JP7117098B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、使い捨ておむつに関する。
使い捨ておむつの如き吸収性物品は、典型的には、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に配置された吸収体を具備する。また、吸収体としては、木材パルプや吸水性ポリマー等を含むコア形成材料が集積された液保持性の吸収性コアと、該吸収性コアを被覆する透水性のコアラップシートとを含んで構成されているものが知られている。コアラップシートは、吸収体の保形性の確保、コア形成材料の脱落防止などの役割を果たす。
使い捨ておむつにおいては従来、フィット性や液吸収性などを向上させる目的で、吸収性コアに、該吸収性コアを厚み方向に貫通する貫通孔、あるいは周辺部よりも坪量の低い低坪量部を設けることが行われている。例えば特許文献1には、使い捨ておむつのフィット性及び液吸収性を向上させるために、吸収性コアに、吸収性材料を実質的に包含しないチャンネルを縦方向(着用者の前後方向に対応する方向)に延在させることが記載されている。また特許文献2には、使い捨ておむつの尿及び大便の漏れ防止性を向上させるために、吸収性コアの股下部における横方向(縦方向と直交する方向)の中央部を高坪量部、その横方向の両側部を低坪量部とし、該高坪量部に、縦方向に延びるスリット、溝又は非集積部からなる中央折曲誘導部を設け、該低坪量部に、非集積部からなる側部折曲誘導部を設けることが記載されている。
特表2014-515981号公報 特開2012-16435号公報
使い捨ておむつにおいては、吸収体が尿等の排泄液を吸収して湿潤状態となった場合に、その液吸収に起因する強度の低下や自重の増加などにより、吸収体が壊れて複数の塊に分断してしまい、結果として、おむつの液吸収性の大幅な低下を招くという問題がある。
従って本発明の課題は、吸収体の壊れが生じ難い使い捨ておむつを提供することに関する。
本発明は、液保持性の吸収体及び該吸収体の肌対向面側に配された表面シートを備え、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有し、また、着用時に該股間部に対向配置される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とを有する使い捨ておむつであって、前記吸収体は、吸収性材料を含むコア形成材料が集積された吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する不織布製の肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する不織布製の非肌側コアラップシートとを含んで構成され、且つ展開且つ伸長状態の前記おむつを縦方向に二等分する縦中心線を跨いで腹側部から背側部にわたって縦方向に延在しており、前記吸収性コアに、前記コア形成材料の非集積部が複数形成されており、各該非集積部の縦方向長さが、前記吸収体の縦方向長さの1/5以下であり、複数の前記非集積部のうちの少なくとも1個において前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが接合されており、下記<領域I~Vの決定方法>に従って、前記おむつに領域I~Vを設定した場合に、領域II及びIIIに存在する全ての前記非集積部を横方向に投影したときに形成される投影像が、該領域II及びIIIの縦方向の全長にわたって連続している使い捨ておむつを提供するものである。
<領域I~Vの決定方法>
展開且つ伸長状態の前記おむつにおいて、前記吸収体の腹側部側の縦方向端を通って横方向に延びる1本の仮想直線を基準線とし、該基準線よりも背側部側に、該基準線に対して平行な5本の仮想直線を等間隔に引く。この仮想直線どうしの間隔は、前記縦中心線から前記吸収体の腹側部側の縦方向端までの縦方向長さを5で除し、さらに2倍した値とする。これら6本の仮想直線によって5つに区分された領域を、前記基準線に近いものから順に、領域I、領域II、領域III、領域IV、領域Vとする。
本発明によれば、吸収体の壊れが生じ難い使い捨ておむつが提供される。
図1は、本発明の使い捨ておむつの一実施形態を各部の弾性部材を伸長させて平面状に拡げた展開状態(展開且つ伸長状態)を示す表面シート側、即ち肌対向面側の一部破断平面図である。 図2は、図1のA-A線での模式的な横断面図である。 図3は、図1に示すおむつにおける吸収体の肌対向面側の模式的な平面図である。 図4は、図3のB-B線での模式的な横断面図である。 図5は、本発明に係る吸収体の他の実施形態の図3相当図である。 図6は、本発明に係る吸収体のさらに他の実施形態の図3相当図である。 図7は、本発明に係る吸収体のさらに他の実施形態の模式的な横断面図である。
以下、本発明の使い捨ておむつについて、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図2には、本実施形態の使い捨ておむつ1が示されている。おむつ1は、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有し、また、着用時に該股間部に配される股下部Mと、股下部Mよりも着用者の腹側に配される腹側部Fと、股下部Mよりも着用者の背側に配される背側部Rとを縦方向Xに有する。
おむつ1は、図1に示す如き展開且つ伸長状態の平面視において、縦方向Xに長い縦長の形状を有し、その長手方向が縦方向Xに一致し、幅方向が横方向Yに一致している。おむつ1は、図1に示す如き平面視において、股下部Mを含む縦方向Xの中央部における、縦方向Xに沿う両側縁が内向きの円弧状に湾曲しており、縦方向Xの中央部が内方に括れた砂時計状を有している。股下部Mは、着用時に着用者のペニス等の排泄部に対向配置される図示しない排泄部対向部(排尿ポイント)を含んでいる。前記排泄部対向部は通常、おむつ1の縦方向Xの中央部よりもやや背側部R寄りに偏倚した位置にある。
おむつ1は、図1及び図2に示すように、液保持性の吸収体4と、該吸収体4の肌対向面側に配され、着用時に着用者の肌と接触し得る液透過性の表面シート2と、該吸収体4の非肌対向面側に配された液不透過性ないし撥水性の裏面シート3とを具備している。吸収体4は、両シート2,3間に介在配置されている。吸収体4は、図1に示す如き平面視において縦方向Xに長い縦長の形状をなし、展開且つ伸長状態のおむつ1を縦方向Xに二等分する縦中心線CLxを跨いで腹側部Fから背側部Rにわたって縦方向Xに延在している。
尚、本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側、即ち相対的に着用者の肌から遠い側(着用者が着用している衣類側)に向けられる面である。また本明細書において、「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の周縁から外方に延出している。裏面シート3は、図1に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1の外形を形成している。表面シート2及び裏面シート3は、図2に示すように、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出して、後述するサイドシート34と共にサイドフラップ部を形成している。前記サイドフラップ部は、おむつ1における、吸収体4から横方向Yの外方に延出する部材からなる部分である。表面シート2及び裏面シート3としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート3としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。裏面シート3には、例えば、液不透過性のフィルムシート単独の形態と、該フィルムシートの非肌対向面、即ち外表面側に外装シートを積層配置した形態とがあり、該外装シートは例えば不織布である。
