JP3474688B2 - 一体成形面ファスナー - Google Patents
一体成形面ファスナーInfo
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Description
い、押出し又は射出により平板状基材と多数の係合素子
とを一体に成形して得られる面ファスナーに関し、特に
柔軟性と強靱性とを兼ね備え、かつ耐久性に富み高い係
合率を確保した基材表面に対して高さが低い係合素子を
もつ一体成形面ファスナーに関する。
り基材とフック片を一体に同時成形する一体成形タイプ
の面ファスナーは、例えば米国特許第4,984,33
9号明細書に開示されている。そして近年、この種の面
ファスナーは、例えば工業用資材、車両用或いは室内用
装飾材、日用品、果ては紙おしめ等の衛生用品等の多様
な分野の止具として多用されるようになってきている。
従って、その基材表面に形成されるフック片の大きさ
も、その用途に合わせた多様な寸法や形状のものが製造
されている。
うに、従来のかかる一体成形タイプの面ファスナーで
は、その型加工の技術的困難性のため、いずれも織物タ
イプのような繊細な形状を得ることができないばかりで
なく、仮りに微小な寸法のフック片の成形が可能になっ
たとしても、従来の織物タイプの面ファスナーにおける
モノフィラメントによるフック片と同様の太さでは極め
て強度が低く、到底実用に耐えられない。更には、一体
成形による上記フック片構造では、その立上り部の断面
形状は単純なものとなり、根元起立部から側方に倒伏し
易い。その結果、繰返し使用されると元の姿勢に戻らな
くなり、ループ材との係合率を低下させる。従って、所
望の強度を確保しようとすると、必然的に個々のフック
片自体の寸法を大きくせざるを得ず、剛直なものとなる
ばかりでなく、単位面積当りのフック片数(フック片密
度)も少なくなり、相手ループ材との係合率が低くな
る。
伏がしにくく、且つ相手方ループ片との係合・剥離時に
おいて織物タイプの面ファスナーと同様の滑らかな感触
が得られ、しかも係合率が高く、十分な繰返し強度と耐
久性が確保される新規なフック片構造が、例えば米国特
許第5,131,119号明細書に開示されている。即
ち、同明細書に開示された一体成形タイプの面ファスナ
ーは、図20及び図21に示すごとくフック片10’が
基材15’の表面から滑らかな曲線上を傾斜して立ち上
がる背面11a’と上方に立ち上がる前面11b’とを
有する立上り部11’の先端から前方にフック状のルー
プ係合部12’を延設すると共に、前記立上り部11’
の側面に補強リブ13’を突出形成している。この補強
リブ13’は、前記立上り部11’の横倒れをなくし、
同時に同立上り部11’とフック状のループ係合部1
2’を所要の係合強度に耐え得る最小の太さとすること
を可能にする。
ナーの係合素子として、前記フック片に代わるきのこ状
の係合素子がある。このタイプの係合素子は相手方のル
ープ片との係合強度が大きく、その形状を微小化しても
所望の係合強度が確保されるため、柔軟性が要求される
用途には好適である。
許明細書に開示された一体成形面ファスナーをも含め
て、従来の一体成形面ファスナーにあっては全てのフッ
ク片が平坦面をなす基材表面から立ち上がって基材と一
体に成形される。ところで、前記フック片が相手方のル
ープ片に確実に挿入されるためには、例えば図20にお
いてフック状のループ係合部12’の先端部下端と基材
15’の表面との間の距離L’を、少なくとも図示を省
略した相手方ループ片の実質的なマルチフィラメント糸
の太さ(径)の数倍に設定する必要がある。そのため
に、従来のフック片10’の寸法は相手方のループ片の
太さとの関係において決定され、例えば紙おむつ等に適
用されるに好適な、柔軟性に富み且つ微小な寸法からな
るフック片を成形しようとする場合にも、フック状のル
ープ係合部12’の先端部下端と基材15’との間には
ループ片が挿入されるに充分で必要最小限の距離L’は
一義的に決められてしまう。
とすると、フック片10’の高さも一義的に決まり、そ
の高さを更に低く設定することが不可能であることを意
味する。しかも、基材表面からフック片10’が直接立
ち上がる場合には、フック片10’の幹材をなす立上り
部11’の全体が基材15’の表面上に露出するため、
面ファスナー表面の感触を更に柔軟にすることは不可能
