JPH11510737A - ディスク形の情報記憶媒体を被覆するための方法と装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ディスク形の情報記憶媒体（８）を被覆剤を用いて被覆するための方法であって、被覆剤が少なくとも１つの被覆ノズル（１）を用いて記憶媒体（８）の内側領域でこの記憶媒体上へ適用され、かつ記憶媒体（８）の回転時に生じる遠心力によって記憶媒体上で分配される方法において、被覆ノズル（１）を第１の移動過程（９）で被覆剤適用場所（１２）の近傍（１０）へ迅速に、かつ第２の移動過程（１１）で適用箇所（１２）へ緩慢に移動させることによって、比較的確実な機能および僅かな被覆時間で並びに面倒でない製作および保守でもって高い被覆速度が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】 ディスク形の情報記憶媒体を 被覆するための方法と装置 本発明は、ディスク形の情報記憶媒体を被覆剤を用いて被覆するための方法に 関し、被覆剤は少なくとも１つの被覆ノズルを用いて記憶媒体の内側領域でこの 記憶媒体上へ施され、かつ記憶媒体の回転時に生じる遠心力によって記憶媒体上 で分配される。さらに本発明はこのような方法を実施するための装置に関する。 ディスク形の情報記憶媒体は例えばコンパクトディスク（ＣＤ）、ミニディス ク（ＭＤ）、光磁気ディスク、ＣＤ−Ｒｏｍ、ＣＤ−Ｒ、フォト−ディスクおよ びまたはビデオ−ディスク（フォト−ＣＤおよびまたはビデオ−ディスク）であ る。これらのディスクは以下でディスク形記憶媒体または短く記憶媒体と呼ばれ る。 冒頭に挙げられた形式の装置は本特許出願人によって製造販売されている。図 ５は装置もしくはこの装置の各ステーション内での被覆および乾燥方法の経過を 略示した図である。 供給ステーション１において、ディスク形記憶媒体２が取扱い装置３（この例 ではいわゆるプロセス−鉢形グリッパ（Prozess-Topf-Greifer）のために準備さ れる。取扱い装置の、供給ステーション側のグリッパアーム４，５が供給ステー ション１によって準備された記憶媒体２を掴み、かつプロセスユニット８の被覆 ステーション６，７へ送る。記憶媒体２を被覆剤、例えば被覆塗料で被覆の後、 記憶媒体２は乾燥ステーション９側のグリッパアーム１０，１１によって受容位 置１２へ送られ、これによって記憶媒体は乾燥室１３内へ移動せしめられる。乾 燥過程の後、記憶媒体２は乾燥室１３から乾燥ステーション内のまたは乾燥ステ ーション上の位置１４へ移動せしめられ、この位置で別のグリッパ１５によって 掴まれ、かつ取り出しステーション１６内へまたは取り出しステーション１６へ 送られる。 上記の、ディスク形情報記憶媒体のための被覆装置はこのような記憶媒体の製 作に使用され、大きな成功を収めている。 本発明は、ディスク形情報記憶媒体のための被覆方法および装置を一層改善し 、特に、時間単位当たりの被覆回数をさらに増やし、しかもさらにより確実であ り、かつより僅かな被覆時間（Standzeit）で足り、かつ特に被覆ステーション に関してより面倒でない製作および保守を可能にする装置を見出すことを課題と する。 この課題は、冒頭に記載の方法から出発して、本発明によれば、少なくとも１ つの被覆ノズルを第１の移 動過程で被覆剤適用場所近傍へ迅速に、かつ第２の移動過程で適用場所へ緩慢に 移動させることによって解決される。被覆ノズルは、被覆過程をできる限り短く 保持し、かつ方法の生産性を高めるために、第１の迅速な移動過程によって短時 間で被覆剤適用場所近傍へ移動せしめられる。しかし迅速な移動過程では、少な くとも油圧式駆動装置との組合せでは被覆ノズルを正確に、記憶媒体の内側領域 内の記憶媒体上へ被覆剤が適用されるべき場所へ移動させることは可能ではない かまたは高い装置費用を使ってのみ可能である。すなわち一方で被覆ノズルが十 分には内方へ、所定の最適な適用場所へ移動せしめられない場合には、意図しな い記憶媒体の領域が被覆されないまま残る。それとは異なり、被覆ノズルが最適 な適用場所を越えてより内方へ移動せしめられた場合には内側領域内に切り取り 部を持つ記憶媒体の内縁の、またはこの記憶媒体の取扱いに使用される記憶媒体 の内側の環状領域の意図しない被覆が行われる。このことは特に現代の、近年の ＣＤ、従来のＣＤと異なり内側の切欠が直径３５ｍｍではなく、直径１５ｍｍの 切欠を持つＣＤに該当する。その上にＣＤは片面の内側の領域内に円形のみぞを 有しており、このみぞは記憶媒体の他方の面上に円形の隆起部を形成する。