JPH04322768A - 紫外線硬化型樹脂塗布装置及び該装置を用いた光ディスクの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＣＤ、ＣＤ−ＲＯＭ、
光磁気ディスク等のディスク状記録媒体の製造装置に関
するものであり、更に詳しくは、ディスク状記録媒体に
対して、ディスクのハードコート及び記録膜の保護コー
ト等のコーティングを行う紫外線硬化型樹脂塗布装置及
び該装置を用いた光ディスクの製造方法に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】光ディスク等の記録媒体には、記録膜の
保護や光入射面の保護のため、一般に紫外線硬化型樹脂
によるコーティングがなされている。この紫外線硬化型
樹脂のコーティング方法には、簡便さ、迅速さの点で有
利なスピンコート法が好適に用いられている。

【０００３】本発明による紫外線硬化型樹脂塗布装置を
図１に示したが、スピンコート法では、ディスク１１は
回転可能に設置されたディスク保持部材２に装着され、
低速回転もしくは停止したままディスク上に紫外線硬化
型樹脂が供給される。その後、ディスクは高速回転し、
遠心力の作用で紫外線硬化型樹脂は引き伸ばされる。こ
のようにして得られた紫外線硬化型樹脂の塗膜は、紫外
線照射により硬化される。このようなスピンコート法に
用いられるディスク保持部材には、従来、図４に示され
るようなディスクの内周部のみ保持するタイプが一般に
用いられてきた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術を用いて紫外線硬化型樹脂を塗布、硬化した場合、紫
外線硬化型樹脂の硬化収縮により塗膜面を内側とした反
りがディスクに生じ、十分な機械的精度が得難いという
欠点を有していた。そのために、実際のコーティングで
は機械的精度の面から紫外線硬化型樹脂の塗膜厚や硬化
収縮率の制御等が必要となることが多く、十分なディス
ク保護性能を付与することが困難であった。

【０００５】本発明が解決しようとする課題は、紫外線
硬化型樹脂コーティングによる反りを制御し、機械的精
度に優れたディスクを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、ディスク保持部材と、該ディスク保持部
材に装着されたディスク上に紫外線硬化型樹脂を供給す
る紫外線硬化型樹脂供給手段と、ディスクを高速回転す
ることにより紫外線硬化型樹脂を均一に引き伸ばすディ
スク回転手段と、塗膜を紫外線照射により硬化する塗膜
硬化手段とを具備する紫外線硬化型樹脂塗布装置におい
て、該ディスク保持部材がディスクの内周部と外周部と
を保持することが可能な吸着凸部を有し、外周部の吸着
凸部６ｂの高さが内周部の吸着凸部６ａの高さよりも低
くなっていることを特徴とする紫外線硬化型樹脂塗布装
置及び該装置を用いた光ディスクの製造方法を提供する
。

【０００７】

【構成】以下、本発明について詳細に説明する。

【０００８】本発明による紫外線硬化樹脂塗布装置の１
例を図１に示した。図１においてディスク保持部材２に
は内周部と外周部にディスク吸着凸部６ａ、６ｂが設け
られている。外周部の吸着位置はディスクの外径よりも
０．５〜２ｍｍ内側であるのが望ましい。ディスクの外
径と同等の位置で吸着保持した場合には、紫外線硬化型
樹脂の垂れが吸着凸部に回り込み、ディスクの外観を損
ねることがあるので好ましくない。ディスク保持手段と
しては真空吸着が適当である。図５に示した固定ネジ９
によるメカニカルチャックや図６に示したマグネットチ
ャックは生産性の点で劣るとともに、ディスクを傷つけ
、また塵の発生源となるので好ましくない。吸着部の形
状としては、例えば、図２に示したようなリング状の溝
８ａ、８ｂや吸引孔を多数具備したものが適当である。 ディスク保持部材２の中心にはセンターピン１が設けら
れており、これによりディスク１１の中心合わせが容易
になるので樹脂塗布後の表面の仕上がりが良好となる。

