JPH11511705A - 輪転印刷機のリンスインキ付けユニットのドクターブレード装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 輪転印刷機のインキ付けシステムのドクター装置が、溝形凹部を備えた異形ストリップとして設計されたドクターブレードキャリヤ（11）を有している。２つの互いに平行で、しかもほぼ屋根の形をしていて、インキ付けローラ（２）に対して調節自在なドクターブレード（30,31）が、ドクターブレードキャリヤに固定されている。ドクターブレードは、インキ付けローラ（２）、ドクターブレードキャリヤの溝形凹部、及びドクターブレードキャリヤの端部のところに設けられた密封手段（33,34）と一緒になってインキ受入れ室（20）を構成している。インキ漏れが生じないようインキ受入れ室を満足のゆく程度に封止するために、溝形凹部は、主室を形成する中央部及び溝形凹部の端部のところに配置されていて、側室（38,39）を形成する側部（40,41）を有している。側室は、絞りスリット（42,43）を介して主室と連通している。インキ送込みダクト（21）が主室内に開口している。側部には、インキ送出しダクト（22,23）及び通気ボア（24,25）が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 輪転印刷機のリンスインキ付けユニットのドクターブレード装置 本発明は、溝形凹部を備えた異形ストリップによって形成されたドクターブレ ードキャリヤから成る、輪転印刷機のリンスインキ付けユニットのドクターブレ ード装置に関する。インキ付け又はラスターローラのところで調節自在な２つの ドクターブレードが、互いに平行な状態でほぼ屋根のようにドクターブレードキ ャリヤに固定されている。ドクターブレードは、インキ付けローラ、ドクターブ レードキャリヤの溝形凹部、及びドクターブレードキャリヤの端側部のところで 溝形凹部のために設けられた密封材と一緒になって染料室を構成する。輪転印刷 機は更に、染料を染料室内に送り込んだり、これから送り出すための管と、ドク ターブレードキャリヤをインキ付けローラに押し当てるための調節装置とを更に 有する。 例えばドイツ国特許公開明細書第４００１７３３Ａ１号及び第４００１７３４ Ａ１号で公知のこの種のドクターブレード装置の場合、一方では、染料室内への 染料の導入が或る圧力の下で続けられるべきであり、他方において、側部に設け られた密封材が染料室からの染料の漏れを防止してドクターブレード装置が、漏 洩染料によって汚れたり、溶剤が染料から蒸発できないようにすべきであるとの 課題が未解決のままである。 したがって、本発明の目的は、ドクターブレードキャリヤの端側部のところに 設けられた密封材が染料室の良好な封止を確実にして染料が漏れないようにする 冒頭に記載したようなドクターブレード装置を設計することにある。 本発明によれば、この目的は、一般形式のドクターブレード装置の場合、溝形 凹部は、その端部領域まで延びていて、主室を形成する中央中間部及び絞り間隙 を介して主室に連結されていて、副室を形成する側部を備え、染料リード(leads )を主室内に送り込む管が設けられ、側部は、染料を送り出す管にれんけつされ ると共に排気穴を備えているという構成上の特徴によって達成される。 本発明のドクターブレード装置の場合、染料中の所望の過剰圧力は、染料を染 料室の主室内に送り込むことによって維持される。染料は、主室から、絞り間隙 を通って減圧状態の副室内に流入し、ドクターブレードキャリヤの端側部のとこ ろに設けられたシールが染料室を側部から十分に封止できるようにする。という のは、このシールは加圧下にある染料の作用を受けないからである。 有利には、主室と副室は、溝形凹部の半径方向仕切り壁によって互いに分離さ れ、仕切り壁の弧状曲がり縁部は、ラスターローラと一緒になって絞り間隙を画 定している。仕切り壁をリブ形隆起部で形成するのが良い。さらに、仕切り壁は 、曲がり壁部を通過して主室まで延びるのが良い。有利には、仕切り壁の外側部 は、半径方向平面上に位置する。 