被覆 ノズルが第１の迅速な移動でこの円形みぞまたは円形突出部まで移動すると、み ぞまたは突出部は意図せずに被覆剤を設けられ、被覆 剤は次いで遠心過程の間に非均一に記憶媒体の面上に分配され、かつ記憶媒体の 面にわたって条部および非均一な被覆厚さを形成する。これらの欠点は本発明の 別の発明的な特徴、すなわち、第２の移動過程を配慮し、第２の移動過程が第１ の迅速な移動過程の後に被覆ノズルをゆっくりと適用箇所へ移動せしめることに よって確実に回避される。 有利には被覆ノズルが第１およびまたは第２の移動過程でもって移動せしめら れる速度は所与の事情に応じて調整かつ後調整可能である。これによって第１お よびまたは第２の移動過程中の移動速度は個別にその都度の経過、異なる記憶媒 体およびまたは被覆剤に対して適合せしめることができる。 別のきわめて有利な実施形によれば、第１の迅速な移動過程は静止記憶媒体で 行われ、他方第２の緩慢な移動過程では記憶媒体は既に運動開始されているので 、被覆ノズルが所定の適用箇所に位置したら直ちに被覆剤が施され、かつ記憶媒 体上へ遠心作用によって移動せしめることができる。この方法で被覆過程をさら に短縮することが可能である。 上記の課題は、回転可能な記憶媒体置き台と、被覆ノズルを記憶媒体上を被覆 剤適用箇所まで移動せしめるための駆動装置を備えた少なくとも１つの被覆ノズ ルとを備える、ディスク形の情報記憶媒体を被覆剤で被覆するための装置から出 発して、駆動装置が被覆ノ ズルの第１の迅速な移動過程のための第１の液圧シリンダと第２の緩慢な移動過 程のための第２の液圧シリンダとを備える液圧装置を備えていることによっても 解決される。本発明による方法についての記載で挙げられた利点は本発明による 装置にも該当する。 被覆ノズルを移動させるための駆動装置として駆動速度を制御可能であるステ ップモータを使用することが原則的に可能である。しかしこの目的のためにはス テップモータは液圧装置よりも著しく面倒かつ高価であり、従って液圧装置は経 済的な観点からも著しい利点を持つ。 本発明の有利な構成によれば、第２の液圧シリンダは第１の液圧シリンダによ る駆動終了後に被覆ノズルの駆動を行う。しかし第２の液圧シリンダが第２の緩 慢な移動過程の間第１の液圧シリンダに対抗する作用を行う実施形が特に有利で ある。すなわち第１の液圧シリンダは被覆ノズルを適用場所またはその直前まで 移動せしめるために移動過程を行い、この移動が第２の液圧シリンダによって単 に減速される。従って第２の液圧シリンダはこの実施形では第１の液圧シリンダ のブレーキシリンダとして働く。 第１およびまたは第２の液圧シリンダのシリンダ速度が調節可能、移動調節可 能、制御可能かつまたは調整可能であると有利である。従って有利には第１およ びまたは第２の液圧シリンダは適切に調節可能である 流体絞りを備える。 以下に有利な実施例について図面を参照しながら本発明が説明される： 図１は本発明による装置を第１の方向から見た図、図２は第１に示された装置を 第１の方向とは９０度異なる第２の方向から見た図、図３は図１および図２に示 された装置の平面図、図４は本発明による移動経路を説明するための、被覆すべ き記憶媒体の略示平面図、図５は被覆装置全体の略示図である。 図１〜図３に示されているように、被覆ノズル１がキャリッジ３に支持された 片持ちアーム２に固定されている。キャリッジ３はキャリッジガイド４上を滑動 可能に支承され、かつこのキャリッジガイド４に対して相対的に液圧シリンダ５ ，６によって矢視の移動方向７に移動せしめられ、こうして被覆ノズル１は被覆 すべき記憶媒体８の縁部から適用場所１２（図４参照）へ移動せしめられ、この 適用場所で被覆ノズル１は作用を開始され、かつ被覆剤を記憶媒体８上へ施され る。 液圧シリンダ５，６の１つが、第１の液圧シリンダ５もしくは６として記憶媒 体８の半径領域の大部分を越えて箇所１０まで被覆ノズル１を迅速に移動させる ために使用され、この箇所からは被覆ノズル１の直線形の半径方向移動は記憶媒 体８上方の所定の適用場所１２で静止するまで減速される。この最後の移動行程 中は第２の液圧シリンダ６もしくは５は第１の液圧シリンダ５もしくは６に対抗 する作用をし、従ってブレーキシリンダとして働く。 図４は記憶媒体８に対する被覆ノズル１の移動経路を示す。そのためには、被 覆過程中、被覆すべき記憶媒体８、例えば平面図で示されたＣＤは、示されてい ない回転ディスク上に置かれる。