腹側部F及び背側部Rそれぞれのウエスト部、即ち縦方向Xの端部における表面シート2と裏面シート3との間には、糸状の弾性部材31が横方向Yに沿って伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1の着用時における該ウエスト部には、弾性部材31の収縮によりウエストギャザーが形成される。また、おむつ1の表面シート2側における縦方向Xに沿う左右両側には、それぞれサイドシート(防漏カフ形成用シート)34が配されている。サイドシート34は、縦方向Xに沿う内側縁部と、該内側縁部よりも横方向Yの外方に位置して縦方向Xに沿う外側縁部とを有し、図1に示す如き平面視において、該内側縁部は吸収体4と重なり、該外側縁部は吸収体4の縦方向Xに沿う側縁から横方向Yの外方に延出し裏面シート3と接合されている。着用者の脚周りに配される左右のレッグ部におけるサイドシート34と裏面シート3との間には、糸状の弾性部材32が縦方向Xに沿って伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1の着用時におけるレッグ部には、弾性部材32の収縮により一対の防漏カフが形成される。また、サイドシート34の内側縁部には、糸状の弾性部材33が縦方向Xに沿って伸長状態で固定されており、これにより、おむつ1の着用時には弾性部材33の収縮により少なくとも股下部Mに防漏カフが形成される。表面シート2、裏面シート3、吸収体4、各弾性部材31,32,33及びサイドシート34は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により互いに接合されている。
おむつ1は、いわゆる展開型の使い捨ておむつであり、図1に示すように、おむつ1の背側部Rの縦方向Xに沿う両側縁部(前記サイドフラップ部)には、一対のファスニングテープ35,35が設けられている。ファスニングテープ35には、機械的面ファスナーのオス部材からなる図示しない止着部が取り付けられている。また、おむつ1の腹側部Fの非肌対向面には、機械的面ファスナーのメス部材からなる被止着領域36が形成されている。被止着領域36は、腹側部Fの非肌対向面を形成する裏面シート3の非肌対向面に、機械的面ファスナーのメス部材を公知の接合手段、例えば接着剤やヒートシール等で接合固定して形成されており、ファスニングテープ35の前記止着部を着脱自在に止着可能になされている。おむつ1を着用する際には、背側部Rの前記サイドフラップ部を着用者の腹側に引き延ばし、該サイドフラップに設けられたファスニングテープ35,35を腹側部Fの外表面の被止着領域36に止着する。
図3には、吸収体4の肌対向面側が示されている。吸収体4は、液保持性の吸収性コア40と、該吸収性コア40の肌対向面を被覆する肌側コアラップシート41と、該吸収性コア40の非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシート42とを含んで構成されている。吸収性コア40とコアラップシート41,42との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されている。本実施形態においては、吸収性コア40は単層構造であり、図3に示す如き平面視において、縦方向Xに長い縦長の形状をなしている。
吸収性コア40は、吸収性材料を含むコア形成材料が集積されてなる。吸収性材料としては、この種の吸収性コアの形成材料として通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ、親水化剤により処理された合繊繊維等の繊維材料(好ましくは親水性繊維)や吸水性ポリマーが挙げられる。吸収性コア40は、繊維材料の集積体、あるいは該集積体に粒子状の吸水性ポリマーを担持させたものであり得る。
肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とは、1)1枚の連続したシートであってもよく、2)それぞれ別体のシートであってもよい。前記1)の形態の一例として、吸収性コア40の横方向Yの長さ(幅)の2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の連続したコアラップシートが、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の下方に巻き下げられて、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆する形態が挙げられる。そして、この1枚のコアラップシートにおいて、吸収性コア40の肌対向面を被覆する部分が肌側コアラップシート41、吸収性コア40の非肌対向面を被覆する部分が非肌側コアラップシート42である。
前記2)の場合は、肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とで、横方向Yの長さ、即ち幅は同じでもよく、異なっていてもよい。両シート41,42で幅が異なる場合は、どちらが長くてもよい。例えば、肌側コアラップシート41は、吸収性コア40の肌対向面の最大幅と同じ幅を有する、即ち吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆可能な大きさを有するものとし、非肌側コアラップシート42は、該シート41よりも幅広にすることができる。その幅広の非肌側コアラップシート42は、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から幅方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の肌対向面に対向配置された肌側コアラップシート41上に巻き上げられ、該シート41の縦方向Xに沿う両側縁部を被覆していてもよい。
コアラップシート41,42としては、液透過性のシートを用いることができ、例えば、紙、不織布を例示できる。しかしながら、コアラップシート41,42の破れを確実に防止し、後述する非集積部5において両シート41,42どうしを確実に接合する観点から、両シート41,42としては不織布が好ましい。不織布は、紙に比べて強度が高くて加工時に破れにくく、また、吸収性コアを構成するコア形成材料として吸水性ポリマー粒子が使用されている場合には、吸水性ポリマー粒子の膨潤による吸収性コアの変形に柔軟に対応し得る。不織布としては、各種製法で製造されたものを特に制限なく用いることができる。また、不織布としては、親水化処理が施された合成繊維からなる親水性不織布が好ましい。
吸収性コア40の厚み(後述する非集積部5以外の部分の厚み)は、好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは8mm以下である。
吸収性コア40の坪量(後述する非集積部5以外の部分の坪量)は、好ましくは150g/m以上、さらに好ましくは200g/m以上、そして、好ましくは700g/m以下、さらに好ましくは600g/m以下である。
コアラップシート41,42の坪量(後述する非集積部5以外の部分の坪量)は、好ましくは3g/m以上、さらに好ましくは5g/m以上、そして、好ましくは20g/m以下、さらに好ましくは30g/m以下である。
おむつ1又はおむつ1の構成部材(吸収性コア40、表面シート2等)の厚みは下記方法により測定される。
<使い捨ておむつ又はその構成部材の厚みの測定方法>
測定対象物を水平な場所にシワや折れ曲がりがないように静置し、5cN/cmの荷重下での測定対象物の厚みを測定する。具体的には、厚みの測定に、例えば、厚み計 ABSデジマチックインジケータ ID-U1025(Mitutoyo Corporation製)を用いる。このとき、厚み計の先端部と切り出した測定対象物との間に、測定対象物に対する荷重が5cN/cmとなるように大きさを調整した平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、厚みを測定する。厚み測定は、10点測定し、それらの平均値を算出して測定対象物の厚みとする。
吸収性コア40には、図中符号5(5A~5G)で示す非集積部が複数形成されている。図では、吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5について、吸収体4の腹側部F側の縦方向端(前端)4Fに近い順に5A~5Gの符号を付しており、非集積部5Aが前端4Fから最も近く、非集積部5Gが前端4Fから最も遠い。非集積部5A~5Gは、それぞれ、2個1組の非集積部5の対であり、吸収性コア40には7対14個の非集積部5が形成されている。以下の非集積部5についての説明は、特に断らない限り、吸収性コア40に形成されている全ての非集積部5A~5Gに適用される。
非集積部5は、吸収性コア40を構成し、繊維材料や吸水性ポリマー等の吸収性材料を含むコア形成材料が集積されていない部分であり、非集積部5におけるコア形成材料の坪量は、i)実質的にゼロであるか、又はii)吸収性コア40の他の領域よりも少量である。前記i)の場合、非集積部5は吸収性コア40を厚み方向に貫通する貫通孔とも言える。前記i)及びii)のいずれの場合であっても、非集積部5は尿等の排泄液の導液路として機能し、その延在方向(本実施形態においては縦方向X)に排泄液を拡散させる作用を有する。従って、非集積部5の配置如何によっては、吸収性コア40全体に均一に排泄液を吸収させることが可能である。
