JPH11509106A - 高柔軟性ファスナー、その製造方法および装置、およびそれを組み込んだ製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 高柔軟性ファスナー製品（３０）は、基体（３５）と基体（３５）から延びるフック要素（３４ａ、３４ｂ、３４ｃ）を有している。基体（３５）およびフック要素（３４ａ、３４ｂ、３４ｃ）と一体に成形された引裂阻止体（２６ａ、２６ｂ、２６ｃ）は、フック要素に対しオフセットされ、ファスナー製品（３０）の幅方向剛性を低下させている。ファスナー（３０）の端縁マージンは、その延設方向にわたって、好ましくはフック（３４ａ、３４ｂ、３４ｃ）またはその近傍から端縁まで、テーパ（３１）に形成され、あるいは、他の方法で厚みが現象していることを特徴とし、それによって、より軟らかい、炎症を生じさせないファスナーテープ（３０）が得られる。本発明によるファスナーは、特に、おむつや衛生ナプキン、その他の使用者の肌に接触する衣物などの使い捨て吸収衣類に効果的である。

Description

【発明の詳細な説明】 高柔軟性ファスナー、その製造方法および装置、およびそれを組み込んだ製品 背景技術 本発明は、フック・アンド・ループファスナー、その製造、そのファスナーを 組み込んだ製品に関する。 現在、使い捨て吸収衣類、たとえば、おむつやその他の類似衣類に、その衣類 を体に固着するためにフック・アンド・ループファスナーを使用することが知ら れている。このファスナーは、これら意図した目的のために極めてうまく機能す るが、特に赤ちゃんの柔肌に隣接させて使用される場合、肉体に炎症を生じさせ る傾向がある。 テープの成形に用いるポリマの剛性または撓み率を低減することにより、フッ クテープの摩耗およびスクラッチのしやすさを低減させることは知られている。 しかしながら、そうすると、フックの剛性が失われすぎて、使い捨て吸収衣類を 所定位置に保持するために必要な力に耐える能力がなくなるので、フックの効果 がなくなる。 現在、使い捨て吸収衣類に用いられる成形プラスチックフックファスナー要素 は、約０．０１２インチの公称基本厚さを有している。このフックは、引例とし て挙げるフィッシャーの米国特許第４，７９４，０２８号公報に開示されている ような方法を用いて成形され、その方法では、溶融高分子樹脂が成形ローラと加 圧手段との間に導入され、加圧手段は樹脂をフック状に形成されたキャビティに 押しつけて、フックが一体的に合体した基体を形成する。 ファスナー要素の基体は極めて薄いので、切り欠きに対し敏感である。換言す れば、基体に切り欠きや切り込みがある場合、僅かな引き裂きによっても、ある いは縫製やファスナーを他の製品に固定したりすることによって、使用中に、フ ック列間やフック列と平行な引き裂きの伝幡を伴って、基体が長手方向に引き裂 かれるおそれがある。 この切り欠き敏感性を低減するために、いわゆる引裂阻止体が、ファスナーの 基体と一体的に成形されてきた。これらは、典型的には、こぶ状または隆起状に 形成され、フック列間のスペースに横たわっている。ファスナーの基体を局部的 に厚くすることによって切り欠き敏感性を低減する引裂阻止体は、典型的には、 基体とともに、フック間にフックと一体的に成形されて隣接する列状に延びてい る。 効率を高めるために、フックファスナー要素は、１２ないし１８インチ幅程度 の広幅の中間製品としてのテープの形態に製造される。この広幅のテープは、実 際に分割が求められる幅方向の所定位置に、テープ長手方向に延びる耳部または ブランクスペースを有している。この耳部は、最終的なフックテープの要求幅に 対応する幅分だけ、たとえば半インチから１インチの幅をもって、たとえばそれ ら耳部間の２０ないし４０程度のフックの長手方向列と同様に、間隔をあけて設 けられる。広幅のテープはその後に耳部に沿って分割され、所望幅を有する個々 のフックテープに分けられる。そして、このように製造された個々のフックテー プは、いずれかの側に沿って、広幅のテープに沿って走る耳部の半分の幅の耳部 ブランク領域を有することになる。 分割は、耳部の中心に沿ってファスナーの基体に分割溝を成形することによっ て容易化されてきた。フィッシャーが教示しているように、成形ローラは、外周 にフック状に形成されたキャビティをカットされた成形リングと、スペーサリン グとの交互積層構造に構成される。しかしながら、平坦な外周端を有するフィッ シャー開示のスペーサリングと違って、引裂阻止体を有するフックテープ作成に 用いられるスペーサリングは、その外周に引裂阻止体成形用にカットされたこぶ 形状の凹部を有している。分割溝は分割リングによって形成され（つまり、積層 リング中に組み込まれる第３のタイプのリング）、それは、薄く、かつ、成形リ ングおよびスペーサリングよりも僅かに大きな径を有している。この分割リング は、従来、丸みのある“弾丸形状の”端縁を有している。このリングは、典型的 には、公称厚さ０．００８インチ程度に形成され、かつ、ファスナーの基体の厚 さが分割溝の溝底中心にて０．００２インチ程度まで低減されるように設定され た最大径と端部径とを有していた。 