式[15]において、[On]+ は、1B族、2B族、
または8族金属イオン等の金属陽イオン、またはカルボ
ニウム、シロニウム、オキソニウム、スルホニウム、ア
ンモニウム、及びホスホニウム等のオニウム化合物であ
る。[BR4 - は非配位性または配位性に乏しいボレ
ートアニオンである。Rは前記一般式[14]中のRと
同じ意味である。
【0034】式[15]の好ましい具体例としては、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩が挙げ
られ、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、テトラフェニルポルフィリンマンガン
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチ
ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、銅テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、、水銀ビス(テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、パラジウムビス(テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、白金ビス(テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヒドロカ
ルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、トリフェニルシロニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリシ
クロヘキシルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、トリエチルオキソニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルス
ルフォニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチ
ルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ピリジニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフ
ェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート等が挙げられる。
【0035】本発明の実施に際し、触媒の安定化の目的
のため、また、助触媒としての有機アルミニウムオキシ
化合物および/またはカチオン発生剤の安定化や使用量
の低減等の目的のために、さらに助触媒として、次の一
般式[16]で示されるアルキルアルミニウムを用いて
も構わない。 R3 Al ・・・[16] 式[16]において、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭
素数が1から20迄のアルキル基を表す。Rの具体例と
しては、水素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基等が挙げられる。これらは、2種以上
混合して用いても構わない。
【0036】本発明では、オレフィン重合を実施するに
当たって、本発明の遷移金属化合物である触媒成分と助
触媒である有機アルミニウムオキシ化合物および/また
はカチオン発生剤、更にはアルキルアルミニウムとを不
活性炭化水素溶媒中または重合に供するオレフィン媒体
中に添加して溶解することにより調製することができ
る。この際の添加順序は任意に選ばれ、本発明の遷移金
属化合物と助触媒とを重合前に前もって混合して用いて
もよいし、重合反応系に独立に添加して用いてもよい。
尚、本発明では、前記の各成分以外にもオレフィン重合
に有効な他の成分を含んでも構わない。さらに、ポリマ
ー性状改善のためマルチモーダル重合等を行う場合に
は、本発明の遷移金属化合物を2種以上組み合わせて用
いることや、当分野で公知の他の触媒成分と組み合わせ
て用いることができる。
【0037】また、本発明では、該遷移金属化合物、有
機アルミニウムオキシ化合物、カチオン発生剤の少なく
とも1種を担体に担持して用いることもできる。坦体と
しては、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、マグネシ
ア、チタニアあるいはジルコニア等の無機酸化物担体
や、塩化マグネシウム等の無機坦体や、ポリスチレン、
ポリエチレン、ポリプロピレン、カーボン等の有機坦体
等が挙げられる。坦体に担持する方法については特に制
限はなく当分野で従来公知の方法を用いることができ
る。触媒及び/叉は助触媒を坦体に担持して重合に用い
る方法は、気相重合や懸濁重合の場合に生成ポリマーの
性状を改善する等のため有効である。
