【発明の詳細な説明】
周波数生成回路
本発明は、周波数生成回路(frequency generating circuit)、およびこのよ
うな周波数生成回路を含む受信装置(receiving apparatus)に関する。受信装
置の一例としては、デジタルページング受信機(digital paging receiver)が
ある。
この明細書において、“受信装置”なる用語は、アンサーバックページング装
置やコードレス電話機および/あるいはセルラ電話機などに使用されるトランシ
ーバ装置の少なくとも受信部分をカバーするものと理解されたい。
当分野においては、多数の様々なタイプの周波数生成回路が知られている。例
えば、温度を制御された水晶発振器が周知である。これは、通常、周波数の安定
性を得るために高い公差(tolerance)の水晶を必要とする。より高い精度を達
成しようとずばするほど、水晶をカットするコストが高くなる。周波数を安定化
させるために、水晶を温度を制御されたオーブン内に置くことが知られている。
ただし、無線装置、特に、携帯無線装置の場合は、オーブンを使用することは、
容積や電力消費などの点で不利となる。
DE44031241A1は、無線クロック回路について開示する。ここでは
、専用の無線タイミング信号がクロック回路内の水晶発振器を同期させるために
用いられる。
周波数合成回路についても周知である。これらは、通常、非常に安定な基準発
振器を必要とし、これから所望の周波数が分割動作によって得られる。
本発明の一つの目的は、低コストの水晶発振器を利用する許容できる精度の周
波数生成手段を提供することにある。
本発明の一面によると周波数生成回路が開示される。この周波数生成回路は、
周波数生成回路の外側のソースから反復基準信号を生成するための手段と、所望
の周波数に概ね相当する周波数を持つクロック信号を生成するための手段と、反
復基準信号の間のおのおのの時間期間において生成されるクロック周波数が任意
に設定された値と異なるか否かを決定するための手段を含み、前記決定手段は生
成されるクロック信号の周波数を調節するために用いられる制御信号を供給する
。
本発明のもう一面によると受信装置が開示される。この受信装置は、送信され
た信号を受信するための手段と、前記送信された信号から反復基準信号を生成す
るための手段と、所望の周波数に概ね相当する周波数を持つクロック信号を生成
するためのクロック信号生成手段と、反復基準信号の間のおのおのの時間期間に
おいて生成されるクロック周波数が任意の設定された値と異なるか否かを決定す
るための手段を含み、前記決定手段は、前記生成されるクロック信号の周波数を
調節するために用いられる制御信号を供給する。
本発明は、セルラ電話、コードレス電話、デジタルページングなどの用途にお
ける信号のタイミングは、しばしば、5ppm(parts per million:100万
分の1)のレベルの周波数精度を持ち、この信号を基準として使用できるという
認識に基づく。一連の同期コード語(synchronisation code words、SCW)の
間の時間期間が実質的に一定であるために、実用的な目的に対してはこの一連の
時間期間の継続間隔は実質的に一定であり、送信アンテナからの伝播時間には依
存せず、このために、送信アンテナからの距離と関係なく精度が維持される。
本発明を、以下に、一例として、付録の図面を参照しながら説明する。ここで
:
図1は、受信されるページング信号内での一連の同期コード語の発生を示すタ
イミング図であり、
図2は、本発明の第一の実施例の略ブロック図であり、
図3は、本発明の第二の実施例の略ブロック図であり、
図4は、無修正のクロックパルスの波形と修正されたクロックパルスの波形の
波形図であり、
図5は、本発明の一つの実施例のハードウエア部分の略ブロック図であって、
他の部分はソフトウエアから構成され、
図6は、図5に示す実施例と関連する動作の流れ図である。
図面中、同一の符号は同一の要素を示す。
図1は、同期シグナリングプロトコルを持つページングシステムの正確にタイ
ミングを取られた間隔において発生する同期コード語(SCW)の発生を示す。
ここで解説される実施例においては、上述の同期シグナリングプロトコル(sync
hronised signalling protocol)は、6.8秒の継続期間を持つサイクルから成
る。各サイクルは、おのおのが2.2667秒の継続期間を持つ3つのブランチ
B1、B2、B3に分割される。各ブランチは、複数のフレーム(図示せず)を
含み、各フレームは、アドレス/データコード語などであり得るコード語を含む