広幅の中間テープは、個々のフックテープの始端を形成するために広幅テープ の端部を分割溝に沿ってある長さだけ手動で引き裂き、その始端を分割コームの 櫛に通し、該分割コームの櫛を通り過ぎたテープを引っ張ることにより、個々の 最終テープに分割される。分割溝はファスナーの基体を局部的に弱くしているの で、広幅の中間テープは、分割コームを通して連続的に引っ張られるときに、分 割溝に沿って分割され続ける。あるいは分割コームの代わりに分割ブレードを用 いることもできる。テープ始端はブレード上またはブレード下を交互に通され、 広幅の中間テープがブレード後方に引っ張られ、ブレードが分割溝の長手方向に 沿って広幅テープを連続的に分割していき個々のテープを作る。 しかし残念ながら、個々の狭幅テープを形成するこの方法の効率は高いものの 、個々のテープの端縁は剛性があり鋭い状態のまま残っており、上述した肌の炎 症を生じるおそれがある。 発明の要旨 本発明の一つの重要な態様によれば、フックファスナープラスチック成形品は 、フック・アンド・ループ止着システムにおける使用に供される。この成形品は 、基体と；該基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長 手方向に延びる列状に配列され、かつ、各要素が基体に合体する基体表面上に基 底跡を画成する複数のフック要素と；基体と一体に成形されて基体から立ち上が り、基体表面に沿って長手方向に延びる列状に配列され、各要素が前記基体に合 体する基体表面上に基底跡を画成する複数の引裂阻止体とを有している。本発明 によれば、引裂阻止体の列は、フック要素の列中に介在され；少なくとも多数の 引裂阻止体が、幅方向に隣接する列中のフック要素に対し長手方向にオフセット され、オフセットされた各引裂阻止体およびそれに隣接するフック要素の基底跡 同士の実質的に長手方向にある部分が長手方向においてオーバラップしないよう になっており；かつ、基体は、実質的にフック要素を持たない１以上の羽毛状の 耳縁を有している。 本発明の他の態様は、上記同様の成形品であるが、耳部を持たないか、あるい は異なった形態の耳部を持つ。 本発明におけるこれら態様の好ましい実施の形態は、次のような一つあるいは 多数の特徴を有する。 引裂阻止体はこぶ状に形成される。 少なくとも引裂阻止体のいくつかに関し、引裂阻止体の横断面域の大半が、そ の引裂阻止体に対し幅方向に最も隣接する１つまたは２つのフック要素の横断面 域と長手方向においてオーバラップしない。これら横断面域は、成形品の長手方 向に沿ってみたものである。 また、少なくとも引裂阻止体のいくつかに関し、引裂阻止体基底跡の長手方向 にある部分が、その引裂阻止体に対し幅方向に最も隣接する１つまたは２つのフ ック要素の基底跡と長手方向においてオーバラップしている。この特徴を有する 好ましい形態においては、引裂阻止体は、その引裂阻止体に対し幅方向に最も隣 接する１つまたは２つのフック要素に接続されている。 また、少なくとも引裂阻止体のいくつかに関し、引裂阻止体基底跡の長手方向 にある部分が、長手方向に互いに隣接し前記引裂阻止体に対し幅方向に列状に隣 接して横たわっている２つのフック要素の基底跡と長手方向においてオーバラッ プしている。この特徴を有する好ましい形態においては、引裂阻止体は、長手方 向に互いに隣接する２つのフック要素の１つまたは両方に接続されており、好ま しくは、引裂阻止体基底跡の長手方向にある両同等部分が、長手方向に互いに隣 接する２つのフック要素の各基底跡と長手方向においてオーバラップしている。 本発明の他の重要な態様によれば、細長片状プラスチック成形品が提供される 。該成形品は、基体を有し、該基体が、機能的構造または部材を持たない１以上 の羽毛状の耳縁を有し、該耳縁部においては、基体の厚みが、該羽毛状の耳縁の 幅の大半にわたって、公称値から最小値まで徐々に減少している。 本発明におけるこの態様の好ましい実施の形態は、次のような一つあるいは多 数の特徴を有する。 成形品は、フック・アンド・ループ止着システムに用いられるフックファスナ ーであり、該成形品がさらに、基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基 体表面に沿って長手方向に延びる列状に配列された複数のフック要素を有する。 より好ましくは、成形品はさらに、基体と一体に成形されて基体から立ち上がり 、基体表面に沿って長手方向に延びる列状に配列され、かつ、各列がフック要素 の列中に介在された複数の引裂阻止体を有する。 この基体の厚みは、羽毛状の耳縁の領域において、総比率が１に対し約０．５ 以下に減少している。好ましくは、基体の厚みは、羽毛状の耳縁の領域において 、 総比率が約０．０５対１から約０．５対１の間に減少し、より好ましくは、基体 の厚みは、羽毛状の耳縁の領域において、総比率が約０．０５対１または約０． ３対１に減少する。 他の重要な態様によれば、本発明は、高整合性および肌への快適性を有するプ ラスチック成形品を提供し、該成形品は、基体と、該基体から立ち上がり、市松 模様に配置され、かつ、基体から延びる格子を形成するように角部で互いに接続 された複数の突起を有し、基体が、実質的に全接続突起間において公称厚さに形 成されているものからなる。 