JP2003338092A - 記録媒体の製造方法、記録媒体製造具および記録媒体製造装置 - Google Patents

記録媒体の製造方法、記録媒体製造具および記録媒体製造装置

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JP2003338092A
JP2003338092A JP2002143737A JP2002143737A JP2003338092A JP 2003338092 A JP2003338092 A JP 2003338092A JP 2002143737 A JP2002143737 A JP 2002143737A JP 2002143737 A JP2002143737 A JP 2002143737A JP 2003338092 A JP2003338092 A JP 2003338092A
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Japan
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resin
outer peripheral
cap
manufacturing tool
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JP2002143737A
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English (en)
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Junji Hirokane
順司 広兼
Ippei Suzuki
一平 鈴木
Yasuhiro Harada
康弘 原田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光透過保護層の層厚が全面にわたり均一な光
ディスクを製造する。 【解決手段】 光ディスク基板1上に流動性のある光硬
化性樹脂9を回転延伸により塗布して光透過保護層を形
成する工程を備えた光ディスクの製造方法において、光
ディスク基盤1の樹脂塗布面を、回転中心に対し光ディ
スク基板1の記録領域より外側へ延長させる面を備えた
外周キャップ10を、光ディスク基板1の外周領域に装
着した後、上記光硬化性樹脂9を塗布する工程を実行す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体の製造方
法及びその製造装置に関するものである。詳しくは、記
録媒体上に流動性のある樹脂を塗布して樹脂層を形成す
る記録媒体の製造方法、記録媒体製造具および記録媒体
製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野においては光ディ
スクに関する研究が各所で進められている。この光ディ
スクは、再生専用型、追記型、書換え可能型のそれぞれ
のメモリー形態に対応できる等の利点を有し、安価な大
容量ファイルの実現を可能とする方式として産業用から
民生用まで幅広い用途が考えられている。
【0003】その中でも特に、再生専用型の光ディスク
としてCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versat
ile Disk)、書換え可能型の光ディスクとしてミニディ
スクが広く普及している。
【0004】上記光ディスクは、図26に示すように、
光ディスク基板100上に、情報信号を示すピットやグ
ルーブ等の凹凸パターン101が形成され、その上に反
射膜又は記録膜102が形成され、さらにこの反射膜又
は記録膜102を大気中の水分や酸素から保護するため
の光透過保護層103Aが形成されている。
【0005】また、上記光ディスクを製造する際には、
まず射出成形法により上記凹凸パターン101を有する
光ディスク基板100を形成し、さらにその上に紫外線
硬化樹脂等の光硬化性樹脂103B(図30参照)を塗
布した後、紫外線を照射し硬化させて光透過保護層10
3Aを形成する。
【0006】なお、上記光ディスクの情報の再生は、光
ディスク基板100側の上記凹凸パターン101上に、
レーザー光104を対物レンズ105により集光照射
し、その反射光の光量差や偏光状態の差によって情報を
検出している。
【0007】一方で、記録情報量の増大化に伴い、さら
なる高記録密度化を図るために、光ピックアップの対物
レンズ105の開口数NAを大きくする必要が生じてい
る。ところが、対物レンズ105の開口数NAを大きく
した場合、光ディスクの傾き許容度が減少するため、図
26に示すように、これまで光ディスク基板100側か
ら行われていた凹凸パターン101に対する光照射を、
図27に示すように、光透過保護層103Aの側から行
うこととなる。
【0008】このように、凹凸パターン101に対する
光照射が光透過保護層103Aの側から行われる場合、
光透過保護層103Aの層厚が不均一となると、集光ス
ポットの収差が発生し、記録再生信号の劣化につなが
る。従って、光透過保護層103Aの層厚を均一にする
ことが必要であった。
【0009】光ディスク基板100上への光透過保護層
103Aの形成方法として、通常、光ディスク基板10
0には中心孔106(図28参照)が形成されているた
め、該中心孔106に光硬化性樹脂103Bが入り込ま
ないように、上記回転中心と同心に光硬化性樹脂103
Bを環状に供給し、この光ディスク基板100を回転さ
せ、光硬化性樹脂103Bを遠心力により光ディスク外
側へ向けて回転延伸するスピンコート法が一般的であ
る。
【0010】具体的には、図28に示すように、中心孔
106を有する光ディスク基板100上には、図示しな
い凹凸パターン101が設けられており、該凹凸パター
ン101を覆うように、反射膜又は記録膜102が形成
されている。
【0011】次に、図29に示すように、紫外線硬化樹
脂等の光硬化性樹脂103Bが、中心孔106に入り込
まないように、環状に供給される。
【0012】さらに、図30に示すように、該光ディス
ク基板100を回転させることにより、供給された光硬
化性樹脂103Bは光ディスク外周へ向けて回転延伸さ
れ、光ディスク基板100上に形成された反射膜又は記
録膜102を覆うように塗布される。その後、紫外線等
の光を照射することで光硬化性樹脂103Bを硬化させ
ることにより光ディスクの光透過保護層103Aを形成
している。
【0013】ところが、上記スピンコート法に従って光
硬化性樹脂103Bからなる光透過保護層103Aを形
成すると、光透過保護層103Aの層厚が内周に比べて
外周において厚くなるという問題があった。
【0014】また、図30に示すように、光硬化性樹脂
103Bの表面張力により、光硬化性樹脂103B塗布
領域の内外周エッジ部分に樹脂溜り107が形成され、
光硬化性樹脂103Bを硬化させる光照射の過程で、光
ディスク基板100の回転を停止することにより、該樹
脂溜り107は、反射膜又は記録膜102が形成されて
いる領域へと流れてしまい、光透過保護層103Aの層
厚の均一性をさらに損なう原因ともなっていた。
【0015】そこで、特開平11−213459号公報
では、光透過保護層103Aの層厚を内外周で均一にす
るために、図31に示すように、中心孔106をキャッ
プ108で塞ぎ、光ディスク基板100の回転中心に樹
脂を供給する方法が開示されている。
【0016】従って、上記特開平11−213459号
公報に示す方法に従い、光硬化性樹脂103Bからなる
光透過保護層103Aを形成するならば、光透過保護層
103Aの内外周における層厚の均一性は改善され、ま
た、内周エッジの樹脂溜り107に起因する光硬化性樹
脂103Bの層厚変動を抑制することも可能になると考
えられる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
11−213459号公報に記載の方法では、外周エッ
ジの樹脂溜り107に起因する光硬化性樹脂103Bの
層厚変動は抑制することができず、光ディスク外周領域
において、光透過保護層103Aの層厚の不均一は取り
除くことができないという問題点を有している。
【0018】即ち、上記方法では、光透過保護層103
Aの層厚が径方向で均一な光ディスクの製造は困難であ
る。
【0019】そこで本発明は、上記従来の課題を解決す
べく提案されたものであり、記録媒体に設ける樹脂層の
層厚が全面にわたり均一にすることができる記録媒体の
製造方法、記録媒体製造具および記録媒体製造装置を提
供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる記録媒体