である。また、フック片10’の全体を微小化すると、
面ファスナーの係合時にフック状のループ係合部12’
の全体が押しつぶされるようにして前方へ撓屈し、相手
方ループ片との係合を不可能にして、面ファスナー全体
の係合率を著しく低下させる。
は、同係合素子の形状を微小化するとその立上り部も当
然に細くなり、その構造に基づいて相手方のループ片に
より所謂首吊り状態となりやすいことから、面ファスナ
ーの剥離時において係合部と立上り部との間で容易に切
損しやすくなり、耐久性に乏しい。また、前記立上り部
が細くなると、係合時において相手方の面ファスナーに
よる押圧力により容易に撓屈して、ループ片との係合が
しにくくなる。
係合素子を微小化する場合に、面ファスナー自体の柔軟
性を確保しようとすると、当然に基材の肉厚も薄くせざ
るを得ない。しかしながら、基材の肉厚を薄く設定する
と、連続成形時において成形を終了した面ファスナーの
係合素子を型から引き抜くとき、基材が不均一に延びや
すく、或いは引き裂かれかねず、安定した成形が不可能
となる。また、たとえ成形が無事終了したとしても、成
形後の基材は所謂波打ち状態となり、実用に耐えないも
のとなる。
たものであり、その目的は係合部の太さを確保すると共
に、基材表面から突出する係合素子の高さを従来のもの
と比較して低くでき、フック片の極端な横倒れと前倒れ
とを同時に防止すると共に、相手方のループ片との高い
係合率を確保しつつ、繰返し荷重に対する耐久性を有
し、同時に平板状基材の所望の柔軟性と引き裂き強度を
確保する一体成形面ファスナーを提供することにある。
本発明の主要な構成である平板状基材の表面に多数の係
合素子を突出させて一体に成形されてなる面ファスナー
であって、前記基材表面の所定部位に所望数の凹陥部が
形成され、前記係合素子は同凹陥部の底面から上方に立
ち上がる立上り部と、その先端に形成されたループ係合
部とを有してなることを特徴とする一体成形面ファスナ
ーにより達成される。また、前記凹陥部は相手方ループ
片が導入可能な幅を有している。
合素子が滑らかに立ち上がる背面及び上方に立ち上がる
前面を有する立上り部と、同立上り部から前方に湾曲し
て延びるフック状のループ係合部とを有してなるフック
片であり、各フック片の立上り部の少なくとも一側面に
補強リブを有している。このとき、フック列方向の隣合
うフック片間の中間部側方の基材表面にも独立した補強
リブを突設してもよく、更にはフック片の側面に設けた
前記補強リブを排除して、基材表面に独立して設けられ
た補強リブのみとしてもよい。この場合、前記凹陥部は
フック片の背面から後方のフック片に向かうにつれて漸
次深くすることが好ましい。
合素子がほぼ垂直に立ち上がる立上り部と、同立上り部
の上端にフランジ状に一体に膨出するループ係合部とを
有するきのこ状の係合素子であり、隣会う前記係合素子
間の中間部側方の基材上に独立した補強リブが立設され
ている。
面と立上り部の起端(凹陥部の底面)との間の距離は従
来と同一であるにも関わらず、係合素子が基材の表面か
ら突出する高さは実質的な係合素子の高さから凹陥部の
深さを差し引いた高さとなり、同フック片が従来と同一
寸法を有するにも関わらずフック片の突出高さは見掛け
上は短くなる。そして、かかる構成を備えた本発明の面
ファスナーの係合素子と相手方のループ片とが係合する
とき、ループ片の先端は凹陥部に導かれて係合素子の係
合部の下方に廻り込み、係合素子の立上り部の起端部ま
で案内され、係合部がループ片に円滑に挿入されるた
め、ループ片との係合率は従来と何ら差異のないものに
する。
合には、係合時にループ片がフック片の係合部の下方に
自ずと導かれる。即ち、前記フック片の立上り部の背面
が緩やかな曲線をもって斜めに立ち上がっているため、
同背面に押し付けられるループ片は、同背面に沿って凹
陥部の内部へと導かれることになり、前記フック片の後
方に存在するフック片のフック状のループ係合部の下面
へと自ずと入り込む。
の起端からフック状のループ係合部の先端にかけて断面
積を漸次小さく形成するときは、基材の表面から突出す
るフック片の部分が相対的に細くなり、従来のフック片
と同様の係合力を有するにも関わらず柔軟性に富むこと
になる。更に好適には、フック片の立上り部の左右側面
に補強リブを有しており、横倒れの恐れはないが、本発
