JPH11510497A - O−カルボキシアルキルキトサンを含む配合物及び眼科領域での使用方法 - Google Patents

O−カルボキシアルキルキトサンを含む配合物及び眼科領域での使用方法

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JPH11510497A
JPH11510497A JP9507926A JP50792697A JPH11510497A JP H11510497 A JPH11510497 A JP H11510497A JP 9507926 A JP9507926 A JP 9507926A JP 50792697 A JP50792697 A JP 50792697A JP H11510497 A JPH11510497 A JP H11510497A
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ダブリュ リード,ケネス
エン,シャウ−フォン
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Abstract

(57)【要約】 O−カルボキシアルキルキトサンを含む配合物及び眼科的配合物類での該配合物の用途。O−カルボキシアルキルキトサンは、眼の生物学的利用性を増大させ、特に貯蔵を酸性のpHで行い、約7.4のpHの生理学的pHで眼に適用されるときに、透明性を保持しなければならない眼科的配合物において特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 O−カルボキシアルキルキトサンを含む配合物及び眼科領域での使用方法 発明の分野 本発明は、広くはO−カルボキシアルキルキトサンを含む配合物及び使用方法 に関する。更に詳細には、本発明は、眼科領域の用途に有用なO−カルボキシア ルキルキトサン配合物に関する。 関連技術の記載 キトサン、ポリ(N−アセチル−D−グルコサミン)は、甲殻類に見出される 天然由来の物質である。キトサンは、キチンの部分脱アセチル化誘導体である。 更に詳細には、キトサンは、β(1−4)グリコシド結合により互いに結合した N−アセチル−D−グリコサミン単位とD−グリコサミン単位からなる多糖であ る。キトサン試料中の「脱アセチル化度」は、キトサン試料中に存在する脱アセ チル化単糖とアセチル化単糖との相対量に関連している。キトサンの調製は、1 936年5月19日に発行された米国特許2,040,880号に開示されている。 N,O−カルボキシアルキルキトサンは、キトサンのカルボキシアルキル化に より形成されたキトサンの誘導体である。N,O−カルボキシアルキルキトサン のカルボキシアルキル基は、D−グリコサミン基の1級アミノ基及びヒドロキシ ル基に位置している。N,O−カルボキシメチルキトサンは、水溶性であり、キ トサンのカルボキシメチル化により形成させることができる。N,O−カルボキ シメチルキトサンは、NOVACHEM,Halifax,N.S.,canadaから商業的に入手しうる 。N,O−カルボキシメチルキトサンは、1986年10月28日にE.Hayesに 発行された米国特許4,619,995号に開示されている。 キチン及びキトサンの種々の用途は、先行技術に開示されている。例えば、P. Sandford,et al.,”Biomedical Application of High Purity Chitosan”,Ch 28,Water-Soluble Polymers,は、キトサンの種々な特性と用途を開示している 。 1982年12月21日にIvaniに発行された米国特許4,365,050号は、眼科的 湿潤溶液及び粘性ビルダーを開示している。それらの眼科的配合物は、アミノ多 糖類、主としてN−アセチル−D−グルコサミン類及び誘導体類を含む。198 4年5月8日にIvaniに発行された米国特許4,447,562号は、アミノ多糖類を含む 製薬学的配合物を開示している。 Highan et al.,の欧州特許出願0426368A2は、体組織間の接着を防ぐ用途に対 しキトサンの架橋した生物分解性誘導体の用途を開示している。