本発明の別の設計例では、仕切り壁の各々の少なくとも一方の側部には、合成 材料の被膜が施されている。この側部は、仕切り壁の縁部よりも高くなっていて 、該縁部と一緒になってドクターブレード側で絞り間隙を画定している。 副室は、ドクターブレードキャリヤの縦断面で見てＬ字形横断面を有している 。有利には、副室のそれぞれのＬ字形脚部によって形成された空間は、主室の下 まで延びる。 ドクターブレードは、避けられない摩耗作用を受け、従って、侵食の増大につ れ、弧状に曲げられていて、絞り間隙を画定する縁部を備えた半径方向仕切り壁 は、ラスターローラのほうに近づき、絞り間隙の幅は、望ましくない態様で減少 するようになる。 ドクターブレードの摩耗度の増大につれて、仕切り壁とインキ付けローラとの 間の絞り間隙が狭くなるのを防止するため、本願請求項に特定した別の新規な構 成によれば、絞り間隙を画定している仕切り壁は、異形ストリップ内で運動自在 なインキ付けローラまで半径方向に案内されていて、本質的には不動の保持具上 においてドクターブレード装置を支持している染料ユニットフレームに結合され ている。かくして、ドクターブレードが摩耗した場合でも、絞り間隙の幅は、本 質的には一定のままであるようになっている。かくして、この新規な構成によれ ば、絞り間隙を画定している仕切り壁は、インキ付けユニットフレームに対して 不動状態を保ち、したがって、ドクターブレードの摩耗に起因して生じるラスタ ーローラへの異形ストリップの接近に応答しないようになる。このようになって いるので、仕切り壁とラスターローラとの間の絞り間隙の幅は、一定のままであ るようになる。なお、仕切り壁の縁部は、弧状に曲げられている。 仕切り壁とドクターブレード装置を支持するインキ付けユニットフレームとの 本質的には剛性の結合は、別の手段によって実施できる。好ましい実施形態によ れば、仕切り壁は、弾性タブ又はウェブによって異形ストリップに結合されてお り、従ってドクターブレードの摩耗度の増大に対応して弾性的に後方へ曲がるこ とができるようになる。 仕切り壁をそれぞれバーによって染料ユニットボックスのストッパ上に支持す るのが良い。 バーを特定の穴又は開口部を通って異形ストリップから導き出すのが良い。当 然のことながら、バーを排気穴を通って異形ストリップから導き出すのが有利で ある。というのは、これらの排気穴はどのような場合でも存在しているからであ り、したがってバーのために特別な開口部又は通路を設ける必要はない。 有利には、ストッパは調節装置によって調節でき、従って、絞り間隙の幅を別 途、調節できるようになる。 本発明の実施形態を、図面の助けにより以下に詳細に説明する。 図１は、図２のＩ−Ｉ線における染料室ドクターブレードを備えた染料ユニッ トフレームの断面側面図である。 図２は、図１のII−IIにおけるドクターブレードキャリヤの断面図である。 図３は、図２の矢印Ａの方向に見た染料室ドクターブレードの図である。 図４は、染料室ドクターブレードにハッチングを付けた図１に対応する染料ユ ニットフレームの側面図であり、絞り間隙を画定する仕切り壁が染料ユニットフ レームに対してシフトできない状態に保たれていることを示す図である。 図５は、図４のＶ−Ｖ線における、図２に対応するドクターブレードキャリヤ の断面図である。 スライドとしても構成された印刷胴フレーム上において通常の態様でシフト自 在に取り付けられた染料ユニットフレーム１内に、ラスターローラ２の一方の側 が通常の態様で取り付けられており、それ故、これ以上詳細には説明しない。 互いに平行な案内ロッド５，６が、関節軸線３，４の周りに染料ユニットフレ ーム１のところにスイベル動作自在な態様で取り付けられている。平行な案内ロ ッド５，６の上端部はキャリヤ９に結合されていて、関節軸線７，８の周りにス イベル動作自在なカプラーを形成している。キャリヤ９は、ドクターブレードホ ルダ１０を備えた単一部品として構成され、ホルダ１０は、ハンドル付きのネジ によってドクターブレードキャリヤ１１に結合されている。 