明によれば前記補強リブがない場合にも、フック片の起
端部が基材の凹陥部の内部に埋設されている状態となる
ため、従来のフック片に較べて横倒れを著しく少なくす
る。更に、隣会う前記係合素子間の中間部側方の基材表
面に補強リブを突設する場合には、同補強リブが係合素
子間の基材の引き裂き強度を確保するばかりでなく、相
手方のループ片を係合素子の係合部下方に導入案内する
ガイド部材として機能する。
には、立上り部を従来と同様の高さ及び太さに設定して
も、その基端部は前記凹嵌部の底面から立ち上がってい
るため、基材表面から突出する部分は側方に完全には倒
伏することなく、係合率の低下を来さない。更に、隣会
う前記係合素子間の中間部側方の基材表面に補強リブを
突設する場合には、同補強リブが係合素子間の基材の引
き裂き強度が確保されるばかりでなく、相手方のループ
片を係合素子の係合部下方に導入案内するガイド部材と
しても機能する。
示実施例に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の
代表的なフック片構造例をもつ面ファスナーの一部側面
図、図2は同平面図、図3は同正面図である。
表面には複数のフック片10が多列に配されて一体に形
成されている。図示例においては、同一列内にあるフッ
ク片10のフック方向は同一であり、隣合うフック列で
はそのフック片10のフック方向は逆とされている。そ
して、フック片10と同フック片10が形成される基材
15の部分は全てのフック列において同一構造をなして
おり、そのため以下の説明では面ファスナーの部分的な
説明にとどめる。
部分には、フック列方向に所定の間隔をおいて略矩形状
の凹陥部15aが形成されており、各凹陥部15aの底
面はそのフック列方向の両端部において隣合う前後のフ
ック片10の立上り部11における前面11bと後面1
1aの各起端部を共有している。即ち、同一フック列内
にある前後に隣合う2つのフック片10において、図1
に破線で示すように後方のフック片10の立上り部11
の前面起端が基材15に形成された前記凹陥部15aの
底面から後方に向けて所定の曲率をもって立ち上がると
共に、前方のフック片10の立上り部11の背面起端が
基材15に形成された前記凹陥部15aの底面から前方
に向けて滑らかな曲線をもって徐々に立ち上がってお
り、更に各フック片10の立上り部11の先端からは、
それぞれ前方に延び且つ下方に湾曲するフック状のルー
プ係合部12が形成され、前記立上り部11の途中から
フック状のループ係合部12の全体にかけて基材15の
表面から上方に突出している。
11の左右両側面に山形状の側面形状をもつ第1の補強
リブ13が突設されており、上記凹陥部15aは前記各
補強リブ13の左右外側面間の寸法に等しい幅W1を有
している。即ち、本実施例では図3に示すごとくフック
片10を前方及び後方から見るとき、同フック片10は
左右の補強リブ13をも含めて、その起端部が基材15
に形成された凹陥部15aの底面から上方に向けて一体
に突出することになる。そして、前記凹陥部15aの底
面はフック片10の背面11aから後方に隣接するフッ
ク片10に向かうにつれて漸次深く形成されている。こ
うすることで、基材15の強度を低下させることなし
に、相手方のループ片20からフック片10を剥離しよ
うとするときのフック片10が受ける力を無理なく受け
られるようにしている。以下に述べる他の例において
も、前記凹陥部15aの底面形状はほぼ同じである。
の形状に限定されるものではなく、単純な平面でもよ
く、またフック列方向の凹嵌部15が互いに完全に独立
していてもよい。更に、同凹嵌部15aは基材15の表
面に千鳥状に配すこともあり、この場合には前後のフッ
ク片10,10間の中間部側方の基部表面に突設される
後述する補強リブ13aを排除しても、基材15の柔軟
性が向上するにも関わらず所定の引き裂き強度が確保さ
れる。
ァスナーでは、フック片10のフック状のループ係合部
12の先端下面と立上り部11の起端(凹陥部15aの
底面)との間の距離L’は従来と同一であるにも関わら
ず、フック状のループ係合部12の先端下面と基材15
の表面との距離Lは実質的なフック片10の高さに関係
する前記距離L’と凹陥部15aの深さDとの差に等し
くなり、基材15から立設されるフック片15の実際の
高さは従来と同一寸法を有するにも関わらず、基材表面