他の重要な態様によれば、本発明は、着身手段を提供する。この着身手段は、 衣類と；該衣類の使用者の体に該衣類を固定するのに用いる成形プラスチック製 フックファスナーとからなる。このファスナーは、基体と；基体と一体に成形さ れて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長手方向に延びる列状に配列され、 かつ、各要素が基体に合体する基体表面上に基底跡を画成する複数のフック要素 と；基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長手方向に 延びる列状に配列され、各要素が基体に合体する基体表面上に基底跡を画成し、 かつ、前記要素列がフック要素の列中に介在された複数の引裂阻止体とを有し； 少なくとも多数の引裂阻止体が、幅方向に隣接する列中のフック要素に対し長手 方向にオフセットされ、オフセットされた各引裂阻止体およびそれに隣接するフ ック要素の基底跡同士の実質的に長手方向にある部分が長手方向においてオーバ ラップしないようになっている。 他の重要な態様によれば、本発明は、衣類と；該衣類の使用者の体に該衣類を 固定するのに用いる成形プラスチックフックファスナーとからなり、該ファスナ ーが、機能的構造または部材を持たない１以上の羽毛状の耳縁を有する基体を含 み、該耳縁部においては、基体の厚みが、該羽毛状の耳縁の幅の大半にわたって 、公称値から最小値まで徐々に減少している、着身手段を提供する。 これら最後の２つの本発明の態様のいずれかの好ましい実施の形態においては 、着身手段は、衛生衣物、好ましくは使い捨て吸収衣類である。 他の態様では、成形プラスチックファスナーを製造するための装置が提供され る。この装置は、成形リングとスペーサリングが交互に積層された成形ローラを 有し、成形リングはその外周面から内方に向かって延びるフック成形キャビティ を有しているとともに、スペーサリングはその外周面から内方に向かって延びる 引裂阻止体成形キャビティを有している。成形リングおよびスペーサリングは、 フック成形キャビティと引裂阻止体成形キャビティとが周方向に互いにオフセッ トされるように、相対的に配置されている。 他の態様では、細長片状成形プラスチック手段を形成するための装置が提供さ れる。この装置は、径方向に拡大された凹部形成用拡大部を持つ成形ローラを有 し、該成形ローラの径は、各拡大部の中心の両側において、拡大部中心から外側 端への大半の部分にわたって、拡大部の中心における最大値から拡大部の両側に おける公称値へと徐々に減少している。 本発明のこの態様の好ましい実施の形態においては、細長片状成形プラスチッ ク手段は、フック・アンド・ループ止着システムに用いられるフックファスナー であり、成形ローラは交互に積層された成形リングとスペーサリングを有し、該 成形リングがその外周面から内方に向かって延びるフック成形キャビティを有し ている。より好ましくは、スペーサリングは、その外周面から内方に向かって延 びる引裂阻止体成形キャビティを有している。 図面の簡単な説明 図１および図１ａは、高柔軟性ファスナーを有する使い捨て吸収衣類とその使 用状態を示す斜視図である。（図１ｂは、図１の部分拡大側面図である。） 図２、２ａ、２ｂは、引裂阻止体と分割溝を有する従来のファスナーを示す、 平面図、側面断面図および端部断面図である。 図３、３ａ、３ｂは、引裂阻止体がフックに対し特別な長手方向オフセット関 係にあり、かつ、羽毛状の分割用凹部が設けられた、本発明に係るファスナーを 示す、平面図、側面断面図および端部断面図である。 図４および図４ａは、本発明に係るファスナーの製造に用いられる装置および 方法を示す、概略側面図および端面図である。 図４ｂは、図４の丸で囲まれた部分の拡大端面図で、本発明の好ましい実施態 様に係るファスナーを作るのに用いられる成形リング、スペーサリングおよび凹 部形成リングを示している。 図５、５ａおよび図６、６ａは、本発明の好ましい実施態様に係るファスナー を作るのに用いられる成形リングとスペーサリングの詳細を示す、概略側面図お よび丸で囲まれた部分の拡大端面図である。 図７は、図３ａに示したファスナー作成に用いられるフック成形キャビティお よび引裂阻止体成形キャビティの配列を示す概略側面図である。 望ましい実施の態様 図１に示すように、フック・アンド・ループ止着が可能な使い捨て吸収衣類１ ０は、図１ａに示すようにその衣類を赤ちゃんに固定するために対応するループ 材１４と協働するフック帯１２を有している。フック帯１２は、本発明により作 成された、不織布細長片１８によって衣類１０に取り付けられる成形プラスチッ クフックファスナーテープの断面１６を有しており、細長片１８は、衣類の外皮 と同じ材料や、不織布積層体、フィルム積層体、エラストマーやその他の然るべ き材料からなる他の材料から作成されている。あるいは、フックテープは、衣類 本体に直接固定されてもよい。 図２、２ａ、２ｂに示すように、従来の引裂阻止体型フックファスナーテープ ２０は、フック列、たとえば、一長手方向の列に全て同じ方向に向けられて配列 されたフック２４ａ、２４ｂ、２４ｃの列と、幅方向に隣接する列において全て 反対方向に向けられて配列されたフック２４ａ’、２４ｂ’、２４ｃ’の列とを 有している。