の製造方法は、記録媒体上に流動性のある樹脂を回転延
伸により塗布して樹脂層を形成する工程を備えた記録媒
体の製造方法において、記録媒体の樹脂塗布面を、回転
中心に対し記録媒体の記録領域より外側へ延長させる面
を備えた記録媒体製造具を、記録媒体の外周領域に装着
した後、上記樹脂を塗布する工程を実行することを特徴
としている。
【0021】上記方法によれば、記録媒体上に供給され
た樹脂を回転延伸により記録媒体上に塗布する工程で、
外周領域には表面張力により樹脂の樹脂溜りが形成さ
れ、回転を停止した際に該樹脂溜りが記録媒体中心側に
向かって流れてくるという問題点に対して、上記構成の
記録媒体製造具を記録媒体の外周領域に装着すること
で、樹脂塗布面を記録領域より外側へ延長することがで
きる。これにより、樹脂溜りは記録媒体製造具上には形
成されるものの、記録媒体上の樹脂塗布面から外側に離
れた位置となるため、該記録媒体上には該樹脂溜りは形
成されず、滑らかに塗布することが可能となる。また、
樹脂溜りは記録媒体上の樹脂塗布面よりも外側に形成さ
れることから、回転を停止した際の樹脂の記録媒体中心
側への逆流の影響をも抑制することができる。
【0022】その結果、樹脂の層厚が均一な記録媒体を
製造することが可能となる。
【0023】本発明にかかる記録媒体の製造方法は、上
記構成に加え、記録媒体に形成された中心孔をキャップ
部材で塞ぎ、上記樹脂を該キャップ部材の上に供給する
ことを特徴としている。
【0024】上記構成によれば、上述した製造方法に加
え、記録媒体の中心孔にもキャップ部材を装着すること
により、記録媒体の内周領域においても層厚の不均一を
抑制することができるとともに、記録媒体の回転中心の
上方より樹脂を供給し回転延伸することから、回転中心
から全ての方向に対して均等に塗布することができる。
【0025】その結果、樹脂の層厚が全面において均一
である記録媒体を製造することが可能となる。
【0026】本発明にかかる記録媒体製造具は、記録媒
体の外周領域に装着することにより、記録媒体の樹脂塗
布面を回転中心に対し記録媒体の記録領域より外側へ延
長させる面を備えていることを特徴としている。
【0027】上記構成によれば、記録媒体に樹脂を塗布
する工程において、樹脂塗布面を外側へ延長させる面を
備えていることにより、回転延伸により形成される樹脂
溜りを記録媒体の樹脂塗布面より外側の位置へ形成させ
ることが可能となり、上記製造方法の実行を可能とす
る。
【0028】その結果、樹脂の層厚が均一な記録媒体を
製造することが可能となる。
【0029】本発明にかかる記録媒体製造具は、上記構
成に加え、上記記録媒体が円盤形状である場合に、外形
が略環状体を呈し、内径が記録媒体の記録領域の外径よ
りも大きく、記録媒体の外径より小さいことを特徴とし
ている。
【0030】上記構成によれば、樹脂層にて保護すべき
記録媒体の記録領域の全面に樹脂を塗布することができ
るとともに、樹脂溜りを記録領域よりも外側の記録媒体
製造具上に形成させることができる。
【0031】その結果、記録媒体の記録領域を保護する
ことができるとともに該記録媒体上に樹脂溜りが形成さ
れないことから樹脂を滑らかに塗布することができる。
【0032】本発明にかかる記録媒体製造具は、上記構
成に加え、記録媒体の中心側に配される内周縁と、外周
側に配される外周縁とを備えた形状であり、該内周縁と
外周縁との間で、少なくとも1個の極大厚を有している
ことを特徴としている。
【0033】上記構成によれば、回転延伸により記録媒
体上に樹脂を塗布する工程において、外周部分に形成さ
れる樹脂溜りは、該記録媒体製造具の極大厚を超えてさ
らに外側へ移動する。
【0034】その結果、回転を停止した後に、樹脂溜り
は記録媒体の中心側へと逆流することがなく、層厚の不
均一を確実に抑制することができる。
【0035】本発明にかかる記録媒体製造具は、上記構
成に加え、記録媒体に装着した際の外周が、記録媒体を
載置して回転させるターンテーブルの外周よりも外方へ
張り出していることを特徴としている。
【0036】上記構成によれば、記録媒体製造具を記録
媒体に装着した際の外径がターンテーブルの外径よりも
大きいことにより、樹脂を塗布する工程において、回転
延伸により記録媒体製造具のさらに外側へと溢れ出る樹
脂は、該記録媒体製造具の外面を伝ってターンテーブル
と接することなく重力により下方へと落下する。
【0037】その結果、溢れ出た樹脂が記録媒体製造具
とターンテーブルとの隙間に入り込み記録媒体へ付着す
ることを防ぐことができ、記録媒体の量産性を改善する
ことが可能となる。
【0038】本発明にかかる記録媒体製造具は、上記構
成に加え、外周の形状がターンテーブルの側面に被さる
形状であることを特徴としている。
【0039】上記構成によれば、記録媒体製造具の外周
がターンテーブルの外周よりも外方へ張り出しただけで
は、張り出した部位の外面から底面を伝わった樹脂が、
ターンテーブルと記録媒体製造具との装着面の隙間に入
り込む恐れが無いとは言えないのに対し、記録媒体製造
具の外周の形状がターンテーブルの側面に被さる形状で
あることにより、記録媒体製造具のさらに外側へと溢れ
出る樹脂を、より確実に、ターンテーブルと接すること
のない下方へと導くことができる。
【0040】その結果、溢れ出た樹脂が記録媒体製造具
とターンテーブルとの隙間に入り込み記録媒体へ付着す
ることを確実に防ぐことができ、記録媒体の量産性を一
層改善することが可能となる。
【0041】本発明にかかる記録媒体製造具は、記録媒
体の外周部分に基板厚が厚く形成された凸部を有する場
合に、記録媒体に装着した際に、該凸部と嵌合する凹部
を有していることを特徴としている。
【0042】上記構成によれば、記録媒体の外周部分に
基板厚が厚く形成された凸部を有することにより、記録
媒体の強度が補強されている。該凸部と嵌合する形状の
凹部を有する記録媒体製造具とすることによって、凸部
を有する記録媒体に対しても樹脂層を均一に形成するこ
とができる。
【0043】その結果、強度が補強された記録媒体に対
して、樹脂の層厚が均一な記録媒体を製造することが可
能となる。
【0044】本発明にかかる記録媒体製製造具は、上記
構成に加え、上記記録媒体製造具に対し、記録媒体に形
成された中心孔を塞ぐキャップ部材が一体化されている
ことを特徴としている。
【0045】上記構成によれば、記録媒体の中心孔にキ
ャップ部材を装着することにより、記録媒体の内周領域
における樹脂の層厚を均一にすることができる。また、
外周領域に装着する記録媒体製造具と一体化しているこ
とから、上述した外周領域に装着する記録媒体製造具の
効果をも併せて得ることができる。
【0046】その結果、樹脂の層厚が全面において均一
である記録媒体を製造することが可能となる。
【0047】本発明にかかる記録媒体製造具は、上記構
成に加え、記録媒体の内周部分に基板厚が厚く形成され
た凸部を有する場合に、記録媒体に装着した際に、中心
孔を塞ぐキャップ部材が該凸部と嵌合する凹部を有して
いることを特徴としている。
【0048】上記構成によれば、記録媒体の内周部分に
基板厚が厚く形成された凸部を有することにより、記録
媒体の強度が補強されている。上記一体化された記録媒
体製造具のうち、中心孔を塞ぐキャップ部材を該凸部と
嵌合する形状の凹部を有するものとすることによって、
内周部分に凸部を有する記録媒体に対しても上記一体化
した記録媒体製造具と同様の効果を得ることができる。
【0049】その結果、強度が補強された記録媒体に対
して、樹脂の層厚が全面において均一である記録媒体を
製造することが可能となる。
【0050】本発明にかかる記録媒体製造装置は、記録
媒体上に流動性のある樹脂を回転延伸により塗布して樹
脂層を形成する記録媒体製造装置において、上述した何
れかの記録媒体製造具を備えていることを特徴としてい
る。
【0051】上記構成によれば、回転延伸により記録媒
体上に樹脂を塗布する装置において、記録媒体の外周領
域に装着され、記録媒体の外周部分を覆う手段として記
録媒体製造具を有していることにより、上述した記録媒
体の製造方法を実行することが可能となる。
【0052】その結果、樹脂の層厚が均一な記録媒体を
製造することが可能となる。
【0053】本発明にかかる記録媒体製造装置は、上記
構成に加え、記録媒体製造具と、記録媒体および記録媒
体を載置して回転させるターンテーブルに対して記録媒
体製造具を着脱するための治具と、ターンテーブルとの
それぞれの一部又は全部が、磁界発生手段により構成さ
れていることを特徴としている。
【0054】上記構成によれば、記録媒体上に樹脂を塗
布する工程において、磁界発生手段を吸着状態および解
除状態にすることで、記録媒体製造具を、治具若しくは