に突出する見掛けの高さは凹陥部15aの底面深さDを
差し引いた短い寸法となる。このように基材表面に前記
凹嵌部15aが形成されることは、見掛けの厚さは従来
と同様であっても基材15の柔軟性が著しく改善される
ことになるばかりでなく、その成形にあたっても成形終
了後の面ファスナーを成形型から引き剥がすときに、基
材15が無闇に延びたり、或いは引き裂かれることなく
安定して引き剥がすことを可能にする。その結果、成形
後の製品も基材15が波打つようなことがなくなり、実
用に十分耐える高品質の製品が得られる。
ァスナーのフック片10と相手方のループ片20とが係
合するとき、ループ片20の先端は凹陥部15aに導か
れてフック状のループ係合部12の下方に廻り込み、フ
ック片10の立上り部11の起端部まで案内され、フッ
ク状のループ係合部12がループ片に円滑に挿入される
ため、ループ片20との係合率は従来と何ら差異がなく
なる。
係合時にループ片20がフック片10のフック状のルー
プ係合部12の下方に自ずと導かれる点にある。即ち、
本発明のフック片10の立上り部11の背面11aが緩
やかな曲線をもって斜めに立ち上がっているため、同背
面11aに押し付けられるループ片20は、同背面11
aに沿って凹陥部15aの内部へと導かれることにな
り、前記フック片10の後方に存在するフック片10の
フック状のループ係合部12の下面へと自ずと入り込む
ことになる。
11の起端からフック状のループ係合部12の先端にか
けて断面積を漸次小さくするときは、基材15の表面か
ら突出するフック片10の部分が相対的に細くなり、従
来のフック片10’と同様の係合力を有するにも関わら
ず柔軟性に富むことになる。更に本実施例では、フック
片10の立上り部11の左右側面に補強リブ13を有し
ているため、横倒れの恐れはないが、本発明によれば前
記補強リブ13がない場合にも、フック片10の起端部
が基材15の凹陥部15aの内部に埋設されている状態
となるため、従来のフック片10’に較べると横倒れが
著しく少なくなる。
変形例を示しており、同変形例によれば上記凹陥部15
aの幅W2が左右の補強リブ13の半分づつの幅にフッ
ク片10の幅を加えた寸法に設定され、しかもフック列
の中央に配されている。図6及び図7も上記実施例にお
ける第2の変形例を示しており、この例では前記変形例
の凹陥部15aと同一幅W2を有するが、同凹陥部15
aは左右いずれかの補強リブ13の一部を共有するだけ
で、フック列の中央から左右の一方に偏って配されてい
る。また、図8及び図9は上記実施例の更に第3の変形
例を示し、上記凹陥部15aの幅W3がフック片10と
同一の幅でありフック列の中央に配されている。
し、基材15に形成される凹陥部15aは上記第2の変
形例と同様の構成を備えているが、本実施例では上記山
形状の補強リブ13とフック片10との間に更に第2の
補強リブ14が設けられている。この第2の補強リブ1
4はフック片10の立上り部11の前方に偏った一側面
に形成され、その高さはフック片10の頂点までの高さ
に略等しく設定されている。
4の前後幅を小さくする。その頂点O3 の高さをフック
状のループ係合部12の頂点O2 と同一高さとさせてい
る(図13)。なお、図13において破線で示すフック
状のループ係合部12の形状は、同フック片10の成形
引抜き時における形状を示している。この種の一体成形
タイプの面ファスナーは、成形時において回転ドラムの
周面部に平板状基材と一体に成形されるキャビティ内の
フック片10を、ドラムの回転に合わせて基材15と共
に引き抜くとき、フック片10のフック状のループ係合
部12は図13に破線で示すようにキャビティの内部を
略直線状となって引き抜かれるが、引き抜かれた後には
キャビティと略同一の湾曲形状まで復元する。
線的な形状となる場合には、成形後の面ファスナーを加
熱して、そのフック状のループ係合部12の頂点O2 と
基材15との間の間隔を所定の寸法に設定して上方から
押圧し、所望の湾曲形状に矯正することもできる。この
押圧矯正時において前記間隔を一定寸法に維持すること
は極めて難しい。しかして、本実施例のフック片構造に
よれば、前述の押圧矯正時において押圧手段が第2の補
強リブ14の頂点O3 に当接しても、第2の補強リブ1
4が直立状態にあるため傾動せず、フック状のループ係