好適なキトサン 誘導体は、N,O−カルボキシメチル−キトサンであるが、O−カルボキシメチ ル−キトサンは、接着を防ぐに有用であると示唆されている。N,O−カルボキ シアルキルキトサンと比べて、キトサンのO−カルボキシアルキル誘導体は、キ トサン単糖類基のいくつかの遊離のヒドロキシル基(典型的には6位)に結合し たカルボキシル基を有する。 発明の要約 本発明の目的は、眼の保持及び眼の生物学的利用性を改善するために、眼科的 配合物での賦形剤としての用途に適している配合物を提供することである。 本発明の別の目的は、過度の濁り及び相分離を起こさずに酸性のpHで配合及 び/又は維持しうる、眼科的保持−増強材料を提供することである。 本発明の一つの実施態様は、O−カルボキシアルキルキトサンを含む眼科的配 合物である。好適な実施態様において、この配合物は、pHに化学 的に敏感である送達薬剤を含み、配合物のpHは、薬剤の安定性を増強する酸性 レベルに保持される。 本発明の別の実施態様は、薬剤を眼科的環境に送達する方法であり、その方法 は、pH約4〜6でO−カルボキシメチルキトサンを含む眼科的配合物を提供し 、pHを変えるための手段により眼の環境へ眼科的配合物を分配し、それにより 眼への投薬直前に眼科的に許容しうるpHにそのpHを変えることを含む。 本発明の更に別の実施態様は、溜めを画定し出口を有する眼科的投与具;溜め 中に保持された、pH4〜6でO−カルボキシメチルキトサンを含む眼科的配合 物;及び溶液と投与具の間の流体伝達路に位置している、配合物のpHを増大さ せるためのpH変更手段である。操作において、酸性配合物のpHを、配合物を 眼に添加するときにpH変更手段を通して配合物を通過させることにより増大さ せる。 図面の簡単な説明 図1は、2%ピロカルピン溶液注入後の分(時間)に対する、N,O−カルボ キシメチルキトサンとヒドロキシプロピルメチルセルロースを比較した縮瞳%の グラフである。 図2は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む1%ピロカルピン溶液及 びカルボキシルメチル化の程度が3段階に異なるO−カルボキシメチルキトサン を含む0.5%ピロカルピンの注入後の分(時間)に対する縮瞳%のグラフであ る。 図3は、20分のカルボキシメチル化時間を有するキトサンの注入後の分(時 間)に対する、非加圧加熱と加圧加熱試料を比較した縮瞳%のグラフである。 図4は、180分のカルボキシメチル時間を有するキトサンを含む 0.5%ピロカルピン注入後の分(時間)に対する、非加圧加熱と加圧加熱試料 を比較した縮瞳%のグラフである。 好適な実施態様の記載 本発明の一つの実施態様は、眼科的製品で用いる、O−カルボキシアルキルキ トサン含有配合物である。眼科的製品は、眼科的環境、例えば眼の組織、眼を取 り巻く流体、又は眼を取り巻く組織に密接に接触することを意図した広い範囲の 製品を含む。O−カルボキシアルキルキトサンは、眼科的溶液において眼の保持 及び眼の生物学的利用性を増大させるために用いることができる。更に、O−カ ルボキシアルキルキトサンは、腸−被覆薬剤送達具において用いることができ、 それらは、胃腸管に対する薬剤の送達においていくらかの制御を提供するもので ある。ここで用いられている用語「薬剤」は、医薬、製薬的薬剤、診断剤、ビタ ミン又は眼の環境への送達に有利である他の薬剤を意味する。 ここで用いられるO−カルボキシアルキルキトサンは、以下のように定義され る: ここで、R1は、時間により約0〜82%の水素、及び時間により約18〜1 00%のカルボキシルアルキルであり、そしてR2は、時間により約50〜10 0%の水素及び時間により約0〜50%のアセチルであ る。3位のOは、時間によりいくらかのR1で置換されていてもよいが、示され ているものは、優位種である。 眼科的配合物及び方法 O−カルボキシアルキルキトサンは、眼科的製品又は腸被覆において有利に用 いることができる特性を有していることが見出されている。