JP7452976B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ等の吸収性物品は、一般に、相対的に着用者の肌から近い位置に配される表面シートと、相対的に着用者の肌から遠い位置に配される裏面シートと、両シート間に介在する吸収体とを備える。吸収体は、典型的には、木材パルプ等の吸水性材料を主体とする吸収性コアと、該吸収性コアの外面を被覆するコアラップシートとを含んで構成される。吸収体は、尿等の体液の排泄位置に配置される。従来、排泄位置から着用者の前後方向への体液の拡散性を向上させるなどの目的で、吸収性コアにおける排泄位置に対応する部分に、吸収性コアを厚み方向に貫通し着用者の前後方向に延びるスリット部を形成することが知られている(特許文献1~3)。
特許文献1記載の吸収性物品では、スリット部が形成された吸収性コアの肌対向面側に、コアラップシートとして、1層の不織布層が配置されるとともに、該吸収性コアの非肌対向面側に、コアラップシートとして、2層の不織布層がホットメルト接着剤を介して連結された連結部が配置され、且つ該スリット部を介して対向する該1層の不織布層と該連結部とがホットメルト接着剤を介して接着されている。特許文献1記載の吸収性物品によれば、前記連結部がスリット部の間隔を保持するスペーサーとして作用し、着用時におけるスリット部の潰れを抑制できるとされている。
特許文献2記載の吸収性物品では、スリット部が形成された吸収性コアの肌対向面側に1層の上層側コアラップシートが配置されるとともに、該吸収性コアの非肌対向面側に1層の下層側コアラップシートが配置され、且つ該上層側コアラップシートの肌対向面側から該スリット部に対しエンボスを施すことにより、該スリット部においてこれら2層のコアラップシートどうしが一体化されている。特許文献2記載の吸収性物品によれば、スリット部の形状が維持され、吸収体のヨレや割れを防止できるとされている。
特許文献3記載の吸収性物品では、吸収体の非肌対向面側における、該吸収体に形成されたスリット部(凹溝)と重なる領域に、補強用接着剤層が設けられるともに、該吸収体の非肌対向面側における該補強用接着剤層以外の領域に、該吸収体と裏面シートとを接合するための接合用接着剤層が設けられている。特許文献3記載の吸収性物品によれば、補強用接着剤層の作用により、吸収性物品の着用中の脚圧などによるスリット部の潰れや変形を防止できるとされている。
特開2017-64134号公報 特開2016-174741号公報 特開2015-119922号公報
特許文献1~3には前述したとおり、吸収性コアの肌対向面側に配置されたコアラップシートと非肌対向面側に配置されたコアラップシートとを、該吸収性コアに設けられたスリット部を介して、接着剤又はエンボスによる融着によって接合する技術が記載されている。しかしこれらの従来技術では、スリット部におけるコアラップシートどうしの接合強度が十分ではないため、吸収性コアの吸液に伴う膨潤によって、スリット部におけるコアラップシートどうしの接合部が破壊されてしまい、吸収体の壊れを誘発するおそれがあった。
したがって本発明の課題は、吸収性コアにスリット部が形成され、該スリット部を介して対向するコアラップシートどうしが接合された吸収体を具備する吸収性物品において、該コアラップシートどうしの接合強度が高く、着用中に吸収体の壊れが発生し難い吸収性物品を提供することに関する。
本発明は、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、該股下部を通って該縦方向に延びる吸収体を具備する吸収性物品である。
本発明の吸収性物品の一実施形態においては、前記吸収体は、体液を吸収保持する吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを含んで構成される。
本発明の吸収性物品の一実施形態においては、両コアラップシートは不織布からなる。
本発明の吸収性物品の一実施形態においては、前記吸収性コアに、該吸収性コアを厚み方向に貫通し前記縦方向に延びるスリット部が形成されている。
本発明の吸収性物品の一実施形態においては、前記スリット部と平面視で重なる領域において、該スリット部の肌対向面側に前記肌側コアラップシートからなる不織布層が1層存在するとともに、該スリット部の非肌対向面側に前記非肌側コアラップシートからなる不織布層が2層存在する。
本発明の吸収性物品の一実施形態においては、前記スリット部に、前記3層の不織布層が互いに融着した融着部が存在する。
本発明の他の特徴、効果及び実施形態は、以下に説明される。
本発明によれば、吸収性コアにスリット部が形成され、該スリット部を介して対向するコアラップシートどうしが接合された吸収体を具備する吸収性物品において、該コアラップシートどうしの接合強度が高く、着用中に吸収体の壊れが発生し難い吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である展開型使い捨ておむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側(表面シート側)を模式的に示す展開平面図である。なお、ここでいう「展開且つ伸長状態」とは、おむつを図1に示す如き展開状態とし、その展開状態のおむつを各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。 図2は、図1のI-I線断面(厚み方向に沿って横方向に切断した場合の断面)を模式的に示す横断面図である。 図3は、図1に示すおむつにおける吸収体の肌対向面側を模式的に示す平面図である。 図4は、図3のII-II線断面(厚み方向に沿って横方向に切断した場合の断面)を模式的に示す横断面図である。 図5は、本発明に係るスリット部の一例を模式的に示す平面図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
吸収性物品(おむつ1)は、着用者の前後方向、すなわち腹側から股間部を介して背側に延びる方向に対応する縦方向(X)と、該縦方向(X)に直交する横方向(Y)とを有する。以下の説明において、特に説明しない限り、縦方向(X)は、吸収性物品の縦方向(X)又はその構成部材(例えば吸収体)における縦方向(X)に沿う方向であり、横方向(X)は、吸収性物品の横方向(X)又はその構成部材における横方向(X)に沿う方向である。
吸収性物品(おむつ1)は、着用者の股間部に配され、着用者の陰茎等の排泄部に対向する排泄部対向部(図示せず)を含む股下部(B)と、該股下部(B)よりも着用者の腹側(前側)に配される腹側部(A)と、該股下部(B)よりも着用者の背側(後側)に配される背側部(C)との3つに区分される。
図1及び図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつ1が示されており、おむつ1は前記の構成を備えている。
おむつ1はいわゆる展開型の使い捨ておむつであり、おむつ1の背側部Cの縦方向Xに沿う両側縁部に、止着部7を有する止着部材8が設けられているとともに、腹側部Aの非肌対向面に止着部7が止着可能な止着領域9が設けられている。
おむつ1は、股下部Bを通って縦方向Xに延びる吸収体10を具備する。吸収体10は、おむつ1の着用者が排泄した尿等の体液を吸収保持するものである。本実施形態では、おむつ1は、吸収体10を備えた吸収性本体2と、該吸収性本体2の周縁から外方に延出するフラップ部5とを具備する。