尚、おむつ1においては後述するように、吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5のうちの少なくとも1個において、肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とが接合されるところ、このような両シート41,42の接合がなされる非集積部5においては前記i)が適用され、コア形成材料の坪量は実質的にゼロである。ここでいう、「坪量が実質的にゼロ」には、コア形成材料が意図せずに混入するなどして、非集積部5にごく少量のコア形成材料が存在する形態が包含されるが、そのコア形成材料の量は、両シート41,42の接合が阻害されない程度である。
一方、両シート41,42の接合がなされない非集積部5においては、前記i)が適用されてもよく、前記ii)が適用されてもよい。前記ii)が適用された、少量集積部からなる非集積部5の坪量は、好ましくは300g/m以下、さらに好ましくは250g/m以下である。非集積部5がこのような少量集積部である場合、該非集積部5では通常、両シート41,42の接合はなされない。液拡散効果等を考慮すると、両シート41,42の接合がなされない非集積部5としては、少量集積部の形態よりも、貫通孔の形態の方が好ましい。
非集積部5(貫通孔からなる非集積部)は、吸収性コア40の製造時におけるコア形成材料の集積工程において、コア形成材料の集積を意図的に阻害して形成された部位である。非集積部5を有する吸収性コア40は、従来公知の吸収性コアの製造方法に従って製造することができる。具体的には例えば、積繊装置を用い、空気流に乗せて供給したコア形成材料(吸収性材料)を、回転ドラムの外周面に形成された成形型上に吸引して堆積させて吸収性コア40を得る方法において、該成形型として所定パターンの成形型、例えば非集積部5に対応する部位が周辺部に比して上方に突出している成形型を用いることで製造することができる。斯かる方法で得られた吸収性コア40において、コア形成材料が存在していない部分が非集積部5である。尚、非集積部5を有する吸収性コア40の他の製造方法として、非集積部5を有していない吸収性コアを製造し、該吸収性コアの所定部位に型抜き加工や切削加工等の後加工を施して非集積部5を形成する方法を採用することもできる。また、前記の「少量集積部からなる非集積部5」を有する吸収性コアも、前記方法に準じて製造することができる。
本発明においては、図2に示すように、吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5のうちの少なくとも1個において、肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とが接合されている必要がある。この点、本実施形態においては、図2に示す非集積部5Cのみならず、吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5A~5Gの全てにおいて両シート41,42が接合されている。
このように、非集積部5において肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とが接合されていることにより、吸収性コア40と両シート41,42との密着性が向上するため、両シート41,42間に介在配置された吸収性コア40の保形性が向上し、吸収性コア40を構成するコア形成材料に含まれる吸水性ポリマー粒子等の吸収性材料が尿等の排泄液を吸収することによって膨潤しても、吸収性コア40の変形の程度が抑制される。また、肌側コアラップシート41が表面シート2に接着剤によって接合され、非肌側コアラップシート42が裏面シート3に接着剤によって接合されていることと相俟って、斯かる構成により、吸収体4の動きが拘束されるため、おむつ1の着用中に吸収体4が表面シート2や裏面シート3に対して移動し難い。従って、おむつ1の使用中に吸収体4(吸収性コア40)が壊れ難く、優れた吸収性能が安定的に発揮され得る。また、斯かる構成により、吸収性コア40による排泄液の取り込み性が向上すると共に、コア形成材料に含まれる吸収性材料の膨潤に起因する非集積部5の埋没が効果的に防止される。
非集積部5における両シート41,42の接合方法は特に制限されず、例えば、ホットメルト型接着剤等の接着剤、融着等の公知の接合方法を用いることができる。非集積部5における両シート41,42の接合部は、例えば次のようにして形成することができる。即ち、両シート41,42の少なくとも一方における非集積部5の対応位置に予めホットメルト型接着剤等の接着剤を塗布しておき、吸収性コア40を両シート41,42で被覆して吸収体4を得た後、吸収体4の非集積部5を肌対向面及び/又は非肌対向面側から押圧処理して両シート41,42の一方又は両方を押し込むことにより、非集積部5において両シート41,42を接合させることができる。前記押圧処理は、熱を伴うか若しくは伴わないエンボス又は超音波エンボス等の公知のエンボス加工を採用できる。前記押圧処理として、例えば熱を伴うエンボス加工の如き加熱加圧処理を採用した場合、両シート41,42は互いに加熱圧着されるため、接着剤による接着力と相俟って両シート41,42どうしは強固に接合し得る。
特に、コアラップシート41,42が、ポリプロピレン(PP)樹脂を含有する繊維を含んで構成された不織布、とりわけ、PPのみからなる不織布であると、前記の非集積部5における両シート41,42の接合を、加熱や超音波などの樹脂の溶融処理を伴わずに、また接着剤を用いずに、シート41,42の押圧のみで実施することが可能となり、しかも、両シート41,42の接合部において十分な接合強度が得られるため、加工適性、製造コストなどの点で有利である。
本実施形態においては、非集積部5における両シート41,42の接合部は、図2に非集積部5Cについて代表的に示すように、吸収体4の厚み方向の中央部に位置しており、従って、両シート41,42は、それぞれ、非集積部5の形成位置において凹状に窪んでいる。このような両シート41,42の接合部の形態は、前記の接合部の形成方法において、非集積部5の形成位置にて両シート41,42を同時に押圧することで得られる。尚、非集積部5における両シート41,42の接合部の位置は、吸収体4の厚み方向の中央部でなくてもよく、肌対向面側即ち表面シート2側に偏在していてもよく、あるいは非肌対向面側即ち裏面シート3側に偏在していてもよい。前者の場合、肌側コアラップシート41は平坦であるが、非肌側コアラップシート42は非集積部5の形成位置において凹状に窪んでいる。後者の場合、非肌側コアラップシート42は平坦であるが、肌側コアラップシート41は非集積部5の形成位置において凹状に窪んでいる。
非集積部5において、両シート41,42どうしは、非集積部5の少なくとも一部において接合されていればよく、非集積部5の全域にわたって接合されていなくてもよいが、非集積部5による作用効果を安定的に奏させるようにする観点からは、「非集積部5の面積に占める、両シート41,42の接合部の面積の割合」(接合部占有率)は、高いほど好ましく、具体的には好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、理想的には100%である。本実施形態においては、非集積部5は、図1及び図3に示すように、平面視において一方向(縦方向X)に長い形状、具体的には長方形形状をなしているところ、両シート41,42の接合部は、長方形形状の非集積部5の縦方向X即ち長手方向の全長にわたって連続している。ここでいう、「全長」とは、非集積部5の縦方向Xの全長及びそれに準ずる長さを意味し、具体的には、非集積部5の全長の90%以上を意味する。
吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5(5A~5G)の縦方向Xの長さは、非集積部5により奏される作用効果と吸収性コア40の吸収性能とのバランスの観点から、吸収体4の縦方向Xの長さの1/5以下であり、好ましくは1/6以下、さらに好ましくは1/7以下である。
おむつ1は、吸収性コア40における複数の非集積部5(5A~5G)の配置パターンの点で特徴付けられる。即ち、下記<領域I~Vの決定方法>に従って、おむつ1に領域I~Vを設定した場合に、領域II及びIIIに存在する全ての非集積部5を横方向Yに投影したときに形成される投影像が、該領域II及びIIIの縦方向Xの全長にわたって連続している。換言すれば、領域II及びIIIに、横方向Yに平行な仮想直線(図示せず)を任意に1本引いた場合に、該仮想直線上に非集積部5が必ず存在する。尚、前記の「領域II及びIIIに存在する」とは、非集積部5D,5Eのように、非集積部5の全体が領域II及びIIIに存在している場合のみならず、非集積部5B,5C,5Fのように、非集積部5の一部のみが領域II及びIIIに存在している場合も含まれる。本実施形態においては図3に示すように、領域II及びIIIに複数の非集積部5、具体的には5対10個の非集積部5B~5Fが存在し、これら10個の非集積部5B~5Fを横方向Yに投影したときに形成される投影像の全部が相互に繋がって、領域II及びIIIを縦方向Xに縦断する1個の連続した投影像を形成するようになされている。