O−カルボキシアル キルキトサンの一つの利点は、保持−増強又は生物学的利用性−増強特性に関す るが、他の利点は、配合物のpHに関する。第一に、O−カルボキアルキルキト サンは、N,O−カルボキシアルキルキトサンより送達薬剤のより良好な生物学 的利用性を提供することが見出されている。したがって、O−カルボキシアルキ ルキトサン配合物は、眼の保持又は眼の送達薬剤の生物学的利用性の増強におい て、N,O−カルボキシアルキルキトサンを超える予期しない利点を示す。 O−カルボキシアルキルキトサンの第二の利点は、酸性又は中性のpHでの送 達配合物を維持及び/又は配合する能力に関連している。キトサンは、約7.4 の生理学的pH、それはヒト涙流体のpHである、に調節したとき、溶液の外に 沈殿する。眼に装着したコンタクトレンズ上での眼の保持−増強剤の沈殿は、視 覚のぼやけをもたらし得る。キトサンに比べて、O−位置に置換された水溶性カ ルボキシアルキル基を有するO−カルボキシアルキルキトサンは、涙流体のpH で溶解性を有することが見出されている。同様に、N,O−カルボキシメチルキ トサンは、生理学的pHで、涙(眼)流体中でまた溶解性である。したがって、 O−カルボキシアルキルキトサンもN,O−カルボキシアルキルキトサンも、眼 に適用したとき、沈殿しないであろう。 しかしながら、N,O−カルボキシメチルキトサンは、生理学的pH(すなわ ち、pH=7.4)より相当低いpHで配合することができな い。約6.6又はそれより低いpHでN,O−カルボキシメチルキトサン−含有 配合物で、濁り及び相分離が起こる。患者の快適性を最大にするために眼に適用 するには、7.4の生理学的pHが好ましいが、多くの活性の薬剤は、安定性( すなわち、貯蔵寿命の増大)の問題を避けるために、低いpHを必要とする。し たがって、約6〜8のpHが眼に快適であると一般に言われているけれども、安 定性の問題は、いくつかの商業的な配合物類が、約3のような低いpHを保持し ていることを必要としている。例えば、ピロカルピン配合物は、典型的には約5 又はそれより低いpHで行われている。 配合物は、6.6より低いpHでN,O−カルボキシメチルキトサンと配合す ることができるが、相分離のために、消費者が使用する前に配合物を刺激する必 要がある。また、眼に適用した後直ちに、消費者は濁りのために視覚のぼやけを 経験するだろう。更に、濁った、眼の配合物は、消費者に訴えることは審美的に もできない。 比較において、O−カルボキシアルキルキトサンは、約4又はそれより高いp Hにおいて配合することができる。したがって、眼の配合物は、好適には約4又 はそれより高いpH、より好適には約4.5又はそれより高いpHを有している 。好適な実施態様において、眼科的溶液は、約4〜9のpHを有する。別の好適 な実施態様において、眼科的溶液は、約4〜6のpHを有する。O−カルボキシ メチルキトサンは、Nova Chem.,Ltd.,Halifax,N.S.,Canadaから商業的に入 手しうる。 このO−カルボキシアルキルキトサンの分子量は、最終製品の用途により約1 000ダルトン〜約5,000,000ダルトンの範囲であることができる。本 発明の配合物は、また最終製品の用途により25℃で約1〜200,000セン チポイズの粘度を有することができる。眼の環境へ薬 剤を送達する眼科的製品の好適な粘度範囲は、約50〜100,000センチポ イズである。人工涙製品のための好適な粘度は、約50〜500センチポイズで ある。 本O−カルボキシアルキルキトサン眼科配合物は、眼の環境、すなわち涙流体 、眼又は眼の周囲の組織に対する薬剤の送達に特に好都合である。種々の薬剤を 、本発明に従い送達するすることができ、それらは、制限するものではないが、 有用な製薬学的薬剤、診断剤、ビタミン、栄養剤、滑剤などを含む。