【0038】オレフィン重合に用いられる本発明の遷移
金属化合物は、通常10-8〜10-1モル/リットル、好
ましくは10-7〜10-3モル/リットルの範囲の触媒濃
度で用いられる。一方、助触媒として前記有機アルミニ
ウムオキシ化合物を用いる場合は、該遷移金属化合物に
対して、アルミニウム原子/遷移金属原子比が、通常5
〜105 、好ましくは50〜5×103 の範囲で用いら
れる。また、助触媒として前記カチオン発生剤を用いる
場合は、該遷移金属化合物に対して、カチオン発生剤/
遷移金属化合物モル比が、通常0.5〜10、好ましく
は1〜3の範囲で用いられる。さらに前記アルキルアル
ミニウムを用いる場合は該遷移金属化合物に対して、ア
ルミニウム原子/遷移金属原子比が、通常1〜105
好ましくは10〜104 の範囲で用いられる。
【0039】本発明では、重合法に特に制限はなく、溶
液重合、懸濁重合、気相重合のいずれの重合法において
も実施することができる。また、本発明ではオレフィン
重合に際してオレフィン重合用触媒に対してオレフィン
を予備重合させてもよい。予備重合を施す場合、オレフ
ィン重合体は、オレフィン重合用触媒1g当たり0.5
〜500g、好ましくは1〜100gの量で予備重合す
ることが望ましい。
【0040】溶液重合や懸濁重合を実施する場合は、不
活性炭化水素溶媒や重合に供するオレフィン自身を溶媒
として用いる。不活性炭化水素溶媒として、具体的に
は、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等
の脂肪族系炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペ
ンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系
炭化水素、ナフサ、灯油、軽油等の石油留分等が挙げら
れる。
【0041】本発明において、溶液重合を実施する際に
は、重合温度は通常0〜300℃、好ましくは100〜
250℃の範囲であることが望ましい。懸濁重合を実施
する際には、重合温度は通常−20〜100℃、好まし
くは20〜90℃の範囲であることが望ましい。また、
気相重合を実施する際には、重合温度は通常0〜120
℃、好ましくは20〜100℃の範囲であることが望ま
しい。
【0042】重合圧力は特に制限がないが、通常、常圧
〜300kg/cm2 、好ましくは常圧〜100kg/
cm2 の条件が採用できる。重合は、回分式、反連続
式、連続式のいずれの方式においても行うことができ
る。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行
うことも可能である。得られるオレフィン重合体の分子
量は、重合反応系に水素を存在させるか、あるいは重合
温度を変化させることによって調節することができる。
【0043】本発明に係るオレフィン重合方法により重
合することができるオレフィンとしては、エチレンおよ
び炭素数が3〜20のオレフィン、例えばプロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テト
ラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−
エイコセン、炭素数が3〜20の環状オレフィン、例え
ばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5
−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、
2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等を
挙げることができる。また、スチレン、ビニルシクロヘ
キセン、ジエン等を用いることもできる。炭素数3〜2
0のオレフィンを用いて重合を行う場合、適切な該遷移
金属化合物を触媒成分として採用することによって、ア
イソタクチック、シンジオタクチック、ヘミアイソタク
チック、ヘミシンジオタクチック等の立体規則性を持っ
たポリマーを製造することができる。さらに、エチレン
/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−
ヘキセン、エチレン/1−オクテン、エチレン/スチレ
ン、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン
等、オレフィンを2成分以上組み合わせて共重合を行い
組成分布が均一なポリマーや、低密度のポリマーを製造
することができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定
されるものではない。本発明の遷移金属化合物の製造に
際して原料のキサントゲン酸塩は、文献〔Inorgi
c Chemistry vol.33.2790(1
994)等〕記載の方法もしくはそれに準じた方法によ
り合成したものを使用した。原料のメタロセン化合物