<領域I~Vの決定方法>
展開且つ伸長状態のおむつ1(図1参照)において、図3に示すように、吸収体4の腹側部F側の縦方向端(前端)4Fを通って横方向Yに延びる1本の仮想直線を基準線V1とし、該基準線V1よりも背側部R側に、該基準線V1に対して平行な5本の仮想直線V2~V6を等間隔Sxに引く。この仮想直線V1~V6どうしの間隔Sxは、展開且つ伸長状態のおむつ1を縦方向Xに二等分する縦中心線CLxから吸収体4の前端4Fまでの縦方向長さLxを5で除し、さらに2倍した値とする。これら6本の仮想直線V1~V6によって5つに区分された領域を、基準線V1に近いものから順に、領域I、領域II、領域III、領域IV、領域Vとする。
前記決定方法により決定される領域I~Vは、主として、吸収体4(吸収性コア40)における非集積部5の位置を特定するために利用されるものであるから、これらの領域を区分する仮想直線V1~V6は、吸収体4の寸法(縦方向Xの長さ)に基づいて設定するのが適切とも考えられる。しかしながら、本発明では前記の通り、吸収体4ではなく、図1に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1において、その縦方向Xの長さに基づき、おむつ1を縦方向Xに二等分する縦中心線CLxを基準として、仮想直線V1~V6を設定している。その理由は、非集積部5の位置は、おむつ1の着用時における、吸収体4での尿等の排泄液の吸収部位に基づき決定されるべきものであるところ、斯かる吸収部位は、吸収体4の寸法のみでは特定できず、おむつ1における吸収体4の位置などを考慮する必要があるためである。仮に、吸収体が常に、展開且つ伸長状態のおむつの縦方向中央に配されているのであれば、吸収体の縦方向長さに基づいて仮想直線V1~V6を設定しても概ね問題ないと考えられるが、おむつにおける吸収体の配置位置は多種多様であり、例えばおむつ1において、吸収体4がおむつ1の腹側部F側に偏在している場合があり得る。その場合、吸収体4の縦方向Xの中心と展開且つ伸長状態のおむつ1のそれとが一致しないため、該吸収体4の縦方向Xの長さを基準に前記領域I~Vを決定しても、そうして決定された各領域は、該吸収体4において実際に排泄液が吸収される部位を反映していないおそれがあり、結果として、非集積部5を適切な位置に形成することが困難になるおそれがある。よって本発明では、展開且つ伸長状態の使い捨ておむつの縦方向長さに基づいて、仮想直線V1~V6を設定し、領域I~Vを決定しているのである。
前記決定方法において、基準線V1が通る「吸収体4の縦方向端(前端)4F」は、吸収体4の構成部材のうち、おむつ1の腹側部F側のウエスト端1Fに最も近いものの縦方向端である。従って例えば、コアラップシート41,42が、吸収性コア40の腹側部F側の縦方向端(前端)からウエスト端1F側に延出している場合、その両シート41,42の、吸収性コア40の前端からの延出部の先端が、吸収体4の前端4Fである。本実施形態においては、吸収体4の構成部材の全部、即ち吸収性コア40並びに肌側コアラップシート41及び非肌側コアラップシート42の縦方向Xの長さが互いに同じであり、従って吸収体4の前端4Fは、これら3つの構成部材それぞれの腹側部F側の縦方向端(前端)と一致する。
また本実施形態においては、図3に示すように、吸収体4の縦方向Xの長さが領域I~Vの縦方向Xの長さと同じであり、吸収体4が縦方向Xに領域I~Vに五等分されている。但し吸収体4はこれに限定されず、本発明には、吸収体4の縦方向Xの長さが領域I~Vの縦方向Xの長さとは異なる形態が包含される。具体的には、1)吸収体4の縦方向Xの長さが領域I~Vの縦方向Xの長さよりも短い形態、即ち、吸収体4の背側部R側の縦方向端(後端)4Rが、仮想直線V6よりも吸収体4の前端4F寄りに位置する形態と、2)吸収体4の縦方向Xの長さが領域I~Vの縦方向Xの長さよりも長い形態、即ち、吸収体4の後端4Rが、仮想直線V6よりも吸収体4の前端4Fから遠くに位置する形態とが挙げられる。前記1)の形態の吸収体4(吸収性コア40)の典型的なものでは、吸収体4の後端4Rが、仮想直線V5とV6との間又は仮想直線V4とV5との間に位置する。
また本実施形態においては、非集積部5(5A~5G)は、それぞれ、図3に示す如き吸収体4の平面視において長方形形状をなし、その長手方向が縦方向Xに一致している。非集積部5A~5Gは、それぞれ、2個1組の非集積部5の対であり、吸収性コア40には7対14個の非集積部5が形成されている。吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5A~5Gは全て、吸収体4(展開且つ伸長状態のおむつ1)を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる横中心線CLyを対称軸として線対称に形成されている。横中心線CLy上には非集積部5は形成されていない。
おむつ1の着用時においては通常、吸収体4は領域II及びIIIにて着用者の大腿部に挟まれた状態にあり、そのため、領域II及びIIIにおいて吸収体4の主体をなす吸収性コア40は、着用者の動きに起因する外力を受けて壊れやすい。特に、吸収性コア40が尿等の排泄液を吸収して湿潤状態となり、乾燥状態に比して強度低下や自重増加が生じている場合には、吸収性コア40は一層壊れやすい状態にあり、外力受けて複数の塊に分断されることが懸念される。これに対し、おむつ1においては前述したように、領域II及びIIIに存在する全ての非集積部5B~5Fを横方向Yに投影したときに形成される投影像が、領域II及びIIIの縦方向Xの全長にわたって連続しており、つまり非集積部5B~5Fが、それら複数の非集積部5B~5Fの横方向Yへの投影像の一部又は全部どうしが縦方向Xに連続的に繋がって領域II及びIIIを縦方向Xに縦断するように配置形成されており、且つ各非集積部5B~5Fにおいて肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とが接合されているため、領域II及びIIIの複数箇所(本実施形態では10箇所)において吸収性コア40が両シート41,42によってしっかりと拘束されているため、湿潤状態であっても吸収性コア40の壊れが生じ難い。
尚、本発明においては、吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5(5A~5G)の全てにおいて、肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42とが接合されている必要はないが、前述した、非集積部5における両シート41,42の接合部による吸収性コア40の壊れ防止効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、領域II及びIIIに存在する複数の非集積部5の全てにおいて両シート41,42が接合されていることが好ましく、吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5の全てにおいて両シート41,42が接合されていることがさらに好ましい。
また一般に、使い捨ておむつの領域II及びIIIは、着用者が排泄した尿等の排泄液を最初に受ける部位である前記排泄部対向部(排尿ポイント)が存在する領域であり、排泄液が集中するため吸収体利用率(吸収体全体に占める、実際に液吸収に利用された部分の割合)が他の領域に比して特に高い。逆に言えば、領域II及びIII以外の他の領域は吸収体利用率が低く、吸収体の吸収性能が十分に活かされていない。このように、吸収体が均一吸収し難く、吸収体利用率の低いものであると、液吸収後の吸収体に、液吸収による膨潤部と液を吸収していない非膨潤部とが顕著に混在するようになる結果、液吸収後の吸収体の肌対向面に段差が不規則に形成され、該肌対向面がでこぼこした状態となるため、着用感の低下などの不都合を招くおそれがある。これに対し、おむつ1においては前述したように、領域II及びIIIにおける吸収体4に、尿等の排泄液の導液路として機能する非集積部5(具体的には非集積部5B~5F)が複数存在し、且つそれら複数の非集積部5(非集積部5B~5F)が、その全部5B~5Fを横方向Yに投影したときに形成される投影像が領域II及びIIIの縦方向Xの全長にわたって連続するように配置形成されているため、領域II及びIIIに存在する排泄液が、非集積部5によってそれらの延在する方向(本実施形態では縦方向X)に拡散されやすい。このため、おむつ1においては吸収体4の均一吸収が図られ、吸収体利用効率の向上が期待できる。