眼科的送達 薬剤は、ここで制限するものではないが、3H−チミジン、塩化アセチルコリン 、アシクロビル、アドレナリン、アメトカイン、アミノカプロン酸、リン酸アン タゾリン、アラキドン酸、アトロピン、塩酸ベノキシン、塩酸ベタキソロール、 ブピバカイン、カルバコール、カルテオロール、クロラムフェニコール、塩酸ク ロロテトラサイクリン、キマトリプシン、クロニジン、コカイン、コリナンシン 、クロモリンナトリウム、シクロペントラート、デメカリウムブロミド、デキサ メタゾン、ジブトリン、ジクロロフェナミド、ジクロフェナック、塩酸ジピベフ リン、エコードチオファートヨウジド、エフェドリン、エピネフィリン2酒石酸 、エリスロマイシン、エタムブトール、エチドカイン、オイカトロピン、フルオ ロメタロン、フルオロメトロン、硫酸ゲンタマイシン、グラミシジン、H−チミ ジン、臭化水素酸ホマトロピン、ヒアルロン酸、ヒドロコルチゾン、ヨードクス リジン、インドメタシン、イノシトール3リン酸、イノシトールリン酸類、イソ フルオロファート、イソソルビド、ラチェシン、レボブノロール、レボカバスチ ン、リドカイン、リグノカイン、メドリゾン、メピバカイン、メタコリン、メタ ゾールアミド、塩酸ナファゾリン、ナタマイシン、硫酸ネオマイシン、ネオスチ グミン、ノルアドレナリン、オフロキサシン、オキシブプロカイン、オキシメタ ゾリ ン、オキシフェノニウム、マレイン酸フェニラミン、塩酸フェニルエフィリン、 ホスファチジルイノシトールリン酸類、フィソスチグミン、塩酸ピロカルピン、 ポリヘキサメチレンビグアニジド類、ポリミキシンB硫酸類、リン酸プレドニゾ ロンナトリウム、塩酸プロパラカイン、プロキシメタカイン、マレイン酸ピリラ ミン、臭化水素酸スコポラミン、ソルビニル、スルフアセトアミド、スルフイソ キサゾールジソールアミン、タモキシフェン、塩酸テトラカイン、テトラサイク リン、塩酸テトラヒドロゾリン、マレイン酸チモロール及びチモロールヘミヒド ラート、トリフルリジン、トロピカミド、ビダラビン並びに他の眼科的に許容し うるそれらの塩並びにそれらの混合物を含むことができる。 送達薬剤の一つの好適なセットは、酸性でないpHの溶液中で貯蔵中に崩壊す るそれら、すなわち「pH−感受性送達薬剤」を含む。したがって、眼科的送達 薬剤の一つの好適なセットは、ピロカルピン、エピネフリン、ジピベフリン、ヒ ドララジン、カルバコール、眼科的に許容しうるそれらの塩及びそれらの混合物 を含む。特に好適な送達薬剤は、ヒドララジン及びピロカルピン、及び眼科的に 許容しうるそれらの塩を含む。 本発明の眼科的配合物は、約0.1〜約25重量%のO−カルボキシアルキル キトサンを含む。更に好適には、この眼科的製品は、約1〜約10重量%のO− カルボキシアルキルキトサンを含む。 好適な実施態様において、眼科的配合物は、(a)約0.01〜10重量%の 送達薬剤;(b)約0.1〜25重量%のO−カルボキシアルキルキトサン;及 び(c)約99.89〜74.99重量%の眼科的担体を含む。更に好適な眼科 的配合物は、(a)約0.01〜2.0重量%の送達薬剤;(b)約1〜6重量 %のO−カルボキシアルキルキトサン;及び(c)約99.99〜93.99重 量%の眼科的担体を含む。 眼科的担体は、眼科的に許容しうる、先行技術で知られている広い範囲の担体 から選択することができる。眼科的担体は、ここで制限なしに、水、石油、鉱油 、シリコン油、及びオリーブ油のような天然の植物油を含む。 好適な実施態様において、O−カルボキシアルキルキトサン(又はO−カルボ キシアルキルキトサンを含む配合物)は、加圧加熱に付される。上昇した温度で 加圧加熱することは、眼科的配合物を消毒するために有用である。しかしながら 、いくつかの眼科的配合物に対する加圧加熱することの不利な点は、眼の保持− 増強成分が、崩壊、分解又はさもなくば損傷されることである。保持−増強成分 に対する損傷は、眼に対する適用において送達薬剤の生物学的利用性を最後には 減少させる。しかしながら、意外なことに、O−カルボキシアルキルキトサンの 加圧加熱は、眼の保持−増強特性を増進させることが見出されている。保持−増 強特性でのこの増大は、O−位置でのカルボキシアルキル化のより高いレベルに ついて更に言われている。加圧加熱の温度及び期間は、特定の成分及び適用に従 い変えることができるが、約100〜150℃の温度、約5〜60分の期間が有 用な範囲である。