。ページング受信機の所に置かれるデコーダは、これら同期コード語の各終端に
おいてタイミングパルスを生成するための手段を含む。
図2に示すように、アンテナ10によって受信される入力信号は、受信機段1
2に加えられる。受信機段12からの復調された信号は、デコーダ14に送られ
る。デコーダ14は、同期コード語検出器16を含む。同期コード語検出器16
は、同期コード語が検出されたことを示す指標を出力18に供給するための手段
を含む。同期コード語が検出されたことを示すこの指標は、同期コード語の終端
において生成される。これは、終端は、開始よりも正確な時間基準となるためで
ある。デコーダ14は、周波数生成回路から供給されるクロック信号を受信する
ための入力20を含む。
周波数生成回路は、例えば、低コストの水晶発振器22を利用する。これは、
例えば、最高200ppm(200万分の1)の高い公差の水晶を含む。この水
晶発振器22の公称出力周波数は、デコーダ14のクロック入力に供給されるべ
きクロック信号の周波数より高くされる。水晶発振器22の出力は、最初に、可
調アキュミレータに送られる。この可調アキュミレータは、ここに解説する実施
例においては、カウンタ24から構成される。カウンタ24は、カウンタの係数
を増分することを指示する信号を受信するための入力26と、カウンタの係数を
減分するとことを指示する信号を受信するための入力28を持つ。また、カウン
タ24は、オーバーフロー出力30を持つ。カウンタ24は、カウンタ内のカウ
ントが現在の係数値に等しくなると、オーバーフロー出力30上にオーバーフロ
ーパルスを供給する。
パルススワロー(swallow)回路32としては、例えば、英国特許明細書GB
−A−2062315号の図1と図2との関連で説明されるタイプの回路が用い
られる。この回路の入力は、水晶発振器22からの出力を受信するように接続さ
れる。この回路は、さらに、カウンタ24の出力30に接続された引算(削除)
入力34を含む。パルススワロー回路32は、引算(削除)入力34上にオーバ
ーフローパルスが発生すると、水晶発振器周波数の一つのサイクルを“呑込む”
、つまり除去する。この結果として、水晶発振器22からの公称周波数が、デコ
ーダ14に対して要求されるクロック周波数に接近する値に落とされる。
クロック信号の周波数を制御するために、自走カウンタ(free running count
er)36が設けられる。自走カウンタ36は、パルススワロー回路32から生成
されるクロック信号を受信するための入力38を含む。カウンタ36は、さらに
、同期コード語検出器16の出力18に接続されたリセット入力40を持つ。カ
ウンタ36は、いったんリセットされると、クロック周波数信号の蓄積(accumu
late)を開始し、リセット信号が入力40に加えられるまでこれを継続する。カ
ウンタ36の係数は、修正される振器周波数が所望の周波数に等しい場合は、カ
ウンタ36が一連の基準パルスの間に整数回だけサイクルするように設定される
。
ただし、クロック周波数が高過ぎる場合は、同期コード語の発生において、カウ
ンタの最上位ビットは、(これがオーバーフローのために既に0をパスしている
ために)“0”となり、反対に、クロック周波数が低過ぎる場合は、カウンタの
最上位ビットは、(これがまだ最大値に達する手前であるために)“1”となる
。
二つのANDゲート42、46が設けられる。ANDゲート42の一つの入力
は、同期コード語検出器16の出力18に接続され、もう一つの入力は、カウン
タ36の出力48に接続される。この出力48は、最上位ビット(msb)を持
つ。出力18は、ADDゲート46の一つの入力にも接続される。インバータ4
4がANDゲート46の第二の入力に接続される。インバータ44の入力は、カ
ウンタ36の出力48に接続される。ANDゲート42は、カウンタ24の増分
入力26に接続され、ANDゲート46の出力は、カウンタ24の減分入力28
に接続される。
周波数生成回路の動作においては、水晶発振器の周波数の幾つかのサイクルが
、上述のように呑込まれ、結果として得られた周波数が、デコーダ14のクロッ
ク入力20と、カウンタ36の入力38に加えられる。入力40に加えられる一
連のリセットパルスの際に、クロック周波数が高過ぎるために出力48上の最上
位ビットが“0”となった場合は、ANDゲート46の出力が高値となり、AN
Dゲート46の出力がカウンタ24の減分入力28に送られる。この結果として
、係数が1だけ減分され、水晶発振器のより多数のサイクルが呑込まれ、クロッ
ク周波数は低減する。反対に、クロック周波数が低過ぎるために出力48上の最