特に本実施形態においては、吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5A~5Gはいずれも、一方向具体的には縦方向Xに連続して延在しているため、排泄液の縦方向Xへの拡散性に優れ、吸収体利用効率が高い。ここでいう「連続して延在」とは、非集積部が一方向に途切れることなく連続する形態のみならず、その一方向の長さが比較的短い小非集積部が、該一方向に僅かな間隔(好ましくは5mm以下)を置いて複数間欠配置された形態が含まれる。
前述した非集積部5による作用効果(吸収体の壊れ防止、均一吸収性の向上等)をより一層確実に防止する観点から、吸収性コア40に形成されている全ての非集積部5(5A~5G)のうち、横方向Yの長さ(幅)が最長の非集積部(最大幅非集積部)が、領域II又はIIIに存在することが好ましい。本実施形態においては、前記最大幅非集積部は非集積部5Dであり、非集積部5Dは図3に示すように、領域II及びIIIを跨ぐように存在しており、領域II及びIIIの双方に存在している。
同様の観点から、吸収性コア40に形成されている全ての非集積部5(5A~5G)のうち、縦方向Xの長さが最長の非集積部(最大長非集積部)が、領域II又はIIIに存在することが好ましい。本実施形態においては、領域II及びIIIに存在する非集積部5B~5Fはいずれも、領域II及びIIIに存在しない非集積部5A,5Gに比して縦方向Xの長さが長く、従って非集積部5B~5Fの中に前記最大長非集積部が含まれているので、本実施形態は斯かる好ましい構成を具備している。
非集積部5の平面視形状は、図3に示す非集積部5A~5Gの如き長方形形状に限定されず、例えば、円形、楕円形、平行四辺形、菱形、5角形以上の多角形形状などでもよいが、吸収体4の壊れ防止の観点から、図3に示すような縦長形状、即ち縦方向Xの長さが横方向Yの長さよりも長い形状が好ましい。例えば、吸収体4の平面視形状が楕円形又は菱形の場合、その楕円形又は菱形の長軸方向が縦方向Xに一致していることが好ましい。
非集積部5の寸法、特に平面視における寸法は、非集積部5による作用効果(吸収体4の壊れ防止、均一吸収性の向上等)が十分に発現し得るように適宜調整することができるが、非集積部5の寸法調整に際しては留意すべき点がある。即ち、非集積部5は、基本的にコア形成材料が存在しない部分であるため、例えば、おむつ1の使用前に吸収体4を外部から目視観察した場合に、非集積部5の形成位置において吸収体4が分断されているように感じられ、観察者によっては、液吸収性などの、吸収体4によって主に奏される性能に疑問を抱く可能性がある。従って非集積部5は、前述した作用効果を奏し得る範囲でなるべく目立たないことが望ましい。そこでおむつ1においては、「非集積部5の面積に占める、両シート41,42の接合部の面積の割合」(接合部占有率)は、高いほど好ましく、理想的には100%であるとしている。
非集積部5による所定の作用効果の発現と非集積部5を目立たないようすることとのバランスの観点から、非集積部5の縦方向Xの長さは、好ましくは20mm以上、さらに好ましくは30mm以上、そして、好ましくは70mm以下、さらに好ましくは50mm以下である。前述した、領域II又はIIIに存在し得る「最大長非集積部」の縦方向Xの長さは前記特定範囲内であることが好ましい。
非集積部5の横方向Yの長さ(幅)は、吸収体4が分断されているように認識されることを回避する観点から、5mm以下とすることが好ましい。非集積部5による所定の作用効果の発現と非集積部5を目立たないようすることとのバランスの観点から、非集積部5の幅は、好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは1mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下である。前述した、領域II又はIIIに存在し得る「最大幅非集積部」の幅は前記特定範囲内であることが好ましい。尚、ここでいう、非集積部5の「幅」(横方向Yの長さ)は、該幅が縦方向Xにおいて一定でない場合は、最大幅を意味する。同様に、非集積部5の幅は、該幅が吸収体4の肌対向面と非肌対向面とで異なる場合は、最大幅を意味する。
また、領域II及びIIIは吸収体4の壊れが特に発生しやすい領域であることから、領域II及びIIIには、吸収性コア40の壊れ防止に有用な非集積部5が多く存在することが好ましい。斯かる観点から、領域II及びIIIに存在する非集積部5の総数は、領域I及びIVに存在する非集積部5の総数よりも多いことが好ましく、本実施形態では図3に示すように、そのような好ましい形態とされている。領域II及びIIIに存在する非集積部5の総数は、吸収体4の壊れ防止と非集積部5の存在が目立たないようすることとのバランスの観点から、好ましくは3対以上、さらに好ましくは5対以上、そして、好ましくは100対以下、さらに好ましくは50対以下である。
同様の観点から、領域II及びIIIに存在する非集積部5の総面積S1は、領域I及びIVに存在する非集積部5の総面積S2よりも大きいことが好ましい。総面積S1,S2は、吸収体4の肌対向面(肌側コアラップシート41の肌対向面)での各非集積部5の面積の合計を意味する。総面積S1と総面積S2との比率は、総面積S1>総面積S2を前提として、総面積S1/総面積S2として、好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.5以上、そして、好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である。
また、領域II及びIIIには前記排泄部対向部(排尿ポイント)が存在するところ、該排泄部対向部及びその近傍における吸収性コア40の保形性を向上させて吸収体4の壊れをより確実に防止する観点から、吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5の少なくとも1個は領域II及びIIIを跨ぐように存在することが好ましい。本実施形態では図3に示すように、2個1対の非集積部5Dが領域IIと領域IIIとの境界(仮想直線V3)を跨いでおり、斯かる好ましい形態とされている。
また、吸収体4の壊れをより確実に防止する観点から、吸収体4を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる横中心線CLyの横方向Yの両側それぞれに非集積部5が存在することが好ましい。特に、吸収体4の壊れが発生しやすい領域II及びIIIにおいて、このように、横中心線CLyの横方向Yの両側それぞれに非集積部5が存在することが好ましい。本実施形態では図3に示すように、吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5A~5Gの全てが横中心線CLyを対称軸として線対称に形成されており、斯かる好ましい形態とされている。尚、本実施形態における横中心線CLyは、吸収体4のみならず、おむつ1を横方向Yに二等分する。本実施形態のように、非集積部5が横中心線CLyを基準として対称に形成されている方が、非集積部5が横中心線CLyの横方向Yの両側に非対称に形成されている形態よりも、吸収体4の壊れ防止や均一吸収を図る上で有利である。
また、領域Vは、前記排泄部対向部(排尿ポイント)が存在する領域II及びIIIから最も遠い領域であり、吸収体利用率が低い部位であることから、吸収体4の壊れは発生し難い。従って本実施形態においては図3に示すように、領域Vには非集積部5は存在しない。
図4には、図3に示す吸収体4における複数の非集積部5の一部である非集積部5E及びその近傍の横方向Yに沿う断面が示されている。本実施形態においては、吸収体4は図4に示すように、非集積部5(コアラップシート41,42の接合部)の横方向Yの両側に、該非集積部5から横方向Yの外方に向かう(該非集積部5から離れる)に従って吸収体4(吸収性コア40)の坪量が漸次増加する、グラデーション領域4Gを有している。グラデーション領域4Gは非集積部5に隣接し、非集積部5の縦方向Xに沿う側縁の全長に沿って存在している。またグラデーション領域4Gは、吸収体4の横方向Yの両端(縦方向Xに沿う両側縁)には達しておらず、非集積部5と吸収体4における坪量が一定の領域との間に挟まれている。吸収体4がこのようなグラデーション領域4Gを有していると、非集積部5の存在が目立ちにくくなるという効果が期待できる。吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5(5A~5G)の全部の近傍にグラデーション領域4Gが形成されていてもよく、該複数の非集積部5の一部の近傍にのみグラデーション領域4Gが形成されていてもよい。