ターンテーブルと選択的に吸着固定させることを可能と
する。
【0055】その結果、上述した記録媒体の製造方法を
実行する際に、記録媒体およびターンテーブルに装着す
る記録媒体製造具の着脱を容易にかつ確実に実行するこ
とができる。
【0056】本発明にかかる記録媒体製造装置は、上記
構成に加え、記録媒体製造具と上下動可能な支持部とが
一体化され、さらに、該支持部を回転可能に支持する回
転支持部を備えていることを特徴としている。
【0057】上記構成によれば、記録媒体製造具と上下
動可能な支持部とを一体化することにより、記録媒体製
造具と支持部との着脱工程が必要無くなる。この結果、
記録媒体およびターンテーブルに対する記録媒体製造具
の着脱が簡単になる。さらに、回転支持部が、支持部を
回転可能に支持する構造により、記録媒体製造具および
上下動可能な支持部が一体となり記録媒体およびターン
テーブルに装着されたままの状態で、回転延伸による樹
脂の塗布を可能とする。
【0058】その結果、上述した記録媒体の製造方法を
実行する際に、工程を簡略化することができ、記録媒体
およびターンテーブルに装着する記録媒体製造具の着脱
を迅速かつ確実に実行することができ、量産性を高める
ことが可能となる。
【0059】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
から図25に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。なお、記録媒体の例として、光ディスク基板の情報
記録層上に光透過保護膜を有する光ディスクについての
説明をするが、本発明はこれに限定されるものではな
く、記録媒体上に流動性樹脂を塗布し樹脂層を形成する
構成であれば良い。
【0060】光ディスクは、図2および図3に示すよう
に、光ディスク基板1、中心孔2、記録領域3、保護領
域4、チャッキング領域5、外周領域6、反射膜又は記
録膜7、光透過保護層8を備えている。
【0061】また、上記光ディスクは、光ディスク基板
1の中心孔2を囲むように環状に記録領域3を形成して
いる。該記録領域3は光ディスク基板1上に設けられた
図示しない凹凸パターンを覆うように形成された反射膜
又は記録膜7により構成されている。また、該反射膜又
は記録膜7を覆うように光透過保護層8が環状に形成さ
れている。なお、上記光透過保護層8は、光ディスク基
板1の中心孔2近傍のチャッキング領域5および外周領
域6には形成されていない。
【0062】上記構成において、光ディスク基板の製造
方法を図1および図4から図13に基づき以下のとおり
説明する。
【0063】本発明にかかる記録媒体の製造方法の主た
る特徴点は、回転延伸により光ディスク基板1(記録媒
体)上に光硬化性樹脂9(流動性のある樹脂)を塗布し
て光透過保護層8(樹脂層)を形成する工程を備えた光
ディスク基板1の製造方法において、該光ディスク基板
1の樹脂塗布面を回転中心に対し光ディスク基板1の記
録領域3より外側へ延長させる面を備えた外周キャップ
10(記録媒体製造具)を、光ディスク基板1の外周領
域6に装着した後、上記光硬化性樹脂9を塗布する工程
を実行することである。
【0064】製造方法のより好ましい形態は、光硬化性
樹脂9を塗布する工程の実行前に、光ディスク基板1の
中心孔2を閉塞する内周キャップ11(キャップ部材)
を装着しておくことである。
【0065】上記外周キャップ10とは、光硬化性樹脂
9の塗布工程において、光ディスク基板1の外周領域6
に装着することにより、光ディスク基板1の樹脂塗布面
を回転中心に対し光ディスク基板1の記録領域3より外
側へ延長させる面を備えている記録媒体製造具である。
【0066】上記内周キャップ11とは、光硬化性樹脂
9の塗布工程において、光ディスク基板1の中心孔2に
装着することにより、該内周キャップ11上に供給され
た光硬化性樹脂9を回転延伸により滑らかに光ディスク
基板1上に塗布する面を備えた記録媒体製造具としての
キャップ部材である。
【0067】また、外周キャップ10は、光ディスク基
板1の外周領域6を覆う環状の覆い部10aと、ターン
テーブル12に装着し固定するための環壁状の支持部
(突起部)10bからなる構造をしており、内周キャッ
プ11は、光ディスク基板1のチャッキング領域5を覆
う、浅鉢を伏せた形状のキャップ部11aと、中心孔2
を貫通してターンテーブル12に装着し固定するための
軸部(突起部)11bからなる構造をしている。
【0068】樹脂塗布面を外側へ延長することにより回
転延伸した際の樹脂は、延長した樹脂塗布面まで達し
て、図1に示すように、外周エッジにおいて樹脂溜り1
3を形成し、回転停止に伴い回転中心側へ逆流してくる
ことから、外周キャップ10の覆い部10aの形状は、
平坦でも良いが、光ディスク基板1の中心側の端部(内
周縁)と外周側の端部(外周縁)との間で、少なくとも
1個の極大厚を有していることが望ましい。従って、本
実施の形態においては、その厚みが内周から外周に向け
て一度大きくなった後、さらに外周へ向けて小さくなる
形状をしている。厚みの変化の仕方は、連続的に滑らか
でも良いし、周期的又は不規則に繰り返す波状でも良
い。
【0069】上記内周キャップ11のキャップ部11a
の形状は、その厚みが中心から外周に向けて小さくなる
形状をしている。光硬化性樹脂9をキャップ部11aの
中心に上方から供給する(図5参照)場合に、光硬化性
樹脂9が放射状に均一に拡がるためには、キャップ部1
1aの厚みが、その中心から外周に向けて放射状に均
一、かつ滑らかに小さくなっていることが好ましい。
【0070】上記外周キャップ10の覆い部10aの内
径は、光透過保護層8にて保護すべき光ディスク基板1
の記録領域3の全面に光硬化性樹脂9を塗布する必要が
あるとともに、少なくとも光ディスク基板1の外周領域
6を覆う必要があることから、光ディスク基板1の記録
領域3の外径よりも大きくし、光ディスク基板1の外径
よりも小さく形成している。
【0071】上記内周キャップ11のキャップ部11a
の外径は、少なくとも光ディスク基板1のチャッキング
領域5を覆うことが必要であることから、光ディスク基
盤の中心孔2の直径よりも大きく形成されている。
【0072】また、外周キャップ10は、光ディスク基
板1の外周領域6に安定して固定する必要があるため、
外周キャップ10の支持部10bの内径は光ディスク基
板1の外径とほぼ等しい大きさで形成されていることが
望ましく、内周キャップ11は、光ディスク基板1の中
心孔2に挿入され、光ディスク基板1を押さえ込むよう
にターンテーブル12に固定するため、内周キャップ1
1の軸部11bの直径は、光ディスク基板1の中心孔2
の直径とほぼ等しい大きさで形成されていることが望ま
しい。
【0073】さらに、光硬化性樹脂9を回転延伸により
塗布する際に、ターンテーブル12の回転駆動に対し
て、上記外周キャップ10および内周キャップ11を安
定して光ディスク基板1に固定しておくために、図4に
示すように、ターンテーブル12には、外周部分に外周
キャップ10の支持部10bの内径とほぼ等しい内径の
凹部からなる外周固定部14を、中心部分に内周キャッ
プ11の軸部11bの直径とほぼ等しい直径の凹部から
なる内周固定部15を設けることが望ましい。
【0074】次に、本実施形態における製造方法を具体
的に説明する。
【0075】図4に示すように、光ディスク基板1上に
設けられた図示しない凹凸パターンを覆うように反射膜
又は記録膜7(記録領域)が形成された光ディスク基板
1をターンテーブル12上に配置する。
【0076】上記光ディスク基板1は、ターンテーブル
12に設けられた図示しない真空チャックによりターン
テーブル12上に固定されていても良い。
【0077】次に、環状の外周キャップ10を光ディス
ク基板1の外周領域6を覆うように装着し、光ディスク
基板1の中心孔2についても該中心孔2を閉塞するため
の円状の内周キャップ11を装着する。
【0078】このようにして、光ディスク基板1の中心
孔2および外周領域6に外周キャップ10および内周キ
ャップ11を固定した後、図5に示すように、中心孔2
に装着した内周キャップ11のキャップ部11a上(回
転中心上)に樹脂供給ノズル16により光硬化性樹脂9
を供給する。
【0079】次に、図6に示すように、ターンテーブル
12を回転駆動し、光硬化性樹脂9を回転延伸により光
ディスク基板1の内周から外周へと光ディスク基板1上
に塗布する。
【0080】内周キャップ11のキャップ部11aは、
中心から外周へ向けその厚さが除々に小さくなるような
形状をしているため、該キャップ部11a上に供給され
た光硬化性樹脂9は、光ディスク基板1の外周へ向けて
均一に回転延伸されるとともに、内周領域において従来