各フックの向いている方向、つまり、フックの頂部が向いている方 向は、図２に矢印で示されている。フックは、ファスナー基体２５から延び、該 基体と一体に成形されている。 この従来のファスナーテープは、こぶ状に形成され、長手方向に列状に配置さ れた引裂阻止体も有しており、たとえば、引裂阻止体２６ａ、２６ｂ、２６ｃが 一つの列として、引裂阻止体２６ａ’、２６ｂ’、２６ｃ’が幅方向に隣接する 列として、配置されている。図２に×印をつけた矩形で示されている引裂阻止体 は、ファスナー基体２５および両側にそれぞれ配置された２つのフックと一体に 成形されている。 とくに図２、２ａに示すように、フックと引裂阻止体は、ファスナーテープの 幅を横断する方向に、隣接するフックが交互に反対方向を向くように、配置され ている。本発明者らは、フックと引裂阻止体が全て幅方向の列に配列されている ので、これらは本質的にファスナーテープの幅を横断する方向に延びる連続的な プラスチックリブを形成し、これらリブがある程度ファスナーテープの幅方向剛 性に寄与していることを見いだした。 図２、２ｂに示すように、フックは、フックを持たず中央に分割溝２２を有す る耳部２１によって複数組の列にまとめられている。ファスナー基体は約０．０ １２インチの公称厚さを有しており、分割溝は約０．００８インチの幅であり、 ファスナー基体は分割溝の底部２３にて約０．００２インチの厚さである。ファ スナー基体の厚さは、分割溝以外の耳部領域全体にわたって一定のままのようで ある。本発明によれば、このような分割溝の形状のため、個々の最終的なファス ナーテープを隔成する耳部領域が、不必要に剛性を持ち過ぎていることが見いだ された。 図２、２ｂには、それぞれ丁度いくつかのフックと引裂阻止体の列を有する２ 組の列しか示されていないが、広幅の中間フックテープは、各組に２０〜４０の フックと引裂阻止体の列を有する、数組のこのようなテープ幅方向に配列された フック列の組を有していると理解されるべきであり、中間テープは、最終的には 、分割溝に沿って分割することにより、多数の狭幅の個々のテープに分離される 。たとえば、広幅の中間テープは、１２〜１８インチの幅に形成され、半インチ 間隔で設けられた分割溝を有している。このように、中間テープが分割されると き、２４〜３６の個々のフックテープが製造され、その正確な数は、中間テープ の幅や分割溝の間隔に依存している。もちろん、これら数値は単なる例示であっ て、いかなる個々のテープ幅あるいは広幅の中間テープ幅も本発明の範囲内にあ ると解される。 図３、３ａ、３ｂを参照するに、ここに挙げる、本発明に係る改良されたファ スナー３０の好ましい実施態様では、フック列、たとえば、一つの列に配列され たフック３４ａ、３４ｂ、３４ｃと、幅方向に隣接する列に配列されたフック３ ４ａ’、３４ｂ’、３４ｃ’とを有している。各フックの向き、つまり、フック の湾曲頂部の向きは、図３に矢印で示されている。ファスナー基体３５から延び 該基体と一体に成形されたフックは、どのような所望形状でもよく、たとえば、 図示されるような一方向に向いたフック形状、シュロの木状の２つの先端を持つ 形状、あるいは他のいかなる所望形状でもよい。ここでは、安価な使い捨て衣類 製品のために、図示の如きフック形状およびパターンが好ましい。 この本発明に係るファスナーテープの好ましい実施態様は、こぶ状の引裂阻止 体、たとえば、一つの列に配列された引裂阻止体３６ａ、３６ｂ、３６ｃと幅方 向に隣接する列に配列された引裂阻止体３６ａ’、３６ｂ’、３６ｃ’も有して いる。図３に×印を付した矩形で表されている引裂阻止体は、ファスナー基体３ ５と一体に成形され、隣接するフック列間に配置されている。 図２に示した従来の引裂阻止体とは異なり、本発明の引裂阻止体は、フックに 対し、長手方向にオフセット、あるいは、ずらされている。換言すれば、フック と引裂阻止体の基底跡、つまり、各フックまたは引裂阻止体が基体から立ち上が る基体表面の領域が、望ましい幅方向の剛性低下が得られるように、それらの長 手方向にある部分が実質的にオーバラップしないように長手方向にずらされてい る。 さらに、引裂阻止体には対称形状、たとえば図示のようなこぶ形状が好ましい が、非対称形状を用いることも可能である。もし非対称形状を用いる場合には、 フックと引裂阻止体の横断面的に画定される領域の大半が長手方向においてオー バラップしないことが重要である。ここで、横断面は図３ａに示すように長手方 向に沿ってみたものである。 このように、引裂阻止体とフックが全て図２、２ａ、２ｂに示したように配列 されていると、フックと引裂阻止体（以下、”突起”と総称する）によって形成 される”リブ”により比較的剛性の高いファスナーを作成することになるが、本 実施態様のように不連続的な市松模様にフックと引裂阻止体が配列されると、こ のような”リブ”の形成が防止される。その結果、本発明に係るフックファスナ ーは、同じポリマーや他の一般的な構成を採用した場合、従来のフックファスナ ーよりも大幅に柔軟性および合致性が高い。 引裂阻止体のフックに対するオフセット量に関しては、効果的にファスナーの 剛性を低減するいかなる引裂阻止体とフックの配列の不連続量あるいは離散量も 本発明の範囲内であり、ここでは図３に示すオフセット量が好ましい。