吸収性本体2は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート3、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート4、及び両シート3,4間に介在配置された液保持性の吸収体10を具備し、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。吸収性本体2は、腹側部Aから背側部Cにわたって縦方向Xに延在している。表面シート3及び裏面シート4としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。表面シート3としては例えば、各種の不織布、開孔フィルムを用いることができる。裏面シート4としては例えば、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体を用いることができる。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌から近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌から遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。本願の図2及び図4(厚み方向に沿う断面図)においては、各構成部材(例えば吸収体10)の上面(相対的に上方に位置する面)が肌対向面、下面(相対的に下方に位置する面)が非肌対向面である。
フラップ部5は、吸収性本体2の周縁から外方に延出した部材によって構成されており、吸収体10の非配置部である。本実施形態では、図2に示すように、表面シート3は、吸収体10の肌対向面の全域を被覆し、裏面シート4は、吸収体10の非肌対向面の全域を被覆し、両シート3,4は更に、吸収性本体2の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、後述する防漏カフ形成用シート60とともにフラップ部5の一部(吸収性本体2の縦方向Xに沿う両側縁及び該両側縁の仮想延長線から横方向Yの外方に延出するサイドフラップ部)を形成している。フラップ部5を構成する複数の部材どうしは、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。
図1及び図2に示すように、吸収性本体2の縦方向Xに沿う両側部それぞれに沿って、着用時に着用者の肌側に向かって起立する防漏カフ6が配されている。より具体的には、吸収性本体2の肌対向面における縦方向Xに沿う両側部に、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の防漏カフ形成用シート60を含んで構成された一対の防漏カフ6,6が配されている。これら一対の防漏カフ形成用シート60,60は、それぞれ、横方向Yの一端側が他の部材(図示の形態では表面シート3及び裏面シート4)に固定されて固定端部、横方向Yの他端側が他の部材に非固定の自由端部とされ、その自由端部に糸状又は帯状の防漏カフ形成用弾性部材61が縦方向Xに伸縮可能に配置されている。おむつ1の着用時には、防漏カフ形成用弾性部材61の収縮力により、少なくとも股下部Bにおいて、防漏カフ形成用シート60の自由端部側が、他の部材との固定部62を起立基端として着用者側に起立し、斯かる防漏カフ6の起立により、尿等の排泄物の横方向Yの外方への流出が阻止される。
腹側部A及び背側部Cそれぞれの縦方向Xの端部すなわちウエスト端部におけるフラップ部5には、複数の糸状又は帯状の胴周りギャザー形成用弾性部材51が横方向Yに伸縮可能に配され、それら複数の弾性部材51は縦方向Xに所定間隔を置いて間欠配置されている。前記ウエスト端部は、弾性部材51を横方向Yに伸長させた状態で、該ウエスト端部を構成するシート(本実施形態では表面シート3及び裏面シート4)に接着剤等の接合手段により接合した後、弾性部材51を伸長状態から解放することで作製されている。おむつ1の着用時には、弾性部材51の収縮により、前記ウエスト端部にその全周にわたって実質的に連続した環状の胴周りギャザーが形成される。また、フラップ部5における、おむつ1の着用時に着用者の脚周りに配されるレッグ部には、縦方向Xに伸長可能なレッグギャザー形成用弾性部材52が、少なくとも股下部Bの縦方向Xの全長にわたって縦方向Xに延在している。前記レッグ部は、弾性部材52を縦方向Xに伸長させた状態で、該レッグ部を構成するシート(本実施形態では防漏カフ形成用シート60及び裏面シート4)に接着剤等の接合手段により接合した後、弾性部材52を伸長状態から解放することで作製されている。おむつ1の着用時には、弾性部材52の収縮により、前記レッグ部にレッグギャザーが形成される。
吸収体10は、図3及び図4に示すように、体液を吸収保持する吸収性コア11と、該吸収性コア11の肌対向面を被覆する肌側コアラップシート12と、該吸収性コア11の非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシート13とを含んで構成されている。本実施形態では、吸収性コア11は、図3に示す如き平面視において、股下部Bに位置する縦方向Xの中央部が括れた砂時計状をなし、縦方向Xに長い形状を有している。
吸収性コア11は、吸収体10の主体をなす部材であり、吸水性材料を含んで構成されている。吸水性材料としては、吸水性繊維及び吸水性ポリマーが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。吸収性コア11は、典型的には、吸水性繊維を含む繊維集合体からなるか、又は該繊維集合体に粒子状の吸水性ポリマーを保持させた形態である。
吸水性繊維としては、例えば、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材パルプ、綿パルプや麻パルプ等の非木材パルプ等の天然繊維;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ(以上、セルロース系繊維);親水性合成繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。吸収性コア11が含有する吸水性繊維は、典型的にはセルロース系繊維である。
吸水性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の吸水性ポリマーの形状は特に限定されず、例えば、球状、塊状、俵状、不定形状であり得る。吸水性ポリマーは、典型的には、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を主体とする。その例としては、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリメタクリル酸及びその塩が挙げられ、具体的には、アクアリックCA、アクアリックCAW(ともに(株)日本触媒社製)等のアクリル酸重合体部分ナトリウム塩が挙げられる。
肌側コアラップシート12及び非肌側コアラップシート13は、それぞれ、不織布からなる。この種のコアラップシートとしては紙が用いられる場合があるが、一般に、不織布は紙よりも破断伸度が大きく、そのため吸収性コア11が変形しても破れにくいため、コアラップシートとして有用である。両コアラップシート12,13を構成する不織布としては、透水性を有するものが好ましく、例えば、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS)不織布が挙げられる。これらの不織布は、親水化処理が施された繊維からなる親水性不織布であってもよい。