したがって、好適な実施態様において、O−カルボニルアルキ ルキトサン、又はそれらの配合物は、上昇した温度で加圧加熱される。 貯蔵のために酸性のpHで調製された、O−カルボキシアルキルキトサン含有 −眼科的組成物は、眼の環境へ溶液を投与する直前にpHを増大させるように改 めることができる。6〜8のpHが患者を不快にさせず、すなわち6〜8のpH が、眼に適合しうることは、一般に受け入れられている。したがって、好適な実 施態様において、眼の環境へ薬剤を送達する方法が、提供されており、その方法 は、酸性のpH、好適には約4を超え、 更に好適には4を超え約6以下で、O−カルボキシアルキルキトサンを含む眼科 的配合物を提供し、該眼科的配合物を、pHを変える方法、それによりpHを眼 科的に許容しうるpHに変えることにより、眼の環境に施すことを含む。 眼に接触させる直前に眼科的溶液のpHを増大させる方法は、数多くある。例 えば、Heyl,et alに発行された米国特許5,056,689及び5,080,800は、溶液と投 与具出口の間に位置する捕捉媒体を含む眼科的投与具を開示している。操作にお いて、この媒体は、消費者が眼に溶液を投与する間この媒体を通して溶液を通過 させるとき、溶液の成分を取り除く。低いpH溶液の場合において、接触させる 溶液のpHを増大させる媒体は、投与具先端に設けることができる。米国特許5, 056,689及び5,080,800は、参照としてここに組み込まれる。したがって、特に適 切な捕捉剤は、好適には、陰性及び/又は陽性の荷電を捕捉する材料、例えばイ オン交換樹脂から選択される。特定の例は、75:25の割合である両方のBio Rad製品「Bio Rex5」及び「AG-4」の混合物からなり、それは水性溶液から0. 1%ソルビン酸をほとんど完全に除き、溶液のpHを4.0から約7.0へ増大 させる。 したがって、本発明の別の実施態様は、(a)溜めを画定し、出口を有する容 器;(b)約4〜6のpHでO−カルボキシメチルキトサンを含む、溜めに保持 された眼科的組成物;及び(c)溶液と投与具出口の間で液が導通する状態で位 置している、配合物のpHを増大させるためのpH−変更手段を含む眼科的投与 具である。 これまでの開示は、当業者に本発明を実施することを可能にするであろう。読 者が特定の実施態様及びそれらの利点をよりよく理解するためには以下の実施例 を参照されたい。 実施例I ピロカルピン2重量%及びN,O−カルボメチルキトサン約4重量%を含む水 性溶液を以下のように調製した。氷酢酸約5グラム及び塩化ナトリウム約6グラ ムを、脱イオン水約900mlに加えた。N,O−カルボキシメチルキトサン(Pr otan Laboratories,Redmond,VA)約40グラムを、水性溶液に溶解した。ピロ カルピン(Sigma Chemical Co.)の約20グラムを、この溶液に加え、1N HC lを加えることによりこのpHを約5に調節した。この最終溶液が、1リットル になるように調整した。 得られた溶液は、ウサギの眼の中にこの溶液30マイクロリットルを注入した 後、それぞれの時間にウサギの眼の瞳孔の径を測定し、そして測定した瞳孔の径 から縮瞳効果を計算することにより評価した。縮瞳は、瞳孔収縮の相対的な尺度 である。眼へのピロカルピンの投与は、瞳孔を収縮させる。したがって、ピロカ ルピン送達薬剤溶液の効果は、「縮瞳パーセント」により表現することができる 。ここで用いられている「縮瞳パーセント」は、以下の式により定義される。 縮瞳パーセント=(Dnew−Dbase)/Dbase・100 ここで、Dbase=(溶液に接触する前)の基本の瞳孔の径 Dnew =試験溶液と指定の時間接触した後の新しい瞳孔の径 眼への注入後の時間の関数としての平均縮瞳パーセントを、表1に示した。 実施例II ピロカルピン2重量%及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) 4.5mg/mlを含む水性溶液を評価した。この溶液は、SPERSACARPINE(商標)溶 液であり、それはCIBA Vision,AG(Dispersa,AG),Hettlingen,Switzerlandか ら商業的に入手しうる。 