JPH1150554A - 木造建築物の柱と横架材の接合構造および接合方法 - Google Patents

木造建築物の柱と横架材の接合構造および接合方法

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JPH1150554A
JPH1150554A JP9225708A JP22570897A JPH1150554A JP H1150554 A JPH1150554 A JP H1150554A JP 9225708 A JP9225708 A JP 9225708A JP 22570897 A JP22570897 A JP 22570897A JP H1150554 A JPH1150554 A JP H1150554A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柱と梁の複雑な加工が不要で、しかも大きな
応力を負担させることが可能で、なおかつコストの安い
木造建築物を提供すること。 【解決手段】 柱1と、該柱に接合される梁8との接合
構造であって、該柱は互いに直交する2つの矩形の貫通
口2,3を有し、上記貫通口に挿入される中央部と該中
央部の一端に形成された取付けボルト4と、一方が上記
ボルトに結合され他方が上記横架材に結合される受け金
具5とを有し、上記取付けボルトの中央部は、上記貫通
口に当接する領域が平面状に形成されていることを特徴
とする木造建築物の柱と横架材の接合構造、また、上記
柱と梁との接合方法であって、直方体をなす中央部と該
中央部の一端に形成された取付けボルト4を上記貫通口
に載置し、該ボルトに受け金具5の一方を固定し、該受
け金具の他方に上記梁を固定してなることを特徴とす
る、木造建築物の柱と横架材の接合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木造建築物における
柱と横架材の接合構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、木造建築物において、柱と横架材
(梁)との接合は、ほぞ組みによって行われるのが一般
的であった。この場合、ほぞ加工は大工職人が作業現場
でその加工を行う。また、専用機械を利用してほぞ加工
をあらかじめ工場で行う場合もある。これらの加工に際
し、前者の場合熟練した専門の大工職人が必要で、後者
の場合は専用の加工機械が必要であり、いずれの場合も
コストアップを招き、安価な木造構造物の提供が難しい
状況にある。
【0003】そのために、特開平8−312007号に
柱と梁の接合をU字型の金具を使用した接合構造が提案
されている。この接合構造は、U字型もしくはコ字型の
金物をボルトと柱側面のほぞ溝を介して柱へ固定し、そ
の金物の平行な辺を梁側面に形成されたスリットへ挿入
してピンで固定するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、梁から柱へ
応力を伝達する場合、柱には木材の繊維方向と平行方向
に、梁には繊維方向と直行方向にそれぞれ力が作用す
る。上記従来技術では、木材は繊維方向に対する力が強
いことを前提に、梁の応力を負担するために、金物の下
端に溶接された支持プレートを備えた金物が開示されて
いる。つまり、上記従来技術では、梁に作用する外力に
対しては考慮されているが、柱に作用する荷重に対して
は何ら考慮されていない。
【0005】しかしながら、出願人が鋭意研究した結
果、柱に作用する繊維方向に平行な力は、時間の経過と
ともに、柱の繊維を押しつぶし、柱と梁との間の相対変
位を引き起こすこと、また、建物に大きな外力が作用し
たときも同様であることを見出した。建物自体の耐震性
が注目される現在、この問題は無視できるものではな
い。
【0006】この問題を解決するためには、第一に柱と
して繊維方向に強い特殊な材料のものを選択すること、
第二に大きな直径を持つボルトを使用すること、第三に
ボルト数を増やすこと等が考えられる。第一の場合、特
殊な材料を使用するため加工が困難になり、コストアッ
プになってしまう。第二の場合、柱の欠損断面の拡大に
伴い、相対的に大きな断面積を持つ柱を選択せざる得な
くなり、結果的にコストアップに繋がってしまう。第三
の場合は、相対的にボルト同士の間隔が狭くなってしま
い、ボルトとボルトの間に存在する繊維の厚さが小さく
なり極めて潰れやすくなってしまうことと、柱に貫通
孔、つまり柱にとっての欠損断面が多数存在することと
なり結果として柱の強度が低下してしまう。
【0007】本発明は、上記従来の欠点を解消して、柱
と梁の複雑な加工が不要で、しかも大きな応力を負担さ
せることが可能で、なおかつコストの安い木造建築物を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の欠
点を解消し、柱と梁の複雑な加工が不要で、しかも大き
な応力を負担させることが可能で、なおかつコストの安
い木造建造物を提供することを目的とするものである。
請求項1の発明によると、鉛直方向に延びる柱と、この
柱の異なる側面で且つ、互いに直交する2方向から第一
の横架材ならびに第二の横架材を接合する木造建築物の
柱と横架材との接合構造において、上記柱の第一の側面
に設けられる第一の貫通孔と、上記柱の上記第一の側面
と直交する位置に設けられる第二の側面に設けられ、柱
内部において上記第一の貫通孔と交差するように同一空
間を共有する第二の貫通孔と、上記第一の貫通孔から柱
に挿入され、柱の内部に設置される本体部と該本体部か
ら第一の貫通孔から外部に向けて延びる締結部とからな
る第一の貫通孔用の取付けボルトと、上記第二の貫通孔
から柱に挿入され、柱の内部に設置される本体部と該本
体部から第二の貫通孔から外部に向けて延びる締結部と
からなるとともに、挿入後、上記柱に形成される上記同
一空間内において上記第一の貫通孔用の取付けボルトの
下面と面接触する上面を有する第二の貫通孔用の取付け
ボルトと、上記第一の貫通孔用の取付けボルトに設けら
れる締結部と結合する結合部と上記柱に対して接合する
第一の横架材を支持する支持部とを有する第一の結合部
材と、上記第二の貫通孔用の取付けボルトに設けられる
締結部と結合する結合部と上記柱に対して接合する第二
の横架材を支持する支持部とを有する第二の結合部材と
からなることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明によると、鉛直方向に
延びる柱と、この柱の異なる側面で且つ、互いに直交す
る2方向から第一の横架材ならびに第二の横架材を接合
する木造建築物の柱と横架材との接合構造において、上
記柱の第一の側面に設けられる第一の貫通孔と、上記柱
の上記第一の側面と直交する位置に設けられる第二の側
面に設けられ、柱内部において上記第一の貫通孔と交差
するように同一空間を共有する第二の貫通孔と、上記第
一の貫通孔から柱に挿入され、柱の内部に設置される本
体部と該本体部の上面または下面の少なくとも一方に設
けられる凹部と該本体部から第一の貫通孔から外部に向
けて延びる締結部とからなる第一の貫通孔用の取付けボ
ルトと、上記第二の貫通孔から柱に挿入され、柱の内部
に設置される本体部と該本体部の上面または下面の少な
くとも一方で且つ、第一の貫通孔用の取付けボルトの凹
部が設けられる他方の面に設けられる凹部と該本体部か
ら第二の貫通孔から外部に向けて延びる締結部とからな
るとともに、柱に挿入位置決め後、上記柱に形成される
上記同一空間内において上記第一の貫通孔用の取付けボ
ルトの凹部に係合する上面または下面のいずれか一方を
有する第二の貫通孔用の取付けボルトと、上記第一の貫
通孔用の取付けボルトに設けられる締結部と結合する結
合部と上記柱に対して接合する第一の横架材を支持する
支持部とを有する第一の結合部材と、上記第二の貫通孔
用の取付けボルトに設けられる締結部と結合する結合部
と上記柱に対して接合する第二の横架材を支持する支持
部とを有する第二の結合部材とからなることを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の発明では、鉛直方向に延び
る柱と、この柱の異なる側面で且つ、互いに直交する2
方向から第一の横架材ならびに第二の横架材を接合する
木造建築物の柱と横架材との接合方法において、上記柱
の上記第一の横架材を接合する第一の側面に、柱内部に
向けて延びる第一の貫通孔を形成するとともに、上記第
二の横架材を接合する第二の側面に、柱内部に向けて延
びるとともに、上記第一の貫通孔と柱内部において交差
するように同一共有空間を有する第二の貫通孔を形成
し、少なくとも上下面において平面部を有する本体部と
この本体部から本体部長手方向の端部から延びる締結部
を有する第一の取付けボルトを、上記第一の貫通孔より
柱に挿入、位置決め後、少なくとも上下面において平面
部を有する本体部とこの本体部から本体部長手方向の端
部から延びる締結部を有する第二の取付けボルトを、第
二の貫通孔より柱に挿入後、位置決めした際、柱内部の
上記同一共有空間において、上記第一の取付けボルトの
本体部の平面部と上記第二の取付けボルトの本体部の平
面部とが面接触するように組み付け、柱に組み付けられ
た上記第一ならびに第二の取付けボルトの締結部に対し
結合する結合部と上記第一ならびに第二の横架材を支持
する支持部とを有する第一ならびに第二の結合部材を上
記各結合部によって各々第一ならびに第二の取付けボル
トの締結部に結合するとともに、各支持部によって上記
第一ならびに第二の横架材を支持するように組み付ける
ことを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、鉛直方向に延びる
柱と、この柱の異なる側面で且つ、互いに直交する2方
向から第一の横架材ならびに第二の横架材を接合する木
造建築物の柱と横架材との接合方法において、上記柱の
上記第一の横架材を接合する第一の側面に、柱内部に向
けて延びる第一の貫通孔を形成するとともに、上記第二
の横架材を接合する第二の側面に、柱内部に向けて延び
るとともに、上記第一の貫通孔と柱内部において交差す
るように同一共有空間を有する第二の貫通孔を形成し、
少なくとも上下面において平面部を有する本体部とこの
平面部のいずれか一方の一部に形成される凹部とこの本
体部から本体部長手方向の端部から延びる締結部を有す
る第一の取付けボルトを、上記第一の貫通孔より柱に挿
入、位置決め後、少なくとも上下面において平面部を有
する本体部とこの平面部のいずれか一方の一部に形成さ
れる凹部とこの本体部から本体部長手方向の端部から延
びる締結部を有する第二の取付けボルトを、第二の貫通
孔より柱に挿入後、位置決めした際、柱内部の上記同一
共有空間において、上記第一の取付けボルトの本体部の
凹部に対して上記第二の取付けボルトの本体部が係合す
るように組み付け、柱に組み付けられた上記第一ならび
に第二の取付けボルトの締結部に対し結合する結合部と
上記第一ならびに第二の横架材を支持する支持部とを有
する第一ならびに第二の結合部材を上記各結合部によっ
て各々第一ならびに第二の取付けボルトの締結部に結合
するとともに、各支持部によって上記第一ならびに第二
の横架材を支持するように組み付けることを特徴とす
る。
【0012】請求項5記載の発明では、請求項1記載の
構成において、上記第一ならびに第二の貫通孔用の取付
けボルトの本体部の上面または下面の少なくとも一方
に、柱の同一空間において直交する方向から挿入され
る、他方の第一または第二の貫通孔用の取付けボルトの
上面、下面または両側面の少なくともひとつに面接触す
る凹部を有することを特徴とする。請求項6記載の発明
では、請求項5記載の構成において、上記第一ならびに
第二の貫通孔用の取付けボルトの本体部に形成される上