両コアラップシート12,13は、1)1枚の連続したシートであってもよく、2)それぞれ別体のシートであってもよい。前記1)の場合は例えば、吸収性コア11の横方向Yの長さの2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の連続したコアラップシートを用いることができる。前記2)の場合は、肌側コアラップシート12と非肌側コアラップシート13とで、材質(不織布の種類)、坪量、平面視における大きさ等は互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
本実施形態では、両コアラップシート12,13の形態として、前記1)が採用されている。具体的には図4に示すように、1枚のコアラップシートが、吸収性コア11の肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア11の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア11の下方に巻き下げられて、吸収性コア11の非肌対向面の全域を被覆している。この1枚のコアラップシートにおいて、吸収性コア11の肌対向面を被覆する部分が肌側コアラップシート12、吸収性コア11の非肌対向面を被覆する部分が非肌側コアラップシート13である。
図1~図4に示すように、吸収性コア11には、該吸収性コア41を厚み方向に貫通し縦方向Xに延びるスリット部15が形成されている。スリット部15は、底部を有しない溝であり、典型的には、吸水性材料をはじめとする吸収性コアの形成材料が存在しない領域である。ただし、周辺部から脱落した吸収性コアの形成材料がスリット部15に入り込むなどして、スリット部15に吸収性コアの形成材料が存在する場合があり得る。斯かる場合、スリット部15における吸収性コアの形成材料の坪量は、周辺部(例えば当該スリット部15から縦方向X又は横方向Yに10mm以内の領域)に比べて低く、例えば、周辺部の坪量に対して、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。
スリット部15は、おむつ1の着用時の違和感の低減、液の取り込み性や拡散性の向上等に寄与する。すなわちスリット部15は、これを具備する吸収性コア11が体圧等の外力を受けて屈曲するなどして変形する際の変形誘導部(可撓軸)として機能し、これにより吸収体10の着用者の身体形状に沿う変形が促され、結果として、おむつ1の着用時の違和感が低減され、着用感及びフィット性が向上し得る。またスリット部15は、吸収体10の吸収対象である尿等の排泄物の流路として機能し、排泄物の面方向における拡散を促進し、吸収体10の液吸収性能の有効活用に寄与し得る。スリット部15はこのような役割を担うものであることから、吸収性コア11において体圧等の外力を受けやすく且つ排泄物が集中しやすい部位に配置されることが好ましい。そのような観点から、スリット部15は、吸収性コア11における股下部Bに位置する部分に配置されることが好ましい。
本実施形態では、図1に示すように、股下部Bに複数のスリット部15が横方向Yに間欠配置されている。より具体的には、本実施形態のスリット部15は、展開且つ伸長状態のおむつ1又は吸収性コア11を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる横中心線CLyを基準として対称に形成され、横中心線CLyの両側に一対形成されている。この一対のスリット部15は、それぞれ、平面視において縦方向Xに長い形状、具体的には長方形形状を有している。スリット部15は、股下部Bから腹側部Aに延出してもよく、また、股下部Bから背側部Cに延出してもよい。
スリット部15の縦方向Xの長さ15L(図3参照)は、吸収体10又は吸収性コア11の縦方向Xの長さ(全長)の20~70%、特に30~60%であることが好ましい。例えば、吸収体10又は吸収性コア11の縦方向Xの全長が370mmである場合に、スリット部15の縦方向Xの長さ15Lが140mmであるとよい。
スリット部15の横方向Yの長さすなわち幅15W(図3参照)は、吸収性コア11の横方向Yの最大長さすなわち最大幅の2~20%、特に4~10%であることが好ましい。例えば、吸収性コア11の最大幅が120mmであり、該吸収性コア11の括れ部11N(図3参照)における最小幅が70mmである場合に、スリット部の幅15Wが5mmであるとよい。
括れ部11Nは、吸収性コア11における、当該部分(括れ部11N)を挟んで前後に位置する部分に比べて幅(横方向Yの長さ)が短い部分である。本実施形態では図3に示すように、括れ部11Nは、該括れ部11Nの縦方向Xの全長にわたって幅が一定ではなく、幅が最小となる最小幅部11Naを有している。最小幅部11Naは、少なくとも股下部Bに位置している。
本実施形態では、横方向Yに間欠配置された複数のスリット部15と、吸収性コア11の最小幅部11Naを横方向Yに複数に等分して縦方向Xに仮想的に延びる複数の直線(以下、「最小幅部等分直線」ともいう。)とが、1対1で対応している。ここでいう「1対1で対応」とは、1個のスリット部15が1本の前記最小幅部等分直線上に位置しているか、又は1本の前記最小幅部等分直線から5mm以内の領域に位置していることを意味する。図3を参照して更に説明すると、本実施形態では、横方向Yに一対すなわち2個のスリット部15が間欠配置されているところ、この2個のスリット部15のそれぞれの横方向Yの中心を通じて縦方向Xに仮想的に延びる2本のスリット部横中心線(図示せず)は、前記最小幅部等分直線であり、吸収性コア11の最小幅部11Naを横方向Yに略3等分している。スリット部15が最小幅部11Naとの関係でこのように配置されていることで、スリット部15による作用効果がより一層確実に奏され得る。例えば、最小幅部11Naの幅(横方向Yの長さ)が70mmである場合に、横方向Yに隣り合う2本の前記スリット部横中心線(前記最小幅部等分直線)どうしの横方向Yの間隔が23mmであるとよい。
なお本発明では、スリット部15の数は特に制限されず、1個でもよく、3個以上でもよい。また、複数のスリット部15は横中心線CLyに対して対称に形成されていなくてもよい。また、複数のスリット部15どうしは、平面視における形状及び寸法が互いに異なっていてもよい。また本実施形態では、スリット部15の横方向Yの長さ(幅)は、該スリット部15の縦方向X(長手方向)の全長にわたって一定であるが、一定でなくてもよい。
吸収性コア11は、回転ドラムを備えた公知の積繊装置を用いて常法に従って製造することができる。積繊装置は、典型的には、外周面に集積用凹部が形成された回転ドラムと、該集積用凹部にコア形成材料(吸水性繊維、吸水性ポリマー)を搬送する流路を内部に有するダクトとを備え、該回転ドラムをそのドラム周方向に沿って回転軸周りに回転させつつ、該回転ドラムの内部側からの吸引によって該流路に生じた空気流に乗って搬送された該コア形成材料を、該集積用凹部に積繊させるようになされている。斯かる積繊工程によって集積用凹部内に形成される積繊物は、吸収性コア11である。吸収性コア11は、コア形成材料の積繊体ということができる。スリット部15は、斯かる積繊工程において、該形成材料の積繊を意図的に阻害して形成された部位である。スリット部15を有する吸収性コア11は、前記集積用凹部として、該集積用凹部の底部におけるスリット部15に対応する部位が周辺部に比して該回転ドラムの径方向外方に突出しているものを用いることで製造することができる。斯かる方法で得られた吸収性コア11において、形成材料が存在しないか又は周辺部よりも低坪量で存在する部分がスリット部15である。