表1は、眼への注入後の時間の関数としての平均縮瞳パーセントを示している 。図1は、表1のデータをグラフとして示したものである。 実施例I及びII並びに図1は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース4.5mg /mlが、時間の関数としての縮瞳の様子において、N,O−カルボキシメチルキ トサン4重量%と同様にふるまうことを示している。しかしながら、HPMCは 、所定の時間での縮瞳の大きさにより示されているように、ピロカルピンで、N ,O−カルボキシメチルキトサンよりやや良好にふるまう。 実施例III 実施例Iに示した方法を、ピロカルピン1重量%及びHPMC4.5mg/mlを 有するSPERSACARPINE(商標)溶液を試験した。データを表2及び図2に示した 。 実施例IV 180分−カルボキシメチル化O−カルボキシメチルキトサン(NOVA Chem., Ltd.)約3グラムを、蒸留水約80mlに溶解した。pHを水酸化 ナトリウムで約12に調整した。マンニトール約1.6グラムを浸透圧をほぼ等 張に調節するために加えた。この溶液を、約121℃で約15分間Yamato SM32 AUTOClave中で加圧加熱した。このpHを濃塩酸で約5に調整した。塩酸ピロカ ルピン約0.5グラムをこの溶液に加えた。容量を100mlになるように調整し た。 180分−カルボキシメチル化O−カルボキシメチルキトサン約3重量%中に 、ピロカルピン約0.5重量%を含む得られた溶液は、実施例Iに示したように 評価した。データを表2及び図2に示した。 実施例V 20分−カルボキシメチル化O−カルボキシメチルキトサン(NOVA Chem.,Lt d.)約3グラムを、蒸留水約40mlに溶解した。pHを水酸化ナトリウムで約1 2に調整した。マンニトール約0.9グラムを浸透圧をほぼ等張に調節するため に加えた。この溶液を、約121℃で約15分間Yamato SM32 AUTOClave中で加 圧加熱した。このpHを濃塩酸で約5に調整した。塩酸ピロカルピン約0.25 グラムをこの溶液に加えた。容量を50mlになるように調整した。 20分−カルボキシメチル化O−カルボキシメチルキトサン約3重量%中に、 ピロカルピン約0.5重量%を含む得られた溶液は、実施例Iに示したように評 価した。データを表2及び図2に示した。 実施例VI 60分−カルボキシメチル化O−カルボキシメチルキトサン(NOVA Chem.,Lt d.)約1.5グラムを、蒸留水約40mlに溶解した。pHを水酸化ナトリウムで 約12に調整した。マンニトール約0.8グラムを浸透圧をほぼ等張に調節する ために加えた。この溶液を、約121℃で約15分間Yamato SM32 AUTOClave中 で加圧加熱した。このpHを濃塩酸で 約5に調整した。塩酸ピロカルピン約0.25グラムをこの溶液に加えた。容量 を50mlになるように調整した。 60分−カルボキシメチル化O−カルボキシメチルキトサン約3重量%中に、 ピロカルピン約0.5重量%を含む得られた溶液は、実施例Iに示したように評 価した。データを表2及び図2に示した。 実施例III〜VI及び図2は、O−カルボキシメチルキトサン中のより低いピロ カルピン濃度(0.5%)は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース4.5mg/m l中のより高いピロカルピン濃度(1%)より更に効果的にふるまう。したがっ て、O−カルボキシメチルキトサンは、眼科的医薬送達担体として、HPMC又 はN,O−カルボキシメチルキトサンよりも、更に効果的にふるまう。 実施例VII 180分のカルボキシメチル化時間を有するO−カルボキシチルキトサン(NO VA Chem.,Ltd.)約30グラムを、脱イオン水900mlに溶解した。pHを水酸 化ナトリウムで約12に調整した。マンニトール、等張剤、約30グラム、及び ピロカルピン約5グラムをこの溶液に加えた。pHを37%塩酸を加えることに より約4.7に調整した。