空気圧シリンダ１３のピストンロッド１２は、関節軸線８内で平行案内ロッド ６の上端部又はキャリヤ９に可撓的に結合されている。空気圧シリンダは又、リ ンク１５によってキャリヤ片１４上に位置した状態で染料ユニットフレーム１に 結合されている。 ドクターブレードをラスターローラに取り付ける間及びこれらを動かして離れ させている間、カプラーとドクターブレードキャリヤ１１は互いに平行な状態の ままである。というのは、平行案内ロッド５，６は、同一長さを有していて、揺 動中、互いに平行な関係を維持するからである。 平行案内ロッド６の関節軸線４は、偏心調整装置４′を備えており、この偏心 調整装置を基にして平行案内ロッド６のスイベル軸線を上下させることができる 。 ラスターローラ２を支持する２つの染料ユニットフレームの各々の平行案内ロ ッド５，６は、安定性を二倍にするよう設計するのが良い。 ドクターブレードキャリヤ１１は、異形ストリップで構成され、このストリッ プの側面形状は図１から明らかである。ドクターブレードキャリヤ１１のストリ ップには、染料室の内部空間を形成する溝２０が設けられている。この溝の中に おいて、印刷インキを供給するボアホール又は管路２１が、図３から明らかなよ うに下側中間領域に開口している。下方端部域では、溝は、印刷インキを送りだ すボアホール２２，２３によってカットされている。排出ホール２４，２５が、 溝の上方端部域に開口している。 溝の縁部の前側部２６，２７は、屋根のように互いに反対方向に傾斜している 。ドクターブレード３０，３１は、クランプホルダ２８，２９によってこれら前 側部２６，２７に通常の態様で固定されており、それ故、これ以上詳細には説明 しない。 ドクターブレードホルダ１１の側部では、シール又は密封材３３，３４が設け られ、これらシールは、染料室２０の内部空間をラスターローラ２に対して封止 している。これらシールを保持するために、カバー３５，３６が、ドクターブレ ードキャリヤのストリップの前側領域の側部にネジ留めされている。 染料室の内部空間の両側には、横断面Ｌ字形の室３８，３９が設けられている 。これらの室は、仕切り壁４０，４１によって染料室の内部空間の中央部から分 離されており、ラスターローラ２に差し向けられた仕切り壁の縁部は、弧状に曲 げられた間隙４２，４３を画定している。曲がった壁部分４４，４５は、縁部か ら始まって、染料室の内部空間の中央主要部分へ延びている。 側室３８，３９は、絞り間隙４２，４３を介して染料室の内部空間の中央部に 連結されている。かくして、壁部分４０，４１は、いわゆる堰を形成し、供給穴 ２１を通って染料室の内部空間の中央部内に送り込まれた染料が堰を通過して減 圧下で減圧状態の側室３８，３９内に流入する。室３８，３９の非加圧状態を保 証するために、排気穴２４，２５が、これらの室に通じている。 壁４０，４１の外側部には、合成材料から成る被膜４８，４９が施され、間隙 ４２，４３を画定している縁部よりも上方に僅かに高くなっており、したがって 、縁部とラスターローラ２との金属接触が生じないようになっている。 図４および図５に示された例示としての実施形態の場合、仕切り壁５０，５１ は、舌部又は弾性間隔保持材、或いはウェブ５２，５３を介して、副室３８，３ ９と比較して両側が高くなった主室の底部５４にネジ留めされている。ネジは、 点線５５で示されている。弾性間隔保持材５２は、対応関係にある底部５４の段 状ルーチングに嵌入されている。さらに、仕切り壁５０，５１が十分に広い後方 へのクッション性を発揮できるようにするために、段の形をした凹部５６が、弾 性ウェブ５２，５３のネジ留め端部域と底部との間に設けられている。盲穴５７ が、段の形をした凹部５６を画定する底部の後方壁に設けられており、それによ り圧力バネ５８がこれら盲穴の底と弾性間隔保持材（ウェブ）５２，５３の後側 部との間に固定されている。 保持片６０が、副室を画定する仕切り壁５０，５１の前側部にネジ留めされて いる。本質的には剛性のバー６１の一端部が、図４で見て明らかな態様で保持片 内に固定されている。その他端部は、染料ユニットフレームに剛結されたコンソ ール６３内にねじ込まれている調節ネジ６２上に載っている。