は、市販品もしくは当分野で公知の方法によって合成し
たものを使用した。触媒の合成・単離は全て窒素雰囲気
下でのシュレンク法により行った。原料化合物及び生成
物の触媒は、元素分析及び 1H−NMR、13C−NMR
によって同定した。ポリマーの分子量、および分子量分
布はウォーターズ社製150CVゲルパーミエーション
クロマトグラフィーを用いて示差屈折率より求めた。
【0045】(実施例1) [ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)クロロ(O
−エチルジチオカルボナト)ジルコニウム(IV)(触
媒1)の合成]内容積100mlのガラス製反応器中
で、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロ
ジルコニウム2.0gとエチルキサントゲン酸カリウム
1.0gの混合物に塩化メチレン50mlを添加し、還
流下15時間撹拌した。得られた反応液をろ過後、ろ液
を留去して固体を得た。この固体を塩化メチレンに再溶
解して再結晶した後、減圧乾燥しビス(n−ブチルシク
ロペンタジエニル)クロロ(O−エチルジチオカルボナ
ト)ジルコニウム(IV)〔(n−BuCp)2 Zr
(S2 COEt2 )Cl〕結晶を1.6g得た(収率6
6%)。
【0046】[重合反応]内部を真空脱気し窒素置換し
た1.6lのオートクレーブに、触媒1を0.3μmo
l含む3mlトルエン溶液と、東ソーアクゾ社製のメチ
ルアルミノキサンPMAOのトルエン溶液(アルミニウ
ム換算で0.5mol/l)を0.24ml(アルミニ
ウム量が0.12mmol)とを、脱水脱酸素したトル
エン0.6lとともに入れた。オートクレーブの内温を
70℃に保ち、エチレンガスを7kg/cm2 G加え
た。エチレンを補給し全圧を保ちつつ1時間重合した。
41.2gのポリマーが得られた。分子量Mwは437
000、分子量分布Mw/Mnは2.43であった。
【0047】(実施例2)実施例1の触媒1のトルエン
溶液(0.1μmol/ml)を3週間保存し、その後
実施例1と同じ方法により重合反応を行ったところ、4
0.0gのポリマーが得られた。分子量Mwは4410
00、分子量分布Mw/Mnは2.41であった。
【0048】(比較例1、2)比較例1は、実施例1の
触媒1の合成に用いたメタロセン原料であるビス(n−
ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウムを
触媒に用い、比較例2は、実施例2と同様にビス(n−
ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウムの
トルエン溶液(0.1μmol/ml)を3週間保存し
たものを触媒に用い、それぞれ実施例1と同様に重合反
応を実施した。
【0049】比較例1の結果は、得られたポリマー量が
30.5gであり、分子量Mwが484000、分子量
分布Mw/Mnが2.40であった。比較例2の結果
は、得られたポリマー量が22.0gであり、分子量M
wが562000、分子量分布Mw/Mnが2.55で
あった。実施例1、2と比較例1、2との比較により、
本発明による遷移金属化合物を触媒成分に用いた場合の
触媒活性の高さと触媒被毒に対する高抵抗性が明らかで
ある。
【0050】(実施例3) [ビス(1.3ージメチルシクロペンタジエニル)クロ
ロ(O−iso-プロピルジチオカルボナト)ジルコニウム
(IV)(触媒2)の合成]内容積100mlのガラス
製反応器中で、ビス(1.3ージメチルシクロペンタジ
エニル)ジクロロジルコニウム2.0gとイソプロピル
キサントゲン酸カリウム1.0gの混合物に塩化メチレ
ン50mlを添加し、還流下18時間撹拌した。得られ
た反応液をろ過後、ろ液を留去して固体を得た。この固
体を塩化メチレンに再溶解して再結晶した後、減圧乾燥
しビス(1,3ージメチルシクロペンタジエニル)クロ
ロ(O−iso-プロピルジチオカルボナト)ジルコニウム
(IV)〔(1,3−Me2 Cp)2 Zr(S2 COis
o-Pr)Cl〕結晶を1.6g得た(収率62%)。
【0051】[重合反応]触媒2を用いて、実施例1と
同様に重合を行ったところ、15.1gのポリマーが得
られた。分子量Mwは1293000、分子量分布Mw
/Mnは2.73であった。
【0052】(比較例3)実施例3の触媒2の合成に用
いたメタロセン原料であるビス(1,3ージメチルシク
ロペンタジエニル)ジクロロジルコニウムを触媒に用
い、実施例1と同様に重合反応を実施した。結果は、得
られたポリマー量が10.2gであり、分子量Mwが1
564000、分子量分布Mw/Mnが2.71であっ
た。
【0053】(実施例4) [エチレンビス(インデニル)クロロ(O−シクロヘキ
シルジチオカルボナト)ジルコニウム(IV)(触媒
3)の合成]内容積100mlのガラス製反応器中で、
エチレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム2.