記凹部は、柱に対して直交する方向から挿入される他方
の第一または第二の貫通孔用の取付けボルトの上記凹部
に対向する、上面または下面の一方と両側面に面接触す
るように構成されることを特徴とする。請求項7記載の
発明では、請求項1記載の構成において、上記第一なら
びに第二の貫通孔用の取付けボルトのいずれか一方は少
なくとも複数本であることを特徴とする。
【0013】請求項8記載の発明では、請求項1記載の
構成において、上記第一ならびに第二の貫通孔のいずれ
か一方でかつ、その上端または下端部の少なくとも一方
が、他方の貫通孔のそれに対して、鉛直方向においてオ
フセットしていることを特徴とする。請求項9記載の発
明では、請求項5記載の構成において、上記第一ならび
に第二の貫通孔のいずれか一方でかつ、その上端または
下端部の少なくとも一方が、他方の貫通孔のそれに対し
て、鉛直方向においてオフセットするとともに、そのオ
フセット量は、そのオフセットされる端部に当接、挿入
される取付けボルトの本体部の厚みからこの本体部に形
成される凹部の深さを差し引いたものに相当することを
特徴とする。
【0014】請求項10記載の発明では、請求項1また
は請求項2記載の構成において、上記第一ならびに第二
の結合部材の結合部は、各第一ならびに第二の貫通孔が
形成される上記柱の側面に対して面接触する平面部と、
この平面部に設けられる各取付けボルトの締結部を挿
入、支持する穴部とから構成され、上記支持部は、該平
面部から各横架材が位置する方向に向け延びる縦板状
部、この縦板状部の一方の端部に設けられ、上下方向に
延びる柱状部材と、上記平面部、縦板状部と柱状部材の
各下端部をつなぎ、上記横架材の下面に対して面接触す
る水平面部材とから構成されると共に、第一ならびに第
二の横架材でかつ、上記第一ならびに第二の結合部材に
支持される各端部は、この第一ならびに第二の結合部材
の支持部の縦板状部と柱状部材を挿入し、面接触するス
リット部が形成されるていることを特徴とする。
【0015】請求項11記載の発明では、請求項3記載
の方法において、上記第一ならびに第二の貫通孔のいず
れか一方でかつ、その上端または下端部の少なくとも一
方が、他方の貫通孔のそれに対して、鉛直方向において
オフセットするように形成することを特徴とする。 請
求項12記載の発明では、請求項4記載の方法におい
て、上記第一ならびに第二の貫通孔のいずれか一方でか
つ、その上端または下端部の少なくとも一方が、他方の
貫通孔のそれに対して、鉛直方向においてオフセットす
るとともに、そのオフセット量は、そのオフセットされ
る端部に当接、挿入される取付けボルトの本体部の厚み
からこの本体部に形成される凹部の深さを差し引いたも
のに相当またはそれ以上となるように上記柱に対して形
成することを特徴とする。
【0016】請求項13記載の発明では、請求項4記載
の構成において、上記第一ならびに第二の貫通孔は複数
の第一ならびに第二の貫通孔用の取付けボルトを挿入可
能に設定するとともに、上記第一ならびに第二の貫通孔
に対し、上記第一ならびに第二の貫通孔用の取付けボル
トを交互に、ボルトの本体部が他方の取付けボルトの凹
部と係合するように挿入、位置決めすることを特徴とす
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。図1は受け金具5、取付けボルト4、通し柱1お
よび梁8を分解した状態を示す斜視図である。通し柱1
には、取付けボルト4が挿入される貫通孔2、3が、互
いに直交する柱の側面から柱内部を貫通するとともに、
柱内部においてこの2つの貫通孔2,3が共有する同一
空間を形成するように設けられている。取付けボルト4
は、通し柱1の貫通孔2,3内に挿入され、直方体かつ
断面が矩形の本体部4aと、両端に形成されたボルト部
4bとから構成されているとともに、本体部4aの下面
かつ略中央部には所定の幅と深さを備えた凹部4cが形
成されている。凹部の底面は上記中央部4aの下面と略
平行に形成されている。
【0018】取付けボルト4のボルト部4bを取付ける
受け金具5は、U字型をなし、取付けボルト4を挿入す
るボルト挿入孔6が形成された中央片5a、中央片5a
の左右に位置し、受け金具5の軸に対して平行に延びる
側部片5b、5b、ならびに中央片5a、左右の側部片
5b,5bの各下縁部を三辺でつなぐ平面状部材である
底辺片5cとから構成されている。中央片5aのボルト
挿入孔6は高さ方向に所定の間隔でかつ一直線上に複数
設けられている。
【0019】言い換えれば、ボルト挿入孔6間のピッチ
は、通し柱1の貫通孔2または3に対して同一方向から
挿入される複数の取付けボルト4、4、4を組み合わせ
た際のボルト部4b間のピッチに基づいて所定間隔に設
けられる。また、各側部片5b,5bには、梁8をこの
受け金具5に対して位置決めした後、梁8を固定するた
めのボルト(図示せず)が挿入するボルト挿入孔7が複
数設けられている。
【0020】上記受け金具5に位置決め載置され、固定
される梁8の側端面8aには、組み付けた状態で上記取
付けボルト4および取付けボルト4とによって受け金具
5を通し柱1に対して固定するための取付けナット9と
の干渉を防止するため切欠部8bが予め加工されてい
る。切欠部8bは梁の上面と下面に亘って略一直線に、
所定の深さと幅に形成されている。
【0021】また、梁8の側面8cには、受け金具5と
の固定のために、上記受け金具5のボルト挿入孔7に対
応する位置に通し穴10が設けられている。受け金具5
の長さ、幅および高さは、通し柱1に接合される梁8の
断面の大きさに応じて任意に設定される。通し柱1と梁
8の接合は次のように行われる。まず、通し柱1の貫通
孔2,3に各々の取付けボルト4を挿入し位置決めする
(組付け状態は後に詳述する。)。
【0022】次に受け金具5の中央片5aに設けられた
各々のボルト挿入孔6に、取付けボルト4を通し、ナッ
ト9にて締め付け固定する。この作業は柱1のすべての
面で同様に行う。その後、各受け金具5の底辺片5c上
に各梁8を載せて位置合わせを行う。最後に受け金具5
のボルト挿入孔7と梁8の通し穴10に締め付け固定用
のボルト(図示省略)を挿入し、両側から締め上げて固
定する。
【0023】図2(a)は各々の取付けボルト4の組合
わせ状態の詳細を示している。本実施例では取付けボル
トは同一方向に各々3個、合わせて6個使用されている
(説明のため上から4−1〜4−6の符号を付与)。ま
ず、例として互いに直交し組み合わされるボルト4−1
ならびに4−2を取り上げ、各ボルト4に設ける凹部4
cの設定の考え方ならびに各ボルトの組合せ方法の説明
を行う。ボルト4−1に設けられる凹部4cの深さ4f
は、好ましくは各ボルトの厚さならびに幅が同一とした
場合、各ボルトの強度と全てのボルトを組み合わせた際
のコンパクト性を考慮し、その厚さのほぼ半分に設定す
ることが好ましく、さらにその凹部の幅4iは、ボルト
4の幅とほぼ同一とするのが好ましい。
【0024】このような凹部の深さと幅の設定によっ
て、ボルト4−1から4−6までの組立体として見た場
合、各ボルトの組合せ面においてほぼ隙間のない一体的
な組立体を形成することができる。取付けボルト4−2
と4−4、4−3と4−5及び4−4と4−6も同様の
状態になっている。従って、各取付けボルトに作用する
せん断力は、下方の取付けボルト4−5と最下方の取付
けボルト4−6に伝達される。
【0025】その結果、通し柱1の貫通孔2、3は、上
記取付けボルト4からのせん断力を確実に通し柱1に伝
達するため以下の特徴を持っている。貫通孔2は通し柱
1の高さ方向に、取付けボルト4の中央部4aと略同じ
幅で矩形に形成されている。貫通孔2の底面2aは、上
記取付けボルト4−6が挿入された状態で、該取付けボ
ルト4−6の中央部4aの下面と面接触するようになっ
ている。貫通孔3は上記貫通孔2と直交する方向で、通
し柱1の高さ方向に、取付けボルト4の中央部4aと略
同じ幅で矩形に形成されている。
【0026】貫通孔3の底面3aは、上記取付けボルト
4−5が挿入された状態で、該取付けボルト4−5の中
央部4aの下面と面接触するようになっている。貫通孔
2の底面2aと貫通孔3の底面3aとは、高さ方向にオ
フセットされている。本実施例では、オフセット量は、
取付けボルト4の中央部4aの高さの1/2に設定され
ているが、実用化に際しては貫通孔やボルトのサイズ、
誤差を考慮し、高さの1/2より大きめに設定しても良
い。また、貫通孔2,3のオフセット量の基本的な設定
の考え方は、取付けボルト4の中央部4aの厚さから凹
部の深さ差し引いた量またはそれ以上の量である。
【0027】従って、取付けボルト4は通し柱1の貫通
孔2、3内で広い面積をもって接触しているために、梁
8から入力される荷重は通し柱1に確実に伝達される。
可能な限り大きな接触面積を確保するために、取付けボ
ルト4の中央部4aの長さと柱の貫通孔の深さ、換言す
れば柱1の幅とが一致されていることが望ましい。この
構成は接触面積を最大にできると共に、受け金具5と柱
1とをナットで締め付け固定する際に、中央部4aの端
部がストッパの役割を果たし、柱1が潰れる方向に受け
金具5が必要以上に移動することを規制できる特徴を有
している。
【0028】取付けボルト4に形成された凹部4cは、
複数の取付けボルト4−1〜4−6を互いに接触する面
積を増加させる目的で設けら、荷重の伝達を確実に行う
と共に、取付けボルト4−1〜4−6が組付けられた状
態で、全体の高さを低く押さえ、結果として該取付けボ
ルト4に取付けられる受け金具5の高さを抑え、小型化
に寄与する。また、取付けボルトの全体の高さを低く押
さえることは、柱1に形成される貫通孔2、3、換言す
れば柱にとっての欠損断面を最小限にできるので柱の耐
力の低下を最小限に押さえることができる。
【0029】また、該凹部4cは取付けボルト4の下面
に形成されているため、梁から作用する下向きの荷重に
対し、該凹部4cは閉じる方向、つまり嵌め込まれた相
手の取付けボルト4を挟む方向に変形することとなり、
大きな荷重が作用した場合にも取付けボルトが割れる懸
念がなく、むしろ複数の取付けボルトが強固に一体化さ
れ、強度上有利に作用する。
【0030】次に図2(b)ならびに図2(c)に基づ
いて、各ボルト4の組合せ方法について説明する。通し
柱1に設けられる貫通孔3は、ボルト組立体4−1から
4−6の最上位置にあるボルト4−1を通すために、そ
の開口高さは、貫通孔2のそれよりもボルトの厚みの半
分またはそれ以上高く設定されている。このような関係
にある貫通孔2ならびに3に対し、まずボルト4−1を
貫通孔3に挿入するとともに、貫通孔3の上面にボルト
4−1の上面が当接するように位置させた後、ボルト4
−2を貫通孔2から、既に通し柱1に挿入されているボ
ルト4−1の凹部4cに係合するように挿入する。この
ような手順で、ボルト4−3を貫通孔3よりボルト4−
2の凹部4cに係合するように、続いて、ボルト4−
4、ボルト4−5そして最後にボルト4−6を挿入す
る。従って、図2(a)に示すように、貫通孔2ならび
に3の各々の高さは、挿入されるボルトのト−タルの厚
み分設ければよく、最初にボルトを挿入される貫通孔3
が、貫通孔2に対して、ボルトの厚み半分高く柱に対し
て設けられるように設定されればよい。
【0031】図3は受け金具、取付けボルト、柱および
梁の組付け状態を示す斜視図を示している。組付け状態
の詳細な説明は省略するが、図3には更に取付け強度を
増すために梁と梁とを連結して補強する補強部材が示さ
れている。補強ブラケット11はL字型に形成されてい
る。該補強ブラケット11は、補強ボルト12が挿通さ
れる挿通孔14を有する縦面11aと、該補強ブラケッ
ト11を梁8に固定するための固定ボルト15(図4に
示す)が挿通される挿通孔16を有する取付け面11b