吸収体10では、図4に示すように、スリット部15と平面視で重なる領域において、スリット部15の肌対向面側に肌側コアラップシート12からなる不織布層が1層存在するとともに、スリット部15の非肌対向面側に非肌側コアラップシート13からなる不織布層が2層存在している。図4中、符号130で示した部分は、非肌側コアラップシート13からなる不織布層が2層存在する部分(以下、「2層部分」ともいう。)である。そして、スリット部15には、前記3層の不織布層、すなわち肌側コアラップシート12からなる1層の不織布層と非肌側コアラップシート13からなる2層の不織布層(2層部分130)との計3層が互いに融着した融着部16が存在する。
融着部16は、吸収体10におけるスリット部15の形成位置に対し、両コアラップシート12,13の構成繊維の溶融を伴う圧搾加工を施すことによって形成することができる。両コアラップシート12,13は前述したとおり不織布からなり、その構成繊維は、典型的には、熱可塑性樹脂をはじめとする合成樹脂からなる合成繊維である。前記圧搾加工としては、公知の方法を特に制限無く用いることができ、例えば、熱を伴うエンボス加工、超音波エンボス加工が挙げられる。
本実施形態では、2層部分130は、図4に示すように、横方向Yに関しては、横方向Yに間欠配置された複数(図示の形態では2個)のスリット部15のうちの横方向Yの一方側の最外方に位置するものと平面視で重なる位置から、横方向Yの他方側の最外方に位置するものと平面視で重なる位置にわたって延在している。したがって本実施形態では、横方向Yに隣り合う複数のスリット部15どうしの間と平面視で重なる領域に、非肌側コアラップシート13からなる2層の不織布層(2層部分130)が存在する。また2層部分130は、縦方向Xに関しては、吸収性コア11の縦方向Xの全長にわたって延在している。2層部分130を構成する2層の不織布層(非肌側コアラップシート13)どうしは、接着剤を介して接合されていてもよい。
おむつ1は、前述した構成の吸収体10を具備する点で特徴付けられる。特に特徴的な構成として、下記(1)及び(2)が挙げられる。
(1)吸収性コア11に、該吸収性コア11を厚み方向に貫通し縦方向Xに延びるスリット部15が形成されている。
(2)スリット部15に、肌側コアラップシート12からなる1層の不織布層と非肌側コアラップシート13からなる2層の不織布層(2層部分130)との計3層が互いに融着した融着部16が存在する。
おむつ1は前記(1)を具備することにより、前述したスリット部15の機能に起因する効果を奏する。すなわち、スリット部15は吸収体10の変形誘導部として機能するので、スリット部15が形成された吸収体10はおむつ1の着用時において着用者の身体形状に沿うように変形しやすく、そのため、おむつ1は着用感及びフィット性に優れる。また、スリット部15は尿等の排泄物の流路として機能するので、縦方向Xに延びるスリット部15が形成された吸収体10においては、排泄物の縦方向Xへの拡散が促進される。そのため、おむつ1は吸収体10の利用効率に優れる。
また、おむつ1は前記(2)を具備することにより、スリット部15を介して対向するコアラップシート12,13(不織布層)どうしの接合強度が高く、着用中に吸収体10の壊れが発生し難い。特におむつ1では、スリット部15において3層の不織布層が融着によって互いに接合されているため、3層の不織布層が融着ではなく接着剤によって互いに接合されている場合(特許文献1参照)や、3層ではなく2層の不織布層が融着によって互いに接合されている場合(特許文献2参照)に比べて、不織布層どうしの接合強度が高く、吸収性コア11が吸液により膨潤しても融着部16が破壊され難く、不織布層(コアラップシート12,13)の剥がれが起こり難い。
特に本実施形態では、前述したとおり図4に示す如くに、横方向Yに隣り合う複数(図4では一対)のスリット部15どうしの間と平面視で重なる領域に、非肌側コアラップシート13からなる2層の不織布層(2層部分130)が存在するため、液の拡散性に優れるという効果が奏される。
本実施形態では、融着部16は、図4に示すように、吸収性コア11(吸収体10)の厚み方向(図中符号Zで示す方向)の中央よりも該吸収性コア11の非肌対向面(非肌側コアラップシート13)に近い側に位置している。このように、吸収性コア11の非肌対向面側に融着部16を位置させることは、融着部16を形成するための前記圧搾加工において、吸収体10におけるスリット部15の形成位置をその肌対向面側から非肌対向面側に向かって圧搾する、すなわち肌側コアラップシート12を非肌側コアラップシート13に押し付けることによって実現できる。融着部16は比較的硬くて肌触りが悪く、また、液透過性が低くて一旦液が付着すると残留しやすい部位であるため、融着部16が、吸収性コア11の厚み方向の中央よりも該吸収性コア11の肌対向面(肌側コアラップシート12)に近い側に位置していると、肌触りの低下、肌への体液の付着などの不都合が生じることが懸念される。これに対し本実施形態では、融着部16が吸収性コア11の非肌対向面側に位置していることで、斯かる懸念が払拭されている。
スリット部15には接着剤が存在しないことが好ましい。スリット部15に接着剤が存在せず、したがって、スリット部15を介して対向するコアラップシート12,13(不織布層)どうしが接着剤を介さずに融着されることで、融着部16での不織布層どうしの強力な接合が一層確実に得られるようになるとともに、スリット部15での液の引き込み性が一層向上し得る。ここでいう、「接着剤が存在しない」には、融着部16での不織布層どうしの接合強度やスリット部15での液の引き込み性に実質的に影響を及ぼさないような、ごく少量の接着剤がスリット部15に存在する場合が包含される。つまり、スリット部15に存在する接着剤がそのようなごく少量である場合、具体的には、塗布量が好ましくは2g/m以下、より好ましくは1g/m以下である場合は、「接着剤が存在しない」と言える。
吸収性コア11と肌側コアラップシート12及び非肌側コアラップシート13とは、スリット部15の非形成領域(スリット部15と平面視で重ならない領域)にて接着剤を介して接合されていることが好ましい。斯かる構成により、両コアラップシート12,13どうしがスリット部15で融着部16にて融着されていることと相俟って、吸収性コア11の保形性が一層向上し、吸収体10の壊れが一層確実に防止され得る。接着剤の種類は特に制限されず、この種の吸収性物品で部材どうしの接合に通常用いられるものを特に制限無く用いることができ、例えば、ホットメルト接着剤が挙げられる。また、接着剤の塗布パターンは特に制限されず、吸収性コア11の肌対向面側及び非肌対向面側のそれぞれにおけるスリット部15の非形成領域に対し、その全域に接着剤を隙間なく塗布(いわゆるべた塗り)してもよく、あるいは、接着剤の塗布部が平面視でストライプ状、スパイラル状、オメガ字状、ドット状等の所定形状となるような、間欠的なパターンで塗布してもよい。
前述のスリット部15の非形成領域での接着剤による接合に関し、本実施形態のように複数のスリット部15が横方向Yに間欠配置されている場合、吸収性コア11の保形性の更なる向上の観点から、吸収性コア11と肌側コアラップシート12及び非肌側コアラップシート13とは、横方向Yに隣り合うスリット部15どうしの間(スリット部15の非形成領域)において、接着剤を介して接合されていることが好ましい。また、その接着剤の塗布パターンは、べた塗りでもよいが、横方向Yに隣り合うスリット部15どうしの間に接着剤の非塗布部を設けてその領域での液の引き込み性を確保する等の観点から、間欠的なパターンが好ましい。