記憶媒体８は最初はまだ回転せしめられず、被 覆ノズル１は第１の液圧シリンダ５もしくは６による駆動によって直線形の移動 過程（矢印９）で半径方向に記憶媒体８の中心まで移動せしめられ、ここからブ レーキシリンダ６もしくは５が作用開始せしめられ、かつ第１の液圧シリンダ５ もしくは６の、ひいては被覆ノズル１の速度が減少せしめられる。図示の実施例 では、被覆ノズル１が場所１０に位置する時点、すなわち第２の液圧シリンダ６ もしくは５が作用開始される時点から回転せしめられ、そのために被覆ノズル１ の直線形の移動時に被覆ノズルは移動過程（矢印１１）中に記憶媒体８の表面に 対して相対的に被覆剤適用場所１２まで移動せしめられる。適用場所１２へはき わめて正確に所定通りに接近移動せしめられる、それというのも場所１０と適用 場所１２との間の移動は緩慢に行われるからである。被覆ノズル１が適用場所１ ２へ到達した瞬間に直ちに記憶媒体８上への被覆剤の適用を開始することができ る、なぜならば記憶媒体８が既に回転しており、かつ 被覆媒体は記憶媒体面上を均一に外方へ遠心作用によって移動せしめられるから である。 図４に略示されているように、この実施例で記憶媒体８としてのＣＤは切り欠 かれたホール１３と内側の環状領域１４とを有し、環状領域はＣＤの取扱いに使 われ、かつ被覆されるＣＤ８の外側領域１５に対して円形のみぞ１６もしくはＣ Ｄ８の他方の面上の円形の、相補的な隆起部によって区切られる。 本発明による方法もしくは本発明による装置は、被覆ノズルの最初迅速な、次 いで適用箇所近傍での緩慢な、きわめて精確な適用箇所１２への移動によって僅 かな装置および保守費用および高い生産速度での記憶媒体８の簡単で精確な被覆 を可能にし、しかも一方で円形のみぞ１６の外側の全領域が確実に被覆され、し かし他方では被覆媒体がこのみぞ１６内へもしくは相補的な隆起部上へ達するこ と（ＣＤ上の条線形成を招く）は回避される。また内側領域１４上への被覆剤の 塗布の回避が確実に保証され、従って取り扱い装置は被覆剤と接触せず、汚染さ れ得ない。 上記で優れた実施例について本発明が説明された。しかし当業者には発明の思 想を離れることなく多数の変更および構成が可能である。例えば第１の液圧シリ ンダ５もしくは６に対抗する第２のブレーキシリンダ６もしくは５を、例えば被 覆ノズル１が場所１０にある場合には第１の液圧シリンダの移動を引き継ぐシリ ンダによって代えることが可能である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ディスク形の情報記憶媒体（８）を被覆剤を用いて被覆するための方法であ って、被覆剤が少なくとも１つの被覆ノズル（１）を用いて記憶媒体（８）の内 側領域でこの記憶媒体上へ施され、かつ記憶媒体（８）の回転時に生じる遠心力 によって記憶媒体上で分配される方法において、被覆ノズル（１）を第１の移動 過程（９）で被覆剤適用場所（１２）の近傍（１０）へ迅速に、かつ第２の移動 過程（１１）で適用場所（１２）へ緩慢に移動させることを特徴とする、ディス ク形の情報記憶媒体を被覆剤を用いて被覆するための方法。 ２．被覆ノズル（１）を第１のおよびまたは第２の移動過程（９もしくは１１） 中に移動させる速度が調節可能である、請求項１記載の方法。 ３．記憶媒体（８）を第２の移動過程（１１）中に回転運動開始させる、請求項 １または２記載の方法。 ４．ディスク形の情報記憶媒体（８）を被覆剤を用いて被覆するための装置であ って、記憶媒体（８）のための回転可能な置き台と少なくとも１つの被覆ノズル （１）とを備えており、被覆ノズルが、被覆ノズルを記憶媒体（８）上を被覆剤 適用場所（１２）まで移動させるための駆動装置（５，６）を備えている形式の ものにおいて、駆動装置（５，６）が被 覆ノズル（１）の第１の迅速な移動のための第１の液圧シリンダ（５もしくは６ ）および第２の緩慢な移動のための第２の液圧シリンダ（６もしくは５）とを有 する液圧装置を備えていることを特徴とする、ディスク形の情報記憶媒体（８） を被覆剤を用いて被覆するための装置。 ５．第２の液圧シリンダ（６もしくは５）が被覆ノズル（１）の駆動を、第１の 液圧シリンダ（５もしくは６）による駆動終了後に引き受ける、請求項４記載の 装置。 ６．第２の液圧シリンダ（６もしくは５）が第２の緩慢な移動過程（１１）の間 に第１の液圧シリンダ（５もしくは６）に対抗する作用を行う、請求項４記載の 装置。 ７．第２の液圧シリンダ（６もしくは５）が第１の液圧シリンダ（５もしくは６ ）のためのブレーキシリンダとして働く、請求項６記載の装置。 ８．第１のおよびまたは第２の液圧シリンダ（５もしくは６；６もしくは５）が 調節可能な流体絞りを有している、請求項４から７までのいずれか１項記載の方 法。