JPH1150110A - 希土類磁石用合金粉末の製造方法 - Google Patents
希土類磁石用合金粉末の製造方法Info
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Abstract
石合金薄片を水素化粉砕する際の水素吸収時間を短縮で
き、また自然粉砕時間短縮及び水素粉砕性の安定向上を
図ることが可能な希土類磁石用合金粉末の製造方法の提
供。 【解決手段】 ロール急冷法により作製したR−T−B
系磁石合金薄片の表面の酸化膜除去が重要であることに
着目し、該合金薄片の表面を非酸化性である酸水溶液に
て酸洗し、その後水洗、乾燥を行って磁石合金素地を十
分に露出させた後、水素化粉砕を行えば、従来方法より
水素吸収時間を短縮できかつ水素化粉砕性のバラつきを
低減できること、すなわち、水素化粉砕工程の高効率化
及び製造ロットによらない粉砕性の安定化が可能とな
る。
Description
土類磁石用合金粉末の製造方法の改良に係り、R−T−
B系磁石合金溶湯をロール急冷法により急冷凝固させて
得た合金薄片を、非酸化性の酸水溶液にて浸漬処理する
ことにより、後工程の水素化粉砕工程の短縮と微粉砕性
の安定向上を図った希土類磁石用合金粉末の製造方法に
関する。
から大型高性能コンピュータ、自動車、パーソナルコン
ピュータ等の各種部品に幅広く利用されてきている。す
なわち、永久磁石は現存するエレクトロニクス製品の欠
くことのできない重要な部品材料の1つとなっている。
進歩によりエレクトロニクス製品のさらなる高性能化・
小型化が求められてきている。こうした要求に答えるべ
く優れた磁気特性を有するR−T−B系希土類永久磁石
が開発され(特開昭57−145072号公報)、その
生産量は年毎に大きくなってきている。
に焼結法、ボンド法により製造されている。焼結方法
は、例えば、R(RはYを含む希土類金属のうち、少な
くとも1種)、T(Tは、FeまたはFeおよびC
o)、及びBを主成分とする原料メタルを溶解、鋳造
し、合金インゴットを得た後、さらに該合金に水素を常
温にて吸収させて自然崩壊を行わせる水素化粉砕粉を施
し、その後機械的粉砕にて数μmになるよう微粉砕し、
磁場中にてプレス成形後、加工および防錆処理を行い、
永久磁石とする工程からなる。
の発明で原料合金として用いるような難粉砕性の希土類
合金を非常に効率良く粗粉化できる方法として、特公平
4−24401号公報および特開平3−40082号に
開示されている。
砕したR−T−B系合金を挿入し、常温にて水素圧力2
00torr〜50kg/cm2となるように水素を供
給後、水素吸収させ、微細クラックを発生させることに
より、自然粉砕を行わせるものであり、後工程である機
械粉砕性を効率化させることを特徴としている(特公平
4−24401号公報)。
は、R−T−B系合金が十分に水素吸収し水素粉砕効率
を向上させることを考慮した場合、2kg/cm2〜1
0kg/cm2が特に好ましいとされている(特開平3
−40082号)。さらにトータルの水素吸収時間につ
いては特に限定していないが、一般に0.5〜1時間と
なっている。
おいて、ロール急冷法により作製したR−T−B系永久
磁石合金原料を水素化粉砕する場合、製造ロットにより
活性化時間を含めた水素吸収、粉砕時間、及び水素粉砕
性に大きなバラつきが生じることが問題になっている。
常に親和力の強いR2Fe14B主相およびR−rich
な粒界相で主に形成されているため、Ar中で溶解・凝
固させてもロール急冷材表面に酸化膜が生成し、これが
水素分子の合金素地への吸着を阻害するものと考えられ
る。また、ロール急冷法による合金材料は一般の鋳型溶
製材と異なり、鋳片厚みが一般に0.05mm〜3mm
と薄いため、粗粉砕を行っても新鮮面の面積増加は期待
できない。
石用合金粉末の製造法の問題を解消することを目的と
し、ロール急冷法により作製したR−T−B系磁石合金
薄片を水素化粉砕する際の水素吸収時間を短縮でき、ま
た自然粉砕時間短縮及び水素粉砕性の安定向上を図るこ
とが可能な希土類磁石用合金粉末の製造方法の提供を目
的としている。
法により作製したR−T−B系磁石合金薄片の水素吸収
効率の大幅な向上を目的に種々検討し、ロール急冷法に