とから構成されている。固定ボルト15は中央部が矩形
で両端にボルト部が形成されている。
【0032】補強ブラケット11が取り付けられる梁8
の側面には、固定ボルト15が挿入される矩形の貫通孔
17(図1に示す)が設けられている。 補強ブラケッ
ト11は1つの梁の側面に上下方向に2個(ブラケット
11−1、11−2)設けられている。2つのブラケッ
ト11−1、11−2の各々の取付け面11bの長さは
互いに異なり、挿通孔16の位置が梁に取付けた状態で
梁の長手方向に異なる位置となるよう設定されている。
従って、梁の貫通孔17の位置は梁の長手方向で相違
し、一個所に荷重が集中することがない。
【0033】補強部材は次のように取付けられる。ま
ず、互いに対向する梁に固定ボルト15、補強ブラケッ
ト11を取付ける。その後、各々の補強ブラケット11
の縦面11aの挿通孔14に補強ボルト12を通し、両
側からナットにて締め上げ固定する。従って、互いに対
向する梁と梁には、互いに近づく方向に締め付け力が付
勢されるため、結合強度が著しく向上する。なお、上記
取付け作業を可能とするため、受け金具5および梁8に
は上記補強ボルト12が通る位置に貫通孔51が設けて
ある。
【0034】図5は取付けボルト4の変形例が示されて
いる。図5(a)は中央部が断面三角形であるものを示
す。この場合、荷重を確実に柱に伝達するために底面が
広い面積を持つように形成されている。なお、第一実施
例ならびに本変形例においては、取付けボルト4は,鉄
の角材を削り出しで中央部とボルト部とを一体で成形さ
れているが、中央部を構成する角鉄に通し穴を形成し、
この通し穴にボルトを挿入して形成してもよい。更に、
図5(b)に示すように、他の変形例としては、長板状
部材を十字状に組み合わせて中央部を形成したものもあ
る。この場合、中央部の両端にはボルト部が溶接固定さ
れている。このように、図5(a)ならびに(b)に示
すような取付けボルト4を採用する場合においても、柱
の貫通孔に対するボルトの挿入方法ならびに手順は、上
述の第一実施例にて説明したものと同様である。
【0035】以上、通し柱1の4面に対して梁を接合す
る実施例を示したが、コーナ部の柱にも本発明は適用可
能である。図6は、その場合の結合構造を示す斜視図で
ある。コーナ柱21には、取付けボルト22が貫通され
る貫通孔(図示せず)が、互いに直行する方向に設けら
れている。取付けボルト22は、図7に示すように、通
し柱1の貫通孔内に挿入され、直方体かつ断面が矩形の
矩形部22aと、一端に形成されたボルト部22bと、
他端に形成されたストッパ部22cから構成されてい
る。ストッパ部22cの幅は、ストッパの機能を持たす
ために、柱の貫通孔の開口幅より大きく設定されいる。
【0036】矩形部の下面かつ略中央部には所定の幅と
深さを備えた凹部23が形成されている。凹部の底面は
上記中央部の下面と略平行に形成され、このボルト22
の下方でかつ、直交方向からコ−ナ柱21に挿入される
同様の構造を有するボルト(図示せず)の上面と係合す
るようになっている。取付けボルト22のボルト部22
bに取付けられる受け金具24は、第1実施例と異な
り、梁8に形成されたスリットに挿入されている。好ま
しい受け金具24の詳細は図9に示されている。
【0037】コーナ柱21と梁8の接合は次のように行
われる。まず、通し柱1の貫通孔に各々の取付けボルト
22を挿入し位置決めする(このボルトの挿入方法は上
述した第一実施例のボルトの挿入方法と同様なので詳細
は省略する。)。次に受け金具24を取付けボルト22
にて柱21に固定し、各梁8のスリット部25を各受け
金具24に差込み、梁8の両側面からボルトにて締め上
げて固定する。
【0038】本実施例の場合、補強部材の固定方法も第
1実施例と若干異なっている。具体的には、補強部材は
梁8とコーナ柱21との間を連結するとともに、梁8の
上下面に設けられている。補強ボルト26の一端は第1
実施例と同様に、梁8に固定された補強ブラケット27
にナットにより固定される。補強ブラケット27は梁8
に直接固定され、梁8に設けられた貫通孔28に挿入さ
れた角柱29と連結されている。他端はコーナ柱21に
設けられた貫通孔30に挿通され、コーナ柱に角ワッシ
ャ31を介してナット32で締め付けられる。梁8の下
面にも上記と同様の補強部材が取り付けられている。角
柱29の他端は梁8を貫通して下側に突出し、下面の補
強ブラケットと上面同様に連結されている。
【0039】図8には補強部材の補強ブラケットを省略
した例が示されている。梁8の上面の所定位置には、垂
直面33aを備えた切り欠き部33が形成されている。
この垂直面33aには梁8の長手方向に伸びる貫通孔3
4が複数設けられており、この貫通孔34に補強ボルト
35が挿通される。固定は、ナットで締め付けた際に木
材の潰れを防止する目的で、板状の金属プレート36を
介して行われる。本構成は、補強ブラケットが他の部材
と干渉する部位や、美観が要求されるため補強ブラケッ
トを省略せざる得ない部位に適用される。
【0040】図9には梁36と梁37とを連結する部位
に適用される受け金具の例が示されている。大梁36と
小梁37との連結のために、受け金具24と接合金具3
8とが用いられる。受け金具24は垂直部材24a、支
持部材24b、縦部材24cおよびこの受け金具24と
小梁37との接触面積を広げることにより、全体の強度
を上げるための角部材24dとから構成されている。各
部材は溶接にて結合されている。
【0041】小梁37にはスリット39が形成されてい
る。このスリット39は、後述する、固定用ボルトとの
干渉を避けるためのスペ−スが形成されている部位39
a、受け金具24の縦部材24cを挿入するための部位
39bならびに受け金具24の角部材24dを挿入する
ための部位39cとから構成されている。垂直部材24
aには固定用のボルトが挿入される貫通孔40が複数形
成されている。
【0042】また、縦部材24cはT字型であって、垂
直部材24aとの間に第一空間41、角部材24dとの
間に第二空間42が設けられている。第一空間41は上
記固定用のボルトとの干渉を防ぐ目的で設けられてい
る。第二空間42には、受け金具24が小梁37のスリ
ット39に挿入された状態で、両者を固定するためのボ
ルト43が貫通される。
【0043】ボルト43は図4に示したものと同様に、
直方体の中央部と、この中央部の両端に形成されたボル
ト部とから構成されている。ボルト43の中央部の幅
は、第二空間42の幅と同一の大きさに設定されてい
る。組付け状態では上記ボルト43は第二空間42の上
端である縦部材24cならびに角部材24dに当接する
位置に設けられているため、小梁37の移動をすべての
方向に規制できる。
【0044】また、縦部材24cに比して大きい厚さを
有した角部材24dを設けたことで、小梁37の位置決
めが容易になるとともに、梁に加わる曲げ荷重や捩り荷
重を有効に大梁36に伝達できる。接合金具38は一端
が釘44にて梁の上面に固定される水平面38aと梁の
側面に当接される垂直面38bを有している。垂直面に
は大梁36と受け金具24とを連結するボルトが挿入さ
れる挿入孔45が形成されている。
【0045】大梁36には上記ボルトが挿入される貫通
孔が設けられており、受け金具24と大梁36とは接合
金具38を挟んでボルトにより締め上げ固定されてい
る。本実施例の場合、受け金具24と梁とを連結するボ
ルトは通常の丸ボルトが使用されている。このため、両
者の間に大きな荷重が作用した場合、梁のボルトが挿入
された部分で潰れが生じる可能性がある。従って、本実
施例では、入力荷重を梁の広い部分に分散させる目的で
上記接合金具38が用いられている。なお、図9に示さ
れる受け金具38は、図6に用いられる受け金具と同一
のもので、部品の共用化が図られている。
【0046】以上、本発明を実施例に基づいて説明した
が、上記実施例においては、鉛直方向に延びる柱に対し
て、凹部を有するボルトを直交する方向から交互に挿入
すると共に、各ボルトの凹部を直交するボルトに密接に
係合させることにより、柱の軸周りにかかるモ−メント
に対する強度の向上を図っているが、そのようなモ−メ
ントに対する強度の向上が必要とされない建築物に対し
ては、上記の凹部を各ボルトからなくし、図10(a)
に示すように、単に矩形の構造を有する中央部を有する
ボルトを採用し、上下方向から見て各ボルトが重なり合
う部分を上下の面において面接触させるだけでよい。
【0047】このような構造を採用することにより、凹
部を加工するコストを低減できるとともに、従来工法よ
り強度上強固な構造を提供できる。更に、上記実施例に
おいては、取付けボルトに設けられる凹部は、各ボルト
の下部に設けているが、建築物の必要性ならびにボルト
の組み付け時の利便性に応じて、この凹部はボルトの上
面に形成し、互いに直交するボルトと係合してもよいこ
とはいうまでもない。
【0048】このように凹部をボルト上面のみに設定す
る場合は各ボルトを貫通孔2,3に対して最下位置に位
置するものから順番に、交互に挿入、積み上げれば良
い。また上記実施例においては、この凹部の深さはボル
トの厚さの略半分が好ましいとしたが、設計強度上全て
のボルトが隙間なく当接する必要がない場合は、ボルト
への凹部の加工精度ならびにコストを考慮し、適宜ボル
ト厚さの半分以上または半分以下の深さを有するもので
あってもよい。
【0049】言い換えれば、凹部の深さが、ボルトの厚
みの半分以上に設定する場合は、図10(b)に示すよ
うに、少なくともそのボルトの凹部が形成される面で、
その凹部以外の面が、そのボルトの下方に位置し、且つ
同一方向から柱に対して挿入されるボルトの上面に面接
触する状態を提供できる構造であればよい。一方、凹部
の深さが、ボルトの厚みの半分未満に設定する場合は、
図10(c)に示すように、少なくとも凹部の上面が、
そのボルトの下方に位置し、且つ直交する方向から柱に
対して挿入されるボルトの上面に面接触する状態を提供
できる構造であればよい。また、図示していないが、ボ
ルトに設けられる凹部は、ボルト下面または上面のいず
れか一方である必要はなく、上面、下面の両方に設けて
も良い。
【0050】
【発明の効果】以上説明のように、請求項1記載の発明
によると、第一ならびに第二の取付けボルトが、柱に対
して互いに直交する異なる方向から挿入され、かつ柱内
部において共有する同一空間にて上下方向の面において
面接触するように形成されるので、柱の上方向からかか
る荷重を確実に受け止め、柱下方に伝達することができ
る。
【0051】請求項2記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトにおいて、一方の取付けボルト
は、凹部を介して他方の取付けボルトに、凹部の少なく
とも側面で接触するよう構成されているため、請求項1
記載の発明の効果に加え、柱の軸周りに捻じりモ−メン
トが加わった場合においても、確実にその捻じりモ−メ
ントを側面での接触で確実に受け止め、柱下方に伝達す
ることができる。
【0052】請求項3記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトが、柱に対して互いに直交する異
なる方向から挿入され、かつ柱内部において共有する同
一空間にて上下方向の面において面接触するように組付
けられるので、柱の上方向からかかる荷重を確実に受け
止め、柱下方に伝達することができる。
【0053】請求項4記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトにおいて、一方の取付けボルト
は、凹部を介して他方の取付けボルトに、凹部の少なく
とも側面で接触した状態で組付けられるため、請求項3
記載の発明の効果に加え、柱の軸周りに捻じりモ−メン