この形態 では、引裂阻止体は、長手方向に隣接するフック間に等間隔で配置されており、 引裂阻止体がファスナー基体に合体する引裂阻止体の底部におけるすみ肉部３８ は、長手方向において、フックがファスナー基体に合体するフックの底部におけ るすみ肉部（図３ａにおいては、引裂阻止体のすみ肉部の後ろに隠れている）と 僅かにオーバラップしている。引裂阻止体とフックのすみ肉部は、引裂伝播を妨 げるに十分なオーバラップ量ｈ₀だけオーバラップすべきである。これは、製品 に、各突起が角部で接続された格子を有し、突起間でファスナー基体が公称厚さ を有する、市松模様を与える。 この形態は、実質的に剛性を最も大きく低減するばかりか、ファスナーテープ 横断方向に、ファスナー基体に対し増厚された素材の連続性を維持する。ファス ナー基体における引き裂きは、成形突起間のギャップを通り抜けるように現れ伝 播する傾向にあり、本実施態様ではそのようなギャップは形成されないので、上 記増厚の連続性は、引裂阻止体の引裂防止効果を維持している。 図３および３ａはまた、引裂阻止体の配列との組み合わせにおいて、それと協 働して特に改良された製品を提供するという、本発明の別の形態を示している。 図２、２ｂに示したような従来のフックファスナーとは異なり、本発明に係るフ ックファスナーの製造中に作製される広幅の中間フックテープは、耳部領域にお いて、他の部分は一定厚みとしながら、分割を可能ならしめるために急激に薄く した、格別の狭幅に形成された分割溝を有していない。本発明のこの形態におい ては、ファスナー基体３５の厚さは、耳部３１の幅の大半の部分にわたって、該 耳部のいずれかの側にあるフックの側面あるいはその近傍における約０．０１２ インチの公称厚さｔ_nomから、耳部の中心３３における約０．００２インチ程度 の最小厚さｔ_minまで、テーパ状に減少している。これによって、好ましくは図 示の如く耳部領域の中心で最も深くなるように、基体の厚さが耳部の幅Ｗの半分 にわたってその公称厚さから最小厚さまでテーパ状に減少する、徐々に深くなる 凹部３２が形成される。 使い捨て吸収衣類に有用な実施態様においては、上記幅Ｗは０．０６５インチ 程度である。これは、総テーパ率、あるいは厚み変化率にて、ほぼ、（０．０１ ２インチ−０．００２インチ）÷（０．０６５インチ／２）、あるいは、ほぼ、 ０．３対１になる。しかし、実際に採用されるテーパ値は、たとえば、テープの 公称厚さや、最終的な個々のファスナーテープの画成に求められる耳部の幅の２ 倍の幅の、中間テープに沿って延びる耳部の幅に応じて変化する。０．３対１よ りも大きい、あるいは小さいテーパ値であっても、意図した目的に合う結果を得 ることができる。このように、低くは０．０５対１から、高くは０．５対１のテ ーパ値が本発明の範囲内にあるとみられる。 基体厚みが耳部全体にわたって変化する方法は、図３に示したそれと異なって いてもよい。図３に示される分割用凹部は、基体厚さが一定比率で変化するＶ型 形状を有しており、そのＶ形の両側を形成し分割用凹部の中心３３で交差する平 面３７、３９を有しているが、基体厚さが非直線状に変化する他の形状も本発明 の範囲内とみなされる。本発明のより広範囲の形態にとって重要なことは、基体 厚さが、耳部領域にわたって、好ましくは耳部のいずれかの側にあるフックの位 置あるいはその近傍から中間テープが分割される中心まで、徐々に変化すること である。厚みの段階的な低減、あるいは、全幅にわたってまたはテーパ領域と非 テーパ領域とに交互に変化するテーパ率をもっての低減もまた、本発明のより広 範囲の形態において、剛性をファスナーテープの端縁に向けて”羽毛状に”徐々 に低下させる効果がある。このような配置により、従来のファスナーのように肌 の炎症を生じさせない、軟らかい”羽毛状の”耳縁を有する最終的な個々のファ スナーテープが得られる。 厚み漸減によって形成される分割用凹部３２は、望ましい羽毛状の軟らかさを 与えるのに加え、中間テープの正確な分割を可能にするために中間テープの基体 に十分に局部化された弱さを与え、しかも、十分なハンドリング性も与える。本 発明に係る広幅中間テープは、続いて、従来の中間テープにおけるのと同じ方法 で数本の狭幅のフックファスナーテープに分割される。つまり、テープ端が始端 を形成するために各分割凹部に沿って手動で引き裂かれ、各始端が分割コームの 櫛に通され、あるいは、分割ブレード周りに通され、テープが分割コームの櫛ま たは分割ブレードを通り過ぎるように引っ張られ、数本の狭幅の最終製品テープ に分割される。このように製造された各最終ファスナーテープ製品は、各側に軟 らかいテーパ端縁を有し、各テーパ端縁は、中間テープ製品の耳部領域の半分に なっている。 本発明に係るファスナーの製造に用いられる方法および装置は、図４から図７ に示される。図４に示すように、成形物は、好ましくは、押出機４２から溶融プ ラスチック、つまり、ポリマー樹脂を押し出し、それを内部冷却成形ローラ４６ と加圧ローラ４８との間に形成されたニップ部４４に通すことによって作成され る。代表的なポリマーとして、オレフィン−好ましくはポリオレフィン−、ポリ エステル、ポリアミド、その他の熱可塑性ポリマーを含む。