仕切り壁５０， ５１を染料ユニットフレーム１に対して固定するバー６１は、既に設けられてい る排気穴２４，２５を貫通している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．輪転印刷機のリンスインキ付けユニットのためのドクターブレード装置であ って、溝形凹部を備えた異形ストリップによって形成されたドクターブレードキ ャリヤと、インキ付け又はラスターローラのところで調節自在であり、しかも互 いに平行な状態で屋根のようにドクターブレードキャリヤに固定されていて、イ ンキ付けローラ、ドクターブレードキャリヤの溝形凹部、及びドクターブレード キャリヤの端側部に設けられた密封材と一緒になって染料室を構成する２つのド クターブレードと、染料を染料室内に送り込んだり、これから送り出すための管 と、ドクターブレードキャリヤをインキ付けローラに押し当てるための調節装置 とから成るドクターブレード装置において、溝形凹部は、その端部領域まで延び ていて、主室を形成する中央中間部及び絞り間隙（42,43）を介して主室に連結 されていて、副室を形成する側部を備え、染料を主室内に送り込む管路（21）が 設けられ、側部（38,39）は、染料を送り出す管路（22,23）及び排気穴（24,25 ）を備えていることを特徴とするドクターブレード装置。 ２．主室と副室（38,39）は、溝形凹部の半径方向仕切り壁（40,41）によって互 いに分離され、仕切り壁の弧状曲がり縁部は、ラスターローラ（２）と一緒にな って絞り間隙（42,43）を画定していることを特徴とする請求項１記載のドクタ ーブレード装置。 ３．仕切り壁（40,41）は、リブ形隆起部によって形成されていることを特徴と する請求項１又は２記載のドクターブレード装置。 ４．仕切り壁（40,41）は、曲がり部（44,45）を通過して主室内へ延びているこ とを特徴とする請求項１〜３のうちいずれか一つに記載のドクターブレード装置 。 ５．仕切り壁の外側部は、半径方向平面上に位置していることを特徴とする請求 項１〜４のうちいずれか一つに記載のドクターブレード装置。 ６．仕切り壁（40,41）の各々の少なくとも一方の側部には、合成材料の被膜（4 8,49）が施され、該外側部は、仕切り壁の縁部よりも高くなっていて、該 縁部と一緒になってドクターブレード側で絞り間隙（42,43）を画定しているこ とを特徴とする請求項１〜５のうちいずれか一つに記載のドクターブレード装置 。 ７．副室（38,39）は、ドクターブレードホルダ（11）の縦断面で見てＬ字形横 断面を有していることを特徴とする請求項１〜６のうちいずれか一つに記載のド クターブレード装置。 ８．副室（38,39）のそれぞれのＬ字形脚部によって形成された空間は、主室の 下まで延びていることを特徴とする請求項７記載のドクターブレード装置。 ９．絞り間隙を画定している仕切り壁（50,51）は、異形ストリップ内で運動自 在なインキ付けローラまで半径方向に案内されていて、本質的には不動の保持具 （61）上においてドクターブレード装置を支持している染料ユニットフレーム（ １）に結合されており、ドクターブレードが摩耗した場合でも、絞り間隙の幅は 、本質的には一定のままであるようになっていることを特徴とする請求項１〜８ のうちいずれか一つに記載のドクターブレード装置。 10．仕切り壁（50,51）は、弾性舌部又は間隔保持材（52,53）によって異形スト リップに結合されていることを特徴とする請求項９記載のドクターブレード装置 。 11．仕切り壁（50,51）は、バー（61）を介して染料ユニットフレーム（１）の ストッパ上に支持されていることを特徴とする請求項９又は１０記載のドクター ブレード装置。 12．バー（61）は、排気穴（24,25）を貫通して異形ストリップから突き出てい ることを特徴とする請求項１１記載のドクターブレード装置。 13．ストッパは、調節装置（62,63）によって調節自在であることを特徴とする 請求項９〜１２のうちいずれか一つに記載のドクターブレード装置。