トが加わった場合においても、確実にその捻じりモ−メ
ントを側面での接触で確実に受け止め、柱下方に伝達す
ることができる。
【0054】請求項5記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトにおいて、少なくとも一方の取付
けボルトに凹部を形成したので、他方のボルトとの面接
触の面積を拡大でき荷重の伝達をより確実に行うことが
できる。また、取付けボルトを互いに組み合わせた状態
で、その高さを低く押さえることができ、コンパクト化
に寄与する。
【0055】請求項6記載の発明によると、さらに凹部
の側面でも接触するため柱の軸周りに捻じりモ−メント
が加わった場合においても、確実にその捻じりモ−メン
トを側面での接触で確実に受け止め、柱下方に伝達する
ことができる。請求項7記載の発明によると、伝達すべ
き荷重の大きさに応じて適当な数の取付けボルトを使用
でき、設計の自由度が格段に向上する。
【0056】請求項8記載の発明によると、第一ならび
に第二の貫通孔をオフセットさせたので、オフセットの
無い構造と比べ、不要な空間を柱に形成すること、換言
すれば柱の欠損断面を必要以上に形成することなく、柱
の強度低下を防止できる。請求項9記載の発明による
と、請求項8記載の発明の効果に加え、柱の欠損断面を
更に減少できる。
【0057】請求項10記載の発明によると、第一なら
びに第二の結合部材に柱状部材を設けると共に、その柱
状部材を挿入可能な幅のあるスリットを横架材に形成し
たので、横架材に単に第一ならびに第二の結合部材挿入
用スリットを設けたものに比べ、横架材の柱に対する支
持強度を向上させることができる。
【0058】請求項11記載の発明によると、第一なら
びに第二の貫通孔をオフセットさせたので、オフセット
の無い構造と比べ、不要な空間を柱に形成すること、換
言すれば柱の欠損断面を必要以上に形成することなく、
柱の強度低下を防止できる。請求項12記載の発明によ
ると、請求項11記載の発明の効果に加え、柱の欠損断
面を更に減少できる。
【0059】請求項11記載の発明によると、第一なら
びに第二の貫通孔は複数の第一ならびに第二の貫通孔用
の取付けボルトを挿入可能に設定するとともに、上記第
一ならびに第二の貫通孔に対し、上記第一ならびに第二
の貫通孔用の取付けボルトを交互に、ボルトの本体部が
他方の取付けボルトの凹部と係合するように挿入、位置
決めしたため、取付けボルト同士の面接触の面積を拡大
でき荷重の伝達をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る接合構造を構成する接合
金具、取付けボルト、柱および梁の分解斜視図である。
【図2】(a)、(b)及び(c)はそれぞれ本発明の
実施例に係る接合構造を構成する取付けボルトの組立状
態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る接合構造を構成する接合
金具、取付けボルト、柱および梁の組付け状態を示す斜
視図である。
【図4】固定ボルトを示す斜視図である。
【図5】取付けボルトの変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る接合構造を構成する接合金具、取
付けボルト、柱および梁の組付け状態の他の実施例を示
す斜視図である。
【図7】取付けボルトの他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図8】補強部材の他の実施例を示す側面図である。
【図9】本発明の実施例に係る大梁と小梁の結合構造を
示す斜視図である。
【図10】本発明の他の実施例に係る接合構造を構成す
る取付けボルトの組立状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 通し柱 2 貫通孔 3 貫通孔 4 取付けボルト 5 受け金具 6 ボルト挿入孔 7 固定用挿入孔 8 梁(横架材) 9 ナット 10 補強部材 11 補強ブラケット 12 補強ボルト 15 固定ボルト 17 梁の貫通孔 21 コーナ柱 22 取付けボルト 24 受け金具 26 補強ボルト 27 補強ブラケット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 木造建築物の柱と横架材の接合構造お
よび接合方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木造建築物における
柱と横架材の接合構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、木造建築物において、柱と横架材
(梁)との接合は、ほぞ組みによって行われるのが一般
的であった。この場合、ほぞ加工は大工職人が作業現場
でその加工を行う。また、専用機械を利用してほぞ加工
をあらかじめ工場で行う場合もある。これらの加工に際
し、前者の場合熟練した専門の大工職人が必要で、後者
の場合は専用の加工機械が必要であり、いずれの場合も
コストアップを招き、安価な木造構造物の提供が難しい
状況にある。
【0003】そのために、特開平8−312007号に
柱と梁の接合をU字型の金具を使用した接合構造が提案
されている。この接合構造は、U字型もしくはコ字型の
金物をボルトと柱側面のほぞ溝を介して柱へ固定し、そ
の金物の平行な辺を梁側面に形成されたスリットへ挿入
してピンで固定するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、梁から柱へ
応力を伝達する場合、柱には木材の繊維方向と平行方向
に、梁には繊維方向と直行方向にそれぞれ力が作用す
る。上記従来技術では、木材は繊維方向に対する力が強
いことを前提に、梁の応力を負担するために、金物の下
端に溶接された支持プレートを備えた金物が開示されて
いる。つまり、上記従来技術では、梁に作用する外力に
対しては考慮されているが、柱に作用する荷重に対して
は何ら考慮されていない。
【0005】しかしながら、出願人が鋭意研究した結
果、柱に作用する繊維方向に平行な力は、時間の経過と
ともに、柱の繊維を押しつぶし、柱と梁との間の相対変
位を引き起こすこと、また、建物に大きな外力が作用し
たときも同様であることを見出した。建物自体の耐震性
が注目される現在、この問題は無視できるものではな
い。
【0006】この問題を解決するためには、第一に柱と
して繊維方向に強い特殊な材料のものを選択すること、
第二に大きな直径を持つボルトを使用すること、第三に
ボルト数を増やすこと等が考えられる。第一の場合、特
殊な材料を使用するため加工が困難になり、コストアッ
プになってしまう。第二の場合、柱の欠損断面の拡大に
伴い、相対的に大きな断面積を持つ柱を選択せざる得な
くなり、結果的にコストアップに繋がってしまう。第三
の場合は、相対的にボルト同士の間隔が狭くなってしま
い、ボルトとボルトの間に存在する繊維の厚さが小さく
なり極めて潰れやすくなってしまうことと、柱に貫通
孔、つまり柱にとっての欠損断面が多数存在することと
なり結果として柱の強度が低下してしまう。
【0007】本発明は、上記従来の欠点を解消して、柱
と梁の複雑な加工が不要で、しかも大きな応力を負担さ
せることが可能で、なおかつコストの安い木造建築物を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の欠
点を解消し、柱と梁の複雑な加工が不要で、しかも大き
な応力を負担させることが可能で、なおかつコストの安
い木造建造物を提供することを目的とするものである。
請求項1の発明によると、鉛直方向に延びる柱と、この
柱の異なる側面で且つ、互いに直交する2方向から第一
の横架材ならびに第二の横架材を接合する木造建築物の
柱と横架材との接合構造において、上記柱の第一の側面
に設けられる第一の貫通孔と、上記柱の上記第一の側面
と直交する位置に設けられる第二の側面に設けられ、柱
内部において上記第一の貫通孔と交差するように同一空
間を共有する第二の貫通孔と、上記第一の貫通孔から柱
に挿入され、柱の内部に設置される本体部と該本体部か
ら第一の貫通孔から外部に向けて延びる締結部とからな
る第一の貫通孔用の取付けボルトと、上記第二の貫通孔
から柱に挿入され、柱の内部に設置される本体部と該本
体部から第二の貫通孔から外部に向けて延びる締結部と
からなるとともに、挿入後、上記柱に形成される上記同
一空間内において上記第一の貫通孔用の取付けボルトの
下面と面接触する上面を有する第二の貫通孔用の取付け
ボルトと、上記第一の貫通孔用の取付けボルトに設けら
れる締結部と結合する結合部と上記柱に対して接合する
第一の横架材を支持する支持部とを有する第一の結合部
材と、上記第二の貫通孔用の取付けボルトに設けられる
締結部と結合する結合部と上記柱に対して接合する第二
の横架材を支持する支持部とを有する第二の結合部材と
からなることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明によると、鉛直方向に
延びる柱と、この柱の異なる側面で且つ、互いに直交す
る2方向から第一の横架材ならびに第二の横架材を接合
する木造建築物の柱と横架材との接合構造において、上
記柱の第一の側面に設けられる第一の貫通孔と、上記柱
の上記第一の側面と直交する位置に設けられる第二の側
面に設けられ、柱内部において上記第一の貫通孔と交差
するように同一空間を共有する第二の貫通孔と、上記第
一の貫通孔から柱に挿入され、柱の内部に設置される本
体部と該本体部の上面または下面の少なくとも一方に設
けられる凹部と該本体部から第一の貫通孔から外部に向
けて延びる締結部とからなる第一の貫通孔用の取付けボ
ルトと、上記第二の貫通孔から柱に挿入され、柱の内部
に設置される本体部と該本体部の上面または下面の少な
くとも一方で且つ、第一の貫通孔用の取付けボルトの凹
部が設けられる他方の面に設けられる凹部と該本体部か
ら第二の貫通孔から外部に向けて延びる締結部とからな
るとともに、柱に挿入位置決め後、上記柱に形成される
上記同一空間内において上記第一の貫通孔用の取付けボ
ルトの凹部に係合する上面または下面のいずれか一方を
有する第二の貫通孔用の取付けボルトと、上記第一の貫
通孔用の取付けボルトに設けられる締結部と結合する結
合部と上記柱に対して接合する第一の横架材を支持する
支持部とを有する第一の結合部材と、上記第二の貫通孔
用の取付けボルトに設けられる締結部と結合する結合部
と上記柱に対して接合する第二の横架材を支持する支持
部とを有する第二の結合部材とからなることを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の発明では、鉛直方向に延び
る柱と、この柱の異なる側面で且つ、互いに直交する2
方向から第一の横架材ならびに第二の横架材を接合する
木造建築物の柱と横架材との接合方法において、上記柱
の上記第一の横架材を接合する第一の側面に、柱内部に
向けて延びる第一の貫通孔を形成するとともに、上記第
二の横架材を接合する第二の側面に、柱内部に向けて延
びるとともに、上記第一の貫通孔と柱内部において交差
するように同一共有空間を有する第二の貫通孔を形成
し、少なくとも上下面において平面部を有する本体部と
この本体部から本体部長手方向の端部から延びる締結部
を有する第一の取付けボルトを、上記第一の貫通孔より
柱に挿入、位置決め後、少なくとも上下面において平面
部を有する本体部とこの本体部から本体部長手方向の端
部から延びる締結部を有する第二の取付けボルトを、第
二の貫通孔より柱に挿入後、位置決めした際、柱内部の
上記同一共有空間において、上記第一の取付けボルトの
本体部の平面部と上記第二の取付けボルトの本体部の平