0gとシクロヘキシルキサントゲン酸カリウム1.0g
の混合物に塩化メチレン50mlを添加し、還流下18
時間撹拌した。得られた反応液をろ過後、ろ液を留去し
て固体を得た。この固体を塩化メチレンに再溶解して再
結晶した後、減圧乾燥しエチレンビス(インデニル)ク
ロロ(O−シクロヘキシルジチオカルボナト)ジルコニ
ウム(IV)〔Et(Ind)2 Zr(S2 COC6
11)Cl〕結晶を1.5g得た(収率57%)。
【0054】[重合反応]重合反応に用いた助触媒を次
のように調製した。窒素気流下300℃で4時間焼成し
たシリカ(富士シリシア化学製、平均細孔径150Å)
2gを200mlのガラス製反応容器に仕込み、トルエ
ン60mlを加えて懸濁させた。これに東ソーアクゾ社
製のメチルアルミノキサンPMAOのトルエン溶液(ア
ルミニウム換算で0.5mol/l)を40ml(アル
ミニウム量換算20mmol)加え、室温で1時間撹拌
後、3時間還流した。得られた懸濁液を静置し上澄み液
をデカンテーションにより取り除き、固体部分をトルエ
ンで3回洗浄後、最終的に100mlのトルエン懸濁液
を得た。
【0055】内部を真空脱気し窒素置換した1.6lの
オートクレーブに、触媒3を0.3μmol含む3ml
トルエン溶液と、上記で調製した助触媒含有トルエン懸
濁液0.3ml(アルミニウム量換算0.06mmo
l)とを、脱水脱酸素したヘキサン0.6lとともに入
れた。オートクレーブの内温を70℃に保ち、エチレン
ガスを7kg/cm2 G加えた。エチレンを補給し全圧
を保ちつつ1時間重合した。ポリマー45.3gが得ら
れた。分子量Mwは633000、分子量分布Mw/M
nは2.38であった。
【0056】(比較例4)実施例4の触媒3の合成に用
いたメタロセン原料であるエチレンビス(インデニル)
ジクロロジルコニウムを触媒に用い、実施例4と同様に
重合反応を実施した。結果は、得られたポリマー量が3
5.8gであり、分子量Mwが691000、分子量分
布Mw/Mnが2.43であった。
【0057】(実施例5) [ジメチルシリレンビス(1.3ージメチルシクロペン
タジエニル)ベンジル(O−エチルジチオカルボナト)
ジルコニウム(IV)(触媒4)の合成]内容積100
mlのガラス製反応器中で、ジメチルシリレンビス
(1.3ージメチルシクロペンタジエニル)ジベンジル
ジルコニウム2.0gとエチルキサントゲン酸カリウム
0.8gの混合物に塩化メチレン50mlを添加し、還
流下15時間撹拌した。得られた反応液をろ過後、ろ液
を留去して固体を得た。この固体を塩化メチレンに再溶
解して再結晶した後、減圧乾燥しジメチルシリレンビス
(1,3ージメチルシクロペンタジエニル)ベンジル
(O−エチルジチオカルボナト)ジルコニウム(IV)
〔Me2 Si(Me2 Cp)2 Zr(S2 COEt2
(CH2 6 5 )〕結晶を1.5g得た(収率71
%)。
【0058】[重合反応]触媒4を1μmol含む10
mlトルエン溶液と、トリフェニルカルボニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを1μmol
含む10mlトルエン溶液とを室温で10分間混合する
ことによって、トルエン溶液20mlを得た。内部を真
空脱気し窒素置換した1.6lのオートクレーブに、ト
リイソブチルアルミニウム15μmolを含むトルエン
溶液10mlを、脱水脱酸素したトルエン0.4lとと
もに入れた。その後上記触媒を含むトルエン溶液0.6
mlを脱水脱酸素したトルエン0.2lとともに加え
た。オートクレーブの内温を70℃に保ち、エチレンガ
スを7kg/cm2 G加えた。エチレンを補給し全圧を
保ちつつ1時間重合した。19.5gのポリマーが得ら
れた。分子量Mwは733000、分子量分布Mw/M
nは2.97であった。
【0059】(比較例5)実施例5の触媒4の合成に用
いたメタロセン原料であるジメチルシリレンビス(1.