また、複数のスリット部15が横方向Yに間欠配置されている場合において、吸収性コア11と肌側コアラップシート12との間における接着剤(吸収性コア11の肌対向面に塗布される接着剤)の塗布量は、横方向Yに隣り合うスリット部15どうしの間(以下、「スリット部間領域」ともいう。)の方が、横方向Yの最外方に位置するスリット部15よりも横方向Yの外方の領域、すなわち横方向Yの最外方に位置するスリット部15と吸収性コア11の縦方向Xに沿う側縁との間(以下、「スリット部横外方領域」ともいう。)に比べて多いことが、吸収性コア11の保形性の更なる向上の点で好ましい。吸収性コア11と非肌側コアラップシート13との間における接着剤(吸収性コア11の非肌対向面に塗布される接着剤)の塗布量についても、前記と同様の大小関係、すなわち「スリット部間領域>スリット部横外方領域」が成立することが好ましい。
吸収性コア11と肌側コアラップシート12及び非肌側コアラップシート13との間それぞれにおいて、スリット部間領域の接着剤の塗布量とスリット部横外方領域の接着剤の塗布量との比率は、前者>後者を前提として、前者/後者として、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である。
吸収性コア11と肌側コアラップシート12及び非肌側コアラップシート13との間それぞれにおいて、スリット部間領域の接着剤の塗布量は、好ましくは5g/m以上、より好ましくは7g/m以上、そして、好ましくは15g/m以下、より好ましくは10g/m以下である。
吸収性コア11と肌側コアラップシート12及び非肌側コアラップシート13との間それぞれにおいて、スリット部横外方領域の接着剤の塗布量は、好ましくは3g/m以上、より好ましくは5g/m以上、そして、好ましくは10g/m以下、より好ましくは8g/m以下である。
なお、本明細書において、「接着剤の塗布量」は、特に断らない限り、接着剤が塗布されている部分のみについての単位面積当たりの接着剤の質量(坪量)であり、接着剤の非塗布部を含めたものではない。
本発明では、スリット部15を介して対向するコアラップシート12,13(不織布層)どうしは、スリット部15の全域で接合されていてもよく、スリット部15の一部でのみ接合されていてもよい。すなわち融着部16は、スリット部15の全域にわたって存在してもよく、スリット部15の一部にのみ存在してもよい。図5には、後者の形態の一例が示されている。
図5に示すスリット部15Aでは、複数の平面視菱形形状の融着部16が散点状に配置されている。融着部16の平面視形状は特に制限されず、円形状、楕円形形状、三角形形状、四角形形状など、任意に選択することができる。またスリット部15Aに配置される融着部16の数も特に制限されない。複数の融着部16それぞれの面積は、融着部16での接合強度とスリット部15Aでの液の引き込み性とのバランスの観点から、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、そして、好ましくは40mm以下、より好ましくは25mm以下である。
スリット部15Aの主たる特徴の1つとして、図5に示すように、スリット部15Aの縦方向Xの端部に、融着部16の非存在領域15Xが存在する点が挙げられる。非存在領域15Xは、スリット部15Aの横方向Yの全長にわたって融着部16が存在しない領域である。図示の形態では、スリット部15Aの縦方向Xの両端部に非存在領域15Xが存在している。スリット部15Aの縦方向Xの端部に非存在領域15Xが存在することにより、特に吸収性コア11に吸水性ポリマーが含有されている場合に、該吸水性ポリマーが吸水膨潤するための空間が確保できるため、該吸水性ポリマーが本来の吸収性能を発揮しやすくなる。非存在領域15Xによる作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、非存在領域15Xの縦方向Xの長さ15XL(図5参照)は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、そして、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である。
スリット部15Aの主たる特徴の他の1つとして、図5に示すように、スリット部15Aの横方向Yの端部に、融着部16の非存在領域15Yが存在する点が挙げられる。非存在領域15Yは、スリット部15Aの縦方向Xの全長にわたって融着部16が存在しない領域である。図示の形態では、スリット部15Aの横方向Yの両端部に非存在領域15Yが存在している。スリット部15Aの横方向Yの端部に非存在領域15Yが存在することにより、特に吸収性コア11に吸水性ポリマーが含有されている場合に、該吸水性ポリマーが吸水膨潤するための空間が確保できるため、該吸水性ポリマーが本来の吸収性能を発揮しやすくなる。非存在領域15Yによる作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、非存在領域15Yの横方向Yの長さ15YL(図5参照)は、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、そして、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。
スリット部15Aの主たる特徴の更に他の1つとして、融着部16の配置パターンが挙げられる。その特徴的な融着部16の配置パターンとは、「スリット部15Aに複数の融着部16が縦方向Xに間欠配置されており、該複数の融着部16の全部を縦方向Xに投影したときに形成される投影像が、各融着部16の投影像が相互に重複してなる1個の投影像であり、且つ該複数の融着部16の全部を横方向Yに投影した場合、該複数と同数の投影像が形成される」というパターンである。
前記のスリット部15Aにおける特徴的な融着部16の配置パターンは、換言すると、図5を参照して、「スリット部15Aに、複数の融着部16が縦方向Xに間欠配置された融着部存在領域160が存在し、該融着部存在領域160の任意の位置に、該融着部存在領域160を縦方向Xに縦断する1本の仮想直線VLxを引いた場合に、該仮想直線VLxと融着部16とが重なる」というパターンである。融着部存在領域160(図5中点線で囲んだ領域)は、スリット部15Aに配置された複数の融着部16の全部を包含する平面視四角形形状の領域のうち最小のものであり、スリット部15Aにおける前述した融着部16の非存在領域15X,15Y以外の領域である。
スリット部15Aにおいてはこのように、複数の融着部16が、縦方向Xにおいては相互に離間し、横方向Yにおいては隙間なく連続するように配置されており、これにより、スリット部15を介して対向するコアラップシート12,13(不織布層)どうしの融着部16での接合強度の向上と、スリット部15Aでの液の引き込み性、延いては吸収体10の吸収性能の向上とが、高いレベルで両立し得る。なお、特に断らない限り、スリット部15Aにおいて特に説明しない構成には、スリット部15の説明が適用される。
本実施形態では、図1~図4に示すように、吸収体10の肌対向面(表面シート3との対向面)に、肌側コアラップシート12及び吸収性コア11が一体的に凹陥した肌側凹陥部20が形成されている。肌側凹陥部20は、吸収体10(吸収性コア11)を貫通しておらず、吸収体10の肌対向面に開口を有するとともに、該開口とは反対側に底部を有する。