面部とが面接触するように組み付け、柱に組み付けられ
た上記第一ならびに第二の取付けボルトの締結部に対し
結合する結合部と上記第一ならびに第二の横架材を支持
する支持部とを有する第一ならびに第二の結合部材を上
記各結合部によって各々第一ならびに第二の取付けボル
トの締結部に結合するとともに、各支持部によって上記
第一ならびに第二の横架材を支持するように組み付ける
ことを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、鉛直方向に延びる
柱と、この柱の異なる側面で且つ、互いに直交する2方
向から第一の横架材ならびに第二の横架材を接合する木
造建築物の柱と横架材との接合方法において、上記柱の
上記第一の横架材を接合する第一の側面に、柱内部に向
けて延びる第一の貫通孔を形成するとともに、上記第二
の横架材を接合する第二の側面に、柱内部に向けて延び
るとともに、上記第一の貫通孔と柱内部において交差す
るように同一共有空間を有する第二の貫通孔を形成し、
少なくとも上下面において平面部を有する本体部とこの
平面部のいずれか一方の一部に形成される凹部とこの本
体部から本体部長手方向の端部から延びる締結部を有す
る第一の取付けボルトを、上記第一の貫通孔より柱に挿
入、位置決め後、少なくとも上下面において平面部を有
する本体部とこの平面部のいずれか一方の一部に形成さ
れる凹部とこの本体部から本体部長手方向の端部から延
びる締結部を有する第二の取付けボルトを、第二の貫通
孔より柱に挿入後、位置決めした際、柱内部の上記同一
共有空間において、上記第一の取付けボルトの本体部の
凹部に対して上記第二の取付けボルトの本体部が係合す
るように組み付け、柱に組み付けられた上記第一ならび
に第二の取付けボルトの締結部に対し結合する結合部と
上記第一ならびに第二の横架材を支持する支持部とを有
する第一ならびに第二の結合部材を上記各結合部によっ
て各々第一ならびに第二の取付けボルトの締結部に結合
するとともに、各支持部によって上記第一ならびに第二
の横架材を支持するように組み付けることを特徴とす
る。
【0012】請求項5記載の発明では、請求項1記載の
構成において、上記第一ならびに第二の貫通孔用の取付
けボルトの本体部の上面または下面の少なくとも一方
に、柱の同一空間において直交する方向から挿入され
る、他方の第一または第二の貫通孔用の取付けボルトの
上面、下面または両側面の少なくともひとつに面接触す
る凹部を有することを特徴とする。請求項6記載の発明
では、請求項5記載の構成において、上記第一ならびに
第二の貫通孔用の取付けボルトの本体部に形成される上
記凹部は、柱に対して直交する方向から挿入される他方
の第一または第二の貫通孔用の取付けボルトの上記凹部
に対向する、上面または下面の一方と両側面に面接触す
るように構成されることを特徴とする。請求項7記載の
発明では、請求項1記載の構成において、上記第一なら
びに第二の貫通孔用の取付けボルトのいずれか一方は少
なくとも複数本であることを特徴とする。
【0013】請求項8記載の発明では、請求項1記載の
構成において、上記第一ならびに第二の貫通孔のいずれ
か一方でかつ、その上端または下端部の少なくとも一方
が、他方の貫通孔のそれに対して、鉛直方向においてオ
フセットしていることを特徴とする。請求項9記載の発
明では、請求項5記載の構成において、上記第一ならび
に第二の貫通孔のいずれか一方でかつ、その上端または
下端部の少なくとも一方が、他方の貫通孔のそれに対し
て、鉛直方向においてオフセットするとともに、そのオ
フセット量は、そのオフセットされる端部に当接、挿入
される取付けボルトの本体部の厚みからこの本体部に形
成される凹部の深さを差し引いたものに相当することを
特徴とする。
【0014】請求項10記載の発明では、請求項1また
は請求項2記載の構成において、上記第一ならびに第二
の結合部材の結合部は、各第一ならびに第二の貫通孔が
形成される上記柱の側面に対して面接触する平面部と、
この平面部に設けられる各取付けボルトの締結部を挿
入、支持する穴部とから構成され、上記支持部は、該平
面部から各横架材が位置する方向に向け延びる縦板状
部、この縦板状部の一方の端部に設けられ、上下方向に
延びる柱状部材と、上記平面部、縦板状部と柱状部材の
各下端部をつなぎ、上記横架材の下面に対して面接触す
る水平面部材とから構成されると共に、第一ならびに第
二の横架材でかつ、上記第一ならびに第二の結合部材に
支持される各端部は、この第一ならびに第二の結合部材
の支持部の縦板状部と柱状部材を挿入し、面接触するス
リット部が形成されるていることを特徴とする。
【0015】請求項11記載の発明では、請求項3記載
の方法において、上記第一ならびに第二の貫通孔のいず
れか一方でかつ、その上端または下端部の少なくとも一
方が、他方の貫通孔のそれに対して、鉛直方向において
オフセットするように形成することを特徴とする。 請
求項12記載の発明では、請求項4記載の方法におい
て、上記第一ならびに第二の貫通孔のいずれか一方でか
つ、その上端または下端部の少なくとも一方が、他方の
貫通孔のそれに対して、鉛直方向においてオフセットす
るとともに、そのオフセット量は、そのオフセットされ
る端部に当接、挿入される取付けボルトの本体部の厚み
からこの本体部に形成される凹部の深さを差し引いたも
のに相当またはそれ以上となるように上記柱に対して形
成することを特徴とする。
【0016】請求項13記載の発明では、請求項4記載
の構成において、上記第一ならびに第二の貫通孔は複数
の第一ならびに第二の貫通孔用の取付けボルトを挿入可
能に設定するとともに、上記第一ならびに第二の貫通孔
に対し、上記第一ならびに第二の貫通孔用の取付けボル
トを交互に、ボルトの本体部が他方の取付けボルトの凹
部と係合するように挿入、位置決めすることを特徴とす
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。図1は受け金具5、取付けボルト4、通し柱1お
よび梁8を分解した状態を示す斜視図である。通し柱1
には、取付けボルト4が挿入される貫通孔2、3が、互
いに直交する柱の側面から柱内部を貫通するとともに、
柱内部においてこの2つの貫通孔2,3が共有する同一
空間を形成するように設けられている。取付けボルト4
は、通し柱1の貫通孔2,3内に挿入され、直方体かつ
断面が矩形の本体部4aと、両端に形成されたボルト部
4bとから構成されているとともに、本体部4aの下面
かつ略中央部には所定の幅と深さを備えた凹部4cが形
成されている。凹部の底面は上記中央部4aの下面と略
平行に形成されている。
【0018】取付けボルト4のボルト部4bを取付ける
受け金具5は、U字型をなし、取付けボルト4を挿入す
るボルト挿入孔6が形成された中央片5a、中央片5a
の左右に位置し、受け金具5の軸に対して平行に延びる
側部片5b、5b、ならびに中央片5a、左右の側部片
5b,5bの各下縁部を三辺でつなぐ平面状部材である
底辺片5cとから構成されている。中央片5aのボルト
挿入孔6は高さ方向に所定の間隔でかつ一直線上に複数
設けられている。
【0019】言い換えれば、ボルト挿入孔6間のピッチ
は、通し柱1の貫通孔2または3に対して同一方向から
挿入される複数の取付けボルト4、4、4を組み合わせ
た際のボルト部4b間のピッチに基づいて所定間隔に設
けられる。また、各側部片5b,5bには、梁8をこの
受け金具5に対して位置決めした後、梁8を固定するた
めのボルト(図示せず)が挿入するボルト挿入孔7が複
数設けられている。
【0020】上記受け金具5に位置決め載置され、固定
される梁8の側端面8aには、組み付けた状態で上記取
付けボルト4および取付けボルト4とによって受け金具
5を通し柱1に対して固定するための取付けナット9と
の干渉を防止するため切欠部8bが予め加工されてい
る。切欠部8bは梁の上面と下面に亘って略一直線に、
所定の深さと幅に形成されている。
【0021】また、梁8の側面8cには、受け金具5と
の固定のために、上記受け金具5のボルト挿入孔7に対
応する位置に通し穴10が設けられている。受け金具5
の長さ、幅および高さは、通し柱1に接合される梁8の
断面の大きさに応じて任意に設定される。通し柱1と梁
8の接合は次のように行われる。まず、通し柱1の貫通
孔2,3に各々の取付けボルト4を挿入し位置決めする
(組付け状態は後に詳述する。)。
【0022】次に受け金具5の中央片5aに設けられた
各々のボルト挿入孔6に、取付けボルト4を通し、ナッ
ト9にて締め付け固定する。この作業は柱1のすべての
面で同様に行う。その後、各受け金具5の底辺片5c上
に各梁8を載せて位置合わせを行う。最後に受け金具5
のボルト挿入孔7と梁8の通し穴10に締め付け固定用
のボルト(図示省略)を挿入し、両側から締め上げて固
定する。
【0023】図2は各々の取付けボルト4の組合わせ状
態の詳細を示している。本実施例では取付けボルトは同
一方向に各々3個、合わせて6個使用されている(説明
のため上から4−1〜4−6の符号を付与)。まず、例
として互いに直交し組み合わされるボルト4−1ならび
に4−2を取り上げ、各ボルト4に設ける凹部4cの設
定の考え方ならびに各ボルトの組合せ方法の説明を行
う。ボルト4−1に設けられる凹部4cの深さ4fは、
好ましくは各ボルトの厚さならびに幅が同一とした場
合、各ボルトの強度と全てのボルトを組み合わせた際の
コンパクト性を考慮し、その厚さのほぼ半分に設定する
ことが好ましく、さらにその凹部の幅4iは、ボルト4
の幅とほぼ同一とするのが好ましい。
【0024】このような凹部の深さと幅の設定によっ
て、ボルト4−1から4−6までの組立体として見た場
合、各ボルトの組合せ面においてほぼ隙間のない一体的
な組立体を形成することができる。取付けボルト4−2
と4−4、4−3と4−5及び4−4と4−6も同様の
状態になっている。従って、各取付けボルトに作用する
せん断力は、下方の取付けボルト4−5と最下方の取付
けボルト4−6に伝達される。
【0025】その結果、通し柱1の貫通孔2、3は、上
記取付けボルト4からのせん断力を確実に通し柱1に伝
達するため以下の特徴を持っている。貫通孔2は通し柱
1の高さ方向に、取付けボルト4の中央部4aと略同じ
幅で矩形に形成されている。貫通孔2の底面2aは、上
記取付けボルト4−6が挿入された状態で、該取付けボ
ルト4−6の中央部4aの下面と面接触するようになっ
ている。貫通孔3は上記貫通孔2と直交する方向で、通
し柱1の高さ方向に、取付けボルト4の中央部4aと略
同じ幅で矩形に形成されている。
【0026】貫通孔3の底面3aは、上記取付けボルト
4−5が挿入された状態で、該取付けボルト4−5の中
央部4aの下面と面接触するようになっている。貫通孔
2の底面2aと貫通孔3の底面3aとは、高さ方向にオ
フセットされている。本実施例では、オフセット量は、
取付けボルト4の中央部4aの高さの1/2に設定され
ているが、実用化に際しては貫通孔やボルトのサイズ、
誤差を考慮し、高さの1/2より大きめに設定しても良
い。また、貫通孔2,3のオフセット量の基本的な設定
の考え方は、取付けボルト4の中央部4aの厚さから凹
部の深さ差し引いた量またはそれ以上の量である。
【0027】従って、取付けボルト4は通し柱1の貫通
孔2、3内で広い面積をもって接触しているために、梁
8から入力される荷重は通し柱1に確実に伝達される。
可能な限り大きな接触面積を確保するために、取付けボ
ルト4の中央部4aの長さと柱の貫通孔の深さ、換言す
れば柱1の幅とが一致されていることが望ましい。この
構成は接触面積を最大にできると共に、受け金具5と柱
1とをナットで締め付け固定する際に、中央部4aの端
部がストッパの役割を果たし、柱1が潰れる方向に受け
金具5が必要以上に移動することを規制できる特徴を有