上位ビットが“1”となった場合は、ANDゲート42の出力がカウンタ24の
増分入力26に加えられ、このカウンタの係数が増分され、このために、呑込ま
れるパルスが少なくなり、クロック周波数は増加する。
ここで解説される回路は、特に±100ppmの標準公差幅(standard toler
ance band)を持つようにカットされた水晶を用いるのに適する。ただし、回路
を実現するためには、以下に示す幾つかの典型的な公差についても考慮する必要
がある:
水晶のカッティング ±100ppm
温度 −67ppm
エージング(5年) ±7ppm
発振器成分および迷走成分 ±8ppm
送信ビットレート ±5ppm
公差の合計 +120〜−187、すなわち、307ppmの範囲
もし一例として、所望の周波数として76800Hzが必要とされる場合は、
公称水晶周波数は、76800Hzより少なくとも187ppm高くすることが
要求される。無修正の発振器周波数が所望の周波数に接近するにつれて、パルス
スワロー回路32の励振の間の発振器のサイクルの数nは非常に大きくなる。従
って、カウンタ24のサイズを小さくするために、以下によって与えられる係数
nを制限することが必要となる:
ここで、fOSCは、無修正の発振器周波数であり、fMAINは、所望の主クロック周
波数(76800Hz)である。
ある与えられた値におけるカウンタ24の分解能(resolution)rは、以下に
よって与えられる:
1バッチ(B1、B2あるいはB3)についての1クロック期間の分解能は、
以下によって与えられる:
カウンタの分解能が、あるバッチの継続期間、つまり、2.2667秒を通じ
ての1クロック期間の二分の一によって与えられる値、つまり、つまり、分解能
r=2.85ppmに接近するものと想定すると、係数nは、約(106/R)1 /2
=592となる。
n=592がnの最小値であり、これが、最高の発振器周波数であるfCRYSTAL
+120ppmに対応するものと想定すると、nの最小値、典型値、および最大
値は、以下のテーブルのようになる:
従って、実際の公称水晶周波数は、nがその典型値にあるときの無修正の発振
器周波数fOSCの値、つまり:
fCRUSTAL=76920Hz
となる。これは、76800Hzの標準周波数+120ppmに等しい。
図1に示すサイクルの時間、つまり、6.8秒を用いると、76800Hzに
おけるクロックサイクルの正確な数は、522240回となる。
カウンタ36の係数の大きさは、見込まれる最大クロック偏差を収容できれば
十分である。補償回路を、水晶のカッティングなどに起因する固定公差を補償す
るように設定すれば、67+7+5=79ppmを超えるような可変公差は決し
て発生しない。現実的には、万一、このようなオフセットが発生し、補償できな
かった場合は、バッチの終端に向って出現するデータは、回復されなくなる。
52240は、255×211であり、11ビットカウンタでは、6.8秒の継
続期間において、255回サイクルすることとなる。±79ppmは、5222
40のクロックサイクルにおいては、±41クロックに等しい。つまり、1つの
6.8秒の継続期間におけるカウンタ24のクロックサイクルの、期待される回
数からのずれは、最大で、±41クロックとなる。従って、係数±64を持つ7
ビットカウンタを用いれば、発振器の総オフセットレンジを十分に収容すること
ができる。好ましくは、1の係数のオーダに匹敵する大きさのエラーが発生する
と、反対方向の修正が行なわれる危険があり、このために、これがカウンタの係
数を十分に大きくすることで回避される。出力48上の最上位ビットが1である
ことは、その同期コード語が前のコード語より遅れて検出されたこと、つまり、
補償されるクロックが、送信されたデータ(同期コード語)より速くランしてい
ることを示す。従って、このような場合は、カウンタ24の係数が減分される(
つまり、n≦n−1となるようにされる)。この結果、6.8秒の継続期間当た
りより多くのクロック期間が呑込まれ、この結果、内部クロック速度が、2〜3
ppmだけ低減されることとなる。
反対に、最上位ビットが0である場合は、nの値が増分され、内部クロック速
度が増加される。
低ノイズレベルでデータが連続的に受信されるような状況においては、内部ク
ロックは、受信データレートの6ppmの範囲内に維持されることが期待される
。また、6.8秒期間当たりに3ppmを超える温度変化があった場合でも正確
に追跡することが可能である。
伝送の意図的な中断、フェード、あるいは、搬送波損失モードなどのために、