肌側凹陥部20は、図3に示す如き吸収体10の平面視において一方向に延びる線状の肌側凹陥部を含む。図示の形態では、吸収体10の肌対向面に形成されている肌側凹陥部20の全部が、線状の肌側凹陥部である。吸収体10の肌対向面には、縦方向X及び横方向Yの双方に交差する第1の方向に延びる連続直線状の肌側凹陥部20が、該第1の方向と直交する方向に間欠配置されているとともに、縦方向X及び横方向Y並びに該第1の方向に交差する第2の方向に延びる連続直線状の肌側凹陥部20が、該第2の方向と直交する方向に間欠配置されており、吸収体10の肌対向面の平面視において肌側凹陥部20が格子状に配置されている。
肌側凹陥部20は、吸収体10に対し、該吸収体10の肌対向面側(肌側コアラップシート12側)から圧搾加工を施すことによって形成されており、その形成方法から「圧搾部」と言うことができる。圧搾部である肌側凹陥部20は、吸収体10における肌側凹陥部20の周囲に比べて密度が高い。すなわち吸収体10は、肌側凹陥部20に対応する高密度部と、肌側凹陥部20が形成されていない低密度部とを有し、吸収体10の面方向に密度差が生じている。
肌側凹陥部20を形成するための圧搾加工は、吸収体10の形成材料の溶融を伴う方法を利用してもよいし、該形成材料の溶融を伴わない方法を利用してもよい。吸収体10の形成材料の溶融を伴う圧搾加工として、具体的には、熱を伴うエンボス加工、超音波エンボス加工等の公知のエンボス加工が挙げられる。吸収体10の形成材料の溶融を伴う圧搾加工によって形成された肌側凹陥部20の底部、すなわち空間部である肌側凹陥部20と平面視で重なる部分では、肌側コアラップシート12と吸収性コア11とが熱融着されて一体化し得る。
吸収体10の肌対向面に肌側凹陥部20が形成されていることにより、おむつ1の着用者が排泄した尿等の体液は、肌側凹陥部20を通って吸収体10の面方向の全体に速やかに拡散されつつ、吸収体10の内部に引き込まれる。また、吸収体10における肌側凹陥部20が形成された部分(肌側凹陥部20と平面視で重なる部分)は圧密化されているので、肌側凹陥部20が形成された吸収体10は、これが形成されていない場合に比べて剛性が高められており、保形性が向上している。したがって吸収体10は、おむつ1の着用時に着用者の脚の動きにより揉まれるなどして外力を受けても破損し難い。
図3を参照して、線状の肌側凹陥部20と該肌側凹陥部20を通過して横方向Yに延びる横方向仮想直線VLとの交差角度θは、好ましくは45度以上、より好ましくは60度以上である。交差角度θは90度でもよく、すなわち、線状の肌側凹陥部20は縦方向Xに対して平行に延びていてもよい。ここでいう交差角度θは、線状の肌側凹陥部20と横方向仮想直線VLとが交差して生じる鋭角及び鈍角のうち、鋭角の交差角度を意味する。交差角度θが前記範囲にあることは、線状の肌側凹陥部20が縦方向Xに沿うように延在していることを意味する。交差角度θが前記範囲にあることにより、液の縦方向Xへの拡散性が一層向上し得る。
肌側凹陥部20は、吸収体10の肌対向面の全域に形成されてもよく、該肌対向面の一部のみに形成されてもよい。肌側凹陥部20は、少なくとも前記排泄部対向部に形成されることが好ましく、股下部Bに形成されることがより好ましい。本実施形態では、図1に示すように、吸収体10の肌対向面の全域に肌側凹陥部20が形成されており、したがって股下部Bに肌側凹陥部20が形成されている。おむつ1において特に体液が集中しやすい部位である前記排泄部対向部に肌側凹陥部20が形成されていることで、肌側凹陥部20の機能が有効に活用され、吸収体10の保形性、液吸収性能が効果的に向上し得る。
本実施形態では、図3に示すように、吸収性コア11の縦方向Xの両端部に、横方向Yの全長にわたってスリット部15が形成されていないスリット部非形成領域110が存在し、この縦方向両端部のスリット部非形成領域110それぞれに肌側凹陥部20が形成されている。本実施形態では、図3に示すように、吸収体10の肌対向面の全域に肌側凹陥部20が形成されており、したがってスリット部非形成領域110に肌側凹陥部20が形成されている。吸収性コア11の縦方向Xの端部のスリット部非形成領域110に肌側凹陥部20が形成されていることで、特に吸収体10における面方向での液拡散性が向上し、液吸収性能の一層の向上が期待できる。
本実施形態では、図3に示すように、線状の肌側凹陥部20が、吸収性コア11の周縁の一箇所から該周縁の他の一箇所にわたって延在している。すなわち複数の線状の肌側凹陥部20は、それぞれ、吸収性コア11の肌対向面を前記第1の方向又は前記第2の方向の全長にわたって延在している。そして、線状の肌側凹陥部20がスリット部15と交差している。つまり吸収体10の肌対向面には、吸収性コア11の周縁の一箇所からスリット部15を通過して該周縁の他の一箇所にわたって延在する、線状の肌側凹陥部20が形成されている。図示の形態では、このようなスリット部15を通過する線状の肌側凹陥部20が複数形成されている。斯かる構成により、スリット部15に存在する液を、肌側凹陥部20を通じて吸収体10の全体に拡散させることが可能となり、吸収体10の面方向における液拡散性が向上し、液吸収性能の向上に繋がる。
前述の肌側凹陥部20による作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、線状の肌側凹陥部20は、スリット部15と交差しているだけでなく、スリット部15に存在する融着部16と交差していることがより好ましい。つまり、肌側凹陥部20の仮想延長線が融着部16と交差していることがより好ましい。
線状の肌側凹陥部20の幅(すなわち線状の肌側凹陥部20の長手方向と直交する方向の長さ)20W(図3参照)は、特に制限されないが、液拡散性の一層の向上の観点、及び吸収体10の保形性及び柔軟性の確保の観点から、スリット部15の幅15W(図3参照)に比べて狭いことが好ましい。具体的には、肌側凹陥部20の幅20Wは、スリット部15の幅15Wに対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、そして、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。肌側凹陥部20の幅20Wは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上、そして、好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下である。
同様の観点から、肌側凹陥部20の深さ20D(図4)は、吸収体の厚み11T(図4)に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、そして、好ましくは80%以下、より好ましくは50%以下である。肌側凹陥部20の深さ20Dは、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、そして、好ましくは8mm以下、より好ましくは5mm以下である。
本発明の吸収性物品は、前記実施形態の如き展開型使い捨ておむつに制限されず、人体から排出される体液(尿、経血、軟便、汗等)の吸収に用いられる物品を広く包含し、止着部材8及び止着領域9の如き止着構造を有しないパンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツ等も包含する。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明の吸収性物品は前記実施形態に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、吸収性や防漏性等の向上の観点から、表面シート3と吸収体10(肌側コアラップシート12)との間に、セカンドシート、サブレイヤーシートなどとも呼ばれる、紙や各種不織布からなる液透過性シートが介在配置されていてもよい。