している。
【0028】取付けボルト4に形成された凹部4cは、
複数の取付けボルト4−1〜4−6を互いに接触する面
積を増加させる目的で設けら、荷重の伝達を確実に行う
と共に、取付けボルト4−1〜4−6が組付けられた状
態で、全体の高さを低く押さえ、結果として該取付けボ
ルト4に取付けられる受け金具5の高さを抑え、小型化
に寄与する。また、取付けボルトの全体の高さを低く押
さえることは、柱1に形成される貫通孔2、3、換言す
れば柱にとっての欠損断面を最小限にできるので柱の耐
力の低下を最小限に押さえることができる。
【0029】また、該凹部4cは取付けボルト4の下面
に形成されているため、梁から作用する下向きの荷重に
対し、該凹部4cは閉じる方向、つまり嵌め込まれた相
手の取付けボルト4を挟む方向に変形することとなり、
大きな荷重が作用した場合にも取付けボルトが割れる懸
念がなく、むしろ複数の取付けボルトが強固に一体化さ
れ、強度上有利に作用する。
【0030】次に図ならびに図に基づいて、各ボル
ト4の組合せ方法について説明する。通し柱1に設けら
れる貫通孔3は、ボルト組立体4−1から4−6の最上
位置にあるボルト4−1を通すために、その開口高さ
は、貫通孔2のそれよりもボルトの厚みの半分またはそ
れ以上高く設定されている。このような関係にある貫通
孔2ならびに3に対し、まずボルト4−1を貫通孔3に
挿入するとともに、貫通孔3の上面にボルト4−1の上
面が当接するように位置させた後、ボルト4−2を貫通
孔2から、既に通し柱1に挿入されているボルト4−1
の凹部4cに係合するように挿入する。このような手順
で、ボルト4−3を貫通孔3よりボルト4−2の凹部4
cに係合するように、続いて、ボルト4−4、ボルト4
−5そして最後にボルト4−6を挿入する。従って、図
に示すように、貫通孔2ならびに3の各々の高さは、
挿入されるボルトのト−タルの厚み分設ければよく、最
初にボルトを挿入される貫通孔3が、貫通孔2に対し
て、ボルトの厚み半分高く柱に対して設けられるように
設定されればよい。
【0031】図は受け金具、取付けボルト、柱および
梁の組付け状態を示す斜視図を示している。組付け状態
の詳細な説明は省略するが、図には更に取付け強度を
増すために梁と梁とを連結して補強する補強部材が示さ
れている。補強ブラケット11はL字型に形成されてい
る。該補強ブラケット11は、補強ボルト12が挿通さ
れる挿通孔14を有する縦面11aと、該補強ブラケッ
ト11を梁8に固定するための固定ボルト15(図
示す)が挿通される挿通孔16を有する取付け面11b
とから構成されている。固定ボルト15は中央部が矩形
で両端にボルト部が形成されている。
【0032】補強ブラケット11が取り付けられる梁8
の側面には、固定ボルト15が挿入される矩形の貫通孔
17(図1に示す)が設けられている。補強ブラケット
11は1つの梁の側面に上下方向に2個(ブラケット1
1−1、11−2)設けられている。2つのブラケット
11−1、11−2の各々の取付け面11bの長さは互
いに異なり、挿通孔16の位置が梁に取付けた状態で梁
の長手方向に異なる位置となるよう設定されている。従
って、梁の貫通孔17の位置は梁の長手方向で相違し、
一個所に荷重が集中することがない。
【0033】補強部材は次のように取付けられる。ま
ず、互いに対向する梁に固定ボルト15、補強ブラケッ
ト11を取付ける。その後、各々の補強ブラケット11
の縦面11aの挿通孔14に補強ボルト12を通し、両
側からナットにて締め上げ固定する。従って、互いに対
向する梁と梁には、互いに近づく方向に締め付け力が付
勢されるため、結合強度が著しく向上する。なお、上記
取付け作業を可能とするため、受け金具5および梁8に
は上記補強ボルト12が通る位置に貫通孔51が設けて
ある。
【0034】図は取付けボルト4の変形例が示されて
いる。図(a)は中央部が断面三角形であるものを示
す。この場合、荷重を確実に柱に伝達するために底面が
広い面積を持つように形成されている。なお、第一実施
例ならびに本変形例においては、取付けボルト4は,鉄
の角材を削り出しで中央部とボルト部とを一体で成形さ
れているが、中央部を構成する角鉄に通し穴を形成し、
この通し穴にボルトを挿入して形成してもよい。更に、
(b)に示すように、他の変形例としては、長板状
部材を十字状に組み合わせて中央部を形成したものもあ
る。この場合、中央部の両端にはボルト部が溶接固定さ
れている。このように、図(a)ならびに(b)に示
すような取付けボルト4を採用する場合においても、柱
の貫通孔に対するボルトの挿入方法ならびに手順は、上
述の第一実施例にて説明したものと同様である。
【0035】以上、通し柱1の4面に対して梁を接合す
る実施例を示したが、コーナ部の柱にも本発明は適用可
能である。図は、その場合の結合構造を示す斜視図で
ある。コーナ柱21には、取付けボルト22が貫通され
る貫通孔(図示せず)が、互いに直行する方向に設けら
れている。取付けボルト22は、図に示すように、通
し柱1の貫通孔内に挿入され、直方体かつ断面が矩形の
矩形部22aと、一端に形成されたボルト部22bと、
他端に形成されたストッパ部22cから構成されてい
る。ストッパ部22cの幅は、ストッパの機能を持たす
ために、柱の貫通孔の開口幅より大きく設定されいる。
【0036】矩形部の下面かつ略中央部には所定の幅と
深さを備えた凹部23が形成されている。凹部の底面は
上記中央部の下面と略平行に形成され、このボルト22
の下方でかつ、直交方向からコ−ナ柱21に挿入される
同様の構造を有するボルト(図示せず)の上面と係合す
るようになっている。取付けボルト22のボルト部22
bに取付けられる受け金具24は、第1実施例と異な
り、梁8に形成されたスリットに挿入されている。好ま
しい受け金具24の詳細は図11に示されている。
【0037】コーナ柱21と梁8の接合は次のように行
われる。まず、通し柱1の貫通孔に各々の取付けボルト
22を挿入し位置決めする(このボルトの挿入方法は上
述した第一実施例のボルトの挿入方法と同様なので詳細
は省略する。)。次に受け金具24を取付けボルト22
にて柱21に固定し、各梁8のスリット部25を各受け
金具24に差込み、梁8の両側面からボルトにて締め上
げて固定する。
【0038】本実施例の場合、補強部材の固定方法も第
1実施例と若干異なっている。具体的には、補強部材は
梁8とコーナ柱21との間を連結するとともに、梁8の
上下面に設けられている。補強ボルト26の一端は第1
実施例と同様に、梁8に固定された補強ブラケット27
にナットにより固定される。補強ブラケット27は梁8
に直接固定され、梁8に設けられた貫通孔28に挿入さ
れた角柱29と連結されている。他端はコーナ柱21に
設けられた貫通孔30に挿通され、コーナ柱に角ワッシ
ャ31を介してナット32で締め付けられる。梁8の下
面にも上記と同様の補強部材が取り付けられている。角
柱29の他端は梁8を貫通して下側に突出し、下面の補
強ブラケットと上面同様に連結されている。
【0039】図10には補強部材の補強ブラケットを省
略した例が示されている。梁8の上面の所定位置には、
垂直面33aを備えた切り欠き部33が形成されてい
る。この垂直面33aには梁8の長手方向に伸びる貫通
孔34が複数設けられており、この貫通孔34に補強ボ
ルト35が挿通される。固定は、ナットで締め付けた際
に木材の潰れを防止する目的で、板状の金属プレート3
6を介して行われる。本構成は、補強ブラケットが他の
部材と干渉する部位や、美観が要求されるため補強ブラ
ケットを省略せざる得ない部位に適用される。
【0040】図11には梁36と梁37とを連結する部
位に適用される受け金具の例が示されている。大梁36
と小梁37との連結のために、受け金具24と接合金具
38とが用いられる。受け金具24は垂直部材24a、
支持部材24b、縦部材24cおよびこの受け金具24
と小梁37との接触面積を広げることにより、全体の強
度を上げるための角部材24dとから構成されている。
各部材は溶接にて結合されている。
【0041】小梁37にはスリット39が形成されてい
る。このスリット39は、後述する、固定用ボルトとの
干渉を避けるためのスペ−スが形成されている部位39
a、受け金具24の縦部材24cを挿入するための部位
39bならびに受け金具24の角部材24dを挿入する
ための部位39cとから構成されている。垂直部材24
aには固定用のボルトが挿入される貫通孔40が複数形
成されている。
【0042】また、縦部材24cはT字型であって、垂
直部材24aとの間に第一空間41、角部材24dとの
間に第二空間42が設けられている。第一空間41は上
記固定用のボルトとの干渉を防ぐ目的で設けられてい
る。第二空間42には、受け金具24が小梁37のスリ
ット39に挿入された状態で、両者を固定するためのボ
ルト43が貫通される。
【0043】ボルト43は図に示したものと同様に、
直方体の中央部と、この中央部の両端に形成されたボル
ト部とから構成されている。ボルト43の中央部の幅
は、第二空間42の幅と同一の大きさに設定されてい
る。組付け状態では上記ボルト43は第二空間42の上
端である縦部材24cならびに角部材24dに当接する
位置に設けられているため、小梁37の移動をすべての
方向に規制できる。
【0044】また、縦部材24cに比して大きい厚さを
有した角部材24dを設けたことで、小梁37の位置決
めが容易になるとともに、梁に加わる曲げ荷重や捩り荷
重を有効に大梁36に伝達できる。接合金具38は一端
が釘44にて梁の上面に固定される水平面38aと梁の
側面に当接される垂直面38bを有している。垂直面に
は大梁36と受け金具24とを連結するボルトが挿入さ
れる挿入孔45が形成されている。
【0045】大梁36には上記ボルトが挿入される貫通
孔が設けられており、受け金具24と大梁36とは接合
金具38を挟んでボルトにより締め上げ固定されてい
る。本実施例の場合、受け金具24と梁とを連結するボ
ルトは通常の丸ボルトが使用されている。このため、両
者の間に大きな荷重が作用した場合、梁のボルトが挿入
された部分で潰れが生じる可能性がある。従って、本実
施例では、入力荷重を梁の広い部分に分散させる目的で
上記接合金具38が用いられている。なお、図11に示
される受け金具24は、図に用いられる受け金具24
と同一のもので、部品の共用化が図られている。
【0046】以上、本発明を実施例に基づいて説明した
が、上記実施例においては、鉛直方向に延びる柱に対し
て、凹部を有するボルトを直交する方向から交互に挿入
すると共に、各ボルトの凹部を直交するボルトに密接に
係合させることにより、柱の軸周りにかかるモ−メント
に対する強度の向上を図っているが、そのようなモ−メ
ントに対する強度の向上が必要とされない建築物に対し
ては、上記の凹部を各ボルトからなくし、図12(a)
に示すように、単に矩形の構造を有する中央部を有する
ボルトを採用し、上下方向から見て各ボルトが重なり合
う部分を上下の面において面接触させるだけでよい。
【0047】このような構造を採用することにより、凹
部を加工するコストを低減できるとともに、従来工法よ
り強度上強固な構造を提供できる。更に、上記実施例に
おいては、取付けボルトに設けられる凹部は、各ボルト
の下部に設けているが、建築物の必要性ならびにボルト
の組み付け時の利便性に応じて、この凹部はボルトの上
面に形成し、互いに直交するボルトと係合してもよいこ
とはいうまでもない。
【0048】このように凹部をボルト上面のみに設定す
る場合は各ボルトを貫通孔2,3に対して最下位置に位
置するものから順番に、交互に挿入、積み上げれば良
い。また上記実施例においては、この凹部の深さはボル
トの厚さの略半分が好ましいとしたが、設計強度上全て
のボルトが隙間なく当接する必要がない場合は、ボルト