最終容量を脱イオン水で1リットルに調整した。この O−カルボキシメチルキトサンに対して加圧加熱を施さなかった。データを表3 に示した。180分−カルボキシメチル化送達薬剤の加圧加熱(実施例IV)及び 非加圧加熱(実施例VII)のグラフでの比較を図3に示した。 実施例VIII 水性のO−カルボキシメチルキトサン/ピロカルピン溶液を、20分−カルボ キシメチル化キトサンを用いる以外は、実施例VIIと同様に調製した。データを 表3に示した。20分−カルボキシメチル化送達薬剤の加圧加熱(実施例V)及 び非加圧加熱(実施例VIII)のグラフでの比較を図4に示した。 実施例IV及びVと、実施例VII及びVIII、並びにそれぞれ図3及び4 の比較は、加圧加熱することは、高度のカルボキシメチル化キトサン(180分 のカルボキシメチル化期間)に対して、O−カルボキシルメチルキトサンの効果 を改善するが、低いカルボキシメチル化キトサン(20分のカルボキシメチル化 期間)に対して、効果を減ずることを明らかにした。 本発明は、読者が不必要な実験なしに本発明を実施することを可能にするため に、いくつかの好適な実施態様を参照して記載されている。しかしながら、当業 者は、成分及びパラメーターの多くを本発明の範囲と精神から離れることなくあ る範囲に変更又は修飾することができることを容易に理解できるであろう。更に 、標題、題目などは、この文書の理解を助けるために提供されており、本発明の 範囲を限定するものとして読まれるべきではない。したがって、本発明の知的財 産権は、以下の請求項及びその合理的拡張によってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AU,BB,BG,BR ,CA,CN,CU,CZ,EE,GE,HU,IL, IS,JP,KP,KR,LK,LR,LT,LV,M G,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,SG ,SI,SK,TR,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)O−カルボキシアルキルキトサン約0.1〜25重量%; (b)眼科的送達薬剤約0.01〜10重量%;及び (c)眼科的担体を含む眼科的配合物。 2.該眼科的配合物が、約4又はそれより高いpHを有する、請求項1記載の眼 科的配合物。 3.該O−カルボキシアルキルキトサンが、O−カルボキシメチルキトサンであ る、請求項1記載の眼科的配合物。 4.O−カルボキシメチルキトサン1〜10重量%を含む、請求項1記載の眼科 的配合物。 5.(a)O−カルボキシアルキルキトサン約1〜6重量%; (b)眼科的送達薬剤約0.01〜2重量%;及び (c)眼科的担体98.99〜93.99を含む眼科的配合物。 6.該送達薬剤が、pH−感受性送達薬剤である、請求項1記載の眼科的配合物 。 7.該送達薬剤が、3H−チミジン、塩化アセチルコリン、アシクロビル、アド レナリン、アメトカイン、アミノカプロン酸、リン酸アンタゾリン、アラキドン 酸、アトロピン、塩酸ベノキシン、塩酸ベタキソロール、ブピバカイン、カルバ コール、カルテオロール、クロラムフェニコール、塩酸クロロテトラサイクリン 、キマトリプシン、クロニジン、コカイン、コリナンシン、クロモリンナトリウ ム、シクロペントラート、デメカリウムブロミド、デキサメタゾン、ジブトリン 、ジクロロフェナミド、ジクロフェナック、塩酸ジピベフリン、エコードチオフ ァートヨウジド、エフェドリン、エピネフィリン2酒石酸、エリスロマイシン、 エタムブトール、エチドカイン、オイカトロピン、フルオロメタロン、フルオロ メトロン、 硫酸ゲンタマイシン、グラミシジン、H−チミジン、臭化水素酸ホマトロピン、 ヒアルロン酸、ヒドロコルチゾン、ヨードクスリジン、インドメタシン、イノシ トール3リン酸、イノシトールリン酸類、イソフルオロファート、イソソルビド 、ラチェシン、レボブノロール、レボカバスチン、リドカイン、リグノカイン、 メドリゾン、メピバカイン、メタコリン、メタゾールアミド、塩酸ナファゾリン 