デコーダ14にデータが供給されなくなった場合は、同期コード語が検出されな
いために、補償値は一定にとどまる。
図3は、無修正の発振器周波数が、上述のように所望のクロック周波数より高
い場合だけでなく、低い場合でも、周波数を修正することが可能な本発明の一つ
の実施例を示す。
周波数が低過ぎる場合は、パルスを追加することが必要となる。
ここに説明の受信装置は、アンテナ10を持つ受信セクション12を含む。受
信セクション12は、データ信号を供給する。このデータ信号は、デコーダ14
内で復号されるが、デコーダ14は、同期コード語検出器16を含む。マイクロ
コントローラ50がデコーダ14に結合される。マイクロコントローラ50は、
読出専用メモリ52内に格納されたプログラムソフトウエアに従って動作する。
デコーダ14は、後に説明されるクロック周波数生成回路から生成される修正さ
れるべきクロック信号を受信するクロック入力20を含む。
クロック信号生成回路は、低コストの水晶発振器22を含む。これは、デコー
ダの入力20に供給される所望のクロック周波数、例えば、76.8kHzとは
異なる無修正の出力周波数を生成する。この無修正のクロック信号は、ここに説
明される実施例においては、16段自走ダウンカウンタとされる間隔カウンタ5
4のクロック入力56に供給される。カウンタ54にロードされる上位7ビット
は、後に説明する間隔レジスタ58の出力から生成され、下位9ビットは、再ロ
ードされる2進の“1”から成る。カウンタ54の全てが“0”から成る出力6
0は、カウンタ54のロード入力62と、2入力ANDゲート64と66のおの
おのの入力に結合される。ANDゲート64は“追加”信号を供給し、ANDゲ
ート66は“削除”信号を供給する。追加信号はDタイプフリップフロップ68
のD入力に供給され、削除信号はDタイプフリップフロップ70のD入力に
供給される。無修正のクロック信号は、フリップフロップ68のクロックC入力
、インバータ72、および2入力ANDゲート74の一つの入力に供給される。
2入力ANDゲート74の第二の入力は、フリップフロップ70の−Q出力から
生成される。インバータ72の出力は、フリップフロップ70のクロックC入力
、遅延段76、および3入力ANDゲート78の一つの入力に供給される。フリ
ップフロップ68のQ出力は、ANDゲート78の第二の入力に結合される。遅
延段76の出力は、典型的には修正されるべきクロック期間の四分の一のオーダ
の時間遅延を持ち、インバータ80と、2入力ANDゲート82の一つの入力に
結合される。2入力ANDゲート82の第二の入力は、ANDゲート74の出力
から生成される。インバータ80の出力は、ANDゲート78の第三の入力に結
合される。ANDゲート78と、ANDゲート82の出力は、両方とも、ORゲ
ート84の入力に接続される。そして、ORゲート84の出力から修正されるべ
きロック周波数が生成される。
この修正されるべきクロック信号は、デコーダ14の入力20と、測定カウン
タ36のクロック入力38に供給される。測定カウンタ36は、同期コード語デ
コーダ16の出力に接続されたリセット入力40を持つ。カウンタ36の最上位
ビット段86からは出力48が出る。論理段88が設けられるが、これは、同期
コード語検出器16の出力を受信する入力と、最上位ビット段86の出力48を
受信する入力と、間隔レジスタ58の全てが“1”の出力を受信する入力と、セ
ット/リセット/トグルフリップフロップ90のQ出力を受信する入力を持つ。
7ビット間隔レジスタ58は、マイクロコントローラ50によってロードされる
。
論理段88は、間隔レジスタ58の増分(Incr)入力に接続される増分出力と
、減分入力(Decr)に接続される減分出力と、フリップフロップ90のトグル入
力Tに接続されるトグル出力を供給する。
マイクロコントローラ50は、ロード信号を供給する。これは、間隔レジスタ
58のロードL入力と、2入力ANDゲート92の入力と、2入力ANDゲート
94の入力に結合される。マイクロコントローラ50は、間隔レジスタ58にロ
ードされる上述の7ビットと並列に8番目のビットを供給する。この8番目のビ
ットは、ANDゲート92の第二の入力と、インバータ96にも供給される。イ
ンバータ96の出力は、ANDゲート94の第二の入力に供給される。ANDゲ
ート92の出力は、フリップフロップ90のセット入力(S)に供給され、AN
Dゲート94の出力は、フリップフロップ90のリセット入力(R)に供給され
る。フリップフロップ90のQ出力はANDゲート64の第二の入力に供給され