グラデーション領域4Gによる作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、グラデーション領域4Gの横方向Yの長さ(幅)4GW(図4参照)は、非集積部5の横方向Yの長さ(幅)5W(図4参照)よりも長いことが好ましく、特に、幅5Wを2倍した値よりも幅4GWの方が大きい、即ち「4GW>(5W×2)」なる大小関係が成立することが好ましい。両者の比率は、幅4GW>幅5Wを前提として、幅4GW/幅5Wとして、好ましくは0.7以上、さらに好ましくは1以上、そして、好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下である。
また、非集積部5がなるべく目立たないようにする観点から、非集積部5が存在する領域に位置する表面シート2は、コア形成材料が集積されていない非集積部5に対応して形成される窪みを埋めること、及び非集積部5を視覚的に隠蔽することが可能なように、高坪量且つ肉厚なものが好ましい。具体的には、非集積部5が存在する領域に位置する表面シート2は、坪量が好ましくは30g/m以上、さらに好ましくは35g/m以上であり、厚みが好ましくは1mm以上、さらに好ましくは1.2mm以上である。本実施形態においては、図3に示すように領域I~IVに非集積部5が存在しているので、表面シート2は、少なくとも領域I~IVにおいてこのような高坪量且つ肉厚であることが好ましく、領域Vも含めた表面シート2の全体がこのような高坪量且つ肉厚であってもよい。尚、非集積部5が存在する領域に位置する表面シート2の坪量及び厚みの上限については、表面シート2に実用上十分な強度を付与するなどの観点から、坪量については、好ましくは70g/m以下、さらに好ましくは50g/m以下であり、厚みについては、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下である。また、表面シート2は1枚のシートからなるものでもよく、複数のシートが重ねあわされて成形された、複数のシートの積層構造でもよい。非集積部5を目立たないようにする観点及びコストの観点から、表面シート2は、2枚のシートの積層構造を有し、且つ少なくとも一面(肌対向面)に3次元的な凹凸構造を有する不織布が好ましい。
以下、本発明の他の実施形態について図面を参照して説明する。後述する他の実施形態については、前述したおむつ1(吸収体4)と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、おむつ1(吸収体4)についての説明が適宜適用される。
図5に示す吸収体4Aは、吸収性コア40に形成されている複数の非集積部5(5A~5G)が、横中心線CLyを対称軸として線対称に形成されていない点で、図3に示す吸収体4と異なる。吸収体4Aにおいては、図5に示すように、領域II及びIIIに5個の非集積部5B~5Fが存在し、これら5個の非集積部5B~5Fを横方向Yに投影したときに形成される投影像が領域II及びIIIの縦方向Xの全長にわたって連続するようになされており、吸収体4Aは、同様の構成を有する吸収体4と同様の効果を奏し得る。
図6に示す吸収体4Bは、非集積部5の平面視形状の点で、図5に示す吸収体4Aと異なる。吸収体4Bにおいては、非集積部5A~5Gの平面視形状は円形又は楕円形である。吸収体4Bによっても吸収体4,4Aと同様の効果が奏される。
図7に示す吸収体4Cにおいては、非集積部5の横方向Yの長さ(幅)が、吸収体4Cの肌対向面43から非肌対向面44に向かうに従って漸次増加している。換言すれば、非集積部5の横方向Yの長さ(幅)が、吸収体4Cの非肌対向面44から肌対向面43に向かうに従って漸次減少している。従って吸収体4Cにおいては、非集積部5において、肌対向面43と非肌対向面44とで幅が異なっており、「肌対向面43での幅Wa<非肌対向面44での幅Wb」なる大小関係が成立している。
非集積部5の横方向Yの長さ(幅)に関して前記の大小関係が成立している吸収体4Cにおいては、吸収性コア40が図7に示すように、幅が厚み方向において一定の定幅部40Aと、幅が肌対向面43から非肌対向面44に向かうに従って漸次減少するテーパー部40Bとを有し、該テーパー部40Bが、非集積部5と横方向Yにおいて隣接している。
一般に、吸収体4Cの肌対向面43は、非肌対向面44に比して外部観察されやすい面であるところ、その肌対向面43での非集積部5の幅Waが大きすぎると、未使用状態のおむつの肌対向面を観察する者に、非集積部5の形成位置において吸収体4Cが分断されていることを強く印象付け、そのことによって観察者が、液吸収性などの、吸収体4Cによって主に奏される性能に疑問を抱き、おむつに対する信頼性の低下を招くおそれがある。一方、これをおそれて非集積部5の幅Waを小さくしすぎると、非集積部5におけるコアラップシート41,42どうしの接合力が低下し、それによって、特に湿潤状態における吸収性コア40の保形性が低下し、前述した非集積部5による作用効果が十分に奏されないおそれがある。これに対し、吸収体4Cにおいては、非集積部5において前記の通り、「肌対向面43での幅Wa<非肌対向面44での幅Wb」なる大小関係が成立しているため、おむつ1の肌対向面(表面シート2側)を観察した場合に非集積部5の存在が目立たないにもかかわらず、非集積部5にて両シート41,42が強固に接合され、非集積部5による所定の効果が安定的に奏される。
また、非集積部5において、「肌対向面43での幅Wa<非肌対向面44での幅Wb」なる大小関係が成立すると、該非集積部5における肌側コアラップシート41と非肌側コアラップシート42との接合部の厚みが、図7に示す如き横方向Yに沿う断面視において、非集積部5の横方向Yの中央部から横方向Yの外方に向かうに従って漸次増加するようになる。非集積部5における両シート41,42の接合部が、このような、横方向Yの中央部の厚みが相対的に薄く、両側部の厚みが相対的に厚い構造(アーチ構造)を有していると、該接合部自体の外力に対する抵抗力が向上するため、吸収性コア40の保形性の向上に繋がる。
このような、両シート41,42のアーチ構造の接合部による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、非集積部5の横方向Yの中央における該接合部の厚みをT1とし、該非集積部5の横方向Yの端部における該接合部の厚みをT2とした場合、厚みT1<厚みT2となることが好ましい。
吸収性コア40に、コア形成材料(吸収性材料)として、木材パルプなどの繊維材料と吸水性ポリマー(吸水性ポリマー粒子)が含有されている場合、テーパー部40Bにおける、吸水性ポリマーに対する繊維材料の含有質量比(繊維材料の質量/吸水性ポリマーの質量)は、定幅部40Aにおけるそれよりも低いことが好ましい。即ち、テーパー部40Bは、定幅部40Aに比して、吸水性ポリマーの含有量が少ないことが好ましい。非集積部5と横方向Yにおいて隣接するテーパー部40Bに、液吸収による膨潤度が繊維材料よりも大きな吸水性ポリマーが多量に含有されていると、尿等の排泄液の吸収後にテーパー部40Bが大きく膨らみ、それによって非集積部5の幅や形状が大きく変化してしまい、非集積部5による所定の効果の発現が阻害されることが懸念されるが、前記の通り、吸水性ポリマーに対する繊維材料の含有質量比に関して、「テーパー部40B<定幅部40A」なる大小関係が成立していることにより、テーパー部40Bの液吸収後の膨潤が抑制されるので、斯かる懸念が払拭される。
定幅部40A及びテーパー部40Bを有する吸収性コア40は、積繊装置を用いた従来公知の吸収性コアの製造方法に準じて製造することができる。具体的には例えば、積繊装置を用い、空気流に乗せて供給した繊維材料及び吸水性ポリマー粒子を、回転ドラムの外周面に形成された成形型上に吸引して堆積させて吸収性コア40を得る方法において、該成形型として、非集積部5に対応する部位が周辺部に比して上方に突出し、且つ該部位が、上方に向かって幅が漸次減少する形状(テーパー部40Bとは幅の減少方向が逆である逆テーパー状)をなしている成形型を用いることで製造することができる。また、テーパー部40Bは、定幅部40Aに比して、含有されている吸水性ポリマー粒子が脱落しやすいため、吸収性コア40の製造時において、前記の「(定幅部40Aにおける吸水性ポリマーに対する繊維材料の含有質量比)>(テーパー部40Bにおける吸水性ポリマーに対する繊維材料の含有質量比)」なる大小関係を成立させるための特段の工夫をしなくても、常法通りに吸水性ポリマー粒子が全体に均一分布した吸収性コア40を製造すれば、その製造後から使用されるまでの期間に、テーパー部40Bから多くの吸水性ポリマー粒子が脱落するため、吸収性コア40の使用時即ちおむつ1の着用時には、前記大小関係が成立している。
尚、前述した吸収体4のグラデーション領域4G(図4参照)は、テーパー部40Bを有する吸収性コア40を、該吸収性コア40の厚み方向に圧縮することで形成される。こうして形成されたグラデーション領域4Gを有する吸収性コア40は、斯かる圧縮によってテーパー部40Bが変形してそのテーパー形状が崩れるため、テーパー部40Bを有していない。