、ナタマイシン、硫酸ネオマイシン、ネオスチグミン、ノルアドレナリン、オフ ロキサシン、オキシブプロカイン、オキシメタゾリン、オキシフェノニウム、マ レイン酸フェニラミン、塩酸フェニルエフィリン、ホスファチジルイノシトール リン酸類、フィソスチグミン、塩酸ピロカルピン、ポリヘキサメチレンビグアニ ジド類、ポリミキシンB硫酸類、リン酸プレドニゾロンナトリウム、塩酸プロパ ラカイン、プロキシメタカイン、マレイン酸ピリラミン、臭化水素酸スコポラミ ン、ソルビニル、スルフアセトアミド、スルフイソキサゾールジソールアミン、 タモキシフェン、塩酸テトラカイン、テトラサイクリン、塩酸テトラヒドロゾリ ン、マレイン酸チモロール及びチモロールヘミヒドラート、トリフルリジン、ト ロピカミド、ビダラビン並びに他の眼科的に許容しうるそれらの塩並びにそれら の混合物よりなる群から選択される、請求項1記載の眼科的配合物。 8.該送達薬剤が、ピロカルピン、エピネフリン、ジピベフリン、ヒドララジン 、カルバコール、眼科的に許容しうるそれらの塩及びそれらの混合物よりなる群 から選択される、請求項1記載の眼科的配合物。 9.該送達薬剤が、ヒドララジン又は眼科的に許容しうるその塩である、請求項 1記載の眼科的配合物。 10.該配合物が、50〜500センチポイズの粘度を有する、請求項1記載の 眼科的配合物。 11.該配合物が、人工涙流体である、請求項1記載の眼科的配合物。 12.該配合物が、25,000〜200,000センチポイズの粘度を有する 、請求項1記載の眼科的配合物。 13.O−カルボキシメチルキトサン約1〜6重量%を含む、請求項1記載の眼 科的配合物。 14.(a)O−カルボキシメチルキトサン約1〜6重量%; (b)眼科的送達薬剤約0.01〜2重量%;及び (c)眼科的担体98.99〜93.99を含む眼科的配合物。 15.該送達薬剤が、ピロカルピン、エピネフリン、ジピベフリン、ヒドララジ ン、カルバコール、眼科的に許容しうるそれらの塩及びそれらの混合物から選択 され、かつ該眼科的配合物のpHが、約4を超える、請求項14記載の配合物。 16.O−カルボキシメチルキトサンが、所定の時間上昇した温度で加圧加熱さ れる、請求項16記載の配合物。 17.該O−カルボキシメチルが、5〜60分間、100〜150℃の温度で加 圧加熱される、請求項16記載の配合物。 18.眼の環境に薬剤を送達する方法であって、 (a)約4を超える酸性のpHでO−カルボキシアルキルキトサンを含む眼科的 配合物を準備する工程; (b)該眼科的配合物を、pHを変えるための手段を通し、それにより眼科的に 許容しうるpHに変更して眼の環境に投与する工程を含むことを特徴とする方法 。 19.該眼科的に許容しうるpHが、約6〜8である、請求項18記載の方法。 20.該酸性のpHが、約4〜6である、請求項18記載の方法。 21.該キトサンが、O−カルボキシメチルキトサンである、請求項18記載の 方法。 22.(a)溜めを画定し、出口を有する容器; (b)約4〜6のpHでO−カルボキシメチルキトサンを含む、溜めに保持され た眼科的組成物;及び (c)溶液と投与具出口の間で液が導通する状態で位置する、配合物のpHを増 大させるためのpH−変更手段を含む眼科的投与具。 23.該眼科的配合物が、pH−感受性送達薬剤を更に含む、請求項22記載の 眼科的投与具。 24.該pH−感受性送達薬剤が、ピロカルピン、エピネフリン、ジピベフリン 、ヒドララジン、カルバコール、それらの眼科的に許容しうる塩及びそれらの混 合物よりなる群から選択される、請求項23記載の眼科的投与具。 25.送達薬剤及びO−カルボキシアルキルキトサンを含む配合物の生物学的利 用性を増大させる方法であって、 配合物の保持−増強特性を増大するに十分な時間上昇した温度で、該配合物が 加圧加熱される工程を含むことを特徴とする方法。 26.該加圧加熱が、100〜150℃、5〜60分の時間である、請求項25 の方法。 27.該方法が、該配合物の眼の生物学的利用性を増大させる、請求項25記載 の方法。
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