発生していた樹脂溜り(図30に示す樹脂溜り107)
も形成されないため、光硬化性樹脂9の層厚分布は発生
しないか若しくは小さいものとなる。
【0081】外周キャップ10の覆い部10aは、その
厚みが内周から外周に向けて除々に大きくなっており、
光硬化性樹脂9は光ディスク基板1上から該覆い部10
a上へと滑らかに回転延伸される。このため、光ディス
ク基板1の外周領域6における光硬化性樹脂9の層厚分
布についても良好なものとなる。
【0082】また、回転延伸により図1に示すように、
外周キャップ10の覆い部10aの最外周エッジ部分に
おいては、従来と同様に樹脂溜り13が形成されるもの
の、外周キャップ10の装着により光硬化性樹脂9の塗
布面を外側へ延長したことから、樹脂溜り13は光ディ
スク基板1の樹脂塗布面、特に、記録領域3上の樹脂塗
布面からは離れた位置に形成される。
【0083】ここで、図7に示すように、外周キャップ
10の覆い部10aの厚さを内周から外周に向けて単調
に増加する形状とし、光硬化性樹脂9の塗布面を外側へ
延長する形態でも良い。ただし、回転を停止した際に該
覆い部10aの傾きに伴い、光ディスク基板1上への光
硬化性樹脂9の逆流が発生しやすくなるので、光硬化性
樹脂9の粘度を考慮して、逆流が起きにくい覆い部10
aの傾きを設定することが好ましい。また、より好まし
くは、図6に示すような、覆い部10aの厚さを、内周
から外周へ向けて一度大きくした後に、外周へ向けて小
さくする、即ち極大厚を有する形状にすると良い。これ
により、樹脂溜り13は遠心力により覆い部10aの極
大厚を超えて外側へと形成されることから、光ディスク
基板1上への逆流を完全に抑制することができ、層厚分
布が小さい光硬化性樹脂9層を安定して形成することが
可能となる。
【0084】次に、図8に示すように、光ディスク基板
1の外周領域6および中心孔2に装着した外周キャップ
10および内周キャップ11を撤収した後に、図9に示
すように、紫外線光17を照射することにより光硬化性
樹脂9を硬化させ、光透過保護層8を形成する。
【0085】なお、樹脂およびその硬化方法について
は、上記光硬化性樹脂9と紫外線光17により硬化させ
る組み合わせのものには限らず、流動性のある状態から
硬化させることができる樹脂とその硬化方法の組み合わ
せであれば良い。
【0086】上記製造方法に従い、光ディスク基板1の
外周領域6および中心孔2に対してそれぞれ外周キャッ
プ10および内周キャップ11を装着した状態で、光硬
化性樹脂9を回転延伸により塗布する工程を実行するこ
とにより、図10に示すような光透過保護層8の層厚が
全面において均一な構造を有する光ディスク基板1が完
成する。
【0087】また、上記製造方法に従うと、光ディスク
基板1の中心孔2近傍のチャッキング領域5および外周
領域6とが、それぞれ内周キャップ11および外周キャ
ップ10とに覆われた状態で光硬化性樹脂9が回転延伸
により塗布されるため、中心孔2近傍のチャッキング領
域5および外周領域6とに光硬化性樹脂9からなる光透
過保護層8が存在しない光ディスクが完成する。
【0088】なお、外周キャップ10をターンテーブル
12に装着した際、外周キャップ10の支持部10bの
最外周の直径がターンテーブル12の最外周の直径と同
じか小さい場合には、図11に示すように、回転延伸に
より外周キャップ10の覆い部10aの最外周から溢れ
た光硬化性樹脂9が、重力の影響により該支持部10b
の外周エッジを伝ってターンテーブル12の外周エッジ
へと付着し、容易に外周キャップ10とターンテーブル
12との隙間に入り込み、さらには、光ディスク基板1
に付着してしまう。そのため、頻繁な清掃が必要とな
り、光ディスクの量産性が大きく損なわれるという問題
がある。
【0089】そこで、図12に示すように、外周キャッ
プ10の支持部10bの最外周の直径をターンテーブル
12の最外周の直径よりも大きくする構造とすることに
より、外周キャップ10の覆い部10aの外周エッジよ
り溢れた光硬化性樹脂9は、重力により支持部10bの
外周エッジを伝い下方へ落下するため、外周キャップ1
0とターンテーブル12との間に入り込むことを防ぐこ
とができる。これにより上記問題点を解決することがで
き、光ディスクの量産性を改善することができる。
【0090】従って、上記外周キャップ10は、光ディ
スク基板1に装着した際の外径がターンテーブル12の
外径よりも大きいことが望ましい。
【0091】ただし、上記支持部10bの構造では、支
持部10bの最下面と支持部10bとターンテーブル1
2が接する面とが同じ高さにあるため、支持部10bの
最下面を伝って外周キャップ10とターンテーブル12
との隙間に入り込む恐れがある。
【0092】そこで、図13に示すように、外周キャッ
プ10の支持部10bの外周部分の形状をターンテーブ
ル12の外周部分(外周側面)に被さるような突出部分
を設けた構造とすることにより、外周キャップ10の覆
い部10aより溢れた光硬化性樹脂9は、支持部10b
の該突出部分を伝い下方を落下し、突出部分とターンテ
ーブル12との間に隙間があること、突出部分の最下面
が支持部10bとターンテーブル12とが接する面より
も下方にあることより、溢れた光硬化性樹脂9が外周キ
ャップ10とターンテーブル12との間に入り込むこと
を確実に防ぐことができる。これにより、上記問題点は
確実に解決することができ、光ディスクの量産性を大幅
に改善することができる。
【0093】従って、外周キャップ10の外周の形状
が、ターンテーブル12の側面に被さる形状であれば、
さらに望ましい。
【0094】ターンテーブル12の側面に被さる突出部
分の形状は、該突出部分の最下面がターンテーブル12
と支持部10bとが接する面よりも下方にあれば良く、
厚さ、長さ等の形状に限定はない。
【0095】また、上記突出部分はターンテーブル12
と接していてもよいが、ターンテーブル12との間に隙
間を設けた形状であれば、溢れた光硬化性樹脂9がター
ンテーブル12と接することを完全に防ぐことができる
ので、より好ましい。
【0096】また、上記外周キャップ10および内周キ
ャップ11は、一体化されたキャップであっても良い。
【0097】なお、外周キャップ10および内周キャッ
プ11の形状は、それぞれ環状および円状としている
が、外周キャップ10にあっては覆い部10aの最内周
円と最外周円とが、内周キャップ11にあっては回転延
伸時の回転中心とキャップ部11aの最外周円とが、そ
れぞれ必ずしも同心の心円でなくても良い。
【0098】次に、光ディスク基板1の中心孔2に近接
したチャッキング領域5と外周領域6の基板厚を、その
他の領域の基板厚よりも厚く形成することにより強度を
補強した光ディスク基板1を用いて樹脂を塗布する工程
について説明する。
【0099】まず、このような光ディスク基板1の形成
は、圧縮射出成形により光ディスク基板1を成形する際
の金型を、チャッキング領域5および外周領域6におい
て基板厚が厚くなるように設計することにより可能とな
る。
【0100】また、図21は、上記チャッキング領域5
および外周領域6において基板厚が厚く形成された光デ
ィスク基板1に対し光硬化性樹脂9の塗布工程を実行す
る記録媒体製造具を使用した製造装置を示している。
【0101】図21に示すように、内周キャップ11お
よび外周キャップ10には、チャッキング領域5の基板
厚が厚く形成された凸部25および外周領域6の基板厚
が厚く形成された凸部26と嵌合するための凹部がそれ
ぞれ設けられている。さらに、チャッキング領域5およ
び外周領域6の基板厚が厚く形成された凸部25、26
の表面形状と、内周キャップ11の凹部および外周キャ
ップ10の凹部の表面形状とを、同一形状とすることに
より、内周キャップ11および外周キャップ10が光デ
ィスク基板1上に安定して配置できる構成となる。な
お、図22に内周キャップ11部分を拡大している。
【0102】上記光ディスクは、光硬化性樹脂9を塗布
した後、内周キャップ11および外周キャップ10を撤
収し、光硬化により光硬化性樹脂9を硬化させ、光透過
保護層8を形成する。上記方法により形成された図23
に示す光ディスクと、図10に示す光ディスクとを比較
すると、内周および外周において基板厚が厚く形成され
た凸部25、26が存在するため、光ディスクの機械的
強度が高まる。また、内周および外周における光透過保
護層8の塗布端部が、内周および外周における基板厚が
厚く形成された凸部25、26に保護される構成となっ
ており、上記塗布端部の接触に伴う光透過保護層8の剥
離をも抑制することが可能である。
【0103】なお、本実施の形態における光ディスク基
板1の基板厚が厚く形成された凸部は、内周および外周
の双方に形成されている形状に限らず、外周のみ形成さ