への凹部の加工精度ならびにコストを考慮し、適宜ボル
ト厚さの半分以上または半分以下の深さを有するもので
あってもよい。
【0049】言い換えれば、凹部の深さが、ボルトの厚
みの半分以上に設定する場合は、図12(b)に示すよ
うに、少なくともそのボルトの凹部が形成される面で、
その凹部以外の面が、そのボルトの下方に位置し、且つ
同一方向から柱に対して挿入されるボルトの上面に面接
触する状態を提供できる構造であればよい。一方、凹部
の深さが、ボルトの厚みの半分未満に設定する場合は、
12(c)に示すように、少なくとも凹部の上面が、
そのボルトの下方に位置し、且つ直交する方向から柱に
対して挿入されるボルトの上面に面接触する状態を提供
できる構造であればよい。また、図示していないが、ボ
ルトに設けられる凹部は、ボルト下面または上面のいず
れか一方である必要はなく、上面、下面の両方に設けて
も良い。
【0050】
【発明の効果】以上説明のように、請求項1記載の発明
によると、第一ならびに第二の取付けボルトが、柱に対
して互いに直交する異なる方向から挿入され、かつ柱内
部において共有する同一空間にて上下方向の面において
面接触するように形成されるので、柱の上方向からかか
る荷重を確実に受け止め、柱下方に伝達することができ
る。
【0051】請求項2記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトにおいて、一方の取付けボルト
は、凹部を介して他方の取付けボルトに、凹部の少なく
とも側面で接触するよう構成されているため、請求項1
記載の発明の効果に加え、柱の軸周りに捻じりモ−メン
トが加わった場合においても、確実にその捻じりモ−メ
ントを側面での接触で確実に受け止め、柱下方に伝達す
ることができる。
【0052】請求項3記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトが、柱に対して互いに直交する異
なる方向から挿入され、かつ柱内部において共有する同
一空間にて上下方向の面において面接触するように組付
けられるので、柱の上方向からかかる荷重を確実に受け
止め、柱下方に伝達することができる。
【0053】請求項4記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトにおいて、一方の取付けボルト
は、凹部を介して他方の取付けボルトに、凹部の少なく
とも側面で接触した状態で組付けられるため、請求項3
記載の発明の効果に加え、柱の軸周りに捻じりモ−メン
トが加わった場合においても、確実にその捻じりモ−メ
ントを側面での接触で確実に受け止め、柱下方に伝達す
ることができる。
【0054】請求項5記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトにおいて、少なくとも一方の取付
けボルトに凹部を形成したので、他方のボルトとの面接
触の面積を拡大でき荷重の伝達をより確実に行うことが
できる。また、取付けボルトを互いに組み合わせた状態
で、その高さを低く押さえることができ、コンパクト化
に寄与する。
【0055】請求項6記載の発明によると、さらに凹部
の側面でも接触するため柱の軸周りに捻じりモ−メント
が加わった場合においても、確実にその捻じりモ−メン
トを側面での接触で確実に受け止め、柱下方に伝達する
ことができる。請求項7記載の発明によると、伝達すべ
き荷重の大きさに応じて適当な数の取付けボルトを使用
でき、設計の自由度が格段に向上する。
【0056】請求項8記載の発明によると、第一ならび
に第二の貫通孔をオフセットさせたので、オフセットの
無い構造と比べ、不要な空間を柱に形成すること、換言
すれば柱の欠損断面を必要以上に形成することなく、柱
の強度低下を防止できる。請求項9記載の発明による
と、請求項8記載の発明の効果に加え、柱の欠損断面を
更に減少できる。
【0057】請求項10記載の発明によると、第一なら
びに第二の結合部材に柱状部材を設けると共に、その柱
状部材を挿入可能な幅のあるスリットを横架材に形成し
たので、横架材に単に第一ならびに第二の結合部材挿入
用スリットを設けたものに比べ、横架材の柱に対する支
持強度を向上させることができる。
【0058】請求項11記載の発明によると、第一なら
びに第二の貫通孔をオフセットさせたので、オフセット
の無い構造と比べ、不要な空間を柱に形成すること、換
言すれば柱の欠損断面を必要以上に形成することなく、
柱の強度低下を防止できる。請求項12記載の発明によ
ると、請求項11記載の発明の効果に加え、柱の欠損断
面を更に減少できる。
【0059】請求項11記載の発明によると、第一なら
びに第二の貫通孔は複数の第一ならびに第二の貫通孔用
の取付けボルトを挿入可能に設定するとともに、上記第
一ならびに第二の貫通孔に対し、上記第一ならびに第二
の貫通孔用の取付けボルトを交互に、ボルトの本体部が
他方の取付けボルトの凹部と係合するように挿入、位置
決めしたため、取付けボルト同士の面接触の面積を拡大
でき荷重の伝達をより確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る接合構造を構成する接合
金具、取付けボルト、柱および梁の分解斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る接合構造を構成する取付
けボルトの組立状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る接合構造を構成する取付
けボルトの組立状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例に係る接合構造を構成する取付
けボルトの組立状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例に係る接合構造を構成する接合
金具、取付けボルト、柱および梁の組付け状態を示す斜
視図である。
【図6】固定ボルトを示す斜視図である。
【図7】取付けボルトの変形例を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る接合構造を構成する接合金具、取
付けボルト、柱および梁の組付け状態の他の実施例を示
す斜視図である。
【図9】取付けボルトの他の実施例を示す斜視図であ
る。
【図10】補強部材の他の実施例を示す側面図である。
【図11】本発明の実施例に係る大梁と小梁の結合構造
を示す斜視図である。
【図12】本発明の他の実施例に係る接合構造を構成す
る取付けボルトの組立状態を示す斜視図である。
【符号の説明】 1 通し柱 2 貫通孔 3 貫通孔 4 取付けボルト 5 受け金具 6 ボルト挿入孔 7 固定用挿入孔 8 梁(横架材) 9 ナット 10 補強部材 11 補強ブラケット 12 補強ボルト 15 固定ボルト 17 梁の貫通孔 21 コーナ柱 22 取付けボルト 24 受け金具 26 補強ボルト 27 補強ブラケット
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図6】
【図7】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図5】
【図10】
【図12】
【図11】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の効果
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の効果】以上説明のように、請求項1記載の発明
によると、第一ならびに第二の取付けボルトが、柱に対
して互いに直交する異なる方向から挿入され、かつ柱内
部において共有する同一空間にて上下方向の面において
面接触するように形成されるので、柱の上方向からかか
る荷重を確実に受け止め、柱下方に伝達することができ
る。
【0051】請求項2記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトにおいて、一方の取付けボルト
は、凹部を介して他方の取付けボルトに、凹部の少なく
とも側面で接触するよう構成されているため、請求項1
記載の発明の効果に加え、柱の軸周りに捻じりモ−メン
トが加わった場合においても、確実にその捻じりモ−メ
ントを側面での接触で確実に受け止め、柱下方に伝達す
ることができる。
【0052】請求項3記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトが、柱に対して互いに直交する異
なる方向から挿入され、かつ柱内部において共有する同
一空間にて上下方向の面において面接触するように組付
けられるので、柱の上方向からかかる荷重を確実に受け
止め、柱下方に伝達することができる。
【0053】請求項4記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトにおいて、一方の取付けボルト
は、凹部を介して他方の取付けボルトに、凹部の少なく
とも側面で接触した状態で組付けられるため、請求項3
記載の発明の効果に加え、柱の軸周りに捻じりモ−メン
トが加わった場合においても、確実にその捻じりモ−メ
ントを側面での接触で確実に受け止め、柱下方に伝達す
ることができる。
【0054】請求項5記載の発明によると、第一ならび
に第二の取付けボルトにおいて、少なくとも一方の取付
けボルトに凹部を形成したので、他方のボルトとの面接
触の面積を拡大でき荷重の伝達をより確実に行うことが
できる。また、取付けボルトを互いに組み合わせた状態
で、その高さを低く押さえることができ、コンパクト化
に寄与する。
【0055】請求項6記載の発明によると、さらに凹部
の側面でも接触するため柱の軸周りに捻じりモ−メント
が加わった場合においても、確実にその捻じりモ−メン
トを側面での接触で確実に受け止め、柱下方に伝達する
ことができる。請求項7記載の発明によると、伝達すべ
き荷重の大きさに応じて適当な数の取付けボルトを使用
でき、設計の自由度が格段に向上する。
【0056】請求項8記載の発明によると、第一ならび
に第二の貫通孔をオフセットさせたので、オフセットの
無い構造と比べ、不要な空間を柱に形成すること、換言
すれば柱の欠損断面を必要以上に形成することなく、柱
の強度低下を防止できる。請求項9記載の発明による
と、請求項8記載の発明の効果に加え、柱の欠損断面を
更に減少できる。
【0057】請求項10記載の発明によると、第一なら
びに第二の結合部材に柱状部材を設けると共に、その柱
状部材を挿入可能な幅のあるスリットを横架材に形成し
たので、横架材に単に第一ならびに第二の結合部材挿入
用スリットを設けたものに比べ、横架材の柱に対する支
持強度を向上させることができる。
【0058】請求項11記載の発明によると、第一なら
びに第二の貫通孔をオフセットさせたので、オフセット
の無い構造と比べ、不要な空間を柱に形成すること、換
言すれば柱の欠損断面を必要以上に形成することなく、
柱の強度低下を防止できる。請求項12記載の発明によ
ると、請求項11記載の発明の効果に加え、柱の欠損断
面を更に減少できる。
【0059】請求項11記載の発明によると、第一なら
びに第二の貫通孔は複数の第一ならびに第二の貫通孔用
の取付けボルトを挿入可能に設定するとともに、上記第
一ならびに第二の貫通孔に対し、上記第一ならびに第二
の貫通孔用の取付けボルトを交互に、ボルトの本体部が
他方の取付けボルトの凹部と係合するように挿入、位置
決めしたため、取付けボルト同士の面接触の面積を拡大
でき荷重の伝達をより確実に行うことができる。
【0060】請求項14記載の発明によると、締結部材
を介して梁と梁、または梁と柱とが連結される。特に締
結部材は締結方向に平面部を有しているため極めて広い