以上、本発明について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。本発明の使い捨ておむつは、前記実施形態の如き展開型の使い捨ておむつに制限されず、体液の吸収に用いられるおむつ全般に適用することができ、例えば、パンツ型の使い捨ておむつに適用することができる。パンツ型の使い捨ておむつは、典型的には、液保持性の吸収体と、該吸収体の肌対向面側に配された表面シートと、該吸収体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、腹側部及び背側部それぞれの該外装体の縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成された構成を有する。前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1> 液保持性の吸収体及び該吸収体の肌対向面側に配された表面シートを備え、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有し、また、着用時に該股間部に対向配置される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とを有する使い捨ておむつであって、
前記吸収体は、吸収性材料を含むコア形成材料が集積された吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する不織布製の肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する不織布製の非肌側コアラップシートとを含んで構成され、且つ展開且つ伸長状態の前記おむつを縦方向に二等分する縦中心線を跨いで腹側部から背側部にわたって縦方向に延在しており、
前記吸収性コアに、前記コア形成材料の非集積部が複数形成されており、各該非集積部の縦方向長さが、前記吸収体の縦方向長さの1/5以下であり、
複数の前記非集積部のうちの少なくとも1個において前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが接合されており、
下記<領域I~Vの決定方法>に従って、前記おむつに領域I~Vを設定した場合に、領域II及びIIIに存在する全ての前記非集積部を横方向に投影したときに形成される投影像が、該領域II及びIIIの縦方向の全長にわたって連続している使い捨ておむつ。
<領域I~Vの決定方法>
展開且つ伸長状態の前記おむつにおいて、前記吸収体の腹側部側の縦方向端を通って横方向に延びる1本の仮想直線を基準線とし、該基準線よりも背側部側に、該基準線に対して平行な5本の仮想直線を等間隔に引く。この仮想直線どうしの間隔は、前記縦中心線から前記吸収体の腹側部側の縦方向端までの縦方向長さを5で除し、さらに2倍した値とする。これら6本の仮想直線によって5つに区分された領域を、前記基準線に近いものから順に、領域I、領域II、領域III、領域IV、領域Vとする。
<2> 複数の前記非集積部の少なくとも1個、好ましくは全部が、前記吸収性コアを厚み方向に貫通する貫通孔である前記<1>に記載の使い捨ておむつ。
<3> 複数の前記非集積部の縦方向長さが、前記吸収体の縦方向長さに対して、好ましくは1/6以下、さらに好ましくは1/7以下である前記<1>又は<2>に記載の使い捨ておむつ。
<4> 複数の前記非集積部の少なくとも1個、好ましくは全部において、該非集積部の面積に占める、前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとの接合部の面積の割合である、接合部占有率が、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、より好ましくは100%である前記<1>~<3>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<5> 前記吸収性コアに形成されている全ての前記非集積部のうち、横方向長さが最長の非集積部が、前記領域II又はIIIに存在する前記<1>~<4>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<6> 前記吸収性コアに形成されている全ての前記非集積部のうち、縦方向長さが最長の非集積部が、前記領域II又はIIIに存在する前記<1>~<5>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<7> 複数の前記非集積部のうち縦方向長さが最長の非集積部(最大長非集積部)を含む、前記非集積部の縦方向長さが、好ましくは20mm以上、さらに好ましくは30mm以上、そして、好ましくは70mm以下、さらに好ましくは50mm以下である前記<1>~<6>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<8> 複数の前記非集積部のうち横方向長さが最長の非集積部(最大幅非集積部)を含む、前記非集積部の横方向長さが、好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは1mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下である前記<1>~<7>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<9> 前記領域II及びIIIに存在する前記非集積部の総数が、前記領域I及びIVのそれよりも多い前記<1>~<8>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<10> 前記領域II及びIIIに存在する前記非集積部の総数が、好ましくは3対以上、さらに好ましくは5対以上、そして、好ましくは100対以下、さらに好ましくは50対以下である前記<1>~<9>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<11> 前記領域II及びIIIに存在する前記非集積部の総面積(S1)が、前記領域I及びIVのそれ(S2)よりも大きい前記<1>~<10>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<12> 前記領域II及びIIIに存在する前記非集積部の総面積(S1)と前記領域I及びIVに存在する前記非集積部の総面積(S2)との比率が、前者(S1)>後者(S2)を前提として、前者(S1)/後者(S2)として、好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.5以上、そして、好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下である前記<1>~<11>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<13> 複数の前記非集積部の少なくとも1個が前記領域II及びIIIを跨ぐように存在する前記<1>~<12>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<14> 前記吸収体を横方向に二等分して縦方向に延びる横中心線の横方向両側それぞれに前記非集積部が存在する前記<1>~<13>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<15> 前記領域II及びIIIにおいて、前記横中心線の横方向両側それぞれに前記非集積部が存在する前記<14>に記載の使い捨ておむつ。
<16> 前記非集積部が、前記吸収体を横方向に二等分して縦方向に延びる横中心線を対称軸として線対称に形成されている前記<1>~<15>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<17> 前記領域Vに前記非集積部が存在しない前記<1>~<16>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<18> 前記吸収性コアに形成されている全ての前記非集積部において前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが接合されている前記<1>~<17>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<19> 前記吸収体が、前記非集積部の横方向両側に、該非集積部から横方向外方に向かうに従って該吸収体の坪量が漸次増加するグラデーション領域を有している前記<1>~<18>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<20> 前記グラデーション領域の横方向長さが、前記非集積部の横方向長さよりも長い前記<19>に記載の使い捨ておむつ。