【０００９】ディスク１１は、図１のように、ディスク
保持部材２に吸着保持され、低速回転もしくは停止した
まま紫外線硬化型樹脂がディスク内周部にリング状に供
給される。その後、高速回転により紫外線硬化型樹脂は
引き伸ばされるが、このとき内外周とも吸着保持されて
いるためにディスクのばたつきがなく、回転が安定する
ので均一な塗布膜が得られる。また、ディスク回転に伴
う飛沫がディスクの裏面に付着することがない。紫外線
硬化型樹脂の回転塗布後、紫外線照射により樹脂は硬化
するが、樹脂の硬化収縮により塗布面には収縮応力が働
く。しかしながら、あらかじめディスクは塗布面と逆方
向に反って保持されているので、ディスク保持部材によ
る吸着から解放されディスクがもとの形状に復元しよう
とするときには、塗膜はある程度までは収縮応力をもっ
て復元にプラスの影響をを及ぼすが、それ以上の変形に
対してはマイナスの影響を及ぼすことになる。

【００１０】また、上記における外周部のディスク保持
は紫外線硬化のときのみでもよい。この時には、まずデ
ィスクの内周部のみが吸着保持され紫外線硬化型樹脂が
塗布される。飛沫の裏回りについては、保持部材の内外
周の段差が１ｍｍ程度以下ならば問題はない。この方法
を更に発展させたものが図３である。図３では外周部の
吸着凸部６ｂがディスク保持部材２ｂとともに上下駆動
可能に設置されている。ディスク１１に紫外線硬化型樹
脂を回転塗布する際には内周部の吸着凸部６ａのみの保
持により、外周部の吸着凸部６ｂはディスク保持位置よ
りも下に位置する。外周部のディスク保持部材２ｂは回
転塗布時の飛沫の裏回りを防ぐ役割をなす。紫外線硬化
型樹脂の回転塗布後、外周部の吸着凸部６ｂはディスク
保持位置まで上昇してディスクを吸着、ディスクは塗布
面の逆方向へと反る。その後ＵＶ照射により樹脂は硬化
する。このように、外周部の吸着凸部６ｂを上下移動可
能とすることで、如何なる紫外線硬化型樹脂を用いても
機械的精度の優れたディスクの製造が可能となる。

【００１１】

【実施例】

（実施例１）図１に示したディスク保持部材を用いて９
０ｍｍφのポリカーボネート製ディスク基板に紫外線硬
化型樹脂コーティングを行った。外周部の吸着凸部の高
さは内周部の吸着凸部の高さよりも０．２ｍｍ低くした
。紫外線硬化型樹脂には大日本インキ化学工業（株）製
の光ディスク用ハードコート樹脂「ＥＸ−７０４」を用
いた。内外周ともに吸着保持し、３，５００ｒｐｍで１
０秒間回転塗布した。その後、吸着保持したままメタル
ハライドランプで１，５００ｍＪ／ｃｍ２の紫外線を照
射し硬化したところ、膜厚５μｍのハードコート基板が
得られた。ハードコート基板の半径方向反り角は２ｍｒ
ａｄ以下の良好な特性を示した。

【００１２】（実施例２）実施例１において、紫外線硬
化型樹脂として「ＥＸ−７０４」に代えて東亜合成化学
工業（株）製の「アロニックスＵＶ−３７００」を用い
、実施例１と同様の手法で紫外線硬化型樹脂コーティン
グを行った。 外周部の吸着凸部の高さは、内周部の吸着凸部の高さよ
りも０．３ｍｍ低くした。得られたハードコート基板の
膜厚は６μｍであり、半径方向反り角を測定したところ
、２ｍｒａｄ以下の良好な特性を示した。

【００１３】（実施例３）実施例１で得られたハードコ
ート基板に、ＴｂＦｅＣｏ光磁気記録膜を製膜し、ディ
スクの半径方向反り角を測定したところ、ハードコート
面を内側にして２ｍｒａｄの反りを有していた。このデ
ィスクに対して記録膜保護のために紫外線硬化型樹脂コ
ーティングを行った。紫外線硬化型樹脂には大日本イン
キ化学工業（株）製光ディスク用保護コート樹脂「ＳＤ
−３０１」を用いた。図１に示したディスク保持部材を
用いて外周部の吸着凸部の高さを内周部の吸着凸部の高
さよりも０．２ｍｍ低くしてコーティングを行った。３
，０００ｒｐｍで１０秒間回転塗布し、メタルハライド
ランプで１，５００ｍＪ／ｃｍ２の紫外線を照射したと
ころ、膜厚２０μｍのディスクが得られた。このディス
クの半径方向反り角を測定したところ、２ｍｒａｄ以下
の良好な特性が得られた。