加圧ローラは、成形 ローラの外周周りに配設されたフック形状のキャビティ内に樹脂を押し込み、樹 脂は、回転する成形ローラの表面上を搬送されつつ冷却される。樹脂がフック形 状を保持するのに十分に冷却された後、中間ファスナーテープは、引き離しロー ラ５０周りに通されることにより、成形ローラから接線方向に引き出される。別 の実施態様では（図示略）、加圧手段が最初から押出機ノズルヘッドに組み込ま れており、それが、メンチンらの米国特許第３，７５２，６１９号公報や第３， ７５８，６５７号公報に示されているようなローラに近接させて保持される。 図４ａおよびその拡大細部である図４ｂに示すように、成形ローラ４６は、成 形リング５２とスペーサリング５４の交互積層構造に構成されている。加えて、 成形ローラは、その積層体にわたって、分割後に求められる最終的な狭幅のファ スナーテープの幅に対応する寸法だけ等間隔で配置された凹部用リング５６を有 している。凹部用リング５６は、比較的広幅であり、中間フックテープに形成さ れる耳部３１の幅（図３）に対応する幅と、図３に示されるような分割用凹部３ ２の形状に対応する端縁プロファイルを有している。換言すれば、凹部用リング の径は、リングの中心の両側において、リングの中心からリング両端にかけて徐 々に減少している。 図５、５ａ、６、６ａに示すように、成形リングはその外周端縁にカットされ たフック形状のキャビティ５６を有しており、スペーサリングはその外周端縁に カットされたこぶ状の引裂阻止体形成用切り欠き５８を有している。成形リング とスペーサリングは、フック形状のキャビティとこぶ状のキャビティが図７に示 すように周方向に互いにオフセット配置されるように、マンドレル（図示略）の 外周面上に積層され固定される。この構成により、図３、３ａ、３ｂに示したよ うな広幅の中間フックテープが、図４、４ａ、４ｂに示したような装置上で製造 される。中間フックテープは、上述したように、望ましい羽毛状の端縁を有する 所望幅の数本の狭幅フックテープに分割される。 最終ファスナー製品は、これまでに知られている成形プラスチックファスナー 製品よりもはるかに柔軟でかつ軟らかい。引裂阻止体のオフセットによって得ら れるこの向上された柔軟性は、ファスナーテープが、本発明に係るファスナーを 利用した使い捨て吸収衣類を着る人の体の形や動きに合う能力を向上する。ファ スナーの端縁は極めて軟らかく、従来のファスナーテープの端縁よりも傷つきに くい。また、ファスナーテープの向上した柔軟性は、テープの端縁や角部が肉体 に押し込まれる代わりにテープが曲がるように、傷つけ性低減にも寄与する。こ れは、所望の構造を有し、かつ、引き裂きや他の各片への分離に対して対抗する フックテープにおいて成し遂げられる。 本発明の各形態は。肌に近接する製品に固定あるいは用いられるファスナーに 関して、組み合わせ状態で特に効果的、協働的な結果を持つものであるが、他の ある種の実施態様においては、本発明の各形態が単独で、望ましい特性を発揮す ることもできる。本発明に係る重要な製品は、使い捨て吸収衣類、たとえば、図 １、１ａに示したようなタイプの、１６で示されるフックファスナーが本発明の 各種形態を用いて形成されるおむつである。 さらに、曝された肌に近接させて用いられる他の多くの商品が、本発明のファ スナーとの組み合わせで改良されると考えられる。たとえば、衛生ナプキンを所 定部位に固定するのにフック・アンド・ループファスナーを使用する場合に適用 でき、本発明の高柔軟性による快適性効果は明らかである。大人用おむつにもそ のようなファスナーを使用してもよく、包帯や締めひも、その他の使用者の肌に 接触する可能性のあるものに使用してもよい。さらにまた、本発明のテーパ端縁 形態は、使用者の高快適性が要求される、あるいは、ファスナーテープが合体す ることにより下地部分の柔軟性が損なわれないことが要求される、他の細長片形 状の柔軟製品に組み込まれてもよい。 その他の実施の形態も、次の請求の範囲内である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＢ ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＥＥ，ＦＩ， ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ， ＳＤ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，Ｕ Ａ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 スタンプフ，ジェイムズ ブイ アメリカ合衆国 03045 ニューハンプシ ャー州 ゴッフスタウン，リンチビレ パ ークロード 62 (72)発明者 リーク，エイ．トッド アメリカ合衆国 54956 ウイスコンシン 州 ニーナー，パークビレッジ ドライブ 1118 (72)発明者 ロスランスキー，アピロムラジ エス アメリカ合衆国 54140 ウイスコンシン 州 リトルチュート，プレザントビュー アベニュー 939