れていても良い。この場合、当然に、対応する外周キャ
ップ10には該凸部と嵌合する凹部を形成させ、上述の
工程により樹脂を塗布する。
【0104】また、外周キャップ10および内周キャッ
プ11が一体化された記録媒体製造具を用いる場合にお
いても、光ディスク基板1は、外周のみ凸部を有する構
成又は内周のみ凸部を有する形状であっても良く、さら
には、外周および内周の双方に凸部を有する形状であっ
ても良い。この場合においても、当然に、対応するキャ
ップに凹部を有する形状とし、上述の工程により樹脂を
塗布すれば良い。
【0105】なお、上記外周および内周における凸部
は、通常、連続した環状に形成するが、連続した構成に
限らず、不連続であっても良い。また、該凸部を一重環
に限らず、多重環に形成しても良い。この場合、形成さ
れている凸部に対応する形状の凹部をキャップに形成す
ることにより、樹脂の塗布を実施する。
【0106】次に、上記製造方法を実行するための製造
装置を図14から図20に基づき以下のとおり説明す
る。
【0107】本発明にかかる記録媒体の製造装置は、回
転延伸により記録媒体上に樹脂を塗布する記録媒体製造
装置において、上述した記録媒体製造具を備えているも
のである。即ち、記録媒体に樹脂を塗布する工程におい
て記録媒体製造具の着脱を可能とした装置であり、具体
的な実施形態を基に説明する。
【0108】図14および図15は製造装置の第1実施
形態を示している。本形態は、内周キャップ11および
外周キャップ10と光ディスク基板1およびターンテー
ブル12との着脱を、電磁石18および永久磁石19を
用いて実行する製造装置である。
【0109】図14に示す製造装置は、光ディスク基板
1、外周キャップ10、内周キャップ11、ターンテー
ブル12、電磁石18、永久磁石19、支持部20を備
えている。
【0110】光ディスク基板1、ターンテーブル12に
ついての説明は、既に上述した製造方法にて説明してい
るため省略する。
【0111】本実施形態における外周キャップ10およ
び内周キャップ11は、磁性材料で形成されており、後
述する電磁石18又は永久磁石19との間で働く磁力を
利用することで、光ディスク基板1およびターンテーブ
ル12との着脱を実現している。
【0112】電磁石18は、支持部20に固定されてお
り、該電磁石18に流れる電流をON/OFFすること
により、外周キャップ10および内周キャップ11との
吸着又は解除を実行することで、光ディスク基板1およ
びターンテーブル12との着脱を実行している。
【0113】永久磁石19は、ターンテーブル12内に
埋め込まれているものであり、外周キャップ10および
内周キャップ11を光ディスク基板1およびターンテー
ブル12に装着する際に、上記電磁石18を解除状態と
し、磁性材料にて構成されている外周キャップ10およ
び内周キャップ11との吸着を安定して行うためのもの
である。
【0114】支持部20は、上下動可能に構成されてお
り、光硬化性樹脂9を塗布する工程の前後において、該
支持部20が外周キャップ10および内周キャップ11
と着脱することにより、光ディスク基板1およびターン
テーブル12との着脱を実現している。
【0115】次に、本実施形態における製造装置の動作
について具体的に説明する。
【0116】上記磁性材料で形成された外周キャップ1
0および内周キャップ11は、上下動可能な支持部20
に固定された電磁石18により吸着された状態で、光デ
ィスク基板1が配置されたターンテーブル12に向かっ
て下降し、外周キャップ10および内周キャップ11と
が光ディスク基板1の外周領域6と中心孔2とを覆うよ
うに固定された後、上記電磁石18による吸着が解除さ
れる。
【0117】外周キャップ10および内周キャップ11
はターンテーブル12内に埋め込まれた永久磁石19に
吸着固定され、上下動可能な支持部20の上昇によって
電磁石18を上昇させターンテーブル12から離した
後、光硬化性樹脂9を供給する。
【0118】光硬化性樹脂9を回転延伸した後に、再度
支持部20の下降によって電磁石18を下降させ、外周
キャップ10および内周キャップ11を電磁石18に吸
着させる。外周キャップ10および内周キャップ11を
電磁石18とともに上昇させることにより、ターンテー
ブル12から離脱させる。
【0119】即ち、光ディスク基板1の外周領域6およ
び中心孔2に外周キャップ10および内周キャップ11
を装着した状態で、回転延伸により光硬化性樹脂9を塗
布することを可能とする。
【0120】なお、図14および図15においては、上
記電磁石18を底面が平らな円柱状の形状として図示し
ているが、これに限られるものではない。
【0121】例えば、電磁石18の底面の形状を、それ
ぞれ外周キャップ10および内周キャップ11の上面と
同様な湾曲形状とすることにより、電磁石18との吸着
力を大きくすることができ、外周キャップ10および内
周キャップ11をより安定して着脱することが可能とな
る。
【0122】また、図15においては、外周キャップ1
0の形状に合わせて支持部20に設けられた円環部に4
個の電磁石18を対称的に配置した構成によって、外周
キャップ10を4個の電磁石18を用いて着脱する構成
を採用しているが、電磁石18の数は4個に限られるも
のではない。外周キャップ10を安定して着脱するに
は、外周キャップ10を3点以上で支持する必要がある
ため、少なくとも3個以上の電磁石18を用いていれば
良い。
【0123】また、本実施形態においては、外周キャッ
プ10および内周キャップ11を磁性材料で形成された
ものとしているが、外周キャップ10および内周キャッ
プ11のそれぞれ一部が磁性材料で形成されたものであ
っても良い。また、永久磁石19を電磁石18に置き換
えることもできる。
【0124】さらには、外周キャップ10の覆い部10
a又は支持部10bの何れか一方が磁性体であっても良
い。同様に、内周キャップ11のキャップ部11a又は
軸部11bの何れか一方が磁性体であっても良い。ま
た、覆い部10aと支持部10bおよびキャップ部11
aと軸部11bの中に磁性体又は磁石が埋め込まれた構
造であっても良い。
【0125】なお、本実施形態においては、外周キャッ
プ10の最外周の形状を図11と同じ形状として記載し
ているが、当然に、図12又は図13に示すような構造
とすることによって、量産性を高めることが可能であ
る。
【0126】次に、図16および図17は製造装置の第
2実施形態を示している。本実施形態は、外周キャップ
10および内周キャップ11と上下動が可能な支持部2
0とを一体化させ、光ディスク基板1およびターンテー
ブル12との着脱を、該支持部20の上下動のみにより
実行する製造装置である。
【0127】図16に示す製造装置は、光ディスク基板
1、外周キャップ10、内周キャップ11、ターンテー
ブル12、支持部20、ボールベアリング21、回転支
持部22、回転支持部22から垂設された外周キャップ
支持アーム23および内周キャップ支持アーム24を備
えている。
【0128】光ディスク基板1、ターンテーブル12に
ついての説明は、既に上述した製造方法にて説明してい
るため省略する。
【0129】本実施形態における外周キャップ10およ
び内周キャップ11は、ボールベアリング21により支
持部20に対して回転可能に支持された回転支持部22
と一体化している。該回転支持部22は該ボールベアリ
ング21を介して上下動可能な支持部20と繋がってお
り、該支持部20とともに上下動する。
【0130】該支持部20が、光硬化性樹脂9を塗布す
る工程の前後において上下動することにより、回転支持
部22並びに外周キャップ10および内周キャップ11
とが一体となった状態で光ディスク基板1およびターン
テーブル12との着脱を実行する。
【0131】従って、図15に示す構成のように、支持
部20に対して外周キャップ10および内周キャップ1
1を着脱する機構および工程を省略することができる。
【0132】ボールベアリング21は、支持部20およ
び回転支持部22とを繋げており、光硬化性樹脂9の塗
布工程における回転延伸時に、一体となった外周キャッ
プ10および内周キャップ11と回転支持部22が、タ
ーンテーブル12の回転駆動に併せて回転することを可
能としている。
【0133】外周キャップ支持アーム23および内周キ
ャップ支持アーム24は、上記回転支持部22の下部に
下向きに固定されており、該回転支持部22と外周キャ
ップ10および内周キャップ11との固定を仲介する。
【0134】次に、本実施形態における製造装置の動作
について具体的に説明する。
【0135】支持部20が一体となった回転支持部2
2、外周キャップ支持アーム23、内周キャップ支持ア
ーム24、外周キャップ10および内周キャップ11と