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、該股下部を通って該縦方向に延びる吸収体を具備する吸収性物品であって、
前記吸収体は、体液を吸収保持する吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを含んで構成され、両コアラップシートは不織布からなり、
前記吸収性コアに、該吸収性コアを厚み方向に貫通し前記縦方向に延びるスリット部が形成されており、
前記スリット部と平面視で重なる領域において、該スリット部の肌対向面側に前記肌側コアラップシートからなる不織布層が1層存在するとともに、該スリット部の非肌対向面側に前記非肌側コアラップシートからなる不織布層が2層存在し、
前記スリット部に、前記3層の不織布層が互いに融着した融着部が存在する、吸収性物品。
<2>
前記融着部は、前記吸収性コアの厚み方向中央よりも該吸収性コアの非肌対向面に近い側に位置している、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記スリット部に接着剤が存在しない、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記スリット部における接着剤の塗布量が、好ましくは2g/m以下、より好ましくは1g/m以下である、前記<3>に記載の吸収性物品。
<5>
前記スリット部における前記吸収性コアの形成材料の坪量は、該スリット部の周辺部(例えば該スリット部から前記縦方向又は前記横方向に10mm以内の領域)に比べて低く、具体的には、該スリット部の周辺部の坪量に対して、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である、前記<1>~<4>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<6>
前記スリット部の前記縦方向の長さが、前記吸収体又は前記吸収性コアの該縦方向の長さに対して、好ましくは20~70%、より好ましくは30~60%である、前記<1>~<5>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<7>
前記スリット部の前記横方向の長さ(幅)が、前記吸収性コアの該横方向の最大長さ(最大幅)に対して、好ましくは2~20%、より好ましくは4~10%である、前記<1>~<6>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<8>
前記吸収性コアと前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートとが、前記スリット部の非形成領域にて接着剤を介して接合されている、前記<1>~<7>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<9>
複数の前記スリット部が前記横方向に間欠配置されており、
前記吸収性コアと前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートとは、前記横方向に隣り合う前記スリット部どうしの間(前記スリット部の非形成領域)において、接着剤を介して接合されている、前記<8>に記載の吸収性物品。
<10>
複数の前記スリット部が前記横方向に間欠配置されており、
前記吸収性コアと前記肌側コアラップシートとの間における接着剤(前記吸収性コアの肌対向面に塗布される接着剤)の塗布量は、前記横方向に隣り合う前記スリット部どうしの間(スリット部間領域)の方が、該横方向の最外方に位置する該スリット部よりも該横方向の外方の領域(スリット部横外方領域)に比べて多く、
前記吸収性コアと前記非肌側コアラップシートとの間における接着剤(前記吸収性コアの非肌対向面に塗布される接着剤)の塗布量は、前記横方向に隣り合う前記スリット部どうしの間(スリット部間領域)の方が、該横方向の最外方に位置する該スリット部よりも該横方向の外方の領域(スリット部横外方領域)に比べて多い、前記<8>又は<9>に記載の吸収性物品。
<11>
前記吸収性コアと前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートとの間それぞれにおいて、前記スリット部間領域の接着剤の塗布量と前記スリット部横外方領域の接着剤の塗布量との比率が、前者>後者を前提として、前者/後者として、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である、前記<8>~<10>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<12>
前記吸収性コアと前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートとの間それぞれにおいて、前記スリット部間領域の接着剤の塗布量が、好ましくは5g/m以上、より好ましくは7g/m以上、そして、好ましくは15g/m以下、より好ましくは10g/m以下である、前記<8>~<11>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<13>
前記吸収性コアと前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートとの間それぞれにおいて、前記スリット部横外方領域の接着剤の塗布量が、好ましくは3g/m以上、より好ましくは5g/m以上、そして、好ましくは10g/m以下、より好ましくは8g/m以下である、前記<8>~<12>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<14>
前記スリット部の前記縦方向の端部に、前記融着部の非存在領域が存在する、前記<1>~<13>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<15>
前記スリット部の前記縦方向の端部に存在する、前記融着部の非存在領域の該縦方向の長さが、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上、そして、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である、前記<14>に記載の吸収性物品。
<16>
前記スリット部の前記横方向の端部に、前記融着部の非存在領域が存在する、前記<1>~<15>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<17>
前記スリット部の前記横方向の端部に存在する、前記融着部の非存在領域の該横方向の長さが、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、そして、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下である、前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>
前記スリット部に、複数の前記融着部が前記縦方向に間欠配置されており、
前記複数の融着部の全部を前記縦方向に投影したときに形成される投影像が、各該融着部の投影像が相互に重複してなる1個の投影像であり、且つ