、フリップフロップ90の−Q出力は、ANDゲート66の第二の入力に供給さ
れる。
間隔レジスタ58は、7ビットの並列出力を供給するが、これは、間隔カウン
タ54の最上位ビット(msb)位置と、マイクロコントローラ50に供給され
る。
この実施例の動作の背景にある基本的な概念は、発振器22の不正確さを、規
則的な間隔にてデジタル的にクロックパルスを追加あるいは削除することで、補
償しようとするものである。クロックパルスが追加されるべきか削除されるべき
か、および、この間隔を増加すべきかあるいは減少すべきかを決定するために、
二つの受信された同期語の間の時間が測定される。送信ビットレートは、±5p
pm内の精度を持つものと想定される。
この測定のためには、自走7ビット増分カウンタ36が、自身の入力38に供
給される修正されるべきクロック信号によってクロックされる。このカウンタは
、任意の27の倍数に等しいクロックパルスの回数の後に同一位置に戻る。
入力40の所に同期コード語が発生した時点で、出力48の所の最上位ビット
の値が調べられ、カウンタ36がリセットされる。
最上位ビットが“0”であることは、この測定カウンタ36のランが速過ぎる
ことを意味し、このために、削除クロックパルス間の間隔を低減するか、追加ク
ロックパルス間の間隔を増加することが必要となる。反対に、最上位ビットが“
1”であることは、測定カウンタ36のランが遅過ぎることを意味し、このため
に、削除クロックパルス間の間隔を増加するか、あるいは追加クロックパルス間
の間隔を低減することが必要となる。追加するか削除するかは、フリップフロッ
プ90によって決定される。
この間隔は、間隔カウンタ54によって決定されるが、間隔カウンタ54は、
発振器22から生成される未修正のクロック信号によってクロックされる。この
間隔カウンタ54が0に達する度に、クロックパルスが、追加あるいは削除され
る。そして、間隔カウンタ54には、次の間隔の長さを決定する値が再ロードさ
れる。
この間隔の長さの値は、間隔レジスタ58によって与えられるが、この値は、
増分したり減分したりすることができる。この間隔の増加あるいは減分は、上述
のように、測定カウンタ36の最上位ビットによって決定される。間隔レジスタ
58が、その最大に達した場合(全てが“1”を含む)は、最上位ビットによっ
て増分すべきことが示された場合でも、オーバーフローが起こらず、増分は行な
われなくなる。このような場合は、代わりに、論理段88によってフリップフロ
ップ90をトグルさせる出力が生成される。
システムのリセット時に、間隔レジスタ58と、フリップフロップ90は、マ
イクロコントローラ50によってロードされる。このロード値は、製造時に測定
される発振器周波数の偏差から計算され、EEPROM内に格納される。別の方
法として、このロード値を、全て“1”とすることで、自己整列(self-alignme
nt)が起こるようにすることも可能である。
パルスを追加あるいは削除するためには、発振器22からの未修正のクロック
信号がインバータ72内で反転され、遅延段76によって遅延される。次に、A
NDゲート74、78、82およびインバータ80を介して、方形波入力の立ち
上がりあるいは立ち下がりエッジにおいてパルスが生成される。公称パルス継続
期間は、標準の76.8kHz信号の四分の一期間、つまり、3.25マイクロ
秒となるべきである。ただし、発振器出力の衝撃係数によっては、公差がかなり
大きなこともあり得る。
通常は、クロックパルスは、方形波の立ち上がりエッジにおいて生成される。
パルスの削除が要求される場合は、Dタイプフリップフロップ70が方形波の立
ち下がりエッジにおいてセットされる。すると、次の立ち上がりエッジにおいて
、パルスが抑止される。パルスの追加が要求される場合は、Dタイプフリップフ
ロップ68が方形波の立ち上がりエッジにおいてセットされる。すると、次の立
ち下がりエッジにおいて、パルスが生成される。このパルスの追加あるいは削除
の動作は、真理値表の作成によって検証することができる。
図4の上の図は、発振器22によって生成される未修正の波形を示し、下の図
は修正されたクロック信号を示す。下の図においては、パルスがAの所で追加さ
れ、Dの所で削除されている。
間隔レジスタ58を増分すべきか減分すべきかを決定するために、修正される
べきクロックパルスのレートが、基準としての受信された同期語と比較される。
7ビット測定カウンタ36は、修正されるべきクロックパルスに基づいてランす
る。同期語が受信されると、カウンタ36の最上位ビットとフリップフロップ9
0の状態に基づいて、間隔レジスタ58が増分あるいは減分され、同時に、カウ