<21> 前記グラデーション領域の横方向長さと前記非集積部の横方向長さとの比率が、前者>後者を前提として、前者/後者として、好ましくは0.7以上、さらに好ましくは1以上、そして、好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下である前記<19>又は<20>に記載の使い捨ておむつ。
<22> 前記非集積部が存在する領域に位置する前記表面シートの坪量が、好ましくは30g/m以上、さらに好ましくは35g/m以上、そして、好ましくは70g/m以下、さらに好ましくは50g/m以下である前記<1>~<21>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<23> 前記非集積部が存在する領域に位置する前記表面シートの厚みが、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは1.2mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下である前記<1>~<22>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<24> 前記非集積部の少なくとも1個、好ましくは全部において、該非集積部の横方向長さが、前記吸収体の肌対向面から非肌対向面に向かうに従って漸次増加している前記<1>~<23>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<25> 前記吸収性コアが、横方向長さが該吸収性コアの厚み方向において一定である定幅部と、横方向長さが該吸収性コア(前記吸収体)の肌対向面から非肌対向面に向かうに従って漸次減少するテーパー部とを有し、該テーパー部が、前記非集積部と横方向において隣接しており、
前記吸収性コアに、前記吸収性材料として、繊維材料及び吸水性ポリマーが含有されており、前記テーパー部における、該吸水性ポリマーに対する該繊維材料の含有質量比、即ち、繊維材料の質量/吸水性ポリマーの質量が、前記定幅部におけるそれよりも低い前記<1>~<24>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<26> 前記吸収性コアにおける前記非集積部以外の部分の厚みが、好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは8mm以下である前記<1>~<25>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
<27> 前記吸収性コアにおける前記非集積部以外の部分の坪量が、好ましくは150g/m以上、さらに好ましくは200g/m以上、そして、好ましくは700g/m以下、さらに好ましくは600g/m以下である前記<1>~<26>のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
1 使い捨ておむつ
F 腹側部
M 股下部
R 背側部
2 表面シート
3 裏面シート
4,4A,4B,4C 吸収体
40 吸収性コア
40A 定幅部
40B テーパー部
41 肌側コアラップシート
42 非肌側コアラップシート
4G グラデーション領域
5,5A,5B,5C,5D,5E,5F,5G 非集積部
X 縦方向
Y 横方向

Claims (13)

  1. 液保持性の吸収体及び該吸収体の肌対向面側に配された表面シートを備え、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有し、また、着用時に該股間部に対向配置される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とを有する使い捨ておむつであって、
    前記吸収体は、吸収性材料を含むコア形成材料が集積された吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する不織布製の肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する不織布製の非肌側コアラップシートとを含んで構成され、且つ展開且つ伸長状態の前記おむつを縦方向に二等分する縦中心線を跨いで腹側部から背側部にわたって縦方向に延在しており、
    前記吸収性コアに、前記コア形成材料の非集積部が複数形成されており、各該非集積部の縦方向長さが、前記吸収体の縦方向長さの1/5以下であり、
    複数の前記非集積部のうちの少なくとも1個において前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが接合されており、
    下記<領域I~Vの決定方法>に従って、前記おむつに領域I~Vを設定した場合に、領域II及びIIIに存在する全ての前記非集積部を横方向に投影したときに形成される投影像が、該領域II及びIIIの縦方向の全長にわたって連続している使い捨ておむつ。
    <領域I~Vの決定方法>
    展開且つ伸長状態の前記おむつにおいて、前記吸収体の腹側部側の縦方向端を通って横方向に延びる1本の仮想直線を基準線とし、該基準線よりも背側部側に、該基準線に対して平行な5本の仮想直線を等間隔に引く。この仮想直線どうしの間隔は、前記縦中心線から前記吸収体の腹側部側の縦方向端までの縦方向長さを5で除し、さらに2倍した値とする。これら6本の仮想直線によって5つに区分された領域を、前記基準線に近いものから順に、領域I、領域II、領域III、領域IV、領域Vとする。
  2. 前記吸収性コアに形成されている全ての前記非集積部のうち、横方向長さが最長の非集積部が、前記領域II又はIIIに存在する請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記吸収性コアに形成されている全ての前記非集積部のうち、縦方向長さが最長の非集積部が、前記領域II又はIIIに存在する請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記領域II及びIIIに存在する前記非集積部の総数が、前記領域I及びIVのそれよりも多い請求項1~3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記領域II及びIIIに存在する前記非集積部の総面積が、前記領域I及びIVのそれよりも大きい請求項1~4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 複数の前記非集積部の少なくとも1個が前記領域II及びIIIを跨ぐように存在する請求項1~5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  7. 前記吸収体を横方向に二等分して縦方向に延びる横中心線の横方向両側それぞれに前記非集積部が存在する請求項1~6のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  8. 前記領域II及びIIIにおいて、前記横中心線の横方向両側それぞれに前記非集積部が存在する請求項7に記載の使い捨ておむつ。
  9. 前記非集積部が、前記吸収体を横方向に二等分して縦方向に延びる横中心線を対称軸として線対称に形成されている請求項1~8のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  10. 前記領域Vに前記非集積部が存在しない請求項1~9のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  11. 前記吸収性コアに形成されている全ての前記非集積部において前記肌側コアラップシートと前記非肌側コアラップシートとが接合されている請求項1~10のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  12. 前記吸収体が、前記非集積部の横方向両側に、該非集積部から横方向外方に向かうに従って該吸収体の厚みが漸次増加するグラデーション領域を有している請求項1~11のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  13. 前記非集積部の少なくとも1個において、該非集積部の横方向長さが、前記吸収体の肌対向面から非肌対向面に向かうに従って漸次増加している請求項1~12のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
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