【００１４】（実施例４）図３に示したディスク保持部
材を用いて９０ｍｍφのポリカーボネート製ディスク基
板に紫外線硬化型樹脂をコーティングした。紫外線硬化
型樹脂には大日本インキ化学工業（株）製光ディスク用
ハードコート樹脂「ＥＸ−７０４」を用いた。まず、回
転塗布時の外周部の吸着凸部の高さを内周部の吸着凸部
よりも１ｍｍ低くして、実施例１と同条件で紫外線硬化
型樹脂の塗布を行った。このとき飛沫の裏回りは観察さ
れなかった。その後、外周部の吸着凸部を上昇してディ
スク外周部を吸着し、内周部より０．２ｍｍ低い位置で
固定して、実施例１と同様の条件で紫外線を照射、硬化
した。得られたハードコート基板の半径方向反り角は２
ｍｒａｄ以下の良好な特性を示した。

【００１５】（比較例１）実施例１において、図１に示
したディスク保持部材に代えて、図４に示した従来のデ
ィスク保持部材を用いた以外は、９０ｍｍφポリカーボ
ネート製ディスク基板に実施例１と同様の条件にて紫外
線硬化型樹脂をコーティングした。得られたハードコー
ト基板の半径方向反り角は５ｍｒａｄと不十分な特性に
とどまった。

【００１６】（比較例２）実施例３と同様にして光磁気
記録膜を製膜したディスクに対し、図４に示した従来の
ディスク保持部材を用いて記録膜の保護コーティングを
行った。得られたディスクの半径方向反り角は４．５ｍ
ｒａｄと不十分な特性にとどまった。

【００１７】

【発明の効果】本発明の製造装置によれば、ディスクの
内周部及び外周部を保持することが可能であり、外周部
の吸着凸部の高さが内周部の吸着凸部の高さよりも低い
ことを特徴としたディスク保持部材を用いて紫外線硬化
型樹脂を塗布、硬化することによって、反りの小さなデ
ィスクが製造可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による紫外線硬化型樹脂塗布装置のディ
スク保持部材の縦断面図である。

【図２】図１に示したディスク保持部材の外周部Ａの拡
大図である。

【図３】請求項３記載の紫外線硬化型樹脂塗布装置にお
けるディスク保持部材の縦断面図である。

【図４】従来技術による紫外線硬化型樹脂塗布装置のデ
ィスク保持部材の縦断面図である。

【図５】メカニカルチャックによるディスク保持の一例
を示した縦断面図である。

【図６】マグネットチャックによるディスク保持の一例
を示した縦断面図である。

【符号の説明】

１　　センターピン ２　　ディスク保持部材 ３　　スピンドル ４　　ノズル ５　　樹脂タンク ６ａ　　吸着凸部 ６ｂ　　吸着凸部 ７ａ　　吸引孔 ７ｂ　　吸引孔 ８ａ　　リング状溝 ８ｂ　　リング状溝 ９　　ディスク固定ネジ １０ａ　　マグネット １０ｂ　　マグネット １１　　ディスク Ａ　　ディスク保持部材の外周部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ディスク保持部材と、該ディスク保持
   部材に装着されたディスク上に紫外線硬化型樹脂を供給
   する紫外線硬化型樹脂供給手段と、ディスクを高速回転
   することにより紫外線硬化型樹脂を均一に引き伸ばすデ
   ィスク回転手段と、塗膜を紫外線照射により硬化する塗
   膜硬化手段とを具備する紫外線硬化型樹脂塗布装置にお
   いて、該ディスク保持部材がディスクの内周部と外周部
   とを保持することが可能な吸着凸部を有し、外周部の吸
   着凸部の高さが内周部の吸着凸部の高さよりも低くなっ
   ていることを特徴とする紫外線硬化型樹脂塗布装置。
2. 【請求項２】　　少なくとも内周部の吸着凸部が回転可
   能に設置されていることを特徴とする請求項１記載の紫
   外線硬化型樹脂塗布装置。
3. 【請求項３】　　外周部の吸着凸部が垂直方向に移動可
   能に設置されていることを特徴とする請求項１記載の紫
   外線硬化型樹脂塗布装置。
4. 【請求項４】　　請求項１記載の紫外線硬化型樹脂塗布
   装置を用いて、ディスクを反らせながら、紫外線硬化型
   樹脂を塗布、紫外線硬化させることを特徴とする光ディ
   スクの製造方法。
5. 【請求項５】　　請求項１記載の紫外線硬化型樹脂塗布
   装置を用いて、内周部のみを保持して紫外線硬化樹脂を
   塗布後、外周部を保持し紫外線硬化させることを特徴と
   する光ディスクの製造方法。