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．基体と、 前記基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長手方向 に延びる列状に配列され、かつ、各要素が前記基体に合体する基体表面上に基底 跡を画成する複数のフック要素と、 前記基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長手方向 に延びる列状に配列され、各要素が前記基体に合体する基体表面上に基底跡を画 成し、かつ、前記要素列が前記フック要素の列中に介在された複数の引裂阻止体 とを有し、 少なくとも多数の前記引裂阻止体が、幅方向に隣接する列中のフック要素に対 し長手方向にオフセットされ、オフセットされた各引裂阻止体およびそれに隣接 するフック要素の基底跡同士の実質的に長手方向にある部分が長手方向において オーバラップしないようになっており、かつ、前記基体が実質的にフック要素を 持たない１以上の羽毛状の耳縁を有している、フック・アンド・ループ止着シス テムに用いられるフックファスナープラスチック成形品。 ２．基体と、 前記基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長手方向 に延びる列状に配列され、かつ、各要素が前記基体に合体する基体表面上に基底 跡を画成する複数のフック要素と、 前記基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長手方向 に延びる列状に配列され、各要素が前記基体に合体する基体表面上に基底跡を画 成し、かつ、前記要素列が前記フック要素の列中に介在された複数の引裂阻止体 とを有し、 少なくとも多数の前記引裂阻止体が、幅方向に隣接する列中のフック要素に対 し長手方向にオフセットされ、オフセットされた各引裂阻止体およびそれに隣接 するフック要素の基底跡同士の実質的に長手方向にある部分が長手方向において オーバラップしないようになっている、フック・アンド・ループ止着システムに 用いられるフックファスナープラスチック成形品。 ３．前記引裂阻止体がこぶ状に形成されている、請求項１または２の成形品。 ４．少なくとも前記引裂阻止体のいくつかに関し、成形品の長手方向に沿ってみ た横断面域において、引裂阻止体の横断面域の大半が、その引裂阻止体に対し幅 方向に最も隣接する１つまたは２つのフック要素の横断面域と長手方向において オーバラップしない、請求項１または２の成形品。 ５．少なくとも前記引裂阻止体のいくつかに関し、引裂阻止体基底跡の長手方向 にある部分が、その引裂阻止体に対し幅方向に最も隣接する１つまたは２つのフ ック要素の基底跡と長手方向においてオーバラップしている、請求項１または２ の成形品。 ６．少なくとも引裂阻止体のいくつかに関し、引裂阻止体がその引裂阻止体に対 し幅方向に最も隣接する１つまたは２つのフック要素に接続されている、請求項 ５の成形品。 ７．少なくとも引裂阻止体のいくつかに関し、引裂阻止体基底跡の長手方向にあ る部分が、長手方向に互いに隣接し前記引裂阻止体に対し幅方向に列状に隣接し て横たわっている２つのフック要素の基底跡と長手方向においてオーバラップし ている、請求項１または２の成形品。 ８．少なくとも引裂阻止体のいくつかに関し、引裂阻止体が、長手方向に互いに 隣接する２つのフック要素の１つまたは両方に接続されている、請求項７の成形 品。 ９．少なくとも引裂阻止体のいくつかに関し、引裂阻止体基底跡の長手方向にあ る両同等部分が、長手方向に互いに隣接する２つのフック要素の各基底跡と長手 方向においてオーバラップしている、請求項７の成形品。 １０．少なくとも引裂阻止体のいくつかに関し、引裂阻止体が、長手方向に互い に隣接するフック要素の１つまたは両方に接続されている、請求項９の成形品。 １１．基体を有し、該基体の一面に止着を完成するために他のファスナー構造と 係合する露出したファスナー構造を有し、該基体の反対面は細長片または衣類へ の取り付けに供され、前記基体は、少なくとも一つの、成形段階においては他の 成形品の基体に合体されていた、露出された長手方向に延びる端縁を有し、前記 基体は、前記長手方向に延びる端縁部にて終了する羽毛状の耳部を有し、該耳部 の厚さが前記端縁に向け該耳部の幅の大半にわたって減少しており、前記耳部は 機能的構造を持っていない、流通長さに成形された細長片状プラスチック成形品 。 １２．前記成形品がフック・アンド・ループ止着システムに用いられるフックフ ァスナーであり、前記成形品がさらに、前記基体と一体に成形されて基体から立 ち上がり、基体表面に沿って長手方向に延びる列状に配列された複数のフック要 素を有する、請求項１１の成形品。 １３．さらに、前記基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿 って長手方向に延びる列状に配列され、かつ、各列が前記フック要素の列中に介 在された複数の引裂阻止体を有する、請求項１２の成形品。 １４．前記基体の厚みが、前記羽毛状の耳縁の領域において、総比率が約０．５ 対１以下に減少している、請求項１または１１の成形品。 １５．前記基体の厚みが、前記羽毛状の耳縁の領域において、総比率が約０．