より作製したR−T−B系磁石合金薄片の表面の酸化膜
除去が重要であることに着目し、さらに検討を加えた結
果、当該合金薄片の表面を非酸化性である酸水溶液にて
酸洗し、その後水洗、乾燥を行って磁石合金素地を十分
に露出させた後、水素化粉砕を行えば、従来方法より水
素吸収時間を短縮できかつ水素化粉砕性のバラつきを低
減できること、すなわち、水素化粉砕工程の高効率化及
び製造ロットによらない粉砕性の安定化が可能となるこ
とを知見し、この発明を完成した。
酸水溶液で本系合金表面を酸洗した結果、酸洗時の酸化
膜生成の防止のため用いる酸は非酸化性に限定されるこ
と、また短時間で酸洗効果の高い酸であることが必須で
あり、塩酸およびフッ化水素酸が好適であることを知見
したことである。なおこれらの混酸水溶液も単一の酸を
有する水溶液と同等の酸洗効果を有することも知見でき
た。
含む希土類金属のうち、少なくとも1種)、T(Tは、
FeまたはFeおよびCo)、及びBを主成分とする希
土類磁石合金の溶湯を、単ロール法または双ロール法に
より急冷凝固させ、得られた合金薄片を非酸化性の酸水
溶液にて浸漬処理し、水洗後に真空中で乾燥し、さらに
0.10kg/cm2以上の水素圧力で水素化粉砕する
希土類磁石用合金粉末の製造方法である。
するために、種々の酸濃度となるように調整してR−T
−B系合金の醗洗を行った結果、塩酸水溶液ではmas
s%で1.00%〜10.00%、フッ化水素酸水溶液
では0.50%〜5.00%、これらの混酸水溶液では
0.50%〜10.00%の酸濃度でR−T−B系合金
表面の酸洗を行うことが、酸化膜除去に好適であること
を知見した。
石合金の溶湯よりロール急冷法にて作製した急冷凝固合
金を原料とする合金粉末の製造工程の一部である水素化
粉砕工程において、R−T−B系合金薄片を酸水溶液に
て浸漬処理後、水洗、乾燥し、表面改質を行った後に水
素化粉砕を行うことを特徴とし、従来方法に比べて水素
吸収までの活性時間の短縮化および微粉砕性バラつきの
低減化が可能となり、R−T−B系永久磁石用合金微粉
末の製造の効率化を達成したものである。以下にこの発
明による希土類永久磁石用合金粉末の製造方法を詳述す
る。
ば電解鉄、フエロボロン合金、希土類金属を高周波溶解
し、さらに合金溶湯を単ロール法もしくは双ロール法で
急冷凝固させることにより作製できる。これらのロール
急冷合金は、高い残留磁束密度と高い保磁力を得るため
に、R12原子%〜20原子%、B4原子%〜24原子
%、Fe60原子%〜84原子%とするのが好ましい。
元素であり、12原子%未満では結晶構造がα−Feと
同一構造の立方晶組織となるため、高保磁力が得られ
ず、20原子%を越えるとRリッチな非磁性相が多くな
り、高残留磁束密度が得られない。よってRは、12原
子%〜20原子%の範囲が望ましい。
ける必須元素であって、4原子%未満では菱面体構造が
主相となり、高保磁力が得られず、24原子%を越える
とBリッチな非磁性相が多くなり、高残留磁束密度が得
られないため優れた永久磁石が得られない。よってBは
4原子%〜24原子%の範囲が好ましい。
須元素であり、60原子%未満では残留磁束密度が低下
し、84原子%を越えると保磁力が大幅に低下する。よ
ってFeは、60原子%〜84原子%の含有が好まし
い。
は、永久磁石の磁気特性を損なうことなく温度特性を改
善できるが、Co置換量がFeの20%を越えると逆に
磁気特性が劣化するため好ましくない。Co置換量がF
eとCoの合計量で5原子%〜15原子%の場合は、残
留磁束密度は置換しない場合に比べ増大するため好まし
いと言える。
を説明すると、まず、所定組成を持つR−T−B系合金
を適当な原料粉末の混合物を溶解して溶製する。この溶
解は例えば、アルゴン雰囲気などの無酸化雰囲気中で行
う。得られた合金の溶湯を、単ロール法(1方向凝固)
または双ロール法(2方向凝固)により、薄板または薄
片(鱗片)状に急冷凝固すると、結晶粒径3〜30μm
の均質な組織を有する急冷凝固合金材が得られる。
は、粉砕粉の粒度分布をシャープにし磁気特性を向上さ
せるために鋳片厚み0.05〜3mm、Rリッチ相が5
μm以下に微細分散したような金属組織を有するものが
望ましい。さらに微粉砕性を向上させるためには、溶製