ともに下降し、外周キャップ10および内周キャップ1
1がターンテーブル12上の光ディスク基板1に押え付
けられ、光ディスク基板1の外周領域6および中心孔2
は、それぞれ外周キャップ10および内周キャップ11
に覆われた状態で固定される。
【0136】次に、図18に示すように、内周キャップ
支持アーム24近傍に樹脂供給ノズル16が配置され、
内周キャップ11と内周キャップ支持アーム24とを覆
うようにして光硬化性樹脂9が供給される。
【0137】次に、図19に示すように、上記樹脂供給
ノズル16を撤収し、上記外周キャップ10および内周
キャップ11が、回転支持部22、外周キャップ支持ア
ーム23、内周キャップ支持アーム24とともに一体と
なってターンテーブル12に固定された状態のまま、タ
ーンテーブル12を回転駆動させる。
【0138】ターンテーブル12の回転に伴い、ボール
ベアリング21により回転可能である回転支持部22
は、回転支持部22に固定されている外周キャップ支持
アーム23および内周キャップ支持アーム24並びに外
周キャップ10および内周キャップ11とともに一体的
に回転する。
【0139】回転停止後、外周キャップ10および内周
キャップ11は支持部20の上昇により回転支持部22
と外周キャップ支持アーム23および内周キャップ支持
アーム24とともに光ディスク基板1およびターンテー
ブル12より離れる。
【0140】即ち、光ディスク基板1の外周領域6およ
び中心孔2に外周キャップ10および内周キャップ11
を装着した状態で、回転延伸により光硬化性樹脂9を塗
布することを可能とする。
【0141】なお、本実施形態においては、図16、1
7に示すように、4本の外周キャップ支持アーム23を
用いて外周キャップ10を支持しているが、外周キャッ
プ支持アーム23の本数は4本に限られるものではな
い。外周キャップ10を安定して着脱するためには、外
周キャップ10を3点以上で支持する必要があるため、
少なくとも3本以上の外周キャップ支持アーム23を用
いていれば良い。
【0142】また、内周キャップ11と内周キャップ支
持アーム24の下部とを覆うように光硬化性樹脂9が供
給された後、該内周キャップ支持アーム24を中心とし
て光硬化性樹脂9が回転延伸されるため、内周キャップ
支持アーム24の形状は、円柱状であることが望まし
い。
【0143】なお、本実施形態おいても、外周キャップ
10の最外周の形状を図11と同じ形状として記載して
いるが、当然に、図12および図13に示すような構造
とすることによって、量産性を高めることが可能であ
る。
【0144】また、本実施形態においては、外周キャッ
プ10および外周キャップ支持アーム23の形状は特に
限定されないが、外周キャップ10と外周キャップ支持
アーム23とが互いに固定されている部分においては、
回転延伸された光硬化性樹脂9が溜まり易くなってお
り、外周キャップ10を光ディスク基板1およびターン
テーブル12と着脱する際に、該固定部分に溜まった光
硬化性樹脂9が光ディスク基板1の方向へと流れ、光硬
化性樹脂9の層厚分布を発生する要因となる。
【0145】そこで、上記問題点を解決するために、図
20に示すように、光ディスク基板1の樹脂塗布面より
も下の位置で、外周キャップ10と外周キャップ支持ア
ーム23とを固定することにより、該固定部分に溜まっ
た光硬化性樹脂9は下方へと落下し、光ディスク基板1
上への逆流を防ぐことが可能となる。
【0146】なお、図20においては、図13と同じ構
造の外周キャップ10を用いた場合の実施例であるが、
図11および図12に記載した構造の外周キャップ10
を用いた場合においても、光ディスク基板1の樹脂塗布
面よりも下の位置で外周キャップ10と外周キャップ支
持アーム23を固定することにより同様の効果を得るこ
とが可能である。
【0147】一方で、本発明における上記製造方法およ
び製造装置を用いて製造された光ディスクにおいては、
図10に示すように、光透過保護層8の内周および外周
における塗布端部が平坦な光ディスク基板1上に存在し
ており、光透過保護層8の層厚が比較的厚いため、該塗
布端部から光透過保護層8が剥離しやすい構造であると
いう問題点がある。
【0148】これに対して、図24に示すように、光透
過保護層8の塗布端部を覆うようにハードコート層29
を形成することにより、光透過保護層8の光ディスク基
板1への密着強度を著しく改善することができる。ま
た、同時に、光ディスクの光入射面の硬度を高くし、傷
等の損傷を抑制することが可能となる。
【0149】なお、図23に示す光ディスクにおいても
内外周の基板厚が厚いため光透過保護層8の剥離を抑制
するものの、図25に示すように、ハードコート層を塗
布することで、より一層の機械的強度と光透過保護層8
の剥離防止効果とを高めることができる。
【0150】上記ハードコート層29においても、光透
過保護層8と同様に回転延伸により塗布された後に、光
硬化により硬化されるため、光ディスク基板1の内外周
部分に樹脂溜り13が発生し、内外周での層厚分布が発
生することになる。しかし、光ディスク表面に付着する
塵埃が光ビームの光路に与える影響を小さくするため、
光透過保護層8の層厚が10〜200μmと比較的厚く
形成されるのに対して、ハードコート層29の層厚は1
〜10μmと比較的薄く形成されることが望ましく、ハ
ードコート層29の内外周で発生する層厚分布は光透過
保護層8に比べて極めて小さなものとなり、光ディスク
の記録再生に影響するものではない。
【0151】また、光ディスク基板1は、光ディスク基
板1と光ディスク記録再生装置のチャッキングテーブル
との平行度を保った状態で、光ディスク記録再生装置へ
とチャッキングされる必要があるため、光ディスク基板
1のチャッキング領域5にはハードコート層29が形成
されないように構成することが望ましい。
【0152】例えば、ハードコート層29にわずかな樹
脂溜り13が形成された場合、該樹脂溜り13を挟ん
で、光ディスク基板1が光ディスク記録再生装置のチャ
ッキングテーブル上に装着されると、光ディスク基板1
の傾き角が大きく変化して、安定した記録再生を阻害す
ることになる。
【0153】従って、図24および図25に示すよう
に、光ディスクのチャッキング領域5にはハードコート
層29を形成せず、光ディスク基板1の表面が、常に光
ディスク記録再生装置のチャッキングテーブル上に直に
装着されるような構成とすることが望ましい。
【0154】本発明において、光ディスク基板1として
は、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等の
プラスチック基板を用いることが望ましいが、ガラス基
板、セラミック基板、シリコンウエハー基板等を用いる
ことも可能である。
【0155】なお、再生専用の光ディスクの場合は、表
面に凹凸ピット列を有する光ディスク基板1上に、真空
成膜技術により形成された膜厚20〜60nmのAl、
Au、Pt、Cu等の反射膜が形成されている。
【0156】書換え型の光ディスクの場合は、表面に案
内トラックを有する光ディスク基板1上に記録膜が形成
される。該記録膜は、例えば、相変化光ディスクの場合
には、光ディスク基板1上にAl、Zn−SiO2、G
eSbTe、Zn−SiO2の順に成膜して形成され
る。
【0157】また、追記型光ディスクの場合は、表面に
凹凸ピット列を有する光ディスク基板1上に、Au又は
Alを成膜した後、シアニン系又はフタロシアニン系の
有機色素膜をスピンコートで塗布して形成されている。
【0158】また、光透過保護層8を形成する光硬化性
樹脂9としては、例えばアクリル系紫外線硬化樹脂等を
使用することができる。また、光硬化性樹脂9の粘度
は、形成する光透過保護層8の層厚を考慮して決定され
るものであり、層厚10〜200μmの光透過保護層8
を形成するためには、光硬化性樹脂9の粘度を300〜
3000cpsとすることが望ましい。
【0159】また、ハードコート層29としては、光透
過保護層8と同様に、アクリル系紫外線硬化樹脂等を使
用することができる。ハードコート層29の機能として
光透過保護層8よりも硬度の高い光硬化性樹脂9を用い
ることが望ましいが、光透過保護層8と同一の光硬化性
樹脂9の粘度を下げて、層厚1〜10μmのハードコー
ト層29を形成した場合においても、光透過保護層8の
塗布端部を保護することが可能である。
【0160】また、本発明にかかる製造方法は、ディス
ク基板(光ディスク基板1)に対して、円状内周キャッ
プ(内周キャップ11)と環状外周キャップ(外周キャ
ップ10)とを装着する工程と、上記ディスク基板に装
着された円状内周キャップ上に光硬化性樹脂(光硬化性
樹脂9)を供給した後、該光硬化性樹脂を回転延伸し、