０ ５対１と約０．５対１の間に減少している、請求項１４の成形品。 １６．前記基体の厚みが、前記羽毛状の耳縁の領域において、総比率が約０．０ ５対１に減少している、請求項１４の成形品。 １７．前記基体の厚みが、前記羽毛状の耳縁の領域において、総比率が約０．３ 対１に減少している、請求項１４の成形品。 １８．基体と、該基体から立ち上がり、市松模様に配置され、かつ、基体から延 びる格子を形成するように角部で互いに接続された複数の突起を有し、前記基体 が、実質的に全接続突起間において公称厚さに形成されている、高整合性および 肌への快適性を有するプラスチック成形品。 １９．衣類と、 該衣類の使用者の体に前記衣類を固定するのに用いる成形プラスチック製フッ クファスナーとからなり、 前記ファスナーが、 基体と、 前記基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長手方向 に延びる列状に配列され、かつ、各要素が前記基体に合体する基体表面上に基底 跡を画成する複数のフック要素と、 前記基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長手方向 に延びる列状に配列され、各要素が前記基体に合体する基体表面上に基底跡を画 成し、かつ、前記要素列が前記フック要素の列中に介在された複数の引裂阻止体 とを有し、 少なくとも多数の前記引裂阻止体が、幅方向に隣接する列中のフック要素に対 し長手方向にオフセットされ、オフセットされた各引裂阻止体およびそれに隣接 するフック要素の基底跡同士の実質的に長手方向にある部分が長手方向において オーバラップしないようになっている、着身手段。 ２０．衣類と、 該衣類の使用者の体に前記衣類を固定するのに用いる成形プラスチックフック ファスナーとからなり、 前記ファスナーが、機能的構造または部材を持たない１以上の羽毛状の耳縁を 有する基体を含み、該耳縁部においては、前記基体の厚みが、該羽毛状の耳縁の 幅の大半にわたって、公称値から最小値まで徐々に減少している、着身手段。 ２１．前記手段が衛生衣物である、請求項１９または２０の着身手段。 ２２．前記手段が使い捨て吸収衣類である、請求項２１の着身手段。 ２３．成形リングとスペーサリングが交互に積層された成形ローラを有し、前記 成形リングはその外周面から内方に向かって延びるフック成形キャビティを有し ているとともに、前記スペーサリングはその外周面から内方に向かって延びる引 裂阻止体成形キャビティを有しており、前記成形リングおよびスペーサリングが 、前記フック成形キャビティと前記引裂阻止体成形キャビティとが周方向に互い にオフセットされるように、相対的に配置されている、成形プラスチックフック ファスナーの製造装置。 ２４．径方向に拡大された凹部形成用拡大部を持つ成形ローラを有し、該成形ロ ーラの径は、各拡大部の中心の両側において、拡大部中心から外側端への大半の 部分にわたって、拡大部の中心における最大値から拡大部の両側における公称値 へと徐々に減少している、細長片状成形プラスチック手段の形成装置。 ２５．前記細長片状成形プラスチック手段がフック・アンド・ループ止着システ ムに用いられるフックファスナーであり、前記成形ローラが交互に積層された成 形リングとスペーサリングを有し、該成形リングがその外周面から内方に向かっ て延びるフック成形キャビティを有している、請求項２４の装置。 ２６．前記スペーサリングがその外周面から内方に向かって延びる引裂阻止体成 形キャビティを有している、請求項２５の装置。 ２７．衣類と、 該衣類の使用者の体に前記衣類を固定するのに用いる成形プラスチック製フッ クファスナーとからなり、 前記ファスナーが、 基体と、 前記基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長手方向 に延びる列状に配列され、かつ、各要素が前記基体に合体する基体表面上に基底 跡を画成する複数のフック要素と、 前記基体と一体に成形されて基体から立ち上がり、基体表面に沿って長手方向 に延びる列状に配列され、各要素が前記基体に合体する基体表面上に基底跡を画 成し、かつ、前記要素列が前記フック要素の列中に介在された複数の引裂阻止体 とを有し、 少なくとも多数の前記引裂阻止体が、幅方向に隣接する列中のフック要素に対 し長手方向にオフセットされ、オフセットされた各引裂阻止体およびそれに隣接 するフック要素の基底跡同士の実質的に長手方向にある部分が長手方向において オーバラップしないようになっており、かつ、前記基体が実質的にフック要素を 持たない１以上の羽毛状の耳縁を有している、着身手段。 ２８．請求項１または１１の成形品の製造において形成される中間テープであっ て、成形工程での成形の結果、長手方向の端縁が形成されるべき領域で長手方向 に一体に合体される、請求項１または１１に係る成形品を少なくとも２つ有し、 該成形品は、長手方向の端縁を作成すべく前記領域で分離可能になっている、中 間テープ。 ２９．請求項２８の中間テープを成形し、テープが合体された領域に沿ってテー プを引き裂く、あるいは分割することにより、長手方向の端縁を作成すべくテー プを分離する、請求項１または１１の成形品の形成方法。