時に晶出する延性の大きなα−Feを均質化処理により
低減することが好ましい。
合金は、水素化粉砕に供される。ところが、R−T−B
系合金は酸化しやすい希土類金属および希土類金属と鉄
の化合物を多く含むため、鋳型溶製時または溶体化処理
時または粗粉砕時に雰囲気中の徴量の酸素と結合し表面
酸化膜を形成する。また該合金の溶湯を、単ロール法も
しくは双ロール法により急冷凝固する場合も、凝固中の
自由面が雰囲気中の微量酸素を吸着し、さらには溶製後
の冷却過程において酸化膜形成が進行する。
固条件、溶体化処理条件、粗粉砕条件等に大きく左右さ
れるため一概には言えないが、一般に数nm〜数十nm
である。また、酸化膜の緻密度も上記の各条件および溶
製材表面性状等により大きく左右される。
水溶液にて浸漬処理後、水洗、乾燥させ酸化膜を除去し
て該合金表面を活性化した後、水素化粉砕を行うことを
特徴とする。酸洗を行った合金表面は、粒界相(希土類
金属RまたはRの酸化物)素地および主相(R2Fe14
B)素地が露出されるため、酸洗しない場合に比べ水素
分子が合金素地に吸着する確率が顕著に大きくなり、活
性化時間すなわち水素吸収開始時間が短縮される。さら
に、吸着後の粒界および粒内への水素原子拡散量が増加
する。
急冷合金薄片を、例えば吸排気可能な密閉した容器内に
収容し、水素圧力を0.1kg/cm2以上として水素
吸収を行わせる。この場合、水素分圧が0.1kg/c
m2以上となるような不活性ガス、例えばHe、N2、A
r等との混合ガスを用いても良い。さらに好ましくは、
混合ガスの全圧を大気圧以上にし、かつ撹拌装置を備え
た密閉容器を用いて水素吸収を行えば、該合金の水素吸
収による容器内負圧化防止の点とガスの分離防止の点で
好ましいと言える。
g/cm2未満では酸洗後の該合金表面に吸着する水素
分子数が減少するため十分な粉砕性が得られず、効率的
な操業を妨げる。また、水素圧力の上限値は高ければ高
いほど水素吸収速度の増加という点で優れているが、装
置のコストと量産性を考慮した場合、水素圧力の上限値
は10kg/cm2が好ましいと言える。
詳述する。酸水溶液に用いる酸については市販の試薬特
級または1級またはそれと同程度の濃度の非酸化性の酸
の原液とする。また、酸水溶液に用いる溶媒は、蒸留
水、イオン交換水が良く、さらに好ましくはこれらをA
rで数十分間バブリングし酸素固溶量を十分低減させる
と良い。
して、塩酸で1%〜10%、フッ化水素酸で0.5%〜
5%、塩酸とフッ化水素酸の混酸で0.5%〜10%と
なるように調整を行う。酸濃度が下限未満になると十分
に酸化膜を除去できず、また酸濃度が上限を越えると、
該合金表面以外に合金そのもの、特にNdを溶解してし
まう恐れがある。
間および合金成分の過溶解等を考慮して10〜50℃が
望ましい。酸処理時間は酸化膜性状に依存するが、ほぼ
30分以内で十分である。
う。水洗は蒸留水またはイオン交換水を用いるのが望ま
しく、さらには用いる蒸留水またはイオン交換水をAr
で数十分間バブリングし酸素固溶量を十分低減させると
よりいっそう好ましい。その後、酸処理の完了材を前記
蒸留水またはイオン交換水の水流中で約5分間程度洗浄
し、真空中で迅速に乾燥させる。
の急激な酸化を防ぐために50℃以下で行えば、該合金
の表面酸素吸着量が低減するため、微粉砕後の酸素量を
低減させ、優れた磁気特性を得ることができるため一層
好ましいと言える。
金、純度99.7%以上のNdを高周波溶解し、その後
単ロール法にて真空中、ロール回転数100rpmにて
急冷凝固し、15Nd8B77Fe(原子%)なる組成
の板厚約0.5mmの鋳片状のロール急冷材(A)1k
gを得た。
ロール法にて真空中、ロール回転数100rpmにて急
冷凝固し、15Nd8B77Fe(原子%)なる組成の
板厚約0.5mmの鋳片状のロール急冷材(B)1kg
を得た。
学顕微鏡にて金属組織観察を行ったところ、ロール急冷
材(A)、(B)共にNdリッチ相が5μm以下に微細
分散していた。
r雰囲気中で破砕して被酸洗試料とした。酸洗は、市販
の試薬特級35%塩酸を用いて酸濃度が蒸留水に対して
5.00mass%となるよう調整した。この塩酸水溶
液を用いて水溶液温度30℃一定、処理時間10分間と