合部だけが所定の湾曲形状に矯正されることになり、フ
ック状のループ係合部12の頂点O2 と基材表面との間
隔を一律にする。
の基部側面に第1の補強リブ13を突設しているため、
上述のごとく係合時において係合相手であるループ片を
もつ基材15によりフック片が上方から押圧されて、例
えば第2の補強リブ14と共に立上り部11が左右の何
れかに折れ曲がることがあっても、その起端部である第
1の補強リブ13の部分では折れ曲がることがなく、フ
ック片の全体が左右方向に完全に倒伏することもない。
そのため、一旦係合したループ片はフック片の根元であ
る同第1の補強リブ13の部分まで円滑に導入され、同
ループ内に侵入したフック状のループ係合部12を確実
に捕捉して係合率を高める。
例を示している。同実施例によれば、フック片10の左
右両側面に第1〜第3の補強リブ13,14,14’を
有しており、各リブ13,14,14’を含めてフック
片10と共に基材15の凹陥部15aの内部に埋設状態
で一体に成形されている。第1の補強リブ13は上述の
例と同様に低い山形状を有しており、第2の補強リブ1
4は第1の補強リブ13とフック片10との間に形成さ
れ、同補強リブ14はフック片10の立上り部11の起
端からフック状のループ係合部12の湾曲部12aにか
けて延在しており、前記立上り部11の略中央から上端
にかけてほぼ同一幅を有し、同立上り部11の略中央か
ら起端にかけては前後に漸次拡がる末広がり状とされて
いる。
く前記立上り部11の他側面に第3の補強リブ14’を
有している。この第3の補強リブ14’は前記第1の補
強リブ13とフック片10との間に形成され、同第3の
補強リブ14’の高さはフック状のループ係合部12の
先端下面の高さとほぼ同一に設定され、その高さは反対
側に形成された前記第2の補強リブ14の高さより低
い。そして、前記左右の第1補強リブ13は隣合う同リ
ブ13と側面同士が連結されている。
ても、実質的には従来と同じフック片10の高さL’を
有しているにも関わらず、基材15の表面から突出する
フック片10の高さLは実質的な前記フック片10の高
さL’から基材15の凹陥部15aの深さを引いた高さ
となり、上述の実施例と同様に基材表面から突出するフ
ック片部分は柔軟性に優れ、しかも相手方のループ片と
の係合率及び係合力も従来と何ら変わることがなく、む
しろループ片が確実にフック片10のフック状のループ
係合部12に導かれるため、前記係合率は高くなり、更
にはフック片10の起端部が補強リブ13,14,1
4’と共に前記凹陥部15aの底面から立ち上がるた
め、起端部からの横倒れが完全に防止される。
同図によればフック片10の両側面に一体に補強リブ1
3を設けると共に、列方向に隣合うフック片10,10
間の中間部側方の基材15の表面に独立させて正面から
見て山形状の別の補強リブ13aを突設している。この
実施例では前記補強リブ13aの存在により、当然に基
材15の引き裂き強度が高くなるばかりでなく、相手方
のループ片を周囲の係合素子16に向けて案内する機能
をも有することになる。なお、この場合にフック片10
の両側面に一体に設けられた補強リブ13を排除するこ
ともあり得る。
な実施例である一体成形面ファスナーを示している。図
17は同面ファスナーの部分平面図、図18は同側面
図、図19は図17におけるII-II 線、III-III 線及び
IV-IV 線の各矢視断面図である。
様に平板状基材15の長さ方向及び幅方向に所定の間隔
をおいて複数の凹嵌部15aが形成されており、各凹嵌
部15aの底面からはきのこ状の係合素子16がほぼ垂
直に立ち上がっている。図示例によるきのこ状の係合素
子16は、基端部が前後にスカート部をもつ垂直に立ち
上がる円柱状の立上り部17と同立上り部17の上端に
きのこの傘状をなすループ係合部18とからなる。この
きのこ状係合素子16の形状は図示例に限定されず、例
えば前記ループ係合部が単純な円盤状、半球状、ベレー
帽状等の多様な変形が可能であり、また前記立上り部1
7も断面は必ずしも円形である必要はなく、例えば角柱
状でもよく、更には円錐台状、角錐台状等が適宜採用で
きる。更には、前記凹嵌部15aの配置も図示例のよう
に長さ方向及び幅方向にそれぞれ同一配列である必要は
なく、例えば千鳥状に配列することも可能である。
素子列に並ぶ各係合素子16間の中間部において、各凹