ンタ36がリセットされる。
より詳細には、修正されるべきクロック周波数が遅過ぎる場合は、測定カウン
タ36は、次の同期語が到着したときまだ0状態に達しておらず、このために、
最上位ビットは“1”になる。反対に、クロックが速過ぎる場合は、カウンタ
36の値は、0より大きくなり、最上位ビットは“0”になる。一方、クロック
周波数が正しい場合は、カウンタ36は、厳密に0となるが、ただし、この状況
は“速過ぎる”とみなされ、このために、間隔レジスタ58は、常に、増分ある
いは減分される。間隔の増分と減分の間の比によって、平均クロック速度が、7
6.8kHzの正しい周波数に近付けられるが、これは、送信機の精度に依存す
る。
7ビット測定カウンタ36によって補償することが可能な最大周波数偏差は、
以下のように計算することができる:
測定カウンタ36は、±64の値を保持することが可能である。修正されるべ
きクロックが一連の同期語の間において64パルスの差より遅過ぎるあるいは速
過ぎる場合は、クロックが実際には速過ぎるのに遅過ぎるようにみなされたり、
あるいはこの逆の場合も起こり得る。
以下では、フリップフロップ90、間隔レジスタ58、および間隔カウンタ5
4の動作について説明する。初期化において、マイクロコントローラ50は、8
ビット値を供給する。この8ビット値の内の下位の7ビットは、間隔レジスタ5
8にロードされ、この8ビット値の最上位のビットは、ANDゲート92と、イ
ンバータ96に加えられる。16ビット間隔カウンタ54の上位の7ビットは、
間隔レジスタ58からロードされる。16ビット間隔カウンタ54の下位の9ビ
ットには、“1”がロードされる。このロードは、間隔カウンタ54が、0(全
てが“0”)にカウントダウンされたとき行なわれる。これと同時に、クロック
パルスが、フリップフロップ90の状態に依存して、追加あるいは削除される。
同期語が受信されると、間隔レジスタ58は、測定カウンタ36の最上位ビッ
トと、フリップフロップ90の状態に依存して、増分あるいは減分される。ただ
し、間隔レジスタ58が、全て“1”を含む場合は、最上位ビットとフリップフ
ロップ90が増分すべきことを示す場合でも、増分は行なわれず、代わりに、フ
リップフロップ90がトグルされる。以下のテーブルは、増分/減分およびトグ
ル論理を示す。最初の4行は、間隔レジスタ58が全て”1”を含まない場合の
正常な動作を示し、下の4行は、間隔レジスタ58に0/1状態が発生する状況
を示す。この状況は、例えば、スイッチオンされたとき、あるいは、発振器周波
数が所望の周波数に近いときに起こる。
間隔レジスタ58とフリップフロップ90の内容は、マイクロコントローラ50
によって、例えば、伝送の終端において読み出される。
間隔レジスタ58を1だけ増分あるいは減分するときの修正量のppm単位で
表したときの増加率あるいは減少率は、間隔レジスタの絶対値に大きく依存する
。安定するまでの時間は、間隔レジスタ58の増加あるいは減少の量を、レジス
タの実際の内容に基づいて決定することで短縮することが可能である。これを実
現
するための一つの方法においては、間隔レジスタ58の最上位ビットが“1”(
値64−127)であることが決定された場合、1ではなく、16だけ、増加あ
るいは減少される。図3に示すように、論理段88は、増分/減分ライン97(
破線にて示す)によって間隔レジスタ58の入力に結合され、レジスタ58の最
上位ビット段は、ライン98(破線にて示す)を介して論理段88に結合される
。
安定するまでの時間を短縮するためのこのアプローチは、大きな温度変化を追
跡する必要がある場合に特に有効であることが発見された。
次に、本発明の修正方法を、一部ソフトウエアにて実現する実施例について説
明する。この実施例は、長所として、柔軟性があり、測定および修正間隔を特定
な要件あるいは状況に適応させることが可能である。
ソフトウエア実現の場合でも、クロックパルスを追加あるいは削除する方法は
、図3に示すのと同様であり、変更はない。測定カウンタは、修正されるべきク
ロックによってクロックされ、連続的にランする。これは、プロセッサが最上位
ビットを読み出したとき、0にリセットされ、こうして、プロセッサによって、
測定間隔が決定する。
最上位ビットの状態によって、間隔が増加されるべきか減少されるべきかが決
定される。
図5は、フリップフロップ90、間隔レジスタ58、間隔カウンタ54のソフ
トウエア制御のための構成を示す。
ソフトウエアは、フリップフロップ90をセットあるいはリセットすることで