し、ロール急冷材(A)、(B)それぞれ1kgずつ浸
漬処理を行い、その後Arで10分間バブリングした蒸
留水を用いて、5分間の流水洗浄した。
試料を得た。これらの酸洗試料をサンプリングし、ES
CAにて表面分析を行ったところ、全ての酸洗試料にお
いて粒界相にNd酸化物(Nd2O3)を示す結合エネル
ギーのピークが若干観測されたが、それ以外には酸化物
を示すピークは見られなかった。
排気可能な密閉容器に収容後、容器内を一度真空にし、
水素圧力を絶対圧として0.08kg/cm2、0.3
0kg/cm2、2.00kg/cm2、5.00kg/
cm2一定となるよう封入し、室温にて水素吸収を行わ
せた。ここで酸洗試料が水素吸収を開始し、系内圧力が
減少し始めるまでの時間を活性化時間として測定を行っ
たところ、表1に示す結果を得た。
した後、真空中500℃、1時間の脱水素処理を行っ
た。得られた各粉末をギャップ幅0.30mmとしてデ
ィスクミルで粗砕した後、純度99.9%Arを用いて
ジェットミル粉砕を行い微粉砕粉を得た。得られた微粉
砕粉のメジアン径を表1に示す。
0kOeにて配向させながら1.50ton/cm2に
て加圧成形を行い、30個の圧粉体を得た。その後、真
空中1045℃、4時間で焼結を行い、焼結後はAr急
冷を行って焼結体とした。これらの焼結体を600℃、
1時間の熱処理を施した後、着磁し永久磁石とした。こ
れらの永久磁石の固有保磁力iHcをB−Hトレーサで
測定し、30個について平均値を求めた結果、表1に示
す結果を得た。
材(A)、(B)を用いて、酸洗を経ないで実施例1と
同様にして水素化を行った。該試料が水素吸収を開始
し、系内圧力が減少し始めるまでの時間を活性化時間と
し測定を行ったところ、表2に示す結果を得た。
ェットミル粉砕した場合の各微粉砕粉のメジアン径を表
2に示す。また本発明例と同様の方法でプレス成形、焼
結、熱処理、着磁を行い永久磁石30個を得た後、これ
らの固有保磁力iHcをB−Hトレーサで測定し、30
個について平均値を計算した結果、表2に示す結果を得
た。
T−B系急冷合金の表面を酸水溶液にて酸洗、表面改質
してから水素吸収を行わせることを特徴とするこの発明
方法を採用することにより、合金表面の活性度を大きく
向上させることが可能となり、従来方法より活性化時間
の短縮、および微粉砕時の粒度バラツキが小さくなるこ
とが分かる。また、この発明方法による微粉末をプレス
成形し焼結して得た焼結永久磁石は、従来方法による焼
結永久磁石より優れた磁気特性を有することが分かる。
と同一の酸洗方法により酸洗を行った。得られた酸洗試
料1kgを吸排気可能な密閉容器に収容後、容器内を一
度真空にし、水素圧力を絶対圧として0.05kg/c
m2一定となるよう封入し、室温にて水素吸収を行わせ
た。ここで酸洗試料が水素吸収を開始し、系内圧力が減
少し始めるまでの時間を活性化時間として測定を行った
ところ、表3に示す結果となり、表面改質を行っても水
素吸収が極めて困難になることが分かった。
ットミル粉砕した場合の各微粉砕粉のメジアン径を表3
に示す。また、実施例1と同様の方法でプレス成形、焼
結、熱処理、着磁を行い永久磁石30個を得た後、これ
らの固有保磁力iHcをB−Hトレーサで測定し、30
個について平気値を計算した結果、表3に示す結果を得
た。
T−B系合金薄片を酸水溶液で酸洗・表面改質した後、
水素圧力を0.10kg/cm2以上として水素化粉砕
することにより、合金薄片表面の活性度が大きく向上す
ることで、従来方法より活性化時間、すなわち水素吸収
開始時間の短縮が可能となり、かつ合金表面から水素が
均等に吸収されることで水素化粉砕性が向上し、微粉砕
時の粒度バラツキが小さくなることが分かる。また、こ
の発明方法による微粉末をプレス成形し焼結して得た焼
結永久磁石は、従来の焼結永久磁石より優れた磁気特性
を有することが分かる。
加えて試薬特級の46%フッ化水素酸を用いて、さらに
塩酸とフッ化水素酸がそれぞれ50.00mass%と
なる混酸の3種類の酸原液(塩酸、フッ化水素酸、塩酸
とフッ化水素酸の混酸)を蒸留水に対して各4種類の酸
濃度となるように調整した。
60、1.30、5.00、13.00mass%と
し、フッ化水素酸水溶液では0.30、0.60、3.