ディスク基板上に光硬化性樹脂を塗布する工程と、上記
円状内周キャップと環状外周キャップとを取り外す工程
と、上記光硬化性樹脂を光硬化することにより、光透過
保護層(光透過保護層8)を形成する工程を備えていて
も良い。
【0161】これにより、光ディスク基板上の光透過保
護層の層厚を全面にわたり均一なものとすることを可能
とする。
【0162】本発明の製造装置は、ディスク基板と、上
記ディスク基板を回転駆動するターンテーブル(ターン
テーブル12)と、上記ディスク基板の内周領域に装着
される円状内周キャップと、上記ディスク基板の外周領
域(外周領域6)に装着される環状外周キャップと、上
記円状内周キャップと上記環状外周キャップとを装着し
取り外す治具と、上記ディスク基板に装着された円状内
周キャップ上に光硬化性樹脂を供給するノズル(樹脂供
給ノズル16)と、光源とを備え、上記円状内周キャッ
プ上に供給された光硬化性樹脂を回転延伸し、ディスク
基板上に光硬化性樹脂を塗布した後、光硬化性樹脂を光
硬化して光透過保護層を形成する構成であってもよい。
【0163】これにより、光ディスク基板上の光透過保
護層の層厚を全面にわたり均一なものとすることを可能
とする。
【0164】本発明の製造装置は、ディスク基板と、上
記ディスク基板を回転駆動するターンテーブルと、上下
動可能な支持部(支持部20)と、該支持部に対して回
転可能に取り付けられた回転支持部(回転支持部22)
と、該回転支持部に固定された円状内周キャップと環状
外周キャップと、上記ディスク基板に装着された円状内
周キャップ上に光硬化性樹脂を供給するノズルと、光源
とを備え、上記円状内周キャップと上記環状外周キャッ
プとをディスク基板上に装着した状態で、上記円状内周
キャップ上に供給された光硬化性樹脂を回転延伸し、デ
ィスク基板上に光硬化性樹脂を塗布した後、光硬化性樹
脂を光硬化して光透過保護層を形成する構成であっても
良い。
【0165】これにより、光ディスク基板上の光透過保
護層の層厚を全面にわたり均一なものとすることを可能
とする。
【0166】
【発明の効果】以上のように、本発明の記録媒体の製造
方法は、記録媒体上に流動性のある樹脂を回転延伸によ
り塗布して樹脂層を形成する工程を備えた記録媒体の製
造方法において、記録媒体の樹脂塗布面を、回転中心に
対し記録媒体の記録領域より外側へ延長させる面を備え
た記録媒体製造具を、記録媒体の外周領域に装着した
後、上記樹脂を塗布する工程を備えている構成である。
【0167】これにより、樹脂塗布面を外側へ延長する
ことができ、樹脂溜りは記録媒体上の樹脂塗布面よりも
外側に形成されることから、滑らかに塗布することが可
能となり、回転を停止した際の樹脂の記録媒体中心側へ
の逆流をも抑制することができるため、樹脂の層厚が均
一な記録媒体を製造することができる。
【0168】上記の製造方法において、記録媒体に形成
された中心孔をキャップ部材で塞ぎ、上記樹脂を該キャ
ップ部材の上に供給する構成であることが好ましい。
【0169】上記構成によれば、記録媒体の内周領域に
おいても層厚の不均一を抑制することができるととも
に、回転中心から全ての方向に対して均等に塗布するこ
とができることから、樹脂の層厚が全面において均一で
ある記録媒体を製造することができる。
【0170】本発明の記録媒体製造具は、記録媒体の外
周領域に装着することにより、記録媒体の樹脂塗布面を
回転中心に対し記録媒体の記録領域より外側へ延長させ
る面を備えている構成である。
【0171】これにより、回転延伸により形成される樹
脂溜りを記録媒体の樹脂塗布面より外側の位置へ形成さ
せることが可能となり、樹脂の層厚が均一な記録媒体を
製造することができる。
【0172】上記の記録媒体製造具において、上記記録
媒体が円盤形状である場合に、外形が略環状体を呈し、
内径が記録媒体の記録領域の外径よりも大きく、記録媒
体の外径より小さく構成されていることが好ましい。
【0173】上記構成によれば、保護層にて保護すべき
記録媒体の記録領域の全面に樹脂を塗布することができ
ることから、記録媒体の記録領域を保護することができ
る。
【0174】上記の記録媒体製造具において、記録媒体
の中心側に配される内周縁と、外周側に配される外周縁
とを備えた形状であり、該内周縁と外周縁との間で、少
なくとも1個の極大厚を有している構成であることが好
ましい。
【0175】上記構成によれば、外周部分に形成される
樹脂溜りは、該記録媒体製造具の極大厚を超えてさらに
外側へ移動するため、回転を停止した後に、樹脂溜りは
記録媒体の中心側へと逆流することがなく、層厚の不均
一を確実に抑制することができる。
【0176】上記の記録媒体製造具において、記録媒体
に装着した際の外周が、記録媒体を載置して回転させる
ターンテーブルの外周よりも外方へ張り出している構成
であることが好ましい。
【0177】上記構成によれば、回転延伸により記録媒
体製造具のさらに外側へと溢れ出る樹脂は、該記録媒体
製造具の外面を伝ってターンテーブルと接することなく
重力により下方へと落下するため、溢れ出た樹脂が記録
媒体製造具とターンテーブルとの隙間に入り込み記録媒
体へ付着することを防ぐことができ、記録媒体の量産性
を改善することができる。
【0178】上記の記録媒体製造具において、外周の形
状がターンテーブルの側面に被さる形状であることが好
ましい。
【0179】上記構成によれば、記録媒体製造具の外周
の形状がターンテーブルの側面を覆う形状であることに
より、回転延伸により記録媒体製造具のさらに外側へと
溢れ出る樹脂は、ターンテーブルと接することなく重力
により下方へ落下するため、溢れ出た樹脂が記録媒体製
造具とターンテーブルとの隙間に入り込み記録媒体へ付
着することを完全に防ぐことができ、記録媒体の量産性
を大幅に改善することができる。
【0180】上記の記録媒体製造具において、記録媒体
の外周部分に基板厚が厚く形成された凸部を有する場合
に、記録媒体に装着した際に、該凸部と嵌合する凹部を
有していることが好ましい。
【0181】上記構成によれば、強度が補強された記録
媒体の凸部と嵌合する形状の凹部を有する記録媒体製造
具とすることによって、凸部を有する記録媒体に対して
も樹脂層を均一に形成することができ、強度が補強され
た記録媒体に対して、樹脂の層厚が均一な記録媒体を製
造することが可能となる。
【0182】上記の記録媒体製造具において、上記記録
媒体製造具に対し、記録媒体に形成された中心孔を塞ぐ
キャップ部材が一体化されていることが好ましい。
【0183】上記構成によれば、記録媒体の内周領域に
おける樹脂の層厚を均一にすることができるとともに外
周領域に装着する記録媒体製造具の効果をも併せて得る
ことができるため、樹脂の層厚が全面において均一であ
る記録媒体を製造することができる。
【0184】上記の記録媒体製造具において、記録媒体
の内周部分に基板厚が厚く形成された凸部を有する場合
に、記録媒体に装着した際に、中心孔を塞ぐキャップ部
材が該凸部と嵌合する凹部を有していることが好まし
い。
【0185】上記構成によれば、上記一体化された記録
媒体製造具においても、中心孔を塞ぐキャップ部材を強
度が補強された記録媒体の該凸部と嵌合する形状の凹部
を有するものとする。これにより、内周部分に凸部を有
する記録媒体に対しても上記一体化した記録媒体製造具
と同様の効果を得ることができ、強度が補強された記録
媒体に対して、樹脂の層厚が全面において均一である記
録媒体を製造することが可能となる。
【0186】本発明の記録媒体製造装置は、記録媒体上
に流動性のある樹脂を回転延伸により塗布して樹脂層を
形成する記録媒体製造装置において、上述した何れかの
記録媒体製造具を備えている構成である。
【0187】上記構成によれば、上述した記録媒体の製
造方法を実行することが可能となるため、樹脂の層厚が
均一な記録媒体を製造することが可能となる。
【0188】上記の記録媒体製造装置において、記録媒
体製造具と、記録媒体および記録媒体を載置して回転さ
せるターンテーブルに対して記録媒体製造具を着脱する
ための治具と、ターンテーブルとのそれぞれの一部又は
全部が、磁界発生手段により構成されていても良い。
【0189】上記構成によれば、磁界発生手段を吸着状
態および解除状態にすることで、記録媒体製造具を、治
具若しくはターンテーブルと選択的に吸着固定させるこ
とを可能とするため、記録媒体製造具の着脱を容易にか
つ確実に実行することができる。
【0190】上記の記録媒体製造装置において、記録媒
体製造具と上下動可能な支持部とが一体化され、さら
に、該支持部を回転可能に支持する回転支持部を備えて
いる構成としても良い。
【0191】上記構成によれば、記録媒体製造具および
上下動可能な支持部が一体となり記録媒体およびターン