嵌部15aの側方の基材表面に長さ方向に延びる正面か
ら見て山型の補強リブ19が列設されている。ただし、
本発明にあってこの補強リブ19は必ずしも必要としな
い。
述の各実施例と同様に見掛け上の高さが低いにも関わら
ず、従来とほぼ同一の寸法とすることが可能であり、そ
のため相手方のループ片の抱き込み寸法が大きくなり、
係合強度が確保されると共に係合率が従来以上に向上す
る。また、上述の補強リブ19の存在は、当然に基材1
5の引き裂き強度を高めるばかりでなく、成形時におけ
る安定した成形が可能とし、しかも相手方のループ片を
隣会う係合素子16に向けて案内する機能を有してい
る。
明においては多様な変形が可能であり、特に上記凹陥部
15aの形状はフック片10の適用分野に応じて様々に
変更でき、更には補強リブについても不要な場合をも含
めて多様な形状と組合せの採用が可能である。
の一体成形面ファスナーによれば、同面ファスナーの平
板状基材の表面に相手方のループ片を導入可能とした大
きさ及び形状を持つ複数の凹陥部を形成すると共に、各
凹陥部の底面から係合素子を起立させて一体に成形する
ため、基材に設けられる係合素子の実際の高さは従来と
同じであるにも関わらず、基材表面から突出するフック
片部分の高さは凹陥部の深さ分だけ低くなり、先端部の
係合素子部分が基材表面に突出して一体成形による係合
素子を有する面ファスナーとして、基材自体の柔軟性が
確保されると共に、全体が柔軟な感触が得られるばかり
でなく、ループ片が前記凹陥部に確実に導入されるよう
になり、しかもフック片の起端部が前記凹陥部の内部か
ら立ち上がるため、たとえ補強リブが存在しない場合に
も同起端部からの横倒れが防止されると共に、前倒れも
基材表面により規制され、それだけ係合率が高くなる。
ごとく基材表面に複数の凹嵌部が形成されるため、見掛
け上は従来と同様の肉厚を有するにも関わらず、十分な
柔軟性が確保されると共に、成形時において基材の引き
裂きによる損傷や、成形後における基材の波打ち状態等
の不良品が発生せず、安定した成形が可能となる。
スナーの構造を示す部分側面図である。
る。
る。
る。
ナーの構造を示す部分側面図である。
ック片の矯正状態を示す説明図である。
ァスナーの構造を示す部分側面図である。
ァスナーの構造を示す部分側面図である。
ァスナーの構造を示す部分平面図である。
-IV 線の矢視断面図である。
側面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 平板状基材(15)の表面に多数の係合素子
を突出させて一体に成形されてなる面ファスナーであっ
て、 前記基材表面の所定部位に所望数の凹陥部(15a) が形成
され、前記係合素子は同凹陥部(15a) の底面から上方に
立ち上がる立上り部(11,17) と、その先端に形成された
ループ係合部(12,18) とを有してなることを特徴とする
一体成形面ファスナー。 - 【請求項2】 前記凹陥部(15a) は相手方ループ片(20)
が導入可能な幅を有してなる請求項1記載の一体成形面
ファスナー。 - 【請求項3】 係合素子列方向の隣会う係合素子間の中
間部側方の基材表面に独立した補強リブ(13a,19)を突設
してなる請求項1記載の一体成形面ファスナー。 - 【請求項4】 前記係合素子が滑らかに立ち上がる背面
(11a) 及び上方に立ち上がる前面(11b) を有する立上り
部(11)と、同立上り部(11)から前方に湾曲して延びるフ
ック状のループ係合部(12)とを有してなるフック片(10)
である請求項1記載の一体成形面ファスナー。 - 【請求項5】 各フック片(10)の立上り部(11)の少なく
とも一側面に補強リブ(13)を有してなる請求項4記載の
一体成形面ファスナー。 - 【請求項6】 前記凹陥部(15a) はフック片(10)の背面
(11a) から後方のフック片(10)に向かうにつれて漸次深
くしてなる請求項4記載の一体成形面ファスナー。 - 【請求項7】 前記係合素子がほぼ垂直に立ち上がる立
上り部(17)と、同立上り部(17)の上端にフランジ状に一
体に膨出するループ係合部(18)とを有するきのこ状の係
合素子(16)である請求項1記載の一体成形面ファスナ
ー。
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