00、7.00mass%とし、塩酸とフッ化水素酸水
溶液では0.30、1.00、5.00、12.00m
ass%とした。これらの酸水溶液を用いて実施例1に
記した酸洗方法と同機にして酸洗・洗浄・乾燥を行い各
1kgずつの酸洗試料を得た。
CAにて表面分析を行ったところ、全ての酸洗試料にお
いて粒界相にNd酸化物(Nd2O3)を示す結合エネル
ギーのピークがわずかに観察されたが、それ以外に酸化
物生成を示すピークは見られなかった。
0メッシュ以下に粉砕しICP分析にて含有Nd量を測
定したところ、表4に示す結果を得た。さらにこれらの
酸洗試料各1kgを水素圧力を絶対圧として1.00k
g/cm2一定となるように封入し、室温にて水素吸収
を行わせた。実施例1と同様に活性化時間を測定したと
ころ表4〜表6に示す結果となった。
酸とフッ化水素酸の混酸の各々の水溶液酸濃度がそれぞ
れ0.80mass%、0.30mass%、0.30
mass%未満になると水素吸収のための活性化時間が
顕著に増大し、酸洗効果が小さくなることが分かった。
また塩酸、フッ化水素酸、塩酸とフッ化水素酸の各々の
水溶液酸濃度がそれぞれ13.00mass%、7.0
0mass%、12.00mass%を越えると酸洗に
より試料のNd含有量が大きく減少することが分かっ
た。
ットミル粉砕した場合の各微粉砕粉のメジアン径を表4
に示す。またこの発明方法と同様の方法でプレス成形、
焼結、熱処理、着磁を行い永久磁石30個を得た後、こ
れらの固有保磁力iHcをB−Hトレーサで測定し、3
0個について平均値を計算した結果、表4〜表6に示す
結果を得た。
酸、塩酸とフッ化水素酸の混酸の各々の水溶液酸濃度が
それぞれ0.80mass%、0.30mass%、
0.30mass%未満となると、微粉砕粉のメジアン
径は増大すなわち低微粉砕性化し、焼結体磁気特性は大
きく劣化する。
素酸の混酸の各々の水溶液酸濃度がそれぞれ13.00
mass%、7.00mass%、12.00mass
%を越えると微粉砕粉のメジアン径は減少するものの、
有効Nd量が減少し協結体の固有保磁力iHcが急激に
低下することが分かる。
系希土類急冷凝固合金を酸水溶液で酸洗し表面改貿した
後に、水素化粉砕を行うことを特徴とする、この発明に
よるR−T−B系希土類永久磁石用合金粉末の製造方法
は、従来方法に比べて、活性化時間の短縮化、すなわち
高水素吸収性を有し、さらに合金表面から水素が均等に
吸収されるために水素化粉砕性が向上し、従来方法に比
べ水素化粉砕工程の短縮化、微粉砕工程の粉砕バラツキ
低減化を可能とするものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 R(但しRはYを含む希土類金属のう
ち、少なくとも1種)、T(Tは、FeまたはFeおよ
びCo)、及びBを主成分とする希土類磁石合金の溶湯
を、単ロール法または双ロール法により急冷凝固させ、
得られた合金薄片を非酸化性の酸水溶液にて浸漬処理
し、水洗後に真空中で乾燥し、さらに0.10kg/c
m2以上の水素圧力で水素化粉砕する希土類磁石用合金
粉末の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、酸水溶液に用いる酸
は、塩酸(酸濃度1.00mass%〜10.00ma
ss%)またはフッ化水素酸(酸濃度0.50mass
%〜5.00mass%)、あるいは塩酸とフッ化水素
酸の混酸(酸濃度0.50mass%〜10.00ma
ss%)である希土類磁石用合金粉末の製造方法。
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---|---|---|---|
JP21991597A JP3863643B2 (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 希土類磁石用合金粉末の製造方法 |
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---|---|---|---|
JP21991597A JP3863643B2 (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 希土類磁石用合金粉末の製造方法 |
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JPH1150110A true JPH1150110A (ja) | 1999-02-23 |
JP3863643B2 JP3863643B2 (ja) | 2006-12-27 |
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- 1997-07-30 JP JP21991597A patent/JP3863643B2/ja not_active Expired - Lifetime
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