テーブルに装着されたままの状態で、回転延伸による樹
脂の塗布を可能としたため、記録媒体製造具の着脱を迅
速かつ確実に実行することができるとともに量産性を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における記録媒体製造方
法により、記録媒体上に樹脂を塗布する工程を示す模式
図である。
【図2】本発明の実施の一形態における光ディスクの平
面図である。
【図3】図2に示した光ディスクの断面図である。
【図4】本発明の実施の一形態における記録媒体製造方
法により、記録媒体上に記録媒体製造具を装着する工程
を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の一形態における記録媒体製造方
法により、内周キャップ上に樹脂を供給する工程を示す
模式図である。
【図6】本発明の実施の一形態における記録媒体製造方
法により、記録媒体上に樹脂を塗布する工程を示す模式
図である。
【図7】本発明の実施の一形態における記録媒体製造方
法により、記録媒体上に樹脂を塗布する工程を示す模式
図である。
【図8】本発明の実施の一形態における記録媒体製造方
法により、記録媒体から記録媒体製造具を撤収する工程
を示す模式図である。
【図9】本発明の実施の一形態における記録媒体製造方
法により、樹脂に光を照射する工程を示す模式図であ
る。
【図10】本発明の実施の一形態における記録媒体製造
方法により製造された光ディスクの構成を示す断面図で
ある。
【図11】本発明の実施の一形態における記録媒体製造
方法により、記録媒体上に樹脂を塗布する工程を示す模
式図である。
【図12】図11に示す工程のうち、他の形状を有する
記録媒体製造具を用いて記録媒体上に樹脂を塗布する工
程を示す模式図である。
【図13】図11および図12に示す工程のうち、他の
形状を有する記録媒体製造具を用いて記録媒体上に樹脂
を塗布する工程を示す模式図である。
【図14】本発明の記録媒体製造装置の一実施形態を示
す断面図である。
【図15】図14に示す記録媒体製造装置の構成を示す
平面図である。
【図16】本発明の記録媒体製造装置の他の実施形態を
示す断面図である。
【図17】図16に示す記録媒体製造装置の構成を示す
平面図である。
【図18】本発明の記録媒体製造装置により、記録媒体
上に樹脂を供給する工程を示す模式図である。
【図19】本発明の記録媒体製造装置により、記録媒体
上に樹脂を塗布する工程を示す模式図である。
【図20】本発明の他の実施形態の記録媒体製造装置に
より、記録媒体上に樹脂を塗布する工程を示す模式図で
ある。
【図21】本発明の実施の一形態における記録媒体製造
方法により、内周および外周の基盤厚が厚い記録媒体上
に樹脂を塗布する工程を示す模式図である。
【図22】図21において示した記録媒体製造方法にお
ける、記録媒体の中心孔部分の拡大図である。
【図23】図21に示した記録媒体製造方法により製造
された記録媒体の断面図である。
【図24】本発明の実施の一形態における記録媒体製造
方法により、ハードコート層が形成された記録媒体の断
面図である。
【図25】図21に示す記録媒体製造方法により、ハー
ドコート層が形成された記録媒体の断面図である。
【図26】従来の記録媒体の再生方法を示す断面図であ
る。
【図27】図26の再生方法のうち、保護層側からの光
照射による再生方法を示す断面図である。
【図28】従来の光ディスクの製造方法を説明するため
の、光ディスクの断面図である。
【図29】従来の記録媒体製造方法により、記録媒体上
に樹脂を供給する工程を示す断面図である。
【図30】従来の記録媒体製造方法により、記録媒体上
に樹脂を塗布する工程を示す断面図である。
【図31】従来の記録媒体の製造方法により、中心孔を
キャップで塞ぎ樹脂を塗布する工程を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 1 光ディスク基板(記録媒体) 2 中心孔 3 記録領域 6 外周領域 8 光透過保護層(樹脂層) 9 光硬化性樹脂(流動性のある樹脂) 10 外周キャップ(記録媒体製造具) 10a 覆い部 10b 支持部 11 内周キャップ(キャップ部材) 11a キャップ部 11b 軸部 12 ターンテーブル 13 樹脂溜り 18 電磁石(磁界発生手段) 19 永久磁石(磁界発生手段) 20 支持部 21 ボールベアリング 22 回転支持部 25 基板厚が厚く形成された凸部 26 基板厚が厚く形成された凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 康弘 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5D121 AA04 EE22 EE24 JJ02 JJ04 JJ09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体上に流動性のある樹脂を回転延伸
    により塗布して樹脂層を形成する工程を備えた記録媒体
    の製造方法において、 記録媒体の樹脂塗布面を、回転中心に対し記録媒体の記
    録領域より外側へ延長させる面を備えた記録媒体製造具
    を、記録媒体の外周領域に装着した後、上記樹脂を塗布
    する工程を実行することを特徴とする記録媒体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】記録媒体に形成された中心孔をキャップ部
    材で塞ぎ、上記樹脂を該キャップ部材の上に供給するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】記録媒体の外周領域に装着することによ
    り、記録媒体の樹脂塗布面を回転中心に対し記録媒体の
    記録領域より外側へ延長させる面を備えていることを特
    徴とする記録媒体製造具。
  4. 【請求項4】上記記録媒体が円盤形状である場合に、外
    形が略環状体を呈し、内径が記録媒体の記録領域の外径
    よりも大きく、記録媒体の外径より小さいことを特徴と
    する請求項3に記載の記録媒体製造具。
  5. 【請求項5】記録媒体の中心側に配される内周縁と、外
    周側に配される外周縁とを備えた形状であり、該内周縁
    と外周縁との間で、少なくとも1個の極大厚を有してい
    ることを特徴とする請求項3または4に記載の記録媒体
    製造具。
  6. 【請求項6】記録媒体に装着した際の外周が、記録媒体
    を載置して回転させるターンテーブルの外周よりも外方
    へ張り出していることを特徴とする請求項3、4または
    5に記載の記録媒体製造具。
  7. 【請求項7】外周の形状がターンテーブルの側面に被さ
    る形状であることを特徴とする請求項6に記載の記録媒
    体製造具。
  8. 【請求項8】記録媒体の外周部分に基板厚が厚く形成さ
    れた凸部を有する場合に、記録媒体に装着した際に、該
    凸部と嵌合する凹部を有していることを特徴とする請求
    項3に記載の記録媒体製造具。
  9. 【請求項9】上記記録媒体製造具に対し、記録媒体に形
    成された中心孔を塞ぐキャップ部材が一体化されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の記録媒体製造具。
  10. 【請求項10】記録媒体の内周部分に基板厚が厚く形成
    された凸部を有する場合に、記録媒体に装着した際に、
    中心孔を塞ぐキャップ部材が該凸部と嵌合する凹部を有
    していることを特徴とする請求項9に記載の記録媒体製
    造具。
  11. 【請求項11】記録媒体上に流動性のある樹脂を回転延
    伸により塗布して樹脂層を形成する記録媒体製造装置に
    おいて、請求項3ないし10の何れか1項に記載の記録
    媒体製造具を備えていることを特徴とする記録媒体製造
    装置。
  12. 【請求項12】記録媒体製造具と、記録媒体および記録
    媒体を載置して回転させるターンテーブルに対して記録
    媒体製造具を着脱するための治具と、ターンテーブルと
    のそれぞれの一部又は全部が、磁界発生手段により構成
    されていることを特徴とする請求項11に記載の記録媒
    体製造装置。
  13. 【請求項13】記録媒体製造具と上下動可能な支持部と
    が一体化され、さらに、該支持部を回転可能に支持する
    回転支持部を備えていることを特徴とする請求項11に
    記載の記録媒体製造装置。
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