前記複数の融着部の全部を前記横方向に投影した場合、該複数と同数の投影像が形成される、前記<1>~<17>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<19>
前記股下部に複数の前記スリット部が前記横方向に間欠配置されている、前記<1>~<18>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<20>
前横方向に隣り合う複数の前記スリット部どうしの間と平面視で重なる領域に、前記非肌側コアラップシートからなる不織布層が2層存在する、前記<19>に記載の吸収性物品。
<21>
前記吸収体の肌対向面に、前記肌側コアラップシート及び前記吸収性コアが一体的に凹陥した肌側凹陥部が形成されている、前記<1>~<20>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<22>
前記肌側凹陥部は、平面視において一方向に延びる線状の肌側凹陥部を含み、
前記線状の肌側凹陥部が、前記吸収性コアの周縁の一箇所から該周縁の他の一箇所にわたって延在し、且つ前記スリット部と交差している、前記<21>に記載の吸収性物品。
<23>
前記肌側凹陥部は、平面視において一方向に延びる線状の肌側凹陥部を含み、
前記線状の肌側凹陥部と該肌側凹陥部を通過して前記横方向に延びる横方向仮想直線との鋭角の交差角度が、好ましくは45度以上、より好ましくは60度以上である、前記<21>又は<22>に記載の吸収性物品。
<24>
前記肌側凹陥部は、平面視において一方向に延びる線状の肌側凹陥部を含み、
前記線状の肌側凹陥部が、前記スリット部に存在する前記融着部と交差している、前記<21>~<23>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<25>
前記肌側凹陥部は、平面視において一方向に延びる線状の肌側凹陥部を含み、
前記線状の肌側凹陥部の幅(前記線状の肌側凹陥部の長手方向と直交する方向の長さ)が、前記スリット部の幅(前記スリット部の前記横方向の長さ)に比べて狭い、前記<21>~<24>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<26>
前記線状の肌側凹陥部の幅が、前記スリット部の幅に対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、そして、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である、前記<25>に記載の吸収性物品。
<27>
前記線状の肌側凹陥部の幅が、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上、そして、好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下である、前記<22>~<26>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<28>
前記肌側凹陥部の深さが、前記吸収体の厚みに対して、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、そして、好ましくは80%以下、より好ましくは50%以下である、前記<21>~<27>の何れか1項に記載の吸収性物品。
<29>
前記肌側凹陥部の深さが、好ましくは1mm以上、より好ましくは1.5mm以上、そして、好ましくは8mm以下、より好ましくは5mm以下である、前記<21>~<28>の何れか1項に記載の吸収性物品。
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 吸収性本体
3 表面シート
4 裏面シート
5 フラップ部
6 防漏カフ
10 吸収体
11 吸収性コア
12 肌側コアラップシート
13 非肌側コアラップシート
130 2層部分
15,15A スリット部
16 融着部
20 肌側凹陥部
A 腹側部
B 股下部
C 背側部
X 縦方向
Y 横方向

Claims (10)

  1. 着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、該股下部を通って該縦方向に延びる吸収体を具備する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、体液を吸収保持する吸収性コアと、該吸収性コアの肌対向面を被覆する肌側コアラップシートと、該吸収性コアの非肌対向面を被覆する非肌側コアラップシートとを含んで構成され、両コアラップシートは不織布からなり、
    前記吸収性コアに、該吸収性コアを厚み方向に貫通し前記縦方向に延びるスリット部が形成されており、
    前記スリット部と平面視で重なる領域において、該スリット部の肌対向面側に前記肌側コアラップシートからなる不織布層が1層存在するとともに、該スリット部の非肌対向面側に前記非肌側コアラップシートからなる不織布層が2層存在し、
    前記スリット部に、前記3層の不織布層が互いに融着した複数の融着部が前記縦方向に間欠配置されており、
    前記複数の融着部の全部を前記縦方向に投影したときに形成される投影像が、各該融着部の投影像が相互に重複してなる1個の投影像であり、且つ
    前記複数の融着部の全部を前記横方向に投影した場合、該複数と同数の投影像が形成される、吸収性物品。
  2. 前記融着部は、前記吸収性コアの厚み方向中央よりも該吸収性コアの非肌対向面に近い側に位置している、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記スリット部に接着剤が存在しない、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収性コアと前記肌側コアラップシート及び前記非肌側コアラップシートとが、前記スリット部の非形成領域にて接着剤を介して接合されている、請求項1~3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記スリット部の前記縦方向の端部に、前記融着部の非存在領域が存在する、請求項1~4の何れか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記スリット部の前記横方向の端部に、前記融着部の非存在領域が存在する、請求項1~5の何れか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記股下部に複数の前記スリット部が前記横方向に間欠配置されている、請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前横方向に隣り合う複数の前記スリット部どうしの間と平面視で重なる領域に、前記非肌側コアラップシートからなる不織布層が2層存在する、請求項に記載の吸収性物品。
  9. 前記吸収体の肌対向面に、前記肌側コアラップシート及び前記吸収性コアが一体的に凹陥した肌側凹陥部が形成されている、請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
  10. 前記肌側凹陥部は、平面視において一方向に延びる線状の肌側凹陥部を含み、
    前記線状の肌側凹陥部が、前記吸収性コアの周縁の一箇所から該周縁の他の一箇所にわたって延在し、且つ前記スリット部と交差している、請求項に記載の吸収性物品。
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