面積で荷重の伝達が可能となるため両者の締結強度が向
上する。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛直方向に延びる柱と、この柱の異なる
    側面で且つ、互いに直交する2方向から第一の横架材な
    らびに第二の横架材を接合する木造建築物の柱と横架材
    との接合構造において、上記柱の第一の側面に設けられ
    る第一の貫通孔と、上記柱の上記第一の側面と直交する
    位置に設けられる第二の側面に設けられ、柱内部におい
    て上記第一の貫通孔と交差するように同一空間を共有す
    る第二の貫通孔と、上記第一の貫通孔から柱に挿入さ
    れ、柱の内部に設置される本体部と該本体部から第一の
    貫通孔から外部に向けて延びる締結部とからなる第一の
    貫通孔用の取付けボルトと、上記第二の貫通孔から柱に
    挿入され、柱の内部に設置される本体部と該本体部から
    第二の貫通孔から外部に向けて延びる締結部とからなる
    とともに、挿入後、上記柱に形成される上記同一空間内
    において上記第一の貫通孔用の取付けボルトの下面と面
    接触する上面を有する第二の貫通孔用の取付けボルト
    と、上記第一の貫通孔用の取付けボルトに設けられる締
    結部と結合する結合部と上記柱に対して接合する第一の
    横架材を支持する支持部とを有する第一の結合部材と、
    上記第二の貫通孔用の取付けボルトに設けられる締結部
    と結合する結合部と上記柱に対して接合する第二の横架
    材を支持する支持部とを有する第二の結合部材とからな
    ることを特徴とする木造建築物の柱と横架材との接合構
    造。
  2. 【請求項2】 鉛直方向に延びる柱と、この柱の異なる
    側面で且つ、互いに直交する2方向から第一の横架材な
    らびに第二の横架材を接合する木造建築物の柱と横架材
    との接合構造において、上記柱の第一の側面に設けられ
    る第一の貫通孔と、上記柱の上記第一の側面と直交する
    位置に設けられる第二の側面に設けられ、柱内部におい
    て上記第一の貫通孔と交差するように同一空間を共有す
    る第二の貫通孔と、上記第一の貫通孔から柱に挿入さ
    れ、柱の内部に設置される本体部と該本体部の上面また
    は下面の少なくとも一方に設けられる凹部と該本体部か
    ら第一の貫通孔から外部に向けて延びる締結部とからな
    る第一の貫通孔用の取付けボルトと、上記第二の貫通孔
    から柱に挿入され、柱の内部に設置される本体部と該本
    体部の上面または下面の少なくとも一方で且つ、第一の
    貫通孔用の取付けボルトの凹部が設けられる他方の面に
    設けられる凹部と該本体部から第二の貫通孔から外部に
    向けて延びる締結部とからなるとともに、柱に挿入位置
    決め後、上記柱に形成される上記同一空間内において上
    記第一の貫通孔用の取付けボルトの凹部に係合する上面
    または下面のいずれか一方を有する第二の貫通孔用の取
    付けボルトと、上記第一の貫通孔用の取付けボルトに設
    けられる締結部と結合する結合部と上記柱に対して接合
    する第一の横架材を支持する支持部とを有する第一の結
    合部材と、上記第二の貫通孔用の取付けボルトに設けら
    れる締結部と結合する結合部と上記柱に対して接合する
    第二の横架材を支持する支持部とを有する第二の結合部
    材とからなることを特徴とする木造建築物の柱と横架材
    との接合構造。
  3. 【請求項3】 鉛直方向に延びる柱と、この柱の異なる
    側面で且つ、互いに直交する2方向から第一の横架材な
    らびに第二の横架材を接合する木造建築物の柱と横架材
    との接合方法において、上記柱の上記第一の横架材を接
    合する第一の側面に、柱内部に向けて延びる第一の貫通
    孔を形成するとともに、上記第二の横架材を接合する第
    二の側面に、柱内部に向けて延びるとともに、上記第一
    の貫通孔と柱内部において交差するように同一共有空間
    を有する第二の貫通孔を形成し、少なくとも上下面にお
    いて平面部を有する本体部とこの本体部から本体部長手
    方向の端部から延びる締結部を有する第一の取付けボル
    トを、上記第一の貫通孔より柱に挿入、位置決め後、少
    なくとも上下面において平面部を有する本体部とこの本
    体部から本体部長手方向の端部から延びる締結部を有す
    る第二の取付けボルトを、第二の貫通孔より柱に挿入
    後、位置決めした際、柱内部の上記同一共有空間におい
    て、上記第一の取付けボルトの本体部の平面部と上記第
    二の取付けボルトの本体部の平面部とが面接触するよう
    に組み付け、柱に組み付けられた上記第一ならびに第二
    の取付けボルトの締結部に対し結合する結合部と上記第
    一ならびに第二の横架材を支持する支持部とを有する第
    一ならびに第二の結合部材を上記各結合部によって各々
    第一ならびに第二の取付けボルトの締結部に結合すると
    ともに、各支持部によって上記第一ならびに第二の横架
    材を支持するように組み付けることを特徴とする木造建
    築物の柱と横架材との接合方法。
  4. 【請求項4】 鉛直方向に延びる柱と、この柱の異なる
    側面で且つ、互いに直交する2方向から第一の横架材な
    らびに第二の横架材を接合する木造建築物の柱と横架材
    との接合方法において、上記柱の上記第一の横架材を接
    合する第一の側面に、柱内部に向けて延びる第一の貫通
    孔を形成するとともに、上記第二の横架材を接合する第
    二の側面に、柱内部に向けて延びるとともに、上記第一
    の貫通孔と柱内部において交差するように同一共有空間
    を有する第二の貫通孔を形成し、少なくとも上下面にお
    いて平面部を有する本体部とこの平面部のいずれか一方
    の一部に形成される凹部とこの本体部から本体部長手方
    向の端部から延びる締結部を有する第一の取付けボルト
    を、上記第一の貫通孔より柱に挿入、位置決め後、少な
    くとも上下面において平面部を有する本体部とこの平面
    部のいずれか一方の一部に形成される凹部とこの本体部
    から本体部長手方向の端部から延びる締結部を有する第
    二の取付けボルトを、第二の貫通孔より柱に挿入後、位
    置決めした際、柱内部の上記同一共有空間において、上
    記第一の取付けボルトの本体部の凹部に対して上記第二
    の取付けボルトの本体部が係合するように組み付け、柱
    に組み付けられた上記第一ならびに第二の取付けボルト
    の締結部に対し結合する結合部と上記第一ならびに第二
    の横架材を支持する支持部とを有する第一ならびに第二
    の結合部材を上記各結合部によって各々第一ならびに第
    二の取付けボルトの締結部に結合するとともに、各支持
    部によって上記第一ならびに第二の横架材を支持するよ
    うに組み付けることを特徴とする木造建築物の柱と横架
    材との接合方法。
  5. 【請求項5】 上記第一ならびに第二の貫通孔用の取付
    けボルトの本体部の上面または下面の少なくとも一方
    に、柱の同一空間において直交する方向から挿入され
    る、他方の第一または第二の貫通孔用の取付けボルトの
    上面、下面または両側面の少なくともひとつに面接触す
    る凹部を有することを特徴とする請求項1記載の木造建
    築物の柱と横架材との接合構造。
  6. 【請求項6】 上記第一ならびに第二の貫通孔用の取付
    けボルトの本体部に形成される上記凹部は、柱に対して
    直交する方向から挿入される他方の第一または第二の貫
    通孔用の取付けボルトの上記凹部に対向する、上面また
    は下面の一方と両側面に面接触するように構成されるこ
    とを特徴とする請求項5記載の木造建築物の柱と横架材
    との接合構造。
  7. 【請求項7】 上記第一ならびに第二の貫通孔用の取付
    けボルトのいずれか一方は少なくとも複数本であること
    を特徴とする請求項1記載の木造建築物の柱と横架材と
    の接合構造。
  8. 【請求項8】 上記第一ならびに第二の貫通孔のいずれ
    か一方でかつ、その上端または下端部の少なくとも一方
    が、他方の貫通孔のそれに対して、鉛直方向においてオ
    フセットしていることを特徴とする請求項1記載の木造
    建築物の柱と横架材との接合構造。
  9. 【請求項9】 上記第一ならびに第二の貫通孔のいずれ
    か一方でかつ、その上端または下端部の少なくとも一方
    が、他方の貫通孔のそれに対して、鉛直方向においてオ
    フセットするとともに、そのオフセット量は、そのオフ
    セットされる端部に当接、挿入される取付けボルトの本
    体部の厚みからこの本体部に形成される凹部の深さを差
    し引いたものに相当することを特徴とする請求項5記載
    の木造建築物の柱と横架材との接合構造。
  10. 【請求項10】 上記第一ならびに第二の結合部材の結
    合部は、各第一ならびに第二の貫通孔が形成される上記
    柱の側面に対して面接触する平面部と、この平面部に設
    けられる各取付けボルトの締結部を挿入、支持する穴部
    とから構成され、上記支持部は、該平面部から各横架材
    が位置する方向に向け延びる縦板状部、この縦板状部の
    一方の端部に設けられ、上下方向に延びる柱状部材と、
    上記平面部、縦板状部と柱状部材の各下端部をつなぎ、
    上記横架材の下面に対して面接触する水平面部材とから
    構成されると共に、第一ならびに第二の横架材でかつ、
    上記第一ならびに第二の結合部材に支持される各端部
    は、この第一ならびに第二の結合部材の支持部の縦板状
    部と柱状部材を挿入し、面接触するスリット部が形成さ
    れるていることを特徴とする請求項1ならびに2記載の
    木造建築物の柱と横架材との接合構造。
  11. 【請求項11】 上記第一ならびに第二の貫通孔のいず
    れか一方でかつ、その上端または下端部の少なくとも一
    方が、他方の貫通孔のそれに対して、鉛直方向において
    オフセットするように形成することを特徴とする請求項
    3記載の木造建築物の柱と横架材との接合方法。
  12. 【請求項12】 上記第一ならびに第二の貫通孔のいず
    れか一方でかつ、その上端または下端部の少なくとも一
    方が、他方の貫通孔のそれに対して、鉛直方向において
    オフセットするとともに、そのオフセット量は、そのオ
    フセットされる端部に当接、挿入される取付けボルトの
    本体部の厚みからこの本体部に形成される凹部の深さを
    差し引いたものに相当またはそれ以上となるように上記
    柱に対して形成することを特徴とする請求項4記載の木
    造建築物の柱と横架材との接合方法。
  13. 【請求項13】 上記第一ならびに第二の貫通孔は複数
    の第一ならびに第二の貫通孔用の取付けボルトを挿入可
    能に設定するとともに、上記第一ならびに第二の貫通孔
    に対し、上記第一ならびに第二の貫通孔用の取付けボル
    トを交互に、ボルトの本体部が他方の取付けボルトの凹
    部と係合するように挿入、位置決めすることを特徴とす
    る請求項4記載の木造建築物の柱と横架材との接合方
    法。
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