3ージメチルシクロペンタジエニル)ジベンジルジルコ
ニウムを触媒に用い、実施例5と同様に重合反応を実施
した。結果は、得られたポリマー量が14.1gであ
り、分子量Mwが731000、分子量分布Mw/Mn
が2.58であった。
【0060】(実施例6) [ジメチルシリレン[(tert−ブチルアミド)(テ
トラメチルシクロペンタジエニル)]クロロ(S−エチ
ルトリチオカルボナト)チタン(IV)(触媒5)の合
成]内容積100mlのガラス製反応器中で、ジメチル
シリレン[(tert−ブチルアミド)(テトラメチル
シクロペンタジエニル)]ジクロロチタン2.0gとエ
チルチオキサントゲン酸カリウム1.0gの混合物に塩
化メチレン50mlを添加し、還流下15時間撹拌し
た。得られた反応液をろ過後、ろ液を留去して固体を得
た。この固体を塩化メチレンに再溶解して再結晶した
後、減圧乾燥しジメチルシリレン[(tert−ブチル
アミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)]クロ
ロ(S−エチルトリチオカルボナト)チタン(IV)
〔Me2 Si(Me4 Cp)(tert−BuN)Ti
(S2 CSEt2 )Cl〕結晶を1.4g得た(収率5
5%)。
【0061】[重合反応]内部を真空脱気し窒素置換し
た1.6lのオートクレーブに、触媒5を1μmol含
む5mlトルエン溶液と、東ソーアクゾ社製のメチルア
ルミノキサンPMAOのトルエン溶液(アルミニウム換
算で0.5mol/l)を1ml(アルミニウム量が
0.5mmol)とを、脱水脱酸素したトルエン0.4
lとともに入れた。さらに、オクテンー1を0.2l加
え、オートクレーブの内温を135℃で、エチレンガス
を30kg/cm2 G加えた。エチレンを補給し全圧を
保ちつつ20分間重合した。90.4gのポリマーが得
られた。分子量Mwは337000、分子量分布Mw/
Mnは3.96であった。また、密度は0.914g/
cm3 で、GPC−FTIRによりエチレンとオクテン
ー1とは均一に共重合していることが測定できた。
【0062】(比較例6)実施例6の触媒5の合成に用
いたメタロセン原料であるジメチルシリレン[(ter
t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)]ジクロロチタンを触媒に用い、実施例6と同様に
重合反応を実施した。結果は、得られたポリマー量が7
1.3gであり、分子量Mwが441000、分子量分
布Mw/Mnが3.92、密度が0.915g/cm3
であった。
【0063】
【発明の効果】本発明のオレフィン重合用触媒成分は優
れた重合活性を特徴とし、これを用いて重合を行うこと
により分子量分布が狭く組成分布が均一であるオレフィ
ン重合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における触媒の調製工程を示すフローチ
ャート図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1][2][3]で表され
    る遷移金属化合物のいずれかであることを特徴とするオ
    レフィン重合用触媒成分。 Cp2 M(SSCXR1 n 2-n ・・・[1] (CpーAーCp)M(SSCXR1 n 2-n ・・・[2] (Cp−A−L)M(SSCXR1 n 2-n ・・・[3] (式[1]〜[3]中、Mはチタン、ジルコニウムまた
    はハフニウムである。Cpはシクロペンタジエニル基ま
    たは置換シクロペンタジエニル基である。Aは共有結合
    による架橋基であり、CR2 2 、CR2 2 CR2 2 、C
    2 =CR2 、SiR2 2 、SiR2 2 SiR2 2 、G
    eR2 2 、BR2 2 から選ばれる基であり、ここでR2
    は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキ
    ル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルケニ
    ル基である。LはAおよびMに結合する供与性配位子で
    あり、O、OR3 、NR3 、NR3 2 、S、SR3 、P
    3、PR3 2 から選ばれる基であり、ここでR3 は水
    素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル
    基、アリール基、アリールアルキル基またはアルケニル
    基である。(SSCXR1 )はジチオカルボナト誘導体
    配位子であり、ここでXはO、Sから選ばれる原子であ
    り、置換基R1 はアルキル基、シクロアルキル基、アリ
    ール基、アリールアルキル基またはアルケニル基であ
    る。Yはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シク
    ロアルキル基、アリールアルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基またはホスフ
    ィノ基である。nは1または2である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遷移金属化合物と有機ア
    ルミニウムオキシ化合物とからなることを特徴とするオ
    レフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の遷移金属化合物とカチオ
    ン発生剤とからなることを特徴とするオレフィン重合用
    触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003089705A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Asahi Kasei Corp 環状オレフィン系共重合触媒および共重合体の製造方法

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