、パルスが追加されるべきか削除されるべきかを決定し、間隔レジスタ58にク
ロックパルス時間の回数512をロードする。間隔カウンタ54が全て“0”の
状態に達したとき、クロックパルスが追加あるいは削除される。次に、カウンタ
54には、間隔レジスタ58からの上位7ビットと、全て“1”の下位の9ビッ
ト
が再ロードされる。
説明の便宜上、以下ではソフトウエア概念が、POCSAGにおけるクロック
修正との関連で説明される。ここでは、同期コード語は、1200ボーにて動作
している場合、480ミリ秒毎に発生する。各同期コード語の発生において、プ
ロセッサに対して割り込みが与えられる。3つの割り込み毎に、測定カウンタ3
6の最上位ビットが読み出され、カウンタがリセットされる。次に、間隔レジス
タ58とフリップフロップ90が、プロセッサによって、ハードウエア実現に対
して上で説明したテーブルに示すように扱われるが、ここでは、以下の点が異な
る:
ここでは、フリップフロップ90の状態と、間隔レジスタ58の内容は、内部
RAM位置に格納され、上述のテーブルにおいて示される入力は、このRAM位
置から読み出される。ここでは、全て”1”は、間隔レジスタ58が、もし追加
が行なわれた場合は、オーバーフローすることを意味する。最後に、間隔レジス
タの減分あるいは増分は、間隔レジスタの現在の内容に依存して以下のテーブル
に示す量だけ行なわれる:
修正は平均的には、ステップ当たり、少なくとも3ppmだけ行なわれる。
図6は、同期コード語割り込みルーチンのクロック修正部分の流れ図を示す。
割り込みが発生すると、割り込みカウントが減分される。カウントが1である
場合は、間隔レジスタを修正すべき値が(上述の第二のテーブルに従って)決定
される。割り込みカウントが0に到達すると、間隔レジスタが更新される。これ
は、3回の割り込みに対して1回発生する。間隔レジスタ58の更新は、上述の
第一のテーブルに従って遂行される。
RAM位置: 割り込みカンウト
増分/減分値
間隔値と、+/−ビット
条件: “割り込みカウント”は、1〜3
図6をより詳細に説明すると、ブロック100において、割り込みカウントが
減分される。ブロック102において、カウントが0であるか否か調べるための
チェックが行なわれる。答えが否定(N)である場合は、ブロック104におい
て、カウンタが“1”であるかチェックされる。否定である場合は、流れ図は復
帰ブロック106に進む。ただし、カウントが“1”に等しい場合、つまり、肯
定である場合は、ブロック108において、増分/減分値が“1”にセットされ
る。ブロック110において、間隔値から“16”が引かれ、ブロック112に
おいて、間隔値が負であるか否か知るためのチェックが行なわれる。負である場
合、つまり、肯定である場合は、流れ図は、復帰ブロック106に戻る。否定(
N)である場合は、ブロック114において、増分/減分値が“2”にセットさ
れる。ブロック116において、間隔値から“16”が引かれ、ブロック118
において、間隔値が負であるか否か見るためのチェックが行なわれる。肯定(Y
)である場合は、流れ図は復帰ブロック106に戻る。反対に、否定(N)であ
る場合は、ブロック120において、増分/減分値が“3”にセットされ、ブロ
ック122において間隔値から“16”が引かれる。ブロック124において、
間隔値が負であるか見るためのチェックが行なわれる。肯定(Y)である場合は
、流れ図は復帰ブロック106に戻る。反対に否定(N)である場合は、ブロッ
ク126において、増分/減分値が“5”にセットされる。ブロック128にお
いて、間隔値から“16”が引かれる。ブロック130において、間隔値が負で
あるか否か見るためにチェックが行なわれる。肯定(Y)の場合は、流れ図は復
帰ブロック106に戻る。反対に、否定(N)である場合は、ブロック132に
おいて、増分/減分値が“9”にセットされる。ブロック134において、間隔
値から“32”が引かれる。ブロック136において、間隔値が負であるか知る
ためのチェックが行なわれる。肯定(N)の場合は、ブロック138において、
増分/減分値が“19”にセットされ、流れ図は復帰ブロック106に戻る。
ブロック102に戻り、カウントが0に等しい場合は、ブロック140におい
て、割り込みカウントが“3”にセットされる。ブロック142において、測定
カウンタ36(図3)の最上位ビットが読み出される。ブロック144において
、最上位ビットが“1”に等しいか否かのチェックが行なわれる。答えが肯定(
Y)である場合は、ブロック146において、増分/減分ビットが0に等しいか
チェックされ、一方、ブロック144において答えが否定(N)である場合は、
ブロック148において、増分/減分ビットが“1”に等しいか否か見るための
チェックが行なわれる。ブロック146における答えが否定(N)である場合も
、ブロック148における答えが肯定(Y)である場合も、ブロック150にお
いて、間隔値から増分/減分値が引かれる。ブロック152において、新たな値
がRAM内に格納され、ブロック154において、新たな値が間隔レジスタにロ
ードされる。その後、流れ図は、復帰ブロック156に進む。
ブロック146における答えが肯定(Y)の場合と、ブロック148における
答えが否定(N)の場合は、ブロック158において、増分/減分値が間隔値に
加えられる。ブロック160において、間隔値カウンタがオーバーフローしたか
否かチェックされる。否定(N)の場合は、ブロック162において、新たな値
がRAM内に格納される。この新たな値が、ブロック164において、間隔レジ
スタにロードされる。その後、流れ図は、復帰ブロック166に進む。
ブロック160における答えが肯定(Y)の場合は、ブロック168において
、増分/減分ビットがトグルされる。ブロック170において、元の値が間隔レ
ジスタにロードされ、その後、流れ図は、復帰ブロック172に進む。
説明の周波数生成回路は、他の周知のページングシステム、例えば、“ERM
ES”として知られているETSI標準や“FLEX”として知られているモト
ローラが所有権を有する標準などと使用するように適合させることも可能である
。この場合は、測定カウンタの容量をおのおのの標準に合うように調節すること
が
必要となる。ERMRSでは、二つの同期事象の間の時間は1サイクルとされる
が、これは1分に相当する。76.8kHzのクロック周波数においては、1サ
イクルにおけるクロックパルスの数は4,608,000となり、1サイクルの
期間を通じて、230クロックパルスのオーダのオフセットが発生することとな
る。このようなオフセットを扱うためには、少なくとも9ビットの測定カウンタ
が必要となる。
FLEXの場合は、1サイクル期間は、4分で、1フレームは、1.875秒
の継続期間を持つ。測定カウンタを1フレーム期間を通じて動作させる場合は、
7ビットの測定カウンタで十分であ。ただし、4分のサイクル期間を使用する場
合は、76.8kHzのクロック周波数においては、18,432,000のク
ロックパルスが存在するこことなり、50ppmの偏差を想定した場合、900
クロックパルスを超えるオフセットが発生する可能性があり、このオフセットを
扱うためには、少なくとも11ビットの測定カウンタが必要となる。
いずれの場合においても、おのおの1分(ERMESの場合)と4分(FLE
Xの場合)の測定時間からみて、1パルスだけ増分/減分する修正機構を使用し
たのでは、収束にに時間がかかりすぎる。この問題を克服するためには、測定カ
ウンタ36の最上位ビットの状態あるいはオーバーフローを用いるのではなく、
実際の測定値を用いて、ソフトウエア技法にて、間隔値を決定する方法の方が良
いと考えられる。
この間隔値を決定する一つの方法は、クロックパルスの数をカウントする方法
である。この方法においては、この数は、間隔カウンタ54の容量である216を
超えるが、各オーバーフローにおいて割り込みが与えられ、オーバーフローの数
をカウントすることによって、クロックパルスの総数が決定される。この数と正
しい値とを比較することで差が得られ、この差がppmにて表された実際の偏差
に変換される。そして、この実際の偏差を用いて、クロックパルスを追加あるい
は削除するための新たな間隔値が決定される。
当業者においては上述の開示を読むことで他の修正も明らかになると思われる
。これら他の修正には、受信装置やそのパーツの設計、製造、使用において周知
の他の要素を、ここに開示された要素の代わりに、あるいはこれに加えて使用す
ることも考えられる。ここでの出願においては、クレームは、これら要素の組合
せとして記述されたが、ただし、ここに明示したあるいは暗に示した全ての新規
の要素、これら要素の新規の組合せ、あるいは、これらの一般化された概念の全
てが、それらが任意の請求の範囲において請求されているのと同一の発明に係る
か否かに関係なく、さらには、それらが本発明と同一の技術上の問題の幾つかあ
るいは全てを解消するか否かに関係なく、本出願に含まれるものと理解されるべ
きである。
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【要約の続き】
波数を調節するために用いられる制御信号を供給する。